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まつど競輪

MATSUDO KEIRIN

31#

検車場レポート

  • 6/8 Wed.  (前検日)
  • 6/9 Thu.  (1日目)
  • 6/10 Fri.  (2日目)
  • 6/11 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
日野未来選手
 注目のオープニングレースは近況白星を増やしている日野未来(写真)が中心。最終バックを取るような、早めのまくりを武器に今シリーズも躍動するか。
 「(別府の欠場は)腰痛の治療でした。今はまったくないです。(松戸は)いいイメージがないです。新フレームにしてから松戸を走るのは初めて。33バンクだから仕掛けをしっかりと。自分のレースをできれば苦手ではなくなると思う。決勝に乗れるように頑張りたい」
 ガールズケイリンを創成期から支えている加瀬加奈子も、コンスタントに白星を重ねている。
 「練習はしてきましたが、日曜に弥彦のロードレース大会に出た。エントリーしたあとは、その後に空くと思っていたら(松戸に)追加が入った。なので、(2日間)休んで、ですね。松戸は卒記を獲ったイメージです。1レースで1番車を生かしていい着を取れれば」

2R

選手の写真です。
奥井迪選手
 ガールズケイリンの先行日本一と言われる奥井迪(写真)は、中2日での参戦。前回、ホームバンクの立川で完全優勝を成し遂げており、状態面は引き続き良好。児玉碧衣との対戦を楽しみにして、意気揚々と今シリーズに臨む。
 「1日休んで、1日練習をしてきた。松戸の追加は早めにきていました。(松戸は)悪い印象はなく、走りやすい。積極的な人もいるけど、立ち遅れないように。33バンクなので、積極的に。(賞金ランク4位は)意識して走りが変わるより、自分のやりたいバックを取る競走をやりたい。(児玉は)私の中で永遠の女王。(児玉)碧衣ちゃんと対戦することで、自分のレベルと、トップとの差がわかるので楽しみ」
 着実に力を付けている西島叶子は、2場所連続で優出中。初登場の松戸バンクで持ち味発揮なるか注目したい。
 「しっかり休んで、しっかり練習をしてきた。バンク、街道、ウエートトレーニングと充実した練習ができている。33バンクなので後手を踏まないように。前々で積極的に。(松戸は)初めてで、初めてだと着が良くないので気をつけたい。奥井さんと対戦する時は先仕掛けてバックを取りたい気持ちがある」

3R

選手の写真です。
児玉碧衣選手
 ガールズケイリンの顔である児玉碧衣(写真)は、5月平のガールズケイリンコレクションで準Vの後は2場所連続で完全優勝。一戦、一戦を集中して連勝街道を突き進む。
 「ミッドナイト明けで、2日くらい体が戻らずにオフを取って、周回を1日やってモガきを入れてきた。疲れは取れたのかな。(4日制は)いままでに走った記憶がないので、悪いイメージはないのかな。33バンクは苦手意識があるのが不安要素だけど、伊東で3日間1着取れて自信になった。(松戸は)コレクションを勝ってからは自信をもって走れるようになったし、そのあとはいい成績できている。今の目標は一戦一戦、目の前のレースを走りきること。人任せにせず、自分の力を出すことを意識して4日間を走りたい」
 俊敏さが魅力の那須萌美は、位置取りが勝負の鍵を握りそう。持ち前のガッツあふれる走りで上位を目指す。
「松戸はイメージがなくて、33バンク自体が1年ぶりくらいなので不安。位置を取りたいが、こだわり過ぎると、後方に置かれてしまうので、自分で前々に位置を取りたい」

4R

総合力の高い松川高大は近況若手の後ろを回るケースも目立つが、まだまだタテ脚は健在。中四国勢との連係で、自らの力で白星スタートを目指す。
 「ここ最近はだいぶ良くなってきた。(セッティングとかは)問題ないです。いまは久留米で練習しているが、今回は熊本に帰ってケアが中心です。33バンクも松戸も好き。中四国勢が付いてくれそうなので、しっかりと自力」
30歳ながら多くの若手を弟子に持つ横山尚則。度重なる落車の怪我により、昨年は長期の戦線離脱を余儀なくされたが、現在は復調ムードが漂っている。
 「ここ最近は感触が悪くないのが続いていて、復帰してから何とかやれている感じですね。レースを走るたびに感覚が戻ってきている。松戸はそこまで良い印象はないけど、久しぶりに走るので、まずは勝ち上がれるように。幸田(望夢)君とは初めてだけど、レースを見ているので。積極的に仕掛けるイメージですよね」

5R

 青野将大は昨年8月の松戸記念以来となる当所参戦。3月の玉野記念や4月の川崎記念で白星を挙げるなど、最近はグレードレースでの奮闘も目立つ。持ち味の地脚を生かして、短走路の松戸バンクを攻略したい。
 「(前回から)そんなに変わらず、普段通りにやってきた。(松戸は)昨年の記念以来ですね。33バンクの成績は悪くないので、積極的に頑張りたい。南関のGIIIなので、ラインで協力して決まるように。前々にいようと思っているし、前にいれば、9車立てでも7車立てでもそんなに変わらないですから」
 底力ある伊藤裕貴は攻め幅が出てきており、レースの展開に応じて立ち回れるのが強み。練習仲間の柴崎俊光とコンビを組む。
 「(前々回の)松阪までは良かったが、(前回の)全プロで腰を痛めて走れる状態じゃなくなって欠場した。残念でした。ここまではリハビリ程度の練習。走りながら戻す感じになりそうです。練習は4日間ですね。柴崎さんにはお世話になっているので、迷惑を掛けないようにしたい」

6R

 実績上位の佐藤友和は弟子の小笠原光と初連係。久々の実戦となるが、順調に調整してきたようだ。
 「5月はあっ旋停止。いろいろと計画的に練習ができた。弟子と練習してきて、直前、小笠原君にやられて、すごく強くて心をやられた(笑)。(弟子の)小笠原君とは初めての連係。楽しみですね。レース勘は自力戦じゃないので気にしない。そこよりも付いていくことが大事」
 小笠原光は師匠との初連係を前にやや緊張した面持ち。前回の宇都宮記念で落車しており、今シリーズが復帰戦となる。
 「宇都宮の落車で運よく骨折せず、ちょっとした打撲と擦過傷ですぐに回復した。練習は1週間ですね。フレームも車輪も壊れたので、今回は新車です。直前の練習の感じはすごく良かった。練習でも今回使う新車を使っていた。33バンクなので先行したら残りやすいと思う。師匠も付いて3車なので、前々に攻めていきたい」

7R

選手の写真です。
堀内俊介選手
 堀内俊介(写真)は5月に入ってから平塚FI、大垣FIと連続で決勝に進出し、成績が一変した。その理由は新しいフレームを投入したことだった。
 「全プロは初日が単騎で2日目が番手で感触はわからなかった。その前(平塚、大垣)は感触が良くなってきている。その状態を上げていければ。平塚からフレームを換えて、それをキッカケに良くなっている。感じがいいわけではないが、成績が良くなっている。体調を崩さずにこられているし、先輩たちに迷惑を掛けないように。(松戸は)いい成績を残せていないが、反省点を踏まえて、いい結果を残したい」
 武田憲祐は安定した成績を残しているが、前回の京王閣FIの準決、決勝で深谷知広と連係したことでさらなる刺激を受けた。
 「京王閣は良かったけど、決勝は深谷君が強かったし、いい刺激になった。調子はずっといいです。ケアと練習をバランス良くできた。堀内君は何度も(連係が)あるし、相性がいい」

8R

 大石剣士は、前回の函館記念から3週間空いて調整期間はたっぷり。初日は地元勢を連れて、気迫の競走で攻める。
 「久々に間隔が空いたので、しっかりと練習してきた。33バンクはホームバンクが伊東ですし、このバンクも成績はいいと思うので印象はいい。後ろ2人が地元なので、(ラインの)3人で決められるように」
 松田治之は安定した成績を残していたが、武雄記念の準決で落車に見舞われた。今回が復帰戦となる。
 「怪我は全然、大丈夫。左ろっ骨の骨折です。2週間練習したが、もう少し練習したかもしれない。覚えてない(笑)。ワットバイクの数値は戻っているが、(復帰)一発目なのでレースではどうか。レース勘もどうかですね。フレームは大丈夫でした」

9R

選手の写真です。
志田龍星選手
 3月のS級に特進した志田龍星(写真)が、グレードレースに初登場。養成所でゴールデンキャップを獲得した逸材のレースに注目が集まる。
 「ここまではいつも通り練習をやってきました。初めてのGIIIですし、9車立てもルーキーチャンピオンで走っただけなので、どうなるかわからないところはあります。今回は練習仲間の山口(拳矢)さんと一緒ですし、勝ち上がらないと連係できない。まずは1つずつ勝ち上がれるように。ダッシュがないので、流れの中で仕掛けていきます」
 志田と連係する椎木尾拓哉は、近況の成績が一息となるだけに流れを変えたいところ。
 「ここ2場所はちょっと成績が悪いですね。伸びとかが良くない。ここまではいつも通り練習してきて体調は問題ない。ここでキッカケをつかみたい。志田君とは初めて。しっかりと付いていきたい」

10R

 地元の野口裕史が登場。前回の川崎FIは116着と決勝に進出したが、万全な状態ではなかった様子。状態は気がかりだが、地元ファンの声援を力に変えて走る。
 「(川崎は)ヒザが痛くて微妙でした。前に痛めた逆側で、左ヒザです。ここまではケア中心だったので、今(指定練習で)から練習したい。(仕掛けるのは)タイミングが来たらって感じです」
 近藤保は前回の川崎FIの最終日に落車をしているが「怪我もなく自転車も大丈夫」と、状態面に不安はない。
 「ここまではいつも通りに問題なくやってこられた。(野口に)しっかり付いていきたですね。(年齢は)野口が1個下です。連係は何度もあるし、今は室内練習が多くなったけど、もともとは練習仲間ですから」

11R

選手の写真です。
犬伏湧也選手
 順調に出世街道を歩む犬伏湧也(写真)が3度目のGIIIに登場。
 「絶好調ではないが、勝てているのでそこはいいのかなと。ここまではしっかりと練習してきた。体調も崩していない。松戸は初めてだけど、33(バンク)は防府を2回走っていて感触は悪くなかった。でも、33バンクの9車立ては初めてなので考えて。いつも通り行けるところから仕掛けていきたい」
 北村信明は同県の超新星を目標に得た。今後も連係する機会が多くなるだけに、ここはしっかりと追走を決めたい。
 「前回(玉野FI)はちょっと調子が上がらない中で悪くて、体調も良くなかった。その前の高知は良かったんですけどね。体調を万全にするように今回は専念してきた。疲れが残らないように練習して、ケアもしてきた。松戸は良くも悪くもない」

12R

選手の写真です。
脇本雄太選手
 今年のダービー王・脇本雄太(写真)は、19年ダービーで完全優勝を達成した時以来の松戸に参戦。ナショナルチームの活動を終えてからは、ここ数年経験をしていないローテーションでレースに臨んでいる。
 「(前回の)川崎が終わって中4日。正直、疲れは残っている部分がある。中4日のナイターなので昨日(前検日の前の日)は休んだが、そこまではジムメインで練習して筋肉的な疲労が残ってここに入ってきた。33(バンク)は得意だと思うが、ここは(19年)ダービー以来。松戸は相性がいいと思っている」
 山口拳矢は昨年の競輪祭で落車し左肩鎖関節を脱臼、今年も、4月の高知FⅠ、5月の宇都宮記念で落車と、怪我の多さに悩まされているが、明るい兆しが見えてきた。
 「(前回の玉野は)悪くなかった。(落車の影響は)ないです。(ここまでは)あんまりガッツリよりも刺激を入れる感じでした。ただ、33バンクの9車立てが初めてなので、そこがどうかですね。転ばないようにはしたい」
 初日特選は単騎が5人でラインができるのは、菊池岳仁が先導役を務める関東カルテットだ。
 「佐世保(全プロ記念競輪)の2日間は良くなかったけど、他は自力を出すレースができているし、良くなっている。9車立てのレースが続いていて違和感なく走れていますね。松戸は前回も走りやすく、指定練習に乗っても悪くなかった。新潟で合宿してきて上積みある。4車の先頭なので緊張する。他が単騎で難しいが頑張ります。脇本さんとは初めての対戦です」

1R

選手の写真です。
日野未来選手
 開幕戦は、正攻法に構えた加瀬加奈子が高尾貴美歌を突っ張ってそのまま先行策。中団の日野未来(写真)は最終1コーナーから踏み上げると、勢い良くまくり切って白星をつかんだ。
 「松戸で初めて1着を取れてめっちゃうれしいですね。篠崎(新純)さんが入れてくれたので位置も取れて。スタートが加瀬(加奈子)さん以外の人なら考えたんですけど、加瀬さんが前だったので見てから行きました。(加瀬が)突っ張った瞬間に気持ちがすごいなって。自分は(後ろに)抜かれなかったんですけど、24日ぶりのレースで体と気持ちが緩かったので、明日(10日)以降はもっと気持ちを入れて頑張ります」
 地元の篠崎新純は終始、日野未来を追う形から2着をキープ
 「スタートは7番車でしたし、加瀬(加奈子)さんが早かったですね。一回入れなかったんですけど、中途半端にフタされても厳しくなるし(日野)未来を入れて。未来のダッシュがすごかったですね。ただ、抜けなかったですけど、地元ですし、ついていけて良かった。今回はいいメンバーがそろっているし、明日も立ち遅れないように自分のレースをして結果がついてくればいい」

2R

選手の写真です。
奥井迪選手
 打鐘過ぎに中嶋里美が飛び出して徐々にペースアップ。一方、奥井迪(写真)は最終ホームをめがけて一気に巻き返す。中嶋の抵抗もあったが、バックで出切った奥井がそのまま押し切った。
 「中嶋さんと西島(叶子)さんが動くなと思っていて、後手を踏むと合わされるから鐘過ぎには仕掛けようと。思ったより体が重くて。でも一走して日に日に疲れも取れて良くなるのかなと思う。しっかりとケアをして状態は上向いてくると思う。直前に西武園で平原さんと練習して上半身の力の入れ方を教えてもらった。初日(9日)は焦ってしまって意識できなかったから2日目はそういうところも意識していきたい。平原さんはいつも丁寧に教えてくれるんですよね」
 2着には最終バックで奥井の後ろに切り替えた青木美保が食い込んだ。
 「スタートは前を取りたいと思っていたから取れて良かった。中嶋さんの勢いが良かったから突っ張れないと思った。何とか2番手には入れてそこから行けて良かった。奥井さんの後ろがどうなのか見ていなかったが、切り替えられて良かった。まさかあそこまで差し込めるとは思っていなかった。調子が良いのかな。脚も良い。松戸も走りやすい。目標は決勝です」

3R

選手の写真です。
飯田風音選手
 飯田風音(写真)が初対戦の児玉碧衣を相手に逃げ切り金星を挙げた。レースは打鐘過ぎに4番手から岩崎ゆみこが上昇すると、正攻法に構えていた飯田が突っ張りって先行勝負に出る。人気を背負った児玉は後方の6番手からまくり上げるも、飯田が懸命に踏み直して押し切ってみせた。
 「出られない時が負ける時。出し切れるレースをしたいと思っていた。33で出られないと、負ける。それだったらSを取ろうと思った。ゆみこさんと碧衣さんがきた時に踏み直しました。(児玉に)差されたと思っていました。(児玉と初対戦で勝利して)今回は得意パターンだったので。(展開が)はまらないと負ける。得意パターンにもっていければ。レースが下手なので」
 児玉碧衣は包囲網に苦しみ、道中での位置取りなど33バンク特有のレース形態と怖さを再認識した。
 「あの形になるなら(赤板前に)下げなければ良かった。(他の選手を)入れなければ良かったです。風音ちゃんに駆けられたら6番手で、このままなら間に合わないって。ホームくらいから行ったけど、前が遠かった。かなりきつかったし、これが33の嫌なところ。今回のメンバーは自分のヨコで併走するタイプが多くて、先頭に先行する選手がいると、そのまま行ってしまう。(組み立てを)考えないと。(個人上がりが)10秒1なら脚は悪くないし、あとは仕掛けられる位置にいないと。(飯田は)強かった」

4R

 後ろ攻めの幸田望夢が押さえて先行勝負に出ると、前受けの小林稜武がイン粘り。競られた横山尚則だが、外併走を凌ぐと、最終バック前に捲り上げてきた渡辺正光に合わせてタテへと踏み1着スタート。
 「点数以上に強い幸田(望夢)君が目標で、彼には、思うように走ってもらえればと。(併走は小林が)地元で引いている場合じゃないという気合を感じましたね。体の感覚は悪くなかったんですけど、今日(9日)は幸田君の頑張りにつきますね。最後は止められる部分だったので自分の技量不足ですね」
 松川高大は前団の攻防戦を見極めながら、仕掛けた渡辺正光の動きに乗って外を強襲した。 「ジャンのところが自分のタイミングだったんですけど、体が動かなくてずっと出が悪かった。前が併走で煽りを気にしていた部分はあるんですけど、最近はずっと詰まったところで仕掛けていたし、ダメですね。相手がどんな走りをするかは分からなかったんですけど、どっちも先行かなとは思っていたので中団中団とは思っていました。前回の失格で気持ち的に引きずっている部分があるので、明日は気持ちを切り替えていきたい」

5R

選手の写真です。
青野将大選手
 周回中は5番手の位置取りだった青野将大(写真)は、青板過ぎから動き出した伊藤裕貴-柴崎俊光の三重勢の動きに乗っていく。青板バックで伊藤が切ると、佐伯辰哉は外の青野をどかして三重勢に切り替え、赤板前に叩く。佐伯にどかされて後手を踏んだ青野は7番手に置かれるが、荻原尚人が三重勢をすくった動きを見ると、打鍾で5番手外に追い上げる。最終ホームから荻原がまくり出て、さらにその上を青野が外併走から強引にまくり切った。
 「前中団か、後ろ中団からスタートして後ろがいった所をいって前に出て先行しようと思っていたけど、自在選手もいて思った通りにいけず。タイミングも失敗した。1着だけど良いレースではなかったですね。荻原さんがすんなりまくればそこを追っていって仕掛けようと思ったけど、荻原さんがいきづらそうだったからその上をいこうと思い全力で踏んだ。感触は悪くないですね」
 地元の佐藤壮が青野に食らいついた。
 「先行基本でと作戦で話していたが、みんな前々に踏んで後手を踏む形になった。でも青野君が落ち着いて仕掛けてくれて、彼の地脚を信じて付いていった。感触は悪くないから地元なので残り3日間も頑張る」

6R

 前受けの小笠原光が上昇した池野健太を突っ張るが、ペースを落としたところを原田亮太が一気に叩いて主導権を奪い取る。近藤夏樹は最終2コーナーの下りから番手まくりに出るが、その上を佐藤礼文がまくりきった。
 「位置にうるさいのが自分だけで、位置を取って勝てるレースをすればいいと真崎さんからも言われていた。踏み合う形で、詰まった所でいけた。まくりの決まり手を付ける気はなかったが、行ける所で行かんとレースにならないですからね。1着を取れて悪いとか言えるような強い選手じゃないですから。上出来です。今回から新車で眞杉匠君や、朝倉(智仁)君が使っている感じのモノに寄せたフレームだけどいいですね。仕掛けようと思える感触があった」
 真崎新太郎が佐藤とぴったりと続いて茨栃ワンツーが決まった。
 「別線は仕掛けるタイプの3車だからなるべく3、4番手を取れるようにと。(佐藤が)前々に行ってくれたから。無駄な脚を使わず前進してくれて、脚がたまっていた。今はタテのスピードに対応する練習をやっている。前回、伸びがひどくてそれまでとは真逆の練習をしてきたらこっちの方が良かった」

7R

 伊藤成紀、堀内俊介、阿部拓真の順で動いたところを緒方将樹が打鐘前に叩いて主導権。叩かれた阿部と九州勢の車間は大きく空くが、北日本勢の後ろから仕掛けた堀内が緒方の番手から出た松尾信太郎を捕らえた。
 「思ったよりハイペースなレースになってあの位置になってしまった。武井(大介)さんも付いていたし、もう少し前々にいられれば良かった。先行も視野に入れていたんですけど、ああいう形になったのは反省点です。踏んだ感覚は悪くなかったと思います。今日(9日)は脚を削られたぶん、刺激が入ったと思うし練習とは違うスピード域で走れたのは良かった」
 武田憲祐が堀内俊介に迫るも8分の1輪差の2着。
 「4コーナーで前が併走になっていたので、見てから踏んだぶん届かなかった。ただ逆に言えば冷静に走れているのかなと。5番手になって武井さんまで決まるかなと一瞬よぎって、3人で決まって良かったです。調子は引き続きいいですね」

8R

選手の写真です。
大石剣士選手
 青板バックで切った會澤龍を、高田修汰が赤板ホームで叩いて先行する。篠原龍馬も巻き返しを狙うが、高田は突っ張る。これで隊列が短くなると、脚をためていた大石剣士(写真)が打鍾から一気に仕掛ける。スピードが違う大石は最終ホームで前をまくり切り、そのまま後続をぶっ千切ってゴール線を駆け抜けた。
 「スタートはどっちかの中団で、理想が前中団でした。2つのラインが切った所をすかさずいく作戦だったけど、會澤さんがカマシ気味できて、高田君も遅れ気味で。作戦がその上を叩く仕掛けだったから見てしまって反応が遅れた。最終バックでモニターを見て後ろが離れているのがわかった。別線との車間が空いていたから1着は大丈夫かなと。踏み出しもスピードの乗りも良かった。良い意味で変わらないですね」
 大石の抜群の加速に、番手の成清貴之は付いていけない。先行した高田は、車間が空きながらも大石を追っていく。高田マークの松田治之が高田をゴール前で交わして2着。レース後は3着に粘った高田の走りを称えた。
 「思っているよりも反応が鈍かった。レース勘的なものですかね。ただ、スピードに乗ってしまえば大丈夫。付いていって仕事して抜くだけでした。高田君はA級のときよりもパワーアップしていて、安心感がある。順調に強くなっていて嬉しいですね」

9R

 2周前に出た志田龍星が道場晃規の巻き返しを合わせて主導権。ライン3番手の市村昌樹は岸澤賢太にからまれるが、軽快に駆けた志田龍星を椎木尾拓哉が交わして好発進を決めた。
 「(志田は)すごい強いレースをしてくれた。ありがたいですね。(後ろがさばかれていたのは)気付いていた。(松戸は)1着を取らせてもらっているし、33は好き。いいと思う。練習はすごいできているけど、それがレースにつながっていないのが現状。一戦、一戦戻していくしかない。選手にとって1着が一番の薬。(今シリーズは脇本雄太がいるが)レベルの違う選手。一緒に走ることを目標に頑張る」
 初のグレードレース参戦になった志田龍星。別線を完封する先行策で前評判通りの強さを披露した。
 「(道場晃規の)勢いが良かったら出そうと思ったけど、自分も踏むポイントだったので、出さないように。あんまり踏み直せていないので、良くない。いつも通りの練習をしてきたけど、道中も良くなかったです。毎回、2日目の方が調子はいいので、明日(10日)の方がいいのかな。(松戸は初めてで)バンクが小さく見える。33は嫌いではないです。(S級の9車が初めてで)長いなって思いました。勉強していきたい」

10R

選手の写真です。
野口裕史選手
 前受けの野口裕史(写真)は、青板バック過ぎの2センターから誘導を外すと、巻き返してきた張野幸聖を出させずに先行態勢に入る。野口はラスト1周を目がけてどんどんペースを上げると、後方からまくり上げた櫻井学も不発となり別線を完封。野口は近藤保との一騎打ちも制して力強く押し切った。
 「(膝の状態は)前回の感じではなくて、前回より良かったですね。アップの時から膝に不安がないようにと、頭にたたきこんで、レースに臨みました。前回は膝を使わないような踏み方をしたんですけど、今回はしっかり体重を乗せることを意識して踏みました。今日は前を取って細かいことは考えず、全部出し切ることだけを考えていた。後ろを見たのは最初だけで、あとは踏んで止めての繰り返しでペースにもっていけた。もうちょっと出し切れたと思うし、この距離をいけたので明日(10日)以降はそれも考えて走りたい」
 2着の近藤保は力強い先行策を見せた野口の強さに舌を巻く。
 「(落車明けだが)体は問題なかったです。ただただ野口(裕史)が強かったですね。やっぱり力を出し切れないのが一番ダメだったと思うんですけど、力を出し切ってくれた。終始いいペースでしたね。いつもの強い野口でした」

11R

 赤板過ぎに出た松坂侑亮は犬伏湧也の巻き返しに合わせて2コーナーからペースアップ。犬伏は加藤圭一のけん制にもあって思うように車は進まない。先行した松坂はそのまま逃げ切り高配当を演出した。
 「無我夢中でした。(加藤と)ワンツーで良かった。じっくりと考えこんで、細切れ戦なので、いろんなパターンを考えていたけど、どのみち主導権は取ると。作戦通りに決まった。練習の感じから良くて、前のS級に上がる前の力に戻ってきた。33は相性がいいのかなと。500バンクが続いていたけど、今回は思い通りに走れて気持ち良かった。気持ちが入り過ぎた地元戦以来の9車立てだけど、リラックスして走れた」
 加藤圭一は後輩の松坂を好アシスト。神奈川ワンツーが決まった。
 「後ろのラインが切った所をドンでした。松坂君がカカっていて、それでも犬伏君はくると思っていたから構えていた。松坂君のスピードが良くて意外と犬伏君がこなくて。余裕はありましたね。感触は良かった。松坂君は気持ちが入っていたし、腹をくくって駆けてくれる」

12R

選手の写真です。
脇本雄太選手
 関東の4車以外は全員が単騎で点と点の戦い。レースは最後方から脇本雄太(写真)が動かす。赤板前に誘導を外すと、そこを高橋晋也が押さえる。高橋は巻き返してきた菊池岳仁を合わせると、菊池は高橋の後ろに入る。3番手にいた脇本は最終ホーム前から発進。高橋を1コーナーで捕らえると、後続を離して強さを見せつけた。
 「単騎で9番車なので、前を取れるのは望みが薄いだろうなと。直感的にあーやって動いた。自分から動かないとレース動かないから。直感ながら、動きはできたのかなと思う。(競走間隔が詰まって)徐々に疲れている感覚あるが、ごまかしごまかしでいくしかない。日に日に調子は落ちてくると直感的に思っている。残り3日間頑張るしかない」
 菊池岳仁は関東の先頭で早い巻き返しに出たが、後ろと連係が外れると、冷静に立て直してまくった脇本を追ってまくりに出た。
 「前を取って全部突っ張るつもりだったが、初手から想定外で、考えていたパターンになくて迷ってしまった。反省。前を取って突っ張りが一番と思ったんですけど。脚自体は悪くない。行くとこ、行くとこで変に脚を使っている。4車を生かすレースができず反省」
 山口拳矢は終始好位からレースを進め、最終の1センターから外に車を外すも、煽りもあって3着まで。
 「単騎が多くて前々にと思っていた。ラインがひとつだけで特殊だった。悪くない位置を取れたが、追い上げて一杯になった。前回よりいい感じだと思う。今日(9日)はスピード上がったし、明日はこんなに上がらないと思う。明日も仕掛ける所で仕掛けていきたい」

1R

選手の写真です。
日野未来選手
 青板バック過ぎから加瀬加奈子が動き出す。周回中は3番手の位置取りだった日野未来(写真)は、加瀬を警戒しながら車を外に持ち出す。加瀬は4番手外で一旦止まり、日野と加瀬で睨み合ったまま打鍾を通過。先頭の西島叶子が腹を決めて打鍾過ぎ2センターからペースを上げる。日野は最終1センターから仕掛けて加瀬を不発に追いやり、逃げる西島をバックで捕らえてそのまま押し切った。
 「加瀬さんが早めに動いてきたので警戒して、出させないように行きました。絶対1着を取るレースをしようと思っていたし、加瀬さんの動きを見てからだと遅くなると思って、自分でバック線を取りにいきました。昨日(初日)よりはアップから動けていましたね。連勝できるように明日(3日目)以降も頑張ります」
 周回中から日野の後位を取っていた黒河内由実が巧追走を見せてまくりに続き、最後は日野に詰め寄ってゴールした。
 「初手は(良い)位置が取れました。後はジャンで締めといて、位置をキープして。日野さんが綺麗にいってくれたので追走しやすかった。ゴール前は10勝目を夢みたんですけどね。(最終)4コーナーの抜けるところでもっと外を走っていれば良かったかな。しっかり決勝を目指して準決勝も頑張ります」

2R

選手の写真です。
奥井迪選手
 初周で外から追い上げた奥井迪(写真)が誘導後位に入る。赤板周回で岩崎ゆみこが動くが、奥井はバックで突っ張って主導権を渡さない。岩崎を突っ張り切った奥井がそのまま先行し、他に仕掛ける隙すら与えない。力強く1周半を逃げ切った奥井が、連勝を飾った。
 「初日の並びが後ろからで、今日のメンバーでも後ろはキツいなと思って前々にいたくて。それで前を見たら空いていたからすかさず前へいった。鐘で(岩崎が)くると思ったから、踏める準備をして全部合わせるつもりでいた。初日より体の感じが良くて、上がりタイムも初日よりいい。徐々に良くなっている。平原(康多)さんから教わった上半身の使い方は、まだ練習でもやりきれていないけど、意識するだけで違うし、今日(2日目)はうまくできたかなと思う。最終日にしっかりと(調子のピークを)もっていけるようにしたい」
 周回中から奥井の後位を回っていた藤巻絵里佳が食らいついて2着に入り、好配当の立役者となった。
 「(周回中は)前から行こうと決めていた。2レースだけ、1レース、3レースと比べてキツいメンバーだから、ちくしょうと思って大穴を空けようと決めていた。だから奥井さんに離れずに追走しようと。33の方が得意。いつも前々のレースをしているから33や松戸は有利かなと思う。川崎で4日制の経験がある。いい位置を取れるメンバーだと思っているから頑張りたい」

3R

選手の写真です。
児玉碧衣選手
 杉沢毛伊子が赤板から動き出して切りにいくが、先頭の飯田風音がこれを突っ張る。最後方の児玉碧衣(写真)は、打鍾とともに一気にカマシを敢行。最終ホームで飯田を叩き切る。児玉はそのまま2着に4車身差を付けて、初日のうっ憤を晴らすかのように快勝した。
 「深く考えずに、行こうと思ったところから100%で行こうと。杉沢毛伊子さんが浮いたままか、どこかに入るのかだけ見て、ジャンで誰も入れなかったので、そこから踏んだ。(飯田が)流しているのが分かったけど、ダッシュがあるのは分かっていたので、(行くときは)出し惜しみせずに行って、その後も付きづらいように内に降りないように行った。4日制は2、3年ぶりですね。残りの2日間も1着、1着を取れるように」
 児玉に叩かれた飯田風音は、前と車間が空いてしまうが、粘り強く踏んで第二先行のまま2着に残った。
 「児玉さんの後ろが誰もいなかったので、(追いかけるところが)勝負だったのかなって。(児玉は)めっちゃ速かったです。バイクみたいでした。もう少しペースを上げておけば、飛び付きやすかったのかな。(疲れは)あまり変わらないタイプなので大丈夫。(4日制は)2回目ですけど、めっちゃ長い」

7R

選手の写真です。
高橋晋也選手
 赤板で出た林大悟を高橋晋也(写真)がジャンで叩いて主導権。高橋後位の佐藤友和は佐藤礼文にさばかれ、番手を取っていた佐藤礼文も高橋の踏み出しに離れてしまう。高橋は裸逃げとなったが、追いかけた林の追撃を許さずに堂々と逃げ切った。
 「積極的に駆ければ、いけるかなとは思っていました。2周半の所で林(大悟)君が上がってきたところをちょっと見てしまったので、あそこで付いていければもっと楽に出れたと思う。反省点はそこくらいですかね。車番も良くなかったので、(初手で)中団を取れるとは思っていなかったですね。昨日から疲れも抜けて状態はいいです。準決勝も楽しみですね」
 高橋を追いかけた林大悟。絶好の展開になったが、続くまでの2着。
 「今日は自分の出られるところでは出ようと思っていました。(反応は)ぼちぼちですね。感触自体は悪くないと思います。今回は初日特選に乗れましたけど自分はそんなたいそうな選手じゃないし、準決勝も出し切るレースをしたいですね」

8R

 周回中で5番手の位置から青野将大が動き出すと、合わせるように3番手から高田修汰が青板バックで切る。そこを叩いた青野が徐々にペースを上げ、7番手に置かれた犬伏湧也は赤板2コーナーから巻き返す。前と車間を切っていた高田も犬伏に合わせて仕掛け、逃げる青野、高田、犬伏で最終バックは壮絶なもがき合いになる。青野が突っ張り切って高田と犬伏は不発となるが、犬伏のさらに外を末木浩二がまくり上げる。2センターでは接触があって高田と小林令が落車。大外をまくり切った末木が青野を捕らえて激戦に終止符を打った。
 「高田君の先行と読んでいたんですけど。番手の小林君の頑張りと、展開が恵まれた。終始余裕があった。ホームで犬伏君の動きを見過ぎてしまった。終わってみれば、犬伏君の動きに関係なく仕掛ければ小林君と決まっていたかも。初日は人の後ろでタイミングが難しくて。でも、今日(2日目)は自分が先頭のレースだったので、余裕があった」
 終始ハナを切って若手同士の力比べを制した青野将大が、2着に逃げ粘って準決勝進出を決めた。
 「絶対にこうしようって感じは決めていなかった。5着権利なので、後ろよりも前々へ行こうと。モニターを見たら後ろでけん制が入っていたから、自分のペースで鐘から踏んだ。掛かりとかは分からず一生懸命に踏んだ。33で短いし踏み切れました。初日はそんなに脚を使わなかったけど、今日(2日目)でこれぐらい踏めることが分かった。準決はさらにレベルが上がるからチャレンジャーの気持ちで頑張る」

9R

選手の写真です。
阿部拓真選手
 大石剣士が菊池岳仁にフタをして前団と大きく車間を空けた状態から赤板をめがけて一気に先行態勢に入る。だが、南関勢の動きを追った菊池がジャンで叩いて主導権を奪い返す。菊池の動きに池田勇人が離れて、大石が菊池を追いかけてまくり出るも菊池に合わされて不発。大石後位を取っていた阿部拓真(写真)が4コーナーから外を回して突き抜けた。
 「やれることはやった。(初手は)出てみて取れた位置からでしたが、(道中は)飛び付けるところもなくて、たまたま内が空いていたからですね。(菊池、大石の)前2人が消耗して、ほんの気持ちだけゴール前勝負できるかなって。見て見て、ゴール前の差しになった。気持ちに余裕がないから内を見ているが、外に行って良かった。暖かくなって、体が動くようになってきた」
 菊池岳仁は援軍を失ってしまうが、抜群の先行力を発揮して力強い競走が目立った。
 「判断を間違って変な巻き返しになってラインで行けなくて組み立ては良くない。(先頭に立ってから)回して、(大石が)くるところを合わせて待って待ってでした。それで阿部さんにこられているところは甘かった。脚は先行して2着なので、悪くないが、組み立てが0点。準決勝は修正して頑張りたい。ここに合わせて練習してきて、疲れも問題ない」

10R

 前受けの野口裕史は青板のバックで上昇した小笠原光を突っ張り主導権。小笠原が再度8番手に戻ると、赤板、ジャン、ホームと一本棒で別線は仕掛けることができない。才迫開は最終1センター5番手の位置からまくり出るも、ゴール前で踏み直した野口が押し切った。
 「(初手の)並びを考えてあれが一番いい展開になるかなと。才迫(開)はああいう展開だとすごい強いし、何度もやられているので、ホームでカマされたら仕方ないくらいで踏みました。松戸は3コーナーが止まるのでバックまでペースで踏んで。(膝の状態は)自転車に乗って痛みが出ないので大丈夫です」
 道中は中団で足を温存していた才迫開。出脚鋭いまくりを打ち、ゴール前は野口に微差まで詰め寄った。
 「内に詰まらないようにだけ気を付けていて、一本棒になるとは思ったのでためられるところまでためていきました。行きどころだけ逃さないようにと思っていたんですけど、行けるところがなかったですね。嫌なペースでした。合わせられてもしっかりゴールまで踏み切った感じです」

11R

選手の写真です。
久木原洋選手
 會澤龍、堀内俊介の順で動いたところを山口拳矢が赤板で押さえて先行策。中部勢を追った上野優太が3番手の位置で堀内と並走になると、上野の押圧で堀内は落車。山口はペースで駆けたように見えたが、7番手から久木原洋(写真)が目の覚めるような弾丸まくりを決めた。
 「前を取っていける所からの作戦でした。堀内君が落車して脚がキツくなったが、みんな5着権利もあるから動かないだろうなと。自分は後ろだったから動くしかないと。行けると思った所で思い切り踏んだ。初日に少しだけど自力を出せていい感じがあって、今日も落ち着いていた。強い山口君をまくれたのは自信になった」
 横山尚則が久木原のまくりにぴったりと続いて関東勢のワンツーが決まる。
 「久木原さんは、以前、高松で連係した時に自分が前で1着を取った時のことを覚えていてくれて、並びは任せると言ってくれたが、今の自分の状態を判断して久木原さんの後ろになった。今日の並びは思い入れがありますね。久木原さんのスピードが良くて追走ぎりぎりでした。初日よりは落ち着いて走れた」

12R

選手の写真です。
脇本雄太選手
 松坂侑亮が青板で上昇すると、前中団にいた脇本雄太(写真)は後ろに下げて7番手。脇本を後方に置いた松坂は赤板を目がけて一気に先行態勢に入るが、脇本の巻き返しも早い。2コーナー前から抜群の加速を見せると松坂を叩いて主導権を奪う。椎木尾拓哉と2人で後続を大きく引き離した脇本が圧巻の競走を見せた。
 「初手で中団になってしまったけど、やることは前受けした時と変わらず、先行という形をやれた。疲れは抜けきらんですね。この後、どうやってリカバリーできるか。持てる力を全部だしつつ勝ち上がりたい。今日は割りと踏めた。そのままの調子でいければ、決勝まで持つのかなと思う」
 脇本に続いた椎木尾拓哉には今日の2着は着以上に価値があるものに違いない。
 「追走に専念でした。踏み出しすごくて、道中の加速も違った。抜ける気はなかった。脇本君についていけて自信になりました。脇本君の番手はなかなか回れないし、いい経験になった」

5R

選手の写真です。
奥井迪選手
選手の写真です。
篠崎新純選手
 青板バックから上昇した加瀬加奈子を制して、2番手の位置から奥井迪(写真)が動き出して誘導後位に入る。打鍾過ぎに誘導が退避し、一旦下げた加瀬の巻き返しに合わせるようにして奥井はペースを上げる。加瀬を合わせ切った奥井が、そのまま力強く逃げ切って、3連勝で決勝進出を決めた。
 「(周回中は)前か、中団を取ったら被せにくるかなと。初日の飯田(風音)さんの印象が強くて後方からならキツいなと。加瀬さんが動いて、やる気で、出させたらキツいなと。それなら自分で駆けようと思った。今日(3日目)は緊張したけど、最後は振り切れて良かった。初日は疲れていたけど、少しずつ良くなっている」
 奥井を迎え入れて2番手を確保した篠崎新純(写真)が、追い上げた那須萌美との併走を凌ぎ切って2着を確保した。
 「S(スタート)を取ってからの組み立てが得意で、1番車だし持ち味を生かして走ろうと。奥井さんがきて、引いて、奥井さんの先行に託して4コーナー勝負できればと思った。感じは良かったけど、最後は脚のなさ。奥井さんがうまいし強い。(あれを)差せるような、何でもできる自在になりたいと改めて思った。今回は1期生が3人で10年目。しぶとい所を見せられるように。決勝でも最低でも確定板に入れるように」
 道中で篠崎後位に入った高尾貴美歌が3着に流れ込んで決勝進出。
 「道中で自分が浮いちゃう未来が見えて、構えようと思った。落ち着いて判断できた。重く感じるが、少しずつ状態は上がっている。4日制は初めて。決勝に乗れて緊張で震えている。決勝に乗れるように頑張った。状態は良いとは言えないけど、全力を尽くして頑張る」

6R

選手の写真です。
児玉碧衣選手
選手の写真です。
青木美保選手
 児玉碧衣(写真)は周回中に6番手の位置に陣取り、赤板を過ぎても隊列に動きはない。打鍾過ぎに誘導が退避し、児玉は3コーナーからカマして出る。あっという間に出切った児玉が、2日目同様に後ろを離して快勝した。
 「初手が前でも下げる形になると思ったので、後方からだと。(中嶋)里美さんが前にいてジャンで動く気配がなかったので、先に行かれたら、厳しいと思ったのでワンテンポ早く行ってしまった。スピードに乗せて行けて1着でホッとした。5レースで奥井さんにかっこいい先行を見せられて、自分も負けられないって。久留米で一緒に練習した時とかに(奥井に)刺激をもらえる言葉をもらった。『私の中で永遠に女王だよ。絶対女王だよ』って。私は奥井さんを相手に先にバックを取りたいってところから始めたので、その奥井さんにそう言われて光栄です。(決勝は)動ける人がたくさんいるけど、人任せにせず、出し惜しみせずに走りたい。連日、走ったあとに脚が痛いのでマッサージオイルで長いケアをしたい」
 周回中から児玉後位にいた青木美保(写真)は、児玉の加速に口が空きながらも、飛び付きを狙った日野未来との併走を凌いで2着に食い込んだ。
 「しっかり前だけを見ていたけど、千切れました。(児玉に)付いていけたのは初めて。今までに経験したことのない感じでした。追走できれば良かったですけど」
 前受けからレースを組み立てた日野未来は、児玉に叩かれて前を追うも、青木に踏み負けて3着。
 「なるべくスローにしないで、ホーム線を迎えて児玉さんを意識していたけど、脚がなかった。ちょっとでも抵抗できるように駆けるか、早めにきたら飛び付けるようにとしたけど、33で内が有利なのに、外に負けて脚がないので、そこは練習します。(4日制だけど)ケアをしていて、どんどん良くなっている。(3日目の)着は良くないけど、いい感じ」

10R

選手の写真です。
菊池岳仁選手
選手の写真です。
久木原洋選手
 林大悟が青板のバック線をめがけて踏み込むが、前受けの野口裕史が突っ張って出させない。両者の踏み合いは赤板前に落ち着き、一旦ペースが落ち着いたところを菊池岳仁(写真)が一気に叩いて主導権。菊池と久木原洋に、3番手の横山尚則は離れながら続く態勢も、関東3車で出切って別線を大きく引き離す。菊池はゴール前も踏み直して堂々と逃げ切った。
 「(初手は)前の方がいいかなと。前受けなら突っ張りでした。野口さんも林さんも積極タイプだと思ったし叩き合いはしょうがないかなと。行くとこ行ってと思いました。落ち着いて行けたと思います。今日(3日目)が一番組み立ても脚も良かったですね。日に日に感覚も良くなっている」
 久木原洋(写真)はゴール前で菊池に詰め寄るも微差で及ばなかった。
 「菊池君が全部やってくれました。野口さんが突っ張ると思っていたし、林君の動きを見て菊池君が冷静に走ってくれた。(初手が)中団か、後ろでだいぶ違う展開になったと思う。(菊池の)踏み出しが強烈でしたね。付いてからは余裕があって、3人で抜け出しているのも分かった。4コーナーからどう抜くかでしたけど、菊池君が強かったのと自分の経験不足ですね」
 3着に続いた横山尚則は前2人の強さを称賛した。
 「菊池君がかなり強かった。口が空いたというか、離れてしまって前が射程圏にいなかった。もう目一杯でしたね。前の2人に感謝しかない。(菊池は)分かっていてもそれ以上に強かったし、僕より10段階上でした。ラインに迷惑をかけなくて良かったです」

11R

選手の写真です。
高橋晋也選手
選手の写真です。
阿部拓真選手
 大石剣士、犬伏湧也の順で動いたところを高橋晋也(写真)が打鐘前の2コーナーで叩いて主導権。3番手に入った犬伏のまくりは不発で、才迫開は3コーナーから内に潜るも、阿部拓真とからみ失速。踏み直した高橋が逃げ切った。
 「車番が(5番、8番の外枠で)なくて積極的に駆けないと展開で勝てないから気持ちを出していった。できれば犬伏君を後方におきたかったが、押さえたからしょうがないと。叩きにいったけどキツかった。犬伏君が突っ張るのかどうかわからず、出させるのかなと思っていったがキツかった。ずっと踏みっぱなしで、コーナーの入口だけ休んであとは常に踏んでいる状態。脚は変わらずいい。体の使い方も良くなっている。(決勝は)菊池(岳仁)君と脇本(雄太)さんがいるが楽しみたい」
 阿部拓真(写真)は内に潜ってきた才迫を制して2着をキープ。
 「車番が悪くて、前か後ろだったけど高橋君は自信があったみたいですね。順番的に踏み合いになると思ったが、力で高橋君が行ってしまった。掛かりも良かったですね。バックから踏み直していたから援護すればワンツーが決まるなと。(状態は)日に日に良くなってきた。初日はいろいろと試したりしてかみ合わなかっただけ」
 単騎の真崎新太郎は俊敏な立ち回りが光り3着で決勝に進出。初手は南関勢を追走から道中で中四国勢へと切り替え、4コーナーからコースを探して外を伸びた。
 「(位置は初手の)並びでどうするか決めようと思った。あのメンバーで2番手の位置のラインが先行か3番手かなと。どっちも対応できるようにはした。先行は高橋君か犬伏君のどちらかと思った。たまたまうまくハマりましたね。33なので流れを殺すレースにならないようにと。切り替えるのはきついと思ったので。押さえたラインを信じて追った。いつもは初日が不安だけど、そこを乗り越えて感覚は上向き。4日制の決勝は5、6年ぶり。まさか決勝に乗れるとは」

12R

選手の写真です。
脇本雄太選手
選手の写真です。
青野将大選手
 脇本雄太(写真)が誘導を残して車を下げると、脇本を押さえた松坂侑亮と誘導の差は開いて、かなりスローペースになる。松坂は赤板からピッチを上げて全開で駆け、番手の青野将大は最終2コーナー前から番手まくりを打つが、その外を脇本がバンクレコードタイとなる9秒0の猛烈なタイムで一気にまくりさった。
 「(神奈川勢の先行は)そのあたりは仕方ないけど、あそこまで誘導と空けられると、行きづらくなった。踏み出しは末木(浩二)君が発進したところで行こうと。タイミングは後ろが付きづらくなったかもしれないです。変なまくりになって(後ろに)申し訳ないと。レースでは疲れてないように見えるかもしれないが、僕の中では仕掛けるタイミングが遅くなっているので、疲れは増している。あと1走なので気合いを入れて。1人でも優勝を目指して」
 青野将大(写真)は松坂の気持ちに応えて番手が出るが、脇本が強すぎた。
 「松坂君の頑張りをムダにしないようにと。(相手が脇本で)ああいう展開になるのは仕方ないですよね。昨日(二次予選)長い距離を踏んで残れているし、脚の調子は悪くない。GIIIの決勝は初めて。(33バンクの9車は)前々を意識しているので、9車でも苦ではない」
 加藤圭一は青野にしっかりと続いて3着をキープ。久々にGIIIの決勝に進出。
 「侑亮と、青野が頑張ってくれた。連日、後輩の先行屋が頑張ってくれて頼もしい。前の方にいることができているので展開に助けられている。脚はいいと思います。(GIII決勝は)いつ以来か覚えていない。かなり久しぶり(15年12月佐世保記念以来)」