KEIRIN EXPRESS

全国の競輪開催案内のポータルサイト

松山競輪

MATSUYAMA KEIRIN

75#

検車場レポート

  • 10/12 Wed.  (前検日)
  • 10/13 Thu.  (1日目)
  • 10/14 Fri.  (2日目)
  • 10/15 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
山原さくら選手
 賞金ランキング7位に付けている山原さくら(写真)は、16年立川以来のガールズグランプリ出場へ向けて正念場を迎えている。
 「まさかグランプリ争いに入れるとは思ってなかったです。ここまで来たら1個でも上を目指したい。後手を踏まないように気を付けているけど、どうしても先行ってわけではないです。スポーク車輪は元々好きなので、今回の変更はうれしいですね。地元地区のGIIIなので頑張りたい」
 廣木まこは、追加での参戦。安定感ある成績を残しているが、コンディション面はどうか。
 「昨日(前検日の前日)の昼に追加の連絡を受けて。結構バタバタしちゃいました。午前中も結構追い込んだ練習をしてたから、今日は疲労を取ることに専念したい。強い人に対抗するには、まず前に出て待つというか。後ろから仕掛けても届かないですから。(山原)さくらさんが断然人気になると思うし、意識して走ります」

2R

 鈴木美教は、尾方真生ら強豪がそろった前回弥彦決勝を豪快なまくりで制して優勝。ここ一番の勝負強さには定評があり、今節もV候補の一人に上げられる。
 「状態は前回と変わりないと思います。前回は濃いメンバーの中で優勝できたし、うれしかった。今はしっかり出し切ることと、考えて走ることを意識しています。流れの中で何でもしていきたい。松山はスピードの出るバンクだと思います」
 地元の佐伯智恵は、追走技術に磨きをかけて着実にステップアップ。コメントはいつも通り控え目だが、地元で評価は割り増しだ。
 「決勝には乗れているけど、その成績が良くないので。マークっていうか、良い位置を取るっていう競走が得意。練習でのタイムとかは良くないから、タテ脚っていうところには自信はないですね。松山は普段練習しているバンクですし、走りやすいです」

3R

選手の写真です。
柳原真緒選手
 柳原真緒(写真)は、今年5月にガールズコレクションを初制覇。その後も順調に白星を積み重ね、今年はすでに13度の優勝を手にしている。前回から中17日と、ゆとりのローテーションでの参加だ。
 「前回までが詰まってたので、追い込んで練習をしたかった。追加を断ったりはしてなかったんですけど、練習したいっていうのはありました。今回は1つも落とせないと思ってます。松山は大好きなバンク。お客さんの距離が近いし、応援してほしいです」
 力を付けている高木佑真だが、まだ成績にムラが残る。本人はメンタル面に課題をあげている。
 「中3日なんですけど、今回は迷わず自力を出すことをテーマにして走りたい。しっかり自力を出した時の方が成績もいいし、もうフレームとかも固まっているので。松山のGIIIは去年も呼んでいただいた。4日制のレースは4回くらい走っているので嫌いじゃないです。4日制は勝ち上がらないと面白くないし、決勝に上がれるように」

4R

選手の写真です。
河端朋之選手
 河端朋之(写真)は、コンスタントに白星をマーク。持病の腰痛とうまく付き合いながら、完全復活を目指す。
 「腰の状態は前回と変わらず、ケアをしながらって感じです。まだそこまで負荷をかけてのトレーニングはできていないので、不安はあります。松山は先月も走ったばっかり。走りづらいとかはないですよ」
 前期は101点オーバーの点数を有していた小野大介だが、5月川崎の落車から半年以上の欠場を余儀なくされた。復帰戦に向けて、できる限りの準備はしてきたようだ。
 「肋骨を7本折って、肩甲骨と膝も怪我して、肺挫傷に肺気胸。今までで一番ひどい怪我でした。どこまで戻っているかはわからないけど、練習はできるようになったし、前と同じような強度の高い練習ができた。初日は単騎で、1走して感じを確かめます」

5R

 稲毛健太は支部長職の公務との兼ね合いで多忙な日々を過ごしている。成績にこそなかなか表れないが、徐々に動きは良化中だ。
 「忙しいっすね(笑)。公務もあるし、最近はアマチュアの練習を見たりもしているので。なかなか調整ってことは最近やってないですね。調整するよりも、自分の時間があったらしっかり練習をやらないと脚が落ちる。最近は反応も良くなっているし、長い距離を踏めているので悪い感じはしないです」
 若手の久保田泰弘だが、ここは同地区の三登誉哲の番手回り。器用なイメージはあるが、果たして番手戦はどうなのか。
 「(自力の)決まり手も少ないし、三登さんが自力でやりたいってことなら僕は後ろです。番手戦は難しいですね。自分でやるなら前々に踏めばいいけど、番手だといろいろ考えることも多いし、自分でやるのとはまた違うので」

6R

 まくりも繰り出すなど福田知也はタテの鋭さが増している。前々回の9月小倉FI決勝で落車もあったが、直後の和歌山FIは231着と3日間成績をまとめており問題はなさそうだ。
 「まあボチボチですね。調子はあんま変わってないです。(鈴木)陸来とは連係があるけど、踏み出しが良いのでそこだけ注意して。小倉で落車して、擦過傷がひどかったんですけど、和歌山は思ったよりも良かった。1着も取れてますしね」
 歯がゆい成績の続く中西大。現状を受け止めて口を開いた。
 「記念でも、FIでも初日に飛んでしまっているのでダメですよね。特に悪いところとかもないんですけど。前期の良かったころのレースを見たりして、なんとか戻そうとやっているんですけど。調子も成績通りなのかな。地元に任せてもらえるならそれなりのレースをしないとですね」

7R

 一時の勢いこそ薄れてしまった岡崎智哉だが、前回の豊橋FIは初日、2日目と力強い先行を披露した。
 「前回は久々にフレームを戻してみて、いい先行ができたと思う。その流れで来られてると思います。流れる感じは前のフレームの方があるんですけど、前回から使ってるやつの方がペダリングの対応がしやすい。細かい部分なので伝えるのが難しいんですけど、レースの流れに対応しやすい」
 潜在能力の高い太田龍希だが、ここ3場所は勝ち上がりに苦戦中。壁を壊して、もうワンランク上のステージを目指したい。
 「最近は成績が悪くて苦戦中です。切って切っての流れでカマすのが得意なんですけど、9車立てだと先行する距離が長いからゴールまでもたないんですよね。しっかり粘れるようになりたい。神山(雄一郎)さんとは2回目の連係です。1回目は自分が飛んだし、今回は2人で決めたいですね」

8R

選手の写真です。
山岸佳太選手
 山岸佳太(写真)は7月川崎での完全Vなど、FI戦での好走が目立つ。通算3度のGIII制覇の実績があるだけに、傑出者不在の今シリーズは見逃せない。
 「前回の立川は、腰痛が出て欠場しました。すこし違和感はあるけど、2週間くらい休んで練習もできたので。今回はチャンスですよね。勝ち上がりたいですね。ちょっと欲を出していきたい。池田(勇人)さんとはよく決まっています」
 藤井栄二は近畿を代表する徹底先行の一人。前回の奈良FIでも3日間先行し、後ろの優勝に貢献した。
 「ラインで決めるってことは第一に心掛けていつもやっている。前回は感触自体も良かったです。後ろに残してもらっている部分があるし、末脚ってところはまだまだ。1週間くらい空いたので、計画的に練習もできました」

9R

選手の写真です。
佐々木豪選手
 佐々木豪(写真)は、期待のかかる地元の機動型。いつもよりもシュッとした顔立ちで検車場に現れた。
 「体をだいぶ絞ってきました。サマーナイトフェスティバルの頃から絞りだして、だいたい5キロくらいですかね。重さがあると今のスピード競輪に付いていけないですからね。パワーは残したまま絞ってきました。反応が良いし、マイナスはないと思います。最近は風がすごくてバンクが重すぎたから、逆にバンクで練習すると感じが悪くなると思って乗らずに調整してきた」
 新田康仁は半年間のA級暮らしから、今期S級にカムバック。自力も繰り出すなど、まだまだ衰えを感じさせない走りを見せている。
 「原田(亮太)君とは9月大垣の2日目に連係して、1着を取らせてもらっている。積極的だし、点数以上に強かったですよ。自分の状態も上がってきていますよ」

10R

 高橋晋也は積極性が増して、内容あるレースを連発。持ち味のスピードにも磨きがかかっている。
 「力を出し切るレースをしようと思ってやっているけど、残れていないのは課題です。踏み合うつもりでもいるし、積極的にレースはやれていますね。トップスピードは出ているし、まくりは出ているけど、先行の粘りが落ちている。そこは意識してやっています」
 南潤は一時の不調からは抜け出した印象。直近10場所のバック数も、20本をマークしている。
 「良かったり、悪かったりって感じですけど、最近は良くなっていると思います。練習を変えたりとかはしていないし、きっかけはわからないんですけど成績も上がってきましたね。決勝に乗るのが目標。バック数は中西(大)さんと勝負してるんですよ。負けないように」

11R

選手の写真です。
犬伏湧也選手
 犬伏湧也(写真)は、ビッグレースでの経験を積み重ねている真っ最中。四国を背負って立つ大器は、先を見据えてレースに挑む。
 「前回は大事を取っての欠場ですね。落車の影響もあったし、しっかりケアをしたかった。フレームは落車でも壊れなかったので大丈夫でした。ビッグを走って、まだまだ実力が足りないですね。脚力の底上げをしていかないといけない。スピードにプラスして持久力が欲しい。航続距離を伸ばしていきたい」
 黒沢征治が犬伏に真っ向勝負を挑む。
 「(初日は)11レースになるとは思わなかった。でも、犬伏君と戦ってみたかったんですよね。最近自分は弱いし、ちょっと刺激になる。どこまで通用するか。それを試してみたい。前に出て、どこまでもつかですね」

12R

選手の写真です。
渡部哲男選手
 地元の渡部哲男(写真)が、最終の特選レースに登場。競走得点トップで望む地元GIIIだが、気負いはなく自然体を強調した。
 「プレッシャーとかは感じないようになってきました。前回の小倉で腰を痛めてそのままレースをしたんですけど、少ない日数の中でしっかりケアをしてきた。いつも通り自分の力を出せたらと思いますね。(開設記念は地元勢が連覇していて)地元勢は良い状態が続いているし、それを途絶えさせないように頑張りたいです」
 その渡部に任されたのは根田空史。直前のピスト6は完全優勝と、輪界屈指のスピードで圧倒した。
 「メンバーを見ていてどういう並びになるのかって考えてたんですよ。任せてもらえるなら自力でしっかり走りたいですね。ピスト6はいい練習になっているし、自分は6回出て3回優勝しています。冬の方が好きだし、いい季節になってきましたね。ピスト6が終わってから空いたんですけど、それまでがかなり詰まっていてオーバーワーク気味だった。今回は疲れも抜けたしいい状態だと思います」
 侮れないのは菅田壱道だ。タテヨコ踏み分けられる脚質だが、ここは自力を基本に組み立てる。
 「前回の小倉は落車もあって優勝できたけど、うまく落車を回避できて良かった。初日は自力ですね。こういうところで自力基本にやっていかないと、GIだと付いていくことすらできない。自力を出して、流れを見極めて仕掛けていきたい」

1R

 藤原春陽が前を取り、人気の山原さくらは周回中に4番手の位置取り。打鍾を過ぎて誘導が退避しても隊列に動きはない。打鍾過ぎ4コーナーで3番手から渡部遥が仕掛けると、これに反応した藤原が踏み上げてペースが上がる。渡部を追った山原は、最終1センターからまくり上げる。渡部を突っ張って逃げる藤原をあっという間に飲み込んだ山原が、追走の廣木まこも一切寄せ付けずに力強く押し切った。
 「(初手の)並びのようなそのままの展開だと思っていました。渡部さんはいつも積極的に動いていると思ったので、勢いを貰っていければって。でも藤原さんも合わせたり突っ張る動きもするので、渡部さんが合わされたら自分でいかなきゃなって思っていました。バックの向かい風は強かったんですけど、いつも通り行けたのかなって。今回はGIIIの4日制で1レース1番車は初めてで緊張しましたけど、いつも通りに走れました」
 初手から山原を追っていた廣木まこが2着をキープした。
 「1番車に山原さんがいて、近い枠だったので後ろが取れればと思っていました。(道中で誰かに)追い上げられないよう必死でした。初手で良い位置が取れて展開が向いたんですけど、バックの風が強くていっぱいいっぱいでした。2日目は展開に恵まれなくても自力自在に動けるような心つもりでいたいと思います」

2R

選手の写真です。
鈴木美教選手
 赤板で6番手から佐伯智恵が動き出し、4番手の鈴木美教(写真)にフタをする。佐伯に塩田日海が続き、包まれるのを嫌った鈴木は6番手にサッと下げる。打鍾で誘導が退避し、スローなままレースが進むと、3コーナーから鈴木がカマす。あっさりと先頭に立った鈴木がレースを支配し、そのまま一切失速せずに逃げ切った。
 「(追い上げられたが)内で粘るメリットがないので、すぐ引いてすかさず行こうと思ってました。(仕掛けのタイミングは)決めていなかったけど、前が緩んだので、早かったんですけどここで行こうと。朝起きた時に腰に違和感があって、嫌な感じがあったけど1着を取れてよかった。影響は多少はあるけどしっかりケアをしていきます」
 初手から鈴木を追った橋本佳耶が2着に流れ込んだ。
 「(初手で鈴木の後ろが取れて)しめしめとしか思わなかったですよ(笑)。(佐伯)智恵が追い上げてくるかと思ったけど、(鈴木に)フタをしてくれたので絶好になりました。あわよくば差せればと思ったけど、脚がないのが分かりますね。軽いって感じはないけど、松山は好きなバンクなので大丈夫。修正点はないので、このまま突っ走ります」

3R

選手の写真です。
柳原真緒選手
 スタートは高木佑真が先頭に出て、柳原真緒(写真)は3番手から組み立てる。日野友葵が打鍾前から柳原後位に追い上げて、4番手の猪頭香緒里は柳原の内をすくって位置を上げる。高木がなかなかペースを上げずにいると、柳原は最終ホーム入り口からスパート。高木を叩いて先頭に立つ。そのまま一周を踏み切った柳原が逃げ切りで危なげなく白星発進を決めた。
 「(初手の位置は)ちょっと前過ぎるなって。押さえに来られたら引く準備はしていました。自分のペースで行きたかったんですけど、詰まるのが早すぎて行ってしまった感がありますね。もっと駆け切れれば良かったんですけど、バックの風が強くて。ホームの追い風で駆け切れれば良かったと思います。でも、初日としては踏めているほうだと思います」
 柳原後位に飛び付いた高木佑真は空いた車間を詰めて2着に入った。
 「最近は結構、仕掛けようっていうのが自分の中で一番なのでS取りは考えていなかったんですけど、誰も出なかったので。風も強かったので前々勝負もありかなって。柳原さんが下げたら駆けてもいいかなって思ったんですけど、3番手にいてその後ろが併走だったので。(番手にハマって)最後に詰め寄れれば良かったんですけどもうちょっとですね。状態は結構よくてダッシュにも反応はできました」

4R

選手の写真です。
栗田貴徳選手
 赤板過ぎに貴志修己が河端朋之を切り、格清洋介が打鍾で叩く。7番手に下げ切っていた河端は、打鍾過ぎ1センターから一気に巻き返す。怒涛のスピードで出切った河端だが、最終4コーナーで失速。中四国ライン3番手から外を踏んだ栗田貴徳(写真)が鋭く突き抜けて、地元で嬉しい1着をつかんだ。
 「(最終3コーナーから)1番(齊藤竜也)と併走だったので、前に車輪をかけながら併走してしのごうと思ってました。その辺は追い込みとしての嗅覚が付いたのかな。そしたら河端君がタレてきて、佐々木(則幸)さんがヨコに並んだのでそのまま踏ませてもらった。河端君の3番手で初速に付いて行けたことが収穫です。岐阜記念に行く前から手応えがあって、岐阜記念の3、4日目と犬伏(湧也)に付いて行けたり、9番手からしのげたり、状態がよかった。A級から地元では1着が多くて、初めての地元GIIIでましてや1着なんて。盆と正月とクリスマスが一緒に来た(笑)」
 河端をかばい気味に踏んだ佐々木則幸は2着。目標の河端が8着まで沈んでしまい、複雑な表情でレースを振り返る。
 「あのパターンになるし、付いていけるかどうかでした。口が空いて、なんとか追いついて。残せればよかったけど自分に余裕がなかった。もうちょい追い込むのが遅ければ残せてたのかな。前回は河端君の3番手で千切れたし、付いていけただけ前回よりはましです」

5R

 前受けの稲毛健太は、三登誉哲の上昇を突っ張って出させない。三登が下げると、すかさず松尾信太郎がインを切り、笠松将太が打鍾で叩く。笠松は最終ホームを過ぎても流し気味で、中バンクに上がって他をけん制。6番手の稲毛が内を突いたタイミングで、笠松はスパートする。稲毛は内に包まれ不発で、巧みなペースで翻弄した笠松が逃げ切った。
 「(初手の並びは)理想かなって思いました。でも、ちゃんと切るところを切らないとなって思ったので。じゃないと踏まされるので。風が強くて詰まってしまったんですけど、稲毛さんを見て、そのあと三登さんを見てって感じで駆けました。GIIIで初日に1着なのは初めてなので嬉しいですね」
 笠松マークの佐藤真一は差し迫るも2着。
 「前の方からって感じだったので。やっぱり稲毛君の動きはみんな警戒をしていたと思うので。笠松君も(出切ったあとに)なかなか駆けなくて、スピードを調整しながらでした。最後に差せれば一番良かったんですけどね。前回の小倉が良くなくて、マッサージを入れて来たら軽く感じました」

6R

 赤板で磯島康祐が中西大を勢いよく切り、鈴木陸来が打鍾で叩く。下げた中西だが、鈴木が出切るとすかさず巻き返す。この仕掛けに濱田浩司は離れ気味で、最終ホームで内に降りてしまう。中西後位にハマった鈴木だが、いっぱいで仕掛けきれず、4コーナーで鈴木の内を踏んだ福田知也が、中西を外から鋭く交わして1着。
 「スタートで中団が取れて中西君が前を取ったから思っていた通り。中西君が前を取ったからすぐに来るのは分かってたので、後は(鈴木)陸来の踏み方次第。合わせられるようならそれでいいけど、踏み合うよりは番手にハマるくらいのペースで踏んでくれからよかった。濱田さんが降りているのが分かったし、あえて中西君は邪魔せず出させるって判断でした。被ってコースがなくて、陸来に申し訳なかったけど当たらないように内に行って、思ったよりも伸びた。前回よりはかなり良いですね」
 後方に置かれた磯島康祐は、立て直して最終2コーナーからまくる。前をまくり切ることはできなかったが、勢いを貰った須永優太が2着に強襲した。
 「車番が悪くて後ろ攻めになって、思ったよりも巻き返しが早かったから後ろになったけど、磯島君が仕掛けてくれてよかった。もっと別線がラインで踏み合ってくれたらよかった。隊列が整っちゃったので前が遠かったですね。点数が上がると展開に恵まれることが多いけど、恵まれないときにどうやって確定板に入るか。そこを課題にして考えてやっています」

7R

選手の写真です。
岡崎智哉選手
 後ろ攻めとなった岡崎智哉(写真)は、中団の太田龍希にフタをしてから赤板過ぎに大川龍二を切る。巻き返した太田が打鍾で叩き、受けた岡崎はすんなり中団を確保。最終2コーナー過ぎからまくり返した岡崎が、関東勢をねじ伏せて1着。
 「スタートでけん制が入れば前でもいいかなって思ったんですけど、太田君が出て自分は内に詰まってしまって動けなかったので。押さえて駆ける組み立てでジャンで踏んだんですけど、それ以上に踏んできたので。ホームで行ければ一番良かったですけど、後ろからも来ていなかったので。初日ですし、堅くいきました。前回からフレームを戻していい感じですね。神山(雄一郎)さんと並んだ時に力んでしまったのでもうちょっと技術が上げれば」
 岡崎マークの渡辺十夢が2着に続いた。
 「(岡崎に)もう好きなように走ってもらおうと思っていました。最近の松山は初日の成績が良かったので自信はあったんですけど、岡崎君が強かったですね。全然、抜ける感じはしなかったですね」

8R

 藤井栄二が前受け。宗崎世連、渡邉豪大の順で切ると、下げた藤井は山岸佳太の動きを制して打鍾で叩く。これで立ち遅れた山岸は四国勢の内をすくって位置を上げようとするが、宗崎と接触して落車。掛水泰範も乗り上げてしまう。藤井は徐々にペースを上げて先行。そのまま逃げ切るかに、3番手で脚をためていた渡邉がゴール前で外から鋭く突き抜けた。
 「想定していた並びと違って、山岸君と藤井君が逆だと思っていた。自分は前から2番目が取れたから想定通り。自分が切った時に、藤井君と山岸君の位置が入れ替わっていた。とりあえず藤井君を出させて3番手を取って、山岸君がカマしてくるようならスイッチしようと思って車間を空けていました。脚を使っていなかったから、もうちょっと伸びるかなと思ったけど、踏んだ感じがよくなかった。セッティングを変えたので、もうちょっと煮詰めたい」
 藤井栄二は瞬時の判断で山岸を後方に追いやり、得意の先行の形に持ち込んで2着に逃げ粘った。
 「他が切った時に山岸さんが遅れているのが見えたので、先に切った方が山岸さんを後方に置けるなと思った。昨日(前検日)の指定練習では風を感じたんですけど、今日はましだったからバンクコンディションがよかった。展開が向いたのと、近藤君がスタートを取ってくれたのが全て。もうちょっと自転車との一体感を出したいので、セッティングを修正します」

9R

選手の写真です。
新田康仁選手
 赤板で中団から真船圭一郎が先に切り、その上を原田亮太が押えて先頭に立つ。佐々木豪は7番手で構えて原田が主導権。最終2コーナーから真船が先まくりに出るが、これを新田康仁(写真)が痛烈にブロックする。佐々木豪も外に浮いて不発となり、返す刀で前に踏んだ新田が先頭でゴールした。
 「(後ろ攻めとなったが)どっちが前でもとにかく(原田が)先行っていう感じだったので。巧くペースで駆けてくれましたね。あとはもう自分がほかのラインを潰すだけだと思ったので。小菅(誠)君も内を締めていてくれましたし、持ち場、持ち場でやることはできたと思います。3人で決まれば一番良かったですけど。悪くなかったと思います。しっかりとケアをして疲れを残さないように」
 真船のさらに外を踏んだ庄子信弘が2着に強襲。
 「(展開は)ああいうイメージで考えていました。(原田が)いい感じのペースで駆けていたので、真船君も無理やりいった感じだと思うので。番手が新田さんだったので、張りにいってダメなら踏むかなって思って(自分は)外を差し込んでいたので。状態は良いと思います」

10R

選手の写真です。
森川大輔選手
 中村隆生は中団の南潤にフタをして赤板を通過。中村は2コーナーから前を叩きにいくが、これに反応した高橋晋也が突っ張り気味に踏む。中村隆は無理矢理高橋を叩いて先頭へ。関東勢を追った南潤は、最終ホームですかさず巻き返して中村隆を叩く。南の番手で車間を切った森川大輔(写真)が、詰める勢いのままにゴール前で差し切った。
 「南君がレースの流れに臨機応変に対応して行ってくれた。(最終)バックまでは後ろを確認する余裕がなかったけど、バックでは九州が後ろにいるのは分かった。掛かりからしてもすぐには来れないとは思ったけど、4コーナーで一気に来られるのが嫌で車間を切った。できればワンツーを決めたかったけど、その辺は勉強していきたい。疲れはあるけど、日に日にそれが取れてくれれば」
 中近勢を追った久島尚樹が森川に続いて2着。
 「切った上を叩くか、6番(中村隆生)のやる気次第ではそこの4番手と思ってた。(中村隆が)押えに来るのが遅くて、予想と違ったけど南君が仕掛けたからそこには付いていこうと。付いていかないと駄目だと思って、きっちり車間が空かずに付いて行けた。(最終)3コーナーで踏んだけど、進まなかった。感じは悪くないです」

11R

 津村洸次郎が赤板で犬伏湧也を切るが、この動きに別線は続かない。後方となった黒沢征治は内から位置を上げて、犬伏をすくって津村を叩く。3番手外で津村と併走になった犬伏だが、打鍾過ぎ2センターで仕掛けて一気に関東勢を叩き切る。最終ホームでは中四国3車で綺麗に出切って別線は反撃できない。マークの堤洋は直線で犬伏に詰め寄ると、タイヤ差で差し切った。
 「(犬伏と)連係は初めてでしたけど、練習では何回もあるので。でもみんな千切れているのを見ているのでビビっていました(苦笑)。津村君が切ったあと誰も来なかったのでパニックになっているかなって思ったんですけど、外併走から行ってくれたので助かりました。抜けるとは思っていなかったので自分が一番びっくりしています。前回が良くなかったのでセッティングを見直して良くなりました」
 犬伏湧也はイレギュラーな展開にもしっかりと対応。2着もパワーと冷静さが光った。
 「変に中団からでペースを落とされてフタとかされるのが嫌だったので、前からでも問題ないかなって思って。(津村の動きに)全員ついてくるのかなって思ったんですけど。(黒沢が内からすくってきて)ちょっと焦ったんですけど、そのあとは冷静に対処できたと思います。タイムがあんまり良くなかったので納得していない部分もあるんですけど、踏み直しはできたかなって。ジャンの所で張られたときに脚を使ってしまったのかなって。(一場所休んで体は)しっかり修正はできたと思うので、レースの組み立てだったりをしっかり」

12R

選手の写真です。
渡部哲男選手
 根田空史が赤板で九州勢を突っ張る。松川高大は3番手に入り直して、根田は一旦スローペースに落とす。打鍾前から早目に巻き返した杉森輝大が迫るが、反応した根田が踏み上げて主導権を譲らない。杉森が外に浮くと、武田豊樹は3番手の位置に降りる。最終2コーナーからまくった菅田壱道を、渡部哲男(写真)がブロック。これで空いた内を武田がすくって抜け出すが、なんとかこらえた渡部が外から差し返して地元GIIIを1着でスタートさせた。
 「根田君の頑張りに尽きます。前は取りたくなかったんですけど、出る様子もなかったので前からになりました。杉森君のまくりが早かったのが誤算でした。(菅田を張って)すぐに内を締めたんですけど、俊敏に入られてしまった。そこは自分のミス。その後リカバリーはできました。全体的にタイムが出てなかったし、重いのかな。それを差し引けばいいんじゃないのかな。腰は万全じゃないけど走れる状態です」
 武田と渡部の間を割るようにして踏んだ木暮安由が2着に突っ込んだ。
 「コースを見定めて突っ込むだけだと思ってました。(渡部)哲男さんに当たりながらだったんですけど、出はよかった。フレームを変えてよくなりましたね。もうちょい体調を整えたい」
 武田豊樹は俊敏に立ち回って確定板に食い込んだ。
 「3車だったので、先行主体に考えていたけど根田君は先行力があるので、流れを見ながらでしたね。杉森君が併走する形だったので切り替えさせてもらった。内が重かったけど、木暮君もいるので迎え入れて、迎え入れての競走にはならないように意識していた。もうちょっと伸びは欲しいかな」

1R

選手の写真です。
鈴木美教選手
 スタートを取ったのは鈴木美教(写真)。打鍾で誘導が退避すると、2センターから高木佑真がカマす。冷静に高木を受けた鈴木は、車間を空けながら2番手で追走。鈴木は池上あかりのまくりに合わせるようにして空けた車間を詰めていき、最終4コーナーで高木を捕えて抜け出した。
 「まず、スタートでけん制が入れば追っかけようと思っていました。前からになったので落ち着いてモニターを見ながら、後ろから誰が飛んでくるかを考えながら。今日(2日目)は出させてっていう感じで、3車出切られてもそこからまくればいいと思っていたんですけど、付いてきていなかったので。番手を取り切ってって感じで。確実に1着を取りたかったので今日は遅めにいきました」
 最内枠の高橋朋恵が終始鈴木を追走して2着。
 「内枠を生かしていい位置を取れたらなって思っていました。鈴木さんの後ろが取れたので、しっかりと付いていってゴール前勝負だなって思いました。鈴木さんが巧く前を使いながらずっと踏み上がっていく感じだったので、どうかなって思ったんですけど抜けなかったですね。(2着に入れたのは)位置を取れているのが要因ですけど、脚も悪くないと思います」

2R

選手の写真です。
佐伯智恵選手
 周回中に佐伯智恵が山原さくらを迎え入れ、山原は4番手からレースを組み立てる。前を取った橋本佳耶は最終ホームでペースを上げて先行態勢。前と車間を空けてタイミングを取った山原は、2コーナーからまくり上げて橋本をねじ伏せ、そのまま押し切った。
 「昨日(初日)はめっちゃ緊張したけど、今日はいつも通り走れました。スタートは誰も出ないかと思ってたけど、みんな出てくれてよかった。後ろの仕掛けがなければ好きなところで行けるなって。(橋本)佳耶は(最終)ホームくらいなら駆けると思っていたし、その仕掛けに乗って仕掛けようと思ってました。バックでそんなに風を感じなかったから昨日よりも、もたつかずに出られました」
 山原を追った佐伯智恵(写真)は、最後は若干口が空くも2着はキープ。
 「最初から欲しい位置が取れたのでよかったですね。でも、最後は離されちゃったので駄目かな。昨日(初日)は中途半端なことをしてしまったので、今日は絶対に2着以内と思ってました。離れているので(調子は)あんまりよくないのかな。でも、また切り替えて頑張りたい。今回は小ギアをいつもと変えて、柔らかいものを使っていたけど、明日からは元に戻そうと思ってます」

3R

選手の写真です。
柳原真緒選手
 柳原真緒(写真)は周回中に5番手の位置取り。打鍾で誘導が退避しても先頭の廣木まこは流したまま。柳原は4コーナーから一気にカマす。最終ホームで前を叩き切った柳原は、そのまま一切他を寄せ付けずに逃げ切った。
 「初手はどこでもいいと思っていたので。だいぶ緩んだので、自分の行きたいところでいけるかなって。出脚はいい感じでしたし、風はほぼ感じなかったので。(最終)バックからのペダリングもアタリがありましたし、踏み直しもできたと思います。もう少しバックで伸びていってくれればっていうのはありますけど、悪くはないですね」
 柳原の仕掛けを布居光が追って、廣木まこは車間の空いた3番手に飛び付く。車間を詰めていくと、布居を直線で交わして2着に入った。
 「前受けは全く考えていなくて。藤原(春陽)さんが取るイメージだったので、自分は外枠でスタートが遅いから出たんですけど、けん制になって前受けになってしまった感じですね。でも、自分の後ろに西脇(美唯奈)さんがいたので、柳原さんの動きだけを警戒すれば良くなったのは良かったです。(西脇は)違うところにいたら動いてくると思うので。自分はダッシュがなくてきれいには飛び付けなかったですけど、布居さんの背中が近づいてきていたのでいけるかなっていうのはありました」

7R

 赤板で津村洸次郎が切り、笠松将太が打鍾前に叩く。7番手に下げていた佐々木豪は中団に追い上げる。津村は踏み遅れてしまい、佐々木が4番手を取り切って最終周回へ。佐々木は2コーナーからまくると後続を突き放してゴールした。
 「昨日(初日)が力を出し切れず不甲斐なかったので、今日はもう行ける所から行こうと思っていました。昨日、ジャン過ぎの3コーナーで行けたのに行けなかったので。(初手の位置は)本当は中団が良かったんですけど、前になったので自分で行くと決めたところから行こうと思っていました。笠松さんが踏んでいたんでそこは冷静に。付けマイ気味でいったんですけどまくり切れたので」
 佐々木マークの堤洋は口が空いてしまう。武田豊樹は笠松追走から堤に合わせるようにして最終3コーナーでタテに踏み、2着は確保した。
 「笠松君が責任を感じて頑張ってくれたのでありがたいですね。凄い強かったですよ。車間も開けられなかったですし。でも佐々木君のまくりも良かった。自分は後ろに神山(雄一郎)さんもいたので、なんとかラインでと思って。今日(2日目)はあまり良くなかったですね。昨日の方が良かったですね」

8R

選手の写真です。
大川龍二選手
 後ろ攻めの中西大は5番手の杉森輝大にフタをする。それを嫌った杉森は車を下げて近畿勢後位に付け直す。中西は杉森を警戒しながらも、打鍾で庄子信弘を叩いて主導権を奪う。3番手は近畿勢を追った杉森と庄司で併走になる。杉森が好位を取り切るが、脚をためていた大川龍二(写真)が最終1センターからまくり上げる。合わせて出た杉森のさらに上をまくった大川が、力強く押し切って激戦を制した。
 「初手の並びから色んなパターンがあるなと思って組み立ては決めきれなかった。周回中から展開を色々考えながら走ってました。思う通りにはならなかったですね。行きたい所で被るのが嫌だったので、(打鍾過ぎに)引きました。あとは中西君の掛かりと、ほかの併走を見ながら、行けそうだったので行きました。踏んだ感触よりも、行こうと思った時に1歩目が出ているので調子は良い。ここ最近意識している行く勇気ってところを修正できた」
 杉森輝大は大川に上を行かれたものの2着はキープした。
 「中西君が自分を警戒して作戦を立ててくると思ったし、後方に置かれそうだった。それを避けようと思って前々に踏みました。反応が遅れた部分はありますね。渡辺(十夢)さんと前輪が接触してしまったところもある。(自力は)難しいですね。もう少しラインでしっかり決まるようにしたいけど」

9R

 岡崎智哉を叩いた原田亮太に、高橋晋也がすかさず巻き返して打鍾から両者で激しいもがき合いに発展する。高橋は阿部力也のアシストもあって、最終1センターで原田の番手に降りる。高橋は再度バックから番手まくりに出るが、原田も必死に抵抗してすんなりとは出切れない。両者でもがき合う外を踏んだ阿部が、鋭く突き抜けた。
 「(高橋)晋也が叩き切ると思ったんですけどね。原田君が強かったですね。もうちょっと早めに晋也を迎え入れられればもう少し休めたと思うんですけど判断が難しかったですね。(最終バックから)無理やり仕掛けてくれたので。恩田(淳平)君が真後ろからきているのもわかっていましたし、岡崎さんが仕掛けてきているのも見えたので。できるだけ晋也を残したかったんですけどね。そこまで余裕はなかったです」
 高橋と原田でもがき合うと、恩田淳平はすかさず追い上げて4番手を奪う。最終3コーナーから車を外に持ち出して2着に突っ込んだ。
 「どういうレースになってもその場の判断で動こうと思っていました。先行も視野に入れて最善を尽くせればと思っていたので。もともと展開待ちは好きじゃないので、自分で勝負をしにいって結果がついてくればと思っていました。理想は(最終)2コーナーでいければ良かったですけど、弱気でした。岡崎さんに被っても嫌だったので無理やりですけど仕掛けました」

10R

選手の写真です。
福田知也選手
 南潤は根田空史にフタをしてから赤板で踏み上げて先頭へ。根田は南がスピードを上げる前に2コーナーから叩きに行くが、これを察知して南もペースを上げる。根田は一旦スピードが鈍ったかに思われたが、打鍾過ぎ4コーナーから再度加速して最終1センターで南を叩き切る。根田マークの福田知也(写真)は、最終バックで車間を切ると、根田を直線で鋭く交わしてゴールした。
 「まあ、いつも通り根田君の行けるところからって感じでしたね。北日本の2人が付いてくれて、根田君の仕掛けも早くなったと思います。南君が強くて、(根田は)出切るのに脚を使ってた。久島(尚樹)君のまくりだけは見てました。余裕はありましたね。前回はピリッとしなかったんですけど、今回は良い状態です」
 南を力でねじ伏せた根田空史が2着に粘って南関ワンツーが決まった。
 「後ろから切りたかったけど、中団になってしまったので考えながら。南君にフタされるとは思ったので、タイミングだけ取って行こうと思ってました。南君が流してたので、隠れながら行ったんですけど、ダッシュがすごすぎましたね。(打鍾過ぎ)3コーナーで無理に行って、近藤(龍徳)君に仕事をされたくなかったから外で休んで、4コーナーの下りを使って行った。要所要所で反応はできているし感じは良いけど、バンクが重くてタレますね。それでもゴールまでは踏めている。自転車とマッチはしていますね」

11R

選手の写真です。
稲毛健太選手
 赤板で稲毛健太(写真)が犬伏湧也を勢いよく押える。一瞬間が空いたが、中近勢後位に菅田壱道が追い上げて、犬伏は7番手に車を下げ切る。犬伏は打鍾過ぎから巻き返すが、この仕掛けに濱田浩司が離れてしまう。最終ホームで犬伏が先頭に立ち、車間が空いた番手には稲毛がハマる。稲毛は徐々に車間を詰めていき、ゴール前でわずかに犬伏を捕えて1着をつかんだ。
 「(犬伏は)前を取って全ツッパかなって思っていたんですけど。というよりそれしかないと思っていましたし。でもS取りで失敗しましたね。(最終)ホームで(犬伏が)1車だっていうのがわかったんですけど、緩めずにそのまま踏んで行って脚をためました。踏み直しが凄かったですけど1着を取れているので。とにかくバンクが軽いので走りやすいですね」
 援軍を失った犬伏湧也だが、2着に粘って勝ち上がりを決めた。
 「相手の出方次第でしたけど、前からで引いていけるタイミングから行こうと思っていました。行けるところで待ってしまうと、波とかを作られてきつくなると思ったので。後ろがいないのは分かったので最後まで持つようにと思ってペースに入れました。最後は差されてしまいましたけど、ダッシュの感じも踏み直しも悪くないと思う。初日がちょっとイマイチだったんで、2日目は固いフレームに変えたんですけど、こっちの方が手応え的には良かったので今開催はこのまま行こうと思います」

12R

選手の写真です。
渡邉豪大選手
 前受けの藤井栄二は、青板周回で誘導と大きく車間を空けて備え、黒沢征治の上昇を突っ張る。一旦は7番手に下げた黒沢だが、打鍾過ぎから再度アタック。藤井も全開で踏み上げる。黒沢が迫っていくと、渡部哲男が最終1センターで大きく蛇行してブロック。これで黒沢と接触した渡部が落車し、栗田貴徳、池田勇人も乗り上げて車体故障の黒沢征治も後退してしまう。落車を内から避けた坂本亮馬が藤井を追い、渡邉豪大(写真)がその後ろにハマる。坂本が2センターから追い込んで藤井を抜き去ると、その勢いを貰った渡邉が突き抜けた。
 「藤井君が前受けなら、車番的に中団が取れるし、藤井君が黒沢君を出したらスイッチして、突っ張ったらそのまま付いていこうと。自力を出しているわけじゃないので何とも言えない。着はいいので運はいいのかな。昨日(初日)走って修正したけど、自力を出してないのでまた明日試したい」
 松尾信太郎が渡邉に続いた。
 「防府が終わってから急に調子が悪くなって、こんなにいきなり体調が変わるわけがないと思っていた。自転車を見てもらったらクランクが固くなっていたんですよ。それを検車員の方に整備していただいたらかなり軽かった。昨日(初日)と動きが全然変わりましたね」

2R

選手の写真です。
山原さくら選手
 赤板で5番手から動き出した鈴木美教は、2番手の山原さくら(写真)にフタをする。山原は車を下げ、鈴木は前の藤原春陽と車間が空いた2番手で打鍾を通過。西脇美唯奈が4番手に追い上げ、山原は5番手。鈴木は車間を詰めていくと、最終1センターから仕掛けて先頭に立つ。が、2コーナーから仕掛けた山原も一気に加速して迫っていく。4コーナーで両者が並び、最後は山原が鈴木を捕えて1着。
 「(スタートで鈴木)美教が前に行かなかったので、押えられると思ったので落ち着いて走ろうと思ってました。(最終)ホームくらいで行こうと思ったけど、西脇さんの動きに迷ってタイミングを逃した。けど、まくりに行くときの感触がすごくよかった。美教相手に勝ててよかった。緊張しましたね。1年前(第13回国際自転車トラック競技支援競輪)は1、1、3、3着だったので、それよりは良くなっている」
 鈴木美教は2着も、長い距離を踏み決勝に向けて確かな手応えをつかんだ。
 「初手の並びを見ながら考えていました。さくらさんの外を1回行って、先に仕掛けようと思ってました。行くところは、あそこ(最終1センター)か、車間を切ってもっと遅らせても面白かったと思う。でも早目から行って2着なら。3日間で今日(3日目)が一番よかった。日に日によくなっています」
 打鍾過ぎから追い上げて位置を上げた西脇美唯奈は、4コーナーから外を伸びて3着に食い込んだ。
 「(鈴木)美教さんが上がってきて、後ろにいても着がないと思ったので動いて、(山原)さくらさんの前に入れてよかった。強い人がいっぱいいるときは後ろにいても着が悪いので、最近はそれを意識して走ってます。踏んだ感じは悪くないです。ギアを変えてみたんですけど、よかったのでこのままいこうと思ってます」

3R

選手の写真です。
柳原真緒選手
 周回中に2番手の位置に入った高木佑真は、前と大きく車間を切って後ろの様子をうかがう。打鍾で誘導が退避しても、柳原真緒(写真)はどっしりと構えて動かない。痺れを切らした高木は最終ホームでカマして先行態勢に入る。ペースが上がる中、柳原は最終2コーナーから満を持して仕掛ける。スピードの違いで高木をまくり切った柳原は、後ろを突き放して3連勝のゴールを駆け抜けた。
 「今日(3日目)はまくりを試しておきたいなって思っていたので。昨日の高木さんの動きを見ていたので、そんなに早い仕掛けにはならないと思っていたんですけど。遅い展開になるだろうって。もうちょっと車間を空けられれば良かったんですけど。踏み出しは良かったんですけど、もうちょっと伸びてほしかったですね」
 初手から柳原を追った佐伯智恵は、踏み出しはしのいだものの3コーナーから徐々に突き放されてしまう。何とか2着はキープしたが納得はできていない。
 「3着までには入りたかったので、一番強い人の後ろを狙いたいなって思っていて、いい位置がとれたので。踏み出しは焦ってしまったんですけどなんとかついていけて。でも3コーナーで離れてしまったので良くないのかなって。(柳原が強いのと自分が良くないのと)両方かなって。でも、決勝に乗れたので頑張りたいです」
 高木が先行して高橋朋恵は3番手の位置取り。柳原がまくると、追った佐伯後位に最終バックで切り替えるようにして3着に入った。
 「いつも通りいい位置を取って追い込めればって思っていました。終始、柳原さんの動きを見ながらって感じでした。高木さんもいいスピードだったのでそこに付いていって、切り替えられるように意識していました。悪くはないと思います。最後に追い込めれば良かったんですけど、脚力が足りなかったですね」

10R

選手の写真です。
稲毛健太選手
選手の写真です。
渡邉豪大選手
 赤板で後ろ攻めから菅田壱道が切りに動くが、渡邉豪大が突っ張る。すかさずその上を恩田淳平が押えて先頭へ。8番手で戦況を見つめていた藤井栄二は、打鍾からのスパート。最終ホームで恩田を叩き切って主導権を奪う。マークした稲毛健太(写真)は車間を切って後ろをけん制すると、2センターから前に踏み込んで抜け出した。
 「(最終)ホームで行き切ってくれればレースは動くので、あとは最悪浮いたときとか、粘られたときのことを考えて追走していました。ホームでスピード差があったので、落ち着いて走れましたね。(藤井)栄二に9着だけは取らせないように、僕も波を作った方が後ろはしんどいかなと思った。待って待ってだったけど、2人とも決勝に乗れないのは栄二に申し訳ないから踏ませてもらった」
 近畿勢が出切って、菅田壱道が最終ホームから巻き返すが、これを恩田淳平が自らブロック。そのあおりで木暮安由が外に浮くと、後位から渡邉豪大(写真)が内をすくう。木暮との併走を内でこらえた渡邉が、4コーナーから内のコースを踏んで2着。GIII決勝初進出を決めた。
 「車番が悪かったので、後ろになるよりは前からと思ってました。一個は突っ張らないとと思ってて、誘導と車間を空けて油断させてからしゃくろうと思ってました。コースは見えていたので、空けてくれればと思ってたら空いてくれた。今日(3日目)が一番感触がよかった。初日からセッティングを変えて、体の使い方や意識も変えた。被らなければ外をまくりに行こうとも思えていたので」
 菅田は恩田のブロックで失速し木暮の外にへばりつくような形に。マークの阿部力也は、3コーナーで菅田と木暮の間を踏み、直線で外を伸びて3着に強襲した。
 「(菅田は)しっかり先行の後ろから自力を出せるようにって感じで考えていたと思う。初手の並びはいい形だったけど、切れなかったのが敗因。突っ張られても一回切れればラインで勝負できたと思う。最後は菅田さんと木暮さんの間を落ちる覚悟で踏んだ。伸びは良かったと思うし、よく届いたなって感じです」

11R

選手の写真です。
根田空史選手
選手の写真です。
福田知也選手
 赤板で久島尚樹が勢いよく根田空史(写真)を切る。九州勢に大川龍二ラインが続き、根田は7番手で構える。久島がペースを上げて、最終ホームを一本棒で通過する。1センターから大川がまくり上げるが、根田も2コーナーから仕掛けてその外をまくっていく。松川高大が番手まくりに出て大川を合わせ切るが、その上を根田が飲み込んで1着でゴールした。
 「一応、けん制が入ったら前からでもって考えていたので慌てることなく走れました。踏んだ感じも良くて、これならのみ込めるなって感じでした。正直、オールスターの最終日からずっと先行しかしていなかったので、久々のまくりが出るかなっていう不安はあったんですけど。調子自体もすごくいいんだと思います」
 根田の好回転のまくりにピタリと付け切った福田知也(写真)が2着に続いた。
 「前は取りたくなかったですけど、組み合わせ上で仕方なかったのかなって。根田君に付いていて楽ではなかったですけど、きつくはなかったですね。久島君も、松川君に坂本(亮馬)君も付いていたので、五分五分でこういう展開もあるのかなって。でも、根田君はその上を行っているんで相当仕上がっていると思います。自分の状態も良いので、決勝も楽しみですね」
 番手まくりに出た松川を外から交わした坂本亮馬が3着。
 「(後ろ攻めになったのは)車番も悪かったですしね。突っ張られないようにだけって感じで久島君が頑張ってくれましたね。あとは飛びつき含みでハイピッチで踏んでいってくれたので。松川君があとはどこまで持つかって感じでしたけどゴール前勝負ができたので。前二人のおかげですね。自分の調子は良くはないけど集中して走れていますね」

12R

選手の写真です。
佐々木豪選手
選手の写真です。
杉森輝大選手
 前受けの犬伏湧也は、岡崎智哉の上昇を受けて7番手まで車を下げ切る。犬伏は打鍾前2コーナーから早目の巻き返し。抵抗する岡崎を最終ホームで叩いて、佐々木豪(写真)と2車で出切る。後方に置かれた杉森輝大は、バックから仕掛けて前に迫っていく。杉森の仕掛けを察知した佐々木は、4コーナーから踏み込んで直線で抜け出した。
 「犬伏君を信頼して任せていました。緩んだところで行ってくれて、いいスピードで行ってくれたんですけど、岡崎さんもかなり踏んでいて(犬伏は)きつそうだった。バックの向かい風がすごくて、後ろを確認した時には杉森さんがもうまくってきていて、岡崎さんも内を突っ込む準備をしていた。車間を切れず、内を締めるだけになってしまった。決勝に犬伏君がいるのといないのじゃ全く違うし、一緒にって思ってたんですけど…。地元GIIIの決勝には初めて乗れたので、地元として勝ちにいきたいです」
 じわじわとまくりで迫っていった杉森輝大(写真)が2着。
 「中団からだとあの展開になるし、覚悟はしていました。バックがかなり重かったんですけど、仕掛けると決めていたので。(ラインからの勝ち上がりが)僕だけになってしまいました。何とか勝ち上がっている。脚の感じは悪くないので、もう少し組み立てを修正したい」
 岡崎ライン3番手から直線で外を踏んだ森川大輔が3着。
 「自分は3番手に付いているだけで、全て任せていました。最後はコースが空いたので踏めた感じです。感触は分からないけど、3着に入れているので良いと思う」