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決勝戦レポート

山岸佳太(茨城・107期)

強気に攻めた山岸佳太がV

 ニューヒーローの誕生だ。開口一番、「まさか1着とは。ありえないですね」と驚きの表情を見せた山岸佳太。強気な組み立てが、彼に栄光をもたらした。
 「(渡部)哲男さんや、岩津(裕介)さんにいかれて、3着かなと思いました。お客さんには1着と言われたんですけど、引き揚げてきたら、(芦澤)大輔さん達が水を持って笑顔で待っていてくれて。そこで初めて1着を確信しました」
 準決勝では竹内雄作らを相手に逃げた取鳥雄吾を、中団からまくって1着。初の記念優出を決めたが、心境は複雑だった。そして迎えた決勝戦。山岸の組み立てに迷いはなかった。赤板から果敢に風を切ると、波を作って別線を翻弄。そして、最後は横一線のゴール前勝負を制して初の記念Vを決めた。
 「準決勝が不甲斐なくて。言い方はおかしいけど、取鳥に乗せてもらったようなもの。決勝は、2車でも先行しようと思っていました。S班の渡邉(一成)さんや、山中(秀将)さんを相手にどこまで粘れるか勝負しようと。神山(雄一郎)さんにも許可をもらって,波を作って駆けました。理想通りに脚を使わず出られたし、ペースでうまく駆けられたと思います。後ろの状況はわからなかったです。バックが過ぎて、あとはゴールまでと思って踏みました」
 これで、輪界に新風を吹き込んでいる107期から2人目の記念覇者。吉田拓矢、鈴木竜士と茨城3羽ガラスと称された最後の一人が、小田原の地で大きく飛翔した。
 「(競輪祭の出場権利を取ったが)嬉しいけど、まだまだ実力が伴っていないと思うので。まだFIでも(決勝で)7、8、9着しかとっていないですし。新山(響平)も、吉田(拓矢)も上にいるし、少しでも追いつけるように頑張ります。(今後は)GIで活躍して、最後はヤンググランプリで勝負したいです」

 渡部哲男は8分の1輪差届かず準V。「いったかと思った」と悔しがる。
 「神山さんの動きも気になって、渡邉一君の気配も感じて迷ってしまった。張りながら、もう少し早めに踏んでいればいっとったね。まあ、でも楽しかったです。競輪祭の権利を取れていなかったし、よしとします」

 岩津裕介は好位確保からまくるも、山岸に屈して3着。
 「1コーナーくらいから詰めていければ、山岸をまくりやすかったけど。神山さんがうまかったですね。(取鳥)雄吾が頑張ってくれて、決勝に乗れたので。その分も気合いを入れて走ったんですけど。(渡部と)1、2着の結果なら最高でした」

 渡邉一成は、山中をすくい5番手を確保。しかし、それが仇になってしまった。
 「ちょっと見過ぎました。5番手の位置が良すぎて。岩津さんは先に仕掛けないと思って踏んだら、岩津さんに踏まれてしまった。先に仕掛けていれば、山岸君と踏み合いになっても、(高橋)陽介さんにチャンスがあったと思います。位置が良すぎたっていう甘さが敗因ですね」

 当所が冬季移動先の高橋陽介は、2センターから大外のコースを踏むも、届かず5着。今年も、小田原記念制覇はならず。
 「(渡邉)一成に任せていたし、良いレースでした。先行したら取ってくださいとも言ってくれていたし、しょうがないですね。最後は内にいきたかったけど、内にいるメンバーを見て外を踏みました。しいて言えば、(渡邉一が)止まるのを見てしまった。それがなかったらもう少し伸びたかも」

 すくわれた山中秀将は、結局車を引いて8番手。そのまま見せ場をメイクできず8着に終わった。
 「やられた以上は、引いちゃいけないんでしょうね。立て直して仕掛けたいなと思ってしまって。俺と一成さんでやりあったら、ああなってしまいますよね」

  • 優勝者の写真です
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レース経過

 渡邉一成がスタートを取り、以下は高橋陽介、河村雅章、山岸佳太-神山雄一郎、岩津裕介-渡部哲男、山中秀将-渡邉晴智の順で並ぶ。
 周回が進み、青板周回で山中が上昇して前を押さえると、赤板前に誘導が退避した。さらに山岸が叩いて先頭に出ると岩津が続き、渡邉一が上手く内を突いて5番手をキープ。さらに河村が続き、打鐘が入った所で山中は仕方なく8番手まで車を下げた。一方、先頭の山岸は徐々にペースを上げていき、最終ホームでトップギアに入れた。山中が軽快に逃げるなか、岩津が2角から自力まくりを打つとジリジリと番手を上げていく。さらにその後方から渡邉一も迫って各車で力勝負に。ゴール前は横一線の大混戦となったが、山岸が末良く押し切って初の記念優出で見事初優勝を飾った。岩津の外を渡部がしぶとく伸びて2着。岩津は3着となる。

 

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 8 山岸 佳太 茨城 107期 S2 9.7 逃切り H B
2 4 渡部 哲男 愛媛 84期 S1 1/8W 9.5 追込み
3 7 岩津 裕介 岡山 87期 SS T 9.6 捲残
4 2 神山 雄一郎 栃木 61期 S1 1/2B 9.7
5 5 高橋 陽介 青森 89期 S1 3/4W 9.5
6 1 渡辺 一成 福島 88期 SS 3/4W 9.6
7 6 河村 雅章 東京 92期 S1 1/4W 9.3
8 3 山中 秀将 千葉 95期 S1 1B 9.2
9 9 渡辺 晴智 静岡 73期 S1 1B 9.2