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なごや競輪

NAGOYA KEIRIN

42#

検車場レポート

  • 8/11 Tue.  (前検日)
  • 8/12 Wed.  (1日目)
  • 8/13 Thu.  (2日目)
  • 8/14 Fri.  (3日目)
  • 8/15 Sat.  (4日目)

1R

選手の写真です。
坂井洋選手
 前回の弥彦記念を2331着と4走すべて3着以内にまとめた坂井洋(写真)が、初出場のGIでオープニングの1番車を務める。
 「1R1番車は予想外ですね、まさか自分が。でも、期待に応えられるように。いまはバックを取る競走を意識している。(前々回の)サマーナイトフェスティバルはセッティングをいじっちゃって、うまく連動してない感じがあったんで(そのあと)戻しました」
 阿竹智史は、前回の高松FIで逃げた同県の島川将貴の番手から追い込み優勝。
 「前回は若い子が頑張ってくれた。3日間全部突っ張り先行になるとはね。中4日なので無理をせずに、疲れをとってきました」

2R

選手の写真です。
小松崎大地選手
 サマーナイトフェスティバルのあとは弥彦記念、川崎FIの7車立てをともに優出した小松崎大地(写真)が振り返る。
 「(7車立ては)まだ探り探りですね。走りなれているぶん、9車立ての方がいいし、競輪はライン戦だって思っている。疲れもなく、(コンディションは)問題ない」
 前回の地元、玉野FIを714着から岩津裕介は、中8日で今シリーズを迎える。
 「7車立てだとまた流れが違いますよね、(自力選手の)ペースも違う。(サマーナイトフェスティバルの落車の怪我は)もう影響がないと思います。体調的にも大丈夫です」

3R

選手の写真です。
渡邉一成選手
 今期は弥彦記念、西武園FIと連続で決勝に進出している渡邉一成(写真)は、仕上がりも良さそうだ。
 「弥彦(決勝は)は完全に郡司(浩平)君に力負けですね。(西武園の決勝は)3分戦での2段駆けだと、7車立てはキツいなって思いました。そのあとは雨が続いてたんで、のらりくらりやった。後半の1週間は、天気が良かったんで、最後の方はちゃんと(練習が)できた。(仕上がりは)いいと思いますよ」
 西武園FIの決勝でも渡邉と連係した和田圭は、安定した成績を残している。
 「細切れですしね、(渡邉)一成さんが仕掛けてくれると思うし、チャンスがありそう。自分の感じは抜群にいい」

4R

選手の写真です。
稲川翔選手
 前々回の福井記念では落車で途中欠場を余儀なくされた稲川翔(写真)だが、前回の向日町FIでは711着で優勝を遂げた。
 「やりたいことがいい方に出れば、まだ伸びシロはある。自転車に合った体づくりとかをしっかりすればですね。(脇本雄太の番手)そういう位置を回るためにも、ちゃんとしていかないと」
 高橋晋也は地元、平のサマーナイトフェスティバルからおよそ1カ月ぶりのレース。
 「GIはこれが2回目です。山崎(芳仁)さんが後ろだと安心して駆けられるし、走りやすい。直前はプレオリンピックで(競技の)全種目に出て、勉強になることばかりだった。(競技)大会の経験は数回しかないので、競輪と違って全員の動きを気にしないといけない。駆け引きとかも激しかった。ナショナルチームに参加してちょうど1年。力はついてきています」

5R

選手の写真です。
菅田壱道選手
 優出した昨年のオールスターでは新田祐大の優勝に貢献した菅田壱道(写真)が、また同じ名古屋の舞台に戻ってきた。
 「なによりも(初日は)大槻(寛徳)さんと一緒っていうのが。大槻さんと相性がすごくいいので、それが大きい。直前は雨で乗れなくて不安があるかなっていうのがあったけど、それ以上に疲れが出たんで抜く感じでした」
 前回、玉野FIの準決では展開にも泣かされた渡部哲男は、腰痛もあって最終日は欠場の選択をした。
 「腰が痛かったんで欠場させてもらいました。体調を整えるのが優先っていうのもあったし、(腰を)ケアしていまは大丈夫です」

6R

選手の写真です。
南潤選手
 1カ月半ぶりの実戦になる南潤(写真)は、今年初のGIシリーズを迎える。
 「和歌山で選手がコロナになってしまったので、濃厚接触者で2週間自宅待機をしていた。練習にも行けないので、自宅にワットバイクがあるのでそれをやっていた。PCR検査を受けて陰性だったので、一昨日、昨日はバンクに入って乗ってきました」
 黒沢征治は、前回の西武園初日に1位入線も失格の憂き目。
 「前回はフォームは悪くなかったけど、掛かっていなかった。自分が掛かっていれば、(藤田竜矢の)落車もなかったと思う。あと2走したかった。しっかり練習して平原(康多)さんたちと一緒にやってきた。トップスピードを上げる練習をしてきたし悪くないと思う」

7R

選手の写真です。
皿屋豊選手
 111期、37歳の皿屋豊(写真)は、力をつけて今シリーズにGIデビューを果たす。
 「地元2人に任されたし、先行でいければ。いつも以上に調整してきました。金子(貴志)さんとは、前回(の連係で)後方になって失敗してしまったので、今回は頑張りたい。初めてのGIで入口から雰囲気が違うし戸惑っているところもある。緊張もしているけど、しっかりアピールできるように」
 昨年のダービー以来となるGIに、地元の山内卓也が気持ちを入れる。
 「ここ(の出場)が決まってから、練習はかなり集中してやっていた。成績をそこまで上がってないけど、感触はすごくいい。あとはレース勘が心配なんで、しっかりと集中したい」

8R

選手の写真です。
森田優弥選手
 6月の高松宮記念杯ではGI初出場で初勝利を挙げた森田優弥(写真)は、今シリーズが2度目のGI。
 「いつも通り練習して感触はいい。名古屋は初めてですね。GIは2回目。平原(康多)さんたちと一緒に練習してきた。仕上がりは、いつも通りですね」
 高松宮記念杯、サマーナイトフェスティバルが未勝利に終わっていた渡邉雄太だが、続く前回の岐阜FIを連勝で決勝に進んだ。
 「前回の決勝は仕方ない。調子はいいと思うので、2週間くらい普通に練習してきた。名古屋は簗田(一輝)君に先行してもらって、記念優勝したところ。相性はいいと思う」

9R

選手の写真です。
島川将貴選手
 前回の高知FIは414着。3日間すべて積極策で最終バックを取り切った島川将貴(写真)は、成績以上のインパクトを残した。
 「いままでは7車立てで走りやすさもあってのこの成績。今回は9車なので、そのあたりがどうか。GIとかGIIは初日に変なレースをしてしまうことが多いので、いつも通りに走れれば。(競走得点の)110点は過去最高。(初日は)しっかり(ラインの)3人で決められるように」
 小林泰正は、前々回の函館FIで今年初優勝も、前回の高松FIでは島川に先着を許した。
 「前回の初日にまったく同じ自力型(島川、松川高大)で戦った。島川君にコテンパンにやられました。9車立てなら流れも変わるしやり返したい。レースが詰まっているので調整程度。状態は悪くないと思う。ライン3車はありがたいし、厚みを生かして攻めたい。(正規での配分の)GIは2回目。前回(のGI)は失格だったので、力を出して走り切りたい」

10R

選手の写真です。
寺崎浩平選手
 前々回のサマーナイトフェスティバルでビッグ初出場の寺崎浩平(写真)が、初日一次予選のトリを飾る。
 「自分はチャレンジャーなんで出し切るだけ。このメンバーならプレッシャーもそんなにないし、気負いもない。(最近はいままで以上に)ラインの重要性っていうのを感じるんで、ラインを生かした走りをしたい」
 FIでの直近の2場所で成績をまとめている岡村潤は、松坂洋平の番手から一次予選突破を目論む。
 「ここに来る前は静岡が開催していて使えなかったので、CSCで練習をしてきた。自分のなかではちゃんと練習ができたんで、いい緊張感で臨めると思います」

11R

選手の写真です。
脇本雄太選手
 2年連続でファン投票1位に選出された脇本雄太(写真)は、昨年と違い単騎でドリームレースを迎える。
 「単騎で人気に応えるのは難しいけど、応えられるように。去年と違って今年はひとりなんで厳しい戦いにはなる。正直、2年連続(ファン投票1位に)選ばれるとは思っていなくて、ビックリしたところはある。それだけ僕に対して期待してくれたっていうことで、本当にうれしく思います」
 前回の弥彦記念決勝では渡邉一成を突っ張って先行した郡司浩平は、練習でも手応えをつかんでいる。
 「かなり力がついてきているっていう感じがある。(踏める)距離も長くなったと思います。それで(戦法の)幅が広がりますね。相手にもそういうイメージがつけられれば、(相手に)焦りも出てくるでしょうし。ドリームは初なんですけど、こうやってファンの方の支持を得てこういう舞台で走れるのはすごい幸せなことだと思います」

1R

選手の写真です。
簗田一輝選手
 打鐘で先頭に立った佐々木豪に坂井洋が襲い掛かる。坂井が主導権を奪うが、近畿コンビのけん制に吉澤純平は遅れ気味。佐々木が番手に飛び付いて、外に浮いた吉澤と接触した山田久徳、南修二が最終2コーナーで落車。8番手でアクシデントを避けた簗田一輝(写真)がまくりを打つ。直線でも4車が落車して、外を踏んだ簗田が1着。
 「(最終バックは)危なかったけど、あれで車間が空いて、追いついた勢いで(まくりに)行った。いままでよりも伸びているし、ゴールまで踏み切れたんで良かった。(2月の静岡以来)1着は半年ぶりなんで良かった」
 最終2コーナーの落車を大きく外に回避した田中晴基が強襲して、結果的に南関ラインのワンツー。
 「南(修二)さんに乗り上げるか、金網まで行ってしまうかと。もう(最終)バックで終わったと思った。でも、あきらめないでと。最後は外しかないと思った。ラッキーですね」

2R

選手の写真です。
武田豊樹選手
 赤板の2コーナーから先行態勢を取った河合佑弥に対し、前受けから7番手まで下げた河端朋之が打鐘の2センターから反撃に出る。中団から合わせて踏み上げた小松崎大地は岩津裕介を外に弾く。最終バックで河合の後位に切り替えた武田豊樹(写真)が、直線で鋭く追い込んだ。
 「河端君が後手になったので、思い切り仕掛けてくるなと思った。河合君の距離を考えたら、申し訳ないけど(番手から)出させてもらった。(今年の)前半戦は落車が多くて、時間がなくていろいろなハプニングもあった。オールスターでしっかり輝きを取り戻したいと思う」
 柔軟な立ち回りを見せた小松崎大地が、2着に食い込んだ。
 「(打鐘で)中団が空いていたし、少しでも河端君を苦しめるのがテーマだった。河端君も仕掛けが早くて、僕も無理やり行きました。レースの流れを見て動けているし、反応はいいかな。武田さんの動きにも反応して対応できたけど、ラインの2人には申し訳なかった。勝ち上がれたので反省点を生かして次も力を出し切れるレースをしたい」

3R

選手の写真です。
鈴木裕選手
 赤板2コーナー手前で切って出た鈴木裕(写真)が、中部ラインを受けて4番手に下げる。鈴木は中団まで押し上げた植原琢也をさばいて4番手をキープ。車間を空けて間合いを取った鈴木が、まくり追い込みで突き抜けた。
 「竹内君のジャンのスピードが良くて、簡単に4番手を取れなかったけど遅れずにできた。取り切ってからはキツかった。でも、渡邉(一成)さんが(植原と)重なってたっぽいのがわかってラッキーでした。あとは自分のペースで(仕掛けて)行きました。竹内君の先行で(自分が)あそこまで伸びてるんで抜群だと思います」
 竹内の先行を利した坂口晃輔は、鈴木との踏み合いで2着。
 「自分も余裕はあったけど、やっぱり(竹内)雄作だったり、北野(武史)さんを気にしながらっていうのもあった。(鈴木に)伸び負けた」

4R

選手の写真です。
稲川翔選手
 打鐘前に押さえて出た高橋晋也を最終ホームで稲毛健太が叩いて駆ける。これで絶好の展開となった稲川翔(写真)が、車間を空けて後続をけん制してから追い込んだ。
 「稲毛君は本当にいいレースをしてくれたのに、自分が情けない。やることやってくれたのに、それに応えられなかった。松岡(貴久)君さえ抜かせなかったら(稲毛と2人で)決まると思ってゴール勝負だと。稲毛君がタレてきた感覚もなく、ゴールから逆算して走ったけど、ひとこぎ、ふたこぎ早かったのかな。修正したいというか、修正しないとダメ」
 俊敏に反応して近畿勢を追った松岡貴久が、2着に食い込んだ。
 「稲毛君がうまく走ってくれましたね。初手の並びが想定と違ったけど、うまく考えて対応してと。稲毛君がダメでも稲川君がまくったら、それに付いていくか内へいくかって考えていました。余裕はあったけど、新車だったので探り探り。車の出は悪かったです。体はあんまり良くないけど、レースは流れているのでいい」

5R

選手の写真です。
菅田壱道選手
 朝倉智仁が先行態勢を取るも7番手の取鳥雄吾が打鐘の3コーナー過ぎから反撃に出る。3番手で車間を空けていた野原雅也の前に入って一呼吸おいた取鳥が、まくりで逃げる朝倉をとらえる。しかしながら、渡部哲男はピタリと続けず、野原が取鳥を追ってその上をまくり上げる。最後は取鳥、野原の踏み合いを後方からまくった菅田壱道(写真)が仕留めた。
 「スタートでみんなどうするかと思ってたら、自分の(ラインの)後ろが野原君だった。それで野原君が先切りでも、どっちにしても自分に展開が向くと思っていた。前(の様子)を見ないで、詰まったところで仕掛けられた。1着が取れる時は自分の思ったように周りが動いてくれて、自分も仕掛けるべきところで行ける。これで体調面、脚力面が確認できたし、最後まで余裕はあった」
 取鳥とのまくり合戦を制したの野原雅也が2着。
 「僕もあの位置(3番手)に入った時点でいろいろ考えてた。それで落ち着きすぎた。(最終)ホームで先にカマせたら良かった。タイミングが取れないまくりだったけど、なんとか乗り越えられた」

6R

選手の写真です。
岩本俊介選手
 黒沢征治、松本貴治の順で出たところを南潤が打鐘の3コーナーで押さえて主導権を取る。正攻法から後方に下げた岩本俊介(写真)は、すかさずロングまくりで襲いかかる。最終2コーナーで南をねじ伏せた岩本がそのまま力強く押し切った。
 「福田(知也)さんまで連れていけて良かった。4分戦でみんな先行できるタイプなので、下手に中団を取るよりカマシとかの方が力勝負ができると思っていた。7番手でしっかり仕掛けられた」
 岩本マークの萩原孝之が、しっかり続いて2着をキープした。
 「岩本君が強引に行ったけど、出切ったら誰も来ないなって思った。抜けたかなって思ったけど、全然でしたね。最近はすごい番組がいいので。落車明けだけど、走った感じは問題ないです」

7R

選手の写真です。
和田真久留選手
 宮本隼輔も合わせ気味に踏むが、皿屋豊が打鐘の3コーナーで叩いて先行策。山内卓也は橋本強にさばかれて、宮本が3番手に入る。最終ホーム過ぎからまくった和田真久留(写真)は、あおりを受けて外を回らされるも直線の入り口で前団をとらえた。
 「ゴチャついたタイミングで(仕掛けて)行ったけど、(最終)1コーナーの山をかなりのぼらされた。横ができる人が勝負していて、それを乗り越えるのに脚を使った。だから、踏んだ感じはあんまり良くはない」
 3番手から先まくりの宮本隼輔は、南関ラインの2人には交わされたものの皿屋に踏み勝って3着。内容の濃いレースで勝ち上がった。
 「あれで(皿屋を)合わせ切ったにしても、出られたにしても、7番手よりはチャンスがあるかなと。僕はラッキーだったし、(ラインの橋本)強さんに感謝ですね。脚というよりも、前回の玉野から自転車を戻したのが大きいと思う」

8R

選手の写真です。
内藤秀久選手
 打鐘の4コーナーで竹内翼を叩いた森田優弥が主導権を握るが、後方から渡邉雄太がすかさず巻き返す。最終バックで前団をまくり切ると、最後は番手の内藤秀久(写真)が逆転した。
 「もう(渡邉)雄太にすべて任せていた。(ラインの)3人で決めたかったけど、3コーナーで不運なこと(東龍之介の落車)があった。東は練習仲間だし、可愛がっている後輩なので素直には喜べない。自分がもっと何かしてあげられたんじゃないかなって思う。久々のレースで心は整っているけど、心技体が一致していなかった感じ。東のぶんまで頑張りたい」
 まくった渡邉雄太は2着に粘り、一次予選を突破した。
 「竹内さんが森田君を合わせているのかわからなくて、前の様子を見ていました。東さんがからまれたのはわからなかった。(採取)ホームで行けそうだったけど、森田君の後輪が吹っ飛んでいたので、落車するかもと思ってそれを見ていたら仕掛けるタイミングが遅れてしまった。練習での調子もいいし、今回は頑張りたい」

9R

選手の写真です。
香川雄介選手
 押さえて出た小林泰正だがペースは上がらず、7番手から島川将貴がカマす。島川ライン3車で鮮やかに出切って、4番手以下を大きくちぎる。最終2コーナーで切り替え自力に転じた長島大介も届かない。番手の香川雄介(写真)が、島川を差し切った。
 「(打鐘2センターの松川高大のけん制が)危なかった。下手したら落車するかもしれないっていうのがあった。出切った時には、(別線は)もう誰も来られないっていうのがあった。やっぱり(島川が)強かった。ただ、(最終)バックくらいから島川が徐々にタレてきてたんで、ひょっとしたら抜けるかもっていうのがあった」
 「松川さんの蛇行が結構、脚にきましたね」とは、逃げて2着の島川将貴。ラインでの上位独占をメイクして、近況の充実ぶりをアピールした。
 「初めてのオールスターだし、もつところまで思い切りって思ってました。ラインで決まったのが一番ですね。セッティングとかはいいけど、すんなり駆けたわけじゃないんで、脚的にはしんどかった」

10R

選手の写真です。
東口善朋選手
 前受けから7番手まですんなり下げた寺崎浩平が、打鐘から巻き返す。藤根俊貴は合わせることができず、最終ホーム手前であっさりと寺崎が主導権を奪取。4番手の藤根は動けず、後方の松坂洋平もまくり不発。番手の東口善朋(写真)がチャンスをモノにした。
 「(寺崎が)いつ仕掛けてもいいように、自分も整えていた。付いていけるかどうかのプレッシャーでしんどかったです。ちぎれていないし、スピードに対応できているんじゃないかなって思う。最後交わせているので状態に関しては言うことないですね」
 近畿ラインで上位独占。別線を完封した寺崎浩平は、内容のあるレースでGIデビューを飾った。
 「バンクが軽く感じたし、脚もいい感じだったので長めに踏んでももつなって思って早めに仕掛けていきました。出切れるなって思ったし、強気に走れたと思う。末が甘いのかなってところが課題ですね。しっかりラインで出切れて、近畿で上位独占は自信になる。久しぶりに気持ちのいいレースができた。福井記念よりも仕上がりはいい」

11R

選手の写真です。
脇本雄太選手
 打鐘で押さえて出た深谷知広を単騎の脇本雄太(写真)がスピードの違いで叩いて先行策。周回中から脇本後位にいた郡司浩平が続いて2車で出切り、深谷が3番手に入って最終ホームを通過する。まくった深谷は郡司に止められ不発。清水裕友、新田祐大も届かず、脇本が郡司を振り切って1着。逃げ切りで昨年に続きドリームを制して、ファン投票1位に応えた。
 「自分が(仕掛けて)行きたいタイミングと深谷君が押さえに行くタイミングが合って、いいところで仕掛けられた。自分の気持ちとしては恵まれたっていう感じがありますね。去年はラインの力で、今日は自分ひとりで期待されていたなかでの1着。価値があるレースだったと思います」
 後位にいた郡司浩平が交わせずの2着は、脇本の強さを際立たせる結果になった。
 「初手の位置で(自分の組み立てを)決めようと思っていた。そしたら(脇本は)今日は(積極的に)行きそうな雰囲気が伝わってきた。深谷さんもかなりいい感じで来てたけど、自分のコースを確保するのに外に張りました。正直、(最終)2コーナーで(仕掛けて)行こうかすごく悩んだ。合わされて浮いちゃうっていうのが頭をよぎった。情けない。(脇本と)力の差がある。あれでしょうがないって言ったら負けを認めてしまってるようでイヤなんで、明後日(3日目)以降しっかりと力勝負がしたい」

4R

選手の写真です。
坂井洋選手
 一本棒の7番手にいた河端朋之が打鐘3コーナーから仕掛けると、渡部哲男は付け切れない。先行態勢を取っていた坂井洋(写真)もペースを上げるが、河端がひとりで出切って坂井が番手に飛び付く。空いた車間を落ち着いて詰めた坂井が、直線半ばで河端をとらえて1着。GI初出場で勝ち星を挙げた。
 「(展開は)予想通りになりました。ジャンの2センターではほぼ全開で踏んでいたんで、(河端が)来た時にはひとりだっていうのもわかってハマった。初日に落車があって体の影響はないけど、自分の自転車が壊れちゃった。それで諸橋(愛)さんの予備のフレームで走らせてもらった。(1着は)ホッとしている。(ビッグは)ウィナーズカップもサマーナイトフェスティバルも走っているんで、ある程度慣れている。チャレンジャーで高いモチベーションで走れるんでうれしい」
 芦澤辰弘は、坂井の外を踏んで河端との2着争いを制した。
 「集中してたし、(最終)4コーナーからもわりと伸びた。河端さんを外から抜けたのはデカい」

7R

選手の写真です。
柴崎淳選手
 後ろ攻めから赤板の2コーナーで根田空史を押さえた嵯峨昇喜郎が逃げる。すんなり中団をキープした柴崎淳(写真)は、最終バック手前から力強くまくって前団をのみ込んだ。
 「根田君が前ならあの感じで、中団は譲れないと思っていた。(最終)2コーナー過ぎから踏んだけど、バンクのコンディションが重たくて、掛かるまでに時間がかかった。でも状態はいいと思う。今回は変な自信があるし、決勝には乗りたい」
 嵯峨の番手から柴崎に合わせて踏み込んだ佐々木雄一が2着に。
 「柴崎君のスピードが良かった。嵯峨もうまく駆けてくれたんですけどね。もうちょっと柴崎君が遅く仕掛けてきてくれたら。昨日(初日)1日休んだ分、なんかちょっと変な感じ。落車してから2場所目で、練習の数値は落車前ほどではないが、直前はバンクに入ってタイムも出ていたし大丈夫」

8R

選手の写真です。
井上昌己選手
 切って出た畑段嵐士の上を林慶次郎が出て主導権。林はそのまま後続を一本棒にしてペースを上げる。打鐘の4コーナーから7番手の吉田拓矢が反撃。井上昌己(写真)は別線のスピードを見極めて、番手まくりで通算400勝を飾った。
 「畑段君も(自分たちの後ろの)あの位置が欲しい感じがあったし、4車だと思ってやりました。(吉田の)踏み出しが(林と)合った感じだったんで、スピード的にはなんとかなるかと。ただ、接触してブレーキがかかった。でも、そのあと流れていったんで、感じは悪くないと思います。400勝はうれしいし、また1勝ずつ頑張ります。思い出のレースは(14年の地元)佐世保記念。(菅原)晃、(中川)誠一郎、荒井(崇博)さんの4人で並んで優勝した佐世保記念ですね」
 一度は外にはずした畑段嵐士が、井上に付け直して流れ込んだ。
 「展開的には予想通りでした。(3番手を取って)自分は脚に余裕がなかったんで、ビビッてしまった。それじゃダメ。走ったら思ったより進まなかった」

9R

選手の写真です。
梅川風子選手
 打鐘を迎えても動きはなく、正攻法に構えた石井貴子がそのまま先行策に出る。5番手でタイミングを計っていた人気の梅川風子(写真)は、最終1コーナーからスパート。合わせて2番手からまくった大久保花梨に踏み勝った。
 「初手の位置は少し後ろすぎましたね。本来なら(最終)2コーナーで行きたかったけど、以前に大久保さんにそれで負けているので、今回は早めに行かないとって。負けたくないってのと、久しぶりのレースってのもあって結構、緊張しました。ファン投票は選ばれてなんぼだと思うので、日々の走りで頑張るしかないです。今後はもちろん頂点を目指して、(ガールズグランプリで)1着を取りたい」
 梅川を終始追走した梶田舞が2着に入った。
 「ジャンの4コーナーで梅川さんが行かないのを見た時に、これは半周勝負だと腹をくくりました。前回の失格は申し訳なかったので、しっかり車券に貢献できるように走ろうと思っていた。少しずつ状態も戻ってきていると思う」

10R

選手の写真です。
和田健太郎選手
 赤板を過ぎて原田研太朗が誘導を降ろすと、前受けの松井宏祐は8番手まですんなりと下げる。3番手に山田英明が続いて、単騎の古性優作、鈴木竜士、吉田敏洋が5、6、7番手。ペースは上がらず、打鐘の3コーナー過ぎから松井が仕掛ける。最終ホームで先頭に立った松井に和田健太郎(写真)まで出切る。鈴木が3番手に切り替える。和田が山田のまくりをけん制して、直線で逃げる松井に迫る。山田、守澤太志も加わり、4車が横一線のゴール。タイヤだけ松井を交わしていた和田が1着で3日目の「シャイニングスター賞」への進出を決めた。
 「松井君の先行1車みたいな番組だった。だけど、そういう時こそ難しい。でも、松井君はしっかり仕掛けてくれた。あとは自分が付いていけるかどうか。後ろに鈴木君がいたし、(内に入ってくる選手が多いのは)レースが始まる前から想定していた」
 持ち前のスピードを生かした松井宏祐が、2着に残った。
 「久々に自分に(仕掛ける)順番が回ってきた。力を出し切ってワンツーだったんで良かった。これでちょっと弾みがついたかなと思います」

11R

選手の写真です。
諸橋愛選手
 赤板2コーナー手前で押さえて出た新山響平は、山崎賢人を後方に置いて絶妙なペースをつくり出して主導権。4番手に入っていた三谷竜生が打鐘の4コーナーで仕掛けると、新山も合わせてペースを上げる。三谷は不発で自力に転じた村上博幸のまくりも番手の諸橋愛(写真)の横までは至らず。絶好の展開を諸橋がモノにした。
 「(新山が)強かったですね。(最終)ホームは誰もこれないなって感じだった。久しぶりに平面ダッシュですごい掛かりだと思った。カマシとかそれぐらいの感じでした。掛かり切っているし、スピードが違うなと。仕事しなくていいくらいのタイミングだった。自分はわりと冷静だったかな」
 早めに先頭に立った新山響平は、そのまま風を切ってラインの諸橋とワンツー。内容の濃い走りで3日目は「シャイニングスター賞」に進んだ。
 「三谷さんが踏み込んでいるなって思って、自分も踏み上げました。しっかり最後までペース配分良く走れた。(同じナショナルチームの)松井(宏佑)さんの走りも刺激になった。諸橋さんはいつも好きなように走らせてくれる。行けるところから自分のペースで、もつ距離でいきました。ゴール前は脚が三角に回っていたけど、道中は軽くていいスピードだった」

5R

選手の写真です。
柴崎淳選手
 打鐘手前で出た山崎賢人の番手に鈴木竜士が飛び付いて井上昌己と併走。鈴木竜が外に張ったところに、今度は鈴木裕がインから押し上げる。前団のもつれを後方で見極めた柴崎淳(写真)は、最終ホーム手前でカマす。柴崎、近藤龍徳で鮮やかに出切って、そのまま中部ワンツー。柴崎は連勝で準決に進んだ。
 「(車番的にも)不利なんで気楽ではありました。位置も取れないだろうし、そのなかでの作戦だったけど。見事にハマりました。昨日(一次予選)より今日(二次予選)の方が良かったし、もっと良くなるように調整します。(準決まで)まだ時間もあるんで」
 地元GIでの勝ち上がりに2着の近藤龍徳は笑みを浮かべる。
 「いやぁ、うれしい。1年前の僕なら絶対に離れてますね。とくに言うことはない。付いてただけなんで。ただ、誰も僕が準決にいくなんて思ってなかったと思う。準決ですね、すごい」

6R

選手の写真です。
寺崎浩平選手
 寺崎浩平(写真)がGI初勝利を飾った。レースは赤板過ぎに切った渡邉雄太を太田竜馬が打鐘の2センターで叩いて逃げる。前受けから後方まで下げた寺崎は最終ホーム前からスパート。マークの村上博幸がちぎれるほどのスピードで、前団を豪快にのみ込んだ。
 「自分の持ち味の前受けでカマシで叩き切ろうと思っていました。でも、太田君と渡邉君が踏み合うみたいな感じに見えたので、一瞬様子を見てから(最終)ホームで行けると思って仕掛けました。外々を回してけん制を受けないように、できるだけ直線で先頭に出切れるようなタイミングで仕掛けました。余力はないけど、自分の得意パターンで仕掛けていけた。久しぶりの1着は素直にうれしい」
 太田マークからタテに踏み込んだ原田研太朗が、2着に食い込んだ。
 「(寺崎の)スピードがすごかった。太田君のダッシュも良くて口が空いてしまったが、追いついてからはラインでのレースをしっかりしようと」

7R

選手の写真です。
古性優作選手
 古性優作(写真)が切って先頭に立つと、岩本俊介がすんなりと7番手まで下げる。岩本は赤板2コーナーから巻き返す。合わせて踏み上げた古性は、中村浩士を張るが、しのいだ中村が番手をキープする。3番手で立て直した古性は、今度は最終ホーム手前で外を追い上げて逃げる岩本の番手を奪う。2センターから追い込んだ古性と8番手から強襲した菅田壱道で1着同着。古性が激戦の二次予選を振り返る。
 「合ったタイミングで(岩本の番手で)勝負したけど失敗した。あとのもう1回は外を追い上げて先頭まで出ようかと思ったら、岩本さんの加速がすごかった。(番手に入ってからは)ただ前に踏んだだけ。あれでラインで決まれば最高だった。セッティングも乗り方も(直近のFIで)合わせてきたけど、(1走目の)感じが全然違って、スピードが5キロくらい違う感じがした。今日(3日目)の朝いじってスピードも出るようになって、GI仕様になった感じですね」
 8番手に置かれた菅田壱道は、上がり10秒7で古性と同着の1着も「良かったのは着だけ。内容は0点」と反省しきりでこう続ける。
 「古性が粘ったところ。そこだった。このクラスだとワンチャンスだと思っているので、そこのタイミングがワンチャンスだった。結果あの位置からでも1着に届いているし、踏み出した瞬間も伸びも申し分ない。それだけに(佐藤)慎太郎さんを連れ込めなかったのは申し訳ない」

8R

選手の写真です。
深谷知広選手
 打鐘で飛び出した深谷知広(写真)が、ハイピッチで駆ける。後方から中川誠一郎が勢い良くまくり上げるが、最終3コーナーで吉田敏洋のけん制を受けて失速。深谷がそのまま押し切って中部ライン上位独占を決めた。
 「準決に3人行けるのは良かった。相手が動いてこなかったのも自分たちには良かったです。(最終)ホームで仕掛けてこなかった時点で、どこからでも合わせようと思っていた。自分のなかでは手応えがありました」
 深谷をマークした吉田敏洋が2着に入り、準決に進出。
 「単純に体感した強さは、僕のなかで深谷史上ベスト3に入る強さ。ダッシュ、加速、踏み直しとすごかった。なんとか準決に乗せてもらえたので、気持ちを落ち着かせて明日(4日目)フレッシュな状態で臨めれば。深谷はバックで6速、7速と加速していったので、どこまでいっても抜けないです。坂口(晃輔)まで勝ち上がれたのは大きい」

9R

選手の写真です。
守澤太志選手
 ペースを握った松井宏祐が緩めると、打鐘の2センターから4番手の野原雅也がカマす。近畿ラインが主導権。続いた守澤太志(写真)は、3番手から松井のまくりに合わせて早めの追い込みで突き抜けた。
 「作戦はなかったです。(周回中の)並んだ順で考えようと。ああいう時に近畿勢が叩きに行くところは見てたんで、反応できました。そのあとはやっぱり松井君が来たんで、もう自分も(踏んで)行くしかなかった。うまく展開が向いてくれた。(前回の)落車の影響があるんで、(状態は)良くないですね。ただ、昨日(2日目)より今日なんで、ちょっとずつ良くなっている」
 まくった松井のスピードが鈍ると、内藤秀久は最終2センターでコースを探して伸びた。
 「感覚的にはアタマまでいったと思ったけど、もうひと伸びですね。松井がダメだったけど、(田中)晴基まで届いてくれた。自分だけじゃなくて良かったです」

10R

選手の写真です。
島川将貴選手
 三谷竜生が3番手の島川将貴(写真)にフタをした状態で打鐘を迎えると、平原康多が後方から一気に踏み込んで主導権を握る。後方になった島川は最終ホームから反撃。抜群のスピードで平原を仕留めて金星を挙げた。
 「(三谷に)フタをされていてヤバイなって思いました。三谷さんは叩きにいくと思った。それで平原さんが切ったら、カマシにいこうと思っていた。けど、まくりなのでたまたま決まった。本当はカマシで勝負したかった。準決はメンバーもいいと思うし、なにかしらはしたい。脚の感じは悪くない」
 島川をマークした小倉竜二は、しっかり追走して2着を確保。徳島ワンツーとなった。
 「あれ(中団でフタをされて)を引くようでは位置取りもできないし、引いていたら戦法の幅はまくり一辺倒になる。引いてからすぐ力で巻き返した感じになったし、(島川は)トルクがすごいですね。踏み出しもゴール前もタレていないし、ペースでまくったみたいな感じ。最後は踏み直されたし、抜けなかった。自分の状態はまずまずです」

11R

選手の写真です。
新田祐大選手
 前団に構えた脇本雄太は誘導と車間を空けて、叩きに出た新山響平を赤板で突っ張る。新山も踏み続けるが、打鐘の4コーナーでインから盛り返した脇本が主導権を死守する。しかしながら、脇本も脚力を消耗していつもの掛かりはない。最終ホームから仕掛けた松浦悠士が、逃げる脇本をまくり切る。単騎の松浦を南関コンビが追いかけて、その上を自力に転じた新田祐大(写真)がまくり追い込みで迫る。郡司浩平が松浦を交わすが、外の新田が2人をまとめてとらえた。
 「(脇本と新山の)ナショナルチーム同士の気合の戦いみたいな感じでした。緊張感もあったし、いつも以上に熱い気持ちがありました。先行争いをしている真後ろで、自分も先行争いをしているかのような体力の消耗があった。ただ、新山の頑張りをしっかりと結果に残さないとっていう思いでした」
 最終ホーム手前で一度は踏み込んだ郡司浩平だったが、前にいた単騎の松浦も仕掛ける。松浦に付け直した郡司は、追い込み勝負で2着に入った。
 「自分も外を仕掛けて行ってるんですけど、松浦君も車間を空けて行ってる。それで合っちゃった。僕は(松浦を)抜くのがやっと。余裕はなかった」


≪4日目≫
9R ガールズドリーム

 4年連続でファン投票1位に輝いた児玉碧衣は、一昨年に次いで2度目のガールズドリーム制覇でファンの期待に応えたい。
 「(前回のあとは)練習はバリバリやってきたし、とくに変わったことはやってない。サマーナイトフェスティバルは連勝とかいろいろな記録のことがあったりして、それがプレッシャーになってたのかもしれない。(決勝は)すべてがかみ合わなかったレースでした。悔しい気持ちはもちろんあるんですけど、それよりも勉強になったっていう方が大きい。得るものはあったので、今回もし同じ展開になっても対応はできると思います」
 2年連続でアルテミス賞を制している長澤彩が、今度は地元でのガールズドリームに選出された。
 「前回の岐阜から1週間くらいで、しっかりと調整して仕上げてこられました。(地元のガールズドリームレースに選ばれて)ビックリしました。すごく感謝しています。たくさん投票してくださったおかげで走れるし、地元でドリームレースを走れるってことは、かなり大きいことだと思います」

5R

選手の写真です。
中川誠一郎選手
 三谷竜生を押さえた中川誠一郎(写真)が、打鐘過ぎに先頭に立つ。松井宏祐がすかさず仕掛けると中村浩士が連結を外して、飛び付いた中川が逃げる松井を追いかける。中川は松井との空いた車間を徐々に詰めて、直線で抜け出した。
 「(井上)昌己も3番手に付いてるし、(中本)匠栄にも世話になっている。昨日(3日目)出切れなかったんで、その分も先行態勢には入ろうと。(松井が)来ないでくれって思いましたけど、(中村が離れて)ラッキーでした。半分くらいは先行と思ってました。匠栄が苦しい時は自分が頑張って、また体が治ったら匠栄に頑張ってもらいます」
 前後がタイトルホルダーの中本匠栄は、番手の仕事をこなしきっちり役目を果たした。
 「後ろに付かせてもらった以上は迷惑を掛けられない。(外の中村を)止めないと。すべて前のおかげですけど、状態なりにはできてますね」

7R

選手の写真です。
鈴木裕選手
 7番手でタイミングを取った岩本俊介は、赤板2コーナーから踏み込んでスピードに乗せる。打鐘の4コーナーで鈴木竜士に大きく外に弾かれた鈴木裕(写真)だったが、岩本の番手をキープ。空いた車間を詰めて、強襲した松岡貴久とのゴール勝負を制した。07年7月のデビューから13年で通算300勝を飾った。
 「そんなに勝利数にはこだわってないけど、今年に関しては1着が多いので、なるべく1着をと思っている。自在でやると決めた以上は、1着を取らないとすべてが中途半端になってしまう。100%に近い形で(鈴木竜、松岡のどちらかが番手に)粘ると思ってたし、対応できた」
 1周半を全開で踏んだ岩本俊介は、直線で失速の4着。
 「今日はああいう仕掛けでと思ってました。前回とは全然違うし、自分を取り戻す競走をしたかった」

9R

選手の写真です。
石井貴子選手
 打鐘を通過しても隊列は変わらず、4番手にポジショニングした児玉碧衣が4コーナーでカマす。太田りゆをとらえて、児玉が風を切って逃げる。周回中から児玉後位にいた石井貴子(写真)に長澤彩まで続いて3車で出切る。2番手から直線勝負に持ち込んだ石井貴が、ゴール前で児玉を交わしてドリームを制した。
 「ファン投票のオールスターで勝てたのは本当にうれしいです。(オールスターでは)ずいぶん前(15年)の松戸以来なんで、なんだか夢みたいです。新型コロナウイルス感染症の影響で無観客でしたけど、みなさんに1着を見ていただいて良かったです。(スタートは)少し遅らせて内に入ったら児玉選手の背中が見えたんで、ツイているなと。4月に名古屋におじゃまして練習する機会があったんですけど、それを思い出しながら(児玉を抜く)タイミングをしっかりと取りました」
 周回中は4番手から進めた児玉碧衣は、カマシでファン投票1位の力をアピールしたがゴール勝負で石井貴に屈した。
 「スタートであの位置が取れたんでひと安心しました。ただ、まくり勝負になると、ここは内が有利なんで4車併走になると厳しいなっていうのがありました。去年のリベンジも含めてカマした。最近はまくりを増やしていたので、大きい舞台でカマした時の細かいミスが出た。これからは普通のレースでもカマシを増やして、大舞台でも(カマシで)勝てるように」

10R

選手の写真です。
柏野智典選手
 打鐘前に郡司浩平を押さえた深谷知広を山崎賢人が最終ホームで強引に叩いて主導権を取る。踏み遅れた山田は吉田敏洋のところに降りる。これで山崎の後位にはまった深谷は、すかさず番手まくり。続いた山田が抜きにかかるが、柏野智典(写真)が直線で中を割って突き抜け、高配当を演出した。
 「自分の力で踏めて後ろのことも意識しながら走れた。あら、1着だなって感じでした。郡司(浩平)か内藤(秀久)が内に来るかなって考えてもいた。こっそり勝ち上がってこられました。タイムも出ているし、みんな強いけどそのなかでも頑張りたい。今までは競輪祭の4着がGIの決勝で最高の成績です」
 2着には山田英明が入り、今年2度目のGI優出を果たした。
 「(山崎)賢人のおかげ。深谷が賢人を出させたので、追い上げていけば良かったけど吉田さんを決めていたし、できなかった。決勝に乗ればいいってもんではなくて…。深谷が仕掛けて行って、賢人の頑張りをダメにするわけにはいかないし、深谷だけでも抜いておこうと。賢人の想いも背負って決勝も頑張りたい」

11R

選手の写真です。
原田研太朗選手
 赤板過ぎに島川将貴が、寺崎浩平を押さえる。徳島コンビが出切り、単騎の諸橋愛が続く。新田祐大が4番手に切り替えて、6番手に浅井康太。8番手に引いた寺崎は2コーナー過ぎから反撃に出るが、島川もペースを上げて逃げる。車間が空いた4番手に寺崎が入るが、インから盛り返した新田に弾かれる。最終バックで島川後位から原田研太朗(写真)が番手発進。4コーナーで3番手以降がもつれて、村上義弘、島川が落車のアクシデントも、原田はそのまま押し切った。
 「(島川は)いつも(一緒に)練習してるし、刺激をもらってる後輩のひとり。島川君はダッシュがすごいんで、寺崎君を見ながらできる強みもある。自分は(後ろが単騎の諸橋で)しゃくられても大丈夫な準備はしていた。自力で勝ち上がるのと、前の後輩たちのおかげで勝ち上がるのは気持ちが違う。僕も立ち位置を見つけていかないと」
 単騎の諸橋愛は、周回中の位置取りから徳島コンビの後ろに照準を絞って2着に入った。
 「寺崎君か島川君、どっちか後ろを取ったラインと思ってました。ただ、あれで新田君に切られると難しいなっていうのがあった。あとはハラケン(原田)の動き次第、(番手から)発進か仕事をするのか。そしたらそのまま踏んでくれた。想定していた展開でもあったんで、自分としてはわりとすんなりでした」

12R

選手の写真です。
脇本雄太選手
 3番手で前との車間を切っていた新山響平が打鐘前から一気に踏み込んで駆ける。この動きを追って3番手をすんなり確保した脇本雄太(写真)が、最終2コーナーから軽々とまくって人気に応えた。
 「あの位置を取れたのが1番の要因。松浦(悠士)君の動向を考えたけど、中団が空いていたのを確認して落ち着いてレースすることができました。(最終)1センターの手前では全力でいけるようにと思って、踏み込めていた。距離が短かったけど、状態は日に日に良くなっている。決勝もさらに(状態が)上がっていければ」
 近畿コンビを追いかける形になった松浦悠士が3着で決勝に進出した。
 「脇本さんが強すぎる。スタートで前を取りたくなかったけど、脇本さんも新山君も取らなかったので、えーってなった。仕掛けられる余裕がないし、付いていくのでやっとでした。倒すには脇本さんを駆けさせないようにするか、誰かにモガき合ってもらうしかない。力の差がありすぎる」