伊藤裕貴を叩いた宮本隼輔が、赤板の1センターから逃げる。宮本ラインの3車が出切って、4番手は伊藤と松川高大で取り合い。後方でタイミングをうかがっていた堀内俊介(写真)が、最終ホームから踏み込む。2コーナーを立ち上がると、堀内はグングンと加速して前団をまくりで仕留めた。ビッグ初勝利がGIの勝ち上がりとあって、堀内の顔も自然とほころぶ。
「(GIには)何回か出ているけど、なかなか勝てなくて。それが勝ち上がりで勝てたんでうれしい。8番手になったけど、もつれたところを仕掛けたいっていうのがあった。その通り仕掛けられたし、自分だけじゃなく小原(太樹)さんと決められたんで良かった」
堀内に流れ込んだ小原太樹が2着で神奈川ワンツー。
「自分としてはあれで(堀内を)抜けてれば100点ですけど、調整しようがありますね。(12日が中止順延で)ちょっといろいろ考えます。(堀内は)正直、イケるのかなっていうのがあったけど強かった」
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主導権取りに迷いがない藤根俊貴が、赤板過ぎに先頭に立ってそのまま駆ける。渡邉雄太は4番手を確保して、一本棒の8番手に置かれた佐々木豪が打鐘の3コーナーから巻き返す。藤根も懸命に佐々木を合わせて、2人の踏み合い。阿竹智史が自力に転じて前団のあおりもあったが渡邉がまくり切り、和田健太郎(写真)がゴール寸前で差し切った。
「(渡邉)雄太はすごい上を走っていたし、あれを乗り越えるんだから脚があるよね。自分は(渡邉が)いけるかなと思って内を見ながらだったけど、行き切ると思って外を踏んだ。あの感じで前橋で(渡邉を)抜けているから、自分で自分を褒めてあげたい」
和田に交わされたものの、渡邉雄太が上々の動きで南関ワンツーをメイクした。
「佐々木が行っちゃうと思って、そこにスイッチしてから行こうと思ったんで作戦通り。バンクの上を走ったから、坂がすごすぎましたけどね。(前回の)松戸の3日目からフレームを以前のモノに戻して、調子はいい感じです。(中1日だが)前回の感じのままの感覚でこられた」
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長尾拳太ラインに続いた小林泰正は、ケレン味ない仕掛けで中部勢を叩いて先行策。関東勢がレースを支配したが、原田研太朗(写真)が最終2コーナー手前からまくって人気に応えた。
「余裕はありましたね。自分のライン3車っていうのもあったし、前回の松戸はずっと後ろ攻めから押さえてまくる感じだった。でも、今回はサラ脚だったので(笑)。(前々回の)向日町記念からフレームを戻して、松戸からやわらかめのシューズに戻したら感じが良かったですね」
四国勢にはまくられた小林泰正だったが、内容の濃い走りで3着に踏ん張った。
「外併走でも自信はありましたけど、地元でその競走はないかなと。もう先行って決めていたので駆けました。もう少し踏み直せれば良かったですけど、勝ち上がれてホッとしました」
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小松崎大地が押さえて出ると、立て直した竹内雄作が赤板の2コーナー過ぎから踏み込む。しかしながら、山口富生は付け切れず、竹内を出させた小松崎が番手に入る。後方に置かれた石塚輪太郎は、最終ホームから反撃。福島コンビを乗り越えた石塚が、逃げる竹内をとらえて和歌山両者のゴール勝負。番手の東口善朋が、きっちり交わした。
「もうちょっと早く踏んでくれればっていうのもあるけど、(石塚)輪太郎はよく行ってくれた。ゴールした時はわからなかったけど、僕も抜けているから調子は悪くない。気持ち良く(中止順延の12日を)休めます」
「(最終)ホーム過ぎに緩んだんで、そこを思い切って行った」と、石塚輪太郎(写真)は、小松崎が竹内の番手に入るワンチャンスを逃さず、二次予選Aに進出を決めた。
「ジャンで8、9番手になった時は絶体絶命かと…。1着かと思ったけど、ハンドルを投げるのが早すぎた。それでも二次予選のAにいけるのはデカい」
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赤板前で先頭に出てから緩めた永井清史を後方まで下げてすかさず反撃に出た松本貴治が打鐘で叩いて主導権を握る。6番手の位置を取った山中秀将(写真)が前との距離を計って最終1コーナーから仕掛けると、前団を鮮やかにまくり切った。
「僕だけ脚を使わずにいい位置を取れましたからね。出だしは良くなかったけど、スピードには乗れましたね。今年の初めにベロドロームでの走行に参加してきて、それに近いイメージで走れました。このバンクは特殊ですね。今日(11日)の1着は明後日(13日)以降につながるのかなと思います」
中村浩士は中1日の参戦にも疲れも見せずに、山中のまくりに続いて千葉ワンツーを決めた。
「(山中は)スピードがかかるのか。滑り込むようにまくっていきましたね。南関勢が初戦からいいスタートを切っていたので。(中1日での参加だが)日ごろ(練習で)追い込んでいるので、疲れはどんどん取れていっていますよ」
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島川将貴が切った上を佐々木龍(写真)が切って吉澤純平のラインを受ける。山本伸一が打鐘から巻き返しを狙ったが、神山雄一郎が懸命にブロックする。3番手の位置で様子をうかがっていた佐々木は1センターで神山を内からすくって吉澤の番手を奪取。直線で粘る吉澤を鋭く差し切った。
「自分はチャレンジャーなので。デビューしたころから父親(龍也・57期引退)にとにかく前に出てから考えろって言われていた。だから、勇気をもって仕掛けられたのが結果的にあの位置に入れたんだと思う。最後は内ですけど、勝ててうれしい。(齊藤)竜也さんと決められなかったのは残念ですけど、勝ち上がれたので2日目以降も頑張りたい」
目標の山本が不発の展開から自力に転じた稲垣裕之が、外をしぶとく踏み上げて2着に入線した。
「(山本が最終ホームで)止まるかなって思ったけどまた伸びていったので。2車ですくわれるリスクを負いながらも仕事をする神山さんはさすがですね。厳しい展開になりましたけど、新車の感じも上々なので走りながら煮詰めていければ」
攻めの仕掛けに出た吉澤純平は直線でいっぱいとなり3着に沈んだ。
「神山さんには何度も助けられているし、先行で決めたい気持ちが強かった。(新車は)中間速の感じはいいけど相手も強いし、もっと上手く走らないと厳しいですね」
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赤板2コーナー手前で出た柴崎淳(写真)が先行態勢を取るが、取鳥雄吾が抜群のスピードでカマす。岩津裕介が遅れて、合わせてスピードを上げた柴崎が番手に飛び付く。柴崎は落ち着いて、最終2コーナーからの番手まくりで白星スタート。
「(周回中取鳥)雄吾が前だったんで、(引いて)カマして来るかとは思ってました。岩津さんが2車くらい空いてたんで、そこを踏めばうまくはまれるかなっていうのがあった。飛び付くのに脚を使ったんで、(最終)1コーナーでは脚を溜めて、詰まったところで行った。(前回のあと)体調を崩したけど、そこまで落ちてないから大丈夫だろうっていうのはありました」
4分の1輪まで詰めた坂口晃輔が、ソツなく2着に入った。
「強いっすね、(柴崎)淳さんは。ただただ強い。(周回中の)ローテーション的には淳さんの先行だと思ってた。そしたらジャン前のところは位置がかぶるかなって思ってたら、淳さんが(スピードを上げて)行ってくれた。自分はしゃくられるのが怖くて、内を締めていた」
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赤板から先行態勢に入った川口聖二に吉田拓矢が襲いかかるが、打鐘の4コーナーで志智俊夫の厳しいブロックを受けて失速。両ラインの踏み合いで隊列が短くなったところを久米康平(写真)が、出足鋭くまくってGI初勝利を飾った。
「アップでは重かったけど、競走では良かったですね。前にダービーは出たことがあるけど、GIの1着は初めてだと思います。(7月)小松島記念の決勝で太田(竜馬)にちぎられた。出だしよりも加速の伸びで離れた感じでした。そこは自信があった部分なんですけど、そこを練習していって悪いところも総合的に良くなっている」
吉田が不発と見るや諸橋愛は、内に切り込んで川口の番手を奪取。最終2コーナーから久米のまくりを追いかけて2着に入った。
「なんとかしのいだ。危なかった。(吉田は)中途半端だったね。赤板前に叩きにいかないとね。ここに照準を合わせて調整してきているし、決勝で着にからめば(グランプリ出場の)チャンスはありますからね。1日休めるのは大きいのでゆっくり休みます」
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後ろ攻めを選択した山崎賢人は、嶋津拓弥が切ったうえを押さえて赤板で先頭に出る。2コーナーで内にもぐり込んだ山岸佳太が嶋津と4番手の位置を取り合う。山崎が徐々にピッチを上げてレースを支配。番手絶好となった園田匠(写真)が、車間を空けてから鋭く追い込んだ。
「(山崎)賢人が強いレースをしてくれた。自分は余裕もあったし、バックで掛かり切ったから車間も空けられました。でも、ちょっといい展開すぎてドキドキしましたけど。(ラインの)3人で決まったし、良かったですね。ここ最近は落車もなく調子を崩すこともないから、選手になって一番いいデキかも。この大会とも相性が良いし、しっかりと勝ち上がりたい」
2着の山崎賢人は、ラインを上位独占に導く逃走劇を披露した。
「誰か動くかなって思ったら誰も動かず、誰か来ると思っても誰も来ずでした。自分のペースで駆けられたので、感じがいいのは当たり前ですよね。先行しようと思っていたのでいいですけど、気持ち良く駆けさせてもらった感じですね」
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新山響平を阻んで赤板で出た地元の蕗澤鴻太郎が、全開で飛ばして主導権を譲らない。3番手に飛び付いた松浦悠士が浮いた新山を張ると、佐藤慎太郎がすくって関東後位に切り替える。松浦が4番手になって、後方の和田真久留(写真)は最終1コーナーからまくり上げる。番手まくりの鈴木竜士、松浦を和田がスピードの違いでのみ込んだ。
「仕掛けるべきところが難しかった。なんとか1着だけど、ベストは松谷(秀幸)さんとワンツーなんで。そういうの(腰痛の不安など)はスッキリして練習ができたんで、自信をもってと思っていた。(12日が中止順延の)特殊な日程ですけど、そこも生かせるように」
打鐘手前で佐藤に内を行かれた松浦悠士だったが、立て直すと最終2コーナー手前から仕掛ける。番手まくりで応戦する鈴木との踏み合いを制して2着。松浦が大粒の汗をぬぐう。
「自分のスタイルで前々に攻めてと思っていた。(佐藤)慎太郎さんにすくわれて、着が悪くなりかけたけど。そのあと自分で仕掛けていけた。デキもいいし、納得のレースができた。あとは1着だったら良かった。12日は休養できるし、(ローズカップ進出で)いい方向にいっている。(体力的にも1日の休みで)回復しそうな感じですね」
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青板4コーナーから踏み込んだ根田空史が、目を見張る加速力で先頭に立ち主導権を握る。3番手に飛び付いた坂本貴史は車間が空いて、古性優作が5番手。木暮安由(写真)は、一本棒の7番手で最終ホームを通過する。坂本が詰める勢いでまくり、古性も外を仕掛ける。内を進出した木暮は、直線でも逃げる根田のインを突いて1着に届いた。
「中団を取りたかったけど、古性君に取られて後手を踏んでしまった。それで突っ込む感じになった。道中の感触も良かったし、この1着は大きいと思います」
直線は根田を挟んで木暮と内、外の踏み合い。郡司浩平は半車輪差の2着。
「脚をけずられていたし、自分としても余裕はなかったですよ。木暮さんが内に来ていたので、間を割られないようにと思ってた。(状態は)開催の後半に上がっていくように調整してきたので、日に日にと良くなるとは思う」
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出方が注目された2車の関東勢。横山尚則は近畿勢を制して、積極策で風を切る。赤板2コーナーから南潤が反撃に出るが不発。三谷竜生が自力に転じて最終ホームで横山をとらえ、村上博幸、村上義弘が続く。清水裕友(写真)は近畿勢を追うように素早い反応を見せて、その上をまくり上げる。山田英明は連結を外し、清水が近畿勢をひとりでのみ込んだ。
「横山さんがあんなにフカすと思っていなかった。いい位置には入れたけど最終ホームでかぶってしまってヤバいと思った。顔見せで重く感じたからポジショニングを修正したら良くなったのか、思った以上に出ましたね。周りが見えているといえば見えてましたけど、見ていったというよりは無理やり(仕掛けて)行った感じですね」
離れた2着争いは三谷をゴール手前で交わした村上博幸が入った。
「大事な位置を任されていたので、なにがなんでもって気持ちで付いていきました。もっと自分に余裕があれば兄(義弘)のコースもあったけど、前を抜くだけでいっぱいでしたね。でも、(前回の)松阪よりも確実にいいと思います」
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