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まつさか競輪

MATSUSAKA KEIRIN

47#

検車場レポート

  • 3/24 Wed.  (前検日)
  • 3/25 Thu.  (1日目)
  • 3/26 Fri.  (2日目)
  • 3/27 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
山口拳矢選手
 一発勝負だった前回のルーキーチャンピオン(若鷲賞)を地元で制した山口拳矢(写真)は、ビッグ初出場の今シリーズでオープニングを務める。
 「(1レースの1番車が)まさか自分だとは。(前回は)最終バックでいい位置が取れたんで、あとは抜くだけっていう感じでした。(初めての松阪だけど)大垣に近いバンクだって聞いているので、いいのかなと。9車の競輪は(一発勝負のルーキーチャンピオンを除いて)3回目ですけど、前回の反省を生かせるようにしたい」
 近況白星がない伊藤颯馬だが、ビッグ初出場の今シリーズでどんな走りを見せてくれるのか楽しみだ。
 「(練習での)感じもいいんで、脚の仕上がりはいいと思います。(S級には慣れてきたけど)まだ9車立てには慣れてない。(ビッグ初出場で)着とまとめられるように」

2R

選手の写真です。
伊藤裕貴選手
 前回の広島GIIIの2369着から2週間以上空いた伊藤裕貴(写真)は、松阪バンクにも入り、地元のビッグに備えた。
 「(前回から)期間が空いたので、しっかりと乗ってきました。(ホームの)四日市がバンク改修で使えなくて、(松阪で)1日だけ皿屋(豊)さん、弟(稔真)と練習をしました。普段はそれほど気にはしないですけど、地元のGIIってことで(地元を意識して)やりたい」
 初めてのビッグだった昨年のウィナーズカップではいきなりの優出。決勝も3着と機動力をアピールした高橋晋也
 「前回はフォームとかを変えようと思って、ちょっとそっちに意識が行きすぎた。去年のウィナーズカップから考えると、1年たって心の余裕とかも出てきて、それが今の成績につながっているんだと思います」

3R

選手の写真です。
古性優作選手
 一次予選は同地区の稲毛健太に前を委ねる古性優作(写真)は、メンバー、展開に応じてなんでもできるだけに強力なタッグだ。
 「しっかりと練習はできました。(前回は)何台か(フレームを)持ってきてたんですけど、今回は1台だけです。自分は稲毛さんの後ろで頑張ります」
 前回の福井FIの662着からフレームを戻す中本匠栄に変わり身がありそうだ。
 「(前回は)ここに向けて調整なしとフレームを新車にした。それがダメだったので、(前々回の)川崎のに戻します。(連係する)河端(朋之)さんはスピードがすごいんで、それを生かしたレースをしてくれればと思います」

4R

選手の写真です。
岩本俊介選手
 岩本俊介(写真)は、前回の広島FIの112着で感覚をつかんでシリーズを迎える。
 「いつも通り中村(浩士)道場で練習をしてきた。(前々回の)西武園の時はまったく調子が良くなくて、これはまずいなっていうのがあった。だけど、広島で戻った。今回は(GIIで)レベルが違うけど、しっかりと走れるかと」
 全日本選抜以来、およそ1カ月ぶりとなる稲川翔は、コンディション面でも問題はなさそうだ。
 「(欠場した豊橋は)体調面での不安があったので、ちょっと大事を取らせてもらった。それが落ち着いてからは、毎日の練習メニューを淡々とこなした。やることを全部できて、ここに入ってきた」

5R

選手の写真です。
森田優弥選手
 森田優弥(写真)は落車失格を喫した平記念を挟んでFIを連続V。平を合わせたここ3場所で7勝の固め打ち。
 「(前回から中3日は)まったく問題ないです。(平の落車の)怪我も大丈夫だし、ちょっとケアを多めにやってきた。(相手が)強いのもわかっているし、油断せずに」
 前回、広島で行われた地元記念で、取鳥雄吾はオール連対。決勝は惜しくも準Vに敗れた。
 「(前回が終わってから)次の日から練習を初めて、気持ち的にも玉野記念と同じくらいでこられているかなと。全日本選抜で(体が)動かなかったぶん、玉野記念で動いてくれるかなっていうのはありました」

6R

選手の写真です。
松本貴治選手
 近況はコンスタントに勝ち星を積み重ねている松本貴治(写真)は、位置取り重視の組み立てで進境を見せている。
 「しっかりと時間があったんで、練習もケアもできました。(松阪は一昨年9月以来2度目で)ここは風が強いなって気がしました。(初日は)自分のラインが3車だし、(ラインの)車番もいいですね」
 ビッグ初出場にも小原佑太は、気おくれしてない様子で淡々としたもの。
 「ナショナルチームでずっと練習をやっていたので、ちょっと疲れが残っている。ただ、それはいつものことなので、(このあと)しっかりと調整したい。(初めてのビッグでも)自分でも驚くほど緊張はしてない。いつも通りの感じで楽しみながら走りたい」

7R

選手の写真です。
太田竜馬選手
 太田竜馬(写真)は前回の松山FIで3連勝の完全V。今年初優勝でリズムをつかんでいる。
 「前回と変わらんか、それよりちょっといいかなっていう感じです。ここのバンクも嫌なイメージはないし、普通ですかね。あとは流れのなかでしっかりと判断をして勝てるように」
 2月の高松記念で落車に見舞われた山田涼は、1カ月半以上ぶりの実戦が初GII。
 「(落車で)右ヒザの上の部分にヒビが入って、じん帯も部分損傷してキツかった。しっかりとモガいたのは2週間くらいいです。自分のやれることをしっかりとやって、力を出し切りたい」

8R

選手の写真です。
松井宏佑選手
 松井宏佑(写真)は前回の地元、全日本選抜では優出を逃すも2勝をマークした。
 「ここに向けて仕上げてきたわけじゃないけど、競技のトレーニングでしっかりと仕上げてきた。内藤(秀久)さんとは何回も連係したことがあるし、自分も(高いレベルで)なんとなく走り方がわかってきた」
 2月の奈良記念の落車で鎖骨骨折を負った吉澤純平の状態はどうか。
 「鎖骨を手術して、休んだのは1週間くらい。練習も徐々にやって、脚の方は問題ない。(初日は)雨谷(一樹)君の後ろ。(自力でやるより)後ろのj方が緊張しますね」

9R

選手の写真です。
深谷知広選手
 前回の全日本選抜で郡司浩平の地元Vに大きく貢献した深谷知広(写真)は、諸橋愛、小林大介の上越勢とラインを組む。
 「(静岡に移籍して)まだ2場所しか走ってないけど、マーク選手と違ってやることにそれほど変化はない。あとは一戦、一戦の自分の走りをして、そのなかで結果、勝てればいい」
 きっちりと仕上げてきた諸橋愛は、状態も悪くなさそうだ。
 「山梨の境川に3泊4日で合宿に行って、バンクでも乗れたし、思うような練習ができて良かった。体調的にも悪くない。ここはクセのないバンクで走りやすいですね」

10R

選手の写真です。
浅井康太選手
 前回の大垣記念の決勝では1位入線も失格の浅井康太(写真)。地元シリーズだけに仕切り直しで、寺崎浩平の番手からシリーズのスタートを切る。
 「(大垣記念は決勝が失格で)残念でしたけど、ここに向けて調整をしてきたつもりです。大垣の感触ではあまりいい体調、いい脚の感触ではなかった。そのなかで勝てたのは大きなことですけど、(今回は)それ以上に周りは仕上げてきてるっていう感覚をもっている。GIIと記念は別のものだと思って今回は仕上げてきました」
 9車立ての競輪でも結果を残している北津留翼は、単騎を選択して一撃にかける。
 「(前回のあとは)いつも通りトレーニングしてきました。(状態は)変わらずいってます。(好調の要因は)自転車を乗り換えたことだと思います。去年の夏前くらいから乗り換えて、徐々に良くなってました」

11R

選手の写真です。
松浦悠士選手
 前回の広島GIIIを2121着で優勝を飾った松浦悠士(写真)は、指定練習を終えて好感触を得ている。
 「思ったよりも仕上がりが良くてホッとしている。疲れが抜けないかなっていうのがあったんで良かった。(前回の優勝は)広島で行われたっていうくらいで、正直、お客さんの前で走りたいって言うのが一番の目的。そこは広島で勝てたことは良かったですけど、ちょっと複雑な…。広島のお客さんの前で走りたいって言うのが、(毎年言っている)広島記念を走りたいっていうことなんでね」
 近況番手回りも増えてきた吉田拓矢は、蕗澤鴻太郎の後ろで勝機を見出す。
 「(前回のあとも)やりたい練習がしっかりとできたんで問題はない。(前回は新車だったけど)帰ってから、(セッティングなどを)変えたりしていい方向にいっていると思います。(松阪は)風が強いイメージがあるけど、悪い感じはない。(初日は)蕗澤君の後ろに付かせてもらって頑張ります。(人の後ろは)自力よりも緊張します」

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手
 地元の全日本選抜で2度目のタイトルを奪取した郡司浩平(写真)は、続く大垣記念を9216着。大垣ではらしさを欠くところもあった。
 「前回が終わってからまた仕切り直してと言いますか、自転車とか、ほかにもいろいろと見つめ直した。(動きが良くなかった前回よりも)自分のなかでも、少し安定してきたかなっていうところはあります。でも、やっぱりレースを走ってみないと、こればっかりはわからないです。(変えた部分は)ハンドル周りだったり、サドル周りとか。シューズに関してもそうですけど、できることはいろいろとやっています」
 昨年の寬仁親王牌が補充だっただけに、眞杉匠にとってはこれが正規配分でのビッグ初出場。初日特選は平原康多の前で迷いなく攻める。
 「(前回のあとは)街道とバンク。あと山梨の方で練習してきました。充実した練習ができました。初日特選を走れるので、楽しみに来ました。(初日は)しっかり主導権を取れるように頑張りたいです。(平原の前は)緊張します。(平原と)2人で(確定板に)入れればいいと思います」

1R

選手の写真です。
園田匠選手
 河合佑弥、伊藤颯馬の順で動いたところを、根田空史が叩いて主導権を握る。番手の中村浩士が口が空くと、根田を追いかけたのは伊藤。車間を詰める勢いで追い込んだ伊藤に続いた園田匠(写真)が、直線で中を鋭く伸びた。
 「伊藤君とは良く連係もしていたし、9車でも冷静に立ち回ってくれました。後ろから来てる感じもあったし、後ろに大坪(功一)さんもいたので(踏んだ)。FI戦の7車は(成績)悪いけど、脚の感じは問題ないし、セッティングとかもいいまま。グレードレースの9車がいいですね」
 ビッグレースの1レース1番車で人気を集めた山口拳矢は、経験不足を痛感。
 「前を取ったのが一番の原因ですね。早く寝て調整をしてきたんですけど…。バックで踏んだ時に進まなかったですね。そこまでに脚を使っていた。FIの決勝がずっとある感じで気を張っていないといけない。9車も走り慣れていないので経験不足ですね。そればかりも言っていられないんですけど」

2R

選手の写真です。
高橋晋也選手
 中近ラインが赤板2コーナーで先頭に立つも、高橋晋也(写真)は間髪を入れずに反撃に出る。それを察知した南潤がペースを上げて、4番手に入りかけた高橋だったが、さらに踏み上げる。最終ホームで高橋が叩いて、北日本3車が出切る。切り替えた伊藤裕貴は、自力に転じて前団に迫る。ゴール前の勝負は、北日本勢に中部の2人が加わり5車が横一線。後続を振り切った高橋が、ギリギリで踏ん張った。
 「4番手にはまって一瞬ブレーキがかかった。だけど、そこじゃダメだと思って、すぐに行きました。そこからは出られるってわかったんで、落ち着いていきました。脚的にもすごくいいかなと。いつも練習している通りに走れたんで、このまま心の余裕をもちながらいければと思います」
 最終3コーナーからまくり追い込む伊藤に乗った川口公太朗が、外を伸びて2着。
 「(南)潤があんなに踏むとは思ってなかったんで、自分も口が空いた。でも、余裕はありました。そのあと(伊藤)裕貴が行ってくれた。その頑張りがあるんで、本当にありがたい。ただ、自分はそんなに伸びているっていうのがなくて、フレームが重たい感じがあります」

3R

選手の写真です。
小林泰正選手
 河端朋之が赤板の2コーナーから一気に踏み込んで主導権を取る。このラインを追いかけて4番手を確保した小林泰正(写真)が、最終2コーナーから力強くまくって金星をゲット。昨年の福井でのウィナーズカップに続いて1着スタートを決めた。
 「自分としては先に切らないと、本来は重なるところ。近藤(隆司)さんのヨコが甘くて、たまたま入れた。展開が向いた。あんなすんなりだったのに、思いっ切りいいのが欲しかった。昨年も1着スタートだったけど、2日目に失格をしている。今回は4日間で2回はバックを取りたい」
 古性優作は稲毛健太が不発の窮地になったが、冷静に状況を見極めて自らまくる。
 「(稲毛が)1コーナーでフワフワしていたので状況を見てからでした。3コーナーのあおりで車輪が飛んで伸びなかったけど、感触は悪くない。1カ月半あっせんが止まっている間にやりたいことが全部できたし、納得できる状態。それを(前回の)大垣で試すこともできたし、今回はフレームを1台しか持ってきていない。悩みがない状態です」

4R

選手の写真です。
岩本俊介選手
 赤板の2コーナー過ぎから仕掛けた坂井洋が、最終ホームで主導権を奪う。坂井の動きに反応できなかった岩本俊介(写真)は、7番手に置かれる。後方の岩本は2コーナーから踏み出すと、抜群の加速力で別線をのみ込んで和田真久留とのゴール勝負を制した。
 「9車立てでみんな動けるから、(スタートで)前を取ると必ず後手になる。だから前は避けたかったんですけど…。そのあと(坂井ラインには)ちょっとスイッチできなかったですね。GIIになると全体のペースも速いし、道中も脚を使う。それでも今の自分にとっては、その方が仕掛けやすい。(前回)広島でだいぶ走れる感覚があったけど、まだ半信半疑だった。でも、(初日走ってみて)悪くないです」
 岩本のスピードにしっかりと対応した和田真久留が2着に入って南関ワンツー。
 「(岩本の)スピード感が良かった。自分は前に稲川(翔)さん、阿部(力也)さんがいるんで、余裕はあったけど、1人1人確認しながら抜いていきました。番手の経験が少ないから最後の間合いがうまく取れなかったけど、脚は自力でも勝負できる感じです」

5R

選手の写真です。
山本伸一選手
 赤板過ぎに切った飯野祐太を藤井栄二がすかさず押さえて逃げる。5番手以降は森田優弥が取鳥雄吾を警戒して車間が開く。詰める勢いで最終2コーナーから仕掛けた森田に合わせて山本伸一(写真)が番手まくりを打った。
 「(藤井)栄二がいい競走をしてくれた。なんとか残したいと思ったけど、森田がいいスピードで来たので出る形になった。半車出られたけど、巻き返しているので調子は悪くない」
 最終4コーナーから空いたコースを突いた阿竹智史が2着に強襲。
 「(取鳥)雄吾も脚を使ってなかったし、付いていって外を踏もうと思ったけど、スピードをもらう形になってたまたまコースが空いて入っただけ。(川崎の落車で)首がひどかったので、練習ではまったくだったし、間に合ったような、間に合ってないような」

6R

選手の写真です。
東口善朋選手
 打鐘前に出た小原佑太が、そのままペースを上げて先行策。7番手の松本貴治が4コーナーから巻き返すが、3番手をキープした中井太祐が最終1センターから合わせて出る。和田圭のブロックをこらえた中井がまくり切ると、その外を伸びた東口善朋(写真)がゴール寸前で交わした。
 「自分が(松本を)振ったら、(中井)太祐も調子がいいのか前に踏んだ。それでちょっと口が空きましたね。あとは僕も余裕があったんで、太祐のことを見て踏みました。(ラインでの)ワンツーだったんで最高です」
 細切れ戦できっちり3番手をキープした中井太祐が、まくりで逃げる小原を仕留めた。
 「あの位置(3番手)が欲しかったんで、そういう展開をつくれて良かった。(最終)2コーナーから仕掛けられてるんで状態はいいと思います」

7R

選手の写真です。
香川雄介選手
 赤板過ぎに黒沢征治と接触した人気の太田竜馬が落車のアクシデント。山田諒が逃げて、黒沢がすんなり3番手に収まる。目標の太田を失った香川雄介(写真)が5番手に切り替える形で打鐘、最終ホームを通過。黒沢が車間を詰める勢いで一気にまくり、松谷秀幸が続く。その後ろで溜めていた香川が直線外を鋭く伸び切った。
 「太田がコケて、アッと思ったけど、黒沢の3番手だったので、頭を切り替えた。太田がいなくなって、黒沢の3番手なら本線だなと。太田には申し訳ないですけど。黒沢がまくり切って松谷が内に差していたので、黒沢を目がけて踏んだら伸びた。(前回の落車で)今回は新車で思った以上に伸びた。まくりの3番手からですからね」
 まくった黒沢征治は末を欠いて3着。太田と接触のアクシデントで脚を使っていたようだ。
 「太田君に当たってバックを踏んだし、脚にきていた。立て直すのが遅くなりました。山田君が掛かっていてキツかった。自分の展開だったし、ワンツーを決めたかったです。松谷さんと一緒に勝ち上がれたので最低限ですね」

8R

選手の写真です。
内藤秀久選手
 7番手で前団との車間が大きく空いた松井宏佑は、打鐘の3コーナーで仕掛ける。逃げる嘉永泰斗も懸命にペースを上げるが、松井がねじ伏せて最終2コーナーで出切る。武井大介は付け切れず、内藤秀久(写真)だけが続いて、田中誠が3番手に切り替える。人気の神奈川コンビでの決着かに思われたが、松井は直線で失速。番手の内藤は1着も悔しさをにじませる。
 「(別線が切り替えて)後ろがどうなっているかは、わかってました。自分は締めながら回ってたつもりだけど、田中君に入られてしまった。もっと車間を空けるなり、器量が自分にあれば。(落車明けだけど)鎖骨は正直、自転車に関しては関係ないのかと。今日(初日)の1走目は若干、レース勘がズレているのかなっていうのがあった」
 田中が神奈川勢の間を突いて、外を踏んだ坂本健太郎が伸びて2着。
 「前の2人がやることをやってくれたおかげですね。自分はやっと練習に身が入るようになってきて上向きつつあります」

9R

選手の写真です。
山田久徳選手
 前受けから7番手まで下げた深谷知広が、赤板の2コーナーから巻き返して主導権を奪う。鋭い踏み出しに諸橋愛は口が空くも、追いついて番手をキープ。深谷が軽快に駆けるが、中団の内に包まれていた石塚輪太郎を見切って最終バック前から自力に転じた山田久徳(写真)が、直線外を鮮やかに突き抜けた。
 「(石塚は)いつも頑張ってくれるので、信頼して付いていた。2コーナーで内に詰まっていたので無理かなと思って判断をしました。深谷が宮本(隼輔)を合わせていたから回しどころでしたし、隠れて行った。踏んだ感触は良かったけど、途中までは番手でしたからね」
 山田の強襲に屈した深谷知広だが、持ち味の先行勝負で2着に粘った。
 「早めの先行を考えていたのでその通りになってマイペースで踏めた。いい先行ができたと思う。(状態は)雨だったので良くわからない部分はあるけど、先行して残れているので悪くない。(二次予選に向けて修正点などは)これから考えます」

10R

選手の写真です。
寺崎浩平選手
 野口裕史が先行態勢を取り、前受けの寺崎浩平(写真)は3番手に飛び付く。6番手で反撃のタイミングをうかがっていた新山響平は、打鐘を通過して2センターで踏み込む。新山の勢いがいいが、北日本勢に続いた門田凌もその上をまくる。かぶっていた寺崎は、ようやく最終3コーナーからまくり気味に追い込む。門田をゴール前でとらえた寺崎が、追い込みで勝ち星を挙げた。
 「直線が長いし、脚的には届く自信があったけど、内容はあんまりですね。こういう大きいレースでああいう展開が初めてで、後手後手になってしまった。(前回とは違う自転車だけど)フレームはいい感じ。もうちょっと調整する部分もあるけど。明日(2日目)はしっかり自力を発揮したい」
 浅井康太はタッグを組んだ寺崎の仕掛けをギリギリまで待って、付け直す好プレーの2着。
 「僕たちが後方に構えてジャン過ぎの勝負かと思ったけど、寺崎君がいい判断で3番手を取り切ってくれた。中部勢が少ないなかで、近畿が前で頑張ってくれるのは大きなこと。しっかりと信頼関係を築けるように。自分はいつもの初日よりもいい感触で踏めているし、しっかりと状況判断ができている」

11R

選手の写真です。
山田英明選手
 打鐘で飛び出した蕗澤鴻太郎が、緩めることなく駆ける。3番手に上田尭弥が入り、松浦悠士は5番手。松浦後位は3コーナー過ぎに内をすくった渡邉一成が奪取する。逃げる蕗澤との車間を空けた吉田拓矢は、後続との間合いを取って最終バック手前から出る。2コーナーからまくっていた松浦にいつものスピードがない。上田はいっぱいで山田英明(写真)はインから吉田を目標に踏み込む。押し切り図る吉田を山田がとらえて1着。
 「上田君のおかげですね。(普段の)上田君のレースを見ていて、中途半端な選手じゃないし言うことはない。ただ、あれで外を行っても(1着は)ないし、シビアにいかせてもらった。脚を使ってなかったんで、久しぶりに楽な展開でした」
 番手まくりで2着の吉田拓矢は、果敢に攻めた蕗澤を称えてこう振り返る。
 「(蕗澤は)絶対に行くって言ってくれたんで、その気持ちがうれしかった。あそこまで行ってくれたんで1着を取りたかったけど、僕の力不足で申し訳ない。ただ、前回よりも調子がいいんで、自転車がマッチしている」

12R

選手の写真です。
清水裕友選手
 大方の予想通り眞杉匠と大石剣士で打鐘前から踏み合い。しかしながら、平原康多のけん制もあって、外に浮いた大石は早めに力尽きる。最終2コーナー手前で郡司浩平が自力に転じてまくり、清水裕友(写真)が追いかける。鈴木裕は連結を外して後方。逃げる眞杉の番手から出た平原を郡司がとらえるが、清水が直線で楽に抜け出した。
 「(眞杉と大石で主導権争いになると思ったけど)思ったより大石君は行ってなかったというか、中団くらいで併走になってた。そこでちょっと郡司さんとかぶってヤバいなと思った。でも、そのあとに郡司さんが外を仕掛けたんで、うまくスイッチできました。(脚の感じは)ちょっと重たかったんですけど、展開にも助けられて1着なので悪くないと思います」
 外に浮いた大石が後退すると、郡司浩平がまくりを打って前団を沈めた。
 「踏み出した感じは、自分のなかでは前回よりはいいです。(大石)剣士もちょっと力尽きたような感じで、自分もどうしようかなってところだった。自分で行かなきゃ(ライン3番手の鈴木)裕さんにも迷惑を掛けちゃうかなと。(平原の番手発進に)半車前に出られたので。最後踏み勝てたかなってくらいで、展開的には自分も苦しかった」

6R

選手の写真です。
山口拳矢選手
 打鐘の3コーナーで出た中部コンビの上を、大石剣士が最終ホーム手前で叩いて先行策に出る。山口拳矢は3番手を確保して一本棒。バックを迎えても別線は動けず、7番手の原田研太朗は不発。菅田壱道は3コーナーでインを突く。逃げる大石の番手で絶好の内藤秀久がけん制しながら追い込むが、その外をシャープに伸びた山口拳矢(写真)が、ビッグ初出場の今シリーズで2日目に勝ち星を飾った。
 「(大石が来て、出させるか突っ張るか)ちょっと迷いながらって感じでした。出す予定ではあったんですけど、もうちょっと早く来ると思った。来た時点で2車なのはわかったので冷静に。あとは自分が届くところからと。(最終)3コーナーくらいから行きたかったけど、だいぶ波をくらって苦しかった。今日(2日目)は作戦通り走れたんで、9車でやっと初めてうまく走れました。ただ、慣れたというより、たまたまうまくいった感じです」
 山口こそ阻めなかった内藤秀久だが、ラインの大石とともに準決に進んだ。
 「大石君の強さですよね、それに尽きます。風の強いなかで大石君が走りやすいように伸び伸びやらせてあげようと思っていた。自分の動きは問題ない」

7R

選手の写真です。
岩本俊介選手
 赤板の2コーナーで松川高大を叩いた新山響平が主導権を握る。打鐘の2センターで6番手から早めの反撃に出た吉田敏洋は新山に合わされるが、前団の混戦を岩本俊介(写真)が一気にまくって最終バックで先頭に立つと、そのまま後続の追撃を振り切って人気に応えた。
 「思った以上に重くてみんなキツかったと思う。吉田さんの仕掛けはさすがですね。あそこではなかなか仕掛けられない。(自分は)瞬時に判断してスイッチできた。このレベルになると、判断が大事で命とりになりますからね」
 鈴木裕は、岩本のまくりに微差まで迫った。
 「ワンツーでうれしい。強い風で脚が溜まらなかったです。(岩本は)無理やりですごい。仕上がりはいいと思いますよ。新山をまくっているし。(自分は)いいとは思うが、岩本君ほどじゃない。もう少し詰められる気がする。体の使い方の部分ですね」

8R

選手の写真です。
古性優作選手
 上田尭弥と小林泰正で踏み合っているところを高橋晋也が打鐘の2センターで叩いて風を切る。しかしながら、赤板1コーナーで竹内智彦が落車に見舞われて、北日本勢は2車。3番手には踏み勝った小林が入って最終回へ。前団の様子をうかがいながら中団まで押し上げた古性優作(写真)は、2コーナーから仕掛ける。逃げる高橋をスピードの違いでとらえた古性が1着。
 「展開一本ですね。今日(2日目)換えたところがあったんですけど、初日のに戻そうと思います。思ったより進んでなかった。自分の踏んだ感じでは、(最終)ホームくらいから(仕掛けて)行きたかった。(2日目は)流れなかったけど、戻したら初日くらいは走れると思います」
 椎木尾拓哉が流れ込み、離れた3着には逃げた高橋晋也が踏ん張った。
 「ちょっと長かったけど、出られて良かった。あとは(風が)軽いところだけ上げて、強いところはキープするような感じでした。自分だけ残ってしまったんで、ラインには申し訳ないです」

9R

選手の写真です。
北津留翼選手
 打鐘付近で和田健太郎、蕗澤鴻太郎、東口善朋が落車するアクシデント。先行態勢に入っていた深谷知広は、そのまま主導権を握って佐々木雄一が追いかける。北津留翼(写真)は佐々木を追った山田久徳を目がけて最終バック前から仕掛けると、吸い込まれるようにまくり切った。
 「(落車のアクシデントで)レースがぐちゃぐちゃになった。風が急に吹くし車間がなくなってしまうので、そうなってしまいますよね。山田久徳選手が(前に)入って追い付く形ができたのがポイントでした。オーバーワーク気味で来たので、昨日(初日)より今日(2日目)の方が良かった」
 連日、力強い先行を見せている深谷知広が2着に逃げ粘る。
 「風が強かったのと、追いつくのを待ってから踏んだぶん、自分のペースではなくいっぱいになった。行くタイミングは悪くなかったのでそのペースが反省点。勝ち上がっているので、チャンスはある場所にいられる。(自転車とのマッチは)100%ではないが、レースごとが大事ですから。(準決も)自分の力を出して頑張りたい」

10R

選手の写真です。
平原康多選手
 前受けから近畿勢を受けた黒沢征治が、3番手から踏み込んで打鐘で出る。山降ろしで加速した黒沢に4番手の中井太祐は置いていかれ、関東ラインの3人で大きく後続をちぎる。最終2コーナーで6番手の阿竹智史が踏み出すと、稲川翔が自力に転じて合わせる。4コーナーでようやく関東勢に稲川が追いつくが、番手の平原康多(写真)が余裕をもって抜け出した。
 「黒沢はこの風のなかでも、掛かりは良かった。(ラインが)3人だったんで残るかと思ったけど、最後の向かい風でタレましたね。昨日(初日)は郡司(浩平)に対して反応がツーテンポくらい遅れて、自分の判断ミスでした。それを生かして今日(2日目)はやったつもりだし、(初日が)終わったあとセッティングを見直して今日の方がだいぶ安定してきた。昨日は力が抜ける感じがあったけど、今日は伝わる感じがあった」
 中井の余力を見極めて最終2コーナーから前に踏んだ稲川翔は3着。
 「阿竹さんが来た時に、かぶるとどうしようもないので(自分で踏んでいった)。(前が)遠い上に風もキツかった。それでもとらえられるかと思ったけど、平原さんも余裕があった。(一戦、一戦)集中することだけを考えて、そうすれば力が出せるっていうのはあります」

11R

選手の写真です。
諸橋愛選手
 打鐘の3コーナーで飛び出した野口裕史が、ハイピッチで駆ける。3番手をキープしていた眞杉匠が松浦悠士に合わせて最終バック前からまくる。和田真久留がこれをけん制しながら早めに追い込むが、諸橋愛(写真)が内をすくって鋭く抜け出した。
 「(眞杉は)赤板から誰も出させない気迫を感じていた。バックも行ってくれたけど、まくれるスピードではないと思って、あとはコースだけと。誰かに内に行かれる前にと思って内に行った。今日(2日目)は天候が(強風で)僕向きでしたね。(初日に)1走してレース勘が戻っていますね」
 打鐘の4コーナー、8番手からロングスパートに出た松浦悠士は眞杉に合わされながらもしぶとく3着に入った。
 「脚に上積みはあったけど、昨日(初日)のレースが脳裏をよぎって内に行ってしまった。もう少し早くに仕掛けて行ければ。上積みがかなりあったのでそれで何とか(準決に)上がれた。体調面はいいので力が出ない感覚はない」

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手
 郡司浩平(写真)を赤板で突っ張った寺崎浩平が、そのままペースを握る。郡司は3番手に降りて、5番手で清水裕友と単騎の山田英明が併走して打鐘を通過する。8番手でじっくりと溜めていた浅井康太が4コーナーから仕掛けると、外併走から山田も最終ホーム手前で踏み込む。3コーナーで山田が逃げる寺崎をとらえるが、その上を浅井がまくり切る。浅井に切り替えるように外に持ち出した郡司が追い込んで1着。
 「結果オーライだったけど、ヒデさん(山田)が追い上げる前に踏んでいかなきゃいけない。情けないですね。(脚の)感じは悪くない。ただ、展開の読みだったり、流れをつかみ切れてないところがある。余裕がないってわけじゃないけど、もうちょっと周りを広く見られるように」
 単騎ながらも打鐘4コーナーから踏み込んだ浅井康太は、内容のある走りで2着。地元でしっかりと魅せた。
 「(単騎でも)どこかで仕掛けようと思ってた。ヒデさんが外併走からまくると思ってなくて、ヒデさんよりも先に仕掛けようと。自分のなかではもう少し欲しいけど、(初日が)番手で(2日目に)自力を出せて、両方の感覚がわかった」
 大外をまくり追い込みで強襲した清水裕友が3着。
 「単騎だったけどヒデさんを入れたらっていうのがあって、そこにはこだわった。そのあとヒデさんが行った時にすかさずスイッチできたら良かった。自分が踏んで行ったのが(最終)3コーナーだったんで、上りで苦しかった。ただ、それでも踏み負けずに吉田(拓矢)君を越えられたんで、(脚の感じからは)勝負になるかなって思います」

2R

選手の写真です。
根田空史選手
 周回中は7番手にポジショニングした根田空史(写真)が、赤板過ぎに南潤を押さえてペースを握る。4番手に宮本隼輔が続いて、単騎の河合佑弥は7番手。南は後方まで下げて打鐘を迎える。別線の動きを警戒しながら根田は、最終ホーム目がけてペースアップ。武井大介は根田の踏み出しにいっぱいで離れる。4番手から宮本がまくるが差は詰まらず、4車身の差をつけた根田が逃げ切った。
 「南君が前を取りにいったんで、それだったらととっさに(周回中は)後ろでと思った。宮本君に切られるとめんどくさいので、そこだけ気をつけていた。(2日間)新車の感覚があんまり良くなくて、昨日(2日目)はずっと引きずっている感じだった。(3日目は)別の種類のチェーンに換えて、それで半コマ詰めたら別の自転車みたいに軽くなった」
 中団から最終2コーナーでまくった宮本隼輔が2着。
 「(4番手だったんで)それだけですね。あとはもう自分のタイミングで行きました。(武井は)車間を空けてるのか思った。自分の感覚としては全然ですけど、ボチボチやります」

8R

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取鳥雄吾選手
 赤板2コーナーから仕掛けた取鳥雄吾(写真)は、3番手に切り込むように関東コンビの内をすくって打鐘の2センターで先頭に立つ。5番手に立て直した小林泰正が最終2コーナー手前からまくるが不発。山田は3コーナーからインを突いて、後続がもつれる。風を切った取鳥が、二の足で踏ん張って押し切った。
 「外を行きたかったけど、小林君もかなり踏んでいた。それで内に行きました。あとは香川(雄介)さんが(後ろに)いるのがわかったんで、(最終)4コーナーまで先頭でいければと。出し切れて入るけど、連日内に行ってるんで情けない」
 最終バック8番手から外を強襲した新山響平は3着まで。
 「(打鐘前に)1回ブレーキをかけて勢いが止まった。結果的にまくり追い込みになってしまって、飯野(祐太)さんには申し訳なかった。直線が長いんで伸びるとは思ったけど、1着までいきたかった。今回は新車を使って、その感覚が日に日に良くなってる。2日目に(セッティングを)変えて、それでバッチリ出た。脚も新車に合ってきてるし、もっとそうなればもうちょっと自信をもって先行できると思う」

9R

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松本貴治選手
 野口裕史が黒沢征治を打鐘で叩いて主導権を取る。3番手から仕掛けた黒沢は松谷秀幸に止められるが、その上を山本伸一がまくり上げる。山本のスピードをもらった松本貴治(写真)が大外を強襲した。
 「赤板で切って踏んでと思ったけど、よくわからんようになって8、9番手になった。(最終)ホームで行ける感じはあったが、初日とかもそうだったけど、踏んでも出ない感じがあった。そのうちにどんどん掛かっていって、山本さんの仕掛けに乗っていく感じになった。余裕はあるんですけどね。フレームが潮時なのかもしれない」
 山田久徳との連結を外してしまった山本伸一だが、最終バックから自力に転じて2着に入った。
 「難しかったですね。(山田)久徳が入っていって、付いていかないといけないんだけど、(阿部)力也と併走しているよりはと。久徳が仕掛けると思ったので、分断されている以上、それより先に行けない。久徳の様子を見てから仕掛けた。脚を使ってなかったので伸びましたね。脚は十分戦える状態です」

10R

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守澤太志選手
 北津留翼が切った上を北日本コンビが出て、赤板2コーナー手前で高橋晋也は早くも先行態勢を取る。3番手で北津留と重なった山口拳矢が仕掛けるが、高橋が突っ張って主導権をキープする。守澤太志に張られた山口は後退して、3番手で浅井康太と併走。6番手の大石剣士が、最終2コーナー過ぎにまくるが不発。浅井は3コーナーから外に持ち出し、中を突っ込んだ鈴木裕が落車。アクシデントをしり目に番手絶好の守澤太志(写真)が、高橋を差し切り北日本ワンツー。
 「あれで出させてしまうと後手後手になってしまうんで、(高橋)晋也君がいい先行をしてくれた。(最終)ホームで確認したら、真後ろに浅井さんがいて、外に山口君が追い上げる形で(自分たちには)いい展開だった。浅井さんが(単独で)3番手だと軽くまくられちゃうと思った。僕は楽をさせてもらったし、晋也君が本当に強かった。全日本選抜の準決は自分だけになっちゃったんで、晋也君と上がれて良かった」
 迷いなく積極策に出た高橋晋也が、昨年のウィナーズカップ以来のビッグ優出を遂げた。
 「ホッとしました。先行するって決めてたんで、(先頭に出たら)もう出させないつもりでした。あとは守澤さんが全部さばいてくれると思って安心して駆けました。この1年間、いろいろ悩むこともあったけど、先輩方に助けられた。それでまた(ビッグの)決勝で戦えるってことは成長しているのかと。(決勝は)落ち着いて出し切れるように。楽しみたいですね」
 北津留に託した山田英明だったが、最終バックで9番手。内を進出すると落車を最内に避けて、木暮安由との3着争いを微差で制した。
 「(最終)ホームのところはどうするべきだったのか、正解がわからないですね。北津留君は調子がいいし、信頼して我慢しようと。自分が動かない以上は展開も人任せになるし、あとは今後のためにも落ち着いてと思っていた。ちょっとずつ自分のいい時の感覚に戻ってきて手応えもある」

11R

選手の写真です。
清水裕友選手
 赤板で飛び出した門田凌が、後続を一本棒にしてハイペースで駆ける。6番手となった岩本俊介が最終2コーナーからまくると、すかさず松浦悠士が番手まくりを打つ。続いた清水裕友(写真)が、ゴール寸前で逆転した。
 「(赤板で)つっかかって危なかった。僕もしんどかったですね。3番手なりのことをしようとは思った。門田が上に上がった時に自分のとこに来られたらいけないし、そこで来られたら面白くないので(内を締めていた)。前が頑張ってくれたので、台なしにしないように。(3日間)全部確定板に乗れているけど、全日本選抜の方が状態はいい」
 番手まくりの松浦悠士は2着。ラインの絆で勝ち上がれたことを強調した。
 「(門田は)ホームでしんどそうだったので、自分がどこから出るかっていう感じになった。古性(優作)君も見えたので、しっかりそこを合わせて。本来の調子にはほど遠いので、最後まで踏み切れていない。門田君と(清水)裕友に助けられた感じです」
 古性優作は俊敏な立ち回りで中四国勢を追ったが、仕掛けられなかったことを悔やんだ。
 「先に切りたかったけど、粘ると思われたのか、させてもらえなかった。(最終の)1コーナーしか行くタイミングはなかったけど、間合いを作っていなかったので、詰まる感じで行けなかった。それで流れ込みになってしまった。自分のしたいレースができなくて悔しい。自分の力でラインを連れていければいいけど、勝負どころであれでは戦えない。(2月はあっ旋が止まっていて)GIを一本走ってないので、グランプリまで遠のいたなと思っていた。決勝に乗れてホッとはした」

12R

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郡司浩平選手
 赤板1センターで吉田拓矢が勢いよく近畿ラインに襲い掛かる。が、寺崎浩平も突っ張り、打鐘前から両者の踏み合い。寺崎が主導権を死守も、番手に吉田が入り、稲川翔、岡崎智哉と続く。両ラインが消耗したところを、満を持して最終ホームから深谷知広が発進。番手から出た吉田をねじ伏せた深谷に、郡司浩平(写真)が続く。和田真久留はさばかれ、稲川が3番手に切り替える。稲川を外にけん制しながら追い込んだ郡司が1着。
 「(寺崎と吉田の踏み合いは)想定外といえば、想定外だけど、いい意味での想定外でした。それで深谷さんも行きやすくなったんじゃないかと。(準決の)今日に関していえば、自分のなかで手応えもあった。走っていて脚の面、気持ちの面で余裕があった。状態はいいと思います」
 深谷、郡司にスイッチした稲川翔は、直線でそのまま外を伸びた。
 「(3日間)全部、ギリギリで勝ち上がれているんですけど、(状態は)悪くないと思います。寺崎があんだけ頑張ってくれたのに、連結を外してしまって申し訳ない気持ちの方が大きい」
 平原がシャープに迫ってきたが、深谷知広がわずかに先着。3着に粘り込んだ。
 「吉田君が自分が引いてるタイミングでカマしていったんで、ちょっと対応できずに勝負どころで離れてしまった。あとはその中で冷静に判断しました。(別線が先行争いになったけど)併走しててくれてたら良かったんですけど一本になった。それで思ったより(まくり切るのに)時間が掛かって、(和田)真久留まで出切ることができなかったのが残念です」


≪最終日9レース「ガールズケイリンコレクション2021松阪ステージ」≫

 昨年末に平塚で行われたグランプリ7選手と6人までが同じ顔ぶれ。当然のことながら、グランプリ3連覇を遂げ、現在も11連勝中の児玉碧衣に期待がかかる。
 「(前回のあとは)練習はいつも通りやってきた。自己ベストのタイムは出せていないんですけど、調子のいいタイムには戻ってきている。(前回の)別府までは練習では、なかなかいいタイムは出せてなかった。優勝を逃したこともあって、なかなか思うような結果が出せてない時に自信を失くしてるのがちょっと続いた。でも、別府でいいタイムを出せて完全優勝できたことが、ちょっと自信になりました」
 児玉と対戦した前回の別府決勝で連勝は17でストップした高木真備だが、デキに不安はなさそうだ。
 「やれることはすべてやってきた。今の状態でどこまでやれるのか、すごい楽しみです。(児玉と対戦した前回の決勝は)コレクションとか以外で戦えるチャンスってなかなかないって思ったので、収穫のあるレースにしようと思ってうれしいなと思いました。みんな強いですけど、チャンスはあると思うのでしっかり走りたいです」
 前回の2月取手で落車に見舞われた梅川風子は、気持ちを前面に押し出す。
 「怪我は胸椎が2本折れてしまったんですけど、なんとか走れる状態には戻してきたと思います。練習を始めて2週間ちょっとですかね。大丈夫と思って来ました。自分があきらめなければチャンスはあると思う。とにかく自分自身、あきらめずに走り切りたい」