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決勝戦レポート

渡辺一成(福島・88期)

渡邉一成が今年初V

 平原康多の上昇に7番手まで下げた深谷知広は赤板前の4コーナーから一気に踏み込んで平原を叩くが、平原は竹内雄作をドカして番手を奪う。そこを最終ホームから菅田壱道がまくったが平原のけん制でスピードが鈍ると、すかさずバックから渡邉一成が自力に転じて同大会を初めて制した。
 「壱道が本当にいいところで行ってくれました。浅井(康太)と(竹内)雄作が邪魔になっていたし、あれがなければスッと壱道が出れたと思います。(菅田が)止まった瞬間に、もう踏み込みました」
競技と競輪の両立で、今年もレースに参加したのはわずか4開催だけ。それでも準決勝のレース後に「自分の何が勝ってるかといえばタテ脚なんで。タテ脚がしっかり生きる展開にしたい」。レース勘不足のハンディキャップをスピードでカバーすると話していた。前を回った菅田が作った流れではあるが、最後はそのスピードを最大限に生かした。
 「(菅田が)位置を取るようなレースになれば僕もしっかり付いていって、真価が問われるところですし、壱道に対する期待が大きいレースでした。こうやってタテ脚で勝負してくれたっていうのが僕としては本当にうれしいですし、それが僕の結果につながりました」
 次は1カ月後に控える地元オールスター。スピードという最大のストロングポイントを武器に、渡邉が大会連覇へ大きなはずみをつけた。

 平原を強引に叩いて打鐘前2コーナーで先頭に立った深谷知広。渡邉のまくりには屈したが、末よく2着に粘り込んだ。
 「粘られてしまったし、展開は仕方ない。自分の力がないですね。作戦としては、前を取ってから引いて仕掛けられればチャンスかなって思っていました。(菅田のまくりを)合わせたと思ったら、もうひとり来ていて…。(シリーズをとおして)手応えはあったので、オールスターにつながると思います」

 バックから外に持ち出して渡邉を追いかけた松浦悠士が3着に。
 「一成さんに差し込める手ごたえがあって、優勝は無理でも2着まではと思ってたけど、(平原に飛ばされた菅田に)少し引っかかって…。でも戦える自信にはなりました。今回は取鳥(雄吾)君や太田(竜馬)君のおかげなんで。次はラインでしっかり乗れるように。穴はあけられたんで、よかったです」

 渡邉優勝の立役者は菅田壱道。自在に戦った2日間と違い、決勝は小細工なしのタテ脚で勝負した。
 「一成さんにはタイミングが来たところで必ず踏むんで付いて来てくださいと言ってた。ドンピシャであのタイミングが来たし、普通の先行選手なら行けてますね。平原さんのけん制もあったし、松戸で外に膨らむとキツい。でも、いい開催でした」

 深谷知広の番手に飛び付くなど縦横無尽の走りを見せた平原康多だったが結果は4着。
 「いやあ悔しい。(深谷を)突っ張り切るか迷ったし、突っ張れたなあ。菅田のまくりには対応できなかったです。悔しいけど、自分の走りはできました」

 平原に番手を奪われた竹内雄作は申し訳なさそうにレースを振り返る。
 「あそこで技量があって自分が対処ができれば競輪が成り立った。でも、あっさり負けてしまって…。深谷のスピードがすごかったけど、僕ももうひとつ上の脚がないとダメですね」

  • 優勝者の写真です
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レース経過

 浅井康太がスタートを出て、前団は深谷知広-竹内雄作-浅井の中部ライン。菅田壱道-渡邉一成、平原康多-中村浩士、松浦悠士、古性優作で周回を重ねる。
 早めに上昇を始めた平原が、青板で誘導後位に収まり深谷は下げる。平原-中村に松浦、古性、5番手に菅田。7番手まで引いた深谷は、タイミングをとって4コーナーから仕掛けて赤板を迎える。平原も合わせてペースを上げる。深谷が主導権を奪うと、平原は深谷の番手に飛び付いて竹内と併走で打鐘。外の竹内はあっさり踏み負けて、今度は後方から菅田が反撃に出る。深谷の先行で最終回。
 深谷の番手を奪取した平原のけん制を菅田が乗り越える。菅田追走の渡邉は、バック手前から自力に転じて外をまくり上げる。結局、菅田は深谷をまくり切れず、渡邉が逃げる深谷を直線でとらえてV。深谷が2着、松浦は3コーナーから渡邉を追うように外を踏んで3着。
 

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 2 渡辺 一成 福島 88期 SS 9.3 まくり
2 7 深谷 知広 愛知 96期 SS 1B 9.5 逃残 H B
3 6 松浦 悠士 広島 98期 S1 1/8W 9.2 まくり
4 3 平原 康多 埼玉 87期 SS 1/2W 9.4
5 4 中村 浩士 千葉 79期 S1 1/2W 9.3
6 9 古性 優作 大阪 100期 S1 3/4B 9.2
7 5 菅田 壱道 宮城 91期 S1 1B 9.7
8 1 浅井 康太 三重 90期 SS 1B1/2 9.3
9 8 竹内 雄作 岐阜 99期 S1 D 0