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久留米競輪

KURUME KEIRIN

83#

検車場レポート

  • 10/18 Wed.  (前検日)
  • 10/19 Thu.  (1日目)
  • 10/20 Fri.  (2日目)
  • 10/21 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
簗田一輝選手

 9月いわき平、10月函館で優参とS級でも安定感が出てきた簗田一輝(写真)がオープニングレースの1番車に抜てき。


 「(1R、1番車で)気負いはないですね。ただ、最近は勝ち切れていないのでそこはしっかり考えたいですね。メンバー的に駆けやすそうな番組だし、後ろは松坂(英司)さんでしっかりしているので、力を出し切れるように。久留米はS級では初めてだけど、走りやすいイメージです」


 前回の別府で久しぶりの優参を決めた松山桂輔が不気味な存在だ。


 「前回は(高橋)和也が頑張ってくれたけど、自分の状態も悪くはないです。雨であまり自転車には乗れていないけど、状態は維持できているので大丈夫です。久留米はA級で優勝もしているし、去年の久留米記念では準決まで行っているので相性はいいと思います。(ペースが)緩んだら仕掛けたいですね」


 点数こそ前記の2者には劣る川上真吾だが、器用さを備えていて侮れない。


 「ラインができるのなら、やれることはやって動きたいですね。9月防府で落車した怪我は問題ないし、前回から換えたフレームがいい感じです。とにかく後手にならないように、前々に攻めていきたいですね」


 

2R

 小松島では未勝利に終わった藤田勝也はここからの巻き返しを誓う。


 「前回は展開的な問題もあったけど、ダメでしたね。今回は直前に奈良勢と合宿をしてきました。(三谷)竜生さんや、シュン(中井俊亮)と一緒に競技中心だったけど、いい練習ができました。前回の分も今回は頑張りたいですね」


 藤田の番手を得た藤木裕も準備は万全だ。 


 「(前回、別府の初日に落車して)帰ってもよかったけど、先々を見すえてセッティングを調整したかったので。ここに向けて4日間しっかり乗ってきたし、(体は)大丈夫です。番手でこういう番組になることも想定して、準備はしてきたので大丈夫です」


 ムラはある才迫開だが前回優参を果たして勢いはある。


 「状態的にはいいと思うけど、まだまだ(成績が)いいときと悪いときでムラがありますね。とにかく油断はしないように攻めたいです。あとは自分のレースをするだけです」


 

3R

 開催は熊本記念だが、津村洸次郎も地元開催のビッグレースに気合いをみなぎらせる。


 「もう少し点数を上げて、100点にはしたいけど、地元(熊本)に任されたし積極的に攻めていきたいですね。ただ、僕も地元バンクなので走りやすさはあるし、勝ち上がれるように頑張りたいですね」


 点数最上位の山形一気は貫禄を示したいところだ。


 「前回の親王牌は番手を回らせてもらったり、難しい場面が多かったけど、勉強になりましたね。やっぱり特別競輪は楽しいですね。(7月玉野、8月小田原で)落車してから流れがよくないし、怪我の影響があるのかも。正直調子はいいとは言えないけど、一次予選なら頑張れると思います。もう少し点数も上げたいし、勝ち上がれるように」


 器用な伊藤勝太も虎視眈々と勝ち上がりを狙う。


 「最近は人の後ろと自分でやる時と半々ぐらいですね。でも、いつでも自分でやる準備はできているので大丈夫です。雨であまり自転車には乗れていないけど、問題ないです。前々に踏んで中団は譲るつもりはないです」


 

4R

選手の写真です。
新田康仁選手

 4月高知記念の落車で鎖骨骨折した新田康仁(写真)は復帰戦の5月豊橋でも落車したこともあり、なかなか成績を上げられていない。9月和歌山の失格でS級点も厳しいだけに、そろそろ浮上のきっかけをつかみたい。


 「徐々に上向きだと思います。(復帰後は)もっとごまかして走れるかと思ったけど、ごまかし切れずにそれをひきずってる。豊橋の落車もあってほぼ3カ月欠場したし、その影響が長引いてますね。でも練習ではぼちぼちいいタイムが出てるので、あとはきっかけさえつかめればと思ってます」


 9月松戸記念は悔しい結果に終わった山本紳貴だが、続く10月別府では274着と立て直しに成功した。


 「松戸記念の前にギックリ腰になってしまったけど、それ以降は立て直しができている。状態は上向きだと思います。ここまで中4日はずっと雨でいつもどおりとはいかなかったけど、休みながら体は動かせたので」


 西村光太は自力自在に強力な南関勢に挑む。


 「久しぶりの前ですね。単騎はあるけど、ラインができて(の自力戦)は2カ月ぶりくらい。練習は自力でやってるし、自転車さえ進めば問題ない。寬仁親王牌のあとも練習はしっかりできたし、自力で(初日を)突破します」


 

5R

 本人の感覚は一進一退のようだが、最近は決勝進出の機会も増えるなど矢口啓一郎には復調の兆しが見える。


 「難しいですね。練習でいいかなと思っても、それがレースになるとずれもあるんで。ただ(不調の)底は脱しました。(群馬支部副支部長の職に就いているが)練習もうまくやりながらってところで。まだやり方はあるかなと思うけど、いい感覚は出てる。自分の調子としては上がってます」


 大崎和也は9月豊橋、前回の別府とFI戦で連続優出。今期が初のS級だが、記念参戦は補充も含めて早くも5度目になる。


 「今の成績は流れがいいだけなんで。でも、調子も上向きです。記念は毎月じゃないかってくらい呼ばれてるし、いい経験をさせてもらってる。今回も少しでも勝てるように頑張るだけですね」


 

6R

選手の写真です。
松岡孔明選手

 松岡孔明(写真)は9月共同通信社杯で落車して以来の実戦。約1カ月のブランクがあり、状態が気がかりだ。


 「怪我は左肩の骨挫傷。まだ痛みもあるし、状態的にもあんまりよくはないですね。どうにか気持ちでカバーできるかなって感じ。練習は1週間ぐらい。だいぶよくはなってきてます。調子がいいなら僕が前でもよかったけど、初日は山口(幸太郎)さんに頑張ってもらいます」


 9月松戸記念でいい感覚をつかんだと話していた安東宏高は原点回帰して今シリーズに臨む。


 「そこ(松戸記念)からさらに煮詰めていって。前回の奈良が終わってから、セッティングはさらに昔のものに戻しました。デビュー3年目ぐらいのやつですね。ずっと雨だったんで、どこまで(の感触)かはわからないけど、気持ちは前向きになってるんで悪いことじゃない。あとはこれが吉と出るか凶と出るかですね」


 

7R

 細切れで唯一のライン3車。ここは金子哲大率いる関東勢が人気を集めそうだ。


 「直前は雨が多くて、グループで練習できなかった。調子は何とも言えないですね。条件はみんな一緒だと思うし、ローラーやワットバイク、ウエイトとか室内で練習してたし悪くはないと思う。久留米は走りにくいとかはないけど、着自体あまりよくない。でも細切れで3車なんで、そこを生かして。3人で決められるように頑張りたい」


 武藤龍生は同県の先輩の番手回りにより一層表情を引き締める。


 「前回(四日市)から新車なんですけど、走ってみていい感じ。準決勝は(岡田)征陽さんが車体故障したあとも自分で動けたし、大丈夫だなと思った。ビルダーの方に自分のレースを見てもらって、お任せで作ったらいい感じのができた。明日は金子さんの番手なんで何も考えることはない。あとは出切ってから自分に何ができるか。同県の先輩なんで気合いが入りますね」


 

8R

 新山将史は前回の10月奈良で決勝2着。9月福井でも優出するなど調子は上向きだ。


 「やっと力を出し切れてきたかな。高知記念の前に腰痛が出て、6月川崎の落車でまた微妙になったけど、最近ようやくまともに練習できるようになってきた。それが結果に出てきたかな」


 安部貴之は補充出走した寬仁親王牌でGI初勝利を挙げた。ここも新山という好目標があるだけにチャンスだ。


 「前回は永澤(剛)のおかげですね。でも1着取ろうと思っても取れるもんじゃないんでよかったです。練習とかは一時期よりいい方向にいってるけど、どうしても僕は展開ありきなところがあるんで。初日は頑張って新山についていきます」


 対する猪俣康一はここ3場所ピリッとしない。


 「叩いてますね…。状態は悪くないんで、今回できっかけをつかみたい。(9月)平塚あたりからリズムが悪いんで、何とか取り返したいです」


 

9R

選手の写真です。
山岸佳太選手

 山岸佳太(写真)は8月小田原で記念初優勝を飾るなど、着実にステップアップしている。前回は寬仁親王牌で初のGIも経験。11月には競輪祭も控えているだけに、今シリーズも勝ち上がって上位陣と戦いたい。


 「GIは記念とは違うなと思いました。同じ人で走ってるのに、こんなに違うのかなって。でも刺激じゃないけど、プラスになったので、これを生かせれば。今は競輪祭を目標に。残されたレースは(今回と大垣記念で)8レースしかないんで。もっと考えてレースしないといけないなと思ってます。(上位と互角に戦うには)ちょっと時間がかかると思うけど、足踏みしながらでも徐々に上げていければ」


 北浦和人は9月豊橋、10月小田原で連続優出と調子を上げていただけに、前回豊橋での落車が気がかりだ。


 「それまでがよすぎたんで、(落車で)吐き出した感じですね(苦笑)。ダメージはそんなに大きくなかったし、落車したけどそこはよかった。ここまではずっと雨で乗れてないし、自転車も落車で修正に出してたので。練習は室内でパワーマックスとかだったけど、感覚的には大丈夫そうな感じはあった。相手は強いけど、勝ち上がりたいですね」


 

10R

選手の写真です。
山田英明選手

 浅井康太は寬仁親王牌決勝に続いての自力戦。しかも今回は木暮安由や山田英明とタイプの似た選手と初日から対戦する。


 「前回は前検日から決勝に乗れる確信があった。それぐらいの仕上がりでした。雨が続いたので、ここ3日(自転車に)乗ってない状態です。でもトラックパーティーで練習がてら4本ぐらいレースも走ったし、雨で休養になったのかな。久々の先頭ですね。決勝は発進みたいなレースになったので、普通に自力を出すのは久々。周りも強いし、同じタイプの3人がどう走るか楽しみです」


 今年はGIでの活躍が目立つ山田英明(写真)だが、意外にも1月平から記念の決勝に乗れていない。


 「今年は前半がよすぎましたね。できるっていうのが自分のなかであったし、ちょっと過信があった。前回(寬仁親王牌)もあまりよくなかったし、記念もあまりピリッとしてない。特別も大事だけど、もう1回気持ちを引き締めて記念を走ろうかなと思ってます。あとはいつもどおり自分のレースをしてですね」


 合志正臣は9月函館の落車で1カ月の欠場明け。怪我は思った以上に深刻だったようだ。


 「ひどかったですね。左の腸骨を骨折して、しばらくは足を上げるのもうまくできなかった。今月4日に退院して、5日から乗ったけど、ただ乗るだけ。左右の間隔が違ってイライラするので、焦らずゆっくり乗るようにしました。本当はここに向けて急ピッチで仕上げようと思ったけど、後々に影響しそうだったので。レースは3分なんで気合で走ります」


 もちろん木暮安由の存在も軽視できない。


 「寬仁親王牌はそこまで仕上がってなかった。入る前にアレって感じだったし、地元だから気持ちでカバーしようと思って走りました。疲れはないし、今回は自分なりに感じもよかったんで。明日から楽しみです」


 

11R

選手の写真です。
武田豊樹選手

 今年は落車の多い吉澤純平。9月共同通信社杯の最終日にも落車してしまったが、その後は青森記念のブロックセブン、続く別府FIを制すなど影響をまったく感じさせない走りを見せている。


 「脚的にはよくなってると思う。共同で落車したけど、そのあと調子はいいので問題ないです。ラインで決まるレースができてるのがいいと思います。今年は落車が多いけど、そのなかでやるべきことはできてると思う。師匠が後ろで気合が入りますね」


 武田豊樹(写真)は「調子的にはまだまだですけど、前回の寬仁親王牌のときよりも直前の練習の感じはいい」と復調を実感する。久留米開催だが、熊本記念は過去に3度の優勝と相性のいい大会。結果を残して復調を確かなものにできるか。


 寬仁親王牌は準決勝で失格という結果に終わった古性優作だが、走るたびに周囲の評価は高まるばかり。今シリーズも攻めのレースで別線をかき回す。


 「終わってから普通に練習して来ました。自転車はそのままこっちに送ったし、前回でセッティングの方向性は出た。あとはしっかり脚を上げていくトレーニングをしていくだけ。しっかり頑張ります」


 自力型ばかりがそろった九州勢。北津留翼もいるが、松川高大は前回りを譲らなかった。


 「僕の(前でやりたいという)意思は固かったです。GIに向けて仕上げれば、自然とここにつながると思ったし、前回で手ごたえをつかめた。いい感じに上がってきてると思います」


 

12R

選手の写真です。
中川誠一郎選手

 最終12Rには大会連覇をかけて中川誠一郎(写真)が登場する。寬仁親王牌でも2勝を挙げるなど、地元記念を前に順調に状態を戻してきた。


 「だいぶ戻って来た感じがありますね。何とか地元記念に間に合ったかなと。(寬仁親王牌の)最終日も自力でやってみようという気持ちになって、(レースでも)まくれた。ようやく前向きな気持ちも出てきた。いい感触で迎えられたと思います。SSで迎えた地元記念だから何とか格好をつけられうように。最低でも決勝には乗らないと」


 伊豆に拠点を移し、ナショナルチームのメンバーと練習している深谷知広はその効果がてき面。オールスター、寬仁親王牌とGI連続優出するなど力強い走りを取り戻している。


 「寬仁親王牌のあともずっとチームのメニューで練習してました。まだ(疲れなど体は)慣れてないですね。今回も(ブノワ監督に)決められたメニューをやりながら。今はレースも練習も充実しているし、今回もしっかり結果を出したい」


 自力同士の福島コンビは小松崎大地が番手回り。前回、奈良の決勝は新山将史の番手で展開も向いたが、3連勝で優勝と調子も上がっている。


 「ここまで計画どおりにはできました。少しずつですけど、やってきていることがかみ合ってきた」


 3連勝で優出した7月小松島記念から好調を維持し続けている岩本俊介も侮れない。


 「小松島の前(6月京王閣)から着のとり方がわかってきた。腰を壊したけど、トレーニング方法を変えたらニュー岩本になりました。相手も強いけど挑戦者の立場なので、のびのびとやります」


 

1R

 赤板で簗田一輝が押さえにかかるが、前受けの川上真吾が内から盛り返して突っ張る。一度は連結を外した小林潤二が関東3番手に付き直すと、簗田は冷静に4番手でタイミングを計る。最終2コーナーから踏み出した簗田は、ラインの2人を引き連れてあっさりとまくって押し切った。


 「組み立てが甘いですね。突っ張られることも考えて、自分としては思い切って切ったつもりだったけど。案の定、突っ張られてしまって。その流れで中団を取りにいって、まくりました。先行したかった。でも、脚自体は悪くないと思います」


 ソツなく続いた松坂英司は、簗田を半車身まで詰めたところがゴール。


 「簗田君は落ち着いて走っていましたね。中団を取ってから少し待つのかなと思ったけど、すかさず2コーナーで仕掛けてくれた。(簗田を)抜けていれば良かったけど、ライン3人で勝ち上がれたのはなによりですね」


 最終ホームで7番手に置かれた松山桂輔は、南関ラインを追いかけゴール前で出口眞浩を交わして3着。


 「ヘタクソな組み立てでしたね。最低でも中団は確保しないといけないレースでした。ラインの先頭としてのレースではなかったですね」

2R

選手の写真です。
藤田昌宏選手

 才迫開に併せ込んでフタをした古川尚耶が外併走から叩きに出るも、藤田勝也は突っ張り腹を固めて逃げる。まくりごろかに思われた才迫だったが、仕掛け遅れて藤木裕に阻まれる。目標が不発の藤田昌宏(写真)は、才迫に乗って力強い追い込みで突き抜けた。


 「(才迫が)行ったと思ったけど、藤木のけん制がね…。ただ、藤木がけん制するのはわかっていたので、タレたところを伸びるしかないと思いました。イエローライン付近の伸びるコースを踏めました。伸びているし、脚はいいですよ。(才迫)開と後ろを固めてくれた内藤(敦)君のおかげです」


 突っ張られた古川が中団で立て直すが動けず、真崎新太郎が切り替える。最後は狭いコースを縫って3着に伸びた。


 「松根(真)君が迎え入れてくれたおかげですね。できれば藤田(昌)さんを飛ばしたかったけど。ただ、自分もやりたいことができるようになってきたし、良くなっています」


 

3R

選手の写真です。
山形一気選手

 赤板過ぎに中団を確保した山形一気(写真)は7番手から仕掛けた津村洸次郎に合わせて踏み込むと三槻智清を飛ばして3番手を確保。直線外を突き抜けて6月名古屋以来となる久々の勝ち星を挙げた。


 「番手まで行けたらノリ(佐々木則幸)さんや守安(政雄)さんまで行けたのに。特別からここなんで余裕はありましたね。伊藤(勝太)さん駆けてくれと思ったけど、あそこで津村に行かれたら7番手なんで。脚を使いながらも前を抜けた。気持ちいい1着ではないけど、久しぶりの1着なんでね」


 山形に飛ばされた三槻智清だが、その後ろで立て直すと伊藤勝太との併走もしのいで2着に伸びた。


 「山形にからまれるのはわかってた。もう必死ですよね。津村もよく行ってくれました。バックで緩みはじめて、誰か来るんじゃないかと思った。(山形に)早く仕掛けてと思ってました」


 直線中を割った佐藤愼太郎が3着に突っ込んだ。


 「ヤバいパターンだなと思ったけど、コースが空いたんでよかった。最後は前(佐々木則幸)が内に行くか外に行くかで行かないコースと思ったけど、たまたま空いたんで。よく伸びたし感じはいいと思う」


 

4R

 インを切った西村光太が、山本紳貴後位に飛び付く。後続のもつれで山本が緩めると、小川賢人が打鐘の4コーナーからカマす。小川に松尾大樹が続いて、九州コンビを山本が追いかける。最終4コーナーで前の2人に追いついた山本が、そのまま小川をとらえた。


 「反省しかありません。西村君が切ったタイミングで緩めることなく一気に踏み上げれば、ラインで出切れたと思う。自分が休んでしまったぶん、後ろが粘られてしまった。自分のミスでラインに迷惑をかけた。1着を取れたこと以外は、いいところがないですね」


 ホームの記念で、小川賢人が思い切ったカマシを披露。近況の悪い流れを断ち切る2着に笑みがこぼれる。


 「S級で初めての勝ち上がりが、ホームっていうのは本当にうれしいですね。もうちょっとで松尾さんとワンツーだったけど、ワンチャンスを逃さず勇気をもって仕掛けられたのは自信になりました。今開催でS級初勝利も決めたいですね」


 小川のカマシを追走した松尾大樹は、流れ込みの3着で一次予選をクリア。


 「小川君との相性の良さがでましたね。いい展開で3着だったけど、前回より全然いい。小川君がいいところで行ってくれた。強かったですよ。自分は追走するだけでキツかったです」


 

5R

 矢口啓一郎、篠原龍馬の順で出た上を、荻原尚人が叩いて最終ホームで主導権を奪う。叩かれた篠原が苦肉の策で番手に飛び付くも、大崎和也が番手を守って追い込んだ。


 「荻原さんがすかさず行ってくれたおかげです。(篠原と)併走になっても余裕はあったので、早めに(篠原を)倒しておけば…。ただ、後ろに迷惑をかけました。残せなかったのは自分の力不足です。申し訳ないです」


 最終バックでは8番手だった尾崎剛だが、コースを探しながら追い込んで2着に届いた。


 「(最終)バックでは展開的にどうしようかなと思いました。待っていたら自分の着はないし、(コースが)空いたら踏んでいこうと。風のないコースを踏んで伸びましたね」


 篠原マークの梶應弘樹は、大崎と篠原の併走を見極めて冷静に直線で踏んで3着。


 「前(篠原)が頑張ってくれたけど、9番(大崎)がうまかったね。自分は差し込みたかったけど、前に篠原がいるから動けずに、難しかったです」

6R

選手の写真です。
吉川誠選手

 吉川誠が切った上を山口幸太郎が叩いて先頭に立つが、そこにすかさず須永優太が襲いかかる。山口に合わされた須永は松岡孔明をキメると、そのまま内をすくって先頭へ。前団のモツれを1センターから吉川誠(写真)がまくると、合わせて踏み込む松岡を豪快に飲み込んだ。


 「須永君の巻き返しが早かったですね。そこは予想外。引くテンポが遅れたんで、(3番手の鈴木)良太さんには申し訳なかった。でも何とか土屋さんを連れ込めたんで。どっちがワンツーでもいいと思ってたし、記念で勝ち上がれたのは嬉しいですね。最近は9レース(の当て馬)ばっかりだったんで」


 吉川マークの土屋裕二は吉川の強さに舌を巻いた。


 「強い。めちゃくちゃ強い。全然抜けないと思いました。行ったときに決まったと思ったし、吉川君のおかげです」


 最終ホームで須永との連結を外してしまった明田春喜だったが、2センターから内に切り込むと直線では須永の内もすくって3着に。


 「(須永が)キメに行ったんで、引いて後ろで様子を見てになった。最後はきれいに空いてくれたんで。前と後ろのおかげですね」


 

7R

 清水剛志が赤板前から金子哲大にフタをすると、2コーナーから月森亮輔が先に切って清水の仕掛けを受ける。これで7番手に置かれた金子だったが、すかさず4コーナーから巻き返すとそのまま力強く押し切った。


 「最低でも打鐘(過ぎ)2センターで仕掛ける予定だった。打鐘のタイミングで仕掛けようかなと思ったけど、清水君に合わされると別線のまくり頃になってしまうと考えて、(清水君が)緩めるだろうなってところで仕掛けていった。出切ってからは風が強くて余裕はなかったけど、この風なら別線の巻き返しは遅いだろうと思った。この調子なら今開催は戦えそうですね」


 金子のダッシュに口が空いた武藤龍生だったが、何とか追いついて埼玉ワンツーを決めた。


 「打鐘前で行くだろうと思って構えていたところでバックを踏んでそこから踏まれたのでキツかったですね。それにしても金子さんは強い。新車にして2場所目だけど今日の感じでは良いとは言えないですね。少し修正しないと」


 清水がまくられると、バックから俊敏に埼玉コンビを追った月森亮輔が3着をキープした。


 「前々に踏んで番手に飛び付ければよかったけど、金子さんのスピードが良くて対応しきれなかった。バックからは気力で踏んだ感じ。もうひと伸びがあれば、もっといい勝負ができたと思う」


 

8R

選手の写真です。
松崎貴久選手

 後ろ攻めの新山将史の上昇に対し、山崎翼は誘導員を残して車を下げる。そこを小川祐司が叩くと、打鐘から山崎が一気にカマし、この動きに乗った猪俣康一がその上を一気に叩く。これで新山は7番手。松崎貴久(写真)はしきりに後ろを振り返りながら猪俣との間合いを計ると、ゴール前で抜け出し猪俣とワンツーを決めた。


 「猪俣君が頑張ってくれたし、自分が離れそうなぐらい良いスピードでしたよ。自分は余裕というか、余裕ぶっているふり(笑)。後ろに飲み込まれても猪俣君と勝ち上がりを決めたかった。2人で勝ち上がれて良かったです」


 カマした猪俣康一は2着。迷いのない仕掛けで最近の悪い流れを一掃した。


 「あのタイミングしかないよね。ダメでも行かなきゃ。新山が後ろになっていたし、自分としては良い形でレースを運べました」


 直線外を伸びた新山将史だったが、7番手からでは3着までが精いっぱい。


 「7番手になるとは…。猪俣さんがカマして別線と踏み合ったところを行こうと思ったけど、まさか6番(山崎)が出させるとは…。想定外です。3車だったので出し惜しみしなければよかった。修正して明日頑張りたいです」


 

9R

 鷲田幸司のけん制で打鐘過ぎに仕掛けるタイミングを失った山岸佳太だったが、4コーナーから仕掛けると曾澤龍の抵抗を力でねじ伏せる。ライン3車で出切ると、岡田征陽の追撃を振り切った。


 「9番(鷲田)の振りでちょっと見ちゃったけど、そこは落ち着いて行こうと思った。行くタイミングはずれちゃったけど、しっかり出切れましたね。いいと思います」


 山岸の仕掛けにきっちり続いた岡田征陽だったが逆転はならず。


 「山岸君は行っちゃうなって感じはしました。自分の感じも悪かったし、(前回、四日市で)落車してからモガいてなかったんで。一走して感じはわかったし、これから自転車をいじるんで良くはなると思う」


 まくった西本直大ラインの3番手から中を鋭く割った鷲田幸司が3着に伸びた。


 「(3連単は)ヤマ(山岸)-全-ワシ(鷲田)でしたね(笑)。佐野さんは絶対外を踏むから。(近畿は)全員が持ち味を出す並びだったし、僕も持ち味を出せたんで。2コーナーで6人重なってるところで西本さんが行ってくれたのがよかった」


 

10R

選手の写真です。
浅井康太選手

 後ろ攻めから上昇した坂本周輝は打鐘で先頭に立つと、3番手は内に浅井康太、外に山田英明で併走に。山田はホームから仕掛けるが、番手の合志正臣が離れて後ろには坂本マークの堤洋がスイッチする。前がゴチャついたところを2コーナーから好回転で木暮安由がまくったが、これを山田が2センターで大きくブロックすると、木暮、佐藤悦夫が落車。堤がそのまま前に踏んだが、続いた浅井康太(写真)が直線で鋭く抜け出した。


 「前が空いてくれてよかった。それしかないでしょ。恵まれ一本だと思う。熊本の競輪ファンのために1着を取れて良かった。優秀戦は深谷とワンツーを決められることを目指していきます」


 合志の後ろから3コーナーで外に持ち出した新井秀明が2着に突っ込んだ。


 「落車があったからこその2着だと思う。近藤(龍徳)君のところに降りようかなと思ったら(合志の)殺気が凄くて。外を踏んだ。追走していても脚は一杯じゃなかったのが良かったのかな。前回(寬仁親王牌3日目に1着失格)の分は少し取り返せたかな」


 3着で優秀行きを決めた堤洋も笑顔でレースを振り返る。


 「坂本君は強かった。気が付いたら山田君が巻き返してきていて対処しきれなかった。坂本君には申し訳なかったけど、うまく切り替えられたと思う。2センターで山田君が木暮君を外に持って行ったところで急に風を受けて重たくなってしまった。3着だけど展開的には恵まれたと思う」

11R

選手の写真です。
吉澤純平選手

 赤板過ぎに先頭に立った松川高大はペースに持ち込みたかったが、古性優作の巻き返しが思いのほか早かった。古性が打鐘過ぎ3コーナーから踏み上げると、吉澤純平(写真)は口が空いた西岡正一をドカしながら3番手に。バックからまくり上げると、後続を千切って快勝した。


 「九州も二段駆けみたいな感じだし、難しいのであまり考えずに走りました。組み立てや仕掛けどころは甘かったし、反省点はありますね。ただ、体はしっかり反応していたし、調子は良いと思います」


 浮いた西岡が邪魔になり吉澤との連結を外してしまった武田豊樹だったが、3コーナーから外に持ち出すと南修二のけん制を乗り越えて2着に。


 「(吉澤との連係を)ちょっと外したんでね、1周で。吉澤もアンコになったから、ちょっと(自分の)判断ミスもあった。少しずつ体も動いてきてる。走りながら調整するってつもりはないけど、一生懸命頑張りたいですね」


 九州3番手を固めた北津留翼は次々と別線に行かれてバック8番手になってしまったが、直線で大外を鋭く伸びて3着に強襲した。


 「(別線が)来るなら隊列が整ってからと思ったけど、ホームから来てましたね。バックで松岡さんの動きを見ながら踏みました。自分の踏み方はできていると思うし、何とか届きましたね」


 

12R

選手の写真です。
中川誠一郎選手

 飯野祐太の上昇に対し、赤板ホームで車を下げた深谷知広は7番手。飯野が1センターから先頭に立って主導権を握ると、中団の岩本俊介はホーム手前から巻き返し。この動きに乗った深谷が2コーナーから外に持ち出して岩本を飲み込むと、続いた中川誠一郎(写真)がゴール前で逆転した。


 「(深谷に)初めて付いた分、タイプがわからないので2センターでちょっと口が空きました。強いですね。伸びがすごいです。深谷が多少早めにというか、出切るのに脚を使ってたので交わせた感じ。前回から手ごたえはあったので、それを維持できてるなって感じはあります。最高のスタートですね」


 2着には敗れたが、深谷知広の仕掛けも豪快だった。


 「先行してラインで決められればもっとよかったですね。理想とは違ったけど、最低限の仕事はできた。今はセッティングを考えながらやってるところ。競技にも競輪にも支障がないように、両方のバランスを取ってやってます」


 岩本マークの松谷秀幸が小倉竜二をブロックして空いた中のコースを突いた萩原孝之が3着に食い込んだ。


 「(松谷が戻るのを)待ったけど、申し訳なかったですね。岩本が早く仕掛けてくれたのでチャンスが生まれた。でも深谷のスピードがすごかったです」


 5着の松谷秀幸は悔しそうにレースを振り返る。


 「直線だったし、深谷のスピードが違った。でも合ったところで勝負と思って小倉さんのところに行ったんですけどね。(岩本と)ワンツー決まったと思ったけど…」

6R

選手の写真です。
岩本俊介選手

 青板バックから動いた須永優太は打鐘前から先行態勢に入る。前受けから下げた岩本俊介(写真)はホームから巻き返し。真崎新太郎をキメた松坂英司が続くが中団から合わせて持ち出した近藤龍徳が飛びついて番手を取り切る。2コーナーで出切った岩本が後続を千切って人気に応えた。


 「後ろは確認できなかった。そこは英司さんに任せて。1回詰まったところで行けなくて、フェイントみたいになったのが…。バンクが重かったんで、須永もキツかったと思います。結構、駆けててもつらそうだったんで、今日はタフなバンク(コンディション)ですね。英司さんと出口(眞浩)さんを連れていきたかったけど、ちゃんとレースはできたんで」


 岩本後位に飛びつき、離れながらも前を追った近藤龍徳が2着。レース後は苦悶の表情で検車上に倒れ込んだ。


 「キツい。足が痛い。今日は(岩本が)来なければ先まくり、来たら合わせて出てハコ。結構、踏んだし、前回(小松島の準決勝を単騎で突破)のが生きてますね。須永さんに合わされそうだったけど、とりあえず。動きがいいと思いませんか? 合格ですね」


 西村をキメた松坂が3番手に続いたが、須永後位から直線外を回した佐藤愼太郎が松坂を交わして3着に。


 「よかったです。須永君も頑張ってくれたんで。最後は外しか考えてなかった。展開に恵まれました。連日しのげてるし、明日(準決勝)もしのげたら最高ですね」

7R

選手の写真です。
南修二選手

 山形一気の上昇に乗った小川賢人が打鐘前2コーナーで切るとその上を藤田勝也が一気に叩いて主導権を握る。後方を嫌った新山将史が追い上げると3番手で小川と併走する形になる。藤田勝也が全力で踏み上げると2コーナー過ぎから南修二(写真)が車間を空けて援護。まくって来た山形を2センターでブロックすると直線で抜け出して白星を挙げた。


 「余裕を持って走れました。後ろが併走になっていて見づらかったけど、山形君の動きは気にしていた。小倉さんが入ってくるのはわかっていたので、入れさせすぎないように注意した。藤田君を残せれば良かったですけどね」


 小倉竜二は山形が止められた見るや、すかさず内に切り込んで2着に突っ込んだ。


 「山形の仕掛けは遅いですね。ホームで緩んだところで仕掛ければ、ラインで決まっていたと思う。小川君が南くんの内を行かなかったので、先に行かせてもらった」


 小倉を巧追した梶應弘樹が3着で準決勝進出を決めた。


 「ちょっと踏み出しで離れてしまったけど追いついて良かった。小倉君ならコースを突くだろうと思っていたので、着よりも付いていくことに集中した」

8R

選手の写真です。
松川高大選手

 後ろ攻めの金子哲大がジワジワと上昇して打鐘前から主導権を握る。吉川誠に3番手に入られた松川高大(写真)だったが、ホームですかさず追い上げると上手く3番手を確保。2コーナーからまくると、逃げる金子をとらえた。


 「悪かったら追い上げたところで見てしまってまくり追い込みになってしまうけど、すかさず行けているので状態は良いと思う。冷静に運べていましたね。ラインで決まってよかったです」


 落車明けの合志正臣だが意地を見せて松川に続く。


 「松川君が追い上げたところですかさず仕掛けてくれたのがよかったです。昨日1走している分、追走している分には楽だったしヨコに動ける余裕もありましたね。(岡田)征陽が飛び付いてきそうだったので、そこだけは警戒していました。征陽のところをしのげたので、ワンツーは堅いなと。あとは吉永(好宏)さんが内か、外かどっちから来るかだけでしたね」


 熊本コンビを追走した吉永好宏まで続きラインで上位独占を果たす。


 「松川君はさすがですね。自分は追走していて、征陽がまだ生きていたので、そこだけ締めて付いていけました。流れが良いですね」

9R

選手の写真です。
小松崎大地選手

 西本直大の上昇に対して小松崎大地(写真)が誘導員を残して車を下げると、津村洸次郎は小松崎にフタをする。そこから打鐘目がけて踏み上げたが、西本がこれを突っ張る。突っ張られた津村は3番手に入ったが、展開は小松崎のもの。1センターからまくり上げると、鮮やかに前団を飲み込んだ。


 「ホームで仕掛けないといけなかったですね。(松岡が)津村を入れたんで逆にチャンスと思ったけど、ホームで行けたら3人でどこも引っかかることなく決まったと思う。ワンランク上を目指すなら、そこで仕掛けないと。でも3人で決まって良かったです。出切れてるんで(感じも)良かったと思います」


 続いた大槻寛徳は小松崎の強さに舌を巻いた。


 「すごいスピード? ですね。今日はちょっと付いてて余裕がなかった。付いてる分には楽だけど、抜ける感じはしなかった。ただただ(小松崎が)強かった。恵まれたっす」


 3番手できっちりと続いた大崎和也も笑顔でレースを振り返る。


 「良かったです。離れるかと思った。強いですね、先輩方が。からまれるのは俺だなと思ったので、離れないようにって一心でした。強すぎて頭が真っ白です」


 松岡貴久は二次予選で敗退。悔しそうにレースを振り返る。


 「津村には切ってから(考えろ)と言ってたけど。(最終ホームで津村を)入れるつもりはなかったけど、入ったんで。自分の力不足です」

10R

選手の写真です。
和田圭選手

 ホーム過ぎで誘導員を下ろした簗田一輝が先行態勢に入るが、中団を確保した月森亮輔が打鐘過ぎ4コーナーから早々と巻き返すとこの両者で激しくぶつかり合う。2コーナーで簗田が月森を押し上げると、たまらず番手の松谷秀幸はインまくり。そのまま押し切るかに見えたが、まくり不発に終わった坂本周輝後位から直線鋭く伸びた和田圭(写真)が1着をさらった。


 「初日は他地区の後ろだったので、試すことができなかったけど、チェーンとかを変えて2日目は軽かった。このセッティングでいくかどうかは準決のメンバー次第ですね。坂本君が仕掛けてくれたおかげです」


 内から自力に転じた松谷秀幸だったが、和田の強襲に屈して2着に。


 「月森君があんなに早く仕掛けてくるとは思っていなくて坂本君の動きしか見ていなかった。後ろに有賀(高士)さんもいたので、2コーナーで内が空いた時は踏ませてもらった。彼(簗田)の強い気持ちを感じました」


 岡山勢を追走していた松崎貴久は2コーナーから外を踏み上げると松谷後位にはまって3着に食い込んだ。


 「1回は動かないといけないと思っていた。月森君の勢いを借りてかぶる前に仕掛けました。(松谷後位には)たまたま入っただけですね。仕掛けた甲斐がありました」

11R

選手の写真です。
古性優作選手

 青板のバック前で上昇した山岸佳太が山本紳貴にフタをして打鐘前で叩いて出る。すかさず山本が巻き返すが、山岸が合わせて踏んで出させない。人気の古性優作は打鐘から内に詰まり続ける最悪の展開。それでも4コーナーでようやく外が空くと、直線だけで一気に突き抜けた。


 「情けないですね。リズムが狂ってしまい判断に迷ってしまいました。迷いながらバックを踏んでいて。外をどかしていこうとも思ったけど、難しいですね。最後は何とか届いただけですね」


 山岸を巧リードした逆転した武藤龍生が2着に。


 「初手は中団か後方での作戦。紳貴さんが先行と言っていたので、紳貴さんを倒してから古性もやっつけられればと。紳貴さんが来たのはわかったので、少しでも脚を使わせようとヨコに振りました。ちょうど紳貴さんが古性の壁になっていたので、あえてどかさずにいきました。冷静に周りは見えているし、昨日キツかった分、今日は楽でしたね」


 山岸佳太は山本との同期対決を制して3着で勝ち上がりを決めた。


 「山本さんとの先行争いだと思いました。先行して踏み合って残れているし、自信になりますね。武田(豊樹)さんから組み立て方や、駆け方のアドバイスをもらったのが良かったのかも」

12R

選手の写真です。
中川誠一郎選手

 赤板前から北津留翼が上昇すると、その上を打鐘前から吉澤純平が叩いて一気にペースを上げる。中団の北津留は口が空き、車間を詰めるのが精いっぱい。7番手から深谷知広が巻き返すと、北津留後位から合わせて踏んだ中川誠一郎(写真)が直線鋭く突き抜けた。


 「(北津留は)車間を空けてたんで、ケツを上げてまくり追い込むのかなと思ったけど、雰囲気がおかしかったんで。そしたら内に行くんでビックリした。深谷も来てたんでかぶるくらいなら行くしかないかなと思った。状態は良い感じに来てると思う。決勝には最低でも乗らないといけないんで、準決勝も頑張ります」


 中川に合わされながらも外を踏んだ深谷知広が2着に食い込んだ。


 「緩むところがなくてキツかったです。北津留さんが先行するかなと思ってたし、少し思い違いがあった。あの車間が空くといけないですね。仕掛けは無理やりになったけど、けっこう伸びた。そこ(中川の外)は張り付けたし収穫です。感覚はそんなに良くないんで、しっかりリカバリーしたい」


 吉澤の番手で絶好だった武田豊樹だったが、中川、深谷と次々に外を来られて3着に。


 「ラインで決まるかなと最終バックで思ったけど、すごい勢いでしたね。上手く決められるかなって形だったけど。1着を取るレースだけど、そこは反省点。もうちょっと警戒して何かできれば良かったですけどね」


 深谷マークの浅井康太は惜しくも4着で確定板を逃した。


 「すごいスピードの深谷に付いて行けたし、しっかり3着勝負はできた。これが決勝だったらもうちょっと突っ込んでるだろうと思うし、今は走ってて楽しい。それで調子が上向いてくるかなと思うので」

10R

選手の写真です。
古性優作選手
選手の写真です。
南修二選手

 青板周回の2コーナーから上昇した古性優作(写真)は誘導後位に入ると、ホームで山岸佳太を受けて中団4番手を確保。最終2コーナーからまくると、武田豊樹のけん制を乗り越えて決勝進出一番乗りを決めた。


 「準決は自分でレースを作ることができた。余裕はありましたね。ライン3人で出切ることができれば、一番良かったけど。サドルがしっくりこないですね。まくりに出たときにまくれるかどうか不安だったので、微調整します」


 南修二(写真)は同郷の古性と呼吸を合わせてピタリと続いた。


 「(古性が)全てやってくれた。組み立てもまくるスピードも良かったと思う。武田さんのけん制も問題なかった。動けているので(状態は)大丈夫ですね」


 古性を止めることはできなかった武田豊樹だが、3番手の松崎貴久を飛ばして3着を確保した。


 「判断が難しいレースでしたね。山岸君は引き出すつもりで駆けたみたいだけど、自分は別線を止めるつもりでしたから。古性君のスピードが良くてけん制しても行かれてしまった。後ろに武藤君がいたので、タテへ踏ませてもらった」


 同県の大先輩を背に打鐘前から駆けた山岸佳太はレベルアップを誓う。


 「2日目とは違う古性君の凄さを思い知った。まだもっともっとレベルを上げなければいけない。竹内(雄作)さんや、深谷(知広)君は2周近く駆けても残れる脚がある。そこまでの脚をつけていかないとここから上では戦えない」

11R

選手の写真です。
中川誠一郎選手
選手の写真です。
小倉竜二選手

 岩本俊介が切った上を打鐘前2コーナーから叩いた松川高大はそのままペースを上げる。7番手からすかさず巻き返した吉澤純平は一度4番手外で休むと、ホーム手前から踏み上げて松川を飲み込んでしまう。出られた中川誠一郎(写真)は大槻寛徳を飛ばして番手にスイッチ。直線鋭く抜け出すと、3連勝で決勝進出を決めた。


 「気持ちが入っているけど、レース前から(松川の)雰囲気が伝わってきて、よけい負けられないなと思いました。吉澤君は勢いが良かったので出させて、4番手からまくろうと思ったけど、流して俺にフタする感じだったので引けなくなった。吉澤君は松川があれだけ踏んでるのを外併走から来たんでしょ? 強いですね」


 中川を好追した小倉竜二(写真)が2着。レース後は中川の走りを褒めちぎった。


 「誠一郎が前より器用になっているし、あんなにうまくいくんだね。吉澤が駆けていて対応が遅れて行かれたけど、内から飛び付いてましたね。(外から岩本が来ていて)コースがなくなると思ったのでそこはしっかり対応できました」


 後ろに切り替えられた中川、小倉に交わされたが吉澤純平は3着に粘って決勝進出を果たした。


 「中川さんが車間を空けて緩んだので、かかる前に仕掛けようと思いました。ただ、一発張られていたら終わっていましたね。連日、脚を使って勝ち上がれているので良いですね」


 岩本俊介は大外をまくり上げるも前団を捕らえ切れずに惜敗。


 「吉澤の持ち味の変幻自在でやりたいようにやられましたね。最後も小倉さんが見えたときに厳しいかなと思った。本当に悔しいです」

12R

選手の写真です。
浅井康太選手
選手の写真です。
深谷知広選手

 中団の小松崎大地にバンク上段まで上がられて身動きが取れなかった深谷知広だったが、打鐘前2コーナーの下りを使って加速すると一気に先頭に。これで番手絶好になった浅井康太(写真)は車間を切って後続をけん制すると、ゴール前できっちりと深谷をとらえた。


 「深谷はもう少し早くならもっと楽に出られたと思う。僕の状態もいいですね。レースも見えてる。調子が悪いと深谷しか見えなくなるんでね。去年、(熊本地震のチャリティーオークションに)自転車を出した3人で決勝に乗りたかったけどね。今年は自転車を出せてないけど、レースで恩返しができるように。決勝はいいメンバーなんでしっかり優勝できるようにしたい」


 別線の包囲網をかいくぐって主導権を握った深谷知広(写真)が2着に逃げ粘った。


 「僕を後ろに置いてって流れのなかで、タイミングを逃さず先行ができた。展開が向いたし、今日は悪くなかったですね。今のところ(脚的には)問題ないです」


 深谷に出られると、松谷秀幸の内をすくって中部ライン3番手に飛びついた小松崎大地は近藤龍徳を飛ばして3着に流れ込んだ。


 「バックを踏んで下げてもと思ったので、体が合ったところで勝負しました。流れのなかでの判断でしたね。ただせっかくのラインが…。決勝はまたしっかり走りたいですね」


 下がってきた近藤とからんだことも影響し、小松崎マークの和田圭は直線伸び切れず。惜しくも4着で決勝進出を逃した。


 「からまれてもからまれなくても4着でした。むしろ大地さんに離れなくてよかった。急に内に行ったのについて行けたので」


 


<最終日・9R S級ブロックセブン>


 「7車立てはエボリューションでしか経験がない」と話す早坂秀悟だが、たとえ後方に置かれても自慢のダッシュで前団を叩けそう。押し切って人気に応えるか。


 「7車立てなんで緊張しますね。阿竹さんもいるからなあ…。ここまでも(ナショナルチームの)みんなと一緒に。俺は行かないけど、みんなワールドカップに行くから、ちょっとずつ練習も減ってきて、今回はいつもより疲れはない状態ですね。7車ならどこから行っても? そんなことはない。谷口がバカ駆けしないこと。それを祈るだけです」


 近況好調な石川裕二が初となる早坂の番手回り。まずは踏み出しに集中する。


 「(ダッシュが)怖いなあ。でも、それが早坂のスタイルなんでしっかり付いて行って。最近は展開も向いてるけど、伸びてる感じがします。練習の感じも良いんで。点数が上がっていい緊張もできてるし、楽しいですね」


 阿竹智史も早坂と人気を2分する存在だ。


 「僕が一番点数を持ってるけど、早坂とは2点ぐらいしか変わらないし、7車だとみんな点数以上に強い気がしますね。練習は良いと思います。前回(寬仁親王牌)は(残り)3周ハイペースのレースに中団に入っても脚がたまってなかった。今回は距離長めにモガいて、そこの練習をしてきました」


 ベテラン西川親幸も単発レースではあるが、地元記念を盛り上げる。


 「1日出られるだけでも十分です。雰囲気だけでも味わえるしね。(9月松戸記念の)落車は大丈夫。そのあとちゃんとケアもしたので。1番車は位置を取らないといけないんで、荷が重いね」


 谷口遼平は思い切りのいい仕掛けで格上の機動型に挑戦する。


 「相手が強いんで、見せ場を作れるように。状態はちょっとずつ良くなってきたし、前回(四日市244着)もレースを作れたんで。積極的に頑張ります」