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松山競輪

MATSUYAMA KEIRIN

75#

検車場レポート

  • 3/11 Wed.  (前検日)
  • 3/12 Thu.  (1日目)
  • 3/13 Fri.  (2日目)
  • 3/14 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
嵯峨昇喜郎選手
 オープニングレースは嵯峨昇喜郎、成田和也の北日本コンビが人気を集めそうだが、問題は1月平、2月奈良と連続落車している嵯峨昇喜郎(写真)の状態面だ。
 「体は大丈夫です。メンタルのほうがヤバいです。ここまで練習は普通にしてきました。特別いいわけではないけど、そんなに悪くはない。あとはしっかりレースの感覚を身につけて。成田さんとは平の準決勝以来。(レースは2人ともに落車)そのときも迷惑をかけたので、今回はかけられない。松山は初めてですね」
 嵯峨が本調子を欠くようなら小原唯志の一発が面白そう。
 「早いレースだけど、いつもこの時間なら練習してるんで大丈夫。今はバンクが改修中で使えないから街道ばっかりだけど、たまに松戸に入ったりもするし、何とかやれてるほうだと思う。成績は良かったり悪かったりの繰り返しだけど、全体的には悪くない。松山も走りやすくて好きですね」

2R

 昨年後半から上向いている中西大は2月立川では久々の優出も決めた。
 「状態はもう悪くない。11月から毎月、レースが3本で練習はできてないけど、体の動きはいいんで最悪の頃は抜けましたね。そろそろヒットを飛ばしたいです」
 9月共同通信社杯の落車で2カ月欠場があった杉森輝大だが、復帰した競輪祭からその影響を感じさせない順調な回復をみせている。
 「落車して、状態はどんなかなと思ったけど、そこまで落ちてない感じで走れてる。調子自体は落ちてない。練習の感覚的にはまだ落車する前に戻ってないけど、うまくまとめられてる。松山は走りやすいイメージ。しっかり仕掛けてラインでワンツー決まるように」

3R

選手の写真です。
門田凌選手
 地元勢のトップバッターは門田凌(写真)と溪飛雄馬。無観客になってしまったのは残念だが、門田にとっては今回が初の地元記念だ。
 「(地元のトップバッター)みたいですね。緊張感はちょっとはあるけど、ちゃんと走れれば。ラインで決めたいですね。(昨年10月の)熊本記念(in久留米)から3場所は良かったけど、セッティングを変えたら迷宮入りしたり、レースが詰まったりで最近は良くなかった。でも、前回の立川が終わってからが、すごく感じ良かったので。地元記念は初めてだし、頑張りたいと思う」
 田中晴基も試行錯誤が続く状態が成績に表れている。
 「体調はいいけど、自転車とイマイチ一体感がない。セッティングですね。最近、シューズを色々換えてて、足って大事だなって気づかされた。なかなかこれっていうのがなくて、今回も新しいシューズでいきます。元々使ってたのよりいいかなと思うし、今のベストを持ってきたつもり。失敗もあるけど、方向性は見えてきてるので、ダービーまでにはこれっていうのを見つけたい」

4R

 前回、大垣でも優勝するなど好調維持する鈴木裕は今回も自信ありげ。
 「最近、調子いいですね。セッティングを変えた。自分のなかでコンセプトがあって、それがマッチしてますね。去年(4月)のここで1回目変えて、(5月)宇都宮(記念)で2回目を変えた。そのあとも変えたりしたけど、全部感じ良くいけてる。痛風やヘルニアが出ないように、練習も追い込みすぎないように、脚を落とさないようにやってる。それも合ってると思う」
 対照的に年末、年始と落車が続いた不破将登はやや元気がない印象だ。
 「前回(2月松阪最終日)も1着取れてるんで、ちょっとずつ良くはなっていってるかなと思う。落車の影響も自分のなかではないかなと思ってたけど、バランスとか攻める気持ちとかがなくなったりしてた。このあとはウィナーズカップも控えてるので、そこにいい感じで入れるように頑張りたい」

5R

選手の写真です。
吉武信太朗選手
 吉武信太朗(写真)は年末のここで優出してから調子上向き。今度こそは地元記念で勝ち上がりたい。
 「前回(3月別府)もけっこう良かったので、今回も。帰ってから風邪をひいて休んだけど、昨日(11日)、一昨日(10日)とバンクで乗ったし大丈夫だと思います。去年は僕だけが(初日で)負けました。今年はまず初日を勝ち上がれるように」
 野田源一は圧倒的な1着回数を誇りながらも、準決勝が壁になっている。
 「決勝に乗れてないところがまだまだですね。でも1着取れてるんで調子は悪くない。かみ合えばと思ってます。スタイルがね、ポカしちゃうというか…。もう少し考えてレースしたり、幅を広げていかないと。思った展開じゃないときにどうするか。今回もしっかり戦うだけです」

6R

 山田諒は前回、3月立川の準決勝で9着大敗し、そのシリーズを途中欠場した。
 「前回の結果どおりの悪さですね。ここまでに多少解消はしたけど、(1月和歌山の)ブロックセブンとか(決勝に乗った1月)奈良の感じではない。バランスが悪くて、きれいに回せてない。力がペダルに伝達し切れてない感じです。改善したつもりが、なかなかいい感じになってくれない。近藤さんと一緒で緊張するけど、僕は良くても悪くてもやる事は一緒なので」
 近藤龍徳は高校の後輩、山田と初めて連係する。
 「(最近は安定感しているが)別に何も変わらない。何か変えたとか、そんなかっこいいこともないし流れだけ。いいときは(流れに)乗れるものだし、気づけばいいとこ、いいコースが空いたりしてる。高校の後輩とは初で緊張する。高校の後輩はみんな僕を尊敬してると思うんで(笑)。お互いガックリしないように、いいワンツーを決めたい」

7R

選手の写真です。
山崎賢人選手
 山崎賢人(写真)も予選スタート。昨年10月寛仁親王牌での誘導員早期追い抜きで3カ月以上実戦から離れ、復帰2戦目の2月久留米では落車、失格と波に乗り切れていない。
 「体は大丈夫です。(失格が)癖になっちゃってる。良くないですね。(あっせんがなかった間も含めて)練習はできてるけど、レースでイマイチ結果が出てない。感覚が違うので。原因もわからないので、迷走中です。良くなるようにとは思ってるけど、焦らずいきます。松山は全プロの競技では走ったけど、レースは初めてですね」
 合志正臣は山崎にしっかり続いてワンツーを狙う。
 「相手は積極的な人が多いので、しっかり付いていけるように。状態は悪くもないけど、良くもない。レースも詰まってるし、(2月)川崎の前が空いてたので、そこでしっかりやって、ここでどれだけ戦えるかと思ったけど、バタバタして思うようにできなかった。それがこの2場所に出てますね。前回、失格して点数も取らないといけないけど、気負わずにいきたい」

8R

 稲毛健太は12月別府記念から7連続優出で優勝2回と乗れている。
 「全プロを走ったときもそうだけど、ここは悪いイメージがない。体も大丈夫だし、しっかり駆けるところで駆けたら大丈夫だと思う。直前の感じはいつもより進みが悪いかなと思ったけど、練習では靴も自転車も違うので。今日(前検日の指定練習)乗ってみて感触を確かめたい」
 対する飯野祐太も期待できそうな状態だ。
 「去年の11月から体をしぼった。体重が8キロ落ちて、パワーは付いてるので、そこまで踏まなくてもダッシュできるようになってる。あとはレースでの出し方ですね。動けてるし、調子は良くなってきてる。悪くはないはずなんで、落ち着いて走れれば」

9R

 柴崎淳は徐々に立ち直りの兆しを見せている。松山も相性のいいバンクなら期待できそうだ。
 「ちょっとずつ戻ってきてると思う。一時に比べたら全然いいですよ。練習も普通にやってきたし、感じも悪くはないですね。松山は全プロ(21着)も良かったけど、去年は記念で落車してるので。今回は4日間走りたいですね」
 FIを連続優出と乗れている佐伯辰哉は格上の柴崎に一矢報いたい。
 「前回(別府決勝)は吉武(信太朗)さんが強かったです。だいぶ色々いじりまくってたら、最近いい感じにセッティングが出た。玉野の前の練習でハンドル回りとかガラッと変えたら、そこからたまたまかもしれないけど玉野が良かったし、別府でも決勝に乗れた。いい感じになってきました」

10R

選手の写真です。
根田空史選手
 根田空史(写真)は前回、西武園の初日に300勝を達成。決勝には乗ったが、その後が続かなかった。
 「西武園は花粉がひど過ぎてレースにならなかった。初日は強風で感じなかったけど、2日目からは風が穏やかになって地獄でした。力が入ってなくて、自分でもびっくりした。今回は薬が効いてるのか、今のところ出てないですね。状態自体はすごくいいので、花粉だけ。松山はわりと走ってる。(昨年5月の)全プロでもピンピンだったし、けっこうイメージはいいと思う」
 福田知也は前回、西武園でも根田と連係している。
 「状態は問題ないですね。前回から中3日だけど、普通に練習してきたし、疲れも大丈夫。去年は4月と9月に落車したけど、思ったより早く回復した。納得のいく練習ができてきて、そこから結果が出てきた感じ。根田は強いですし、前回も一緒だったので」

11R

選手の写真です。
濱田浩司選手
 太田竜馬は前回の3月立川で優勝。1月高松記念で落車し、全日本選抜も欠場したが、しっかりと立て直してきた。
 「高松で落車した傷から菌が入って熱が出た。めちゃめちゃしんどかったし、体重も4キロぐらい落ちた。まだ体重は戻り切ってないし、必要なものが落ちてパワーがなくなった。(復帰戦の)玉野からフレームを換えてる。サイズとかも変えたけど、ちょっとずつ乗りこなせるようになってきてるかな。状態も戻ってると思う」
 前回、立川の準決勝では太田を交わせなかった濱田浩司(写真)だが、今回は期待できそうだ。
 「前回終わってからしっかり練習できたし、自信を持って頑張りたい。点数は落としてるけど、脚自体良くなってるし、心配ないと思う。前回は太田を抜けそうで抜けなかった。でも今の状態なら抜けるかも。直前にハンドル幅を狭くしたら安定感が出てきたし、乗ってる感じが良くなった」

12R

選手の写真です。
渡部哲男選手
 昨年度覇者は渡部哲男(写真)。今年は年頭の和歌山記念で決勝2着の好スタートを切るなど、連覇に向けてここまでは順調だ。
 「前回、西武園は腰痛が出たので様子を見て欠場しました。痛みも引いたし、ここまでにやりたい練習はできました。感じも悪くなかったですね。(前年度覇者)そういう重たい肩書はいらない(苦笑)。いつもどおりに走ります。今回も頼もしい先行選手がたくさんいるのでありがたいですね。限られた時間でやれることはやった。それを自信に走りたい」
 平原康多は今年も安定感抜群。当所との相性もいいだけに、地元勢にとっては最大の脅威になる。
 「(前回の奈良記念から)ここまでは変わったことはせずに練習、調整をやってきた。無観客はやっぱり寂しい気持ちですね。このあと(ウィナーズカップ)のことを考えたら、もうちょっと状態を上げていきたい」
 全日本選抜決勝の落車から復帰戦となる松浦悠士の状態も気になるところだ。
 「(怪我は右肩の腱板部分断裂)生活するのは痛いけど、自転車に乗る分には問題ない。万全ではないけど、練習は悪い感じではなかったです。走る以上は優勝を狙います」

1R

選手の写真です。
成田和也選手
 前受けから下げた嵯峨昇喜郎が打鐘からカマして最終ホームではライン3車がきれいに出切る。嵯峨のスピードの前に別線の巻き返しは不発に。番手絶好の成田和也(写真)が鋭く抜け出してオープニングレースを制した。
 「(嵯峨が)すかさず行ったので。(ホーム向かい)風があったのでキツいだろうなと思ったけど、嵯峨も何とか3着だったし、かかりも良かったと思う。(1月平の準決勝で嵯峨と一緒に落車)俺もドキドキしたし、これでいいイメージを取り戻して走れれば。1R、1番車で記念のいい流れを作んなくちゃいけないなと思ってたので、これで盛り上がるといいですね」
 3着の嵯峨昇喜郎はラインで決まったレースにホッと胸をなでおろす。
 「作戦は前か中団で。前ならあんな感じで行こうと思ってた。(レースも)久々なんで。さすがに一発目だし、内容にこだわっていきたいなと思ってた。ラインで決まったのがうれしい。平ではすごく申し訳なかったんで」

2R

選手の写真です。
中西大選手
 最終ホームで杉森輝大が前に出ると、そこをすかさず7番手から中西大(写真)がまくる。中西はバックで杉森をとらえると、村田雅一の追撃も振り切った。
 「負けパターンだと思ったけど、行けたので良かった。差されてないのも良かったです。杉森さんが仕掛けなくても、あそこで行こうと思ってたので惰性をもらって行けた。本当は切って、切ってをすかさず行きたかった。結果は良かったけど、展開はダメですね」
 村田雅一は中西の強さに舌を巻いた。
 「強い。(中西に)余裕がありましたね。あそこ(最終ホーム)すぐついて行ってって感じで、余裕を持ってまくってる。僕は抜けるか抜けんかぐらいの勝負と思ってたら、全然踏み直されました。大が強かった。僕も脚は軽いし、とりあえず二次予選Aに上がれたので」

3R

選手の写真です。
東龍之介選手
 打鐘から先行態勢に入った門田凌をすかさず田中晴基がカマして最終ホームから主導権を握る。番手の東龍之介(写真)は矢口啓一郎の巻き返しをけん制しながら抜け出した。
 「(田中が)あそこから行ってくれたので。後ろの亀谷(隆一)さんがいなかったのは分かったし、できるだけ引きつけて、引きつけてと思った。もう少し何かできたかなと思うけど、反省を生かしてまた明日(2日目)。今回からフレームを換えて感じも悪くないし、調整しながらですね」
 前を任せた小林令が4番手の溪飛雄馬とからむと、バックから自力に転じた矢口啓一郎が2着に食い込んだ。
 「令らしいレースだし、そこで自分も判断して行った。(小林が)前々に攻める気持ちが伝わってきました。弟子たちのおかげで頑張らないとって気持ちになってるし、練習できる気力、体力が戻ってきてる。悪くないですね」

4R

 赤板2コーナー手前で切って出た鈴木裕は、主導権を握った宗崎世連ラインを受けて4番手を確保。だが、不破将登の反撃も早く、最終ホームで前団に襲い掛かる。中団でかぶった鈴木は、2コーナー手前で土井勲をすくい3番手。2センターから外に持ち出し、追い込み勝負で人気に応えた。
 「外は行けるか行けないかわからなくて、内を見ていました。不破がすんなりいっていれば厳しかったですね。土井さんが内を空けてあの位置になりましたけど、(増原が)車間を空けていたし合わされるなと思って、待ってからいった。キツいレースでしたけど届いて良かった」
 逃げた宗崎を利した増原正人は、真後ろの鈴木との間合いを取りながら追い込むも2着。
 「宗崎君が頑張ってくれた。得意パターンで仕掛けてくれたし掛かりも良かったですね。(不破を)止められたのはタイミングが合っただけ。リハビリしてもう(落車の)怪我の影響はないし自分の感じは問題ないです」

5R

 打鐘では後方に置かれた吉武信太朗だったが、最終ホーム手前で主導権を奪って堤洋、木村隆弘の徳島勢までライン3車が出切る。4番手から追い込む野田源一、番手の堤らを二の足で振り切った吉武が、地元記念で幸先のいいスタートを切った。
 「前回の別府のあとからステムを伸ばしたら、いいペースで踏めるようになって苦しくなったら顔を上げるクセもなくなった。後ろの状況は良くわからなかったけど、(ラインで)ワンツースリーなら完ぺき。ずっとペースで踏めていたし、最後まで踏み切れた。調子はいいです」
 前回の奈良での落車で2カ月以上のブランクがある堤洋は、ソツなく立ち回って2着。
 「めっちゃ楽だったし、誰か仕掛けてきたら止めようと思っていた。吉武が強かったし踏み直されました。体の不安はまったくないですよ。ここのバンクは軽いのでスカスカする感じはあるけど、徐々に良くなると思う」

6R

選手の写真です。
渡部幸訓選手
 先行態勢に入った戸田康平を山田諒が強引に叩いたが、そこをすかさず1センターから根本哲吏がまくる。根本が2センターで山田を飲み込むと、続いた渡部幸訓(写真)がゴール前で逆転した。
 「根本は最近調子がいいから、安心して任せてました。自分の状態もいいけど、根本のおかげですね。山田のかかりも良かったと思ったので、3コーナーで近藤に張られるかなと思ったけど、そこをすんなり乗り越えられたのも良かった。展開一本です。恵まれました」
 2着にはなったが根本哲吏は近況の好調さを物語るようなまくりを決めた。
 「俺も駆けたかったんですけどね。なかなか駆けられるメンバー構成にしてもらえない。(復調は)怪我してない分って感じです。強い相手をまくり切ってるし、悪くない。いいと思います」

7R

 赤板過ぎに近畿ラインに中団に割り込まれた山崎賢人は、7番手に下げての立て直しを余儀なくされる。先行態勢の橋本智昭が打鐘の4コーナーからペースを上げるが、最終ホーム手前から仕掛けた山崎のスピードがいい。別線を力の違いでのみ込んだ山崎が、ロングまくりで楽に押し切った。
 「誰も出なければ前受けからとも思ったんですけど、中団が取れた。切ったら早めに行こうとは思っていました。自分のタイミングで踏めているし悪くないですね。ナショナルチームでの練習も生きていると思う。セッティングは探り探りで、調整しながらいってみます」
 踏み出しで3番手の小岩大介は離れるも、番手の合志正臣は山崎に付け切って2着をキープした。
 「(山崎は)ジャンの3コーナーで行くかなと思って待った分キツかった。ホームで向かい風なのもありましたしね。竹山(陵太)君のところを乗り越えて付け切れて良かった。最近はずっとFIを走っていたので、久しぶりにピリピリしました」

8R

 渡邉豪大、飯野祐太、才迫開の順で押さえて出て、結局前受けだった稲毛健太に反撃のタイミングが巡ってくる。打鐘の3コーナーから仕掛けた稲毛は、最終1コーナーで才迫をとらえて、そのまま軽快に飛ばす。番手絶好の稲川翔が、余裕をもって交わした。
 「安心して(稲毛に)付いていきました。余裕もあったしラインで決まって良かった。脚の感じは普段からあまり気にしないです。(最終)4コーナーでは誰も来ないことを確認して、あとは稲毛が頑張ってくれた」
 結果的にまくりの決まり手になった稲毛健太だが、構えることなく反応の良さが目を引いた。
 「叩き切れると思ったので、流し気味に踏んでラインで出切ってと。重たい感じがしたけど、しっかり踏めているとは思う。ここ最近は練習の感じが悪かった。でも、いつも通り行けるところで叩いて行けました」

9R

 打鐘過ぎまで佐伯辰哉にフタをした柴崎淳はホーム前から踏み上げて鈴木謙二を叩き切る。番手の志智俊夫(写真)はまくってきた佐伯をけん制。西岡拓朗の中割りもしのいで昨年の当所記念一次予選同様に柴崎とワンツーを決めた。
 「(佐伯を2度けん制して)無駄な動きをしてしまったけど、それがなくてもワンツーは決まってたと思う。柴崎がうまくやってくれて、ホームの風が強いなかでも踏んでくれたので。(去年も柴崎の番手で)景色が同じやなと思ってた。状態も問題ないです」
 柴崎淳も落ち着いた組み立てで2着に粘った。
 「(鈴木の上昇に)合わせて踏んで中団と思ってた。遅れてしまったけど、そこから頭の切り替えがうまくいった。あの流れで普通に切ったら(佐伯と)モガき合い。それならあそこにおったほうが。明るい兆しが見えてる。走ってて楽しいし、もうちょいですね」

10R

 赤板で前受けの根田空史を押さえた月森亮輔は瀬戸栄作を突っ張って出させない。7番手に下げた根田空史は前団の動きを見ながら最終ホームで仕掛けると、スピードの違いで一気に月森を飲み込みラインでワンツースリーを決めた。
 「7割くらい後ろからと思っていたんですけど前を取れて良かったです。仕掛けてから伸びていく感じはあったけど車の出が悪かったですね。前回から花粉症がひどくて体が重い感じ。セッティングで修正できるものじゃないし体調を調整しながら臨むしかない」
 福田知也は根田空史の強さに太鼓判を押す。
 「(別線が)踏み合っていたので付き合わないで冷静に(根田が)仕掛けてくれた。瀬戸を越えてからの加速がすごかったですね。抜けていないですけど追走は問題ないし調子はいつもどおりです」

11R

選手の写真です。
太田竜馬選手
 打鐘で桜井雄太が先頭に立つも、後方へ下げた太田竜馬(写真)は打鐘の4コーナーから一気に仕掛けて最終1センターで前団をまくり切る。バックを先頭で迎えた太田がそのままの勢いで押し切った。
 「いいタイミングで仕掛けられたと思う。ラインで決まるかなって。出脚は問題ないけど、パワーとかはまだまだなので、落車の影響はちょっとだけあるのかも。今日(初日)はスカスカしていたけど、軽いバンクにまだ対応しきれていないだけで日に日に良くなりそう。高速バンクは好きなので」
 4コーナーを絶好の番手で迎えた地元の濱田浩司だったが、直線で3番手の西田雅志に交わされて3着。
 「情けない…。西田さんが強かった。悪くはないんですけど、もうちょっと微調整は必要ですね。最後がダメだったので。最悪前を抜けなくても、後ろからは抜かれないようにって思っていたんですけど…。仕方ないのもあるけど、ちょっと反省します」

12R

選手の写真です。
松浦悠士選手
 打鐘から踏み上げて最終ホームで先頭に立った松本貴治を松浦悠士(写真)が2コーナー、5番手からひとまくり。全日本選抜決勝で落車からの復帰戦を白星で飾った。
 「良かったです。ホッとしました。昨日(前検日)からずっと緊張してたし、思ってたより良かった。1回動いて、5番手だけど位置を取って、そこから自力も出せたので。理想はもう少し早めに、バックを取るぐらいで行きたかったけど、松本君もいいタイミングで来たので。踏み込んだ感触はすごく良かったです。(村上)博幸さんにもゴール前の踏み直しがすごかったと褒めてもらいました」
 松浦を好追した守澤太志だったが逆転はならず。
 「(松浦が)すばらしいですね。レースがうまい。流れに沿ってしっかり仕掛けてくれるので。抜けると思ったけど、やっぱり強かった。怪我明けでこれなんで強いですね。しっかりワンツーが決まったし、僕の感じも悪くないと思う」
 松浦の仕掛けに乗って外に持ち出したかった平原康多だったが、3番手に切り替えてきた村上博幸と接触したのが痛かった。
 「動いて後ろになるような車番だった。腹をくくって行ったけど、危なかったですね。初日の分も2日目からまた頑張ります」

6R

選手の写真です。
鷲田佳史選手
 打鐘過ぎに仕掛けた竹山陵太の番手にはまった才迫開は竹山が前に出たところをホームからすかさず叩く。続いた木村隆弘が番手絶好かに、相川永伍の2コーナーまくりに乗った鷲田佳史(写真)が直線鋭く突き抜けた。
 「相川君は同級生だし、良くレースも見てる。1回付いてみたかったし、それだけでテンション上がってたけど、まさかですね。6番手に入って無理やり行ってくれた感じだった。僕は待って、待って(相川が)越えられそうになかったので踏ませてもらった」
 好展開を生かした木村隆弘が2着で準決勝に勝ち上がった。
 「展開が良かった。開のおかげです。ええレースをしてくれました。ギリギリまで待ったし、鷲田さんに踏み勝ちたかったけど、鷲田さんは相川さんのスピードをもらってるしキツかった。でも何とか2着なんで。久々の記念準決勝ですね」

7R

選手の写真です。
佐伯辰哉選手
 佐伯辰哉(写真)が前受けの田中晴基を赤板で押さえて先行態勢に入るが、下げた田中は打鐘からすかさず巻き返す。田中に叩かれた佐伯は荻野哲をさばいて番手を確保。ハイペースで駆ける田中を直線で一気に抜き去った。
 「先行すると思って自分の後ろで競ってくれていたのに申し訳ないですね。自分だけのレースになってしまったのが反省点。ジャンで競りの2人が自分より前に出たので、待ったら田中さんがダッシュしてきているのが見えて慌てて踏んだ。今日(2日目)は2分戦だったし、田中さんがしたレースを自分がしなければいけなかったですね。しっかり準決勝は頑張ります」
 2位入線の望月裕一郎だったが、最終ホームで西川親幸を落車させてしまったため失格に。逃げた田中晴基が2着に繰り上がった。
 「早い先行は考えていなかったけど展開的に前に出ちゃったほうがいいかなと。後ろは併走になっているかと思ったんですけどね。昨日(初日)からサドルの高さを変えたんですけど、それがなければ残れていなかったと思う」

8R

選手の写真です。
杉森輝大選手
 打鐘で先頭に立った宗崎世連は4コーナーの下りを使って一気にペースを上げる。7番手になってしまった杉森輝大(写真)だったが、2コーナーからまくるとスピード差は歴然。鮮やかに前団を飲み込んだ。
 「前を取って引いて行けるタイミングで仕掛けていこうと思ったけど、初手が中団だったので。近藤君が自分よりも早めに行くのかと思っていたので、近藤君のところまでは一気に行ってと考えていました。思ったように踏めている感じがあるし、脚の状態はいい。昨日(初日)は重たかったけど、一走して刺激が入ったので良くなった」
 江連和洋がしっかり続いて茨栃でワンツーが決まった。
 「本当は前を取る作戦だったけど、中団でフタをされてもずっと我慢をしていいところで仕掛けてくれた。スピードも良かった。追走していて余裕はあったけど、抜ける感じはしなかった。これでまたマークの決まり手が増えてしまう(笑)。マークできているってことは連にからめているってことなのでいいんだけどね」

9R

選手の写真です。
根田空史選手
 中西大の上昇に合わせて打鐘前に切った根田空史(写真)は中西を受けて3番手を確保する。ホームから山崎賢人がカマすが、これを稲垣裕之がブロック。前がモツれたところをバックからまくった根田が連勝で準決勝へ勝ち上がった。
 「競輪はわからないですね。(花粉症で)体調的にはキツいけど。前回(3月西武園)よりはマシと言えばマシだけど、踏み出しで力が入りづらい。伸びる感じは影響ないけど、1、2歩目の入りが悪い。(それでも連勝)自分でもビックリしてます」
 *守澤太志が根田に続いてラインでワンツーが決まった。
 「根田が強かった。あおりを受けながらですからね。僕は(2日間)マーク、マークだけど、脚の感じは悪くない」
 3着の稲垣裕之は中西の番手で好ガードを見せた。
 「中西が頑張ってくれました。僕もやれることをやろうと。(山崎をけん制して)中西もそこから踏み上げてくれたので、差し込むことなく戻れた。すごくいい競走をしてくれました。今回は腰に不安を抱えての参加だったけど、それを払しょくできてる」

10R

選手の写真です。
稲川翔選手
 前受けの稲毛健太は上昇してきた松本貴治を赤板過ぎに突っ張る。下げた松本は鈴木裕に追い上げられて、中団が併走に。稲毛はうまくペースに入れて駆けると、番手の稲川翔(写真)が好展開をモノにした。
 「今日(2日目)は(村上博幸が後ろで)すごい緊張感のなかでのレースでした。状態とか分からないくらいレースに集中していました。(無観客だが)レースに入れば集中して、それは気にならない。ライン3人で決められて良かったです」
 近畿ラインの3番手を固めた村上博幸が稲川翔にしっかりと続いた。
 「今日(2日目)は脚を回してるだけでした。信頼している2人が前だったので安心して走れた。状態は今年に入って一番いいですね。今回フレームとかも換えたんですけど、それもマッチしている」

11R

選手の写真です。
平原康多選手
 前受けの太田竜馬が根本哲吏を突っ張って赤板過ぎから主導権を握る。内をすくってしっかりと中団を確保した平原康多(写真)は1センターからの巻き返し。太田を豪快に飲み込むと、諸橋愛の追撃も振り切った。
 「ペースがめちゃくちゃ上がったのが苦しかった。でも、ちゃんと4番手を確保しようと。早めに行って、諸橋さんに残してもらうほうが何とかなるかなと思った。全日本選抜あたりから自転車の乗り方がわかってきたし、練習どおり力を出せるようになってきた。呼吸は整ってないところで行った感じ。ワンツースリーが何よりうれしい。まだこれで終わりではないので、明日(3日目)もしっかり頑張る」
 ゴール前で平原に詰め寄った諸橋愛だったが逆転はならず。レース後は平原の強さを絶賛した。
 「僕の状態は普通。康多がいい。末もしっかりしてるし、康多が強い。今まで連係したなかで(昨年の)オールスターぐらいの感じだった。それぐらい康多がすごくいい」

12R

選手の写真です。
柴崎淳選手
 中団外併走から打鐘過ぎ4コーナーで松浦悠士がカマすと、1コーナーで内の嵯峨昇喜郎が落車。番手の渡部幸訓も乗り上げてしまう。口が空いた渡部哲男は何とか追いついたが、落車を避けた柴崎淳は大きく車間が空いてしまう。それでも柴崎はバックから徐々に車間を詰めると、追いつきざまに2センターから持ち出して前団をひと飲み。昨年は落車してしまった二次予選を1着で突破した。
 「マジでビビったっす。9番(渡部幸)の後ろに付いてたらヤバかった。追いついたときに合志(正臣)さんがちらっと見たんで、持って来んでくれと気をつけてました。奈良(記念)で思った以上に動けてたし、反応もできてたので上がってくんじゃ?っていうのがあった。今回は楽しみにしてたし、どこまでやれるかと思ってた。108点の選手ではないでしょ」
 渡部哲男はゴール寸前で柴崎に1着をさらわれた。
 「ビックリした。乗り上げるかと思ったけど耐えたね。車輪が壊れてないか確認してる間に車間が空いてしまった。もうちょいでワンツーだったし、柴崎は全然見えてなかった」
 打鐘過ぎ4コーナーからカマした松浦悠士が3着に粘った。
 「謎の落車でしたけどね。僕も接触した感じはなかったので。後ろが離れてるのはわかったので、待ってから踏み直した。柴崎さんは今の点数以上の脚がある。でもこの距離のリードで押し切れないっていうのは悔しいですね。いい感じで回せましたけど、柴崎さんに行かれたので、その辺どうかな? でも(脚は)問題ないです」

10R

選手の写真です。
諸橋愛選手
選手の写真です。
志智俊夫選手
 後ろ攻めから上昇した根田空史に対し、前受けの中西大は誘導員を残して車を下げる。中西にフタをしてから太田竜馬が主導権を取りに行くが、根田は打鐘から突っ張り先行。車間を切って別線の巻き返しに備えた諸橋愛(写真)がゴール前で鋭く抜け出した。
 「恵まれました。突っ張る話はしてなくて、もう50メートル先なら突っ張るかなと思ったんですけどね。ああなれば僕の仕事ですから。中団に中西(大)がいたのは分かっていたし来たら止めようと。初日から疲れが抜けている感覚はある。状態は悪くもなく普通ですね」
 東日本のラインを選択した志智俊夫(写真)がしっかりと諸橋に続いて決勝進出を決めた。
 「(1センターで)内から中西君がきていたのですくわれないように締めて対応して。ただ根田が最後までかかっていましたね。ラインのおかげで恵まれました」
 果敢な先行勝負に出た根田空史が3着に粘ってラインで上位独占が決まった。
 「前だけは取りたくなくて。誘導が残っていて後ろを見たら太田がフタしているのが見えて来なかったので、先行したほうが堅いと。諸橋さんが全部止めてくれるので信頼して駆けられました。連日踏み出しが重かったんですが、今日(3日目)が一番良かったですね」

11R

選手の写真です。
平原康多選手
選手の写真です。
守澤太志選手
 平原康多(写真)が打鐘で田中晴基を叩いて先頭に。後方に下げた松本貴治がすぐさま巻き返して最終ホームで先頭に立つが、番手の堤洋が離れてしまう。松本の後ろに入った平原は徐々に車間を詰めながら2センターで外に持ち出すと、直線で鋭く抜け出した。
 「打鐘前から突っ張り気味に踏まれてきつかった。出てからもある程度のペースで踏んでいたから、松本君も一人だったんでしょう。休むところがなかったですね。(松本の後ろに入ってからも)自力で踏んでいるような感じだった。初日はレースをさせてもらえなかったけど、昨日(2日目)、今日(3日目)と動いてレースできているので状態は悪くない。自転車の進み方も(体と)合ってきた」
 平原をマークした守澤太志(写真)が2着。3日間、2着を並べて決勝戦に勝ち上がった。
 「平原さんがとてつもなく強い。ジャンのところもかなり踏んでいた。周りの動きは見えていたので、松本君が飛んできて軽く振って。あとは平原さんがどこから踏んでいくのかなって感じでした。最後は成田(和也)さんのコースを作りたかった。差せたらいいなって。番組のおかげですね」
 まくり不発の柴崎淳の後位から直線鋭く伸びた稲川翔が3着争いを制した。
 「道中で離れてしまった。久しぶりに人の後ろで千切れました。乗り越える勢いで踏んで、なんとか追い掛けました。やめずに踏んでいたら、最後はあそこの位置だった。まぐれ感があります」

12R

選手の写真です。
松浦悠士選手
選手の写真です。
中川誠一郎選手
 佐伯辰哉は中団の稲毛健太にフタをしてから打鐘前2コーナーで先頭に立つ。稲毛が1コーナーから巻き返すと番手の松浦悠士(写真)がこれをブロック。稲垣裕之が内に切り込んでくると、2センターから踏み込んで中川誠一郎の強襲をしのいだ。
 「稲毛さんを止めたあと内に誰か入ってきたので、踏まないとヤバいなと思った。あそこで踏んでなければ中川さんに食われてましたね。前の佐伯と後ろの木村(隆弘)さん、2人の頑張りがあったからこそですね。しっかり最後も勝ち切れてるのでいいかなと思う。初日に(欠場明けの不安を)払しょくできたので、今までと変わらないレースができてると思う」
 うまく近畿勢の仕掛けに乗った単騎の中川誠一郎(写真)が鋭く松浦に迫った。
 「佐伯の先行を稲毛がカマす展開になると思ったので、その後ろにいた。稲垣さんが内に行ったら、僕は外と思ってたので。今回は2週間練習もできたので、展開が向けば3着までにはと思ってたら向きました。決勝も単騎。今回は初日で単騎の流れになってますね」
 ゴール前で稲垣をとらえた杉森輝大が3着で決勝戦最後の切符を手に入れた。
 「ゴチャつくよりは自分のタイミングでと思ったけど、何とか届いたって感じですね。もうちょっとしっかり仕掛けられれば良かったけど。初日は感覚のズレがあってキツかったけど、昨日(2日目)から立て直せました」

<最終日・6R S級ブロックセブン>
 ブロックセブンは渡邉雄太の欠場で、地元の佐々木豪に人気が集中しそう。優勝を含め3連続優出と乗れている近況どおりの走りを見せるか。
 「(記念の本戦に出られなかったが)まあしょうがない。去年は成績を落としたし、点数も持ってなかったので。でも今期は110点。いい状態に持っていけたと思う。競輪祭がピークで悪かったけど、色々考えて何とか持ってきた感じ。期間も2週間空いたので、刺激を入れて抜いてって感じでやってきました」
 東日本勢は目標不在。佐々木の番手で「来られるのは覚悟してます」と話していた古川貴之だったが、ジカで競られることはなくなった。
 「流れで(大槻寛徳が)来るかもしれないですからね。バックがなくなって人の後ろが多くなったし、今回も勉強して。佐々木君とは連係がない。戦ったことはあるけど、コテンパンにやられました」
 大槻寛徳は佐々木の番手にはこだわらず、自分で何かすることを選択した。
 「渡邉雄太がねえ…。まあ自分でやれってことですね。ここまで休まず練習して来ました。引き続き好調だと思う。流れのなかでは競るかもしれないですけどね。ブロックセブンは2回目。流れのなかで行けるところから行きます」
 近況、元気がない廣田敦士は浮上のきっかけになるようなレースをしたい。
 「最近はレースで自信がないですね。でも練習の感じはいいんですよ。積極的に、自信を取り戻すようなレースができれば。何とか頑張ります」