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NARA KEIRIN

53#

検車場レポート

  • 2/9 Wed.  (前検日)
  • 2/10 Thu.  (1日目)
  • 2/11 Fri.  (2日目)
  • 2/12 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
松本秀之介選手
 松本秀之介(写真)がオープニングレースに登場する。4度目のGIII出場だった1月和歌山で、初めてグレードレースの決勝に進出。9車立てにも徐々に順応している。
 「和歌山記念でも1レース1番車で1着だったので、今回も1着を取れるように頑張りたい。和歌山の準決は流れ込みで繰り上がっての決勝だったけど、9車にも慣れてきました。奈良は1回しか走った事がないけど、悪いイメージはないし短走路も苦手じゃないです」
 伊藤信は12月の当所FIを無傷で優出。前回の1月大垣も連勝を決めている。PIST6との相乗効果を口にした。
 「PIST6は競輪にとってもいい影響があるんですよね。こっち(競輪)の方がフレームが柔らかいので僕は重く感じちゃいます。いつもカーボンで練習しているので、それでレースを走れるのは自分にとってはプラス。今回は新車です。ほぼぶっつけ本番だけど、いつもそうなので。走ってみてからですね」

2R

 高久保雄介の前回大垣は最終日失格と後味の悪い結末。ただ、本人は決して悲観していない。
 「前回は失格してしまったけど、入線は1着だったし脚自体は悪くないと思います。中3日なので、1日ガツンと練習してあとは疲れを取ってきました。競走が詰まっていて忙しく走っていた中でも調子は維持できているし、記念でも最終日に着をまとめられているので調子はいいと思う」
 伊藤慶太郎は昨年11月に特進してS級に復帰。直前の静岡記念で2勝を挙げるなど奮戦し、そこから中2日での追加参戦だ。
 「追加は静岡の最終日に受けました。疲れはあるけどできる限りのことはしてきたつもりです。負ける時は自分の力を出し切れずに終わってしまう時が多い。レース後に先輩方に話を聞いて組み立てを反省してやっています。初日も変わらず自力でチャンスを逃さないようにしたい」

3R

 石塚輪太郎は、12月以降の記念開催では3場所連続で準決勝進出と安定した成績を残している。1月久留米を一本休んでここから復帰する。
 「地元記念の疲れが出たのか、ぎっくり腰になってしまって久留米は休みました。10日ほど練習はできたし、今は全く問題ないと思います。最近は安定感が出てきたと思うし、記念の準決にコンスタントに乗れてるのはいい。ただ、もう一つ高いレベルで安定したい。奈良は地元地区ですけど特殊なバンクなので、前に前に攻めていないと駄目だと思う」
 三谷政史は昨年末から途中欠場が続き、1月向日町以降は1カ月の欠場。復帰戦がいきなり大事な地元記念だ。
 「12月に腰をやってしまって、ごまかしながら走っていたんですけど、あまりにも駄目で1カ月休んでいました。ヘルニアでした。痛みはもうないんですけど、練習が直前の10日間くらいしかできなくて脚力は落ちていると思います。足りない部分は気持ちでカバーします」

4R

選手の写真です。
山本伸一選手
 1月に奈良に移籍した山本伸一(写真)。直前の広島で好感触をつかんで地元記念に挑む。
 「前回の広島でセッティングが煮詰められたので調子はいいと思います。広島の決勝も結果的に先行するかたちになったけど、踏んだ感じは悪くなかったので。移籍したのは最近ですけど、4、5年ここで練習させてもらっています。気負わずに頑張りたい」
 晝田宗一郎も静岡記念から中2日での追加。これが今年2場所目の競走だ。
 「追加を受けたのは静岡が終わって家に着いてすぐでした。1月に走ってない分、走りたかったので追加を受けました。静岡はほとんど練習ができていない中でもやった方だと思います。帰ってからも体が動いたので、珍しくしっかり練習してきました」

5R

 昨年末のヤンググランプリに出場した佐々木悠葵。今年の走り初めだった2月大垣をこう振り返る。
 「最近はバンク練習ができていないので、あまりよくなかったですね。室内とか、街道練習が中心です。それに前回は疲れがあるなかでの競走だった。今回は疲れは取ってきたので、前回よりはよくなっていると思う。奈良は直線が短いですし、しっかり仕掛けられるように」
 佐々木の番手を回るのは久木原洋だ。1月豊橋記念で落車したが、幸いにも軽傷だったようだ。同地区の後輩との初連係に、気合を入れ直して臨む。
 「落車のケガは大したことなかったし、練習は普通にできました。フレームは壊れてしまったので、予備のやつを持ってきました。いつも乗っているのと寸法はほとんど変わらないので大丈夫。奈良は(昨年5月の)秋篠賞で決勝に乗っているし成績はいい。佐々木君とは初めての連係ですけど、強いのは知っているのでしっかり付いていきたい」

6R

選手の写真です。
渡邉一成選手
 腰痛の影響もあり、昨年終盤から調子を落としていた渡邉一成(写真)だが、最近は徐々に復調。練習の強度も普段通りへと戻せてきたようだ。
 「体調を年末に崩して、ガタガタになってしまったんですけど、ようやく高い水準の練習ができるようになってきました。奈良は、記念の決勝にも乗っているし印象はいいですね。このトラックは積極的に仕掛けていかないと駄目だと思っています」
 1月静岡で落車失格を喫した佐々木雄一だが、復帰場所の2月大垣は2勝を挙げるなどまずまずの成績。
 「ケガの影響はないですね。練習もいつも通りです。静岡でいじったセッティングがしっくりこなかったので、大垣では戻しました。こっちの(セッティングの)方がよかったですね。短走路ですし、前の方にいないと勝負にならないと思う」

7R

 中井俊亮は昨年の70周年記念大会で優出。2週間ほどの調整期間を経て地元記念に臨む。
 「前回の別府が(途中で)中止になって、予定よりも練習と調整の時間が取れました。調子自体は特に変わっていないけど、悪くないし戦える状態です。去年決勝に乗れたのは収穫でした。今度は更なる高みを目指していきたい」
 静岡記念から中2日で追加参戦する山崎芳仁は、最大限のケアを施してレースに臨む。
 「静岡の3日目に追加を受けました。記念は最近だと静岡くらいしか走っていなかったので受けました。帰ってマッサージを受けて、1日だけ練習しました。いつも通り普通だと思います。奈良は短走路だけど悪くないイメージですね」

8R

 柴崎淳は持病の腰痛と付き合いながらも安定した成績を残している。過去にはS級で完全優勝も達成した好相性のバンクで、浮上を目指す。
 「少しずつ自分の中では上がってきていると思う。練習とかはいつも通りですね。奈良はA級でもS級でも優勝があるし、攻めてる走りはできていると思う。セッティングは5年以上変えていないし、今は自転車というよりも体の問題ですね。寒いとどうしてもなんか違うというか違和感がある」
 ムラの目立つ宮本隼輔だが、FI戦での優出は続いている。本来のポテンシャルを考えればまだまだこんなものではないが、得意の短走路で今節は台風の目となるか。
 「急な追加だったので、ここまではケアがメインですね。特別なことはしていないです。最近は浮き沈みが少なくなってきたんですけど、もうちょい上で安定したい」

9R

選手の写真です。
石原颯選手
 石原颯(写真)は1月の地元記念で3勝を挙げるなど、若手の有望株だ。昨年5月当所GIIIでは優出しており、今節も活躍が期待される。
 「中3日なのでしっかり休んできました。調子は良いと思います。鎖骨のプレートを抜いて、それからよくなってきました。奈良は去年のGIIIでの1回しか走っていないけど、好きなバンクです」
 小原太樹は前回の立川で連日鋭い伸びを見せて連勝。好調を維持していれば、逆転も十分だ。
 「直前はPIST6を走ったんですけど、特に問題ないですね。調子は成績に出ている通りだと思います。前回走った感じはすごいよかったです。短走路なので、巧く走れればと思います」

10R

選手の写真です。
三谷将太選手
 昨年5月当所GIIIを制した三谷将太(写真)。地元記念にかける思いは、地元勢の中でも人一倍だ。前回広島の決勝は落車失格だったが、気持ちはすでに前を向いている。
 「ケガは擦過傷だけですけど、少し張りがあるかな。もう落車した次の日から練習して、一昨日くらいに間に合ったかなって感じがあった。秋篠賞を獲ったけど、やっぱり春日賞が獲りたい。いいメンバーですけど、その中でどれだけやれるかですね」
 その三谷の前を回るのは中西大だ。
 「ワットバイクで負荷をかけた練習をやってきました。練習の数値も上がっています。短走路ですし、先手を取った方がいい。後ろは地元の(三谷)将太さんですし、自分らしい先行基本のレースをやりたい」

11R

選手の写真です。
脇本雄太選手
 東京五輪代表の脇本雄太(写真)が登場する。腸骨疲労骨折で123日間の欠場を余儀なくされたが、今節から復帰する。久々の実戦で、まず気になるのは状態面。本人は慎重に口を開く。
 「(怪我は)手術できる箇所じゃなくて、経過観察を待つしかなかった。練習で問題なくても、レースで悪影響がないとは言い切れないので時間がかかりました。走ってみないと分からないっていうのはある。練習自体は12月ぐらいからナショナルチームと一緒にやっていて、1月の半ばくらいからは同じメニューをこなせるようになった。完全な状態とは言えないけど、ある程度までは戻っていると思う」
 三谷竜生は67周年大会の覇者。脇本との連係は昨年8月オールスターの二次予選でワンツーを決めて以来だ。地元のエースとして、気の抜けない初日の戦いに挑む。
 「練習はしっかりできたし、いい感じに状態は上がっている。調子はバッチリですね。地元記念を獲るつもりで来ているし、そのつもりで仕上げてきた。ラインで決められるようにしっかり付いていきます」

12R

選手の写真です。
古性優作選手
 GP王者の古性優作(写真)が地元地区の記念に臨む。1月高松は抜群のスピードを誇示して決勝2着。番手の山田久徳とのワンツーで、仕上がりの良さが際立った。
 「ここまではいつも通りトレーニングをして過ごしていました。和歌山は不甲斐なかったんですけど、高松はよかった。トレーニングを見直してよくなりました。奈良はあまり走った事がないので、特に印象はないです」
 松浦悠士はさすがの安定感を示して、1月和歌山記念、続く高松記念と共に優出。優勝まであと一歩届いてはいないものの、高いレベルの成績を残し続けている。
 「普段通り練習して、昨日(前検前日)は感触がよかった。問題ないですね。セッティングは変えていないし高松と同じ。高松はしっかり動けて感触はよかったんですけど、自分の感触よりも着が悪かった。現状のままでは駄目ですね。奈良を走るのはA級以来。直線が短いので早めに仕掛けないと」
 吉田拓矢は1月立川記念を制して幸先のいいスタートを切ったが、続く大宮記念で落車。状態が不安視されたが、幸いにも大きな怪我はなかったようだ。
 「怪我は膝の打撲くらいで、実は全然大丈夫でした。2日間くらい休んで、すぐ練習しました。悪くないと思いますね。自転車は新車にしました。直前に来たけど、乗れるなって感じはあった。地元のGIもありますし、いい形でつなげられるようにしたい」

1R

選手の写真です。
小岩大介選手
 赤板で勢いよく切った松本秀之介は高橋幸司のカマシを受けて3番手を確保する。前と車間を空けた松本が最終2コーナーからまくり、佐藤康紀のけん制を乗り越えそのまま押し切って1着。
 「ジャン(打鐘)で後ろを見て、カマシに他のラインが付いてきているか確認して、来ていなかったので2車なら出させてもいいかなって。伊藤(信)さんが早めに巻き返しにくるか見ながら、内を締めて前とも空きすぎないように。バックを取りたい気持ちもあって早めに行きました。風もなくて軽かったですね。33はS級に上がって3回目くらいだと思います」
 松本マークの小岩大介(写真)がピタリと続き、同地区の後輩との初連係を成就させた。
 「(松本との連係は)初めてでした。ジャン(打鐘)で6番(高橋)がきたとこも出させていいかなって思ったら出させたし、冷静に立ち回ってくれましたね。ジャンで駆けるならカマシの方が良かったと思うんで。2コーナーでいってくれたので良かったです」

2R

 青板バックで切った小玉拓真を、伊藤慶太郎が押さえる。7番手に置かれた高久保雄介は赤板から巻き返すが、これを伊藤が全開で突っ張る。高久保は瀬戸晋作の強烈なブロックもあって前には出切れず、伊藤の主導権。4コーナーを絶好のハコで迎えた瀬戸が鋭く差し切った。
 「(伊藤)慶太郎は同期だし、魅力的な選手なので空いているなら付かせてもらおうと思った。ジャン(打鐘)のところで高久保さんのスピードがよかったので行かれてしまうかなと思ったけど、慶太郎はそこで加速していったのですごかった。番手だったけど、1着なので(調子は)いいですね。記念の1着は初めてなのですごい嬉しいです」
 気迫あふれる競走で別線を完封した伊藤慶太郎が自身も2着に逃げ粘り、ラインワンツースリーをメイクした。
 「九州勢が付いてくださって、3車で走りやすくなったので先行基本に考えていました。高久保さんは地元が付いているし、絶対行くって雰囲気を顔見せの時から感じていたので、(突っ張る)準備していました。前回と全く違うセッティングにしたんですけど、悪い感じはないし方向性は間違っていないと思う」

3R

 石塚輪太郎は青板バックで日野博幸に突っ張られると、後方に車を下げ切らずに中団外で併走となる。石塚は打鐘めがけてもう一度仕掛けるが、日野が再度突っ張って出切れない。石塚は4番手外にへばりつく形から、最終2コーナーで三度仕掛ける。今度は日野をまくり切り、厳しい展開をしのいで1着を手にした。
 「初手は前か中団からって考えていたんですけど、後ろになってしまったんで…。ジャン(打鐘)でカマシ切れれば良かったんですけど、日野さんに2回突っ張られてしまったので。スピードがあったところで勝負をしようと思いました。余裕はあったのでタレてくればまくれるなって感じでした。今回から新車に換えたんですけど、余裕はあったしいいのかなって思います」
 三谷政史が石塚に踏み遅れて内に降りると、4番手で内に包まれていた佐々木堅次が石塚を追って2着に入った。
 「初手で中団が取れれば切った上を叩いて先行するか、(別線の巻き返しが)早ければ出させてもって思っていたんですけど(日野が)突っ張ったので。でも落ち着いて走れました。併走になったんですけど、日野さんは踏んでいたしきつそうだったので、石塚さんにスイッチしていけたのでよかった。三谷さんと勝負かなって思ったんですけどね。去年よりも落ち着いて走れています」

4R

選手の写真です。
晝田宗一郎選手
 青板バックで切った伊藤稔真が、押さえた山本伸一の番手に飛び付く。ペースが緩んだ隙を逃さずに、晝田宗一郎が打鐘で一気にカマして主導権を握る。山本の内をすくった伊藤が車間の空いた3番手で中国勢を追うが、晝田のペースが落ちずに巻き返せない。番手絶好の西田雅志が鋭く晝田を差し切った。
 「スタートは、中部勢が前を取りにいったら自分達が後ろ攻めになってしまうので、それなら前からが良いと思っていた。細切れだし、切って切っての展開なら自分たちに順番も来るだろうと。(晝田は)絶妙なタイミングでいってくれましたね。山本君もジャン(打鐘)で脚を使っていたんだと思うけど、後ろを確認したら誰も気配がなくてワンツーが決まると思った。記念で1着スタートなんて記憶にないですね」
 抜群のタイミングでカマシを放った晝田宗一郎(写真)が2着に逃げ粘った。
 「西田さんと一緒の時は、いつも前受けか、取れた位置から詰まった所でいくって感じで考えています。いいところでいけましたね。競走が詰まっていて疲れはあるけど、レース勘はいいですね。何も考えなくても体が動いている。今回は追加でフレームが届かなかったので、昔使っていたやつを使っている。特に問題はないです」

5R

選手の写真です。
佐々木悠葵選手
 打鐘カマシの吉田篤史が逃げて隊列は一本棒。スタートで前受けの佐々木悠葵(写真)は、最終ホーム7番手まで車を下げ切る。佐々木は最終1コーナーから仕掛けてグングンと加速していくと、ゴール前で前団を捕らえて1着。
 「(初手は)どこを取っても細切れだったのでいいかなって感じでした。凄く遠かったですけど、ホームで詰めながらいった感じですね。踏んだ感じはよくなくて、ジワジワ上がっていった感じでしたけど、バックではいけるかなって。前回は疲れもあったので今回は前回よりも体は動いてくれていますね」
 佐々木と初連係だった久木原洋がまくりに食らい付いて関東ワンツー。
 「(佐々木が)もう出た所からいける所をしっかりって感じだったので任せていましたけど、ドキドキしましたね(苦笑)。佐々木君の力は知っているのでいっちゃうんだろうなって思いましたけど、雨も降ってきていましたし。今回はフレームが違うので不安はありましたけど付いていけているし悪くないですね」

6R

 切った畝木努を、赤板で藤井昭吾が叩いて先行態勢。渡邉一成は2コーナーから巻き返して出る。渡邊は外で脚を回しつつも、4コーナーの下りを使って加速し藤井を最終ホーム過ぎに叩き切る。余裕を持って追走した佐々木雄一が、ゴール寸前で渡邉を差し切った。
 「(渡邉は)様子を見ながらって感じで仕掛けてうまかったですね。出切れることは出切れるって思っていたし、後輪だけ見ていました。もうちょい余裕で抜けるかと思ったけど、ギリギリでした。落車明けの2走目なんですけど、大崩れすることなく走れていますね」
 渡邉一成が冷静なレース運びで、別線に実力を示した。
 「藤井君がどんだけ踏んでいるか分からなかったので、中団に降りてもいいかなって感じで仕掛けていった。8番(松山桂輔)が離れていて、そこに入っても決まらないなと思ったので一瞬ニュートラルに入れてからいった。出切ってからはペースでしたし、ニュートラルに入れた時の感触を確かめながらでした。直前に、体調を崩す前と同じ水準でトレーニングができた。上々の滑り出しだと思う」

7R

選手の写真です。
山崎芳仁選手
 切った岡崎景介を押さえて中井俊亮が前に出る。山崎芳仁(写真)はすんなり車を下げて7番手。中井は後ろを確認しながら徐々にペースを上げて駆ける。山崎は最終ホームからまくり発進。抜群の加速で前団をのみ込んでいった山崎が、マークした竹内智彦と3番手以下を大きく引き離してゴールした。
 「(初手は)前か後ろしかなかったですけど、誰も出なかったので。前はリスクがあるんですけどね。緩んだらいこうと思っていました。押さえに来るのが遅ければ突っ張りも考えていましたけど。中井君がいいペースで駆けていったんですけど、行くならホームだなって。必死だったんですけど、意外とスピードは良かったですね。33なのでタイミングだけしっかりと見極めて戦えれば」
 山崎マークの竹内智彦が2着。
 「(山崎に)全部任せていたんですけど頑張ってくれました。凄いスピードでしたし、やっぱり力が違うんだなって感じました。きつかったですけど、自分も付け切れているので。人気に応えられて良かったですね。一走して感覚はだいたい分かったので明日も頑張ります」

8R

 中団から柴崎淳が先に動くも、中釜章成がこれを突っ張る。中団に入り直した柴崎は、中バンクに上がって後ろをけん制するが、宮本隼輔はお構いなしに赤板でその上を一気にカマす。中四国勢が3車で出切り、中団の中釜は大きく口が空いてしまう。宮本マークの柏野智典が最終4コーナーで踏み込んで抜け出した。
 「初手は前か中団からと思っていたけど、スタートを取り損なってしまった。(宮本)隼輔が一番強い自力だし、他の選手はセオリー通りに動いて、王道のレースになった。ただ(宮本が)あんなにフカすとは思っていなかった。フカした時点でかなり自信があるんだろうなと思ったけど…。自分は終始後ろを確認できていたし、もうちょい悪いかもと思って来たけど、よくなっています」
 勝負所で7番手に置かれた柴崎淳だが、最終2コーナーからまくり上げて2着に届いた。
 「失敗ですね。中団を取りたかったけど、(青板バックで中釜に)思いのほか抵抗されて。無理にいっても脚を使うし、それならと思って下げた。ジャン(打鐘)過ぎにかなり車間が空いてて嘘だろと思った。キツかった。正直、寒すぎて手応えはなかったです」

9R

選手の写真です。
酒井拳蔵選手
 横関裕樹が切り、石原颯が叩いて赤板から主導権を握る。石原はハイペースで飛ばして隊列は一本棒で最周回。前受けから6番手に下げていた酒井拳蔵(写真)は1コーナーから巻き返す。スピードに乗った酒井が石原をまくり切り、人気を集めた中四国勢を撃破した。
 「車番が悪かったのでいける所からいこうと思っていました。セオリーなら石原君を後方に置いて先まくりが勝ちパターンだと思うんですけど、いってダメならダメで、いけたらラッキーと思っていったらいけたので自信になりますね。感触は凄くよかったです」
 果敢に先行した石原颯だが、酒井にまくられて3着。
 「中団からいこうと思っていたんですけど、ちょっと早かったですね。流れが早くなってしまって吸い込まれる感じでいったので。2周は長かったですね。ちょっと踏み過ぎたのかなって。寒いのは苦手なので明日は暖かくなってくれればいいですね」

10R

 スタートで前を取らされた中近勢が前受け。曽我圭佑、矢口大樹の順で切って中西大は後方まで車を下げる。矢口がペースを上げ、中団の曽我が波を作ってけん制するが、中西は赤板から力ずくで巻き返す。マークの三谷将太は離れてしまうが、中西は最終ホームで先頭に立ち、そのまま緩めることなく後続を突き放して1着。
 「スタートは誰も出なかったので前からになりました。もっと早く前に出て勝負したかった。前に出てどこまで粘れるかってレースがしたかったですね。自分のダッシュがなくて、外併走からって形になってしまった。1着は取れたけど、トップスピードと、トップスピードに上げる力がない。自転車はいじるところはないけど、競走が終わってもまだずっと息が上がっているし、ちょっとケアをしないといけない。でも、それだけ出し切れたってことだと思ってプラスにとらえます」
 三谷が中西に離れると、中団から曽我が中西後位にスイッチ。しかしながら、それを察知した東龍之介が曽我をブロックして矢口を迎え入れる。最後は矢口を交わした東が2着に入った。
 「矢口さんが気持ちの入ったレースをしてくれて、とりあえず切ってからってレースをしてくれた。気持ちの良いレースだったし、大塚さんも内を締めてくれて、競輪ができた。中西君が見えて、その後ろが三谷さんじゃなかった。曽我君だったから、そこを止めれば矢口さんに追っかけてもらってゴール前勝負ができると。ラインで勝ち上がれてよかった。前回から新車なんですけど、前回の最終日にセッティングが定まって、引き続き悪くないです」

11R

選手の写真です。
脇本雄太選手
 スタートけん制が入り、前受けは近畿勢。脇本雄太(写真)は誘導と車間を空け、別線の上昇をすんなりと受けて7番手の位置で反撃の機をうかがう。金ヶ江勇気が先行し、三好恵一郎が最終ホームから中団先まくりに出るが、松尾信太郎が大きくブロック。脇本は最終1センターから仕掛けると、前団の煽りをものともしない。次元の違うスピードで大外を一気にまくり切り、復帰戦を白星で飾った。
 「まずはほっとしたっていうのが率直な感想ですね。(ファンの声援が凄くて)本当に地元の近畿地区の記念で復帰できたことは嬉しく思っています。誰かが前を取るかなって思ったんですけど、けん制があったので前からになりました。寒い中で走るのも久々だったので、踏み出しはよかったんですけど、少し遅くなってしまったのでもう少し早くても良かったのかなって。そこは反省点ですね。体は完全復活とまではいかないですけど、十分に戦えることがわかった。気持ちと脚力をかみ合わせていければ」
 地元の三谷竜生が脇本のまくりに食らい付いた。
 「ワッキーのタイミングでいってくれればって思っていましたけど、全然いかなかったですね(笑)。まあ、そこも任せていたので。でもあれを抜けるようにならないといけない。今日はちょっと緊張しましたね。しっかりと付いてはいけましたけど、差し込めなかった。明日(2日目)以降はもう少し良くなると思うので頑張ります」

12R

選手の写真です。
吉田拓矢選手
 前を取った吉田拓矢(写真)が、青板バックで古性優作を突っ張る。松浦悠士は新山響平が赤板を目掛けてカマす動きに合わせて吉田を切り、北日本勢を受けて好位を確保する。最終2コーナーから仕掛けて北日本勢をのみ込んだ松浦だったが、さらに上を仕掛けた吉田がゴール寸前で松浦を捕らえて激戦を制した。
 「一回は突っ張らないと後方になると思っていた。(赤板で)松浦さんに入られてしまったこと以外はいい反応でした。余裕はあったけど、松浦さんに入られたところは後ろに迷惑を掛けた。松浦さんが仕掛けて、なかなか出切れていなかったので、どうなのかと思って構えしまった。脚は溜まっているし、反応はいいのであとは仕掛ける勇気だと思います」
 わずかに吉田に逆転を許した松浦悠士だが、俊敏に好位を確保した動きこそが松浦の真骨頂と言えるだろう。
 「踏ませてから新山君か吉田君を出させる作戦だった。早く切ってしまうと新山君を引き出す形になってしまうので、彼と同時にいって踏ませるような感じにしたかった。新山君が来なければ、自分で駆けてもよかった。高松記念の決勝もそうだけど、1着を取れると思った展開で取れていない。今の実力なのかなと思う。高松からフォームを変えて、いい感じだったけどもう少しうまくできるかな」
 松浦マークの園田匠が3着。
 「松浦君は完璧なレースをしてくれた。自分に余裕がなかったからワンツーできなかった。(最終)2センターで吉田君を止められる余裕があれば。久々の33で、久々の9車立てで感覚が違った。松浦君は完璧だったと思うし、連れていってもらった」

6R

選手の写真です。
石原颯選手
 前受けの新山響平が北川大五郎の上昇を突っ張って青板バックから風を切る。サラ脚の石原颯(写真)は6番手の位置で脚を溜め、打鐘過ぎ4コーナーから発進。抵抗する新山をまくり切った石原が後続を千切って快勝した。
 「(新山が)突っ張ると思ってなかったです。細切れで突っ張るのはすごい。突っ張ったので、自分は車間を空けて冷静に走ってました。山崎さんが内に降りていたので、もしかしたらブロックに来るかと思って見てしまったけど、いい感じにまくれました。脚はいっぱいでした。早く仕掛けないとペースにやられると思った。前日にあまり眠れなくて、体調的にはちょっとしんどかった」
 石原の踏み出しに佐竹和也は離れてしまい、新山を利した山崎芳仁が2着に入った。
 「前を取らされると思っていた。みんな切って切って石原待ちだろうと思ったので、一回突っ張って石原を受けて3番手か、来なければそのまま先行だと思っていた。(新山)響平が力を出して、頑張ってくれたからあの展開になった。最近は人の後ろに付くこともあって、不安とか変な緊張とかはなかった」

7R

選手の写真です。
窓場千加頼選手
 青板バックで渡邉一成が宮本隼輔を突っ張る。宮本が車を下げると、今度は吉田篤史がカマして出る。打鐘で出切った近畿勢に対して、宮本がすかさず巻き返す。吉田と車間を切った窓場千加頼(写真)だが、宮本を止められずに上をいかれてしまい、中国勢後位にスイッチする。窓場は3コーナーから車を外に持ち出し、短い直線で鋭く突き抜けた。
 「吉田さんがいいタイミングで叩いていってくれたので。自分は番手として対処が未熟でした。吉田さんの持ち味の先行をしてくれたけど、自分がラインを生かせる技量がなかった。止められなかったので西田(雅志)さんの後ろにスイッチして突き抜けようと思いました。脚の感じはめちゃくちゃ良いので」
 豪快にまくってみせた宮本隼輔が2着。
 「今日はもう後ろからって考えていましたけど、突っ張られると思っていなくて油断してしまいました。そのあと(西田が)4番手を取ってくれたので、タイミングが来ればすぐに行こうと。今回は1レース、1レースしっかりモガこうと思って来たので。感触はそこまでよくないですけど、力は出し切れている」

8R

選手の写真です。
浅井康太選手
 切った酒井拳蔵を柴崎淳が押さえて、松浦悠士が打鐘で叩く。三重勢が中団を確保し、伊藤慶太郎をけん制した浅井康太(写真)は、最終ホームで中国勢後位に切り替えてバックからまくり出る。柏野智典のけん制を乗り越えた浅井が松浦をまくり切った。
 「けん制があって迷ったけど、中団を取れてそこからスタートできた。8番が踏んでるところをあっちゃん(柴崎)が踏んで切って松浦君を待った。踏んでいたので中団のレースになった。(柴崎は)内に退避する形になったので見切りをつけて切り替えた。33なのでもうワンテンポ早くてもよかったけど、柏野さんも脚があるので(ブロックに)来そうな感じもあった。古性君に昨日(初日)付いて、仕掛け所だったり、脚力がすごいあるなってところを実感できた。昨日と今日(2日目)で発見できたところを修正できれば。スピードが少し足りないなってところはある」
 三重勢を叩いて出た松浦悠士が先行策で2着に逃げ粘る。
 「(初手は)前から2番目が理想だったけど、柴崎さんが切ってくれると思ったし、その後切った方が自分らしい競走がしやすいと思った。踏み上がっているところを叩いたのでキツかったですね。アタリが軽すぎて踏み上がらなかったので、チェーンを新品に変えようと思います。感触は昨日と同じ感じでしたね。自分の理想の体の使い方ではない。積極的にいって2着なのが現状だけど、あと数十メートル踏めれば1着だと思ってGIに向けてやっていきたい」

9R

選手の写真です。
園田匠選手
 青板バックで佐々木堅次が石塚輪太郎を突っ張る。石塚が下げたところで矢口大樹がカマシを敢行。松本秀之介は5番手内で石塚輪太郎と併走になる。松本は打鐘前に石塚をドカしてコースをこじ開け、巻き返す。最終ホーム過ぎに出切った松本を、番手の園田匠(写真)が車間を切って援護。最後は園田が詰める勢いのままに差し切った。
 「自分の方が緊張しましたね。(松本は)今日(2日目)みたいにしっかりと動いてくれればグレードレースでも通用すると思うので。自分は後方からのまくり追い込みでも得意パターンなので良かったですけど、動いてくれたので。ちょっとセッティングを修正して昨日(初日)よりも良くなりましたね」
 松本秀之介はヨコの動きも駆使して激戦を断った。
 「細切れ戦なのでどの位置からでも切って切っての所を叩こうと思っていました。でもあそこ(石塚との併走)は引けないと思って勝負しました。踏みたかった所なので。(ヨコの動きは)練習でもやったりしているのでビビることなくいけました。ちょっと風がありましたけど、3コーナーを耐えられました」

10R

選手の写真です。
吉田拓矢選手
 前受けの吉田拓矢(写真)は別線を受けて7番手まで車を下げる。押さえ先行の晝田宗一郎に対し、吉田は打鐘で一旦は仕掛けようとするが、タイミングが合わずに一車追い上げて鷲田佳史の後位に収まる。伊藤信が最終ホームから先まくりに出ると、吉田は2コーナーからさらに外に持ち出してその上をまくっていく。伊藤を2センターで捕らえた吉田が連勝のゴールを駆け抜けた。
 「(打鐘で)タイミングが合っちゃったので、休みながらいこうと思った。要所、要所で甘さが出てしまい、自分で苦しくしてしまった。反省点の多いレースでした。33は一つのミスでキツくなってしまう。昨日(初日)は冷静に固さもなく走れたが、今日(2日目)は力が入ってしまい固さがあった」
 諸橋愛が吉田に続いて2着をキープ。
 「スタートは中団を取りたかったんですけどね。赤板前のところで、伊藤君が前に出ていてくれればまた違ったんですけど。そこだけですね。(打鐘で)仕掛けるか仕掛けないのか中途半端で分からなくて脚を消耗して最後は余裕がなかった。(調子は)悪くないと思うけど、まずまずですね」

11R

選手の写真です。
宿口陽一選手
 残り2周から仕掛けてカマした中西大の主導権。佐々木悠葵は打鐘から巻き返す。勢いよく前団に迫っていくが、最終ホームで三谷竜生のブロックを受けて佐々木の勢いは鈍る。佐々木マークの宿口陽一(写真)は2コーナーから自力に転じて大外をまくっていく。三谷も3コーナーで番手から出て応戦するが、宿口がねじ伏せてS班としての初勝利を手にした。
 「今日(2日目)は後ろよりも前からの方がいいかなって思ったのでスタートで出ました。最悪の展開にはなりましたけど、佐々木君がしっかり仕掛けてくれたので。やっと1着が取れました。ここまま1着を取れないんじゃないのかなって思ったくらいなんで、正直、ほっとしています。昨日終わってから脇本君にハンドル周りのセッティングをアドバイスしてもらって格段によくなりました」
 勝負所で中西の番手から出た三谷竜生が、地元からただ一人準決勝に進出した。
 「(スタートは)中団からって感じでしたし、中西君がしっかり仕掛けてくれました。(宿口が)もうちょっと当たれる位置に来てくれればよかったんですけどね。(佐々木が)止まったのでラインで決まるかなって思ったら宿口さんに来られてしまったので、申し訳ないですけど踏ませてもらいました。体調は問題ないですけど、欲をいえば1着が欲しかったですね」

12R

選手の写真です。
脇本雄太選手
 最終レースは元砂勇雪が当日欠場して8車立てで行われた。脇本雄太(写真)は後ろ攻めを選択し、6番手からの組み立て。脇本は青板周回から前と車間を切って間合いを取り、赤板目掛けて一気にカマす。スピードの違いで一瞬にして先頭に立った脇本に、マークした古性優作はピタリと付け切る。単騎の大川龍二が最終ホームで3番手に追い上げるが、レースは終始脇本のペース。直線で追い込みをかける古性も振り切って、脇本が堂々と押し切った。
 「単騎が多くて、セオリー通りにはいかないと思っていた。後ろから自分の仕掛けたいタイミングでいきました。並びの時点で今日(2日目)は先行だと思っていた。どれくらいもつのか、体の感じも含めて確かめたかった。正直、思っていたよりも仕上がっていない。先頭に出てからのペース配分、今までなら考えずにできていた配分をミスった。思ったようなペースではなかった。今開催はこれが限界。自転車はいじらないです。体だけは現状維持できるようにケアをしっかりしたい」
 マークの古性優作が2着。復帰した脇本の強さに舌を巻いた。
 「(脇本が)すごい強かった。スタートも全てお任せしていました。ラインとしてこれから強くしていく為に、いつもと追走の仕方を変えてみた。でも、脇本さんのコーナーの回し方がすごくうまくて、計り間違えました。調子自体はいいし、楽しみだったんですけど、ただただ(脇本が)強かった」

10R

選手の写真です。
吉田拓矢選手
選手の写真です。
宿口陽一選手
 後ろ攻めの吉田拓矢(写真)がまずはレースを動かす。その吉田を浅井康太が切り、宮本隼輔が赤板過ぎに押さえる。宮本が出切ってからペースを上げずにいると、打鐘で5番手から吉田が叩きに出る。宮本も慌てて踏むが、あっさりと叩き切った吉田の主導権。直線で詰め寄る宿口陽一も振り切り吉田が逃げ切った。
 「宮本さんが積極的だし、その後ろを取りたかったんですけど、後ろ攻めになってしまいました。なので、深く考えずに出たとこ勝負でした。宮本さんがジャン(打鐘)で緩めたので、フワッと上がった所を目掛けて仕掛けた。3日間で今日(3日目)が一番よかった。新車がマッチしているし、競輪祭を獲ったときのフレームよりもいい。自転車に関しては問題ないですね」
 宿口陽一(写真)は吉田を差し切るには至らず2着。
 「一番後ろからになるとは思っていなかったけど(吉田が)落ち着いてしっかり駆けてくれたので、自分は連係を外さないようにとだけ思っていた。最後は捕らえられる感触があったんですけど、すごい踏み直しで、とにかく(吉田)拓矢が強かった。今回は練習の感じもよくて、脇本君にアドバイスをもらってさらによくなった。不甲斐ないレースが続いていたけど、やっとしっかり走れるようになりました」
 吉田に叩かれた宮本隼輔だが、番手の大川龍二のアシストもあって3番手に収まり、3着に流れ込んだ。
 「作戦はなくて、流れで走ろうと思っていた。できれば(吉田を)合わせたかったけど、力の違いだと思います。全部位置を取ってくれた大川さんのおかげだし情けない」

11R

選手の写真です。
古性優作選手
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石原颯選手
 単騎戦の古性優作(写真)は、中四国勢後位で5番手からレースを組み立てる。松本秀之介が新山響平を切り、打鐘で石原颯が叩く。古性は中四国勢追走のまま3番手をしっかりキープして最周回。1センターから仕掛けた古性が一瞬にして石原をまくって圧勝した。
 「特にイメージはせず、パッと出てみてって感じですね。(打鐘過ぎの)2センターでそのままいければ一番よかったですけど、仕掛けはかなり遅めになってしまいました。感触はいつも通りでしたね。高松ほどじゃないですけど。ちょっとセッティングをいじろうかなって思っています。ハンドル周りですね。今後に向けてやりたいこともでてきたので」
 石原颯(写真)は古性にはまくられたものの、柏野智典の援護もあって2着に逃げ粘り、昨年7月高知記念以来3度目のGIII決勝へと進出した。
 「(スタートで)中団を取れたらいいなって思っていたのでよかったですね。松本君もカマシならしますけど、押さえ先行はしないだろうと思っていたので、出させてくれると思った。もう自分はいっぱいでしたね。後ろはわからなくて柏野さんが残してくれた感じです。奈良は相性いいのかなって。サンサンは好きかもしれない」
 柏野智典は古性こそ止められなかったが、古性の仕掛けを追ってきた伊藤信はしっかりとけん制して石原を援護。3着で決勝に駒を進めた。
 「ちょっと難しいレースだなって思ったので走る前に考えていました。一番希望していた通りのレースになりましたね。古性君ならあの位置(3番手)をキープすると思っていた。古性君を止めるのは厳しいかなって思ったのでその後ろを止められればって。バックまでは悪くないんですけど、最後にバタついてしまうというかバランスが悪いというか。脚がいっぱいな感じとはまた違ってよくないので調整します」

12R

選手の写真です。
脇本雄太選手
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松浦悠士選手
 スタートけん制が入り、脇本雄太(写真)が前を取らされる。後ろ攻めになった松浦悠士がインを切り、脇本は車間を空けた7番手。赤板目掛けて一気にカマした脇本に対して、松浦は合わせて踏み込んで打鐘で番手に飛び付く。松浦が内から三谷竜生をさばいて番手を取り切るが、脇本は強烈な踏み直しでそのまま押し切った。
 「組み立ては大体想像通り。松浦君が押さえた時点で、飛び付きもあると感じていた。そこに自分がどう対応するかだった。結果は甘えた形になった。松浦君が(赤板の)1センターと2コーナーで外に振ってきたところで対応が遅れてしまった。現状維持と思っていたけど、衰えているなって感覚はある。それは自分の感覚なので、周りがどう言おうと自分ではそう感じています。(決勝は)次につなげるために、体を確かめながら古性君と決める方向で走りたい」
 脇本の番手に飛び付いた松浦悠士(写真)が2着。
 「脇本さんが前ならその後ろから組み立てたかったけど、内山(雅貴)君にスタートを巧く決められて後ろ攻めになった。そうなった時点で内山君は当てにせず自分でしっかり戦おうと思った。あの展開は想定していなくて、残り2周になってしまって下げられなかった。自分のポリシーではないし、本当は三谷さんの所にはいきたくなかった。僕自身、西田(雅志)さんが付いているし、個の力で負けているので番手を取らないとラインで決まらなかった。自分の地元記念で三谷さんにお世話になっているのに…。三谷さんに申し訳ない。チェーンを新品にして、タイヤも変えて、上積みはあるし感触は準決が一番よかった」
 松浦マークの西田雅志が3着。
 「初手の並びが南関が中団で誤算だったけど、もう全任せだったので。松浦は3番手じゃなくて番手にいって勝負してくれた。そのおかげの3着です。恵まれ一本で来たけど、いい状態では入ってこれている」