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松山競輪

MATSUYAMA KEIRIN

75#

検車場レポート

  • 12/1 Wed.  (前検日)
  • 12/2 Thu.  (1日目)
  • 12/3 Fri.  (2日目)
  • 12/4 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
野口裕史選手
 グレードレースで注目を集める1レース1番車に野口裕史(写真)が登場。夏場に体調を崩して、体重を落としていたが、近況は状態をキープできている。
 「初めての競輪祭はいい刺激がありました。最終日はタイムも悪くない、というより、良かった。そのあとは疲れが出たので、リカバリーが中心で状況の確認と現状維持でした。体重は増やして完ぺきくらいです」
 野口大誠は前回の小松島FIで3日間バック線を取る積極策を見せた。当所は9月にFIで116着と連勝で決勝に進出していて相性がいい。
 「とくに何もしていないんですけど、成績が安定してきました。ヤンググランプリを獲った時よりも動けているのかも。松山は相性のいいバンク。記念開催でしっかりと出し切れるように。2分戦のような感じなので、頑張らないと」

2R

 岐阜勢は動ける2人がそろったが、後輩の長尾拳太が前を回る。
 「状態は悪くないですね。(前々回の富山FIで)失格があったりもしたけど、それでも先行はできていた。同県の先輩(不破将登)が後ろなので、先行、まくりは出せると思う」
 地元のトップバッターを務めるのは吉田智哉。1月の開設71周年記念、6月の国際自転車トラック競技支援競輪と、今年は地元GIIIに3回目の登場。
 「(前回の)小松島の最終日にいいレースができた。落車してから何が悪いか、わからなかったけど、それがやっとわかった。体が動いていなかったです。小さいレースをしないように、地元で貢献できるように頑張る」

3R

 川村晃司は前々回の広島FIを完全優勝。そこから使用しているフレームに手応えを得ている。
 「広島から新しいフレームに換えていいですね。練習の感じも良かったです。最近は番手回りもかなり多いです。谷(和也)君とは初めての連係です。しっかりと自分の走りをしてもらえれば」
 山下一輝は前々回の地元、防府記念で決勝3着の活躍を見せたが、前回は準決、最終日と自ら動いて結果が出なかった。初日は山本直を目標に持ち味を出せるか。
 「前回は自分で動いたけど甘くなかった。今の点数には自分でもビックリしている。戦法が定まってきて、(同)地区のみんなに助けられている。自分はスピードが出る方ではないので、コンディションが重くなってきて、スプリンターがタレてくると、自分にもチャンスがあるのかなと」

4R

 酒井雄多は前回の平塚FIではS級で初めて決勝に進出。決勝では落車に見舞われたが、その時のフレームを修理に出して今シリーズに臨む。
 「(平塚は)初めての決勝なのにもったいなかった。落車があったけど体は大丈夫でした。フレームは修正に出してきたので、それが大丈夫だといいんですけど。(好調の要因は)今年、フレームを換えたこと、あっせんが止まっている間に師匠(成田和也)とみっちり練習できたことですね」
 近況の大森慶一は1着こそないが、前回の平FI決勝では鋭い伸び脚を披露してゴール前ではしっかりと詰め寄っていた。
 「前回の決勝はもう少し早く踏めばチャンスはあったかも。状態は前回と変わらないですね。疲れを取って軽くやってきました。冬でもマウンテンにいくし、室内トレーニングができている。酒井君とは1回あって、向日町記念で3着4着でした」

5R

選手の写真です。
蕗澤鴻太郎選手
 蕗澤鴻太郎(写真)は松戸FIを431着のあとに関東の地区プロに参加。新鋭・吉田有希らから刺激を受けたようだ。
 「練習はできているし、体調は悪くない。ここまでの間に関東の地区プロがあったけどダメでした。1キロタイムトライアルは6位、チームスプリントは3位。1キロは昔優勝したこともあるけど、今回は吉田有希君でした。自分もレベルアップしていかないと」
 芦澤辰弘は前回の平塚FIで222着の準Vだったが、決勝は8分の1輪差まで詰め寄っており、好感触をつかんでいる。
 「(兄・大輔と連係して自分が前で先行した)あの共同通信社杯以来、兄弟ともにいいですね。そうなって良かった。乗り方とか、自転車に悩んでいたけど、前回は久々に良かった。かみ合ってきましたね。この感覚を大事にいきたい。(年末のグランプリから)関東から3人SSが出たことでグレードレースに乗れれば、チャンスが大きくなる。来年は大事な年になりますね」

6R

 小川真太郎は5月の防府FIでは佐々木豪を目標から優勝している。器用さがあるだけに、地元勢との好連係に期待できる。
 「(佐々木)豪の地元なので、好きに走ってもらって、ラインの3人で決められれば。(過去の連係で)優勝させてもらったこともあるし、いいと思う。(最近は)自力でも動けているので、後ろでも問題ないですね。しっかりと練習をできたので(状態は)いいと思います」
 佐々木豪は今年1月の71周年記念大会では、準決まで進出。地元記念の決勝へはいまだ進出したことがなく、今回こそはと気合が入る。
 「しっかりと練習をしてきたし、仕上げてきた。点数は落としているけど、脚はいいですね。前回くらいからレースに出てきました」

7R

選手の写真です。
門田凌選手
 6月の当所、国際自転車トラック競技支援競輪では3勝をマークした門田凌(写真)は、その後も勝ち星を量産。しかしながら、前回の競輪祭では87821着で課題をあげる。
 「競輪祭は勝負にならなかったですね。ドームだと、タテ脚のある人はタレないので、いつもより流れているしキツかったです。実力差を感じました。仕上がりはずっといいです。(6月の)松山GIIIからフレームを換えてからいいですね。走り慣れているバンクだし、決勝にいきたい」
 近況一息の岩津裕介の状態が心配だが、徐々に持ち直してはいるようだ。
 「9月からギックリ腰を連発していて、良くないですね。不甲斐ないレースが続いて悔しい。前回(競輪祭)は想像以上にキツかった。ちょっとずつ良くなっているので、頑張りたい」

8R

 石原颯は前回の競輪祭が78813着。4走目はまくりで勝ち星を挙げた。
 「(競輪祭は)まだまだ、だなと。(9月の共同通信社杯で鎖骨を骨折して)もう影響はないと思う。ここまでは練習とケアを半々くらいですね。高松のバンクが12月半ばまで使えないので、徳島でバンクにいる人と練習してきました。小川(真太郎)さん、島川(将貴)さんとかですね。特別競輪(GI)でもないので、ムチャせずにいつも通りにいきたい。ラインをしっかり連れ込みたいですね」
 05、19年と当所、地元の記念を2度制している渡部哲男(写真)が、石原の番手でスタートを切る。
 「(地元記念を)もう少し流れのいい時に走りたかったですね。ずっと流れが悪い。(前回の競輪祭は)感触は悪くなかった。5走、走りだったので、疲労があったし、疲労を抜くことをメインです。やれることはやってきました」

9R

 近況はFI開催が続いいる石塚輪太郎は、決勝に進んだ8月の小田原記念以来のグレードレース。
 「何でもできるにこしたことはないけど、基本的には先行したいとは思っています。9車立ては走りやすい脚質的にも流れがあるので、7車よりいいと思います。練習の感じは悪くないし、今回は9車立てを楽しみにしてきた」
 今シリーズが追加配分になる根田空史のコンディションはどうか。
 「追加は競輪祭の次の日にきました。(前回の競輪祭は)ドームだし、全然ダメでした。松山は相性がいいんですよ。練習は普通にやってきたし、感じは良かった。今回はワッキーフレームから自分のフレームにします。練習ではセッティングを出してきた」

10R

選手の写真です。
松本貴治選手
 1月に地元の当所で記念初制覇を飾った松本貴治(写真)だが、8月オールスター以来の実戦とあって一走入魂でまずは初日に集中する。
 「(あっせん停止などもあって、その間は)無難に練習していました。練習はしていたしタイムや感覚は変わっていない。復帰戦なので走ってみないとですね。不安はないけど、緊張はする。久々なので。連覇を狙う気持ちはあるけど、一戦一戦やるだけ」
 前回の競輪祭の一次予選2で落車の香川雄介だが、その後も走りぬいて2着が2回。
 「落車は痛かったですね。走りきったけど、キツかったです。今回は問題ないと思います。調整はいつも通りです。(連係する松本)貴治は久しぶりの競走になるので、うまく走ってくれれば」

11R

選手の写真です。
取鳥雄吾選手
 前回の競輪祭では4日目にダイヤモンドレースまで進んだ取鳥雄吾(写真)は、持ち前のダッシュにさらに磨きがかかっている。
 「競輪祭は同期が(吉田拓矢、新山響平)ワンツーだったので、うらやましいなと思っていました。準決で松浦(悠士)さんと連係して決勝にはいけなかったけど、心強かったですね。(競輪祭は)いつもやっていることが生きた。終わってからは1日休んでいつも通り練習してきた。(初日は)後ろが地元の2人なので、構えないでいきたい」
 橋本強は地元記念にコンディションを整えて、準Vの1月の当所記念同様にまずは決勝進出を目論む。
 「(前回の競輪祭の)疲労を抜くことは優先にやってきた。疲労は完全に抜けているし、競輪祭よりは動けると思う。(取鳥)雄吾が強いので、付いていくだけですね。決勝に乗らないと勝負にならないので、一戦、一戦頑張る」

12R

選手の写真です。
新田祐大選手
 東京五輪に出場した新田祐大(写真)だけに、獲得賞金でのグランプリ出場はかなわず、前回の競輪祭でグランプリの夢が散ったが、気持ちを切り替える。
 「(今年は)競輪を走る回数が少ないなかで、結果を残すのは重圧があった。目指したところにたどりつかなかったけど、すごくいい経験ができた。競輪祭に続き好調はキープしているので、期待していただいていいのかな。久々の松山になるけど、前回は熱い声援をいただいたので、応援してもらえるように頑張る」
 前回の競輪祭では2勝2、3着が1回ずつのGIで存在感を示した山田庸平が近況を振り返る。
 「寬仁親王牌で決勝に乗れたことが自信につながっているし、レースに出てきた。やっと練習で努力してきたことが出ましたね。GIでもいままではできなかったが、いまはレースに参加できている。前回の感触を忘れないようにしたい」
 競輪祭では一次予選の2走を1、2着と上々のスピードを見せた和田真久留はどうか。
 「競輪祭は単騎だったり、人の後ろで、何ともいえない結果。何場所前かよりは良くなっている。1週間ほど空いて、練習をやって調整をしてきた。久々の記念開催だし、自分のやれることをしっかりとやりたい」

1R

選手の写真です。
野口裕史選手
 赤板過ぎに野口大誠を突っ張った野口裕史(写真)が、そのまま先行態勢を取る。6番手で立て直した野口大が、打鐘で再度仕掛けるも不発。番手で好展開が巡ってきた佐藤龍二だが、小岩大介にすくわれる。パワフルに風を切った野口裕が1着。
 「いい勢いできたら出させるのも考えたんですけど、突っ張れるかなという感じできた。ジャンで見ながら合わせて、2回来て合わせたらラインで決まるかなと思った。流しちゃったので、後ろがゴチャついて自分だけのレースにしてしまった。疲れも抜けて体調も大丈夫ですね」
 野口大が合わせられると打鐘の4コーナーで小岩大介が切り替える。最終2コーナー手前からインを進出して、無警戒の内から番手を奪取して2着に入った。
 「赤板で出させてくれれば一番良かったんですけど、野口(野口裕)さんが突っ張ったので(野口大が)落ち着いてもう一度いってくれた。すかさず(野口)大誠が仕掛けてくれたけど脚を使っていたし、那須(久幸)さんも内にきていたので入れてあげられなかった。さすがに外をまくる脚はないので、内に入っていきました」

2R

 後ろ攻めの長尾拳太、吉田智哉の順で動いたところを、前受けから引いた石井洋輝が打鐘前から巻き返して主導権。番手の箱田優樹が田尾駿介のまくりを外に振ってゴール勝負を制した。
 「(石井は)いいスピードで回ってきたけど、(最終)バックで詰まってきた。(田尾は)けん制して振ったらどうにかなると思ったけど、(自分が)踏んでも、まくられるかもしれないと。自分は出ていっただけで、その上をいかれそうになりましたね」
 田尾駿介は目標の吉田が内に包まれると、三宅裕武をさばいて最終2コーナーから自らまくりに出た。
 「僕に余裕があって(吉田を)迎え入れられれば良かったが、技術不足。三宅さんまで出られると、僕の着もないと思って、さばいて、長尾君がいくか、いかないか、わからなかったので、(自力を)出していきました。いつもモコモコしていくので、2センターで止まると思ったが、ゴールまで踏めた」

3R

 打鐘で静岡勢に出られた谷和也だったが、川村晃司のアシストで3番手に入り立て直す。谷のまくりは簗田一輝の番手まくりに合わされて、切り替えた川村が追い込んだ。
 「小林(則之)さんがすごい勢いで来たので引いてからになりましたけど。谷君も前で風切っていたし、無理やり仕掛けてくれたのでキツそうだった。自分は2場所前からフレームを変えて感覚はいいですね」
 小林が積極策。番手の簗田一輝は、谷のまくりに最終2コーナー過ぎから合わせて踏んで2着。
 「ジャンぐらいから(小林)則之さんがしっかり仕掛けてくれたおかげですね。出切ってから流さず踏んでくれたおかげで一本棒になった。あそこまでいってくれたんで、1着を取りたかったですね。満足できるデキではないけど、いつもよりキツめに練習してきたので疲れが抜けてくれれば」

4R

選手の写真です。
酒井雄多選手
 前受けから下げた酒井雄多(写真)は打鐘で吉本卓仁と併走になるが、2センターで空いた内を逃さずに3番手を確保。最終2コーナー手前から仕掛けてバック線を先頭で通過。そのまま力強く押し切った。
 「吉本さんが切らなかったのは想定外でした。引くと、終わってしまうので、ちょっとでも前に前にと。3番手を取ったけど、スパっとまくった感じはしないですね。(落車後で)完全に良くなかった感じではないが、悪くはないので、4日間戦えるかなと。松山は(この1着でA級の時から7連勝で)いいレースができているし、走りやすい大切にしたいバンクです」
 大森慶一は酒井の動きにしっかりと追走して直線で抜きにかかるも、4分の3車身差の2着。
 「(酒井は)併走かと思ったら、内に潜っていって慌てて付いていった。3番手を取れてまくりにいくだろうと思っていていきましたね。バンクコンディションが重くて、引きずる感じがあってニュートラルに入らなかった。抜きにいったけど、出なかった」

5R

選手の写真です。
芦澤辰弘選手
 中四国勢が主導権。川口聖二が外併走から最終2コーナー過ぎにまくる。蕗澤鴻太郎が内に包まれて、芦澤辰弘(写真)は伊藤正樹を軽く外に振りながら川口、山口泰生に切り替える。まくり切った川口の外を芦澤が突き抜けた。
 「あれでも蕗澤が外に持ち出すかなと思ったんですけどね。(川口)聖二も飛びかけていたし、もう一発もっていけば良かったんですけど。蕗澤が内に詰まって、聖二も勢い良かったのでうまくやられた感じですね。伸びきっているし脚は悪くないと思います」
 畝木努に切らせてもらえず、やむを得ずの中団外併走だった川口聖二はまくりで2着。
 「畝木君とはモガき合わず、蕗澤君だけを見ていた。全引きするかなと思ったんですけどね。ワンテンポずらして(最終)2コーナーではいきたかった。外併走で蕗澤君と勝負して、併走からまくれているので感じは良かったですね」

6R

選手の写真です。
小川真太郎選手
 打鐘前の2コーナーで先頭に立った望月一成が先行態勢。前受けから7番手まで下げた佐々木豪は、望月がペース緩めると、2センターからすかさず巻き返す。佐々木が抵抗する望月を2コーナーでとらえて、ゴール前で小川真太郎(写真)が差し切った。
 「脚の感触は良くて、余裕をもちすぎて詰めながら付いていった。それで網谷(竜次)さんにキツかったんじゃないかと。今後はそういうところに気をつけていきたい。今日(初日)は先行選手の2人が風を浴びていましたから。競輪祭が悔しかったので、練習をしてきて、感触は上がっているかなと。今回から練習で使っていた自転車なんですよ。以前に平塚で1回だけ使ってボコボコにされたので、練習で部品を換えたりしてセッティングを出して持ってきた」
 地元の佐々木豪は小川には差されたものの自慢のスピードを存分に発揮した。
 「ジャンのスピード次第で、いくか、いかないか決めようと。顔見せの時にホームの向かい風がすごくて、いくのは迷った。けど、地元なので、気持ちで仕掛けないと、と。(最後の直線の)2回目の向かい風に耐えられなかったですね。脚を使って勝ち上がれたのでいいと思う」

7R

 樋口開土が門田凌を出させずに主導権をキープする。伊藤信が4番手で、門田は7番手に下げて打鐘を迎える。車間を空けた伊藤が最終2コーナー手前から踏み出して、番手まくりの河村雅章との踏み合いを制した。
 「8番(樋口)があんなに踏むとは思わなかったし下げた時に、どうしようかと思った。突っ張ってくれたので、展開も予想外に良かったですね。(門田が)来てても来てなくてもいこうと思っていたし、河村君も踏んだけどこらえられた。動けている感じはありますね」
 樋口の先行を利した河村雅章は、番手まくりで伊藤に応戦した。
 「伊藤君のスピードが良かったですね。途中までは合わせられたんですけど、最後は伸び負けちゃいましたね。そこまで踏んだ感じは悪くなかったです」

8R

 前受けの小林申太が上昇した石原颯を突っ張ると、中団は吉田茂生がキープ。石原は中団の中部勢と車間が空いてしまい、7番手まで車を下げさせられる。好位を確保した吉田は、最終の2コーナーの下りで仕掛けて1着スタートを切った。
 「打鐘で石原君にいかれたら、キツいと思って内に急いで入った。中団と思っていて、あとは石原君が来るか、来ないか、だけを見ていた。磯田(旭)さんに出ていかれる前に早くにいきたいと思った。今期はなかなかうまくいかないし、冬場は苦手だけど、頑張っていきたい」
 地元の渡部哲男は、後方から大外を仕掛けた石原のスピードをもらい直線で強襲。2着に食い込んだ。
 「石原君の駆ける意気込みは伝わったけど、相手の動きが想定外でした。結果、2着でリカバリーはできた。でも、予選なので1着を取りたかったですね。寒いし、バンクは重かったので感触は良くなかった。今日(初日)の1走では(自分の状態は)判断できない」

9R

 根田空史を警戒しながら石塚輪太郎が先頭に立つ。7番手に下げた根田は赤板2コーナーから巻き返す。石塚も合わせて踏み上げるが、根田がスピードの違いで主導権を奪取する。加藤圭一は付け切れず、3番手に石塚が飛び付く。が、石塚は仕掛けられず、番手の福田知也が根田を交わした。
 「ジャンからいってくれたんで、何とか(根田を)とらえられたかなという感じ。上がりタイムも良かったし、あの根田君を差せるだけの状態。チャンスをモノにしたいですね」
 1周半以上を駆けた根田空史が、さすがの先行力を見せて南関ワンツー。
 「風も強かったので前を取って引いてから、行けるところで行こうと思っていた。ホームの風が強かったので、先頭もキツいと思ったしペースが上がる前に仕掛けたかった。行きたいところで体が動いているので悪くないと思う。末脚がまだですけど、感じは問題ないですね」

10R

選手の写真です。
香川雄介選手
 打鐘で橋本瑠偉と、佐藤雅春が踏み合いになり主導権争い。橋本が佐藤を出させずに先手を取り切るが、前団と車間を詰めていた松本貴治の巻き返しも早い。松本は最終ホーム過ぎに仕掛ると、1センターで佐藤と接触はあったものの、抜群のスピードでバック手前ではまくり切る。追走した香川雄介(写真)が松本を差し切った。
 「終始、余裕はあって、抜けたので僕はいいのかな。(松本が出切ってからは)もう来るやつもおらんと思って、しっかりと抜くだけと。何とか抜けた感じ。今日は一次予選だったし、明日(二次予選)からが勝負」
 地元の松本貴治は約4カ月ぶりの実戦。今シリーズは大会連覇がかかるが、緊張の中で復帰戦を走り終えた。
 「(別線が踏み合いになったが)しっかりと車間は詰められていた。久々のレースだけど、悪くなかったです。(佐藤と接触があったが)いい勢いがついていたので、佐藤さんが外併走をしていたけど、バックを踏むのが嫌でそのままいきました。ホームは風が強い感じがしたが、打鐘でレースが始まってからは気にならなかったですね。緊張はしたけど、自然と体が動いた。(連覇の意識は)まずは1走完走できた。もう1走して少しずつですね」

11R

選手の写真です。
取鳥雄吾選手
 一本棒の7番手でタイミングをうかがっていた取鳥雄吾(写真)は、打鐘過ぎにスパートする。渡邉直弥を最終ホーム過ぎにとらえて、橋本強、濱田浩司までラインの3車が出切る。別線に出番を与えず、取鳥が押し切った。
 「(渡邉が)意外と早く切ってくれたので、一撃で決めようと思っていた。バックが思ったより流れなかったので苦しかったですね。(後ろが地元勢で)プレッシャーはハンパなかったですね。最後はいっぱいでフラフラ走ってしまってので、後ろに申し訳なかったです。重く感じましたけど脚は大丈夫です」
 2着の橋本強が取鳥を称える。
 「取鳥君が強気なレースをしてくれました。力が抜けていたし、周りの動きよりも、自分が付いていけるかどうかだけでしたね。バックは楽だったんですけど、踏み直しがすごかった。調子は日ごとに良くなっていくと思います」

12R

選手の写真です。
新田祐大選手
 和田真久留が先頭に立ってペースを落とすと、南関勢の後ろは好位をめぐって位置取り争いに。3番手を稲垣裕之がキープ、山田庸平は車を下げて5番手、新田祐大(写真)が7番手まで下げたところからレースのスピードがアップ。和田は最終ホーム前の4コーナーくだりから加速して駆ける。後方に置かれた新田だったが、そこからの巻き返しは早い。和田の仕掛けにすかさず反応して踏み上げると、先に仕掛けた稲垣の外を力強くまくり切った。
 「(和田)真久留が抑え込んでくると思ったが、すんなり切りにいって、そのあとの動きが中途半端で残り1周になった。先頭が仕掛けるタイミングを遅くして、じわーっと行っていたので、早く仕掛けないと、やられると思って仕掛けた。自分が行くタイミングで稲垣さんも仕掛けていったので、その動きを見て外を力で踏み込みました。展開が向きましたね。踏み出しは悪くない。粘りは修正できると感じました」
 松谷秀幸は、稲垣のまくりをけん制して動きを止めたが、新田ラインに先を越されると、北日本勢にスイッチ。直線では鋭い伸び脚を見せて、前を走る阿部力也を交わした。
 「新田が(カマして)来ると思ったが、来なかったのが予想外。(最終バックでの新田は)止められない外を来ていたので、スイッチする感じでした。まさか(阿部を)抜けるとは思わなかったけど、自転車は出ているのかな。自転車などは何も変わらずに、体が良くなってきた」
 阿部力也は新田の仕掛けに追走するもワンツーを決めることができずに、松谷に後ろから交わされ、トップレベルを肌で感じていた。
 「新田さんにジカは初めてで、安心感と不安と、ドキドキと緊張感があった。打鐘で流されて、内に詰まっていたので、そこで行かれたら、付いていくのは厳しいと思った。何とか付いていけて良かったです。ものすごいスピードだったので、付け切って安心して、抜きにいけば、続けたかもしれないけど、抜きにいけるイメージがわかなかったです。松谷さんが強かった。(新田を)抜く脚がないと、GIでは戦えないと思い知らされた」

6R

選手の写真です。
川村晃司選手
 後ろ攻めの山本直が上昇して先頭に立つと、川村晃司(写真)が中四国ラインを追って中団を確保。前受けの根田空史は7番手まで車を下げる。山本は後方の動きを確認しながら、打鐘過ぎの2センターから腹をくくって先行。中団の川村は根田の仕掛けに合わせて1センターからまくり出て力強く押し切った。
 「根田君に主導権を取られたら、どうしようもないし、後方に置く展開にしたくて、その通りになった。仕掛けたのは1センターくらいですかね。根田君がきたのがわかって一緒に踏んで、ギリギリでした。感触は問題ないですし、フレームは(換えてから)今回で3場所目だけど、いい感じ」
 川村とワンツーを決めた東口善朋だが、前回、今回と、自転車との一体感が得られていないと話した。
 「ホームでつっかかってどうなるかと思ったけど、バックで根田君を合わせていってくれて、(川村は)強いですね。根田君か、和田(真久留)君を飛ばそうかと意識はしていました。前回から自転車と体がかみ合っていないですね。雰囲気は悪くないんですけどね」

7R

選手の写真です。
山田庸平選手
 スタートからけん制状態が長く続く異常事態。ようやく隊形が整うと、すぐに後方から酒井雄多と中団確保の野口大誠が同時に上がってくる。酒井が赤板1コーナーで石塚輪太郎ら中近勢を先に押さえて先制。結局、7番手に下がった野口は打鐘前2コーナーから巻き返すが、酒井もペースアップ。踏み合いの末、最終2コーナーで野口が売り切れると、野口の番手を回っていた山田庸平(写真)はまくりに転じる。前団をまくり切った山田は小岩大介を引き連れてワンツーフィニッシュ。3着には山田-小岩を追って石塚が入った。
 「(野口が)行き切れなかったら、内に詰まって終わるよりも、外を踏んで力勝負と。(野口は)1センターくらいから踏んで、中団までよりは乗り越えるとわかったのでいった。2センターでタレていたし、4コーナーの風が強くて、交わされたと思ったが押し切れました。前回の疲れもあるし、ドームで風がなかったところから、今回は寒さと重いバンクコンディションで苦手な方向に出ている。寒い環境には慣れて走っていくしかない」
 小岩大介は振り返る。
 「山田が1番車だったので中団を取れれば良かったんですけど、流れの中で結果的に中団を取れた。追走しているのは楽でしたね。(野口)大誠がキツそうだったので、すかさず(山田が)踏んでくれた。昨日、今日と前は抜けていないですけど悪くないですね。調子がいいのは今の練習方法が合っているんだと思う」

8R

選手の写真です。
小川真太郎選手
 初手で前から2番目のラインに位置した四国勢。後ろ攻めの不破将登に、河村雅章の順で位置取りに動くと、石原颯が打鐘前に叩いて主導権を奪う。番手の小川真太郎(写真)はバックで仕掛けてきた河村の動きをけん制して余裕を持って抜け出した。
 「初手は前中団が良かったので、取りにいきました。石原君とは普段、練習をすることも多くて、いつも通りの感じでいってくれた。2日間は僕のデキよりも前の先行選手のデキがいいですね。自分はいつも通りです」
 石原颯は初日の一次予選で後方になってしまったが、二次予選は四国の先頭で力強い先行策を披露した。
 「先行メインで考えていました。(内容は合格点?)昨日に比べればですね。(調子は)真ん中くらいです。最後はタレたので援護をしてもらいました。準決勝は調整して走りたい」

9R

選手の写真です。
門田凌選手
 赤板前から上昇の野口裕史を、前受けの佐々木豪も突っ張るように踏み上げる。それでも野口が強引に叩きにくると、佐々木は抵抗せずに中団確保に転じる。このまま野口が駆けていき、中団に四国勢で、伊藤信ら近畿勢は後方に置かれて最終周回へ。佐々木は何度も後方の伊藤を見やって動かず一本棒のままバックを通過。3コーナーに入ってようやく踏み出した佐々木が野口-松谷秀幸-福田知也の南関勢をのみ込みにかかると、直線で佐々木の外に車を持ち出した門田凌(写真)がゴール前強襲。
 「伊藤(信)さんに前を取られると展開が野口(裕史)さんに向いてしまうし、初手は前を取れて良かった。けっこう踏ませて、まくり追い込みを考えていたので(佐々木が)バッチリでしたね。松谷さんにもらわない所を踏んでくれたし、豪のおかげで1着を取れました。昨日は組み立てが雑でしたけど、自分の脚の状態はいいと思います」
 合わせて野口の番手から踏み出した松谷に伸び勝って佐々木豪が2着に。
 「前か中団かなと思っていたが、流れで前からになりました。今日はバンクが軽かったので駆けたらカカるんだろうなと思っていたし、あれを引くと伊藤(信)さんに入られて野口さんを楽に駆けさせてしまうので脚を使わせて中団を取りました。伊藤さんより前に仕掛けないと被ってしまうし、必ず先に仕掛けようと思っていた。松山は3コーナーがすごく重たいんですけど、伸びたので悪くないと思います」

10R

選手の写真です。
取鳥雄吾選手
 藤井昭吾が先行態勢に入ると、前受けの取鳥雄吾(写真)は後ろまで下げずに、中団は箱田優樹と併走になる。だが、外併走を嫌った箱田が近畿勢を叩きに出て、前団の攻防戦で隊列が短くなる。絶好の展開を逃さず取鳥が豪快なまくりでラインの上位独占を決めた。
 「後ろか、前でと、思っていて、前で受ける形で。(後ろまで)引かずに、いけるところまでしゃくったろうかと思ったけど、(内が)あかなかったですね。箱田さんが行ってくれて助かりました。箱田さんが降りてきたところは危なかったけど、もう踏み込んでいましたからね。僕の展開になって良かった。昨日より、今日の方が感触は良かった」
 過去に2回の優勝実績がある地元の渡部哲男は取鳥の仕掛けを完璧に追走して準決へと進んだ。
 「(内に包まれていた時は)ドキドキして、集中して付いていた。箱田君の動きがキーポイントでしたね。(取鳥は)踏み出しがすごかったし、一瞬でトップスピードまで上がっていった。脚は悪くないけど、今日のは抜けないですね。(準決へ向けて)意気込む年齢でもない。若い子もいるし、橋本(強)君もいる。僕は少しでも松山競輪を盛り上げられれば」

11R

選手の写真です。
松本貴治選手
 赤板手前で吉田茂生、山口泰生の岐阜コンビ。野田源一、那須久幸の福岡コンビが上がってくる。前受けの岸澤賢太が一旦これを突っ張ると、埼京勢の後位に位置していた松本貴治(写真)は内に詰まりかけるが、外の吉田が再度踏み上げていって打鐘から主導権を奪うと、外がフリーになった松本に流れは向いた。構えることなく松本は2センターからスパートし、最終ホームでは橋本強、田尾駿介と四国3人で出切る。追って4番手に入った野田は仕掛けられず、松本が堂々逃げ切った。
 「細切れだったのでしっかり中団を取ってホームからカマそうと思っていた。外併走とかされたらしんどいかなと思ったんですけどいってくれたので。しっかりカカリ切っている感じもあったし、ペースで踏めたので良かったです。後ろが(橋本)強さんだったので緊張しましたけど、体の感じは動いているし調子もいいと思います」
 橋本はゴール前での詰めが甘く、ライン3番手から外を踏んだ田尾駿介が2着に届いた。
 「今日は前の2人にお任せしていて、自分は離れないように付いていくことに集中していましたね。貴治が強いのでダッシュでキツかったですね。野田さんが来たら止めようと思っていたし、脚の感じはすごくいいですね」

12R

選手の写真です。
新田祐大選手
 後ろ攻めの松岡孝高が誘導を切ると、追いかけた川口聖二と、前受けから下げた新田祐大(写真)で3番手が併走になる。その状態から先行態勢に入った松岡がホーム前の4コーナーで上に上がると、内にいた新田がスキを逃さずに前に出て、そのままペースを上げて主導権を奪い返す。新田は最終ホーム、バックを先頭で通過し、3番手以下を大きく引き離す強烈な逃げ切りを決めた。
 「松岡さんが押さえてくるところが早かった。僕は中団に入って川口君がカマしていくかなと思ったけど、外側にいた川口君も休みたいのかなと。でも僕も引けない。彼もいけずに中団争いみたいになったけど、何回か内が空いていたし、まだ1周から1周半あったのでチャンスはあると思っていました。川口君が行かなければ、行くつもりがありました。残り1周で出切った時は後ろの選手が付きにくい展開で、大森(慶一)さんまでは確認できたが、小橋(秀幸)さんはわからなかったです。ホームからバックにかけて踏み上げていって、先行としては悪くないペースで踏めた。冷静に踏み込めているので、脚は問題ない」
 大森慶一は新田との初連係に緊張していたようだが、しっかりと続いて北日本勢がワンツー。
 「新田君の判断で空いていたから行ったんだろうと。僕は必死に付いていくだけ。ためらったら置いていかれるので。初めての番手でしたが、すごいですね。2年前のオールスターで3番手についたときは離れたので、それが頭にあって、今年一番緊張した。付いていけて良かった」

10R

選手の写真です。
松本貴治選手
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香川雄介選手
 スタートと同時に松本貴治(写真)が前を取り、四国4車が前受け。ラインの先頭を走る門田凌は、赤板前に誘導と車間を空けて勢い良く上昇した稲垣裕之を突っ張り切って前に出させない。稲垣が中団に入ると、野田源一は下げて8番手。門田は打鐘の2センター辺りから全開で飛ばすと、番手の松本は車間を空けて間合いを計り仕掛けてきた稲垣を合わさせて番手からまくり出て1着をつかんだ。
 「(門田が)風が強い中、いいペースで駆けてくれた。あとは出ていくタイミングと思っていた。(今シリーズは久々の実戦で)初日は緊張したが、昨日(2日目)、今日とリラックスして走ることができた。疲れは初日よりもあるが、勝ち上がれているし、影響はない。決勝は優勝を目指し、連覇を狙って」
 香川雄介(写真)は稲垣とからむシーンもあったが、追走技術の高さをみせて松本に続いた。
 「(門田が)突っ張ってから(稲垣に)出られそうになって、引くしかないと思った時に東口(善朋)と接触して危なかった。道中は掛かりが良かった。稲垣に出られたと思ったけど、(松本)貴治が出てくれた。(前回の競輪祭の)小倉は(ドームで)脚の差が出るので、脚負けだった。けど、(今回の)重いバンクはタイムも出ないのでごまかせているのかな」
 稲垣裕之は、気合の入った攻めを見せて4車で並んだ四国勢を相手に力勝負を挑み、3着で決勝に進出した。
 「地元ラインの気迫がすごかった。自分も負けないようにと挑んだが気迫負け。前が全開だったが後ろに2人を連れているので、最低でも2コーナーで仕掛けようと。でも、松本君が行ったんで、あれが限界。(状態は)最近ではいい方。今回から新車なんですけど、日に日に馴染んで、今日が一番一体感はあった」

11R

選手の写真です。
松谷秀幸選手
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橋本強選手
 打鐘前の2コーナーで先頭に立った取鳥雄吾がペースを落とすと、前受けから7番手まで下げた和田真久留が2センターから猛然と巻き返す。和田は2コーナー手前に前団をのみ込み最終バック線を先頭で通過。番手の松谷秀幸(写真)が抜け出して絶好の展開をモノにした。
 「アップの時から(和田)真久留の気合いが違ったし、先行するのかなと思っていた。いつもなら構えるところをすかさずいってくれましたね。あそこで行ってくれるだけでうれしいのに、プラス1着だったので言うことはないですね。もうちょっと引き付けてからでも良かったのかな。11月に比べれば12月はいいスタートを切れたと思う。いつも練習はやっているし、流れが良くなってきたのかな」
 橋本強(写真)は取鳥がまくられると南関ラインに切り替える。最終2センターから狭いコースを踏み、地元の意地で2着に食い込んだ。
「(取鳥)雄吾を捨てて切り替えたからには、どこからでも突っ込もうと思っていた。昨日(2日目)までいろいろと試していたんですけど、セッティングを戻して普段通りに走れました。この感じなら決勝も突っ込めると思う」
 単騎の山田庸平は道中で四国勢を追っていたが、最終の1センターからまくりを出した。松谷のけん制にあったものの、しぶとくこらえて3着同着も、決勝進出を決めた。
 「今日(3日目)は(取鳥)雄吾のラインの後ろからと思っていたんですけど、スタートが想定していたのと違った。自分も仕掛けないと着はないと思っていた。けど、前は掛かり切っていたので、自分の感じはわからなかったですね。(橋本)強さんがすごいスピードできたので、3着にも届いたかわからなかった」

12R

選手の写真です。
新田祐大選手
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渡部哲男選手
 スタートで自ら前を取った新田祐大(写真)。石原颯が赤板を目がけてバンクの上から仕掛けると、新田が反応。位置取りに動いた長尾拳太を出させず、先行態勢に入った石原のインで粘る。新田はそのまま番手で粘るかと思われたが、石原の隙を突いて内から出て主導権を奪い返す。最終ホーム前に出切った新田は、後続を封じて力強い逃げ切りを決めた。
 「2周から打鐘前のところはあのような動きになると思った。自分がどの位置になるかはわからなかったが、積極的に攻める気持ちだった。出切ってからは、大森(慶一)さんが後ろにいたのはわかったけど、その後ろはわからなかった。でも、芦澤(辰弘)君なら付いてきてくれるだろうと思ってダッシュよりはじわっと上げるように出た。踏み出しで踏み過ぎましたね。長尾君がまくってきた時は緩み過ぎた。自分の走り方としては、緩急の修正はできると思うし粘り強さはまだまだ出せる。(状態は)悪くない」
 大森慶一は二次予選と同様に新田と連係。しっかりと追走してワンツーを決めた。
 「(新田は)踏んで合ったところで、番手に粘るかと思った。そしたら昨日(2日目)みたいにスルスルいったので付いていくのにキツかった。ちゃんと付いていけたので自信になる。(初めて番手を回った)昨日よりは緊張しなかったけど、離れる恐怖心はあります」
 地元の渡部哲男(写真)は絶体絶命の位置に置かれたが、最終3コーナー過ぎから内を進み、見事なリカバリーで決勝に進出した。
 「(打鐘の)バックで内をしゃくられていたし、GIを取るような選手(新田)が駆けている。(自分は最終)ホームで(佐々木を)迎え入れた時に脚にきていましたね。最終バックは終わったと思いました。外を回したら無理だと思ったし、何とか内が空いてくれと思って入っていった。前検日から言ってるんですけど、最近の(後方になってしまう)悪い流れの中で前の選手が頑張ってくれて、何とか決勝に乗れた」