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まつど競輪

MATSUDO KEIRIN

31#

検車場レポート

  • 8/21 Fri.  (前検日)
  • 8/22 Sat.  (1日目)
  • 8/23 Sun.  (2日目)
  • 8/24 Mon.  (3日目)

1R

選手の写真です。
染谷幸喜選手
 地元のトップバッターは染谷幸喜(写真)だ。7月弥彦、8月函館とGIII開催では予選をクリアできていないだけに、地元のここで壁を突破したい。
 「地元だし初日が大事。早い時間帯のほうが好きだし、遅い時間帯は苦手なので1Rで良かった。地元記念で結果を出して、自分をアピールしたい。ここまでにやりたい練習はできました」
 佐藤幸治は7月に7車立になってからは初日の確定板を一度も外していない。
 「決勝に乗れてないのはアレだけど、感じは悪くない。前よりはしっかり動けてるので。7車は何とも言えないですね。周りのタイムもいいので、意外と苦戦してるかも。ただ自力はやりやすいかなと思うし、けっこう松戸も好きなので」

2R

選手の写真です。
山崎芳仁選手
 4月武雄、6月取手と記念では予選スタートが続いている山崎芳仁(写真)だが、いずれも初日は1着でクリアしている。
 「オールスターから中4日は2日間だけ練習して、あとは調整しました。松戸は33のなかでは直線が長いし、走りやすいと思う。初日は三浦(翔大)君が前で頑張りたいと言うので任せて。僕は番手で頑張りたい。彼とは冬季移動で来たときに沖縄でたまに練習したりしてた。練習は強いですね」
 今期は3場所で6勝と乗れている鹿内翔が北日本3番手を固める。
 「1着も取れてるので、脚の感じもいいと思う。前回の静岡が終わってから、伊豆でそのまま4日いました。マッサージをしたり、同期の二藤(元太)さんと一緒に練習させてもらって仕上げて来たつもり。松戸のイメージは良くないですね。成績が良くない。33が苦手だけど、そのなかでもここは良くないので。でも初日は前に付いていくだけですね」

3R

 オールスター最終日は逃げて1位入線も失格の憂き目にあった朝倉智仁は気を取り直して7車のGIIIに挑む。
 「失格で落ち込んでたけど、1日休んで3日練習して来ました。初のGIで緊張感はあったけど、意外に戦えましたね。(7月)川崎の落車でフレームがほぼ全損したので、オールスターは新車だったけど悪くなかった。今回もそれを使います。松戸はデビュー戦で走ってるし、近いので何回か練習でも来てます」
 自粛明けはスランプが続いている松本貴治は前回、オールスターの初日にも落車してしまった。
 「落車は問題ない。体調も崩してないので、(不調の)原因がこれといってあるわけじゃないんですけどね…。練習の感じも変わってないので、なんでやろうな?って感じです。そろそろしっかり走れるようにしたいし、今回は積極的に逃げて、気持ちをいい感じにしたい。しっかり仕掛けてってことを意識したい。オールスターのあとにセッティングを変えて、練習でタイムがよかった。それが上がって来る要因になれば」

4R

選手の写真です。
蒔田英彦選手
 蒔田英彦(写真)にとって松戸は地元でもあり、4年前にS級初優勝を飾ったゲンのいいバンク。今回の記念開催でも期待できそうだ。
 「今がキャリアハイの点数(105点オーバー)なんで。(決勝に乗った6月)小田原から流れも向いてますね。今回も暑いなか朝練とか夕方練とかだけど、練習はしてきました。この2日間は、まず(準決勝進出のボーダーになりそうな)7点を目標に。初日からしっかり頑張ります」
 井上昌己は自力自在に点数上位の意地を見せる。
 「オールスターは大きい着が目立ったし、イマイチだった。練習もしっかりできたし、体調は問題ない。松戸は流れるイメージがある。今回は九州が少ないし、自力の心構えで来ました。初日は加倉(正義)さんと決まるように」

5R

選手の写真です。
山田久徳選手
 オールスターは初日に落車してしまった山田久徳(写真)だが、その後2走は3着2着と影響を感じさせない走りを見せた。
 「オールスターはコケてもそこそこ走れた。それなりに走れて、タイムも良かったんで。終わってからは練習も休まず、治療も入れながらやってきました。今回はナショナルチームを相手にどう対抗するか。近畿勢もあまりいないので、どうしのぐかですね。7車は(7月)富山で走って走りやすかった。でも初日は藤井(栄二)君がいるので。連係は何回かあるし、33なんでいつもどおり主導権を握ってくれれば」
 藤井栄二は今期初戦の7月福井で完全優勝。7車も向いていそうなだけに、今開催も楽しみだ。
 「9車より駆け引きが少ない感じはする。走りやすいけど、福井はみんな手探りで始まった7車がうまくいった感じ。富山記念の準決勝でもまだまだ力が足りないなと思いました。上を目指したいなって気持ちは出てるし、まだ記念の決勝はないので自分のレースをしながら結果を出したい。体調も問題ないし、33は好きです」

6R

 坂井洋はオールスター初日に落車したが、2走目でうれしいGI初勝利を挙げた。
 「追加の連絡は一昨日。さすがに来ないかなと思ったけど、来た瞬間『行きます』と。追加は断ることはないんで、いつもどおりにしっかり出し切れればいいんじゃないかと思う。33は2回目で、前回(6月)伊東でイメージが良くなかったので。今回は悪いイメージを変えたいなと思う。オールスターで落車したけど、体は大丈夫でした。自転車が壊れたので2走目からは諸橋(愛)さんのフレームを借りてたけど、今回は吉澤(純平)さんの自転車を使います。(昨年12月の)小倉で使ったけど、来る前も問題なく走れたので」
 7月松戸、8月オールスターと落車が続いている木暮安由だが、ここは好目標を得たチャンスを生かしたい。
 「落車が続いてたんで、流れを変えたいなと思う。自転車は直したので大丈夫。ここまではケアと練習と半々で来ました。松戸は前橋と似てるので走りやすいと思う。坂井君にはいつもの競走をしてもらって、僕も頑張りたい。連係は2回目だと思います」

7R

選手の写真です。
岩本俊介選手
 サマーナイトは大敗続きだった岩本俊介(写真)だったが、オールスターではシリーズ1勝の結果以上の動きの良さだった。
 「(オールスターの後半2走は)連日、3着かなと思ったら、4着だったけど、開催をとおして思ったようにレースはできた。今度は自分も残れるようにですね。(サマーナイトとは別人のような動き)そこは生身の人間なんで。僕が知りたいです。疲れは大丈夫。7車ははじめてだけど、(レースが)淡白なのは合ってると思う」
 好目標を得た山賀雅仁は、まず追走に専念する。
 「(オールスターは1走目で落車して途中欠場)前回、初めてのフレームが1走しないで壊れたので、前のフレームを持ってきた。体は全く痛くないかと言ったらアレだけど、練習は普通にできた。正直、走ってみないと何とも言えないですけど。初日は岩本君の番手なので、しっかり付いていけばいいと思うので。まずはそこだけ集中して」

8R

選手の写真です。
新山響平選手
 予選のメインは新山響平(写真)だ。逃げて2連対したオールスターの走りは力強かった。
 「でも、初日いいところ(オリオン賞)からのスタートで、勝ち上がれなかったですからね。準決勝では力が足りないなと思った。すごい調子は良かったし、踏んでる感じも脇本さんに対抗できる感じだった。落ち着いて仕掛けられれば良かったけど、落ち着いてなかったですね。ある程度の結果は出たし、またここから戦法を煮詰めて結果が出せれば」
 内藤宣彦は初日から頼もしい目標を得た。
 「(新山の)アタマ鉄板のレースですね。オールスターはイマイチでした。タイムがすごくて、みんな強すぎですよ。年頭から好調を維持してたけど、オールスターで波の谷間が来た気がする。オールスター前に腰痛も気になってたので、厳しいかなとは思ってたけど。前回が不甲斐なかったので、4日間普通に練習は休んでないです。今回はオールスターよりはマシになってると思う」

9R

選手の写真です。
鈴木裕選手
 特選はS班の平原康多、清水裕友が単騎での戦いに。鈴木裕のラインが3車だが、先行力という点では深谷知広にチャンスがありそうだ。
 「手ごたえは徐々につかんできつつある。最近はコンスタントに日本の競輪を走れてるのが大きいですね。これからが楽しみ。(競技では)スプリントしかやってないので、競輪の形、大人数で走る感覚を忘れないように。僕はチャレンジも9車だったし、7車は国際競輪というか競技だけ。他の人のレースを見たりしたけど、いつでもまくれると思ってると痛い目を見てる感じなので、7車が有利に働くように考えたい。お客さんも入るし、楽しみですね」
 鈴木裕(写真)はオールスターで2勝を挙げるなど、ムード良く地元記念を迎えられた。
 「オールスターの感触はすごく良かったと思う。調子はたぶんデビューしてから一番いいですね。だから成績もいい。今までは調子がいいとすぐ壊しちゃう感じだったけど、ここ1年は1日に1回追い込む練習にしてるから壊れることもない。初日も今までどおり自分のできるレースをしたいと思う。何かしら頑張って1着取りたいです」
 オールスターではドリームレースで落車。二次予選で敗れ、シリーズを途中欠場した平原康多の状態も気がかりだ。
 「無事とはいかないけどね。自転車は壊れてることなかったので、今回も同じものを持ってきました。(落車もあって、オールスターの二次予選は)きれいに脚が回ってない感じがした。ここだと思ったところで行って負けてるんでね。自分のなかで出場するかどうかを決めるラインがあって、3日ぐらい前の練習で、そのラインは大丈夫かなと思ったので出場を決めました」

1R

選手の写真です。
染谷幸喜選手
 打鐘過ぎ4コーナーから笠松将太の内をすくった染谷幸喜(写真)が逃げ切って、オープニングレースを制した。
 「すごい緊張しました。誘導が上がってたし、あそこ(打鐘)で叩きに行くとコーナーの入り口でキツい。内が空くような気がしてたし、見たら空いたのでたまたま入れた。絶対叩きに行くイメージをつけてここまできたので、内は来ないだろうって思ってたんでしょうね。レース内容がいいに越したことはないけど、今回は成績を残せるようにと思ってる。緊張してるわりには周りも見えて脚の感じも悪くない。2日目もしっかり。今度はレース内容も良ければいいですね」
 桑原大志は浮いた佐藤幸治を最終2コーナーで迎え入れて染谷を追わせると、ゴール寸前で佐藤を交わした。
 「内行かれたのは誤算ですね。(佐藤を迎え入れた動きは)できないときはゴメンだけど、そういうところも大事にしたいなと思ってるので。最後は抜けて良かった。迎え入れて抜けないと格好悪いので。(2着で3点を獲得して)とりあえずチャンスが広がりました。2日目もがっついてみます」

2R

 前受けとなった北日本勢は三浦翔大が青板3コーナーから石口慶多を出させず突っ張り先行。中団で立て直した石口がホームからまくると、山崎芳仁がこれを張りながら1センターから番手まくりを決めた。
 「翔大君がヤル気だった。でも長かったですね。どんどん踏んで行っちゃって、俺も脚を削られた。(番手から)出るって決めてたので、ひと振りして下ったら出ようと。ラインのおかげで後ろとワンツー決められて良かった。今日(初日)は翔大君の頑張りに尽きる。その気持ちに応えるだけだったし、絶対にまくられないようにと思ってた」
 残り2周半からのハイペースに2着に続いた鹿内翔も息は絶え絶え。
 「突っ張って、そこからどこまでって感じだったけど、ハイペース過ぎた。石口君に出られて、伊早坂(駿一)君に叩かれたらキツいんで、うまくいきました。いっぱいいっぱいだったけど内だけ締めて、付いてくのにいっぱいでした。こういう長く踏む競走は弱いなと課題が見つかった感じ。何とか1番人気で決まったのでホッとしてます」

3R

 松本貴治に併せ込んでから、再度踏んで赤板手前で出た朝倉智仁が主導権。しかしながら、松本の巻き返しも早い。2コーナー手前から仕掛けて、逃げる朝倉智を最終1センターでとらえる。飛び付いた朝倉智は小川勇介を弾いて番手を奪取し、直線で松本を交わした。
 「松本さんに主導権を取られると、やりづらくなるので(フタをしていたのは)作戦通り。打鐘で流しすぎたのは技術不足ですね。(ヨコの動きは)カミタクさん(神山拓弥)に教わっていたのを生かせた。相手が踏んでから踏むんじゃなくて、ワンテンポ、ツーテンポ早く踏めばラインで決まると思う。2日目以降も力を出し切ることを意識したい」
 朝倉智との踏み合いを制した松本貴治は、内容を高く評価できる3着。
 「出切るのに脚を使って最後はいっぱいいっぱいでした。松戸は声援がすごいし、お客さんに貢献したかった。オールスターのあとにセッティングをいじって、良い感覚があった」

4R

選手の写真です。
井上昌己選手
 愛知コンビが主導権。地元の蒔田英彦との3番手争いを制した人気の井上昌己(写真)は、立て直した蒔田の反撃に備えて好位をキープする。最終ホームで蒔田を外に振ってからまくった井上が、力の違いを見せて白星で幸先のいいスタートを切った。
 「キツかった。車間を切った時に蒔田君が来たので、かぶらないようにだけを気をつけた。1周ぐらい行ったけど、長く感じたしイマイチ。良い時はもっとスピードが出ていたと思う。体が重かったから修正していく」
 逃げる下岡優季の番手の山内卓也に振られた加倉正義だったが、井上に流れ込んで2着。
 「(井上)昌己がしっかりと組み立ててくれた。安心してやれましたね。良い展開になってくれた。内をしゃくってくるとかあると空けられないしそういう気遣いが脚にきた。最終ホームも昌己がよくわかっていて、かぶると着がないからキツそうだったけど、合わせてくれた。山内君がもう少し余裕があると、さばかれていたかも」

5R

選手の写真です。
山田久徳選手
 上昇して来た花田将司を青板3コーナーで突っ張った藤井栄二は箱田優樹の打鐘ガマシも合わせ切る。これで番手絶好になった山田久徳(写真)が余裕を持ってゴール前で抜け出した。
 「7車で3人(のライン)は大きなアドバンテージだった。作戦は全部、藤井君に任せてたけど、前から前々でって作戦だったので。箱田のところは僕も持っていけるスピードじゃなかったので、合わせてくれと思ったけど、しっかり合わせてくれた。タレてなかったし、7番(花田)も来れないかなと思いました。ワンツースリーが一番良かった。(オールスターで落車しているが)付いてく分には問題なかったです」
 花田、箱田の仕掛けをことごとく封じた藤井栄二が2着に逃げ粘った。
 「突っ張ってから考えようと思ってました。休むところが全然なかった。ジャンのところで5番(箱田)が来たときのペースはカマされるスピードだった。あそこもう少し上げていかないと、次は行かれると思うので。課題はいっぱいあった。6番(近藤寛央)の1車があったから。2車なら行かれてると思う。まずは準決勝(が目標)。明日(2日目)が勝負なんで」

6R

選手の写真です。
坂井洋選手
 赤板の1コーナーですかさず巻き返した坂井洋(写真)は、3番手に入りかけるも佐藤雅春を叩いて主導権を奪う。兵藤一也は付け切れず、木暮安由まで出切って3番手に庄子信弘が切り替える。後続との間合いを計って追い込む木暮を坂井が僅差で振り切った。
 「(フタをされても)引く選択はなかった。(佐藤が)引かなくてもどかして行くしかないし勝負した。(最終)ホームとバックを取りたくて、すかさず仕掛けました。みんなフカしていたけど、33バンクだしフカしてくれた方が立ち上げやすかった。差されたと思った。でも、差されなかったのはまぐれですよ。(中4日でも)違和感なく走れた」
 木暮安由が、タイヤ差での2着を振り返る。
 「坂井君は先行したら強いし、自分たちが3車なのでひとまず前に出れば何とかできると思った。庄子さんが3番手に入っているのがわかったので、踏むのが遅れました。差さなきゃダメですよね…」

7R

選手の写真です。
山賀雅仁選手
 前受けから下げた岩本俊介は打鐘で一気のカマシを敢行。先行態勢に入っていた廣田敦士を最終ホーム手前でとらえるとそのまま別線を寄せ付けずに逃げ切った。
 「今日(初日)は特に長い距離を踏みたかった。車番も悪かったので前か後ろと思っていたけど、自分で前を取れて自分のレースができた。雨でスリップもしたし、柴崎(俊光)君に気づかれるのも早かった。前回のオールスターで自分のなかで刺激が入った。タイムがとんでもなく良くて、先行選手も600メートルを回しているなかで戦っていたので、それに比べると今日(初日)は緩かったですね。特別競輪にいる感覚で、レースをしていた。プレッシャーもすごかったけどクリアできて良かった。明日(2日目)も力を出し切るレースをしたい」
 山賀雅仁(写真)は岩本に口が空くも懸命に追いかけてワンツーを決めた。
 「力が入ったし、力しか入っていなかった。前取って引いて行けるところから仕掛けると言っていた。連係がダメ。わかっているのに口が空いた。オッズが1.何倍とかで痺れたけど、期待に応えられて良かった。自分の感じも良くなっていたけど、それを超えて岩本君が良い感じでしたね」

8R

選手の写真です。
新山響平選手
 青板3コーナーで切った恩田淳平を新山響平(写真)が打鐘前2コーナーで叩いた時点で勝負あり。3番手の大木雅也までライン3車がきれいに出切ると、逃げた新山が末良く押し切った。
 「1番車なので前からの組み立てを考えてた。引くのがちょっと遅くなったけど、しっかりラインでカマせて良かった。3人で決まって、自分も1着で、バックも取れてる。今日(初日)はかなり良かったと思う。バンクなのか体調なのかわからないけど、オールスターより体が重い気がする。7車なんで引いて5番手は僕にとってかなり有利な展開になりやすい。競技(のケイリン)も6車なんで、今やってる練習にも合ってると思う。2日目もしっかりポイントを取って、準決勝に上がれるように」
 内藤宣彦がきっちり続いて2車単150円の圧倒的な一番人気に応えた。
 「作戦どおりでした。(新山には)千切るなよと作戦の段階で言ってました。恩田君が泳がされてる形からの響平のカマシ。飛び付かれるかどうかがポイントだったけど、スピードが違ったので有利かなと思って回ってました。響平はオールスターと変わりなく強いと思うけど、僕もオールスターより感じはいいです。(2日目も)気を引き締めて、最低でも3着以内に入れるように」

9R

選手の写真です。
村上博幸選手
 青板2センターで切った鈴木裕を深谷知広が打鐘前から叩いて主導権を奪う。単騎の清水裕友が最終ホーム7番手から仕掛けて前団に迫るが、3番手の外でいっぱいに。深谷マークの村上博幸(写真)が好展開を生かした。
 「(初手は)前か後ろかどっちでもいい感じだったけど、地元勢を警戒してスタート出てみてだった。(深谷は)ダッシュもそうだけど、それ以上にコーナーの上手さというか。そこが上手に感じました。うれしいですね。年々1着が取りにくくなって、そのなかでの1着。ましてや深谷君を差せたというのは自信を持ちたいです」
 逃げた深谷知広は力強い走りでレースを支配した。
 「突っ張るか迷ったところはあったけど、引いたときに平原(康多)さんが切り替えなかったので助かりました。たぶん自分のラインが先行とみてくれたと思うので。いいタイミングで出られたし、あとは1着に粘れればね。体調自体はいい。あとは自転車を換えたので、そこを対応しながらやっていきたい」
 中近3番手を追走した平原康多だったが、2センターから内、外を行かれて6着に敗れた。
 「あそこって決めたんで。2コーナーから仕掛けられなかったので深谷が強かった。それで最後は内外を来られて最悪になったので悔しいですね」

1R

選手の写真です。
木暮安由選手
 中団の山田久徳に一度は上昇を阻まれた朝倉智仁だったが、赤板前から踏み上げると1センターで先頭に。山田の6番手まくりを2度、3度とけん制した木暮安由(写真)が直線で抜け出した。
 「(落車した7月当所の決勝と違い)雨が降ってなかったから良かったです。朝倉君が落ち着いてレースを運んで、主導権を取ってくれたんで僕の1着だと思います。山田君のスピードが良かったので、引きつけて引きつけて自分の仕事をして自分の1着だと思う。1回で止まんなくて、2コーナーの下りを使って来たので無理やり止めました。(前記の当所戦、8月オールスターと連続で落車)これで流れが変わったと思います」
 山田が止められたと見るや木暮後位にスイッチした加倉正義が2着に食い込んだ。
 「作戦はなかった。山田君は前々に行くと言ってたし、あとは木暮君がしっかり仕事するだろうから、そこで自分がどこ行くかだけ。たまたま須藤(悟)君が欠場明けで隙ができたと思う。(初日に比べて)少しは修正できたと思うけど、まだ何となく重たい感じがします。たぶんバンクが重たいんじゃないかな」

2R

選手の写真です。
松本貴治選手
 蒔田英彦にフタをされ、打鐘過ぎには6番手に置かれてしまった松本貴治(写真)だったが、先まくり不発になった恩田淳平の外を2コーナーからのまくりで豪快に飲み込んだ。
 「昨日(初日)と一緒でまだ迷ってるところがあるので。結果的には待ってまくれて良かったけど、不発だったら後ろの人に謝ることしかできない。ああなったときにどうしたらいいのか。正直、焦ってました。あそこからは出さないと話にならないし、出したら思ったより伸びてくれたので良かった。昨日(初日)、ハンドルの高さを調整してみて、乗った感じは悪くなかった。準決勝はしっかり走って頑張りたい」
 桑原大志がきっちり続いて中四国ワンツーが決まった。
 「(松本は)大事にいってたなと思う。(打鐘過ぎ)2センター、ホームと何回も待って、本調子じゃないのかな? 僕は前が行けば何とかなるかなと思ってたし、(松本が)バックからもう1回伸びて行ったからねじ込めるかなと。僕は抜き足もさることながら、スピードが足りなてないな。今回は(初めてのポイント制の記念で)準決勝を目標にしてきたので、とりあえずですね」

3R

選手の写真です。
鈴木裕選手
 人気の地元勢を後方に置いて、廣田敦士が先行策に出る。車間を空けて5番手でタイミングを取った鈴木裕(写真)は、詰める勢いで打鐘の4コーナーから前団に襲い掛かる。山賀雅仁は付け切れず、逃げる廣田をとらえた鈴木が、後続をちぎった。
 「初日に廣田君がジャンで流していたから、そこで行こうかと考えていたけど駆けられてしまって焦りました。本当は後ろになってはダメですよね。ちゃんと中団を取っていればもっと楽だった。あれでは後ろが絡まれる。仕掛けどころを決めつけてしまった。欲が出た。感じはいいし落ち着いていますね。自分なりに仕上がっている」
 山賀を外に張りながら鈴木を追った鹿内翔が2着に入った。
 「(最終ホームで)鈴木さんが見えたので、山賀さんのところで勝負だと思った。先行も掛かっていたし、スピードをもらえた。全然、緩まなかったけど、初日よりは楽。脚は引き続き良いです」

4R

 伊早坂駿一を青板のバック過ぎに突っ張った新山響平は、絶妙なペースで風を切る。再度、反撃に出た伊早坂をあっさり不発にして、あとは番手の山崎芳仁との勝負。新山が二の足で4分の1輪、山崎を振り切って連勝のゴール。
 「引いて早めに(巻き返して)と思っていたが、伊早坂君が勢いをつけていこうとしている感じだったので、モニターを見て合わせられた。前の方がすべてにおいてやりやすい作戦を立てていた。もっとタレると思ったけど、意外と最後までモガけた」
 絶好の展開も踏み遅れた山崎芳仁は2着。
 「(最終)バックで誰も来ないのを確認して差すだけと思ったけど新山君が強かった。どんどん踏み上がっていった。後ろで余裕はあったけど差せなかったですね。タレてこなかった」

5R

選手の写真です。
岩本俊介選手
 赤板の1センターから岩本俊介(写真)がカマシに行くが、下岡優季に合わせて踏まれて3番手の外で止まる。ホームで佐藤亙がけん制すると、佐藤に箱田優樹、和田健太郎の3名が落車。3番手で立て直した岩本は2コーナーからのまくりで連勝を決めたが、後ろが落車してしまい表情は硬い。
 「箱田に合わせられそうな雰囲気だったし、もう1回力ずくで行こうとしたときのアクシデントでしたね。だいぶ外まで行ったので自分も落ちたかなと思った。勝負は最後まで諦めずにやったけど、カマシに行って緩んだとこもあったので、その分迷惑をかけた。(和田健太郎はシリーズの)主役だったので悪いことしましたね。(連勝だが)内容ある結果ならいいけど、今日(2日目)はあんまり良くなかったですね。あそこの落車が全てでした」
 内から落車を避けて下岡の番手になった真崎新太郎は加藤圭一に踏み勝って2着に入った。
 「勝負どころで箱田も岩本にかぶったら終わりだと思って強引に行ってくれた。下岡もいいペースだったし、(佐藤)亙も持って来ますよね。その後の判断はたまたま。箱田が頑張ってくれたから。アクシデントのあとも脚は余裕はあったし、状態は上がってると思う」

6R

選手の写真です。
村上博幸選手
 染谷幸喜が強引に叩くと飯田辰哉は遅れて、藤井栄二が飛び付いて番手に入る。最終2コーナーから藤井が番手からまくり上げる。インを進出した三浦翔大をキメた村上博幸(写真)が、藤井を交わして貫禄を示した。
 「(藤井)栄二が突っ張ると思ってたので、ちょっと思っている流れと違った。でも、余裕があったので対応できた。初日に深谷(知広)君の後ろで、ダッシュ、トップスピード、粘り、輪界トップクラスのモノを差せた。自信をもっていきたいが疲労感もあり怖さもあった。感触は初日よりも良かったですね」
 結果オーライの近畿ワンツーに藤井栄二が反省する。
 「突っ張る作戦だった。(染谷を)出すつもりはなかったし、出られてから落ち着けなかった。仕掛けないとダメなところが何回もあって、内容は最悪です。結果はワンツーだけど内容としては0点」

7R

選手の写真です。
深谷知広選手
 前受けから5番手まで車を下げた深谷知広(写真)は打鐘で津村洸次郎が出たところをすかさず仕掛ける。番手の柴崎俊光が離れるほどのスピードで出切ってしまうと、2着以下を千切ってゴールした。
 「どの形でも自分の力を出せるようにフリーでいようと思っていた。すごいみんなが力を出し切っていい走りだったと思う。もっと待っても良かったが、自分の力で対抗してねじ伏せにいった。後ろも確認したが、残り1周だったので、踏み込むだけでした。7車なので、相手が少ない利点を生かせる走りをしたい。(観客がいる)あのなかで走れるのは幸せ。脚も問題ないのでリカバリーする」
 離れた柴崎をさばいた山下一輝は、深谷を懸命に追いかけた津村をゴール前でとらえた。
 「津村君が前々に仕掛けてくれた。津村君とは深谷君に合わせて出られればいいねって話していたら行ってくれた。柴崎さんが離れ気味で、津村君もそこを取りにいっている感じだったので、サポートした。けっこうしんどかったが、深谷君以外に先着できたから良かったかな」

8R

 前受けから5番手に下げた清水裕友は打鐘前1センターから一気のカマシ。ライン3車で出切ってしまうと、番手の井上昌己が余裕を持って逆転した。
 「(清水に)任せてたんで。仕掛けどころも抜群でした。スピードもすごい良かったですね。あとは差すだけだったけど、強かったです。(清水が)前を取って行けるところから力を出し切るレースをしてくれたんで。今日(2日目)は人の後ろだったので軽かったですね」
 清水裕友も3車のラインを生かすレース運びでしっかりと2着に粘った。
 「前を取って行けるところからって感じでした。(石口慶多が)駆けるかなと思ったらジャンで駆けてなかったので、そこ目がけて。最近、初心を忘れてたじゃないけど、守りに入ってレースしてた。33ですし、そういうレースをして戻していきたいなってところですかね。自分の思う調子ではないけど、調子ウンヌンよりやれることをやって。だんだん戻していきたいなと思う」

9R

選手の写真です。
平原康多選手
 青板の2センターで坂井洋の内をすくった花田将司は打鐘前2コーナーから佐藤幸治もすくって先頭に立つ。そこを一気に仕掛けた坂井が最終ホームで出切ると、番手の平原康多(写真)がしっかりと好展開をモノにした。
 「全部、(坂井に)任せてたんで、何も言わなかったです。(内をすくわれたり別線の動きは)前が対処することなんで。(3番手の小沼良が離れたが)あれは離れるスピード。仕掛けるとこのスピードはものすごかった。自分も落車明けで感覚のズレがあったので、1日、1日修正して。昨日(初日)は感覚が悪かったけど、今日(2日目は)かなり修正できたと思う」
 ホームから坂井の仕掛けを追いかけた佐藤が2センターからグングン前団に詰め寄ると、そのスピードをもらった小川勇介が中割り鋭く2着に突っ込んだ。
 「(2日間の合計ポイントで準決勝進出を逃し)ポイント的にアタマしかないと思ってた。佐藤君が前々に行ってくれたんでね。道中、内をしゃくられたり、予想外の動きがあったけど、そのあとも前々に行ってくれて、前のおかげですね。僕は昨日(初日)、セッティングを失敗したので、戻したら手ごたえがありました」

7R

選手の写真です。
山田久徳選手
選手の写真です。
清水裕友選手
 決勝進出一番乗りを決めたのは山田久徳(写真)。前を任せた藤井栄二は最終ホームで清水裕友にまくられてしまったが、俊敏に番手に飛び付くとゴール前で逆転した。
 「栄二は作戦のときから気合入ってた。しっかり駆けると言っていたので、仕事できるときはしようと思ってた。(清水は)さすがSSというか、強いですね。持っていけるところじゃなくて、切り替えるのが精いっぱいでした。番手に飛び付いてからは回せるところもあったので、人の後ろに限ってですけど脚は悪くない。日に日に良くなってるかな。調子が良くても乗れなかったりしたので、やっと(記念の)決勝に乗れてうれしいですね。(3日目の8月24日が誕生日)いい誕生日になりました。(33歳、3番車と3が並んだが)3着じゃなくて良かったです(笑)」
 まくった清水裕友(写真)は2着で決勝進出を決めた。
 「(前受けになったが)前からでもチャンスあると思ってたので。(藤井が新山響平にフタをして主導権)あの辺も想定できてた。最悪、泳がされるケースもあるかなと思ったけど。藤井さんが赤板でかなり踏んでたので、あそこで新山さんが来てかぶったら(中団に)入られるかもと思ったけど、桑原さんが仕事して入れてくれたから緩んだら行こうと思ってた。いっぱいいっぱいでバタバタしてたけど決勝に乗れたので。いいときから見ると物足りないけど動けてはいる。積極的に行けてるので、今回はいいかな」
 まくり不発の新山後位から直線鋭く伸びた鈴木裕が3着に強襲。最終レースで坂井洋が3着になったことで決勝進出が決まると、「恵まれました」と安どの笑みを浮かべた。
 「地元じゃなければ3着でしょうがないかなと思うけど、乗りたかったのでうれしい。新山君の気持ちは伝わったし、頑張ってくれた。でも藤井君がヤル気で、すげえかかってました。それでも赤板で無理やり行こうとしてくれたし、もし行ってたら僕が離れてました。前が頑張ってくれたおかげで3着までいけたので感謝してます」

8R

選手の写真です。
平原康多選手
選手の写真です。
岩本俊介選手
 後ろ攻めの朝倉智仁と中団の松本貴治で青板前からけん制がはじまる。先に切った松本を赤板前で朝倉が叩いて主導権を握るが、打鐘前2コーナーから岩本俊介が巻き返す。朝倉マークの平原康多(写真)は萩原孝之を飛ばして岩本にスイッチ。直線でとらえて節目の400勝を飾った。
 「相手もああいう風にしてくるなとは思ってたけど、あんなに早くからはじまるとは思わなかった。ジャン過ぎぐらいからけっこうキツかったんで、あとは相手の動きを見てどう動くか集中してました。岩本は絶対来るなと思ってたけど、タイミングによってどうするかの判断だった。あれを合わせるのは無理だけど、萩原さんまでは行かせられなかったので、何とか踏みながらさばいた感じ。初日悪すぎたんで、それを踏まえて1日、1日修正できてるかなと思う。400勝とか何勝とかはこだわりなくて、気にもしてなかった。開催、開催でしっかり走るっていうのが目標なんで」
 平原に交わされたが、岩本俊介(写真)も豪快な仕掛けで2着に粘った。
 「(青板前から朝倉、松本が)動いてるのが見えたんで、僕は焦らず、ちゃんとスタート切れるように準備してました。早い展開になると思ってたんで、行けるところから勝負しようと思って力で行けました。初日、2日目とリズム取れてなかったので、同級生の鈴木裕にアドバイスをもらって、そのとおりに走った結果でしたね。昨日(2日目)もタイミング取れてなくて合わされ気味に行っての(和田健太郎の)落車なので。今日(3日目)は仕掛ける場所とか攻めたいやり方とか2日目の失敗をしないように心がけてた。体調は問題ない。オールスターのいい感じが残ってます」

9R

選手の写真です。
深谷知広選手
選手の写真です。
村上博幸選手
 山崎芳仁にキメられ、前受けから6番手まで下げた深谷知広(写真)だったが、すかさず打鐘前2コーナーから仕掛けると強烈な出足で村上博幸を千切ってしまう。離れながら追いかける坂井洋を寄せつけず、そのまま押し切った。
 「(山崎に)うまくキメられましたね。引き切って態勢が整った瞬間に、まだ(坂井が)踏んでなかったので。しっかり踏めてますし、自分のレースっていうのはできてるので合格点だと思う。やることはやれてるんであとは道中のタイムだったり、そういうのを上位に近づけていければGIでも戦えるかな。GIで決勝戦とか優勝とかしようと思うとまだまだ足りない。でも成長はしてるので、徐々に戦える手応えはつかめてる。(決勝戦は)一人でも自信もって走れるように努力したい。しっかり自分を信じて走れてるので、決勝でも同じように」
 深谷の踏み出しに離れた村上博幸(写真)だったが、中団、4番手で立て直すと直線で坂井、木暮安由の中を割って2着に。何とか現地集合で深谷とワンツーを決めた。
 「無理ですね。キツかった。タイミングがないし、(深谷に)脚力で行かれてるんで。正直、初日も他の選手のタイミングじゃなかった。今日(3日目)もそれは思ってたけど、あのタイミングのないとこで行かれるとキツいですね。何とかそのあとは伸びてくれたのでビックリしました。脚は悪くないけど深谷が強すぎる」