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こまつしま競輪

KOMATSUSHIMA KEIRIN

73#

検車場レポート

  • 6/30 Wed.  (前検日)
  • 7/1 Thu.  (1日目)
  • 7/2 Fri.  (2日目)
  • 7/3 Sat.  (3日目)

1R

 ここ3場所、勝ち星のない坂井洋は、前回の高松宮記念杯が5658着。成績は一息の高松宮記念杯だったが、手応えは悪くない。
 「徐々にモチベーションも上がっているし、出し切れるようになってきてるんで悪くない。(中9日で)しっかりと練習をしてきた。(今シリーズは)とにかく出し切って勝ち上がれるところまで勝ち上がっていきたい」
 オープニングで同県の坂井の番手回りとなった金子幸央は、笑みを浮かべる。
 「(坂井とは)初めてだし、(番手自体が)そんなにないですからね。まぁ、番手はそんに気にしてないんで大丈夫。(中6日で)全然問題ない。体調もいいです」

2R

選手の写真です。
蕗澤鴻太郎選手
 武雄、名古屋と直近の2場所はFIで初日予選を連勝中の蕗澤鴻太郎(写真)だが、優出からは遠ざかっている。
 「(近況は)まずまずですけど、もうちょっと上げていきたい。FIでも決勝に乗れてないですし、今期はここからなんで弾みつけるためにも(決勝に)乗りたい。自分のパターンに入っちゃえばなんとかなるんですけど、ならなかった時の対処ですね。まだまだトップスピードが足りない。トップスピードがあれば、そのあとのタレ幅も少なくなってくると思う」
 津村洸次郎は前回の青森FIの223着から中4日の強行軍。
 「青森の次の日に帰ったんで実質は中3日ですね。ケアして疲れをとることを(中心にやってきた)。(配分が)詰まってた方がうれしいけど、遠出とかでさすがにキツい。ただ、これが終わったら空くんで頑張ります」

3R

 小松島初体験となる坂本周作は、海に面した検車場で自転車を組み立てながらこう口を開く。
 「小松島は初めてです。こんなに海が近いとは思っていなかった。風が強いみたいだけど、自分的にはみんなが脚を使ってくれるような環境は好きですね。それに暑い方が体も動いてくれる。ここまでは地元で誘導とかもあって、根を詰めた練習はできていない」
 近況成績をまとめている渡部幸訓は、好調キープを宣言するだけにシャープな差し脚に期待ができそうだ。
 「大きな怪我もないんで、体の調子はずっといい感じが続いている。あとは(この成績は)前の選手が頑張ってくれているおかげですね。ただ、前回は体が動いてなくて、それが疲れだったと思うのでケアを中心にやってきて、そのあと練習もしてきました」

4R

選手の写真です。
上田尭弥選手
 上田尭弥(写真)は、2度目のGIとなった前回の高松宮記念杯を9495着。GI初勝利は8月のオールスターにお預けとなって、課題をあげる。
 「(前回は)しっかり動けていたんですけど、まだまだ力の差があった。自分の足りない部分がわかったので、しっかりと練習ができました。(初日も)しっかりと動いて、ラインで決められるように」
 弟、竜生(101期)のフレームで上々の成績を残している三谷政史は、一次予選で藤木裕とタッグを組む。
 「(3場所前の)岸和田の最終日から(三谷)竜生の自転車でやっているけど、それが全然感じがいい。中6日で誘導もあったりして、ちょうどいい感じで(疲れが)抜けている。調子も上がってきている」

5R

 昨年10月の落車の怪我で2月の全日本選抜に復帰した松坂洋平は、前回の松阪FIで昨年6月以来となるおよそ1年ぶりの優勝を遂げた。
 「自力をそんなに出してなかったんで、調子自体はわからないですね。ただ、(そのあとは)普通に練習とケアをやってきました。ここは風が強いイメージがあるけど、僕は嫌いじゃない」
 萩原孝之は、前回の高松宮記念杯2日目の二次予選で落車に見舞われ、途中欠場を余儀なくされた。
 「(落車は)雨だったんで怪我も少なくて擦過傷だけでした。2日間くらい休んで、そのあとケアとかをして練習をしてきました。感触は悪くないです」

6R

 畑段嵐士に前を委ねる中井太祐は、中3日のローテーションでもコンディション面での問題はない。
 「調整程度ですけど、中3日はとくに苦じゃない。ここは風が強いイメージがある。風は嫌ですけど、あんまり悪いイメージはないし、成績が悪いってことはない」
 今年未勝利の柴田洋輔だが、直近の競走得点は104点超。大敗が少なく成績をまとめている。
 「ここ数年はこんなもんなんですよね。もっと上げていかないとって思いはあるんですけど。(中3日でも)疲れはない。(目標の土屋壮登は前期のA級で)1着ばっかりで強いですね」

7R

選手の写真です。
神田龍選手
 同地区の山田諒と別線を選択した神田龍(写真)は、師匠の萩原操との連係に力を込める。
 「(初日は山田の)番手にいきたい気持ちもあるけど、後ろに師匠の(萩原)操さんがいるんで自分でやります。(近況の感じは)いいと思います。(近況バック数が減ってるのは)意識をしてとかじゃなくて、(自然に)減っていった感じです」
 前回までは3場所前に投入した新車で試行錯誤していた小埜正義は、今シリーズからフレームを戻して活路を見出す。
 「フレームを換えてガタガタになったんで戻します。自分ではやりきれなかったです。練習は普通にやってきました」

8R

選手の写真です。
原田研太朗選手
 昨年、地元記念を初制覇した原田研太朗(写真)は、一次予選からスタートを切る。前回の高松宮記念杯の3日目に落車失格。“新期一転”、地元から仕切り直しで連覇に挑む。
 「(前回は)感触は最近のなかでは良かった方です。(3日目の落車で)打ち身とかがあったけど、休むよりも動かした方がいいかなと。怪我もそこまでではなかった。(バンクは)きれいになったんで走りやすい。(感覚は)前とそんなに変わりない。(地元記念連覇は)あんまり意識をせずに、一戦、一戦を精いっぱいですね」
 五日市誠は、中6日で順調をアピールする。
 「体調とかも変わりなく、練習もできた。(前の選手に)付いていくのは付いていけてるので、あとは差せるようになりたい。ただ、欲張りすぎて調子を崩したこともあるので、そこら辺は気をつけていきたい」

9R

 前回の高知FIを3連勝。伊藤颯馬は完全VでS級初優勝を遂げたが、「ラッキーでした」と、逃げた町田太我の番手入った展開を振り返る。
 「前に踏んだ結果、番手にはまれた。内容的には…。後ろの人のサポートがなかったら(優勝は厳しかった)。(そこから中4日で)練習は2日間くらいしかできなかった。体はあんまり疲れてないので、大丈夫だと思います」
 前回の福井GIIIを1223着と上々の成績で終えた合志正臣だが、記念の今シリーズに気を引き締める。
 「練習はやったんですけど、福井の時とは全然メンバーが違うんで、そこですよね。(前回も試行錯誤していたセッティングに関しては)全然さわってないので、今開催中にやっていこうかと思ってます。(伊藤とは)連係も結構あるし、相性もいいです」

10R

選手の写真です。
佐々木悠葵選手
 佐々木悠葵(写真)は地元、前橋記念2149着のあとは、静岡、西武園とFIを6連勝の完全V。しかしながら、9車立て仕様で投入した新車だけに、今シリーズでの期待が膨らむ。
 「(ここ2場所は)展開に恵まれました。(3場所前の前橋は)調子が悪かったんで、その時よりは全然いいです。体が固まっちゃってたのと、(前橋の)2日前くらいにサドルが割れちゃって、それも影響した。前橋ではスピードが上がって、それ以上踏めなくなった。だから、9車立て用に静岡からフレームを換えた。7車には向いてなかったけど、それで勝てたんで、9車立ての方が楽しみです」
 吉本哲郎は弟子の町田太我でイメージを膨らませて、打倒、佐々木に燃える。
 「直前の練習ではめちゃくちゃ仕上がってきた。相当感じが良かったですね。佐々木君と当たりそうな予感がしていた。(町田)太我と同等の強さだと思っているから、佐々木君は太我の倒し方でなんとかしたい」

11R

選手の写真です。
町田太我選手
 前々回の松山GIIIでグレード初優勝を飾った町田太我(写真)は、前回の高知FIを114着。決勝は佐々木悠葵に番手に入られて展開に泣いた格好だ。
 「中4日で休みなしでしっかりと練習をやってきました。小松島は初めてです。海辺で風が強いって聞いたんですけど、風は得意なんで風があった方がいい。(初日は)地元のスターを付けているんで、しっかり自力で連れていけるように」
 佐々木龍は、半年のA級ライフを経てS級にカムバック。A級では19勝をマークして5度の優勝を遂げた。
 「(A級でも)S級を意識しながらやってましたけど、やっぱりS級とは違う。まったく別だと思ってるんで、しっかりと流れを見ていきたい。半年ぶりなんで、浦島太郎状態です(笑)」

12R

選手の写真です。
松浦悠士選手
 松浦悠士(写真)は前回の高松宮記念杯を6228着。決勝はチャンスメイクをしたものの、ラインを組んだ清水裕友を優勝に導くことはできなかった。
 「小松崎(大地)さんと踏み合いになって、僕と(清水)裕友にはかなり苦しい展開になってしまった。体調面はまったく問題なかったんですけど、周りには疲れていると言われた。それもあって(高松宮記念杯のあとに)2、3日乗らずに過ごしたら、ダッシュとかが戻った。筋肉的な疲労だったのかもしれない。直前の感じがすごい良かったんで、上積みはあると思います」
 松浦と別線の地元トリオ。阿竹智史、小倉竜二の前で戦う太田竜馬の走りが注目される。
 「(前回は)脚の感じは悪くなかったんですけど、結果が伴ってなくてもうちょっとかなと。ただ、4日間を通して戦えているんで、良くなってきた手応えはある。(昨年の地元記念は)2着だったんで、今年はちゃんと優勝を狙っていく。優勝する気持ちで入っています」
 関東でただひとり特選からスタートの武藤龍生は、松浦後位で村上博幸と競りの勝負を決断した。
 「自分は(高松宮記念杯で2日目に)失格だったんで(同県の宿口陽一の優勝を)テレビで見てすごく勇気をもらった。自分のことのようにうれしかった。(初日は)しっかりと村上さんにあいさつをして、同期の松浦君の後ろで勝負したい。(同県には)平原(康多)さんもそうですし、若手では森田(優弥)、黒沢(征治)もいる。番手としてそこをしっかりと回れるように、自分も頑張らないと」

1R

選手の写真です。
金子幸央選手
 横関裕樹が先頭に立ってペースを握るが、打鐘の2センターで坂井洋が6番手からカマす。3番手の小沼良は付け切れず、栃木コンビがスピードの違いで出切って3番手以下を離す。番手で車間を空けた金子幸央(写真)は、詰め寄る後続との間合いを計り、楽に追い込んだ。
 「坂井君はダッシュ、スピードがあるので、そこだけ集中してって感じでした。練習では何度かあるけど、レースでは初連係でした。坂井君が落ち着いていたので、(仕掛けて)行った時には安心してもう大丈夫だと。横関さんが後ろにいたのがわかったから、坂井君を残すのが仕事だと。余裕はなかったけど、やれることをやろうと。坂井君のおかげでいいイメージでスタートできた」
 機動力の違いを見せた坂井洋は、金子との栃木ワンツーで2着。
 「切って切ってで引かないつもりだった。赤板過ぎに(九州勢に)入られたけど、出しても4、5車なので落ち着いてと。じめじめしていて多少重たいが、前検日みたいな風はなかった」

2R

 赤板の1センターで岡山コンビが出ると、3番手に引いた蕗澤鴻太郎と津村洸次郎で併走になり、そのままレースが流れる。外の津村は仕掛けずに、最終ホームで多田晃紀がペースを上げて駆ける。番手絶好の内藤敦が、多田を交わした。
 「多田君も駆ければ力のある子だから、あとは落ち着いてと。いいペースだったんで、それがはまった。(1着は)デキすぎですね。ただ、練習でも踏めるようにはなってきた」
 津村の追い込みを僅差でしのいだ多田晃紀が逃げ粘った。
 「たまたま後ろ(津村、蕗澤)が併走になったんで、僕はすんなり駆けられた。でも、あれは予想してなかった。自分も戻ってきている感じもある。展開もあるけど、残れたことは自分がこれまでやってきたこともあるのかなと」

3R

選手の写真です。
渡部幸訓選手
 打鐘で主導権を握った今岡徹二が、後続を一本棒にして駆ける。6番手でじっくりと構えた坂本周作は、最終2コーナー手前からまくりを打つ。中団の小林申太は仕掛けられず、前団をのみ込んだ北日本3車の勝負。外から伸びる庄子信弘をけん制しながら、渡部幸訓(写真)が番手で勝機をモノにした。
 「疲れが抜けて前回よりいいですね。余裕もあって残り3日間も大丈夫かなと。タテだけじゃなくて、ヨコにもしっかりと動けているのは、軸がしっかりしている証拠だと思う」
 3番手から伸びて渡部に迫った庄子信弘が2着。
 「前検日の指定練習で走った時は(バンクが)まぶしかったけど、今日(初日)は曇っていたので良かったです。前期はセッティングとかいろいろと試していたけど、ダメだったから今回から戻した。悪くないですね。渡部君まで抜ければ良かったんですけど」

4R

 押さえて出た笠松将太は、6番手の上田尭弥を警戒しながらペースを落として打鐘を迎える。その後、徐々に踏み上げた笠松が、そのまま主導権。上田は最終1コーナーからのロングまくり。合わせて出た藤木裕をのみ込んだ上田が1着。
 「引いて自分のタイミングでカマすか、(笠松が)駆けたら早めにまくろうと思ってた。ジャンで(ペースが)遅かったんで、行こうかと思ったら(笠松が駆けた)。そのあとは(最終)1コーナーで詰まってきたんで行った。雨があんまり好きじゃないのでちょっと怖かった。出切ったあとの3、4コーナーも、うまく回れなかった感じがある」
 およそ1カ月半ぶりのレースとなった牧剛央は、きっちりと上田に付け切った。
 「(上田が)最初にホームで踏んだ時にはあれっていうのがあったけど、そこからの加速がすごかった。近畿勢の上を行くスピードは点数以上のものがある。自分は長欠明けで実戦は不安だった。脚のたまりも(休む)前と違ったけど、スピードは高いところでキープはできている」

5R

 赤板の2コーナーで前の松坂洋平に接触した萩原孝之が落車。四国ラインが主導権を握るが小川丈太のペースは上がらず、6番手の松坂が打鐘の2センターで踏み込む。落車を避けた大木雅也が松坂に続いて、南関の2人が出切る。迫る後続を二の足で振り切り、松坂が力強く逃げ切った。
 「バックを踏んで、萩原さんに申し訳ないことをしました。2車だとわかって、自分が動かないと前も動かないと。仕掛けどころだと思って行った。逃げ切れているから、前回よりも状態はいいのかなと。顔見せで軽く感じたので、逃げても残れる感じがした」
 萩原の落車にも冷静に対処した大木雅也が松坂に流れ込んだ。
 「落車は焦りました。巻き込まれると思ったけど、避けられた。松坂君の番手にいって、そこからは付いていくことだけを考えていた。萩原君は残念だけど、勝ち上がれて良かった。抜けていないのは実力」

6R

 赤板2コーナーで飛び出した曽我圭佑が先行策。4番手に藤岡隆治が切り替えて、土屋壮登は5番手。8番手の畑段嵐士は、打鐘の3コーナー過ぎから反撃に出る。中団の土屋を乗り越えた畑段が、逃げる曽我をとらえる。余裕をもって追走した中井太祐が、ゴール前で畑段を交わした。
 「(畑段は)普段から前々にしっかりと攻めてくれているんで、(後方でも)心配はなかった。そのあとも(ブロックを)もらってたけど、強いから伸びていくんだと。余裕もあったんで、僕自体もいいと思います」
 結果的に後方からの巻き返したとなった畑段嵐士だったが、さすがのスピードでラインで上位独占を果たした。
 「余裕もあったし、自分的には8番手っていう感じでもなかった。バタバタしてしまって、最後まで踏み切れているような感じはなかった。(前回からは)強めに練習して、直前に緩めてきた。このまま疲れが抜けてくれれば良くなってくると思います」

7R

 小埜正義の上昇を前受けから突っ張った山田諒が主導権。小埜は中団に入り、三重コンビは後方で打鐘を通過する。8番手の神田龍は最終ホーム手前から仕掛けて、前団に襲い掛かる。萩原操は付いていけない。果敢に風を切る山田に神田が迫ると、小埜が神田を目標にしてまくり上げる。直線は機動タイプ3車の勝負となり、外の小埜が神田、山田をゴール前でとらえた。
 「(山田の)突っ張りは想定外だったけど、うまく中団が取れた。焦っても仕方がないし、駆けている人も強いからワンチャンスを逃がさないようにと。1着はたまたま。ラインがなければこのレースはできていないし、ラインのおかげです。少しずつ状態を上げていければ。3場所前に投入した新車が軽すぎて扱いきれず、今回からフレームを戻したら感触は悪くなかった」
 8番手からのロングまくりを神田龍は、こう振り返る。
 「中団から小埜さんが切ったところを叩いて先行かどうか考えようと思っていた。そしたら山田君が突っ張ったので、思ったようにならなかった。早めに仕掛けないと萩原さんも付いてこれないから、(最終)ホーム前から踏んだ。踏み出しはいいし、伸びてくれると思ったから感触もいいですね」

8R

選手の写真です。
池田憲昭選手
 矢口大樹、岸川哲也の順で出た上を佐々木堅次が押さえて主導権を取る。7番手に下げてタイミングをうかがっていた原田研太朗は、佐々木のペースが上がらず打鐘の3コーナーから仕掛ける。香川勢を連れて先行策に出た原田に、別線は反撃できない。番手の池田憲昭(写真)が原田を追い込んだ。
 「アイツ(原田)も前回はGIを走ってたし、ジャンのスピードは緩かったんだと思う。(原田が)自分で上げていく感じだったんで、付きやすかった。正直、セッティングを変えたのは、ここに来る2、3日前ですけど、(感触は)いいですね。あとはそれに体がなじんでくれば、もっと良くなると思います」
 前回の高松宮記念杯で落車を喫していた原田研太朗が、不安を払しょくする先行策で二次予選につなげた。
 「初日ですし、脚を入れたかったんで先行を考えた組み立てでした。あとはタイミングが合えば行こうと。自分で上げていったんで、(スピードの)乗りが悪かったかなと。(差されたのは)池田さんも脚があるんで。それよりもラインで決められたことが良かった」

9R

選手の写真です。
伊藤颯馬選手
 中団併走から増原正人が打鐘手前で出ると、すかさず伊藤颯馬(写真)が叩いて逃げる。スピードに乗せた伊藤に合志正臣、那須久幸まで出切り、増原は4番手に入る。7番手からまくった伊東翔貴は3番手まででいっぱい。合志に好展開と思われたが、伊藤が踏ん張り押し切った。
 「すんなり出させてもらったから、自分のペースでいけた。自分的にはいいと思う。(最終)バックでは伸びたような感じがする。疲れとかは問題なく、前回からの状態をキープできている」
 合志正臣は4分の3車輪差の2着。早めの巻き返しに見えたが、合志はこう言う。
 「(伊藤)颯馬は叩きにいくのがツーテンポ遅かったね。ただ出切ってからはすごく強かった。バックで流れるから流して、ゴール前でも踏み直していた。いつもタレてくるけど、全然タレてこなかった。抜けなかったのは初めて。感じは悪くなかった。道中も苦しくなかったし、颯馬の方が強かった」

10R

選手の写真です。
武田豊樹選手
 7番手の佐々木悠葵が、打鐘手前から仕掛ける。高木翔のスピードを計りながら、最終ホーム手前で佐々木が楽に出切る。高木は3番手に飛び付いて、江連和洋をさばく。吉本哲郎のまくりも人気の関東コンビを脅かすまでには至らず、武田豊樹(写真)が佐々木を交わした。
 「前回(佐々木と)連係した時にマークを外してたんで、そこら辺は集中して走ったつもりです。佐々木君が先行してくれて、展開をつくってくれて自分に(流れが)向きましたね。なかなか結果が出ないけど、なんとかキッカケをと思って、トレーニングを積んでます」
 パワーの違いで高木を叩いた佐々木悠葵は2着も、まだまだ底を見せてはいない。
 「ああいう感じで(前が)流したところを早めに行ければっていう感じでした。(最終)バックでちょっと流しすぎました。体の感触としてはいいと思う。ただ、今日(初日)は自分の得意な展開じゃなかったんで、スピードに乗り切れなかった。(踏み出しは)5割、4割くらいですかね」

11R

選手の写真です。
小川真太郎選手
 打鐘では7番手で大きく車間が空いた町田太我だったが、詰める勢いで加速するとあっさり佐藤佑一を叩いて別線を置き去りにする。直線の入り口で町田に並んだ地元の小川真太郎(写真)が、番手から交わした。
 「(思ってた)組み立て通りだったんで、すごく楽に(付いて)いけました。(町田が)気を遣ってくれているのがわかった。自分のなかでは仕上がってる感じもあったので、落ち着いて走れた。脚の感じもすごくいいです。(バンクがリニューアルされて)きれいになったんで、新鮮な気持ちで走れます」
 「全体的に掛かりが悪かった」と、振り返った町田太我だったが、地元勢を連れてラインでの上位独占を決めた。
 「後ろ(7番手)になった時に(前との車間が)空きすぎたんで集中しきれないところがあった。そこを直したい。自分の掛かりが悪かったし、ずっと悪い感じがあった。でも、(ラインで)ワンツースリーできたんで良かった。(2日目以降は)アップのところから見直したい」

12R

選手の写真です。
小倉竜二選手
 先行態勢を取った小松崎大地に、7番手の太田竜馬は赤板2コーナーから襲い掛かる。小松崎も合わせるが、最終ホームで地元3車が出切る。すぐに松浦悠士がまくりを打つと、競りの村上博幸、武藤龍生は付け切れない。ただ、松浦にいつものスピードが見られず、前をとらえるまでの勢いがない。4コーナーで阿竹智史は外にけん制して、逃げる太田と阿竹の間を踏んだ小倉竜二(写真)が突き抜けた。
 「(太田は)出足がキツいんで、そこは気をつけて離れないように、いつでもダッシュをできる準備をしていた。(最後は)僕は外に松浦君がいたんで、コースがなかった。とにかく阿竹が外に振って、僕は内っていうのも(阿竹の)頭には入ってたと思う」
 地元の師弟ワンツーは弟子の阿竹智史が2着。師匠に先着を許した。
 「ジャン前から太田君が頑張って行ってくれた。ただ、小松崎君にも抵抗されたんで、太田君もしんどかったと思う。あのタイミングなら次に来るのが松浦君なんで、しっかりと見て止まったように見えた。(外に振って)戻って4コーナーから脚がついてこない感じだった。地元独特の緊張感もあるし、(2日目からも)いい意味で緊張して走りたい」

6R

選手の写真です。
山田庸平選手
 伊藤颯馬は、赤板2コーナーで押さえて出て主導権を握る。中井太祐が4番手を確保して、金子幸央は一本棒の7番手。伊藤がペースを上げて最終ホームを通過する。別線は仕掛けられず、番手で車間を空けた山田庸平(写真)が、中井をけん制しながら抜け出した。
 「(伊藤)颯馬がいいレースをしてくれて、踏み上がっていった。これなら(別線は)そんなに来られないかなと。来ても最後のまくり追い込みかと。ただ、自分はあんまりああいう展開になったことがなくて、間合いの取り方とかがわからなかった。それで最後は慌てて踏んだ。今回の方が疲れがある感じで、前回の方が感触は良かった」
 赤板手前で九州勢に合わせて動いた中井太祐は、思惑通り中団を手に入れたものの、仕掛け損じて追い込み勝負で2着。
 「中団にこだわってと思ってました。いい位置を取ったんであとはどこから仕掛けるかでした。ただ、山田さんも車間を空けていたんで、(踏むのが)遅くなったぶん、ラインに迷惑を掛けました。(脚の感触は)いいと思います」

7R

選手の写真です。
和田圭選手
 打鐘手前で出た山田諒が先行策。中部勢を受けた坂本周作が3番手に入り、原田研太朗は7番手に置かれる。逃げる山田の掛かりが良く、最終2コーナーからまくった原田の伸びは一息。3コーナー過ぎに坂本が外に持ち出すと、中をコースを和田圭(写真)が伸びて1着。
 「山田君が先行態勢に入った時に原田君と吉本(哲郎)さんより前にいることだったのでベストな形だった。自分は中のコースを踏んだけど、余裕があったから外を回した方が坂本君と勝ち上がれたのかも。でも、そうなると1着ではなかったと思う。その辺が反省点ですね。初日終わった後に(小松崎)大地さんにセッティングをみてもらって、初日よりも良くなった。でも、まだしっくりきていないところもある」
 原田のまくりは不発。逃げた山田諒が2着に踏ん張って、ラインの水谷良和とともに準決に進んだ。
 「いっぱい、いっぱいです。原田さんが一番強いし、坂本さんも和田さんを連れているから行きそうだし、みんな動くかなと。そのなかでも原田さんが一番脅威なので、その後ろから組み立てた。出てからは原田さんが来るかこないか見ながらだった。雰囲気で来なそうだったから、流していいペースで踏めた。掛かりも良かったと思う」

8R

選手の写真です。
佐々木悠葵選手
 津村洸次郎が先頭に立ち、8番手で反撃のタイミングをうかがっていた佐々木悠葵(写真)は打鐘から踏み出す。抜群の加速力で津村を叩いた佐々木に武藤龍生が続く。津村は3番手に飛び付く。まくった小川丈太と津村がからんで最終4コーナーで小川、藤岡隆治、戸田洋平が落車。関東勢の2人が並んだところがゴール。わずかに佐々木が武藤を振り切った。
 「一番負ける可能性があるのはジャンから行くことだと思ったけど、それで勝てたんで良かった。自分で立ち上げてペースって感じだったんで、(感触は)あんまり良くない。もうちょっと(津村が)楽に出してくれればっていうのがあった。それで前半が早くなってしまった。(踏み出しは)5、6割くらいですかね。バンクも走りやすいし、(シリーズのなかで)うまく脚を残せている」
 8分の1輪差の2着に武藤龍生が入って、車単は1番人気での決着。
 「佐々木君がしっかりと行ってくれて、流すのも踏み直すのもすごくうまくて完ぺきでした。初日は(番手に)行っただけになって、松浦(悠士)君、村上(博幸)さんに申し訳なかった。だけど、自分も譲れないところだった。昨日(初日)出し切って、今日は重かった。もう気持ちだけでした」

9R

選手の写真です。
小川真太郎選手
 多田晃紀、伊東翔貴の順番で切った上を、時間差で踏んだ坂井洋が出て主導権。しかしながら、太田竜馬の反応が早く、すかさず仕掛けて最終ホームで叩く。坂井にからまれた濱田浩司は、地元勢に遅れ気味。番手の小川真太郎(写真)が、太田を交わして地元ワンツー。
 「(太田が)叩き切って坂井君が後ろに入っていたら車間を空けようと思ったけど、濱田さんと一緒に離れているのがわかった。それでそのまま付いていった。自分でやるつもりで今回は来ているから脚は大丈夫。ここに向けて気合入れてやってきたから勝ててうれしいけど、(二次予選なので)最低限の気持ちで走っている」
 初日特選に続いて反応良さをアピールした太田竜馬が、先行策で二次予選をクリアした。
 「坂井さんが後ろにいると思ったから、行ったところをすかさず行こうと思ってた。周回中からイケそうな感じがした。要所、要所は作戦と違ったけど、坂井さんの動きを見ていけたのでイメージ通りです。本当は長い距離を踏むと体力が削られるので(長い距離を)踏みたくないが、内容も求められると思う。脚の感じはいいですね」

10R

選手の写真です。
小松崎大地選手
 赤板の2コーナーで小松崎大地(写真)が、佐々木龍の動きに合わせるように踏んで6番手に入る。佐々木が薦田将伍から主導権を奪って駆ける。熊本コンビを後方に置いて車間を切った小松崎は、最終1センター過ぎから仕掛けて前団をあっさり仕留めた。前回の高松宮記念杯の初日に199勝を挙げていた小松崎が、思い出の地、徳島の競輪場でメモリアル勝利を飾った。
 「(通算200勝を)小松島競輪場でできたことをうれしく思います。今日(2日目)の1着がたまたま200回目。ラインのおかげでたくさん勝たせてもらって、その積み重ねが今日だったんだと思います。(周回中は)想定外の並びだったけど、(6番手に入る)あの辺の判断は冷静にできたかなと。後ろが(渡部)幸訓君なんで、信頼できる追い込み選手だから、自分が仕掛ければいい結果はついてくると思ってた」
 3着以下が離れて、危なげなく追走した渡部幸訓が2着。
 「最終ホームであの位置を取ってくれた時点で(小松崎)大地さんならどこからでも仕留めてくれると思った。だから後ろの状況とかを確認するまでもなかった。大地さんのタイミングで行ってくれれば、あとは自分が離れずに付いていくことだけなのでそこに集中していた。やっぱり強かった。踏んだけど、格が違いますね。理想はもちろん1着だけど、付け切れたので十分。最近は自力選手に恵まれているから、自分のできることを精いっぱいやって返したい」

11R

選手の写真です。
町田太我選手
 松坂洋平にフタをされた町田太我(写真)は、赤板2コーナーで引いて7番手で態勢を立て直す。森山智徳が駆けているところを町田は最終ホーム手前から反撃に出る。室井竜二は付け切れないが、町田、小倉竜二で逃げる森山をバック手前でとらえる。3番手以下は置き去りで、差し迫る小倉を町田が退けて1着。
 「ジャンまでフタされてヒヨってしまったのがダメでした。踏み込んだ感覚が良くなくて、出切れないかもとよぎってしまった。ただ、初日よりもいい感じで踏めた。日に日に戻ってきている」
 ハンドル投げにまで持ち込んだ小倉竜二だったがわずかに及ばず。
 「(町田は)中団にこだわったからヨコできるのかと思ったら、(松坂の)一発のあいさつで下げてきた。すぐに巻き返すと思ったけど、町田君のヨコまでいく形になってかなりバックを踏んでからいったので番手の俺でギリギリ。あれでは室井さんは付いてこれない。あそこで力を使い果たした。キツい展開。あれでも詰めた方だと」

12R

選手の写真です。
畑段嵐士選手
 打鐘先行の蕗澤鴻太郎ラインを受けて、畑段嵐士(写真)は狙い通りの3番手を確保する。7番手でタイミングを取っていた松浦悠士は、打鐘の4コーナーから踏み込む。前団に迫った松浦を畑段が張って、そのまままくり上げる。松浦は藤木裕と併走で脚力を温存も、藤木が最終4コーナー手前で大きくブロック。藤木は失格で松浦は圏外。まくり切った畑段が1着。
 「(理想は先行したラインの)3番手が良くて、そこから先に仕掛けられたらっていうのがあった。だいたいイメージ通りでした。ただ、前(蕗澤)も掛かってたし、後ろ(が来るの)が早かったので(イメージと)若干、ズレがあった。脚の感じは良くなかった。なんとか前を越えられたけど、もっとしっかりとまくり切れれば良かった。後ろに迷惑を掛けてしまった」
 松浦ライン3番手の池田憲昭は、最終3コーナーから内よりのコースを選択。藤木のブロックで大きくコースが空いて2着に伸びた。
 「ちょっと難しい判断だった。(最終)バックくらいからは気持ちを切り替えて、着を狙いにいった感じです。藤木が(松浦をもって)いったのが見えたけど、どれだけいったかはわからなかった。(最後の2着は)たまたまですね」

10R

選手の写真です。
山田庸平選手
選手の写真です。
佐々木悠葵選手
 近畿勢が切った上を上田尭弥が飛び出して主導権を握る。上田がペースを上げて風を切り、山田庸平(写真)にとっては絶好の流れ。最終2コーナーで畑段嵐士がまくるが山田後位まで。その上を佐々木悠葵がまくり上げる。逃げる上田との車間を空けた山田が、間合いを取ってギリギリまで我慢。ゴール前で抜け出した。
 「一番いい展開で周回はできました。畑段君に切らせて、(上田が)行くのが一番いいかなと。自分は昨日(2日目)と違って今日の方が余裕はありました。1人でも多く九州から勝ち上がれるようにと思ったけど、自分の力不足ですね。まだ(番手での立ち回りは)うまくできてない。(今シリーズは)決勝が最低ラインでやってきたので良かった」
 最終2コーナー過ぎから7番手まくりで2着に届いた佐々木悠葵(写真)は、力をアピールして初の記念決勝進出も内容を反省する。
 「畑段さんが押さえるのが遅かったら突っ張って、先行態勢に入るのが一番と思ってた。(結果的に7番手からのまくりで)けん制とかもあって大外を回ってしまった。それで山田さんも見えたんで、1回休んでしまった。大先輩の2人に付いていただいたのに、あまりいい内容では勝ち上がれていない。申し訳ないですね」
 最終4コーナーで畑段、那須久幸、三谷政史が落車。落車に巻き込まれなかった中井太祐が3着に追い込んだ。
 「(最終)バックではすごく掛かってたけど、畑段君が無理やり行ってくれた。ちょっと難しかった。冷静には見られてるんで状態はいいと思います」

11R

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和田圭選手
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小川真太郎選手
 赤板2コーナーでは7番手に置かれた町田太我が、ダッシュを利かせて巻き返す。3番手の横関裕樹も動くが、町田が最終ホームで前団をとらえる。町田に続いた地元勢まで出切り、そこに小松崎大地がまくりで襲い掛かる。小松崎マークの和田圭(写真)は、バック過ぎに原田研太朗のインを進む。小川真太郎が小松崎を外に張って、コースが空いた和田がシャープに抜け出した。
 「僕の勝手な予想で原田君が内を空けていたので、小川君が前で踏んだものだと思った。それなら小松崎さんに付いていって外を回すと、自分は飛んでしまうと思った。それで内にいって、あのコース取りになった。今回使っているフレームだと機敏に動けている」
 小松崎のまくりを阻んだ小川真太郎(写真)が、逃げ粘る町田を交わして2着。
 「(町田は)先行力は一番あるから、踏み合ったところをきれいにいってくれて助かった。余裕がなくて小松崎さんしか確認してなかった。小松崎さんの後ろがいないことはなんとなくわかったけど、ちぎれているのかと思った。そうしたら急に内から(和田が)出てきて、挟まれて上にもっていかれた。そこをこらえて内に誰もいないことを確認して、降りて前に踏めた」
 和田の強襲にはあった町田太我だが、持ち前のスピードを存分に見せて優出を果たした。
 「あの形で押さえてジャンで自分のペースでって思ったら、津村(洸次郎)さんが早めにカマシ気味で押さえに来て、ビックリして後方まで下げてしまった。徳島のスターを付けているから早めに仕掛けないとと思っていった。3着までに残ったのは確認できたので、シメシメというかヨシヨシと」

12R

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小倉竜二選手
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太田竜馬選手
 中近勢が先頭に立つとすぐさま仕掛けた太田竜馬だったが、山田諒も抵抗してペースを上げる。松坂洋平が遅れ気味の3番手の外で休んだ太田は、タイミングを取って打鐘の4コーナーから再発進。山田をねじ伏せて、そのまま加速する。番手の小倉竜二(写真)は、3番手から外を踏み込む池田憲昭のスピードを確かめてきっちり追い込んだ。
 「(太田は3番手で)休んでるんだろうなと。スピードを殺すのが嫌だろうから、併走まくりみたいにするんだろうって走っている感じでわかった。さすがに(太田は最終)3コーナーでは苦しそうだった。自分は8割くらいのでデキ。かなり軽いっていうのもない。(日を追うごとに)疲労がたまっている感じがあるんで、4日目を軽い感じで迎えるっていうのはないと思う」
 地元勢の後ろから直線で外を伸びた池田憲昭は、複雑な表情でこう振り返る。
 「(太田が)早めに行ってくれたので、僕まで着に連れていってもらった感じです。(最終3コーナー辺りは)僕の後ろに村上(博幸)さんがいるのがわかってた。自分もバックに入れたけど、松坂君もいたんで難しかった。(自転車は)出ている。ただ、そういう技術面ですね。前が地元の2人で3番手の走り方(で考えるところがある)」
 423着の成績以上にシリーズでの動きの良さが目を引く太田竜馬(写真)は、山田との力勝負を制してラインを上位独占に導いた。
 「(山田を)目標にして行ったけど、かなり踏まれてしまった。それで(外併走で待って)直線で出切ろうと。結構、キツかったです。あとは小倉さんへの信頼感ですね。自分が出切れば、なにかあると。(感触は)悪くないけど、めちゃめちゃいいわけではない」