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検車場レポート

  • 8/30 Wed.  (前検日)
  • 8/31 Thu.  (1日目)
  • 9/1 Fri.  (2日目)
  • 9/2 Sat.  (3日目)

1R

 真船圭一郎は8月平塚FIの決勝で逃げ切り、待望のS級初優勝を飾った。続く同月松戸FIでも優出するなど勢いに乗っている。


 「本当にたまたまですよ。なにかを変えたわけでもないし、脚のほうも変わってないですから。いろいろとかみ合ってきたんだと思います。松戸が終わってからは普通に練習してきました。調子も変わらずですね。記念は久々なので楽しみ。自力でしっかり戦います」


 大森慶一は通算200勝にリーチをかけている。好目標を得た初日は節目達成のチャンスだ。


 「体調は前回の四日市と変わらず。いい感じで走れると思います。前回1着を取って、周りから200勝のことを言われました。初日に達成できればいいですけどね。真船君とは1年ぶりぐらいの連係。その時よりも強くなっているから大丈夫でしょう」

2R

 佐藤一伸は前回の8月千葉FIの決勝で自力型が並んだ近畿勢を分断。逃げた中井俊亮の番手を奪って追い込み、S級初優勝を達成した。


 「イン粘りは流れの中で何回かやったことはあったんですが、作戦の段階から考えて決まったのは初めてです。優勝できて、うれしかったです。オールスターで誘導を5日間やって、そのあとに腰痛が出たので1本欠場しました。それから練習はできたので、調子は問題ないです。後手を踏まないように、しっかり力を出し切ります」


 佐々木雄一は差し脚が冴え渡っている。初日の予選は抜群の安定感を誇る。


 「なにもいじってないし、最近は流れがいいだけですね。前の選手がいつも頑張ってくれる。ここに向けてはいつも通りやってきました。佐藤君との連係は何回かある。相性はいいと思います」

3R

選手の写真です。
小笹隼人選手

 小笹隼人(写真)が地元のトップバッターとして登場。成績はなかなか安定しないが、積極的なスタイルは崩していない。


 「ここを目標にして、しっかり練習はしてきたので状態はいいです。しっかり力を出し切れば、いい勝負はできると思います。細切れ戦なんで、しっかり仕掛けます。地元の一番手なので、いい流れを作れるように」


 一戸康宏は、前回の高松FIの最終日に今期初勝利を挙げた。


 「高松は初日、2日目がダメだったんですけど、最終日にしっかり持ち味を出して勝つことができました。(5月伊東FIの)落車の影響はもうないと思います。今期からフレームを変えて感じも悪くないです。自力でしっかり力を出し切ります」

4R

 金子哲大は7月大宮FIで落車負傷。それから精彩を欠いている。


 「ケガは擦過傷で肩の傷は結構深かった。それよりも大宮が終わってから体調を崩してしまって…。全身にじんましんが出て、1週間ぐらいなにもできなかった。復帰してからも思っている以上によくないですね。前回のエボリューションも力が入らなかったです。体調は戻って練習はできるようになっているので、しっかり結果を残したいですね」


 竹村勇祐は前回の弥彦FIで久々の決勝進出。勝ち星からは見放されているが、状態は上向いている。


 「練習の感じはかなりいいんですけどね。なかなか結果が出ないです。弥彦は決勝に乗れたけど、自分で踏むような展開にならなかった。自力自在になんとか初日をクリアできるように」

5R

 今期初めてS級の舞台を踏んだ北浦和人は、成績以上に追い込みのスタイルで存在感を増している。


 「少しずつS級に慣れてきています。それでもビクビクしながらですけど。S級は追い込みとしてやろうと思っているし、人の後ろの方が合っている。一日一日が勉強ですね」


 豊橋記念を3691着の窓場千加頼は、最終日の白星で弾みをつけて中1週で地元記念を迎える。


 「(前回の豊橋記念の)予選では気持ちの弱い面があったけど、最終日に1着を取れた。豊橋で足りなかった部分を補えるような形でトレーニングをしてきた。(地元記念のPRで)新聞社を回って、みなさんに頑張ってください、頑張ってくださいって言われて、プレッシャーはありますね(笑)。緊張するとあんまりいい方向に転ばないので、自然体でやっていきたい」

6R

選手の写真です。
鈴木謙太郎選手

 鈴木謙太郎(写真)は四日市、松戸とFIを連続で優出。ようやく本来の動きを取り戻してきてはいるが、完調とは言えない様子だ。


 「無意識にできていたことが、できなくなって調子を崩していた。(7月の)青森でキッカケをつかんで、それが意識してできてきた。ただ、もうちょっと足りない部分がある。カマシ、まくりのスピードが戻ってない。(いい時は)そこが楽だったんで。少しずつ上がってくると思うし、この感覚を大事に走りたい」


 追加配分の谷口遼平は、前回の函館FIで久々の優出。落車の影響も少なくなり、その表情も明るい。


 「追加は函館が終わってから、3日くらいたってですかね。変わらずに練習をしていたんで、疲れの部分はわからないです。(落車も影響は)だいぶマシになってきた。練習でも少しずつ良くなってきているんで、あとはそれがレースで出てくれればいいんですけどね」

7R

選手の写真です。
川口聖二選手

 前々回の名古屋FIを222着、前回の高松FIを119着。川口聖二(写真)は積極的なスタイルを崩すことなく好成績を残している。


 「(体は)良くなっている気がします。小田原記念では山岸(佳太)さんが優勝しましたからね。100期代の選手はシビレたんじゃないですか。みんな次は自分っていうのもあるだろうし、103期で記念を獲っている人はいないんで自分も頑張りたい」


 7月弥彦記念での落車後は一息の松永晃典だが、前回の松戸FIでは成績以上に手応えをつかんでいる。


 「(前々回の)名古屋はあんまり調子自体がよろしくなかったけど、前回は感覚的にだいぶいい。成績以上に良かったです。弥彦で落車する前くらいの状態には修正できたのかと思います」

8R

 3場所前の向日町FIでは優勝を飾っている川村晃司だが、その後の川崎ナイターGIII、函館FIでは一息。初日は一次予選回りを余儀なくされた。


 「調子は上がってきているんですけど、まだ波が激しい。自転車がしっくりきてないのもある。でも、力自体が落ちているんだと思う。それでも今回は地元なんで、頑張りたい」


 川村とのタッグを組む石塚輪太郎が、気合を入れる。


 「地元に前を任せてもらっている以上は、自分ができることを精いっぱいやります。練習も相変わらずできているし、調子もいいと思う」

9R

選手の写真です。
太田竜馬選手

 初めてのGIだった前回のオールスターが2374着。未勝利ながらも準決までコマを進めてポテンシャルの高さを証明した太田竜馬(写真)。


 「初めてのGIはいい経験になりました。準決まで行けるとは思ってなかったんで、行けたのは収穫です。(GIは)実力があっても展開次第のところもあるんで、そこを負けないようにしたい。オールスターから結構空いてたんで、(練習は)できていると思います」


 メンバーに太田の名前を見つけた竹山陵太は、厳しい勝ち上がりに腹をくくりこう口を開く。


 「このメンバーで勝ち上がれたら自信になると思う。(調子は)上がっている。7月くらいから上半身のウエートトレーニングを増やしたのが、自分ではいい感じになっているんだと。(前回の優出は)2年ぶりですから」

10R

選手の写真です。
村上博幸選手

 7月の福井記念で落車に見舞われた三谷竜生は、ろっ骨骨折で1カ月以上の戦線離脱。今シリーズが久々の実戦となる。


 「練習もできているんで、大丈夫かなと。地道に戻していくしかないですね。競走でもしっかりやっていけば大丈夫かなっていうのがあります。グランプリに向けてもそうですし、一戦、一戦をしっかりと。それで落車もしないように。そうすれば調子も上がってくると思う」


 前回のオールスターから2週間のローテで地元記念を迎える村上博幸(写真)は、順調をアピールする。


 「変わったことはなにもしないで、しっかり休みながらやりたい練習をやってきました。去年、怪我をして今年の夏までにっていうのが僕のなかでの計画だった。点数も115点くらいまで戻してと思ってたんで、それも戻ってきた。感触はたいぶ良くなってきている。しっかり練習ができて(地元記念に)臨めるのは久しぶりですね」


 ダービーから勝ち星が遠ざかっている石井秀治は、ゆとりのローテでトレーニングにも工夫を凝らして状態アップを目論む。


 「俺もレベルアップできるようにやってきた。トレーニングの成果を見せられるようにしたい。出力を上げていかないとっていうのがあって、キツいけどそれをやってきた。いい方に出てくれれば」

11R

選手の写真です。
稲垣裕之選手

 稲垣裕之(写真)は前回のオールスター4669着を振り返り、結果的に調整ミスだったことを反省する。


 「(オールスターは)しっかり仕上げたつもりが、自分の思っていた状態になかった。その辺が…、調整方法っていうのが今回(オールスター)に限っては失敗だった。そこから疲れをしっかり取って、練習ができました。毎年、平安賞は他地区に譲らないっていう強い気持ちでいるので、今回もしっかりと」


 和田健太郎は前回の松戸FIを411着で優勝。目標不在のファイナルはまくりを繰り出した。


 「(まくりで優勝は)追い込みとしてはどうなんだろうっていうのはありました。調子は変わらずで、上積みがないと思う。ただ、松戸は久しぶりに目標がなかったことで、気持ちの部分でいろいろ考えることがあったんで良かったです」


 右足首を骨折した菊地圭尚は、6月の高松宮記念杯以来の実戦。


 「1カ月はウエートトレーニングしかできなかったんですけど、それからは乗ったら痛みが出てっていう感じだった。ただ、少し前まであった体をかばう感じがなくなったんで、自分ではいいと思います」

12R

選手の写真です。
村上義弘選手

 鎖骨と胸骨の骨折で満身創痍の村上義弘(写真)だが、地元ファンの期待を背負って1年に一度の地元記念に勇姿を披露する。


 「グランプリのチャンピオンユニフォームの姿を地元ファンに見てもらいたい。それが出場を決めた自分のなかの思いの一番です。手術からちょうど3週間。なんとか走れるところまで、もってこられた。しっかり頑張りたい。とにかく一戦、一戦ベストを尽くすだけです」


 村上との連係で重責を担う中井俊亮が、表情を引き締めて自転車を組み立てる。


 「久しぶりに期間が空いたんで練習ができた。夏バテとかして疲れが残らないようにしっかり調整もできた。後ろが村上さんなんで、いつも以上に気持ちが入る。特別(GI)で付くのと、地元で村上さんが付くのは、また違った緊張感がある」


 メンバーを見やりながら山田義彦は、通算200勝のメモリアルにヤル気になっている。


 「こういうメンバーですけど、ここで1勝挙げて(200勝を)達成したい。(番手は)最近増えてきたし慣れてきた。勝てる位置を求めてるだけで、(番手も)その手段としてですね。(落車の影響は)体よりレースのなかでの動きがまだ鈍っている感じがあるので、あとはレースで走っていくしかない」

1R

選手の写真です。
大森慶一選手

 神田龍に併せ込まれた真船圭一郎は冷静に下げて、赤板の2コーナーから巻き返し主導権。稲吉悠大が追い上げ中団がもつれて、番手の大森慶一(写真)にとっては願ってもない流れが訪れた。神田のまくりをけん制して直線で踏み込んだ大森が、通算200勝のメモリアルをオープニングで達成した。


 「前の真船君のおかげ、それに尽きます。勝ち上がりでの1着だし、(200勝は)うれしいです。真船君が落ち着いてペースだった。自分は結構、脚にきてました。100勝した時が2009年でしたかね、あと何年掛かるかわからないけど、300勝できるように」


 九州勢の追い上げで7番手に置かれた神田龍は、最終2コーナーからのまくりで2着に届いたものの反省の振り返り。


 「(九州勢に割り込まれて)甘いですね…。ラインを生かせなかった。(まくりが)よく届きました。(感じは)悪くないんですけど」

2R

 打鐘で酒井拳蔵を押さえて前に出た本多哲也を工藤文彦が叩いて主導権を握る。前受けから後方まで下げた佐藤一伸はすかさず踏み上げて4番手の位置に入ると、最終2コーナーから力強くまくって快勝した。


 「なんとかって感じですね。ホームでしっかり踏めて後手を踏まなかったのが大きい。(佐々木)雄一さんが後ろでプレッシャーはありました。最後はなかなか雄一さんが来なかったので、どうしたのかなって思ってました」


 8番手から懸命にまくり上げた酒井拳蔵が2着。S級に上がって初めて初日予選を突破した。


 「内容はともあれ、勝ち上がれたのはよかったです。打鐘で結構踏んだけど、脚は溜まってました。3コーナーの登りがキツかったです。気持ちの弱さが出たので、二次予選は積極的に頑張ります」

3R

選手の写真です。
小笹隼人選手

 吉田茂生が押さえた上を、小笹隼人(写真)が出てレースを支配する。別線を警戒しながら最終ホーム手前でペースを上げた小笹は、番手の高間悠平の援護にも助けられ逃げ切り勝ち。地元で好スタートを切った。


 「(地元の)トップだったんで緊張しました。勝ちを意識するより、自分のレースを心掛けました。後ろの高間さんも僕の気合を感じてくれて、それを受け止めてもらって自分はしっかり駆けられた。ここに来る前からスピードが出てたんで、あとは心の問題と思っていた。(村上)博幸さんに出し惜しみするなって言われて、それがいい方に出ました」


 最終3コーナー過ぎに藤田竜矢が高間をすくうと、さらにその内を五十嵐力が突いて2着に追い込んだ。


 「外がフワフワしていたんで、あれが2コーナーだったらいいけど。もう3コーナーだったんで、外に行くと厳しいと思った。スタートけん制と押さえに行く時に突っ張り気味に踏まれて、自分も脚に余裕がなかった。情けないレースになっちゃいました」


 五十嵐に内から当たられた藤田竜矢は、差し脚が鈍り3着。


 「誘導を追いかけるのに脚を使って、もう脚がなかった。高間君は絶対に(ブロックを)やると思って、行った瞬間そこをと。そしたら(五十嵐に)すくい返されちゃいました」

4R

 打鐘で成松春樹を叩いた金子哲大が、後続を一本棒にして逃げる。しかしながら、6番手にいた竹村勇祐の巻き返しが早い。最終ホーム手前からのロングまくりで前団を仕留めて、そのまま押し切った。


 「踏んだ瞬間は出切れないと思って、馬場(勇)さんか成松さんのところに降りるかなって。でも、成松さんもキツそうだったし、なんとかまくり切れました。久々の1着で良かったし、北日本のいい流れを切らさないでよかった。調子はずっといいので、やっと成績で出てくれたかな」


 竹村に詰め寄った阿部秀樹は、微差及ばずの2着。


 「外から誰かが飛んで来たのが見えて、それで慌てて踏んだ。そうしたら、竹村君が踏み直していたので交わせなかった。道中は余裕がありました」

5R

 打鐘前に切った太刀川一成を窓場千加瀬が押さえて先制。7番手となった山田庸平は最終2コーナーから好回転でまくり上げる。窓場の番手で車間を空けて別線の反撃に備えていた筒井裕哉が余裕を持って追い込んだ。


 「(窓場)千加瀬があれだけ行ってくれたし、強かったです。5番(山田庸平)は見えていたんですけど、遠かったから大丈夫だろうと。踏み出しはキツかったんですが、余裕はありました。最後は(窓場が)タレてきたので、ギリギリまで待ってから踏みました」


 まくった山田庸平は2着まで。レース後は反省しきり。


 「引くのは遅くなかったと思います。(打鐘の)4コーナーで外に外して行こうと思った時に前が駆け始めたので見てしまった。オールスターで自分なりに課題を持ち帰ってやってきたのに、それを生かせず内容的には0点です。二次予選は気を引き締めて走ります」


 中団確保からまくり追い込んだ太刀川一成が3着に食い込んだ。


 「中団を取って余裕はあったんですが、初日なので少し大事に行きすぎました。5番(山田)が見えてこれ以上、待つとまずいと思って仕掛けました。勝ち上がれたのはよかったです」

6R

 打鐘の2センターで谷口遼平が中井勇介を叩くと、7番手に置かれた鈴木謙太郎が反撃に出る。離れながら追った浦川尊明は伊藤健詞のブロックで終了。谷口が番手に入り、最終2コーナーで自ら踏んだ鷲田佳史がゴール前できっちり追い込んで1着。


 「中井さんが前々に攻めてくれた。ホームですぐに(中井が)踏んでくれれば良かったけど、3番手に入ってすかさずっていうのはなかなか厳しい。自分はバックを踏めなかった。余裕もあったし、脚は悪くないと思います」


 直線の入り口で鈴木に追いついた谷口遼平が、鈴木を交わすも外の鷲田に追い込まれて2着。


 「叩いてキツかったんで流し過ぎました。ペースが上がらなかった。それでも前よりは良くなっている。前だったらあれで(鈴木に)追いつかなかったと思います」


 打鐘の4コーナーからカマした鈴木謙太郎は、直線でスピードが鈍り3着に沈んだ。


 「駆け方としては一番ダメなパターン。細切れで前を取らされたんで、もうちょっと早めに行ってペースに入れるべきだった。風があったんで、思った以上に脚にきました。あれで谷口君に差されるのはよろしくない。競走が詰まっているから、末が良くないですね」

7R

 打鐘手前から主導権を握った川口聖二がペースを落としたところを見逃さず、坂本健太郎がスパート。最終1センターで川口をとらえて、そのまま別線を完封した。勝負どころの反応良さが光った坂本が、白星をつかんだ。


 「だまし討ち成功ですね(笑)。これがバック1本しかない奇襲です。脚の感じはわからないけど、押し切れたので良かった。松本(大地)さんとは相性がいいし、信頼して気楽に走れた。普段はあの仕掛けをあまりしないので、無警戒だったんでしょう。出切ってからはペースで踏めました」


 三上佳孝の猛追を押さえた松本大地が、流れ込んで九州ワンツー。


 「付いていけるけど交わせないのは、いつもの僕の調子です(笑)。(坂本)健太郎はデビューして一番ワンツーが決まっているし、相性が抜群ですね」

8R

選手の写真です。
川村晃司選手

 後ろ攻めの大矢崇弘が早めに上昇すると、誘導員を残して後方まで下げた石塚輪太郎は赤板から巻き返す。これで7番手となった大西祐は打鐘の3コーナーからスパート。マークの梶応弘樹は離れ、石塚が大西の後位にはまる。バック過ぎから石塚が前を抜きにかかると、その後ろから地元の川村晃司(写真)が鋭く伸び切った。


 「石塚君が引いてすかさず巻き返してくれたので、彼の頑張りのおかげです。それだけですね。(石塚が大西の)番手に入ったので、ラインで決められればと思ってました。(石塚は)だいぶ脚を使っていたし、キツかったと思います。自分も脚はいっぱいでした」


 後方からまくり上げた大矢は不発となったが、スピードをもらった安部達也が2着に突っ込んだ。


 「大矢君はずっと踏みっぱなしできつかったと思う。行けるところまでと思って踏んだけど、あそこまで伸びるとは思わなかった。よく届きましたね。自分を褒めたいです(笑)」


 地元を背に前々に攻めた石塚輪太郎が3着に入った。


 「4番(大矢)が押さえに来るのが早かったので、いったん引いて、すぐ巻き返そうと思いました。自分の中ではペースで踏んだけど、(大西に)出られてしまったので。きつかったです。後ろの地元が1着なので最低限の走りはできたかなって思います」

9R

選手の写真です。
太田竜馬選手

 赤板の2コーナーで武田和也も懸命に踏んで合わせるが、人気の太田竜馬(写真)がスピードの違いで主導権を奪って逃げる。打鐘からの1周半、強風のなかで風を切った太田が、別線をシャットアウトして押し切った。


 「めっちゃキツかったです。(2週間空いたので)久しぶり感はありましたけど、(気持ちは)いつも通りでした。踏まされて出る自分の苦手なパターンだったけど、なんとか押し切れました。(風が強くて)逃げが決まらないのがわかりました。(重かったのは風と)それにギアを3.93に上げたのもあった。今回から(フレームが)新しいんですけど、フレーム自体は問題ない。(新しいフレームは)ギアを掛けた方がいい感じがしたんで(ギアを上げた)」


 連続落車からの復帰となった富弥昭は、太田ときっちり1車身をキープしたままゴール。2着に流れ込んだ。


 「(打鐘で付け切って)ホッとはしたけど、(太田は)またバックで掛かっていくから。離れることはないけどね。もう自分で(太田が)強いって決めつけているのもあるし、それで余計に力が入ってしまった。でも、実際に強いし、ヤングで1、2の選手ですから。その太田君に付けられたんでよかった。(2場所連続落車で)無事が第一っていうのはあるけど、また気合を入れて(2日目以降を)頑張ります」

10R

選手の写真です。
伊勢崎彰大選手

 打鐘手前で先頭に立った石井秀治は、別線の仕掛けを待たずに緩急をつけてレースを支配する。番手で車間を切った伊勢崎彰大(写真)が、別線との間合いを計りながら後続をけん制。絶好のチャンスをモノにして勝ち切った。


 「内藤(宣彦)さんが付いてくれたのもあるし、(石井)秀治が先行してくれて涙が出そうになった。連係は何回もあるけど、先行してくれたのは初めて。あとは俺が勝つことが秀治への恩返しだと思った。ラインの長さが生きたし、ずっと余裕はありました」


 千葉コンビに付けた内藤宣彦が、横一線の2着争いを制して流れ込んだ。


 「恵まれました。石井君が頑張ってくれましたね。自分は思ったよりも道中が軽かった。それに6番車でプレッシャーもなかったです」


 4番手キープの吉田敏洋は、近畿勢にかぶって仕掛けられずも3着。


 「なにも話すことはないですね。恥ずかしいレースでした。ただ、外帯線の上を走っていただけです」と、厳しい表情で言葉を選ぶ。

11R

選手の写真です。
近藤隆司選手

 後ろ攻めから早めに動いた清水裕友が近藤隆司を出させずに打鐘前から主導権を握る。後方に置かれた稲垣裕之は打鐘の4コーナーからロングまくりで襲いかかる。これに合わせて3番手から近藤、番手の小倉竜二も踏み込むが、2人の抵抗を力でねじ伏せた稲垣が好スタートを切った。


 「思ったよりも隊列がすんなり整って、後ろが付きにくい仕掛けになってしまった。打鐘過ぎに(菅田)壱道が下げて、近藤を(3番手に)すんなり入れたのが予想外でした。近藤と壱道の態勢が整う前に早く踏みました。近藤君の踏み出しがよかったんですけど、地元っていうのが後押ししてくれました。いろいろと修正点はあるけど、地元ですし、気持ちを入れてしっかり走ります」


 3番手で態勢を立て直した近藤隆司(写真)は最終2コーナーからまくる。バックで外に稲垣、内に小倉で3車併走になりながら最後まで踏み切った。


 「清水君が出させてくれない感じだったので、止めて3番手に入りました。そこからは落ち着いていけました。結構車間を空けて、詰める感じでいけたんですけどね。稲垣さんはずっと外々だったのに、行かれてしまった。力の差を感じました」


 最終バックから前に踏んだ小倉竜二は、3着に入るのが精いっぱいだった。


 「1周半、ずっとキツかった。流れるところがなかった。外の2人(近藤、稲垣)が上のほうにいたから出て行ったけど重かった。踏んだ距離も長かった。あと1回踏めれば合わせられそうな感じだったけど、いっぱいでした」

12R

選手の写真です。
永澤剛選手

 早めに動いた中井俊亮は、青板のバック過ぎから飛び出して先行態勢を取る。赤板を通過して中井が徐々にペースを上げていくが、鈴木竜士が7番手から巻き返す。踏み上げる中井を打鐘の4コーナーで鈴木が叩いて主導権を奪取。高橋大作が離れて、村上義弘はとっさの判断で3番手にスイッチしたのもつかの間、すかさずまくりを打つ。村上に香川雄介、柳詰正宏が続き、3車を追った永澤剛(写真)がまくり追い込みで突き抜けた。


 「メンバーが強すぎて、緊張はしなかった。(1着は)俺だけ脚を使ってなかったのもあった。イチかバチか行きました。3コーナーまくりで行ったんですけど、2センターが追い風だったんでそれも良かった」


 まくった村上マークの香川雄介は、ソツなく追走してゴール寸前で村上を交わして2着。


 「(3番手に切り替えた村上は)すかさず行くっていう感じがあったんで、自分も構えていた。村上だし、その外は誰も来れないかなと思った。あそこで(中井を)入れたら(勝負権が)なかっただろうし、(村上の)判断はさすがやね」


 最終ホーム手前で選択を迫られた村上義弘は、やむを得ず3番手に切り替えてのまくりを断行。


 「(中井を)3番手に迎え入れるタイミングが1個ズレた。あとはもうあの形にもっていかないと勝負権がない。あのままだと次は永澤君が来るだろうし。(まくって)もたなかったのは、自分の脚がないからですね」

6R

選手の写真です。
清水裕友選手

 前受けの清水裕友(写真)は窓場千加頼に押さえられると、3番手に引いて菅田壱道と併走で打鐘を迎える。そのまま窓場がペース上げて逃げる。最終2コーナーで菅田が外併走からまくりを打って、中井勇介も合わせて番手発進。両者の踏み合いを、清水は菅田後位の佐々木雄一を弾いて追い込む。後ろの2人を連れ込み中国ライン3車での上位独占で、清水が勝ち切った。


 「7番手まで引いて巻き返す自信がなかった。前受けだったらどこかで止まろうと。ズル引きはあんまり好きじゃないんで。腹をくくって結果オーライですね。(佐々木を弾いて)そこしかなかった。僕があんなことをするとは誰も思ってない。本当はああしたくはなかった。不甲斐ないんで、反省するところはしっかり反省したい」


 流れ込んだ三宅達也が、清水を労い目を細める。


 「恵まれました。(清水)裕友はさばけるから、引かない方がいいと思っていた。裕友がよく頑張ってくれた。どんな形であれ、ワンツースリーまで決まったんで最高の結果です。自分も初日より体が動いていたと思います」


 中国ライン3番手の古城英之は、三宅と逆のインコースを踏んで3着。


 「前2人がすごく頑張ってくれた。自分は黙って付いていただけです。もう運だけですね(笑)。脚の感じですか? そこも問題ないと思います」

7R

選手の写真です。
川村晃司選手

 小笹隼人が先行態勢を取るが、真船圭一郎がすかさず反撃に出て最終ホームで主導権を奪取する。小笹が叩かれると、川村晃司(写真)は神田龍に合わせて自力に転じてまくりを打つ。一次予選からの連勝で準決進出を決めた。


 「展開が早かったですね。小笹君が主導権を取りに行こうと頑張ってくれたので、僕にとってはいい展開になってくれました。真船君がもう少し早く叩いてくれていれば、小笹君を3番手に入れても良かった。でも、最終ホームを過ぎていたので、シビアに行かせてもらいました。バンクコンディションもあると思うけど、状態は重いですね」


 目標の神田が合わせられると柴崎俊光は、俊敏に川村後位にスイッチして流れ込んだ。


 「神田君には悪いことをしたけど、あれじゃ厳しいと思った。川村さんが行くのが見えたので、うまくスイッチできました。人の後ろだったけど、自分は重く感じました」


 大矢崇弘マークの山田義彦も、最終2コーナー手前で切り替えて川村、柴崎を追うも3着まで。


 「すごくキツかったです。自力選手はすごいですね。大矢君が進んでいなかったし、ホームでは入れてはダメだと思って自分で仕掛けていきました。自分が一番脚を使っていなかったので、欲を言えば前の2人を抜きたかった」

8R

選手の写真です。
石井秀治選手

 鈴木謙太郎、谷口遼平の順で切って、その上を打鐘前に押さえた石塚輪太郎が主導権を握る。5番手となった鈴木は2センターから踏み上げる。もつれた前団を石井秀治(写真)が豪快にまくって完勝。約4カ月ぶりの勝ち星を挙げた。


 「風が強かったので、うまく組み立てないとって思ってました。冷静にいけたし、いいスピードが出たと思います。最近は1着が取れてなかったけど、フォームをちょこちょこ変えたりして、ワンテンポ早く反応できるようになった。パワーアップできていると確信できました」


 和田健太郎がきっちり続いて2着。人気の千葉コンビで決まった。


 「展開は厳しかったけど、石井さんがちょっと抜けてましたね。強かったです。自分も付いていけてるので悪くないと思います」


 石塚の先行をフルに利してバック過ぎから前に踏んだ筒井裕哉が3着に入った。


 「(石塚)輪太郎のおかげです。自分はなにもしてないし、ただ付いていっただけ。ラスト200メートルしか踏んでないので」

9R

選手の写真です。
池田憲昭選手

 酒井拳蔵を叩いた鈴木竜士が、打鐘の3コーナーから駆ける。太田竜馬も鈴木のペースを許さず早めの巻き返し。グングンと加速して前団に迫り、太田は最終2コーナー手前で鈴木をとらえる。高橋大作のけん制を乗り越えて、太田に続いた池田憲昭(写真)がゴール前できっちり追い込んだ。


 「(太田は)前より強くなっている感じがする。(太田の)緩急がすごい。想定内ではあったけど外々を回された。とりあえずクリアできたんで良かったですけど。自分はちょっとダッシュの時に、力んでいる感じがある。そこを修正していきたい」


 打鐘の3コーナーから踏み上げた太田竜馬は、ロングまくりで別線を沈めて2着。


 「すんなりポンポンと(順番が)来るかと…。もうちょっと(別線が)モガき合うかと思ってたら、モガき合わなかったんでキツかった。(新車と3.93のギアで)ペースに入れやすいし、ゴリゴリいけますね。ゴールまで踏めていると思います」


 前受けの竹山陵太は後方に置かれたが、一撃にかけてなんとか3着に届いた。


 「みんな脚を使うと思ったから、最後の1回にかけてた。デキすぎですね。前の方で結構、ヨコに動いていた。ちょっと前だったらビビッて外々を踏んでいた。でも、余裕があるから内々を行けた。感じはいいと思います」

10R

選手の写真です。
村上博幸選手

 打鐘で主導権を握った中井俊亮に村上博幸(写真)が抜かりなく続くが、富弥昭は付け切れず佐藤一伸が3番手に飛び付く。最終ホーム手前から坂本健太郎が仕掛けると、逃げる中井も合わせてペースを上げる。3番手からまくった佐藤と坂本を村上が阻んで、番手からきっちり追い込んだ。


 「打鐘で佐藤君が後ろに入ったのはわかりました。感触は良かったし、脚はきれいに回せていたと思います。今回は向日町記念ということで、S班が2人いるし、気負いはない。でも、気合は入りますね。そういう意味ではいい精神状態で臨めていると思う。連日、(三谷)竜生といい、(中井)俊亮といい早めに仕掛けてくれているのでありがたいです」


 打鐘からの1周半をうまく駆けた中井俊亮が、近畿での上位独占をメイクして2着に粘った。


 「相手の動きを見ながら、落ち着いて駆けられました。残れたので状態的には悪くないです。自分は日に日に上がってくるタイプ。村上さんとワンツーが決まってよかったです」


 坂本に合わせて3番手からまくりを打った佐藤一伸は、村上に止められるもあきらめずに食い下がり3着。


 「いい位置が取れて良かったです。なんとか凌げました。前々に動けているし、体はいいと思う。(今開催の)直前に練習ができたことがいい方向に出たのかなと思います」

11R

選手の写真です。
三谷竜生選手

 後ろ攻めの山田庸平が早めに動いて中団の三谷竜生(写真)にフタをすると、その後ろから仕掛けた竹村勇祐が打鐘で先頭に立つ。7番手まで下げた三谷が最終ホーム前から巻き返すと、瞬く間に前団を抜き去る。バックではライン3車で出切って、近畿勢で上位独占の態勢。三谷がそのまま力強く押し切り、人気に応えた。


 「仕掛けるべきところでしっかり仕掛けようと思ってました。連日、しっかり仕掛けられていると思います。初日よりも感じもよかったです。準決につながるレースはできました」


 西岡正一がしぶとく2着に流れ込んだ。


 「三谷君が全部やってくれました。2コーナーからの踏み直しはすごかったです。もう必死でした。最後は差せる感じじゃなかったけど、感じはいいです」


 ライン3番手の鷲田佳史がきっちり3着に続き、近畿勢で確定板を独占した。


 「しっかり付いていけてよかったです。準決に乗れるのはうれしいですね。内容はともあれ、結果は出ている。6月に落車したんですが、体調も良くなって、セッティングもかみ合ってきました」

12R

選手の写真です。
村上義弘選手

 永澤剛が切りにかかるが、吉田敏洋が内から盛り返して突っ張り主導権。小倉竜二が連結を外して、番手には伊勢崎彰大が打鐘の3コーナーで入る。8番手に置かれた稲垣裕之だったが、外が空くとすかさず仕掛けて前団に襲い掛かる。逃げる吉田を最終1センター過ぎに稲垣がとらえて、村上義弘(写真)の追走。地元コンビの後ろに伊勢崎が切り替える。村上は伊勢崎の中割りを警戒しながら差し脚を伸ばし勝ち星をつかんだ。


 「(稲垣は)後方になりましたけど、しっかり仕掛けてくれた。3番手に伊勢崎君が入っているのがわかった。後方を気にしすぎて、内をすくわれないようにと。僕にとっては4日間とも勝負なんで、一戦、一戦をしっかり頑張りたい」


 伊勢崎マークの近藤隆司は、直線で外に持ち出し2着に強襲した。


 「村上さんが車間を空け始めたんで、3コーナーで詰まってきた。そこで勇気を振り絞って踏み込めればアタマまで届いたかもしれない。結局、ギリギリ届いてないですからね…。風が強かったですけど、自分は人の後ろだったから楽だったです」


 吉田の先行を抜群のスピードでとらえた稲垣裕之は、ゴール前でわずかに失速して3着。準決を見据えて気を引き締める。


 「周りの動きがあるなかで、しっかり力を出そうと思っていた。末が甘くなって、お客さんに迷惑を掛けてしまいました。吉田君も強い先行選手だから、自分が踏み込まないと勝負権がないんで。しっかり集中はできている。初日と2日目も修正はしているけど、まだですね。あと2日間、しっかり対応していきたい」


 地元コンビの中を突いた伊勢崎彰大は、伸び切れずに5着。


 「いい位置が取れたけど、吉田君も掛かっているところに稲垣さんが来た。あの上を来るんだから、一流どころは違いますね。稲垣さんが駆けているんで、(直線のコースは)中かと思ったんですけど…」

10R

選手の写真です。
小倉竜二選手
選手の写真です。
太田竜馬選手

 3車の近畿勢が打鐘で主導権を握ると、太田竜馬は後方で反撃のタイミングをうかがう。先行態勢の川村晃司がペースを落としたところを見逃さず、2センターから踏み込む。次元の違うスピードで太田が鮮やかに川村をとらえる。番手の小倉竜二(写真)は、迫り来る後続のスピードを計りながら太田を交わして1着。


 「太田君は強いね。向かい風になる前に、一気にスピードを上げていった。自分の調子が悪かったら付いていけないかもしれない。自分の調子はまあまあということ。記念の優勝は長らくしていないので、優勝したいね」


 目を見張る進化を遂げている太田竜馬(写真)が、同県の小倉とのワンツーを演出して決勝に進んだ。


 「自分のいい脚を使えた。絶対先行とは決めていなかった。掛かりは良かったし、脚は回っていたと思う。思うように走れているので、決勝は小倉さんにチャンスがある仕掛けをすれば、自分にも優勝するチャンスはあると思う」


 川村後位からスイッチした筒井裕哉が、徳島コンビを追いかけて直線で外に持ち出す。西岡正一は冷静なコース取りで筒井を交わして3着。


 「最後まで余裕を持って走れた。(最終)4コーナーで筒井君は外を踏むと思ったし、コースも見えていた。前の頑張りに尽きますね」

11R

選手の写真です。
村上博幸選手
選手の写真です。
稲垣裕之選手

 後ろ攻めの吉田敏洋が早めに動いて近畿勢にフタをする。赤板で5番手まで下げた中井俊亮は山田義彦と併走に。打鐘で中井が外をどかしながら仕掛けると、3番手から合わせて踏み込んだ吉田が主導権。外に浮いた中井は不発となったが、その後ろで様子をうかがっていた稲垣裕之が最終2コーナーから自力に転じる。これを追った村上博幸(写真)が直線で鋭く差し切った。


 「こういう展開になるんじゃないかとなんとなく感じてました。ホームでは稲垣さんと決まるかなって。しっかり付いていこうと思ってました。声援がすごくて、テンションは上がってます。緊張と言うよりも気合が入りますね。今回は調整がうまくいってます」


 目標の中井が不発の展開から判断よくまくった稲垣裕之(写真)が2着。人気の地元コンビがしっかりワンツーを決めた。


 「人気になっていたので、プレッシャーはありました。(中井は)ちょっと気持ちで負けてましたね。ダメだった時に対処して、しっかり前に踏めたと思います。村上君と決まってよかったです」


 地元コンビを追う形から山田義彦が3着に食い込んだ。


 「予想外ばっかりでした。セオリー通りの展開だと厳しいと思ってました。考えていた展開と違ってほしかった。打鐘過ぎに脚を使ってもしょうがないからバックを踏んで、すぐ(近畿勢に)付いていけるようにした。ゴチャゴチャの展開になってくれたし、諦めずに踏んでよかったです。結果オーライですね」


 中井俊亮は組み立てミスを悔やんだ。


 「組み立てが悪かったです。(5番手の位置は)下げられないと思いました。自分の気持ちが弱くて、後ろに迷惑をかけました。なにもできなかったです」

12R

選手の写真です。
和田健太郎選手
選手の写真です。
近藤隆司選手

 合わせて動いた三谷竜生を清水裕友が、赤板の1コーナーで押さえて先行態勢を取る。8番手の近藤隆司は前との車間を空けて打鐘で反撃。清水も踏み上げるが、近藤が最終2コーナーでねじ伏せる。両者のモガき合いで三谷のまくりごろかに思われたが、和田健太郎(写真)が三谷を阻んで直線。切り替えた香川雄介の中割りを抑えて、和田が追い込んで白星を飾った。


 「決勝に乗れたっていうのもうれしいけど、なにより近藤と一緒に決勝に乗れたっていうが一番です。キツいメンバーだったけど、近藤があのタイミングで仕掛けてくれた。自分にもっと余裕があれば、(近藤と)ワンツーを決められましたね。香川さんが後ろにいたのはわかっていたけど、三谷をもっていかないと。香川さんも1回なら待ってくれるかなっていうのもあった。(決勝は)近藤が獲れるように頑張ってくれれば、自分にもチャンスがあると思う」


 千葉コンビの後ろに切り替えた香川雄介は、2人の間を突いて2着に伸びた。ソツのない走りで“らしさ”を見せた。


 「来たのが三谷君かと思ったら、近藤君でしたね。気づいた時にはもう出切られてた。追加のわりに調子はまあまあですね」


 打鐘からの1周半をモガき切った近藤隆司(写真)だったが、早々に息を整え壮絶なレースを振り返る。


 「(清水と三谷が)やり合ってくれれば、最高だったんですけど。そうならなかったですね。中団が清水君だったら、黙って後方だったんですけど。三谷君が中団なら思い切って行って、三谷君と村上(義弘)さんを越えられればと。思い切って行って、三谷君のところで一瞬、休んだ。それで全開で踏みました。和田さんにはいつも迷惑を掛けているんでよかったです。最終日の方がもっと良くなると思います」


 


≪最終日9Rブロックセブン≫


 北日本、関東、南関、中部、近畿、中四国、九州の各地区から一人ずつが参加する「ブロックセブン」が、一発勝負で行われる。


 次の共同通信社杯を見据えながら横山尚則が、力勝負に気持ちを込める。


 「(7車なので)ひとつ、ひとつのラインが短いし、自分のラインも短い。(それぞれの)脚力が出るレースになると思うので、自分を信じてしっかり仕掛けたい。共同通信社杯に向けていい流れで来ているんで、気持ち良くいいレースができるように」


 南関の萩原孝之が、関東の横山との即席タッグでラインを形成する。


 「連係ですか? たぶん横山君とはないと思います。でも、強いのは見ているんで。(オールスターの落車の怪我は)たいしたことはなかったし、(前回の立川FIが終わってからは)いつも通り調整をしてきました」


 前回の久留米FIの初日特選に落車に見舞われた栗山俊介は、2週間以上空いたローテ。状態はどうか。


 「(落車の)怪我はそんなたいしたことはなかった。それでも押さえ気味に練習をして、いつも通りに練習ができるようになったのが5日くらい前ですかね。(脚が)落ちている感じがあるけど、(練習での)スピードとかタイムは変わってない。自分の感覚的にイマイチな気がしますけど」


 初めてのGIだった前々回のオールスターは977着に終わった小川真太郎は、前回の和歌山FIを612着。


 「オールスターは楽しかったけど、次はもうちょっとやりたい。そこからはいつもと変わらずでいいも悪いもない。(7車立ては)後ろになっても6、7番手だし、そんな気にならない。先行を含めて、前々に動きたい」