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まつさか競輪

MATSUSAKA KEIRIN

47#

検車場レポート

  • 9/8 Wed.  (前検日)
  • 9/9 Thu.  (1日目)
  • 9/10 Fri.  (2日目)
  • 9/11 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
山田諒選手
 開幕レースの1番車は中部期待の大砲・山田諒(写真)が務める。最高峰のレースで力の差を見せ付けられたオールスターを除けば近況はまずまずで、記念開催も7月小松島では3度の確定板入りを果たしている。
 「1レース1番車はめちゃくちゃいっぱいあります。中部の記念では、富山、岐阜、四日市、松阪で4場所目ですね。中部の期待を背負って飛んだらどうしよう…。今は逃げが基本で、それでまくりが出るようになれば、強くなれると思っているけど、モコモコしていますからね。(山口)拳矢さんみたいにピュって出るようになれば、いいんですけどね。練習は頑張ってやってきた」
 菅原大也は今期に入って1着を量産。競走得点も103点まで上げてきた。
 「今の成績はたまたまです。変えたりとかは何もしていない。今までやってきたことの積み重ねが結果に出ているのかな。たまたまだとしても流れがいいのは間違いないので、それを崩さないようにしたい」

2R

 今期は2班の吉田茂生だが、FI戦の予選では格の違いを示して連対を続けている。8月松戸記念は一次予選で敗退も、残り3日間は確定板を外さなかった。
 「(萩原)操さんの前で自力。一緒に勝ち上がれるように頑張る。(直前の)函館の最終日に(落車した)原(真司)さんの自転車と接触して左アキレス腱を痛めたのでそれのケアをしてきた。しっかりと位置を取ってですね」
 近藤隆司もここにきて優参続きと流れに乗ってきた。6月松山以来となるGIII戦でも結果を出して復活宣言といきたいところ。
 「(最近は)調子が悪かったが、(2場所前の)函館からシューズを変えて調子がいい時のような軽さになった。この状態で、ウェイト、パワーマックスの練習をやってきた。(直前は)250バンクに入って練習をやってきた。自転車は違うけど楽しかったです」

3R

選手の写真です。
西村光太選手
 地元勢は2レースの重鎮・萩原操に続き、弟子の西村光太(写真)がこの3レースに登場する。前期は久々のA級陥落となったが、勝ち癖を付けてS級に復帰。ここは竹内雄作に食らい付いて、まずは一次予選突破を目指す。
 「S級にいたら地元記念が目標。それが久々に走れるので新人みたいな気分。存在感を示していかないと、突き抜けるくらいにならないと、呼んでもらえないですからね。いい目標が付いた時に差せているし、キメ脚は備わってきた。やれることは全部やってきた。初日から波に乗っていきたい」
 竹内雄作は機動力断然上位の存在だ。ブレない先行策で別線を完封してみせよう。
 「佐世保は膝痛で欠場して、その後に腰痛も出てケアをしてきた。練習は思ったようにできなかったけど、その分、ケアはできた。前回の悪いイメージがリセットできれば。この後は共同(通信社杯)も続くし現状を把握して、力を出し切れるように」

4R

選手の写真です。
園田匠選手
 コンスタントに1着を取っていて動き軽快な瀬戸栄作が園田匠の目標に指名された。両者は過去に何度も連係があり、3月小田原では瀬戸がまくってワンツーも決まっている。
 「前回の準決勝は長い距離を踏む持ち味を出すことができたけど、決勝はやらかしてしまったし、情けないレース。初日から園田さんに任せてもらったので、ワンツーを決められるに頑張りたい。1週間くらいあって、次に共同もあるので、強めに追い込んだ練習をしてきた。調子は上がっていると思う」
 園田匠(写真)は今期に入ってFI戦ばかりながら4戦で1V、準V3回と差し脚軽快。オールスターは一次予選1の大敗が響いて勝ち上がりを逸したものの、残り3走は確定板を外さなかった。
 「安定して走ることはできている。7車と9車は別と考えて、グレードレースの持ち場で結果を出さないと。ある程度の位置があれば、しっかりと突っ込める。ここは相性もよく、記念やF1で優勝があるので、抜群ですね」

5R

 取鳥雄吾は前回の高知が開催中止となって約1カ月ぶりの実戦となる。夏場は今年前半の勢いが見られなかっただけに、持ち味の積極策で現状を打開していく。
 「オールスターは悔しかったが、高知が中止になったので、休むところは休んで、練習もやってきた。練習の感じは悪くなかったし、調子はいいと思う」
 菅田壱道は落車が続いたこともあって相変らずピリッとしない。今年ももう残り3カ月弱。正念場だ。
 「(伊東)翔貴とは練習は何度もやっているけど、連係は初めてかな。よくなりかけの時に落車があったりして点数もないし、一歩一歩ですね。浮き沈みがあるのが競輪。昨年までは常にタイトルっていう気持ちだったけどメンタル的にそういう状態でもない。ただ、辞めたら、そこで終わる。気持ちが切れないようにやっていく」

6R

 スピード抜群の仕掛けが身上の坂井洋は、前回の富山652着をこう振り返る。
 「前回は、理由はわからないけど、重かった。バンクが使えなかったので、ワットバイクとウェイトで練習をしてきた。セッティングを変えようと思っているけど、変えるタイミングがなくて悩んでいた。(今回は)関東の先輩がたくさんいるので、アドバイスをもらっていきたいし、結果を残していきたい」
 木暮安由はオールスター以来の実戦。可もなく不可もなくといった近況だが、ここでは一番のビッグネームだけにしっかり勝ち上がっていきたい。
 「(間隔が空いて)練習はよくなっているし、上がってきている。(年始の大宮記念で落車して)バランスが崩れたのが大きかったですね。やれることはやってきたし、今回からって思っています」

7R

 九州勢は佐藤幸治が前回り。優参は散発的にといった佐藤だが、8月佐世保132着をはじめ、予選や敗者戦は連対ラッシュで動きは軽快だ。
 「前回は地元で勝ち上がれなかったけど、踏めているし、調子はいい。セッティングを変えたのがよかったですね。(中本とは)前後流動的で後ろの時もあるけど、今回は前で」
 前走の高知が開催中止となってオールスター以来の競走となる中本匠栄は、番手で佐藤をしっかり援護しながら抜け出しを図る。
 「(共同通信社杯優勝から1年で)早いですね。変わったとかはないけど、またああいう舞台で走りたいですね。オールスター(の二次予選)は(中川)誠一郎さんのハコで何もできずに、後ろから抜かれた。あのままじゃまずいですし、抜くか、抜かないかの勝負ができるようになりたい。(ここまでは)練習して、セッティングとかをいろいろとやってきた。オールスターよりはよくなっている」

8R

選手の写真です。
皿屋豊選手
 強力中部ラインができあがった8レースは、近藤龍徳が番手で地元の皿屋豊を盛り立てる。連係するのは約1年ぶりとなるが、過去レースではワンツーも決まっていて相性はまずまず。
 「感覚はいいですね。離れないなっていう状態だから。三重県だし、浅井さんや、ホームバンクの皿屋さん。地元の先輩方にはいつも助けてもらっている分、決勝で援護していけるように頑張りたい」
 皿屋豊(写真)は前回の8月富山を413着。準決は菅田壱道を完封し、初日特選、決勝は野口裕史らとの踏み合いを制して主導権を握り吉田敏洋の1着に貢献と上々の内容だった。19年大会以来、2度目の地元ホームでの記念に気合を込める。
 「松阪記念は2回目。前回はA級から上がったばかりで92点か93点くらいしかなかったけど、準決勝に乗ってプチブレイク。今回は点数も立場も違うのでプレッシャーはあるけど楽しみ。直前にギックリ腰をやったのでそこが若干気になるけど、練習では乗り込めていた」

9R

 このレースは本線と目される北日本ラインを率いる高橋晋也のデキが気になる。7月富山記念で落車し、オールスターも欠場を余儀なくされた。約40日ぶりの実戦で果たして期待に応えられるか。
 「(富山の落車で)オールスターは練習ができていなかったので、(出場を)悩んだけど、しっかり休んでからと。足首をひねったのと、股関節に痛みがあった。治療に専念していたので、練習はあまりできていない。(今年のウィナーズカップ松阪で決勝に乗っているが)あの時とは状態が違いますね。やりたいことをやっていきたい。今回は新車をもってきました」

10R

選手の写真です。
小松崎大地選手
 ここも北日本ラインが強力。番手を回る大森慶一は直前の向日町記念で決勝に進出した勢いのまま当所へ乗り込んできた。
 「前回の前検で入った追加です。(向日町記念から)間隔はなかったけど、一旦、帰って、昨日(7日)は軽く乗って刺激を入れてきた。(向日町の決勝の脇本雄太は)残り1周はバイク誘導みたいだったし、何も言えない。ただ、すごさを見せ付けられた。本当にすごかったし、あれをやられたら何もできない」
 小松崎大地(写真)は前走の福井を533着。準決3着で決勝を逃がしたシリーズを振り返る。
 「(福井は)数字通りだと思う。(最終日は菊池岳仁の)掛かりがすごかった。甘くみていたわけじゃないけど、強かった。(オールスターの疲れは)関係ないですね。(前回からは)天気がよかったわけではないけど、計画的にはできた。出た数字通りだと思うし、目の前の一戦を頑張る」

11R

選手の写真です。
三谷竜生選手
 高松宮記念杯1171着、オールスター41244着。GI戦でも輝きが戻って復調ムードの三谷竜生(写真)は一次予選のメインを走る。
 「(高松宮記念杯から)フレームも変えて、練習もいい感じになってきた。まだまだっていう感じはあるが、走れているし、手応えを感じてきた。(脇本雄太が戻ってきて)強いですし、古性(優作)がオールスターを取った。自分も頑張らないと。向日町記念もすごかったですね」
 誰が相手でも蕗澤鴻太郎は走りに迷いがない。7月小松島記念こそ未勝利に終わったが、5月地元前橋記念では準決まで勝ち上がりなど記念開催でも結果を出せるようになってきた。
 「状態はいいと思うが、7車と9車では別物なので切り替えていかないと。9車だと、出切るまでに脚を使う。脚を使わなければ、戦えるんですけどね。練習はしてきているし、積極的に頑張りたい」

12R

選手の写真です。
平原康多選手
 特選はS班4人に地元エースの浅井康太もいて激戦ムード。ただ、郡司浩平、平原康多は不安を抱えての実戦となるだけにいつも以上に状態が気になる。まずオールスター、地元の8月小田原記念を欠場した郡司はどうか。
 「2カ月空いて、走れない悔しさもあったし、他の人が良いレースをしているのを見て気が引き締まった。良い意味で気持ちを入れ直しました。体調を戻すのに時間がかかった。ようやく普通ぐらいの調子ですね。タイム的には戻っているし、あとはレースでの反応です」
 高松宮記念杯を制した宿口陽一は埼玉ラインの番手を任された。黒沢征治を好操縦して結果を出したい。
 「オールスター前に腰を痛めていたので、それのケアをしたくて前回は欠場した。ケアはしっかりできたし普通に練習もできました。グレードレースで埼玉の3人で連係できるのは嬉しいですし、平原さんが3番手で自分が番手は責任重大です」
 走るたびに落車に見舞われているといった感がある平原康多(写真)は我慢の時か。しかし、特選で同県ラインを組めるのは励みになる。
 「今年6回コケているので、落車してそこから立て直し切る前にまた落車している。ただ、その中でポジティブなこともありました。ずっと100%(の状態)ではない。宿口君は自分と2人の時には前で頑張ってくれるし、タイトルホルダーとして堂々と前を回ってほしい。自分は喜んで3番手を回ります」

1R

選手の写真です。
菅原大也選手
 赤板の1コーナーで先頭に立った山田諒が先行態勢を取り、4番手を菅原大也(写真)がキープする。打鐘で青柳靖起が反撃に出るが、山田が突っ張り主導権は渡さない。最終4コーナーで外に持ち出した菅原が、突き抜けた。
 「押さえて(別線が)すかさず来るようなら出させて中団と思ってた。内が空くなら、内から先行しようと思っていた。山田君が先に切るのがイメージ外でした。青柳君には1車入られてしまったし、仕掛けのタイミングが遅くて同県の先輩と力勝負できなかった」
 粘り込む岐阜コンビを菅原に続いた小原太樹が、ゴール寸前で交わして神奈川ワンツー。
 「脚を使ってないぶん、差したかったですね。正直、前回とあまり状態は変わらないです。小田原記念は地元だし出たかったけど、腰痛が出て欠場した。前回も中日(2日目)しか良くなかったし、もう少し場数を踏んで戻していくしかない」

2R

 赤板過ぎに近藤隆司が吉田茂生を突っ張り、佐伯亮輔は落ち着いて2コーナーから仕掛ける。四元慎也は離れ、佐伯、坂本健太郎で叩いて出る。3番手に飛び付いた近藤が車間を詰める勢いで最終2コーナーからまくりを打つが、坂本が近藤を阻む。4コーナーで近藤を弾いて追い込んだ坂本が1着。
 「(スタート)けん制からの早駆けで、キツかったですね。(腰痛での)復帰戦っていうのもある。あそこで行かないと突っ張られるし、佐伯君はいい判断だったと思う。(四元が離れて)2車になっていたけど、一発振って冷静に走ることはできた」
 近藤マークの五十嵐力は、近藤のまくりのスピードに乗って直線で外を踏んだ。
 「コンリュウ(近藤)が強かった。スタートを見合って、赤板で突っ張ってからでしたからね。デキがいい時のコンリュウだし、仕上がっている。あれだけ脚を使っていたから自分は(前を)抜けただけ。状態は変わらずで、最近は悪くないですね」

3R

 単騎の篠原龍馬が切ったところを竹内雄作が出て打鐘主導権。中部3車が出切り、篠原、久島尚樹の順番で一本棒の隊列。最終2コーナーからまくった高木翔は前が遠い。篠原もいっぱいで前団の中部勢の勝負かに思われた。が、久島マークから直線で中のコースを伸びた柳詰正宏が1着。
 「(コースが)空いた感じはなかったけど、篠原さんは外を踏むだろうと思って内に行った。うまく見えてはいましたね。余裕はなかった。でも、西村さんに並んだのが見えたので、抜きたくて必死に踏みました」
 逃げる竹内の番手の西村光太は絶好の展開も、踏み出しをギリギリまで我慢して、柳詰に伸び負けた。
 「格上の選手にあれだけ行ってもらって申し訳ないですね。余裕はなかったし、風がすごくていっぱいでした。(竹内)雄作はタレてきてたと思う。(最終)3コーナーから2センターにかけての風が、向かい風ですごかったんでキツそうだった。自分の感触は悪くないですね」

4R

 打鐘で切った京都コンビの上を早坂秀悟が抜群の踏み出しでカマす。石川雅望が遅れ気味で追いかけて、最終ホームを通過する。3番手で立て直した畑段嵐士のまくりを石川が好ブロックで止める。4コーナー手前から踏んだ川村晃司が楽に抜け出した。
 「(畑段が)3番手を取ってから仕掛けてくれました。行けるか、どうか、様子を見ていて、待ってから前に踏んだけど、(最終)4コーナーから伸びましたね。脚は問題ないので、明日(2日目)も力を出し切れるように頑張る」
 大きく離れた7番手に置かれた瀬戸栄作は、最終2コーナーでまくって出る。瀬戸に乗った園田匠が、外を踏んで2着に届いた。
 「前のラインが離れていって車間が空きすぎたけど、どんな展開であれ1着を取らないとですね。脚は問題ない。でも、1着を取れずに申し訳なかった。外を踏んで余裕もあったし、慌てることもなかった。この流れを崩さないように、着外しないようにしていく」

5R

選手の写真です。
取鳥雄吾選手
 取鳥雄吾(写真)が伊東翔貴を突っ張るが、伊東も強引に出る。菅田壱道は連結を外して、番手に収まった取鳥が再度踏んで打鐘過ぎに出て主導権を奪取する。取鳥、堤洋で出切り、北日本勢が3、4番手に入る。最終2コーナーからまくった齋藤友幸は伸びない。番手の堤も追走いっぱいで、果敢に攻めた取鳥が逃げ切った。
 「(赤板で)引いてからと考えていたけど、(伊東の)押さえ方が甘かったので突っ張りました。かなり苦しかったし(最終)バックからは必死でした。今日(初日)はじわじわ踏んでいったので、気持ち良く踏んだ感じではない。(次に)つながる競走が出来たと思う」
 3番手から追い込んだ伊東翔貴は、取鳥とのハンドル投げに持ち込むも4分の1輪及ばす。
 「フタをしていたけど、しっかり切れなくてそこだけが反省点。後ろの動きはわかっていなかったです。もっとスパンと切ればうまく決まったと思う。取鳥君がまったくタレなくて、(最終)2コーナーで仕掛けたかったけど行けなかった。出し切れていないし微妙ですね」

6R

 打鐘の3コーナーで清水剛志を押さえた松尾勇吾だがペースは上がらす、坂井洋がスピードの違いで出て先行策。離れた3番手がもつれて、関東両者がセーフティーリードを保って直線を迎える。粘り込む坂井を木暮安由が交わして1着。
 「坂井君の距離じゃないと思っていたけど、(松尾を)叩く気持ちも入っていましたね。練習は結構やっていたけど、競走の感覚が鈍っているのか、1走したことでなにかつかめれば。脚の状態は非常に良く回っている」
 スピードの違いを披露した坂井洋は、別線をちぎって2着に粘り込んだ。
 「自分か、清水さんが先行っていうメンバーなので、(赤板で)先に動いておきたかった。(最終ホームで叩いたところは)自分にフタをされる前に先に行こうと。スタートけん制があったからか、コンディションなのか、キツかったですね。でも、前回の富山よりは状態はいい」

7R

選手の写真です。
佐藤幸治選手
 近畿コンビがカマして、3番手の高橋築は車間が空く。一本棒の6番手の佐藤幸治(写真)は、逃げる谷和也とは大きく距離が空いて最終ホームを通過する。高橋のまくりは伊原弘幸に止められ、その上を佐藤がまくりでのみ込んだ。
 「高橋君が突っ張る雰囲気だったし、ちょっと期待したけど後方になってしまいましたね。風が強いなかでジャンくらいのところはキツかった。気持ち早めに仕掛けたかったけど、風でタイミングが狂った。ワンツーが決まったけど、3番手の高橋(清太郎清)君まで連れ込みたかった。脚はいい感じです」
 付けた中本匠栄が危なげなく続いて、九州勢のワンツーで決着した。
 「(佐藤)幸治さんのタイミングで仕掛けてもらったし、行けるだろうなと思った。強かったです。幸治さんが強いのもあるけど、自分はちょっと体が重いかな」

8R

選手の写真です。
磯島康祐選手
 地元の皿屋豊が赤板2コーナー過ぎにすんなりと先に立ち、磯島康祐(写真)は中団まで下げる。そのまま皿屋のペースでレースが流れ、7番手の佐伯辰哉は不発。4番手で脚をためた磯島は、最終3コーナー過ぎから踏み込んで中部ラインをゴール前でとらえた。
 「自分は脚がないので、皿屋さんのレースに期待して、想定した通りになった。皿屋さんは強いので、踏んでもゴール前かなと思っていて、(踏んだら)行っちゃうかもっていう感じでした」
 磯島マークから中のコースを踏んだ須永優太が2着。
 「(磯島が中団に入ってから)踏み合いになっても仕方ないですからね。風はあったけど、付いているぶんには大丈夫だし、余裕はあります」

9R

選手の写真です。
伏見俊昭選手
 突っ張り気味に踏んだ高橋晋也を強引に押さえて出た小林申太だが、内藤高裕と息が合わずに1人で出切る。番手になった高橋は後続の動きを確認しながら、最終ホーム手前から踏み込んで逃げる。番手の伏見俊昭(写真)が、余裕をもって追い込んだ。
 「(高橋は)2周行ってますからね。自分はしっかりここに向けてやってきて、集中もできていたし余裕はありました。片岡(迪之)君が中団なのはわかっていた。彼はスピードがあるからまくり追い込みに来た時にどうするかでした。でも、(高橋)晋也の圧が勝っていたんで、その必要もなかった。(高橋は)あれだけスケールの大きいレースをしていれば、すぐに状態も戻ってくると思う」
 構えることなく力を出し切った高橋晋也が、スピードと力の違いを見せた。
 「2、3歩踏んだ時に突っ張れる感じがしたので、突っ張りました。落ち着いて、打鐘のところも1車だったので出せた感じです。思った以上に調子は良さそうですね。もうちょい掛かれば(ラインの)3人で決まったと思う。久しぶりのレースだったし、出し切ろうと思って走ったのが結果につながった」

10R

選手の写真です。
宮本隼輔選手
 小松崎大地が赤板2コーナーで主導権を握り、宮本隼輔(写真)がすんなりと中団でレースが進む。小松崎は打鐘の4コーナーから徐々に踏み上げて、一本棒のままで最終バックを通過する。2センターで外に持ち出した宮本は直線勝負で1着。
 「赤板で切ってからそのまま駆けると、長いなと思っていた。小松崎さんに出てもらって、植原(琢也)君も来なかったので、3コーナー過ぎから1着取れるような仕掛けでいった。すんなりの4番手になりましたからね。休養はしっかりできたし、レース勘とかは大丈夫」
 逃げた小松崎を利した大森慶一が2着に入り、小松崎は3着。
 「植原君が来ると思ったけど、(打鐘の)2センターでは(小松崎が)腹をくくっていましたね。出させないように踏んでいたし、風があってキツい状況で、自分も回せる感じじゃなかった。中団からいつ来てもいいように準備をしていたけど、あの仕掛けでは止められない」

11R

 三谷竜生が押さえて出ると、中団が薦田将伍と石井洋輝で併走。後方で反撃のタイミングをうかがっていた蕗澤鴻太郎が、打鐘の3コーナー過ぎにダッシュを利かせて踏み込む。最終ホーム手前で主導権を奪った蕗澤がスピードに乗せて、3番手で車間が空いた三谷はなかなか詰まらない。粘り込む蕗澤を岡田泰地が差し切った。
 「(蕗澤)鴻太郎が積極的に行ってくれたおかげ。自分がこのメンバーで1着を取れるとは思わなかった。石井君が叩くと思っていた。フワフワする感じはあるけど、いつもは日に日に良くなる」
 三谷を相手に十八番のカマシでラインでの上位独占をメイクした蕗澤鴻太郎は、内容の濃い走りが光った。
 「石井君が駆けるかと思ったけど、併走していて意外な展開でしたね。緩んでいたし、出切ってペースに入れたけど、差されているので末が足りない。バンクが重い気がします。最近はモガく距離が短かったし、最低でもバックは取ろうと思っていた。トップスピードとキレはついてきたかなと思う」

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手
 埼玉3車の先頭を務めた黒沢征治が先行態勢を取るが、赤板2コーナーで清水裕友が襲い掛かる。打鐘の3コーナーで清水が出切り、稲川翔と接触した黒沢が落車に見舞われる。清水、稲川で最終ホームを通過して、アクシデントを避けた宿口陽一は大きく車間が空いた。バック手前からまくった宿口が前団をのみ込むが、さらに山田庸平がまくって、後方の郡司浩平(写真)が山田を追いかけて直線。山田が埼玉勢をとらえたところを、その外から郡司が突き抜けた。
 「現場に戻ってきて厳しさを感じた。想像以上に厳しかったです。レース勘とか、流れが思った以上に速かったですね。アクシデントがあった影響もあって、脚がたまらなかった。それ以上に余裕がない。1着を取ることが前提だけど仕掛けたかったです。自分だけ届くようなレースになった。守澤さんは脚があるから、自分できてくれていますけど」
 最後方の守澤太志は、付けた郡司にタイヤ差まで迫るシャープな伸びを見せた。
 「前がすごく遠くて、誰がコケたかもわからなかった。あそこまで来られたのは郡司君のおかげ。車間を切って早めに踏んだけど、あおりもあったぶん、厳しかった。感覚は良くなかったですね」
 単騎の山田庸平はまくりで見せ場をつくって3着に入った。
 「打鐘のところで、落車を避けつつ4コーナーで浅井(康太)さんの内を差してしまっていた。バックを踏んでからだったし、前との車間が空いて、自分がまくりにいったら、合わされると半信半疑だった。迷いながらだったからもっと思い切っていけば良かったです。単騎でも見せるレースができたらと思ってたけどキツかった」

6R

選手の写真です。
山田庸平選手
 赤板過ぎに前団を押さえて出た早坂秀悟が、2コーナーで叩きにきた瀬戸晋作を突っ張ってそのまま先行態勢に入る。しかし、ライン3番手の開坂秀明は踏み遅れ、先に内に降りた山田庸平(写真)に迎え入れられて瀬戸が3番手に。そこを一気に吉田茂生が巻き返す。吉田は最終ホーム過ぎに早坂を捕らえるが、原真司は続けず、早坂を捨てた木暮安由、西九州コンビが吉田-皿屋豊を追う態勢に。最後は前をかばい気味に踏む皿屋の内を山田がズバッと突き抜けた。
 「(道中は)脚を使いましたね。そんなに余裕もなかったから(最後は)内に行った。外がきつくて。内には行きたくなかったんですけど。スピードがよかったとかではなく、前がタレていたので。昨日(初日)のレース後にセッティングを戻して体とバンクは軽かったけど、昨日の方が楽だった」
 番手絶好だった皿屋豊だが、木暮にも外を行かれて3着に。
 「思った通りにシゲちゃん(吉田)が行ってくれた。2人っていうのがわかってかばいながらでしたね。番手はなかなか慣れないですね。普段やっていないので判断が難しい。脚に余裕はあったし、もっとできることがあったかも。前回(19年1月の松阪記念)は挑戦者で、何もできずに終わった。2年前とは違うし(決勝へと)強い思いがある。無観客で、地元からも(開催前の)欠場があったり、苦しいけど、地元記念は地元が勝ち上がってナンボ。盛り上げられるように頑張る」

7R

選手の写真です。
宮本隼輔選手
 菅原大也が赤板1コーナーから先制。畑段嵐士-三谷竜生の近畿コンビが3、4番手に続くも、宮本隼輔(写真)が一旦その外に追い上げてからさらに踏み上げてホーム手前で菅原を叩く。前受けから下げた坂井洋も宮本とほぼ同時に巻き返すが、宿口陽一は畑段、三谷にからまれ、2角でまくり切った坂井に続けない。中団は近畿勢と宿口でモツれ、坂井を中四国コンビが追う態勢に。宮本は大きく空いた坂井との車間を徐々に詰めていってゴール前で逆転。連勝で準決勝へと勝ち上がった。
 「動けているので悪くないですね。宿口さんは離れないと思っていたけど、あの形になった。詰めて行く感じで仕掛けました。脚的には変わらないけど、モガけています。練習自体はあまりできなかったんですけど、休めたのが良かったのかな」
 後続がモツれたこともあってハイペースで飛ばした坂井洋は2着に粘り込んだ。
 「行くって決めてから全開で踏んでました。バックですごい向かい風だったので全開で行きました。ワンテンポ仕掛けが遅いですよね。もっと流れ良くササッと仕掛けられれば後ろも付きやすいのに。宿口さんが脚があるから、3着に入ってくれてよかった」

8R

選手の写真です。
堤洋選手
 山田諒と磯島康祐が同時に上がって先手を狙うが、内の山田が磯島を出させず赤板1センターから主導権を握る。浅井康太はアンコになるのを嫌って一旦、連結を外した後、2コーナーから追い上げていって山田と再ドッキングを果たす。前受けから山田の後位に入る形になった片岡迪之が引かずに浅井のところで粘ってくるが、最終ホームで踏み勝った浅井が番手を守る。しかし、浅井後位は中四国コンビが奪取。さらに1コーナーからは磯島がまくってくるが、後ろの動きににらみを利かせた浅井はギリギリまで待ってから抜け出して貫禄の1着。2着には西村をさばいて片岡を3番手に迎え入れた後、ゴール前では山田と浅井の中を割って出るガッツを見せた堤洋(写真)が入った。ベテランの味が光った一戦。
 「前々に踏んでくれた(片岡)迪之のおかげ。浅井のところまで行ってくれましたからね。(最後の4コーナーは)あそこしかなかった。浅井は持ってくるし、降りてもくるので。昨日があんな競走でどうなるかと思ったけど、今日はよかった。昨日の競走でアタリが出たのかも」
 3着に踏み止まった山田諒は浅井に感謝しきり。
 「『すみません』としか言えないレース。浅井さんが追い上げてくれたおかげだし、それだけなので。一人では駆けることもできないし、浅井さんに頼りっぱなしのレースになった。今日がこのレースだったので、明日は頑張る。準決は何回もあるけど、過去の最高は8着です」

9R

選手の写真です。
園田匠選手
 清水裕友が切った上を叩いて谷和也が先行勝負に出る。前受けから引いた高橋晋也は打鐘から反撃に出て最終1センターで谷をねじ伏せるが、息を入れる間もなく清水のまくりが襲う。清水の快速に別線勢は見る間に引き離され、一騎打ちの態勢からゴール寸前で清水を交わした園田匠(写真)が1着を手にした。
 「自分は後輪を見ているだけだった。清水君は位置取りにしても、相手に脚を使わせてから位置を取っている。付いていただけで何もしていない。ここは相性の良いバンクですし、自分に合っているバンク。気持ち良く走れています」
 園田には差されたものの、まくって上がりタイムは11秒2。清水裕友は納得のレースを振り返る。
 「想定した通りの展開で、タイミングを逃さず行けた。昨日よりもかなり良いです。今日の方が力が入った。セッティングをいじったけど大きくは変えていない。(宮本)隼輔が1着だったので気合が入った。あいつの復活は僕だけじゃなくて中国勢のみんなが嬉しい」

10R

選手の写真です。
平原康多選手
 赤板経過と同時に誘導を切った蕗澤鴻太郎が、伊東翔貴の上昇を許さずそのまま突っ張り先行に出る。中団は伊東をあきらめて内に降りた伏見俊昭と追い上げた中井太祐で取り合う。一方、後方でタイミングを整えた佐藤幸治は最終2コーナーからまくり発進。迫る佐藤-坂本健太郎をギリギリまで引き付けた平原康多(写真)だったが、2周先行の蕗澤はさすがに一杯で3コーナー番手まくりで応戦。中田健太は続けなかったものの、追いすがる佐藤らにセーフティーリードを保って平原が先頭でゴール。
 「蕗澤君のスイッチが入っていましたね。(前回の小田原記念の落車で)自分が万全ではない時に気持ちを入れて走ってくれた。佐藤幸治君がくるのが見えて、(蕗澤との)車間が詰まってきたので無理矢理踏んだ。昨日は新しいことに取り組んだけど、うまくいかなかったので、今日はセッティングを変えて断然よかった。(準決勝は)昨日より、今日修正ができたので、さらにマッチしていい走りができるように」
 平原には合わされたが、まくった佐藤幸治が2着に。
 「蕗澤君が突っ張ったので(想定していた)展開が変わった。中井君と伏見さんで中団が併走になっていたし、自分は脚がたまっていたので、行けるところで一発と仕掛けようと。感じよく踏めているし、準決勝はいろいろなパターンを考えながら決勝を目指す」

11R

選手の写真です。
小松崎大地選手
 赤板過ぎにまず佐伯辰哉が先頭に立つが、2コーナー7番手から竹内雄作が巻き返すと、反応よく小松崎大地(写真)も合わせて3番手から踏み込む。打鐘3コーナーでは竹内の主導権と変わるが、小松崎もソツなく3番手を確保すると最終2センターから一気にまくって出る。竹内との車間を切って待ち構えていた近藤龍徳だったが、小松崎のスピードが違ってなすすべなし。マークの守澤太志、その後位に追い上げた佐藤龍二の追撃を許さず、そのまま小松崎が押し切った。
 「相手が強いので、立ち遅れたくなかった。うまく動けて良かったです。後ろの守澤君の圧でしっかり仕掛けられましたね(笑)。修正点はあるけど、守澤君を振り切ったのは初めてだと思う。そういう意味では自分も成長しているのかな。でも、守澤君が援護してくれてるのも見えていたし、細かいところで立ち回りの失敗した部分をアシストしてくれた。さすがですよ」
 この日も2着でマークの決まり手が付いた守澤太志は申し訳なさそう。
 「小松崎さんが強かった。さばかれないようにしていたら脚が売り切れていました。しゃくられないようにとか、周りを気にし過ぎていました。1番人気が僕の差しでしたし、申し訳ない。2日間前を抜けていないので良いと言えないです。思ったよりも進んでいない。ギア板を換えたりとか、共同(通信社杯)に向けて色々試しているので」

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手
 初日特選を制して長欠明けの不安を一掃した郡司浩平(写真)が貫禄勝ち。レースは前受けの南関勢を、取鳥雄吾、清水剛志の順で押さえて出る。7番手に下がった郡司だったが、打鐘から取鳥が巻き返して主導権を奪う展開に対応して最終ホーム入り口から巻き返す。2コーナーで取鳥を捕らえた郡司には、中本匠栄のブロックを乗り越えた小原太樹、さらに大木雅也まで懸命に続いて出切る。完全に南関勢のペースで、別線勢は4番手に切り替えた中本が大木を交わして3着に入るのがやっと。小原の追撃を振り切った郡司が連勝で準決勝へと駒を進めた。
 「自分も(仕掛けるか)悩んでいたところで取鳥君が行ってくれて、付いていって緩んだところで仕掛けた。取鳥君が行って、行きやすくなったけど、今日は、どのタイミングでも行くことが大事だった。前半の出は昨日のレースと違って緩かったので余裕を持ってホームで仕掛けられたが、末は戻っていないというか、弱い感覚。最低限、決勝で、一走、一走、イチから積み重ねて走りたい。しっかりと力を出せるように」
 小原太樹が続いて神奈川ワンツー。2車単、3連単ともに1番人気での決着となった。
 「(郡司に)離れた。シッティングで踏んで行ってタイミングがずれました。力の差です。(飛び付いて)来るなら、自分のところかなと思っていたので構えて返せるようにと。(復帰戦の郡司は)全然、普通に強かったです。2日間マークで差せていない。抜ければ、もう一枚上の段階にいけるし、目指すはG1の決勝なので」

10R

選手の写真です。
清水裕友選手
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中本匠栄選手
 準決勝最初のレースは力の決着。初手で中団に構えた清水裕友(写真)に高橋晋也が併せ込んで赤板を通過すると、清水は無理せず後方に下がる。中団を奪った北勢の後ろに三谷竜生、山田諒の単騎勢も切り替えるが、山田は打鐘から一気に仕掛けていく。しかし、前受けの佐藤龍二に出させて番手に入る選択肢はなく、そのまま突っ張って先行態勢に入る。最終1センターで三谷がまくると、清水以下も続く。高橋がバック前まくりで応戦すると三谷は不発となるが、佐藤の掛かりがよくて高橋も出切れない。一方、2コーナーで三谷の外を踏み出した清水は次元の違うダッシュ、加速力。モツれる前団をあっと言う間に飲み込んでしまった。中本匠栄を従えた清水は3番手以下を大きく引き離して圧勝。
 「初手でインを切ってとかするよりも、下げてプレッシャーをかける方がいいと思った。昨日(二次予選)のデキがよかったので。(仕掛ける)タイミングもよかったですね。最近は自信がなかったけど、来る前の練習の感じがよくて、初日にあの仕掛けができたのがよかった。今回は自転車を変えてきて感触がいい。ハマっている感じです。タイムも悪くない。今年は記念の優勝がない。というか(3月当所での)ウィナーズの優勝だけなのでしっかりと優勝を狙って」
 清水の踏み出しに一瞬、口が空きかけながら盛り返して懸命に追った中本匠栄(写真)は6月別府以来の記念決勝。
 「清水が強すぎる。とんでもないスピードでした。どこまでいっても抜けないですね。あれに対応できるようにしないと。昨年の熊本記念準決勝で付いた時の印象が強かったんですけど、その時よりも全然強い。僕がいうのもおこがましいが、初速がよくなった。(自分は)共同(通信社杯)に向けて練習をやってきて、初日は体が重くてだんだん軽くなってきた。疲れも取れてきたので、(決勝も)形にはなるかなと」
 結局、高橋が佐藤をまくれず苦しい態勢となった守澤太志だったが、冷静に内に切り込むと最終2センターで小原太樹をすくって清水、中本を追う。前の2人との差は詰められなかったが、3着で優参とS班の面目を施した。
 「想定外の展開でしたし、(佐藤を)泳がせすぎましたね。高橋君の判断で仕掛けて行ってくれたけど、2人がすごいスピードだったので自分は3着をキープできるようにでした。(自転車に)乗った感じはあまりよくないんですよね。今回から部品を変えてきたんですけど、しっくりこない。でも戻すとかはないです。セッティングなりをいじってよくなるようにして、優勝ができるように」

11R

選手の写真です。
平原康多選手
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園田匠選手
 赤板過ぎに宮本隼輔が切った上を、打鐘で皿屋豊が叩く。宮本が中団に引く一方、坂井洋が3コーナー6番手から巻き返す。皿屋もペースを上げるが、坂井がホーム手前で叩いて最終主導権。平原康多(写真)、五十嵐力も続く。浅井康太は皿屋を見切って2コーナー過ぎに4番手に切り替えると、詰めた勢いを殺すことなく3コーナーからまくり追い込み。坂井の番手で車間を切っていた平原は2センターで外に振って浅井をけん制しながら踏み出していって1着で決勝進出を決めた。
 「坂井君の力なら出切れるのに仕掛けが遅かった。自分がカマすんだったら待てないです。そういうワンテンポ、ツーテンポのズレがラインで決まるかどうかってことになっている。力はあるし、きっかけ一つで化けると思うんですけどね。初日はこれからの競輪に対応できるように大幅にセッティングをいじって、それは良いものなんですけどまだ体が追い付いていない。2日目に変えて、変えたセッティングに体が馴染んできた」
 目標にした宮本が後方で不発に終わり、絶体絶命の状況に陥った園田匠(写真)だが、2センターから中のコースを伸びると、直線では車を外に持ち出して強襲。3着に届いた。
 「宮本君は(別線が)押さえた時に踏んで出させて脚を使わせていたし、しっかり仕掛けてくれた。自分はコースだけでしたね。感覚は変わらず良いです。厳しい番組の中で勝ち上がれてホッとしている」

12R

選手の写真です。
宿口陽一選手
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木暮安由選手
 赤板で郡司浩平が切った上を佐藤幸治ら九州勢が押さえて2コーナーに入るが、引いた郡司との外併走から宿口陽一(写真)が踏み出して打鐘3コーナーで先頭に。その上を小松崎大地が叩いて先行勝負に出る。狙い通り宿口が3番手をキープし、5番手に佐藤、郡司は8番手に置かれて最終ホーム。郡司は1コーナーからまくって出るが、宿口も2コーナーからまくる。小松崎も簡単にはまくらせなかったが、直線半ばで小松崎をねじ伏せた宿口が先頭でゴールした。
 「初手の位置は前中団でよくない位置だった。郡司君に先に仕掛けられたら終了なので。1回切りたいなと思ったら(3番手に入れて)展開が向いた。郡司君にかぶる前に仕掛けないとチャンスはないので行ったけど、小松崎さんも強いので半信半疑でした。ここに来る前に試行錯誤をしてきて、昨日平原さんにセッティングのアドバイスをもらって、自転車をいじったらよかった。試しながらの中で1着を取れたのは大きな収穫。(決勝は)平原さんの前で頑張る。平原さんは何でもできるので、自分のできることは限られる。一緒のレースを走るのは緊張するけど、いい形になってきた」
 2着は横並びの接戦となったが、宿口マークの木暮安由(写真)がきっちり確保。
 「(宿口が)打鐘で動いたことで勝ったかなって。しっかり仕掛けてくれてワンツーが決まったし、昔よりスピードがアップしている。タイトルを獲った同級生の背中を追えるように。(グレードレースの)決勝は久々。連日、競走も落ち着いているし上向き」
 8番手に置かれた郡司浩平は、宿口のまくりに九州勢の反応が遅れて口が空いたのが幸いした。1コーナーまくりで九州勢を乗り越え、最終バックで関東コンビに追い付く。さらに2センターで外を踏み出すと、前の2人は交わせなかったが、大森慶一や山田庸平との争いを制して3着に入った。
 「もうちょっと幸治さんが踏む想定をしていましたが、それは結果論なので、展開を読み違えた。尻上がりによくなればと初日から話させてもらっていましたが、1着じゃないけど、今日が一番でした。久々のレースで体の疲れはいつもと違うが、感じはよくなっている。松阪はいいイメージがあって、(一昨年の共同通信社杯優勝など)成績もいいと思う。3着までこれたのは相性のよさもあったかなと。最低限の決勝まできたので悔いのないように」