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MUKOMACHI KEIRIN

54#

検車場レポート

  • 9/23 Fri.  (前検日)
  • 9/24 Sat.  (1日目)
  • 9/25 Sun.  (2日目)
  • 9/26 Mon.  (3日目)

1R

選手の写真です。
青柳靖起選手
 前々回の別府125着、前回の小倉412着と青柳靖起(写真)は、直近の2場所はFIでともに決勝進出して成績もまとめている。久々の記念シリーズは、オープニングになった。
 「朝(早いの)は好きじゃない。スタートが遅いんで、1番車も嫌いなんですよね…。だから、出たとこ勝負。一時期は良くなかったけど、いまは調子も悪くない。(初日は)別線が絶対に来るんで、そこだけ出し惜しみしないように。今日(前検日)は早めに寝ます(笑)」
 山崎芳仁は、前回の共同通信社杯を4798着。2日目からは大きい数字が並んだ。
 「(前回の)名古屋はイマイチ力が入らなかった。(体調が)戻り切ってない感じだった。(中3日で)2日間、練習して、あとは体のメンテナンスをした。あとは走ってみてですね」

2R

 直近の勝ち星はすべて逃げ切り。木村弘はケレン味のない走りで、コンスタントに勝ち星を挙げている。
 「(レースの)内容は悪くないと思います。それで成績はついてくる時にはついてくるんで、(この競走を続けて)それまで待ちたい。練習は地元でしっかりとやってきた。感じも良かった。レースになったら体の使い方とかを意識してですね。自転車はいじってないです」
 前回の共同通信社杯の最終日に9着を喫した桑原大志は、台風の影響でタフなバンクコンディションをこう振り返る。
 「最終日は圧倒的な9着をしてしまい、恥ずかしい反面、力の差を感じました。台風もすごかったですね。中3日ですけど、毎日練習をしてそれなりに強化をしてきたつもりです。(今回は)自転車そのものを換えてきたんで、どうですかね」

3R

 前回の前橋FIでは今期2度目となる久々の優出だった久木原洋は、慎重に口を開く。
 「(前回は)決勝に乗れたけど、そんなにいい感じではなかった。(そのあとは)中3日だったんで1日ウエートトレーニングをやってきました。疲れていた感じもあったので、その疲れを抜いてきました。ここは先手有利なイメージがありますね」
 直近の3場所は函館151着、大垣341着、前橋412着と4勝をマークしている河野通孝は、状態の不安もなく順調の様子だ。
 「決勝には乗れてないけど、それなりにまとめている。状態も悪いわけじゃない。体の不安もないので、練習も思ったようにできている。そこも大きいと思います」

4R

 根田空史は、前回の小田原FIを3連勝の完全V。今年初優勝でリズム良く今シリーズを迎える。
 「(小田原は)その前が結構、(日にちが)空いてたんで、だいぶ追い込んでやっていた。それで筋肉痛とかが残っていて、感覚が良くなかった。そこでしっかりと優勝できたのは大きい。今回は記念なんで、それなりにやってきた。前回みたいに疲れは残ってないと思う。師匠(中村浩士)とは久々の連係になると思います」
 前回の共同通信社杯がビッグ初出場だった大川龍二は、勝ち星を挙げることはできなかったが、3日目に連対を果たした。
 「共同通信社杯ではスピードを体感できたんで、(中3日で)詰まっているけど楽しみですね。いい経験にはなったし、なんとなくこうすればとかっていうのがある。それで練習を積み重ねて、答え合わせができればと思ってます」

5R

 中井俊亮は、前回の小田原記念4581着から3週間以上空いた。
 「ちょっと熱が出たんで(大垣が)大事をとって休んだ。そこからはちゃんと練習ができたんで問題ないです。(向日町は)バンクの相性も悪くないし、悪いイメージはない」
 今期2度の失格を喫している石川雅望は、今期S級点確保への望みは捨ててない。
 「なんとか頑張って取りたいですね。それにはこういう記念で頑張らないと。失格があるけど、調子はいい。最終バックを回ってから余裕があって、目いっぱい4コーナーから踏み込もうっていう感じがある。(初日に連係する中嶋宣成とは)たまにドーム(前橋)で一緒にやるし、強いのは知っている」

6R

選手の写真です。
鈴木玄人選手
 今期が初S級の鈴木玄人(写真)は、これが5場所目。7月の弥彦に続いて2度目の記念で、まだ9車立ても含めたS級のステージになじんでいない。
 「(ホームバンクの立川で)カラ回りして、体が痛くなった。それで腰痛で2、3日に休んだけど、そのあとはフルで練習ができた。(S級は)ゴマかしきかないけど、自分がどこまで頑張れたか判断もできる。いまは目的意識をもって、食生活からすべての面で見直している」
 山本伸一は元ホームの向日町でV実績もあるが、ドル箱にしているわけではなさそうだ。
 「練習はしっかりできているけど、フレームとのかみ合いが良くない。今回は以前に使ったことのある違うフレームにした。(前回の)松阪より上積みはあると思います。(向日町との)相性は良くないですね」

7R

 前回の松山FIを364着の河端朋之は、中9日で持病の腰痛との向き合いながらの調整になっている。
 「前回くらいから腰の感じも良くない。練習も追い込み切れてないですね。できるかぎりのことはやってきたけど、どうしても様子を見ながらになってますね」
 前回の共同通信社杯で5438着の山下一輝は、高速バンクが舞台だっただけにスピード不足を痛感した。
 「(前回は)課題も多かった。スピードが高くて、まだまだだなっていう感じだった。(中3日は)ゆっくりしながら、やりたいことができた。(向日町は)かなり久しぶりで、最後に来た時はまだ自力でやっている時だったので別ものかなと思います」

8R

選手の写真です。
高橋晋也選手
 高橋晋也(写真)は、前回の共同通信社杯を4879着。成績以上に内容の濃いレースが目を引いた。
 「共同通信社杯は結果はそんなに良くなかったけど、自分でレースをつくってやりたいことができた。収穫は多かった。そのあとは1カ月くらい空いてたので、休もうかなと思っている時に追加が来た。ケアだけはしてきました。自分のなかでは結構、仕上がっているかなと思います」
 支部長職を務めている佐々木則幸は、公務のなかで懸命にトレーニングにも励んでいる。
 「多少は忙しくなったりもしている。もうちょっとやりたい練習があったなっていうこともありますけどね。いまは103、104点だし、支部長でもS級の点数はしっかりと取って、A級に落ちることはないようにと思っている」

9R

選手の写真です。
吉田有希選手
 吉田有希(写真)は、前回の共同通信社杯を1813着。坂井洋とタッグを組んだ最終日は、インパクトのある内容で脇本雄太を苦しめた。
 「(最終日は)台風の影響があったけど、自分も結構、フカして残れた。悔やまれるのは2日目ですね。GI、GIIよりもFI、GIIIは自分を出させたら(別線が)厳しいっていう流れになってしまう。それで難しくなりますね。仕掛けられないと持ち味を発揮できない」
 川越勇星は前回の前橋FIを132着も、コンディション面に不安を抱えながらだったようだ。
 「体調を崩してから、体重が6キロも落ちてしまった。ただ、力の入り方もちょっとずつ良くはなってきている。調子はいいとは言えないけど、なんとか食い下がれるようにと思ってます」

10R

選手の写真です。
稲垣裕之選手
 稲垣裕之(写真)は村上兄弟不在の地元記念で、重圧は計り知れないものがあるが、こう決意を打ち明ける。
 「(地元記念は)年に1回の大一番なので、意気込みは誰にも負けてないつもりです。前回の共同通信社杯は、補欠からの繰り上がりで、ここに向けて練習している疲れが残っていた。終わってからは、ここに向けて3日間、しっかりとできた」
 岡崎智哉は前回の共同通信社杯を2779着。一次予選は脇本雄太とのワンツーで好スタートを切ったが、その後は振るわなかった。
 「初日は脇本君にしっかりと付いていけたんで、動きが良くなっているのかなっていうのがあった。けど、あとの3日間での自力の動きは、物足りなさがあった。(前回のあとは)オーバーワーク気味なところがあったんで、しっかりと休んできました」

11R

選手の写真です。
稲川翔選手
 稲川翔(写真)は、10月の寬仁親王牌を見据えてのなかで前回の大垣FIを124着。
 「大垣は3日間とも違うセッティングだったりギアで走った。寬仁親王牌までに(マッチするものを)見つけたいっていう思いで、練習もやっています。ここは近畿のバンクですし、気持ちが強いです」
 京都に移籍してからは、初めての向日町記念となる高久保雄介が、思いを込める。
 「(向日町記念は)滋賀の時に走ったことがあるけど、いまは地元なんでさすがに緊張します。その緊張を力に変えていきたい。ここに向けてしっかりと練習をしてきたし、調子はいいと思います」

12R

選手の写真です。
脇本雄太選手
 前回の共同通信社杯では連勝が21で止まった脇本雄太(写真)。だが、昨年は圧巻の4連勝で向日町記念を優勝しているだけに、いやが上にも期待は高まる。
 「名古屋(共同通信社杯)に関しては、初日が走り終わってから感じが良くないのがわかったんで、そのなかでそれなりに頑張れた。終わってからはケア中心で、あんまり自転車にも乗らずに来ました。バンクとの相性は悪くないので、あとは天候が悪い予報もあるので、そこをしっかりと頭に入れたい」
 今シリーズただ1人のS級S班の清水裕友は、気負うことなく前回の共同通信社杯を振り返る。
 「調子は悪くなかったんですけど、決勝に乗れなかったのは残念でした。中3日だったんで、ゆっくりしてきた。疲れもあったんで、調整中心です。S班だからということじゃなくて、精いっぱい頑張ります」
 初日、2日目は自動番組編成だった前回の共同通信社杯で坂井洋は、3度番手回りだった。
 「脚の感じは良かったけど、番手だったんでなんとも言えない。そのあとは時間がなかったので、しっかりと練習して追い込んできた。(向日町は)結果も良くないし、軽いとも思えなかった。だから、今回軽いと思えたらいいですね」

1R

選手の写真です。
中村一将選手
 青柳靖起にフタをしてから出た小林稜武が主導権を握る。3番手に佐藤一伸が続いて、後方から青柳も仕掛ける。しかしながら、打鐘の3コーナー過ぎにインを進出した中村一将(写真)が、主導権を奪取する。外に浮いた青柳は不発。3番手に飛び付いた小林は最終バックを迎えても動けず、中村がそのまま押し切った。
 「奇跡的に内が空いてくれたので助かりました。掛かりも悪かったし、流れている感じはしなかったんですけど。踏み出した時はもたないんじゃないかなって思ったんですけど、粘ったというより冨尾(亨平)君がしっかり仕事をしてくれたのが大きかったですね。結果は良かったんですけど(感触的には)物足りなかったです」
 怪我の影響で今シリーズが今期初場所となる冨尾亨平が、後続をけん制しながら流れ込んだ。
 「(中村は)すごい掛かっていて、いっぱい、いっぱいでした。そこまで練習はできていなかったんですけど、ここ数日はやってこれた。でも、思っている以上に回せなくて、ずっと踏んでいる感じでした。しっかりと付いていこうとは思っていたので良かったです」

2R

選手の写真です。
竹内智彦選手
 張野幸聖が押さえたところを、木村弘は赤板2コーナーでスピードに乗せて飛び出す。北日本勢に山田義彦が続いて3車が出切る。中団は中近ライン。7番手の月森亮輔は、4コーナーで反撃に出る。ペースを握った木村に月森が迫るが、竹内智彦(写真)が最終バック過ぎにブロック。別線に出番はなく、竹内が木村を差し切った。
 「(木村は)末も良かったし、信頼して付いていけました。月森君のまくりを止めれば、あとは桑原(大志)さんだけかなと。そうすれば決まるかなと。(木村と)結果ワンツーで良かった。ここ最近、どんどん良くなってきている。1カ月ちょっと前からそれなりに練習ができるようになって、だんだん結果が出るようになった」
 1周半以上を駆けた木村弘は、竹内への絶大な信頼感でリズム良く風を切った。
 「(ラインは)2車だったんですけど、竹内さんはすごく仕事をしてくれるし後ろからでも駆けようと。そしたら(周回中は)中団を取れたんでラッキーでした。(別線が)横に来ても仕事をしてもらえるんで、その分心に余裕があった。初日がいままでにない感じがあって、いつもよりいいですね」

3R

 久木原洋が押さえて出て、中団が中野雄喜と佐藤幸治で重なる。中野は赤板2コーナーで空いた内から抜け出して、先頭に立ち主導権。三谷政史は外を追い上げて続くが、松崎貴久は連係を外す。打鐘2センターから佐藤が仕掛けるて、中野も踏み上げる。佐藤は中途半端になり、3番手を確保した久木原が最終2コーナー手前からまくりを打つ。逃げる中野を3コーナー過ぎに楽にとらえた久木原が1着。
 「(押さえたあとに)佐藤君がフタをしているのがわかったので、泳がされるようなら駆けてもいいかなと。最悪、中野君になら内からしゃくられてもって思っていました。松崎さんも来ていなくて、いい位置が取れたのであとは自分のタイミングで行くだけでした。三谷さんのけん制がすごかったんですけど、行き切れて良かったです。最後はワンツーかわからないくらいいっぱいでした」
 最終ホームで松崎をキメてから久木原のまくりに続いた河野通孝が2着。
 「イレギュラーはあったんですけど、もっと締め込めていたら中野君も内から来られなかったと思う。結構(久木原の)加速がすごくて、三谷君のけん制もキツかった。中野君のところを過ぎるまでは安心できなかったですね」

4R

選手の写真です。
大川龍二選手
 周回中は8番手のポジションだった根田空史は、赤板前から上昇を始めるも別線のけん制にあって仕掛けられない。2コーナーからの山降ろしでスピードに乗せた根田は、吉田敏洋を叩いて駆ける。根田のカマシに3番手の吉田は車間が空いて最終周回。6番手になった大川龍二(写真)は、2コーナーからまくる。車間を詰める吉田を乗り越えた大川が、ゴール前で千葉コンビをまとめてとらえた。
 「高い確率で根田君が先行するだろうし、それまでの脚の使い方だったり、位置取りに気をつけながらでした。ただ、根田君が(周回中は)後ろからっていうのが想定外だったので、ちょっとパニックっちゃった。行かないと吉田さんに合わされるし、あそこを越えるか越えないか。越えた瞬間、あとはボーナスタイムでした。一時、調子を崩していたけど、レースでもいい練習になっているし脚はどんどん良くなっている」
 根田のカマシを利した中村浩士が、追い込んで2着。
 「(根田は)抜群に掛かってた。(出切ってから)ビリビリしたし、後ろ(3番手)の方は空いているなと。車間を切って、ギリギリで詰めていけば(根田と)ワンツー態勢に入っていた。でも、大川君が来た時にだいぶスピードが違ってた。自分は多少疲れがあるってところも。日に日に良くなるようにクールダウンします」

5R

選手の写真です。
窓場千加頼選手
 本郷雄三、小埜正義も踏み上げるが、そこを強引に中井俊亮が切って出る。中嶋宣成は、落ち着いて打鐘で中井を押さえて主導権。中井が3番手の好位をキープして、最終ホームを通過する。3番手で車間が空いた中井はバックでも詰まらず、別線も仕掛けられない。直線で外に持ち出した中井マークから、さらに外を踏んだ窓場千加頼(写真)が突き抜けて1着。地元記念で幸先のいいスタートを切った。
 「中嶋さんがもう先行、先行っていう感じだったんで、中井君がしっかり前々に踏んでいって位置を取ってくれた。赤板のところで踏み合う感じで無理やりいったところを、中嶋さんがドカンって行った。それで追うのもキツかったと思うんですけど、いい位置を取ってくれたのでチャンスが生まれました。余裕もありましたし、前回からの新車の感じも体とマッチしている」
 中嶋が逃げて絶好の展開の石川雅望は、窓場に屈して2着。
 「中嶋君の思うようにレースをしてくれればって思っていました。ちょっと理想とは違ったんですけど、行くところでしっかり行ってくれた。掛かりはすごく良かった。ペース配分もうまかったです。もうちょっと自分がうまくサポートできれば良かった。そこは反省点ですね。車間は空いていましたけど、詰める勢いで来ると思っていた。最後はもったいなかった」

6R

 掛水泰範が切って、その上を楽に鈴木玄人が先頭に立つ。打鐘を一本棒で通過して、主導権を握った鈴木はペースを落として別線を引きつける。車間を詰めながら7番手の山本伸一が巻き返す。山本が前団をのみ込むスピードで迫るが、鈴木が自ら山本を止める。中川貴徳も番手を守り、最後は鈴木を差し切った。
 「(鈴木は)先行っていう感じだった。だから自分もやることをやろうと思ってたんですけど、(鈴木が)全部、やってくれた感じですね。自分は(前回の)小田原が感じが悪くて、なにかを変えなきゃっていうのがあった。自転車はそのままで(セッティングを)大幅に変えた。(鈴木の)ダッシュもキツくなかったし、いいかもしれませんね。今日(初日)1着が取れたんで良かった」
 最終2コーナーで山本をブロックして阻んだ鈴木玄人が、積極策から2着に踏ん張った。
 「正直、ガムシャラに踏んでたんで余裕はなかった。(山本を)あそこは一発もっていかないと行かれちゃいますもんね。(ラインの)3人で決まったのが一番ですね。踏み直しもできなくて、中川さんもオイオイって感じだったんじゃないですか(笑)」

7R

 赤板2コーナーで先頭に立った蒔田英彦が先行態勢を取り、一本棒で打鐘を迎える。7番手の河端朋之には苦しい流れかに思われたが、2センターで5番手の石口慶多が仕掛けて蒔田と踏み合い。展開が向いた河端は、ロングまくりで前団をのみ込み中四国勢が上位を独占。番手の山下一輝が、きっちりと差し切った。
 「(河端が)しっかり出切ってくれた。河端さんが減速したら抜けるかなって感じでしたけど、僕の方が余裕がありましたね。ここ最近のなかではいいのかなって感じです。ちょっとタイミングを取りながらの感じだったので、目イチで踏む感じじゃなかったので助かりました」
 完調ではないなかでもさすがのスピードを見せた河端朋之が、2着で一次予選をクリアした。
 「7番手になったので(石口が)行かなければ、自分で仕掛けないとなって思っていました。でも、石口君が引き込む感じで勢いをもらえた。出だしはおそるおそるだったんですけど、スピードをもらって出切れた。最後ホームでタレる感じで、思うように踏み込めないですね」

8R

 高橋晋也との中団併走でタイミングを取った内山雅貴は、打鐘手前で踏み込んで主導権を握る。金子真也が付け切れず6番手に降りると、7番手の高橋が最終ホームから踏み上げる。いつものようなキレがなかったが、高橋だがギリギリ間に合ってゴール寸前で届いた。
 「(組み立ては)作戦通りです。あれで内山君が行かなきゃ、そこ(中団)で勝負だし、行ったら(内山ラインに)付いていこうと。そしたら思ったより(内山と小川祐司で)やり合ってたんで遅れてしまった。6番(金子)が降りてたんで、そこでタイミングがズレちゃいました。でも、そこから早めに仕掛けようと。でも、(まくりの)出が悪かったですね。調子こいてセッティングをいじっちゃった。腹に力が入らない感じがあるので、元に戻します。体調は全然問題ないです」
 高橋マークの佐藤友和が、外を踏んで2着に入った。
 「自分たちより前のレースでも、先行しないとダメだし、先行すると追い込まれたり、(バンクコンディションが)結構難しい形なのかなと。それでも(高橋)晋也は最後は行ってくれた。ムダ脚を使ったところはあったけど、信頼してました。自分は余裕もあったんで悪くないですね」

9R

選手の写真です。
吉田有希選手
 川越勇星が赤板過ぎに出て、単騎の近藤誠二、切り替えた小笠原昭太が続いて、吉田有希(写真)は5番手。吉田が打鐘手前で仕掛ける。後位は近藤龍徳が踏み勝ったように見えたが、内を盛り返した横山尚則が番手を死守。吉田、横山で出切り、飛び付いた川越と柿沼信也で3番手がもつれる。逃げた吉田が、後続を振り切って人気に応えた。
 「(番手が競りで)ちょっと見えづらかったんですけど、隙間、隙間で川越さんの位置は見えていた。本当は全突っ張りのつもりだったので、後ろには申し訳なかったですけど。ゴチャつくよりは態勢を整えて、勝負どころを逃さないようにって感じで行きました。ちょっと横山さんが川越さんとタイミングが合っちゃっていたので、そこだけ踏み上げた。あとはペースでいきました」
 競りをしのいで番手キープの横山尚則が、直線で追い込む大塚玲との2着争いを制した。
 「(初手からジカ競りは)記憶にはないので、たぶん初めてだったと思います。本当に緊張しました。同県の後輩が強気なコメントを出していてくれたので、そこ(番手)だけは死守したいなって頑張りました。突っ張りも1つとしてあったんですけど。吉田君が冷静にレースを運んでくれた結果、なんとか付いていくことができました。自分のなかでしのぎ切った初日というのは、収穫になったって思います」

10R

選手の写真です。
稲垣裕之選手
 先頭に立ほった鈴木謙太郎を射程圏に入れて、岡崎智哉が6番手でタイミングをうかがう。岡崎は車間を詰める勢いで打鐘手前から一気。近畿ライン3車で出切り、最終ホームで勝負あり。6番手からまくった小玉拓真も近畿勢を脅かすまでには至らず、番手の稲垣裕之(写真)が勝機をモノにした。
 「(地元の記念は)毎年変わらずいい緊張感ですね。岡崎は出切る加速も良かったし、出切ってからもスピードが落ちなかった。自分も集中して付いていた。道中は周りも見られてるんで、調子はいいのかなと。ラインの力で取れた1着ですね。共同通信社杯の前に追い込んだ練習の疲れが取れて、いい感じになっているのかなと思います」
 岡崎智哉は重責を果たす先行策も、厳しい表情でこう口を開く。
 「1回目の(仕掛ける)チャンスで体が反応したので行きました。仕掛けどころは、いいところで行けた。距離とかを考えずにいけた。ただ、自分がイメージしている先行にはほど遠いですね。(鈴木)謙太郎さんが粘るのかと思って、3車で出切れるように踏んだ。そこからペースに入れたけど、イメージよりだいぶ遠い。上位ではいまのレースだと通用しないんだろうっていう掛かりだった」

11R

 ペースを握った望月一成がなかなか上げないと見るや、6番手の高久保雄介が打鐘手前から仕掛ける。高久保が主導権を奪い、稲川翔まで続くが、望月とからんだ神田紘輔が落車。小酒大勇も乗り上げる。番手の稲川が、後続との間合いを計り、ゴール寸前で高久保を交わした。
 「お互いに(ラインの)3人で、それぞれの役割を果たそうって感じでした。自分の脚というより、高久保君が仕上がっているなって、強烈感がありましたね。神田君が落車してしまったので、(高久保との)ワンツーが最低条件だと思って走りました」
 別線に頼ることなく1周半以上を踏んだ高久保雄介は、レース内容も上々だった。
 「前を取って引いてすぐに行こうっていう感じでいました。一本棒になってしまって、行きにくかったんですけど、あれ以上遅れると良くないなって思った。それで無理やり行きました。終わってみて、もうワンテンポ早くいけていれば楽に出られたかなっていうのがある。ちょっと出切った瞬間に脚にきていて、ペースでいきました。落車もあって素直には喜べないですけど、あの距離を先行して2着に残れているのでいいのかなと」

12R

選手の写真です。
脇本雄太選手
 脇本雄太(写真)が、例によって誘導を残したまま赤板前から下げる。関東勢が出て、清水裕友は4番手。6番手の脇本は、坂井洋のペースが上がらずも動かない。先行態勢の坂井が、最終ホーム目がけて踏み上げる。清水は2コーナー手前から先まくりを打つ。脇本は短くなった隊列をバックからまくりでのみ込んだが、自己ジャッジは厳しい。
 「本来なら初日特選で強気なレースをしないといけない。けど、なかなか体が動いてくれなかった。先行を考えてたのに、ジャンのところで行けなくてまくりに構えてしまった。出切れるかは別として、行こうと思えば行けた。正直なところ共同通信社杯よりも感じが悪い。原因がわからないので、しっかりと見つめ直したい」
 脇本の加速力にも、成田和也は遅れることなく流れ込んだ。
 「(脇本の後ろは)自分としては光栄なこと。一番強い選手ですし、他地区っていうこともあって、しっかりと集中してました。決勝じゃないけど、それくらいの気持ちでした。前がどうなっているかはわからなかった。あとは(脇本が)いつ踏み出すんだろうなって。前がゴチャついてて良かった。(脇本は)スピードの上がり方がきれいで高い。自分も余裕があると思ってたんですけど、踏もうと思ったら、踏みしろがなかった」
 脇本ライン3番手の鈴木裕は、離れながらも食い下がり、吸い込まれるように3着。
 「成田さんがちぎれてくれれば、もっと楽だったけど強いですね(笑)。自分のタイミングとしてはバッチリだった。でも、前の2人が強かった。いい経験になりました」

6R

選手の写真です。
小倉竜二選手
 赤板過ぎに先頭に立った鈴木玄人を岡崎智哉が押さえて先行態勢を取る。近畿ラインのペースかに思われたが、打鐘3コーナーで河端朋之が仕掛ける。河端がダッシュを利かせて、ハイスピードで前団に襲い掛かる。最終1コーナー過ぎに河端、小倉竜二(写真)で出切るが、高原仁志は付け切れない。稲川翔が高原をさばいて、岡崎が3番手に入る。後方に置かれた鈴木は、バックからまくる。岡崎も車間を詰めて直線で詰め寄るが、ギリギリまで引きつけた小倉が僅差の勝負を制した。
 「(河端は)1周くらいを仕掛けるっていう感じだと思ったので、早めでビックリでした。出脚もすごい良かった。いつもと変わらないくらいの出脚で、いつもと変わらないタレ幅でした。(後ろに)高原君はいないもんだと思って、あんまり(河端との)車間を詰めすぎないようにと思ってました。バックに入れてからの踏み込みだったので、外をいかれなくて良かった。昨日(初日)は状態は最悪だったけど、脇本(雄太)君にアドバイスをもらって、対処したらだいぶ良くなった」
 主導権を握れずの鈴木玄人だったが、最終バックからの7番手まくりで武藤篤弘と勝ち上がった。
 「先行したかったんですけど、(岡崎に)叩かれたあとは展開に依存してしまう形になった。必死すぎてフィーリングとかを感じる余裕はなかった。初日は練習してきた成果を出せたけど、今日(2日目)は反省しないといけない」

7R

選手の写真です。
坂井洋選手
 赤板2コーナーで飛び出した中村一将は、打鐘手前で根田空史が仕掛けると合わせてペースを上げて逃げる。両者の先行争いになり、最終2コーナー手前でなんとか出切った根田だったが、今度は関東勢が襲い掛かる。坂井洋(写真)がまくりで、けん制する鈴木裕をとらえて1着。
 「ラインで決めるには、(周回中は)中団か後ろからだと思った。切って中村さんに叩かれたあと(根田の仕掛けを)ワンテンポ遅らせようと思ったんですけど、ダッシュのところで遅れてしまった。根田さんのラインにすぐスイッチしていければ良かった。でも、3番手(二藤元太)の人がからまれていて、すぐに行けなかったのは反省点ですね」
 競りをしのいだ初日の吉田有希とのワンツーに続いて、横山尚則が坂井との連係を成就させた。
 「坂井君が関東の先頭でしたし、実力も上位なので一任していました。展開が向いたというより、坂井君がいいレースをしてくれた。自分とゴール勝負のシーンをつくってくれたのも坂井君なので。絶好調とは言えないですけど、多くは望まず、1回リセットして準決も頑張りたい」

8R

選手の写真です。
成田和也選手
 中野雄喜が中団の高橋晋也に併せ込んで赤板を迎える。中野が外併走から2コーナー過ぎに踏み込んで主導権を握るが、高橋の反応も早くすぐさま巻き返す。スピードの違いで、高橋が最終ホームで叩いて出る。山田義彦まで高橋ライン3車で出切り、7番手の大川龍二が2コーナーからまくって出る。番手の成田和也(写真)は、大川を外に張りながら直線で追い込む。大川のスピードもいいが、成田が勝ち切った。
 「(まくって来た大川が最終)3コーナー過ぎにくらいにいい感じでスピードに乗っていた。けん制しながら張って、(高橋)晋也を残せればと思っていた。晋也も4着でなんとか(準決を)走れるし良かった。自分も(調子は)悪くないんじゃないですかね」
 勝負どころで後方に置かれた大川龍二は、7番手まくりで山下一輝と2、3着。落ち着いて急場をしのいだ。
 「(中野と高橋で)後ろでやり合うだろうなっていうのがあった。あそこまでほうっておかれたら、突っ張ってナメるなっていうのがカッコイイけど。自分の力もあるんで冷静にいきました。真ん中の人たちが邪魔にならずにまくれているし、感じがいい。こういうのができて、自分に楽しみですね。まくりなんで自分が持っている以上のスピードが出てるんで、しっかりとケアをしていきたい」

9R

選手の写真です。
吉田有希選手
 前受けの吉田有希(写真)が、小林稜武の上昇を阻んで主導権をキープする。突っ張られた小林は8番手に戻り、一本棒の隊列で打鐘を通過する。ペースを握った吉田は、そのまま徐々に踏み上げて駆ける。4番手で脚をためた佐藤一伸が、最終2コーナー手前から仕掛ける。神山拓弥が佐藤をブロック。佐藤マークの竹内智彦が神山の内をすくうと、神山が3コーナー過ぎに落車。小林も巻き込まれる。後続がもつれて、吉田が二の足で振り切った。
 「取れた位置から組み立てようと思っていましたけど、けん制が入ってしまった。だったら前を取ろうと思いました。下げたら厳しいと思ったので突っ張ったんですけど、全然掛かり切らなくて…。向日町は(前回の)名古屋と違ってカントが緩いから、自分みたいにカントを使って駆けるタイプは難しいですね」
 吉田ライン3番手の中川貴徳は、竹内のさらに内で落車を避けて2着に入った。
 「ちょっと自分が竹内さんに入られてしまって…。今日(2日目)はしっかり内だけ締めておこうと思ったんですけど、一緒に上がった方が良かったですかね。難しかったです。自分が入られてしまったせいで、申し訳ないです」

10R

選手の写真です。
中村浩士選手
 久木原洋が打鐘で出るが、そこをすかさず中井俊亮が仕掛ける。叩き切った中井に地元コンビの追走。関東勢が続くが、内で詰まった川越勇星を確かめて中村浩士(写真)は後方から最終2コーナー手前でまくりを打つ。逃げる中井の番手で絶好の高久保雄介との踏み合いを制した中村が1着。
 「(川越は最終ホーム手前で)引いてきたんで厳しいかと思ったんですが、迎え入れてもう1回と思った。そしたら川越君は、内に差し込んでしまった。それで自分は小笠原(昭太)さんも付いているし、なにかやらないとっていう気にさせられた。それで外を踏みました。結果的にラッキーパンチだと思うけど、ラインで気合が入ってた。先頭がダメになって自分の番だと思っていきました。スピードの乗りも良かった」
 中井が風を切って高久保雄介には願ってもない流れ。しかしながら、中村のまくりに対処し切れず2着。
 「シュン(中井)もタイミングが狂って厳しいなかで、よくカマしてくれた。もう残り1周で他のラインは来れないだろうと。そしたらシュンはしんどそうで、車間を切るのも厳しかった。中村さんのまくりに気づくのが遅くてせっかくシュンが行ってくれたのに1着が取れなかった。(状態は)悪くないのかなと思います」

11R

選手の写真です。
清水裕友選手
 望月一成、中嶋宣成の順番で出て、最終的に打鐘の2センターで木村弘が主導権を奪って駆ける。壮絶な叩き合いとまではならず、7番手で最終ホームを通過した清水裕友(写真)は、1センターから発進。力の違いを見せて、別線を仕留めた。
 「良かったです、(ライン)3人で決まって。細切れ戦だったのでぐるぐる回るかなって思ったんですけど。出たところ勝負でした。いつもなら(打鐘の)4コーナーで行っていると思うんですけど、大塚(玲)さんの動きもあって体の反応も遅れてしまって行けなかったですね。まあ、でものみ込める感じはあった。粘りがないのはいつものことですけど、伸びていく感じで踏めた。もうちょっとっすね」
 同県のS班に抜かりなく続いた桑原大志が、4分の1輪まで詰めて2着。
 「積極的なタイプが多かったんですけど、行けるところでいくって感じだった。しっかり連係を外さないようにと。(清水は)いい加速でしたね。無茶苦茶キツかったです。僕の持っている力を全部出し切って抜きにいったんですけど、抜けなかったです。昨日(初日)走ってどうなることかと思ったんですけど、今日は打って変わって道中から余裕があったので、このままキープできるように」

12R

選手の写真です。
脇本雄太選手
 前受けの脇本雄太(写真)だったが、赤板ではすでに7番手まで下げて態勢を整える。4番手にいた内山雅貴が、2コーナーで上昇。内山が主導権を握り、掛水泰範は番手に飛び付く。隊列が短くはなったものの、脇本は前との車間が大きく空いたまま動かず、最終周回へ。逃げる内山後位は小原太樹が守り、脇本は2コーナーからようやく踏み込む。稲垣裕之は付け切れず、まくり切った脇本が後続をちぎった。
 「引いて7番手で構えてた時に前(別線)の動きが全然見えてなかった。情けないですね。(掛水が南関ラインの番手で粘っていたが)前が引くっていう前提だった。(最終)ホームで無理やりダッシュするんじゃなく、徐々に踏み上げていく感じだった。車間の空き具合は見えてなかった。トップスピードは現状維持ですね。自分の脚を削ってまでラインで決めるっていうより、まずは自分の1着を考えて、そのなかでラインで決まる最善策を考えたい」
 別次元の脇本には置き去りにされた小原太樹だが、後続との間合いを計り2着に追い込んだ。
 「セオリーとしては一列棒状にして、脇本君を7番手に置かないと。(しかしながら掛水が粘って)踏み方が粘りそうな感じだったん対応できた。もう(脇本は)スピードが違いましたね。あとは外に誰もいなかったんで、持ち出してラインで上位に入れるようにと。彼(内山)が強かった。昨日(初日)が情けないレースだったんで、なんとかばん回できたかなと思います」

10R

選手の写真です。
坂井洋選手
選手の写真です。
成田和也選手
 8番手から上昇した高橋晋也は、赤板1センター過ぎに勢い良く出て先頭に立つ。大川龍二が3番手に飛び付いて、吉田有希は内山雅貴を制して、5番手を確保する。打鐘を通過して2センターで内山が巻き返す。最終ホームで鈴木裕は内山に付いていかずに、吉田をキメて中団に入る。内山は出切れず、最後方の坂井洋(写真)は自力に転じて2コーナー手前からまくって出る。スピードに乗せた坂井は、あっさりと前団をとらえて後続をちぎった。
 「メンバー的にも前を取ったら厳しい展開になると思ったので、前はなしでした。初手の順番は一番理想でしたけど、(高橋が)思ったよりすごいスピードで来た。そのあとはちょっと変な展開になってしまった。(吉田とからんだ)鈴木さんも譲らないし、もう(最終)2コーナーだったんでそれ以上は待てないかなと。(自分でまくりを打った時は)前がもつれてたんで、運が良かった。(脚の感じは)初日、2日目はそんなにいい感じじゃなかった。今日(3日目)は番手だったけど、1着だったんでいいと思います」
 離れた2着には成田和也(写真)。同県の高橋を利して、直線で追い込んだ。
 「(周回中は)後方になったけど、その辺は(高橋)晋也に任せていました。赤板のところはカマすくらいの感じになった。早かったんで、あとは南関を出すのかと思ったけど、そのまま踏んでいった。内山君は止まったように見えた。ただ、(最終)バックでもう1回踏んできたので、(自分の)コースの邪魔になってもと思って止めてと。そのあとは坂井君が来て、晋也も2周いってるんで外を踏みました。今日(3日目)はいまひとつの感じだった。初日、2日目の疲れがあるのかと」
 最終2センターで外の内山をさばいた大川マークから、桑原大志が成田と大川の間を突いた。
 「僕の感覚だと(内山に)鈴木君がまったく付いていってなかったし、外線を外すと全部しゃくられるかなと。それで締めることを意識した。坂井君が行ってしまって、あとは大川君には申し訳ないけど、僕も決勝に乗りたいんで内に行ってしまった。自分の脚がどうのこうのよりも、大川君の頑張りになにも応えられず、僕だけ(決勝に)乗って心苦しい。なにかできたんじゃないかと」

11R

選手の写真です。
小倉竜二選手
選手の写真です。
清水裕友選手
 切った久木原洋を窓場千加頼が押さえて出る。次の順番が来た清水裕友だったが、7番手でタイミングを取り打鐘を迎える。清水は3コーナーからスパートして、最終ホーム過ぎに主導権を奪う。窓場も飛び付くように踏み上げるが、中四国3車が出切る。切り替えた稲川翔が、佐藤友和に合わせてまくる。番手の小倉竜二(写真)は、稲川を一発で仕留めて清水を差し切った。
 「早駆けする人がいなかったんで、(清水は)1周くらいはって感じだった。緩んだところでよくいってくれましたね。(稲川が)横までくるスピードがすごかったんで、ブロックというかもう打撃っすね(笑)。清水君も先行してくれているので、自分も仕事をしないと。危なかったですけど、稲川君のさばきがよくて受け止めてくれた感じっすね。しっかり止めて最後に差せたんで良かったです」
 清水裕友(写真)は、ライン重視の仕掛けで風を切って駆ける。小倉との決着で2着に踏ん張ったが、課題も残るようでこう振り返る。
 「先行タイプが不在だったんで、最終的に仕掛けられればと思っていました。スローになったところでカマせた。仕掛けたところは、良かったと思います。ちょっとフレームが硬くて踏み負けている感じで、踏み直しができなかったですね。ペースでカマす感じになったんで、フレームの特性を考えるともっと駆け切っても良かったのかもしれないですね」
 窓場の余力を確かめてスイッチした稲川翔は、のみ込む勢いでまくったが、小倉のブロックに阻まれた。
 「(窓場)千加頼を全面的に信頼してました。2人でチャンスがあるようにレースをしようと思っていました。気持ちも入っていたと思いますし、ああなってからは腹をくくってくれた。なんとかしたいって思ったんですけど、相手が強かった。勝負どころで判断しないといけないなって思っていて、体が動きました。行けるかなっていう感じだったんですけど、(小倉のさばきは)さすがっすね」

12R

選手の写真です。
脇本雄太選手
選手の写真です。
小原太樹選手
 先頭に立った鈴木玄人がペースを落として、車間が空いた4番手には根田空史。単騎の筒井敦史が南関勢に続いて、脇本雄太(写真)はさらに車間が空いた7番手でレースが流れる。鈴木は緩めたままで、打鐘で根田がカマす。筒井まで続いて3車で出切った根田の先行策。7番手の脇本は反応できずに、車間を空いたままの7番手で最終ホームを通過する。2コーナー手前で鈴木がまくり、そこに脇本が襲い掛かる。脇本がスピードの違いで、直線半ばで前団に並び抜け出した。
 「(中団からカマした)根田君の動き自体はわかってた。本来なら体が動かないといけない。でも、今節はこれが限界ですね。今節はマッチしないままです。スピードの乗りとかはたぶん変わらない。呼吸の方が整わない。発進の時にすでに呼吸が乱れている。体力の部分で落ちている。体もそうですし、どこかしらで波をつくっていきたいけど、今節はこれで頑張っていくしかない。気持ちだけでも戻したいので、なんとかしたい」
 脇本の加速に高久保雄介が徐々に置いていかれて、根田を利した小原太樹(写真)が2着。ラインの根田が僅差の4着に沈んだだけに、小原は反省の弁で振り返る。
 「2車ですごい頑張ってくれたのに、(根田を)残せなくて情けない。(筒井が後ろにいたのも)わかってて、内をあんまり空けられなかった。けど、最後に空けてしまった。(鈴木のまくりは)張りにいくより車間を詰めながらの方が止まってくれるかなと。でも、最終2センター過ぎからは甘かった」
 南関勢追走が吉と出た筒井敦史は、中のコースをこじ開けるように踏んで3着。
 「(単騎での組み立てを)発走機に着いてからも迷ってました。関東勢にスイッチしようかどうかも走りながら決めました。関東の動きが早かったんで、根田君が巻き返す方が(可能性として)大きいんじゃないかと。そっちにイチかバチかかけました。根田君の掛かりがすごかったんで、あれならワッキー(脇本)は1人で飛んでくる可能性が高くなる。それでチャンスが生まれるかなと。鈴木君が(外に)いたんで、中を割る選択肢しかなかった」