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久留米競輪

KURUME KEIRIN

83#

検車場レポート

  • 10/6 Wed.  (前検日)
  • 10/7 Thu.  (1日目)
  • 10/8 Fri.  (2日目)
  • 10/9 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
嘉永泰斗選手
 前回の共同通信社杯の初日一次予選では、清水裕友、小松崎大地らを下した嘉永泰斗(写真)はビッグ初勝利を飾った。
 「(前回の初日は)単騎だったんですけど、自分でもビックリでした。でも、(シリーズを通しては)底上げが必要だなっていうのがあった。それで練習を変えたりしてみた。それがハマって調子が良かった。いい感じでモガけた」
 近況は成績をまとめているものの、動き自体に満足はいかない河野通孝は、渡邉一成が使っていたフレームで変わり身を期待する。
 「前回(取手)は2日間離れているし、その前の富山は恵まれです。さすがに2日間離れると…。自転車に乗っていても気持ち悪いというか、違和感があったりする。直前は良くなってきたんで、取手よりはだいぶいい。ここに来る前に渡邉一成君のフレームで練習をしてたら感じが良かったんで、今回は自転車を換えてみます」

2R

 前回の小松島FIを231着の伊藤颯馬は、そこから中6日。前回は3日間最終バックを取る積極策で見せた。
 「(前々回の共同通信社杯が)自信になったかどうかはわかりませんけど、いい経験にはなった。どんどん力をつけてレースを覚えていきたい。調子は変わらないですね。一次予選は(S級)初優勝した時に一緒(ワンツー)だった島田(竜二)さんと一緒ですね」
 谷口遼平は7月の富山記念3日目に落車に見舞われて、前々回の福井FIで復帰。前回の共同通信社杯は7368着。
 「富山の落車の怪我が少しずつ癒えだして、若干だけど、良くなってきている。15日空いたことで前回の共同通信社杯よりもいいと思う。伊藤君と鈴木(薫)君が同期みたいなので、彼らが踏み合ってくれれば、自分たちにチャンスがありそうですね」

3R

 竹内雄作は前回の地元、岐阜での共同通信社杯を6693着。不本意なシリーズだったに違いない。
 「体の状態はずっと変わらなくて、調子がいい。ただ、調子がいいのに成績が伴っていないのが、現状ですね。久留米は相性が悪くないと思うから、ここでキッカケが欲しいです」
 1カ月半以上のブランクがあった加賀山淳は、リフレッシュ効果か静岡FIを162着、豊橋FIを114着と乗れている。
 「夏を休んだんで(調子を)崩さすにいけている。(気温は前検日の)今日くらいならまだいいですね。寒くなればもっと良くなってくると思います。練習もできているんで、調子はいいです」

4R

 ビッグ初出場だった前回の共同通信社杯で勝ち星を挙げた松岡辰泰は、弾みをつけて地元記念に臨む。
 「前回は動いて初日4着で、最終日は1着を取れたから自信になりました。ここは5月に走って516着でボロボロだったけど、そこで悪い運は使った。まずはしっかりと勝ち上がれるように頑張りたい」
 前回の小松島FIの決勝では目標の島川将貴が叩かれるとまくりに転じて久米良との地元ワンツーの準Vだった久米康平。今年4度目となる走り慣れた久留米バンクにリラックスムード。
 「(前回は)日に日に良くなっていく感じがあって、最終日が一番良かった。感じはいいままだと思います。(久留米は)今年もう4、5回目だと思います。(初日に連係する三宅)達也さんは、離れる離れるって言ってるけど、いつも付いてきてくれる(笑)」

5R

選手の写真です。
取鳥雄吾選手
 前々回の松阪記念で3勝をマークした取鳥雄吾(写真)は、前回の共同通信社杯を8233着。未勝利だったが動きは悪くなかった。
 「(5月の落車で)鎖骨をやって、復帰した高松宮記念杯では無理やりだったんでバタバタしていた。そのあとの久留米記念で動けたから、もっと上げたくて上積み、上積みと思ってやったら、良くない方向にいってしまった。ただ、徐々にですね。もうちょっと動けたらっていうのもあるし、あとは気持ちで」
 阿部大樹に前を託した恩田淳平は、20日間空いたゆとりのローテーション。
 「先月に練習しすぎて右手を痛めて、まだ痛いところもある。だけど、練習は木暮(安由)さんとやらせてもらって、(日にちが)空けば空くだけ上積みがある。自分の脚力的にもレベルアップはしている」

6R

選手の写真です。
松本秀之介選手
 松本秀之介(写真)は落車明けだった前回の青森記念が2821着。3連対とまとめたが、状態はどうだったのか。
 「10段階でいったら8、9くらいまで戻ってきていると思います。前回よりもだいぶ良くなった。まずは初日ですね。前回(青森記念)では準決に乗れていないので、(今回は)まずそこを目指していきます」
 前回の地元、函館FIを325着で“入魂”した菊地圭尚は、木村弘とのセットで一次予選を迎える。
 「(木村が)練習で強いのは聞いていたし、それがレースでも出るようになってますね。自分は前回はあんまり良くなかったけど、地元を走って気持ちも入った。反応もできていると思います」

7R

 前回の平塚記念が台風の影響により1日延びて、松坂洋平は中1日での強行軍。
 「地元記念(平塚)で緊張も気持ちも入っていたから、そのあとはどっと疲れが出た。中1日なので、正直、疲れはある。ただ走ると決めた以上は4日間、気持ちで頑張りたい」
 島川将貴は前回、地元の小松島FIを215着からの中6日。現状に慎重なコメントをする。
 「調子がいいのか悪いのかが、よくわからない。レースにいく前にマッサージ受けたりとかいろいろと試しているけど、いい感じなのかどうかわからない。前期に比べて点数が落ちているのは気にしていない。ほかの人の点数も気にならないですね。思い切りいければ勝てると思うから、ちゃんと仕掛けたい」

8R

選手の写真です。
門田凌選手
 門田凌(写真)は6月の久留米記念を2122着の準V。前回の共同通信社杯でもビッグ初勝利を飾り、来月にはGI初出場となる競輪祭も控えている。
 「(久留米は)走りやすいは走りやすいけど、なにかあるんですかね。(成績が良くなってくると)練習でもヤル気が出てくる。体調もいいし、練習でもすごく感じがいい。あとは全力を出せるような展開をしっかりっとつくれるように」
 藤根俊貴は、前回から3週間近く空いて手応えをつかんでいる。9車立てのの記念もプラスに働きそうだ。
 「(前回の)西武園ではいい感触があった。だいぶ上がってきている。9車の流れでしっかりと走りたい。そっちの流れの方が自分にはいいと思います」

9R

選手の写真です。
上田尭弥選手
 上田尭弥(写真)は前回の青森記念を1138着。一次予選で久々の勝ち星を挙げると二次予選で連勝。リズムよく今シリーズを迎える。
 「前回も(合志正臣とは)初日に一緒だったし、今回もしっかりと仕掛けどころを逃さないように。決勝にも乗れた。初日、2日目は内容も良かったと思う。体調面で万全で(練習が)できた」
 差し脚が戻ってきた石川雅望は、近況、成績もまとまってきている。
 「レースでの細かいミスはあるけど、調子はずっといい。車間を空けて仕事ができるようになったし、余裕も出てきました。レースのなかでは、少しずつですけど、以前に出せなかったスピードが出せるようになってきた」

10R

 屋内木製トラックのPIST6から中1日の根田空史は、疲労の蓄積が心配だ。
 「250が終わってから体は張っていなかったけど、少し筋肉痛が出た。ここまでは室内でパワーマックスで軽めに仕上げてきた。250からこっちの実戦で(感覚の違いとかが)どう出るのか。ただその辺はナショナルチーム組はやっていることですからね。普段からカーボンに乗っているから、フレームの切り替えとかは大丈夫です」
 小玉拓真は現状のフレームでピリッとしないだけに、我慢のシリーズとなりそうだ。
 「脚的には変わりないけど、新車のフレームが全然、間に合ってなくて。今回乗っているフレームがだいぶヘタっている。それで踏んでもあんまり進まないんですよね。練習でもこれだとスピードに乗らない」

11R

選手の写真です。
渡邉一成選手
 前回の共同通信社杯2571着からようやく軌道に乗ってきた渡邉一成(写真)だけに、強豪がそろったシリーズでもV争いに加わってほしい。
 「(通算300勝は)今回決めたいですね。でも、(今シリーズは)横綱級がいっぱいいる。それに(初日は)若手のすごいところに入れられた。最近はずっと小田原で練習しています。(CSCのバンクが)しばらく使えないし、小田原は練習環境もいいですから。(5月末の全プロで)落車してから、新しいフレームになってそれが良くなかった。すべての歯車がかみ合ってなくて、ようやくフレームができあがった。(そのフレームを使った)前回からかみ合ってきた」
 積極的な組み立てに変化はない佐伯亮輔だが、近況をこう振り返る。
 「最近はいい先行ができてない。成績が伴ってないですね。ちょっとずついろいろ考えながらやっている。(弟子の山根将太は)めちゃめちゃ強いんで、自分も負けないように」

12R

選手の写真です。
中川誠一郎選手
 前回の共同通信社杯は67着で3日目以降を欠場。地元のエース、中川誠一郎(写真)は、悪い流れを初日特選で断ち切りたい。
 「夏場から(自分の状態が)良さそうで、自分のなかでは少し実戦に出るのがズレた感じですね。高松宮記念杯や、サマーナイトフェスティバルも悪くなかったけど、(7月の)高知から良さが出た感じ。ここまでは前半は練習できて、直前はしっかりと調整して疲れもない。熊本記念は頑張りたいところなので。若い子がどんどん出てきて頼もしいですね。しっかりと調整できたので不安はない。体の問題もない。(熊本バンク再開が3年後となり)やっと決まりましたね。少しずつ、動きだした感じです。練習するところがなくなるので、ロード中心になるけど、バンクにはたまに入りたいので、出稽古になりそうですね」
 脇本雄太は共同通信社杯を欠場して、向日町記念の完全V以来、およそ1カ月ぶり実戦。
 「ギックリ腰みたいな感じで、精密検査したら腰椎が曲がっているっていうことですぐには完治はしない。痛みはあるけど、自転車にも乗れるんで。練習での違和感はない。でも、本番ではしっかりと気をつけながら走りたい。本格的に乗ったのは2週間くらい。さすがにその(向日町記念)状態にはないと思います」

1R

選手の写真です。
瓜生崇智選手
 北日本勢が押さえて出て主導権を握る。が、佐々木堅次が緩めると打鐘の3コーナーから嘉永泰斗が5番手から仕掛ける。合わせる佐々木を熊本コンビがとらえて、稲吉悠大はさばかれる。3番手に飛び付いた佐々木は車間を詰めただけで、熊本勢のゴール勝負は瓜生崇智(写真)が嘉永を交わして1着。
 「緊張しましたね。嘉永君に迷惑を掛けないように意識していた。嘉永君が出切って(別線は)こられないだろうなと。(車単の)1番人気に応えられて良かった。番組に恵まれて、番手スタートで自力を使っていないから調子はわかりづらいが、強い嘉永君を抜けているから調子は悪くないのかな」
 5番手で構えることなく勝負どころで反応した嘉永泰斗が、別線とのスピードの違いを見せて上々のスタートを切った。
 「前が踏み合ってくれたし、しっかりと仕掛けて出れて良かった。打鐘のところは波ができて危なかった。久留米の3コーナーは止まる感じがあるから早く行くか遅くかを意識して走った。体の感じはいい。バックを取るレースをして勝ち上がりたい」

2R

 伊藤颯馬を叩いた鈴木薫が、打鐘の4コーナー手前で主導権を奪う。伊藤は3番手に下げるが、すかさず谷口遼平が反撃に出る。鈴木の抵抗にはあったが、最終バック手前で谷口がまくり切る。番手の金子貴志が、最後のハンドル投げで谷口をタイヤ差とらえた。
 「踏み合いになったところを(谷口が)休まずすぐに行ってくれた。あれで見ちゃうと苦しいかなって思ってた。自分は結構、キツかった。(出切る時に)内に何人かいたんで、そこを気にしてた。(1着は)なんとかですね、ギリギリです」
 軽快な立ち回りで最終ホーム手前からロングまくりの谷口遼平は、金子とのワンツーに納得の顔で汗をぬぐう。
 「あのままモガき合ってくれたらと思ったけど、(伊藤が)引いてきた。伊藤君が引いてきた瞬間に出られたんで、反応が良かった。最近にしてはパパッと出られて、前に踏んでいけたんで良かった。最後はいっぱいでしたけど、反応も良かった。やっと上向いてきた」

3R

 竹内雄作に併せ込んでから再度踏み上げた林慶次郎が先頭に立つが、竹内もすかさず巻き返す。打鐘の2センターで竹内が叩いて先行策に出る。中近ライン3車が出切り、林が4番手の一本棒。竹内の掛かりが良く、別線が前団を脅かすまでには至らない。番手絶好の神田紘輔が追い込んで1着。
 「(竹内の)仕掛けたスピードが良くて、別線が仕掛けて来られるスピードではなかった。だから、すぐに車間を空けることはしなかった。誰も来る感じではなかったからワンツースリーが決まるように少し空けた。余裕はありましたね。一時期、調子が悪かったけど、脱していまは昇り調子」
 竹内雄作が2着に逃げ粘り、角令央奈が3着。別線を完封した竹内の力感のある先行が光った。
 「出る時は重かったですね。林君がヤル気なら突っ張られていたと思う。1走したことであたりがつけば。直前の練習を抜いてきたから、そのせいかなと。体の問題なので、ダウンして修正したい」

4R

選手の写真です。
三宅達也選手
 前受けから7番手まで下げた幸田望夢が、最終的にカマシ気味に仕掛けて主導権。3番手の久米康平が最終2コーナー過ぎにまくると、逃げる幸田との車間を詰めながら岸澤賢太が阻む。三宅達也(写真)は幸田と岸澤の間をこじ開けて直線で抜け出した。
 「スタートのところだけで、あとは全部クメちゃん(久米)に任せていました。(最終)ホームで追いかけるダッシュがすごくて、クメちゃんにちぎれるかと。クメちゃんはそのまま無理やり行ってくれたんですけど、ハウスした。そのあと割ったところは、僕のなかでは危なかった。無理やりになった感じで、岸澤(賢太)君に気をつかわせてしまった。反省ですね」
 5番手の松岡辰泰は、不発になった久米の内に進路を取り直線で強襲の2着。
 「外から行こうと思ったけど、久米さんがやめる感じだったので、内に行ってしまった。そしたら(久米が)戻ってきたんで怖かった。脚には余裕があったから、普通にいけば(まくって)行けたかなと。脚の感じはいいけど、内容が悪かった」

5R

 赤板で切った栗山俊介を2コーナーで叩いて取鳥雄吾が主導権を握る。取鳥、橋本強と出切って、合わせて踏んできた阿部大樹と引かずに粘った栗山と吉岡篤志で3番手がモツれる。アンコになった阿部は引く一方で、吉岡と栗山は依然として併走。結局、吉岡が3番手を守って、4番手には阿部が追い上げて最終ホームへ。冷静に後続の動きを見ながらペースで駆けた取鳥が逃げ切った。
 「吉岡さんまで付いてくれていたから早めに出ていこうと。カマシはない方向で、ハンドルを試したいのもあったので。ペースが少し遅いような感じでこれだと二次予選ではドカっといかれてしまうからペースを上げていかないと。楽にいけるようにセッティングも換えんと。(6月の)久留米記念のとき(1223着)よりも良い成績で帰りたいですね。上がりは思ったよりも出たが、もう少し出したい。最後まで踏み切れているから全体的には悪くない」
 番手無風の橋本強はゴール前で詰め寄るも2着まで。
 「取鳥君がゴールに向かってどんどん加速していった。4コーナーから一瞬のキレで抜こうと思ったけど、合わされた感じになった。取鳥君が強かったですね。Gクラスで先行しているから予選では自分のペースでいってましたね。練習の感触は良いけど、レースでのキレが悪いから修正したい」

6R

選手の写真です。
坂井洋選手
 いったん3番手で止まった木村弘は、打鐘の2センターから再び踏んで主導権を握る。しかしながら、坂井洋(写真)が、北日本勢を目がけて早めに反撃を開始する。ロングまくりで逃げる木村を最終バックでとらえた坂井が、河村雅章を振り切った。
 「もうワンテンポ早く行きたかったですね。木村さんがカマしたあと、(タイミングが)少し空いちゃった。今日(初日)はどこでも風があるような感じがして重かった。(上がり11秒4で)まくりなんで、もうちょっとタイムを出したかった。バンクのせいにします(笑)。でも、いつぶりの1着ですかね。久々だったんで良かったです」
 坂井マークの河村雅章は、8分の1輪まで詰めたところがゴールだった。
 「(坂井は)強かったですね。カマしたところで離れかかった。最後、抜きにいったんですけど。とりあえず(坂井と)2人で決まって良かった。踏んでいる感じは良かったけど、最後差せれば。でも、そこまでの脚はなかった」

7R

選手の写真です。
松坂洋平選手
 新納大輝、松坂洋平(写真)の順で切った上を押さえて島川将貴が先頭に立つ。その上をさらに河合佑弥が叩いて主導権を奪うと、間髪入れずに松坂が3番手へ追い上げて最終ホーム。機敏な運びで好位を確保した松坂は後方からの新納のまくりに合わせて2コーナーからまくって河合をねじ伏せた。決勝に乗った前走の平塚記念から中1日の強行軍もなんのその。
 「ホームで追い上げられたのは良かった。1車でも少しでも前にと思っていた。反応ができている。動けているのかなと思う。徐々に疲れが抜けてくれれば。地元よりも緊張が少ないから精神面で楽ですね」
 追い上げられた島川が引かずに粘ってきて、からまれた内藤宣彦だったが、松坂のまくりを反応良く追って2着を確保。大ベテランながら今のランクで走っているのはダテではない。
 「走る前は緊張したからホッとしている。人気になっていて松坂君は大丈夫と思ったが俺は大丈夫かなと。ホームで追い上げてくれて良かった。脚の感じが良かったですね。いつもの感じに戻っている。余裕もあった。イメージしていたより踏めた」

8R

 赤板2コーナーで押さえて出た門田凌は、北日本勢を受けて3番手をキープする。藤根俊貴がそのままペースを上げて逃げる。最終2コーナーで仕掛けた門田は外に振った鈴木誠を乗り越えて、池田憲昭の追撃を微差で振り切った。
 「2着かと思ったけど、残ってたみたいですね。(来年の)ウィナーズカップの特選を狙っているので、この1勝は大きい。柳谷(崇)さんまで連れ込めたら良かったんですけど、(先行するにしても)あそこはまだ長かったです。藤根(俊貴)君と踏み合うことにもなるし、そこまでの自信はなかった。チェーンを換えたんですけど、それが硬かった。それで出切ってからは、脚が三角に回ってしまった」
 最終2コーナーのあおりを冷静に見極めた池田憲昭が2着。門田を称えて、こう振り返る。
 「(門田が)1回切ってくれたので、(別線が)来ても2車かなと。(最終)2コーナーで一瞬(門田が)ハウスするかと思って見てしまった。抜けたら良かったですけどね。踏み出しも良かったし、よく踏み直していた」

9R

 赤板過ぎに押さえた谷口明正が主導権を奪取。菅原大地が3番手を確保し、5番手に大川龍二で、前受けから引いた上田尭弥は一本棒の7番手に置かれてしまう。波を作られてのけん制でなかなか仕掛けられなかった上田だが、最終2コーナーから反撃を開始。逃げる中部勢に、菅原も先まくりで抵抗するも、2センターでねじ伏せた上田は先頭でゴール。
 「鐘の所ですね。風も強く、あの大外を踏むより脚を溜めて一発に賭けようと。弱さが出てしまいました。緩んでいたらいこうと思ったけど、警戒されているし、外々を踏まされていたしあそこからいくのはキツいなと。3人でも決まらなかったし反省ですね。ここまではメリハリ付けて練習できていたし、前回と変わらない状態。二次予選は今日の反省を生かして走りたい」
 しっかり上田を追って2着に入った合志正臣だったが表情は険しい。
 「大説教ですね。ふざけたレースして。あれがペース上げていて、前がフカしていたら構えるのもわかるけど、緩かったし、風がとか言っていたが、これが特選組と当たっていたらいけていないですからね。(最終3コーナー付近のところは)3車の上で上田が下りてきたから引っかかってガシャンは嫌だったから見ながらでしたね。その分、少し口が空いてしまった。あそこで外を差して回れるぐらいになれば上で戦える。課題は見つかった。今回から中本(匠栄)君のフレームで変な先入観を持たないためにぶっつけで使ったけど、悪くないですね」

10R

選手の写真です。
根田空史選手
 根田空史(写真)は一本棒の7番手。阿部架惟都の先行で最終ホームを通過する。1コーナーから踏み上げた根田は、番手まくりにでた庄子信弘、3番手からまくった伊原克彦をまとめて仕留めた。
 「全然ダメですね。誘導を追ったので脚にきちゃった。すんなりだったら赤板で(小玉拓真を)突っ張ってもいいくらいの感じで来たんですけど。脚自体は問題ないと思う。ただ、反応が悪い。シャキッとしないですね。飛ぶパターンで1着が取れているんで、その面はプラスです。(前回の)250効果でコーナーがゆるく感じる。すごいへばりつけます」
 木暮安由は根田の内にコースを取って、無理にこじ開けることなく2着に流れ込んだ。
 「(根田は)力が一番あるんで、どこから行くんだろうって。(最終)ホームで行けばもっと楽だったんじゃないですかね。力があるから3コーナーも乗り越えて、1着につながったんじゃないかと。自分も中1日ですけど、いいと思います。疲れはありますけど、気合で乗り越えます」

11R

選手の写真です。
和田圭選手
 望月一成が出た上を強引に叩いて谷和也が打鐘から先行勝負に出る。前受けから6番手まで下げた渡邉一成は車間を切って態勢を整えると、最終1コーナーから先まくりの望月を追って2コーナーでスパート。バックでは前団を豪快に飲み込んだ渡邉を最後は和田圭(写真)が差し切った。
 「(打鐘)4コーナー、2コーナーどちらでいくのかなと。それだけで安心してついていた。結果良かったですね。ついていくことが第一なので。3コーナーで余裕があって、もう少しでると思ったが、合わされるような感じでゴールしましたね。弟弟子からペダリングとかのアドバイスを(前走の)函館前にもらって、意識してやっている。それをアレンジしながらやって久々に(渡邉)一成さんを抜けたし、良かったです」
 8番手に下げた佐伯亮輔の動きも視界に入れるなど終始余裕だった渡邉一成。最後は和田に差されたものの、2コーナーからの快速まくりを決めて上々のスタートを切った。
 「赤板からスピードは上がるだろうと思ったが想像以上でした。佐伯君が落ち着いてくれて良かった。(望月)一成が叩いて太田(真一)さんがちょろちょろしている所で谷君が叩いてペース上がって無理に踏んでもタレるから佐伯君を見ながらで、ホーム前で(望月)一成がいってくれてそこでも踏み込まずに詰まった勢いのままいった。前回は乗り方でバタバタしたが、落ち着いて感触確かめてリズム良く踏めた」

12R

選手の写真です。
中川誠一郎選手
 脇本雄太を後方に置いて、一度は3番手に収まった北津留翼が赤板1コーナーから全開で踏み上げる。北津留が、抜群のスピードで先頭に立ち風を切る。九州ラインの後ろに平原康多、6番手の松浦悠士は最終ホーム過ぎから仕掛ける。松浦を引きつけることなく、中川誠一郎(写真)は番手発進。中川、中本匠栄に平原が続くが動けない。中川がそのまま後続を振り切って、幸先いいスタートを切った。
 「もう北津留君のおかげですね。(自分が踏むのを)ちゅうちょしたらみんな来るんで、なにもちゅうちょしないで行こうと。そのぶんワンツーが決まった。(あのペースは)僕の位置でキツいんで、後ろはもっとキツかったと思う。僕のなかでは、ここは絶対に1年で一番仕上げてこないといけないので、いまできる限りのことは全部やってきた。いい勝負ができたんでホッとした」
 別線との間合いを計りながら追い込んだ中本匠栄が2着。
 「先輩が強かったです。ワッキー(脇本)が来てからじゃ遅いし、その辺の判断は(中川に任せていた)。平原さんが後ろにいたんで、中を割られる可能性もあるんでギリギリまで待ってからゴール勝負と。(中川)誠一郎さんが強くて抜けなかった」
 4番手を確保した平原康多だったが、九州勢がつくり上げたハイペースに仕掛けられずの3着。
 「ワッキーが突っ張る可能性もあるんで、ちゃんと(押さえてから)やらないと厳しい展開になるかと。あれで誠一郎さんがちゅうちょしてくれたら、ワンチャンあるかなって。そしたらちゅうちょしなかったんで、1個も進まなかった。九州の力のある2人(北津留、中川)がああやるとキツいですね。自分は体のケアもしてきたし、自転車も見つめ直してきたんで上向いていると思う」

6R

選手の写真です。
北津留翼選手
 門田凌が切って出ると、鈴木薫はいったん3番手の外で止まってから打鐘の3コーナー過ぎに仕掛ける。後方の北津留翼(写真)は、鈴木のアクションとほぼ同時に踏み出し、スピードの違いで最終ホーム過ぎに叩いて主導権。快調に飛ばす北津留に別線の出番はない。番手の中本匠栄を振り切った北津留が1着。
 「(中本)匠栄君に前を取ってもらったんで、予定通りの組み立てができました。門田選手が1回叩いて脚を使ってくれた。(門田が)次のラインを出させる瞬間に行こうと思ってた。ゴールまではタレ、タレでした。歳のせいか体力がない。気力で走りました」
 中本匠栄は直線で詰めてハンドル投げにまで持ち込んだが、4分の1輪差の2着。
 「北津留さんが強かった。(打鐘の2)センターで見てから、4コーナーでもう1回加速した。自分は前回、(北津留に)離れてたんで。(そこから)いろいろ変えたんで、付くぶんには大丈夫かなと。ワンツーを決められて良かった。自分も勝負できる感じにはあります」

7R

選手の写真です。
諸橋愛選手
 赤板2コーナーで根田空史が7番手から踏み込む。5番手の取鳥雄吾も合わせて出て主導権を握る。一度、中四国勢を送り出した根田は、4コーナーから再度アタック。根田があっさりと取鳥をとらえて、遅れ気味に諸橋愛(写真)が続いて磯田旭まで出切る。根田との車間を詰めた諸橋が、最後はきっちり差し切った。
 「キツかった。すんなりなら付いていけるけど。前に突っ込みそうになって、やめたと思ったところで踏んでいかれた。それで根田はどんどん伸びていくけど、俺は遅れた。4カ月ぶりの1着。そのうちに取れるとは思っていたけど。今日(2日目)は朝から体が楽でしたね。昨日とは体調が違ってやれるなと。少し疲れが取れたかな」
 取鳥に執拗に警戒された根田空史だったが、打鐘の4コーナーから意表を突くようなスパートでラインを上位独占に導いた。
 「取鳥君は自分しか見てなかったですね。いつも取鳥君はあそこでペースに入れるから、そこを逃がさないようにと。変なタイミングの仕掛けになったが、外併走の時に意外と回せていた。そこが250効果かなと。コーナーで張りついて、4コーナーから一気に行ける。セッティングをいじってかなりマッチした。モガキも理想になっていい方向に」

8R

選手の写真です。
谷口遼平選手
 木村弘が押さえて出てペースを握る。前受けから7番手まで下げた上田尭弥は打鐘の4コーナー手前から巻き返す。和田圭のけん制をこらえて上田が最終バック手前で出切ると、和田は番手に切り替えて中川誠一郎と併走。熊本ラインを追った単騎の谷口遼平(写真)は、いったん中川後位まで追い上げるように進出してから、再度踏み込んで抜け出した。
 「(単騎だったので)流れに乗ってと思ってました。できれば先手ラインに。最終バックではいい位置にいられたし、ああなったら外にいた方がいいなと。(中川)誠一郎さんが上田君をかばってたぶん、自分は直線で(伸びた)。1着が久しぶりなんでうれしい。(落車の怪我の)痛みも少なくなって、練習の成果も出せるようになってきた」
 最終バック手前付近から和田との併走になった中川誠一郎は、冷静に外を追い込んで2着に入った。
 「上田はタイミングが取れてなくて、そのぶん(和田に)あたられたのかなと。そのあとは(和田)圭も僕のところに来るしかないんで、ちょっと待ってよっていう感じで、あたられないところに差し込んだ。自分の気持ちはそこまでバキバキに入ってないけど、ちょうどいい感じですね。いい状態で臨めている」

9R

選手の写真です。
渡邉一成選手
 熊本ラインに乗った竹内雄作が、その上を叩いて最終ホーム手前で主導権。嘉永泰斗は番手に飛び付いて、2コーナーで金子貴志を外に張り番手を奪う。6番手の渡邉一成(写真)が仕掛けると、合志正臣とからんだ金子が落車。アクシデントを避けた渡邉は、嘉永後位で小休止してから外を踏んで1着。
 「岸澤(賢太)君を突っ張って、嘉永君がすぐに来たからペース落ちる感じじゃなかった。6番手の位置なら勝負できるかなと。合志さんが遅れ気味で嘉永君の後ろに入って休みながらだった。(佐藤)慎太郎さんはキツかったと思うけど、自分もいっぱい、いっぱいだった。先行してもいいぐらいの気持ちで走っているから、そうならない時でもうまく対処できている」
 佐藤慎太郎が2着で福島ワンツー。数多のタッグを組んでいる渡邉の走りを知っているだけに、佐藤はこう口を開く。
 「付いていっただけ。なにもしていない。内の関係のないところでの落車でしたね。自分はそんなに良くはないが、悪くもない感じです。ワンツーなのでオッケーだけど、(渡邉は)あんなところで休む選手じゃないからね。スパッと行く選手だから」

10R

選手の写真です。
平原康多選手
 松岡辰泰が切って緩めたところを見逃さず、坂井洋がさすがのダッシュ力で打鐘の4コーナーで先頭に立つ。駆ける坂井に平原康多(写真)が続くが、3番手の石川雅望は離れて松岡が入る。平原が逃げる坂井と車間を空けて、松岡も踏み込むがまくりは出ない。浮いた松岡の内に瓜生崇智が入り、外を松坂洋平がまくり追い込む。が、番手で余裕をもった平原が、計ったように坂井を交わし人気に応えた。
 「坂井の得意パターンでしたね。あとは(最終)ホームで(石川)雅望がいないのがわかったんで、あんまり空けすぎないように。瓜生が内にいたのもわかってたんで、けん制が難しかった。坂井がすべて頑張ってくれたおかげ。自分がどうこうではない。ただ、自分も総合的に前回よりも全然いいです」
 持ち前のスピードで別線を完封した坂井洋は、平原とのワンツーに汗をぬぐう。
 「(このメンバーなら)ほぼ自分が先行するんだろうと。昨日(初日)よりも全然軽かった。(スピードに)乗せてから少し回せた。後ろが平原さんなんで、出切ってから安心でした。平原さんがいなかったら、7、8着だったかもしれない。安心して駆けられた」

11R

選手の写真です。
新納大輝選手
 佐々木堅次を松浦悠士が打鐘の3コーナー過ぎに叩く。そこに林慶次郎が襲い掛かると、松浦は番手に飛び付くかに見えたが結果的には3番手に下げる。立て直した松浦がまくり気味に追い込んだが、逃げる林の番手の新納大輝(写真)が松浦に踏み勝って大金星。
 「林君のダッシュがいいのはわかっていたけど、口が空いてしまった。でも、しっかり追いつけた。ちょっとでも仕事はしようと。ダメだったのはちぎれたところだけですね。付き切ってからは大丈夫だった。いい感じに駆けてくれました。二次予選の1着は初めてだし、記念の準決に進むのも初めてです」
 林のスピードとタイミングで難しい判断を迫られた松浦悠士は、3番手から思いのほか伸びを欠いた。
 「新納さんのスタートがめちゃくちゃ速かった。普段、切ってのレースをしていないから、今日(2日目)はスタート次第で切ろうと思ってた。でも、結果的に裏目に出たのかなと。新納さんのところは迷った。飛び付いたが、林君のスピードが良くて遅れた。すんなりと3番手を取れれば(最終)2コーナーから行けたが、迷っちゃいましたね。踏んだりやめたりが多くていっぱい、いっぱいではなかったけど伸びてない。感触はいいが修正点はある」

12R

選手の写真です。
木暮安由選手
 脇本雄太が当日欠場で8車立て。赤板過ぎに先頭に立った金子幸央に木暮安由(写真)、鈴木誠と出切り、近畿勢も切り替える。6番手の久米康平を警戒しながら、金子は腹をくくって先行策。久米は最終1コーナーからまくり上げる。木暮は久米を止めきれず、3コーナーでスイッチする。インを突いた神田紘輔と接触はあったものの、木暮がゴール前で久米をとらえて1着。
 「(金子は)気持ちが入ってた。ジャンのところで主導権を取って、絶対に出させないっていう感じだった。(久米を)止められなかったのは、自分の技量不足です。そのあと前に踏んでいたけど、後ろでガチャンと音がした。自転車だけ壊れないでくれって。(久米に)切り替えて差せたのは大きい」
 脇本の欠場で実質、金子との2分戦。まくりを反省する久米康平だが、前団を仕留めたスピードは悪くなかった。
 「(別線が)中途半端に押さえてこないかぎりは、引いてからと思ってました。緩んでいれば叩くつもりだったけど、僕のなかでは緩んでいる感じがなかった。それで後ろには悪いことをしてしまった。出切れたのは良かったし、自分ではそこまで失速している感じもない。木暮さんが強かった。前回に比べたら物足りないっていうのはあるけど、日に日に良くなると思います」

10R

選手の写真です。
谷口遼平選手
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佐藤慎太郎選手
 前受けから四国勢を突っ張った林慶次郎がペースを緩めることなく駆けるが、赤板2コーナーから根田空史が襲い掛かる。打鐘の4コーナーで根田が機動力の違いで叩き切り、佐藤慎太郎、岸澤賢太。単騎の谷口遼平(写真)まで根田ラインに続く。久米康平のまくりに合わせて、谷口が最終バック手前から仕掛ける。けん制した佐藤の外を谷口が鮮やかに突き抜けた。
 「展開に恵まれました。九州の番手まくりだっていうのがあった。ただ、赤板前の感じだと根田さんは行ってしまうかなっていうのがあった。それで根田さん(ライン)に付いていった。めちゃめちゃハイペースでキツかったけど、かぶってしまいそうだったんで、そうなる前にと。伸びるところ(のコース)を走って伸びている。デキすぎですね」
 2着に佐藤慎太郎(写真)は九州勢にレースをさせなかった根田の先行選手としてのプライドを絶賛する。
 「根田が先行選手としてのプライドだったり、負けたくないっていう気持ちを出してくれた。すばらしいし、頼もしかった。(九州勢の)2段駆けだけは絶対に決めさせないっていう気迫が。自分は欲を言えば、根田を残せれば。(根田は)長い距離の先行になったんで、判断が難しかった」
 最終ホームで切り替えるも内に包まれた北津留翼は、3コーナー過ぎから岸澤をすくい3着に追い込んだ。
 「一番やっちゃいけないことをやっちゃいました。ジャンで口が空いて、折り合ってないところでコーナーの入り口で(根田に)来られて対応できなかった。力不足だし、やっちゃいけないミスをやってしまった。ミスなくいきたかったけど…。出し切らないといけないレースだったのに、踏めなかった。(中川)誠一郎さんに申し訳なかった」

11R

選手の写真です。
諸橋愛選手
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平原康多選手
 上田尭弥の動きを確認しながら、中団から先に切って出た平原康多は、打鐘で九州ラインを受けて4番手をキープする。上田がそのままペースを上げて隊列は一本棒。平原が最終2コーナー手前からまくって、あっさりと前団をのみ込む。最後は番手の諸橋愛(写真)が差し切った。
 「(平原)康多が頑張ってくれた。自分は康多が脚を使っているぶん、抜けた感じ。ジャンのところでかなり脚を使っていたと思う。康多とは連係が長いから、付いていて感じ的に彼がどうなのかわかる。練習の成果が少し出てきている。今日(3日目)の方が疲れていて重かった。2日目の方が軽かった」
 さすがの立ち回りとプレッシャーで別線を動かした平原康多(写真)は、磯田旭まで連れ込みラインを上位独占に導いた。
 「門田(凌)君が来ていたので、かぶるのが一番良くないから横に来る前に一緒に出ていった。しっかりと自力を出して、動いてレースができていていい方だと思う。前回の感じならまくり切れていないかも。やることは全部できた」
 外の中四国勢にかぶり、内には九州勢。狭いコースをうまくすり抜けた磯田旭が、3着に流れ込んで決勝進出を果たした。
 「平原さんのおかげですね。前の人が強かった。自分の調子は普通です。悪くないと思います」

12R

選手の写真です。
嘉永泰斗選手
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松浦悠士選手
 松岡辰泰が果敢に飛び出して主導権。若い熊本トリオがレースをつくると、中団は坂井洋と松浦悠士の併走で打鐘を迎える。後方の渡邉一成は、打鐘の4コーナーから反撃に出る。グングンと加速して渡邉が前団に迫ると、最終1センターで嘉永泰斗(写真)は番手まくりに出る。渡邉と体が重なり、3コーナーに突入。さらにその上を松浦がまくり上げる。コーナーで渡邉を合わせ切った嘉永が直線で抜け出した。
 「(最終)1コーナーで振ったんですけど、(渡邉の)スピードが違ったんでシビアに前に踏ませてもらった。前に出られてなかったんで、イケるかなっていうのがあった。その辺は余裕がありました。もう渡邉さん(を合わせるん)でいっぱいで、松浦さんは見えてなかった。4コーナーからは1着を取れるように必死に踏みました」
 嘉永に食らいついた瓜生崇智が、和田圭を張りながら追い込んで2着に入った。
 「前2人のおかげ。感無量です。最終バックで内に包まれてたんで、絶対に迷惑を掛けられないと思った。3番手だったんで、連結を外さないように。あとは(嘉永)泰斗が仕掛けていくところをと。前の2人に感謝です。(今シリーズは)番手、3番手を回らせてもらって、ラインの絆を勉強させてもらいました」
 打鐘過ぎ、そして嘉永が渡邉を合わせ切ったところと誤算が続いた松浦悠士(写真)は、最後のハンドル投げで辛くも3着。
 「松岡君が行くんだろうっていうのがあって、その4番手をしっかり取ろうと。(結果的に打鐘の)3コーナーくらいで詰まったんで、あのまま叩いてしまった方が良かった。そのあとも(渡邉)一成さんが越えたら、自分は上を行こうと。越えたように見えたんで仕掛けた。そしたら嘉永君が復活してきたんでまずいなと。レースの反省はありますね。ただ、一昨日(初日)に感じたことを修正できて、体の感じは抜群に良かった。感触は3日間で一番良かったです」