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まつど競輪

MATSUDO KEIRIN

31#

検車場レポート

  • 9/27 Wed.  (前検日)
  • 9/28 Thu.  (1日目)
  • 9/29 Fri.  (2日目)
  • 9/30 Sat.  (3日目)

1R

 7月弥彦記念を優出など、安定感が増した西村光太。初日は前回の福井FIでも連係した山口智弘を目標に勝ち上がりを狙う。


 「去年は競走得点が100点をきったりしていたけど、最近は105点をキープできています。1着も多いですし、底が上がってきたのかもしれないですね。ここまで中5日ですけど、最近はずっとレースを走っている感覚があって。中5日あったので、じっくり練習ができた感じですね。(ここまで)連戦で番手を回してもらって、番手の経験値は上がったと思います」


 宿口陽一は、9連勝して6月からS級に返り咲き。8月小田原記念の二次予選では早坂秀悟らを撃破して白星と、随所で好走を見せている。


 「(9月)青森、前回(和歌山)と先行して。体が勝手に動いた感じですね。青森の2日目も、(先行して6着に沈んだが)レース的にはよかったです。あと10メートルモガければ、芦澤(大輔)さんとワンツーが決まったと思う。いくところでいけたら何とかなりますね。スピードも出始めています」


 山崎翼は今期から初のS級戦。ここまで苦しい競走が続くも、初の記念開催に強い気持ちで臨む。


 「S級はなかなか好きに走らせてもらえないですね。自分らしさが出せていない。自信を取り戻すためにも、うまく走りたい。記念は早く走りたかったです」


 

2R

選手の写真です。
山本紳貴選手

 地元勢のトップバッターは山本紳貴(写真)が務める。ホームバンクでの記念開催に気合い十分。


 「主導権を取りたいですね。緊張はいつもするので、今回が特別に高いというわけではないです。ここまでに腰痛が少し出たんですけど。ここ最近は腰痛が落ち着いていて、練習もできていたし問題ないです。地元記念までに松戸で練習をしようと思ったら全然使えなかったです。予定は狂ったけど、普段から街道で練習しているので大丈夫」


 競技と本業で多忙な日々を送る雨谷一樹。疲労感こそあるが、自慢のダッシュで短走路を攻略するか。


 「前検日の朝も(ナショナルチームの)練習メニューが入っていたんですけど。松戸まで距離があったのでやってこなかったです。(疲労はあるが)慣れてきたし、あんまり深くは考えずに。自分はタレてしまうけど、(33バンクなので)出切れればチャンスはある。スピード戦になると思うので、ダッシュ生かして頑張りたいです。W杯まで、あと1カ月くらいだし、(状態も)どんどん上がってきています」


 

3R

 夏ごろから成績が下降線を辿っている嶋津拓弥。しかしながら、徐々に感触を取り戻してきている。


 「(成績下降の原因は)夏バテだったと思う。前回の防府(744着)は体はよかったけど、結果が伴わなかったですね。でも、踏んでいて感じはよかったです。後ろが地元の(鈴木)誠さんと、水書(義弘)さんだし、頑張らないと。プレッシャーもあるけど、ここは負けられない。積極的にいけば、何とかなると思う」


 意識改革に取り組んでいる日野博幸は、強い気持ちでシリーズを戦い抜く。


 「前回の豊橋(939着)は、初日が情けなかったですね。でも、最終日の9着は先行できたし、悪くなかったです。最近は新しい気持ちで走っています。前までは先行する気持ちが足りていなかった。あとは、記念だったらお帰り(強制帰郷)を考えてしまったり、勝ちを意識し過ぎてしまったり。それで何もないよりかは、バックを取って先行しようと思って走っています」


 

4R

 小川真太郎は、前回の共同通信社杯で6291着と存在を存分にアピール。今開催も、レースぶりに注目が集まる。


 「感じは悪くないし、引き続き(良い状態を)キープできていると思います。松戸は一回走ったことがあるんですけど、その時がめちゃくちゃ悪くて。(33バンクも)得意じゃないけど、今回はそんなことも言っていられない。ここまでに新人訓練があって、同期と一緒にモガけて気合いが入りました。奈良でやってきたので、33の感じもつかめましたね」


 田中孝彦は、補充ながら前回の伊東を31着。特に最終日は、上がり9秒1の好タイムでまくり切った。


 「伊東は予備だったし、準備をしていました。1着が取れたし、よかったですね。ここまではバンクで練習をやってきて、(状態は)いい意味で変わらず。2人(小川真太郎、木村弘)とも強いし、活きがいいので、後方にならないようにします」


 

5R

選手の写真です。
堀内俊介選手

 堀内俊介(写真)は8月小田原記念、9月武雄の共同通信社杯と大敗続きだ。次走の寛仁親王牌へ向けて、ここで感触をつかんでおきたい。


 「小田原は調子が悪かったんですけど、共同の時はそれほど悪くなかったです。でも、トップの人たちとは力が違いました。二次予選は稲垣(裕之)さんや深谷(知広)君と対戦して、そこでいろいろなことを感じたので、今は親王牌に向けて練習しています。前回は3.86のギアでもっと上のギアを踏めるようにならないとダメだと感じたので、今回は92のギアを試そうと思ってます」


 久木原洋は前回の福井FIで今年初の決勝進出。調子は右肩上がりだ。


 「最近はちょっとずつ成績が上がってます。仕掛けるべきところで、ちゃんと仕掛けられているのがいいんだと思います。ここの追加は25日に受けました。練習はやっているので大丈夫だと思います。今回も出し惜しみをせずに仕掛けたいですね」


 

6R

 松岡篤哉はFIシリーズでコンスタントに決勝に乗っているが、大敗のケースも目立っている。


 「決勝には乗れているんですけど、決勝で大敗が多いんですよ。感じはよくなってきているので、もうちょっとっていう感じですね。今回はけっこう間隔が空いたので、しっかり練習してきました。いつも積極的なレースは心がけているんですけど、今回は33なんでいつも以上に積極的な気持ちでいきます。仕掛けるべきところで、しっかり仕掛けます」


 柴崎淳は近況の成績がパッとしない。予選スタートに気を引き締める。


 「一時期よりは感じがよくなってます。2場所前の防府の決勝ぐらいから乗ってる感覚もよくなってます。あとは位置と仕掛けどころだけですね。予選は5、6年ぶりだと思います。(初日は)松岡さんの番手で。初めてなんですけど、しっかり頑張ります」


 

7R

選手の写真です。
石塚輪太郎選手

 積極的な機動型が激突するが、なかでもバック本数が一番多いのは石塚輪太郎(写真)だ。前回の福井FIでは今期初優出を果たした。


 「福井は追加だったんですが、久々に1着が取れました。今期初勝利なんですよ。けっこう前から調子はよかったんですけど、なかなか結果が出なかったんです。決勝にも乗れたし、いい感じでここに来れました。33は得意です。やれることをしっかりやるだけですね」


 山本健也は前回の函館FIで今年初優出。好ムードで地元記念を迎えられた。初日は地区の違う小原唯志の番手を回る。


 「函館はすごい久しぶりに決勝に乗れました。でも、決勝で9着してるようではダメですね。落車の影響もなくなって、調子は上がってます。小原君とはもちろん初めてです。ダッシュがいいので、そこだけを気をつけて。とにかく勝ち上がれるように」

8R

 根本哲吏は8月平オールスター以来の実戦。心身ともにリフレッシュして、ここから再スタートを切る。


 「3月に鎖骨骨折して、それから8点ぐらい点数を落としてしまったんです。FIでもなかなか勝てない感じになってしまって…。それで休んで、しっかり治療、メンテナンスをしました。その期間にトレーニングもしっかりやったので、調子は上がっていると思います。あとは実戦で走ってないので、レース勘がどうかですね。次はGIも控えているので、ここからしっかり頑張ります」


 松岡貴久は9月武雄共同通信社杯の3日目に落車して最終日を欠場。できる限りのケアはしてきた。


 「怪我は擦過傷と打撲です。鼻が少し曲がったんですけど治してきました。フレームも修正してきました。予選はFIだと2年ぐらい前ですかね。緊張は特にないです。森山(智徳)とはたまに一緒に練習します。練習だといつも千切れるんですよ。森山の番手でしっかり頑張ります」


 

9R

選手の写真です。
阿部大樹選手

 予選のメーンは阿部大樹(写真)が人気を集める。前回の9月弥彦FIから中20日と配分間隔は十分だが、阿部は空きすぎたことに不安を隠せない。


 「前回が終わってから手首を痛めたのもあるけど、僕は期間が空くのは好きじゃないので。手首の痛みは5、6日休んで、練習は10日ぐらいできたので問題ない。これだけ空くと初日は緊張しますね。でも(武藤)龍生はいいレースをするし、信頼してラインで決まるように」


 番手の武藤龍生は目立ったヒットこそないが、最近も成績は安定している。


 「変わらずですね、ずっと。自分としてもガーッと上げたいけど。調子も変わらずなんで大丈夫かなと思う。(初日から阿部の番手は)ありがたい。阿部さんとは2、3年前の青森記念二次予選で連係して以来。ただ後ろに付くだけじゃなくて、何か見せたいですね。でも阿部さんが強いんで、しっかり後輪だけ見てれば大丈夫かな」


 強力な埼玉コンビに対抗するのは自力タイプばかりがそろった北日本勢。並びは佐藤和也が前を回ることで決着をみた。


 「前回(豊橋FI512着)よりはいいと思う。(前回から)ここまで中4日のうち、2日間八戸に合宿に行ったので、その成果が出れば。八戸は若手が多いし、持ってるスピードも違うのでいい練習になった。気持ちもいい感じで入りましたね」


 

10R

選手の写真です。
根田空史選手

 根田空史(写真)は昨年のオールスター以来となる松戸参戦。過去には記念でも決勝に進出するなど、バンクとの相性もいい。


 「(前回の函館から)いい感じに来た。イベントで来たついでに松戸で練習もしたし、そのときに模擬レースもやったんで。ここは走りやすいですね。(今回から使うフレームメーカー)ジロも33向きなんで。たまに練習でカーボンフレームを使ったりしてたけど、ここまでの2週間は本格的にカーボンで練習した。昨日、こっち(クロモリの競走用自転車)を使った感じもよかったし、まずは1走してみてですね」


 諸橋愛は今月は弥彦FI、共同通信社杯と連覇。前回のビッグ初優勝の余韻にひたることなく、ここまでもしっかり練習をやってきたようだ。


 「終わった次の日から休むことなく練習して来ました。(共同通信社杯の優勝で)グランプリも見えてきたので、喜んでるんじゃなくて、やんなきゃって気持ち。もうちょっと頑張ろうかなと。結果はなるようにしかならないと思うけど、これから2カ月間(この緊張感を)楽しみます」


 6月高松宮記念杯の落車で鎖骨を骨折した吉田敏洋は順調に調子を戻し、前回の9月函館FIでは復帰後初優勝を飾った。


 「体の状態は確実にこの1カ月でよくなってるかな。長い目で見たら(怪我する前に戻るには)1年はかかる。そこは覚悟してる。そのなかでちょっとずつ。一番は結果がついてこないのが困るんで。感じも大事だけど、数字が一番落ち着く。数字が上向いてきたのはモチベーションがあがりますね。オールスターの後に、ここが動いてないんじゃないかってとこに(マッサージで)刺激を入れて、それがいい方向に出てくれた。順調にイメージどおり上がってきてるかなと思います」


 

11R

選手の写真です。
山中秀将選手

 山中秀将(写真)は高いレベルで調子を維持。このあとも千葉記念と地元の大きなレースが続くだけに、しっかりと結果を残したいところだ。


 「オールスター終わってから、色々用事で練習ができなくて、(2場所前の)弥彦あたりはよくなかった。そのあとはトレーニングも強めに入れられたので。前に比べたら上げ下げ(の幅が)少なくなったけど、いい状態をキープするのは難しい。今回はよくなってると思うし、松戸も(相性は)いいです」


 松戸のバンクレコードを持っている中村浩士は前回、弥彦FIで優勝と流れよく今シリーズを迎えた。


 「前のおかげだけど、弥彦のときは本当によかった。(7月弥彦記念の落車で肋骨を骨折して)まだストレッチをすると痛むけど、自転車に乗ってたほうが楽ですね。完調と言っていいぐらいに戻ってます」


 佐藤友和も8月青森、9月福井とFI戦を連覇。調子は上向きだ。


 「後輩が頑張ってくれた結果だけど、僕自身も動けてる。今のトレーニングが合ってるんですかね。メニューを変えたり、体をみてもらう人も増やしたりしたので。それに3月から転んでないのも大きい。怪我がないからトレーニングの時間が計画どおり取れますから。去年は唯一、ここでしか優勝してないので、今回もしっかり勝っていけたらいいですね」


 

12R

選手の写真です。
稲垣裕之選手

 今開催唯一のS班となった稲垣裕之(写真)は、今年は未だに優勝がない。しかし、戦績は高いレベルで安定しているし、寬仁親王牌に向けてという意味でもここで弾みをつけたい。


 「(当所は昨年のオールスター準Vで)気が引き締まりますね。親王牌の前に33バンクを走れるのはいいきっかけがつかめると思います。前回から引き続き新しい自転車です。セッティングを煮詰めて、最後の微調整をしたいですね」


 長島大介は、6月久留米記念を制すると、その勢いに乗り7月宇都宮FI、9月平塚FIとVラッシュ。しかし、共同通信社杯では6964着と精彩を欠いた。


 「平塚まで調子がよくて、でも体調を崩してしまって前回がダメだったんで。胃がおかしくなっちゃって…。平塚までにいっぱい練習したんで、ここまではケアを中心にやってきました」


 長島の番手を回るのは神山拓弥だ。共同通信社杯では初日敗退。今回は急な追加配分も状態の万全ぶりをアピールする。


 「4日前に追加が入りました。ちょっとオーバー(ワーク)気味だけど、全然影響はないですね。感じもそんな悪いとかないです。(共同通信社杯は)展開もあるし、全然気にしてないです」


 


 


 

1R

選手の写真です。
宿口陽一選手

 オープニングレースは3連単の配当が15万円を超える大穴決着。レースは赤板でハナに立った山崎翼が、打鐘で叩きにきた宿口陽一(写真)を出させず主導権を握る。最終ホームで山口智弘が後方から巻き返すが、中団で立て直した宿口が1コーナーから合わせてまくる。山口貴嗣が2コーナーから番手まくりに出たが、勢いで勝った宿口が先頭でゴールを駆け抜けた。


 「疲れました。(打鐘で)叩くつもりで仕掛けたけど、合わされてしまった。相手が強かったです。(中団で立て直してからは)脚がいっぱいだったけど、後ろにホームバンクの深井(高志)さんが付いているし、その後ろに須藤(直道)さんがいたので、かぶる前に行こうと。番手まくりをされてキツいなって思った。体が重かったので、ゆっくりダウンして明日(2日目)に備えます」


 下田和美が山口貴嗣を交わして2着に食い込んだ。


 「恵まれました。山崎君は初連係だったのに、いい走りをしてくれた。普段から練習はやっているので脚は軽かったし、これで4日間走れますね」


 番手まくりを打った山口貴嗣は3着で初日を突破した。


 「山崎君が行ってくれたので出るしかなかったです。2コーナーで宿口君がきた動きが見えたので、出るしかなかった。脚はいっぱいでしたけど、いい判断はできたと思います」


 

2R

 赤板前で誘導を降ろした泉文人が、山本紳貴を突っ張って主導権を譲らない。後方で様子を見ていた横関裕樹が打鐘の2センターで巻き返すと、佐藤朋也は張り気味に番手まくりを敢行。横関を合わせ切ってゴール線を1着で駆け抜けた。


 「(泉が)あんなにいくとは思わなかったです。何回か(山本を)踏ませて、下げるのかと思ったけど。駆ければ強いので、前々にいった方がいいとは言っていたんですけどね。強かったです。(横関が)止まったと思ったけど、2コーナーでまたきたので。いってくれていたし(番手から前に踏んだ)」


 横関の仕掛けに乗った田中雅史が、直線で追い込んで2着に入る。


 「いい形になったんですけどね。まくれるタイミングでいってくれたし、よしいけると思ったけど。番手まくりじゃなければいっていた。(自分は状態が)悪かったら飛ばされている。(対処)できているかなって感じです」


 雨谷一樹は内に包まれて3着。力を発揮できなかった。


 「出し切れなかったので悔しい。余裕はずっとあるのに。前々には踏んでいたので、しょうがないですね。二次予選は、力を出し切れるように」


 

3R

 正攻法に構えた日野博幸が中団から上昇した西本直大と嶋津拓弥を出させずに赤板から主導権。中団で態勢を立て直した西本が最終ホームから巻き返しに出るも車の出は悪く、嶋津がもつれる前団を7番手から豪快にまくり切った。


 「まさか日野さんが突っ張るとは思ってなくて、脚を使っての7番手になってしまった。後ろに地元2人も連れて情けないですね。力ずくで叩きにいくくらいの気持ちが自分にあればよかった。西本さんが中団から先に仕掛けてくれなければヤバかったと思う。でも久々に1着を取れたのでそこだけはよかった」


 2着には日野をリードした高市訓但が入線。二次予選への切符をつかみながらも反省の弁を述べた。


 「日野さんがうまく駆けてくれたけど自分が下手でしたね。ホームで車間を空けるなりもう少しできたと思う。でも嶋津さんが来るんじゃないかってビビッて余裕がなかった。調子は上がってきているけど、まだまだ課題が多い」


 3着に入線した地元の鈴木誠も悔しそうにレースを振り返る。


 「まさか(嶋津が)7番手になるとは思っていなかったから苦しかった。でも前が1着だし2着まではいきたかったですよね。勝ち上がれたのでまた明日(2日目)頑張ります」


 

4R

 青板周回のバックで先頭に立った小川真太郎が木村弘を突っ張って先行策。いったん下げた木村だが、打鐘前から再び踏み上げる。前団のもつれを見極めて、車を外に持ち出した田中孝彦が最終ホーム前から力強くまくって快勝した。


 「中団、中団で考えてました。みんなが脚を使って、僕だけ脚をためられたので、展開がよかっただけですね。待つよりは流れに乗って仕掛けようと思いました。最後は本当にもういっぱいでした。脚の感じはいいと思います」


 好マークから迫った山田和巧が2着。南関ワンツーが決まった。


 「孝彦は何でもできるので、安心して付いてました。高原(仁志)さんが来るんじゃないかと思っていたけど、ワンツーが決まってよかったです。2着で満足したらいけないけど、とりあえずよかったです」


 小川の先行を利した高原仁志が3着に入った。


 「2周半も行ってくれて、ありがたかったですね。ホームで(木村に)出られそうになって厳しいと思ったけど、意外に残ってましたね。2車(田中、山田に)行かれて、待ったつもりだけど難しかった」


 

5R

 赤板でハナに立った堀内俊介が徐々にペースを上げて一本棒で打鐘、最終ホームを通過。1センターで後方から久木原洋がまくり上げると、中団の長尾拳太がバックから合わせてまくり出て快勝した。


 「南関の後ろを取ってから先に動こうと思っていました。初手で一番後ろになったのが正解でした。(赤板では)踏み合っても長いなって思ったので、一回切って中団で落ち着いて脚だけためてと思って。松戸は走りやすいし、雰囲気が好き。成績もいいので、まくれる感じはありました」


 長尾を懸命に追った吉田健市が2着に流れ込み、中部ワンツー決着となった。


 「スタートで後ろを取った分、組み立てやすかったのだと思います。(長尾が)しっかり中団を取っていいタイミングで仕掛けてくれました。点数以上に脚がありますね。初日が大事なのでワンツーが決まってよかった。自分の脚は悪くない。明日(2日目)以降も大事なのでまた頑張ります」


 7番手からまくった久木原洋は外々で苦しくなる。最終3コーナーで内に降りた齊藤努が3着に食い込んだ。


 「全て久木原君に任せていました。伸びは悪くないけど、ちょっと口が空いたし、シッティングの反応は悪いので修正します。久しぶりに緊張したけど、いい緊張感ですね」


 

6R

選手の写真です。
松岡篤哉選手

 前受けとなった松岡篤哉(写真)は上昇してきた村上直久を一度は突っ張ろうとするが、冷静に下げて3番手を確保する。しかし前に出た村上がペースを上げないと見るや、打鐘から村上を叩いて押し切った。


 「前を取らされたのはしゃーない。(村上の上昇も)遅かったし、(九州ラインが)ついて来てれば突っ張ろうと思ったけど、2車なのが見えたんで。あとは緩んだところでまた行きました。調子はいいけど、自分だけになったんで後ろに申しわけない。前回は悪かったけど、距離を乗る練習を増やして底上げをやったのが。そこが足りなかったんで」


 出られた村上直久は柴崎淳を飛ばして松岡後位を奪う器用な走りで2着に食い込んだ。


 「タテ脚だけじゃ勝てないんで。切って待つか先行するか。展開的にどっちでもよかったけど、松岡君が中団に入ってるのが分かってなくて、遅く来るかなと思ったらすぐ来てた。あそこで引いたら終わりなんで。(ラインで)2着、3着決められてよかった」


 村上マークの中曽直彦が3着で二次予選進出を決めた。


 「よかったです、何とか。村上君は駆けるか粘ると言ってたので。勝ち上がれたのはデカいですね」


 

7R

選手の写真です。
小原唯志選手

 人気を背負っていた石塚輪太郎が正攻法の構えから誘導員を降ろすと、誰も出させぬ構えで青板過ぎからそのまま主導権。思わぬ形でサラ脚を保ちながら中団に陣取った小原唯志(写真)は車間を空けてタイミングを計りながら最終2コーナー手前からまくり上げると逃げる石塚ラインを一気に飲み込んだ。


 「一番強いのは石塚君だけど脚を使って駆けていましたからね。自分はサラ脚だったので。これでいいのかなって。緩んだところがあったし、本当はそこで行かないとダメですね。練習みたいな感じでした。どんな形であっても1着はうれしいですね」


 2着には小原と連係していた地元の山本健也が懸命に食い下がった。


 「小原さまさまですね(笑)踏み込んだ瞬間にいっちゃうと思ったので。何とかついていけました。展開は意外でしたけど、もう後ろは誰も来れない思ったし、決まってよかった」


 目標の菅田和宏が不発の窮地にも外を鋭く伸びた阿部力也が3着で二次予選に進出した。


 「打鐘で仕掛けてくれるかなって思ったけどいかなかったのでヤバいと思いました。でも車は流れてくれたし、何とか3着に届いてよかった」


 果敢に攻めるも着外に沈んだ石塚輪太郎は引き揚げてくるなり検車場で座り込み悔しさを噛み締める。


 「3周過ぎて誰も来なければ突っ張ろうと思ってました。でも人気にもなっていたし、最低でも3、4着には粘らないとダメですよね。今日(初日)のレースで逃げ切れていれば決勝も見えてくるので頑張るしかない。調子は悪くないので(最終日の)優秀戦を目指して明日も頑張ります」


 

8R

選手の写真です。
松岡貴久選手

 森山智徳が、合わせて踏んだ増原正人を青板の3コーナーで押さえて主導権。番手の松岡貴久(写真)は巻き返してきた根本哲吏をけん制して勢いを殺すと、最終1センターから番手まくりを放って勝利した。


 「(森山を)残すのは難しいかなと。2番(根本)は止まりそうだったけど、8番(岸川哲也)がサラ脚だったし。変にヨコに動いてすくわれるのも嫌なので。(前回の共同通信社杯で落車しているので)何かしらおかしい。傷もやっとふさがったくらいですし。でも、みんな何かしら悪いし、気持ちでいくしかないですね」


 熊本ライン3番手を固めた西川親幸が、松岡に続いて2着。赤板の2コーナーから内を狙ってきた増原を締め込むなど、仕事をきっちりとこなした。


 「内は締めないといけないし、外もくるし。何とかしのげてよかった。今月は、ここが4本目なんですよ。意外と(感触も)よかったですね」


 根本と連結を外した谷津田将吾は、打鐘の2センターで熊本勢にスイッチ。そのまま3着に流れ込んだ。


 「前検日は疲れが残っていたんですけど、ケアをしっかりしたら楽でしたね。根本君は練習でよかったと言っていたんですけど。感覚のズレがあるのかな。(自分は)対処というか、何とかって感じですね。2コーナーから(根本の)内を踏ませてもらったのは悪かったです」


 

9R

 佐藤和也を押さえて前に出た才迫開が赤板前から先行態勢に入る。打鐘で7番手に置かれた人気の阿部大樹だったが、4コーナーから力強く巻き返すと、最終2センターで逃げる才迫を抜き去り、力の違いを見せた。


 「踏み出しが悪かったですね。打鐘で仕掛けたかったけど、行きづらくて…。レース勘がちょっとよくないですね。脚の感じは悪くないし、明日(2日目)は今日(初日)よりもよくなっていると思います。ラインで決まるのはうれしいし、自分としては内容よりもまずは勝つことが大事だと思うので」


 埼玉同士の武藤龍生が直線で阿部に詰め寄ったが、交わせなかった。


 「けっこう苦しい展開でした。信じていたし、阿部さんの力が違いましたね。本当に阿部さんのおかげ。冷静に周りを見ることができているが、そんなに余裕はなかった。付いていく分には問題ないです」


 関東ライン3番手を回った福田拓也は最終3コーナーで内に切り込む。吉永好宏を内からどかして3着を確保した。


 「体は反応しました。1番(伊藤勝太)が遅れたのが見えて、瞬時に反応して内へいきました。ラインで決まってよかったし、体の状態はよかったのでわりと落ち着いて走れました」


 

10R

選手の写真です。
諸橋愛選手

 赤板前に誘導を下ろした飯野祐太を吉田拓矢が押さえると、すかさず叩きに出た根田空史が打鐘から主導権を握る。海老根恵太は踏み出しで離れ、吉田拓が根田の後位にはまる。後方8番手から反撃に出た吉田敏洋は中団の外でスピードが鈍って不発。車間を詰める勢いで吉田拓が根田の番手からまくり追い込む。これに乗った諸橋愛(写真)が鋭く差し切った。


 「作戦どおりでした。(吉田拓が)先行できなければ俺が番手の選手をどかそうと思ってました。あいつがわりと冷静に走ってくれました。自分だけじゃなくて、ワンツーで一緒に勝ち上がれるのが一番でしょう。一番人気だったので、差さないとマズイと思って、最後は全開で踏みました」


 前々に攻めた吉田拓矢が2着。人気の関東コンビで連を独占した。


 「根田さんがいい勢いで来て、番手にはまる形になりました。かかりがすごかったので、無理やり行った感じです。これで脚に刺激が入ったので、(2日目以降は)よくなると思います。新車は前の自転車とそんなに変わらないので、違和感はなかったですね。優秀戦もしっかり力を出し切ります」


 飯野が不発と見るや佐藤慎太郎は最終バックから内を進出。しぶとく3着に食い込んだ。


 「もうちょっと(諸橋)愛ちゃんが下手な選手なら中を割れるんだけどね。あんなに空くなら吉田(拓矢)の内にいけば、1、2(着)までいけた。ちょっと疲れは残っている」


 根田空史は後ろが離れる不運もあって7着に敗れた。


 「しっかり先行はできたし、自分のやることはやったと思います。調子はいいですよ」


 

11R

選手の写真です。
中村浩士選手

 山中秀将が、地元の意地を見せて白星スタートを切った。レースは後ろ攻めの取鳥雄吾が、合わせて踏んだ山中を押さえ赤板前に主導権を握る。単騎の笠松信幸も、この動きに続く。取鳥が徐々にペースを上げて、打鐘、最終ホームと一本棒で通過。抜かりなく中団を確保した山中は、最終1コーナーからスパート。抵抗する取鳥を2センターで捕らえた。


 「すかさず仕掛けられてよかったです。あそこでいかないと、橋本(強)さんの餌食になっていましたね。(萩原孝之と)3人で決まれば一番よかったですけど、中村(浩士)さんとワンツーですし。内容も着も悪くはなかったと思います。父の友達とかもきてくれていて、(地元記念は)気持ちがいいですね。重い感じはあるけど、トレーニングが足りなくて体が軽いより、やってきて重い分には悪くない。最終日まで、いい緊張感もって走れるように」


 中村浩士(写真)がしっかり続いて、地元ワンツー決着。


 「やっぱり山中君だなって感じでした。まくり切った後も、ターボというかスピードがもう一段階上がりましたね。自分も何とかついていけたので。背中を押してくれる声援もいっぱい聞こえてきて頑張れました」


 橋本強が、取鳥の番手から追い込んで3着に入った。


 「余裕もあったし、車間を空けて詰めて。波も作ったけど、山中君が強かった。3コーナーの入口できてくれればどうにかできたかもしれないけど。あれは止めようがなかったですね」


 取鳥雄吾は、直線で力尽きて7着。二次予選からの立て直しを図る。


 「あんなにいい展開を作れたけど、かかっていないんじゃないかって焦ってしまって。無駄な動きが多すぎましたね。巧く駆ければ3着には残れたと思う。でも、脚には刺激が入ったので、二次予選はよくなると思います」


 

12R

選手の写真です。
稲毛健太選手

 長島大介の上昇に対し誘導員を残して下げた稲毛健太は、赤板ホームから誘導員を下ろした小松崎大地をすかさず叩いて主導権を握る。番手の稲垣裕之は車間を切って稲毛を援護すると、直線鋭く抜け出した。


 「(稲毛は)踏んでほしいところで踏んでくれて、自然と車間も切れるし頼もしい。いつも頑張ってくれるけど、そのなかでお互いが勝ち上がるのが課題。稲毛はもともと脚力のある選手だし、走り方次第で上に行ける選手だと思う。(自分の)感触もよかった。(前回から新車にして)初めて人の後ろだったけど、もう少し。久しぶりの短走路で横へのブレがあったので修正したい」


 近畿3番手を回った小川勇介は前の2人に感謝しきり。


 「恵まれただけですね。何番手になろうと信頼してたし、前のおかげです。稲垣さんは自力のS班なんで、後ろでいい勉強になりました」


 稲毛健太(写真)の走りがライン上位独占に導いたことは言うまでもない。


 「どうせ前(受け)だと思ってたし、遅かったら突っ張ってと思った。長島君が先に来たんで行かせてもいいかなと。そこからはとりあえず前々と思ったし、あそこだと持つ距離なんで。(優秀は3日目以降に)つながる競走がしたい。思い切り行くのもいいけど、展開次第ですね」


 一度、中団に追い上げてから外を仕掛けた長島大介だったが、前団を捕らえることはできず。


 「(稲毛に抵抗するのを)小松崎さんに任せた部分がありますね。そしたらスンナリ出させちゃったんで。あそこからでも行ける感じはするんだけど、稲垣さんに見られてたので…」


 

6R

選手の写真です。
久木原洋選手

 松岡篤哉が主導権を握ると、出られた田中孝彦は番手で粘る。最終ホームから久木原洋が巻き返すと、3番手で併走になった武田憲祐と高原仁志がホームでからんで落車。福田拓也、佐藤友和もこれに巻き込まれてしまう。まくった久木原洋(写真)は粘る松岡をバック過ぎにとらえて記念で初の準決勝進出を決めた。


 「松岡さんが切ったところを行く作戦でした。松岡さんも相当踏まされてたし、強いですね。踏んだ感じはよかったです。前回決勝に乗れて、気持ち的にもいいですね。練習のギアを換えたりとか、色々変えた結果ですかね。脚使ってたとはいえ、松岡さんの前に出られたんで」


 2着に粘った松岡篤哉だが、後ろを競らせる展開を作ってしまったことを反省する。


 「自分の出方が甘かったです。とにかくラインに迷惑をかけました。ただ状態は良いので、明日また頑張ります」


 間一髪のところで落車を避けて立て直した谷津田将吾が、2コーナーからまくって3着に入った。


 「友和が吸い込まれていく感じで、とっさにハンドルを切って、紙一重でした。後ろだったんで前がどうなってるかは良く分からなかったです。脚を使わずにためられましたね」


 

7R

選手の写真です。
飯野祐太選手

 正攻法に構えていた飯野祐太が松岡貴久の上昇を許さず、青板の3コーナーで誘導を下ろして前に出る。下げた松岡と阿部大樹で中団は併走に。内に包まれた阿部が強引に松岡をさばきにいくと、西川親幸と接触して打鐘過ぎ2センターで落車のアクシデント。飯野は後方を確認しながらそのままペースで駆ける。番手絶好となった齋藤登志信が車間を空けてリードしながら直線で追い込んだ。


 「飯野君のおかげですよ。あそこで引かないで前に踏んでくれたおかげ。飯野君はいつも頑張ってくれるから全部止めるくらいのつもりでいました。1回じゃ(流れは)変わらないから今日(2日目)がよかったら明日(3日目)もって気持ちで頑張ります」


 アクシデントがあったとはいえ、別線完封の逃走劇を披露した飯野祐太(写真)が2着に粘った。


 「あの並びになった時点で(松岡)貴久に切られたら7番手になるので突っ張ろうと決めていました。展開もよかったけど前回からの新フレームのおかげなのか車が進んでくれました。(2場所目で)一体幹もでてきました」


 3着にはソツなく内を締めて回った阿部力也が入線。


 「江守(昇)さんが後ろにいるのは分かったので、内だけは空けないようにって。4コーナーは外を踏みたくなるけど我慢できたし自分の仕事をしっかりして3人で決められてよかった」


 

8R

選手の写真です。
吉田敏洋選手

 嶋津拓弥が後ろ攻めから上昇して、前受けの宿口陽一を押さえる。その上を吉田敏洋が叩き、赤板で主導権を握った。7番手となった宿口は中団に追い上げて嶋津と併走した後に、最終2コーナーからまくり上げる。これを志智俊夫がブロックすると、神山拓弥は内に斬り込んで志智をすくう。最後は、直線で抜け出して白星をさらった。


 「(宿口)陽一さんのおかげです。全部やってくれたようなもの。最近はレースがピリッとしないから、どうなっても突っ込もうと。でも、突っ込む間もなく、空きましたね。久しぶりに目標がいい仕掛けをしてくれて、自分もそれに乗って。この1着は、自分の中で大きいですね。これで上向いてくれれば」


 先行した吉田敏洋(写真)が2着に粘る。“らしい”積極的な組み立てで準決勝に進出した。


 「(7レースで2着に逃げ粘った)飯野(祐太)の走りを見て、(逃げれば)残るかなと。嶋津がドカンといくような形を想像していて。ジャン、ホーム目がけていこうと思っていたけど、拍子抜けでしたね。バンクは軽いと思ったけど、バックは流れなかった。(二次予選からシューズを元の物に戻したが)さすがに、ここに来る前に違うタイプのを履いていたので。悪くはないと思うけど、変な感じがする。でも、自転車には乗りやすくなった。体の方は(状態が)上がっていると思います」


 かぶって仕掛けられなかった嶋津拓弥だったが、2センターから空いた中のコースを追い込んで3着に入る。勝ち上がりを決めるも、レース後は反省に終始した。


 「消極的なレースでした。ああなってしまったら、ヨコでワンチャンスを狙うか、空いていた内にいくか。両方ともチャンスを逃してしまった。(連日)いいレースはできていないですけど、(状態は)いいと思います」

9R

選手の写真です。
小松崎大地選手

 長尾拳太が赤板から先制し、打鐘を一本棒で通過。最終ホームで中団から小原唯志がまくり上げるが、笠松信幸のけん制を受けて最終バックで勢いが止まる。すると、後方から大外をまくり上げていた小松崎大地(写真)が前団をまとめて飲み込んだ。


 「何がベストなのか考えながら走った。後ろが地元なのにラインで決まらなかったところが残念だが、力は出し切れた。連日地元勢に任されて連れ込めていないので、そこが反省点。もうワンランク上の選手だったら連れ込めているでしょうね。脚の感触はよかったので、準決もしっかり頑張りたい」


 笠松信幸が粘る長尾をゴール寸前で交わして2着に入った。


 「小原が先に仕掛けてきてマズイなって思った。けん制したらその上を小松崎に行かれると思ったので、最低限の動きだけしてと。最後まで長尾が良く粘ってくれました。(2日目から)ハンドルを戻したら脚がたまるし、余裕がありました」


 長い距離を踏んだ長尾拳太が3着に粘り込んだ。


 「連日自分に展開が向いている感じで、その流れに自分の脚も合っている感じ。今日(2日目)は先に勝ち上がりを決めた松岡(篤哉)さんと吉田(敏洋)さんが先行で勝ち上がっていたので、準決で自分が前を走るなら先行で勝ち上がらないとって思ってました」


 

10R

選手の写真です。
取鳥雄吾選手

 後ろ攻めから早めに動いた村上直久が中団の取鳥雄吾(写真)にしばらくフタをしてから赤板で踏み込む。すかさず仕掛けた伊藤勝太が前に出ると、今度は取鳥が叩いて最終ホームから主導権を握る。最後まで力強く踏み切って人気に応えた。


 「3番(伊藤)があんまり踏まなかったんで行きました。進みはよかったですね。(ライン3番手の)飯田(裕次)さんまで連れ行ければよかったけど、(筒井敦史と)ワンツーは決まったんで。今回はギアの組み合わせを替えたんですけど、初日よりは踏めていたと思います」


 筒井敦史はまくってきた長島大介をしっかり止めて、2着に流れ込んだ。


 「長島はスピードがいいので、そこだけ警戒してました。余裕はあったし、絶対に抜けると思ったんですけどね。(取鳥は)3コーナーから踏み直して、4コーナーから伸びていく感じだった。抜けそうで、全然抜けなかった」


 筒井にけん制されながらも懸命に踏み続けた長島大介が3着に入った。


 「スタートで我慢できればよかったんですけどね。最悪の展開でした。すんなりできつかったです。脚で勝負したけど届かなかった。でも、浮いてしまう展開で我慢できました」

11R

選手の写真です。
根田空史選手

 中団から7番手に引いた根田空史(写真)だったが、赤板の1センターから一気に巻き返す。持ち前のパワーを発揮して、岸川哲也を打鐘の2センターで強引に叩いた。3番手以降は大きく口が空き、最後は続いた海老根恵太とマッチレース。軍配は踏み直した根田に上がった。


 「2周からだと早いと思ったので。あえて(近畿勢に)ついていかずに泳がせました。雨谷(一樹)君の動きも想定内だったので、あとは自分のタイミングで。調子もいいけど、メンタル面が大きいですね。自信があるから迷いなく仕掛けられている。最終バックで脚にきたけど、思った以上に踏み直せました。海老根さんから逃げ切れたのはでかい」


 初日は根田に離れた海老根恵太だったが、きっちり追走してワンツー決着。検車場に引き揚げてくると、安堵の表情を浮かべた。


 「離れるわけにはいかなくて。離れたら引退くらいの気持ちでした。何か換えないといけないと思って。(ハンドル)ポストを鉄から軽量合金に換えて、付いていくことだけを考えていました。初日の夜もあんまり寝られなかったですね。大変でしたけど、(ワンツーが)決まってよかった」


 叩かれた岸川は、車間が空きながらも懸命に根田の仕掛けを追う。その後位から、北川紋部が差し脚を伸ばして3着に入った。


 「びびった。根田が強い。もうあれしかないでしょ。(根田の)スピードが違いすぎて、何もできなかったけど、恵まれました。脚は日増しに上向いていると思う」


 

12R

選手の写真です。
吉田拓矢選手

 稲毛健太に十分フタをした吉田拓矢は赤板の1コーナーから先頭に立つと一気にペースを上げる。稲毛もすかさず打鐘から巻き返すが、吉田のかかりと諸橋愛のけん制で不発に。2コーナーから稲垣裕之が自力に転じたが伸び切れず、番手の諸橋愛が好展開をモノにした。


 「吉田がかかってましたね。稲垣が来るのも見えてたんで、あとはどこまで来るかなって感じだった。(吉田はレース前に)『真っ向勝負にいきます』と言ってたし、そこで山中(秀将)にまくられるのはしょうがない。あとは俺がどれだけブロックするかだったけど、しないで終わったね。でも決勝に乗らないことには始まらないんで、準決勝もう1回頑張りたい」


 吉田拓矢(写真)は稲毛を相手に一歩も引かない走りを見せた。レース後は結果も内容もともなったレースを満足げに振り返る。


 「踏みあがる感じが出てきた。共同通信社杯ぐらいから確実によくなってますね。新車の微調整が上手くいったなと。ワンツーも決まったんで上出来だと思う。あとは準決勝。カミタク(神山拓弥)さんとは前回(7月弥彦記念の準決勝で)失敗してるんで」


 稲毛マークから自力に転じた稲垣裕之だったが3着までが精一杯だった。


 「稲毛は前が駆けてるところをよく前々に行ってくれた。頑張ってくれましたね。あそこからもう1回行きたかったけど、吉田のかかりもよかったし、諸橋のけん制を見てしまった。3着が精一杯でした」


 関東ラインを追走していた佐藤慎太郎は4着。最後のコース取りを悔やんだ。


 「最後、中割れば2着だったね。脚の状態はいい。外を踏もうって気になってるぐらいだから」

10R

選手の写真です。
諸橋愛選手
選手の写真です。
小川勇介選手

 後ろ攻めの山中秀将が早めに上昇して、誘導の後位で飯野祐太としばらく併走する。その上を踏み上げた長島大介が赤板で切ると、すかさず松岡篤哉が仕掛けて主導権を握る。これを受けて3番手を確保した長島が最終1コーナーから仕掛けると、合わせるように小川勇介が番手まくり。バックで小川の後位に俊敏にスイッチした諸橋愛(写真)が直線で鋭く差し切り、シリーズ3連勝を飾った。


 「(長島が)いい位置を取ってくれたので、あとはどこで仕掛けてくれるか。冷静に見てました。遅めでもよかったんですけどね。(長島の)出がよくて行けるかなって思ったんですけど、(小川に)番手から出られたので、切り替えさせてもらいました。今回は展開に恵まれすぎですね」


 松岡と即席でタッグを組んだ小川勇介(写真)は力強い番手まくりを打って2着。約2年ぶりの記念優出を果たした。


 「全部、前のおかげです。あれだけ行ってもらったので無駄にできないと思った。真後ろから来られたので、出るしかなかった。(ライン)3車なら違うんでしょうけど。決勝に乗れてよかったです」


 人気を集めた山中秀将は5番手からまくり上げるが、なかなか車は進まない。最終2コーナーから内を進出した海老根恵太が3着に入った。


 「展開がゴチャゴチャして、よく分からなかった。内に行ってしまって、申しわけないです。ずっと風を受けない感じでした。昨日(2日目)よりも感じはよかったです」


 長島大介はまくり不発に終わった。


 「(松岡と小川が)他地区であれをやるとは思わなかった。あの位置を取って、松岡さんと力勝負と思ったんですけどね。展開を作れたのはよかったです」


 

11R

選手の写真です。
根田空史選手
選手の写真です。
中村浩士選手

 青板から根田空史(写真)にフタをし続ける取鳥雄吾に対し、前受けの稲毛健太は車間を切って対応の準備をする。4コーナーから取鳥が一気に仕掛けると、合わせて踏んだ稲毛は内で口が空き、すかさず踏み上げていた根田は打鐘過ぎに上手く3番手に入る。4コーナーから吉田敏洋がまくり上げるが、2コーナーから根田が合わせて発進。番手の中村浩士とワンツーで決勝進出を決めた。


 「疲れました、神経が。(取鳥にフタをされて)あれじゃ稲毛に突っ張られちゃうよと思ったし、どっちでもいいように対応しようと思ってた。無理やり行ってみようとしたら、たまたま(3番手が)空いてたし3コーナーの登りになるから入った。そしたら吉田さんが見えたんで、あおりだけ作って来るのを遅らせて自分の行きやすい場所で行きました。地元の準優でこんなきれいに決まると嬉しい。調子が悪いときなら見ちゃって終わってただろうし、すごい調子はいい。自転車もばっちりです」


 続いた中村浩士(写真)も愛弟子の冷静な走りに目を細める。


 「根田のパワーがね。根田は根田でいい勝負をして、僕はあそこ(最終3コーナー以降)も締めながら外持ってって、クリアできたので御の字。お互いに見せ場はあったかな。ハラハラするところもあったけどワンツーで。お客さんを盛り上げるために連日ガッツポーズしたけど、気を引き締めて明日(決勝戦)は向かっていきたい。千葉ラインで頑張っていきます」


 2センターで中村に締め込まれながらも踏み続けた筒井敦史は吉田との直線勝負を制して3着に食い込んだ。


 「取鳥のおかげ。嬉しいです。(取鳥の)作戦が『根田さんに挑戦』だったし、心中のつもりで付いてました。諸橋(愛)じゃないけど、ホームから後ろ見てけん制しようかなと思ったけど、一番嫌なとこで来られて無理と思った。2センターでも(体を左右に揺らしながら)こんなになりながら頑張ってゴールして3着っていうのが信じられんかった。嬉しかったですね。(オールスターの失格で1班の点数が厳しい現状で)ひとつ勝負駆け成功ですね(笑)」


 打鐘過ぎ4コーナーからの巻き返しで決まったかに見えた吉田敏洋だったが、2コーナーで中村のブロックが効いた。


 「決まった? 俺も思った。完全にもらったと思ったけど、浩士さんの一発が効いた。ここのバンクの特性だね。いいスピードで行ったはずだけど、一発もらったら。行き切れんかったけど(次節の寬仁親王牌が開催される)前橋なら行ける感触はつかめたんで」


 

12R

選手の写真です。
吉田拓矢選手
選手の写真です。
佐藤慎太郎選手

 中団の小松崎大地に吉田拓矢がフタをすると、単騎の長尾拳太が踏み込んで赤板で前に出る。神山拓弥が中団に吉田を迎え入れると、1センターから小松崎が一気に仕掛け、合わせて出る稲垣を叩き切る。そこを最終ホームから吉田拓矢(写真)が仕掛けると、佐藤慎太郎のブロックも届かない大外を豪快にまくり切った。


 「長尾さんの仕掛けで狂ってしまった。そこを小松崎さんに行かれてしまって。仕掛けようと思ったけど遅れちゃったんで、そこで行けてればラインで決まったのかもしれない。その辺はちょっと反省点ですね。でも自転車の感じ、体の感じはいいんで」


 番手の神山拓弥は大外を仕掛けた吉田のまくりにもきっちりと続いて決勝進出を決めた。


 「4番(長尾)の動きもあったけど、吉田君が冷静に走ってくれた。小松崎さんが行って、そこで(合わせた)稲垣さんも脚を使う。そこでドンピシャのタイミングで行ってくれたんで。スピードがすごかった。上を走ってるのにタレないんですもんね。力強い。俺も対応できてるんで悪くないです」


 小松崎マークの佐藤慎太郎(写真)が3着で決勝戦最後の切符を手に入れた。


 「大地は強かったと思う。でも吉田がいいとこで来たし、上のほうを行っちゃったから。俺ももう少し体を合わせて止められれば。大地を残したかったね」


 橋本強はレースでの要所、要所の判断ミスを悔やんだ。


 「打鐘で(稲垣との車間が空いた)前を意識せずに、谷津田(将吾)さんを飛ばそうと思った。結果、谷津田さんはピッタリついて来ててハウスしただけで終わったし、稲垣さんにちゃんと付いてたほうが対応できたかも。最後、あれだけ伸びてるのに余計な動きが多かったです」


 惜しくも5着で決勝進出を逃した小松崎大地は「仕掛けのタイミングはよかったけど、力不足です」と言葉少なにレースを振り返った。


 


 


<最終日・9R S級ブロックセブン>


 


 最終日の9レースにS級ブロックセブンが一発勝負で争われる。竹内雄作が機動力上位の存在だ。前回武雄の共同通信社杯は準決勝で惜しくも敗退したが、シリーズ2勝を挙げた。


 「感触は悪くなかった。持ち味は出せたと思うけど、大事なところで勝ててない。(組み立てを)もっと考えないといけない。叩ければいいけど、そうじゃない時は…。そこが課題です。状態はずっと悪くないので、レースでかみ合ってくれればいいんですけどね」


 村上博幸は共同通信社杯で久々のビッグ優出を果たしたが、決勝で落車の憂き目にあった。


 「怪我は擦過傷程度です。休養して、自分なりに考えて練習してきました。落車するといい時のフォームから崩れてしまうので、もがく本数はいつもより減らしました。7車立ての一発勝負は正直、走ってみないと分からないですね。竹内の番手は気合の入る位置なので、しっかり頑張ります」


 新山将史は前回の福井FIで決勝進出。落車の怪我から立ち直り、徐々に上向いている。


 「今の調子はよくも悪くもない感じですね。練習はしっかりやってきました。ブロックセブンは初めてです。7車立てはミッドナイトで経験しているけど、3、4年ぶりですね。初日はいつも感じがいいので、もしかしたらこういうレースは自分に合ってるかもしれない」


 松坂英司は近況の成績がパッとしない。ここで流れを変えるか。


 「最近はあまりよくなかったんですけど、脚のほうは全然問題ない。一時期よりはだいぶよくなってます。7車立てはエボリューションで1回走りました。仕掛けどころは普段と違うと思う。新山君の番手は初めてですけど、しっかり付いていきます」