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こまつしま競輪

KOMATSUSHIMA KEIRIN

73#

検車場レポート

  • 7/4 Wed.  (前検日)
  • 7/5 Thu.  (1日目)
  • 7/6 Fri.  (2日目)
  • 7/7 Sat.  (3日目)

1R

 オープニングレースを飾るのは中部勢を味方に付けてライン4車となった中井太祐。成績以上の自信を胸に今期初戦に臨む。


 「そこまで成績はまとめられていないけど、調子自体は悪くないので。小松島は風が強いけどそこまで苦手なイメージはないですね。結果も出せていますし。ラインも長くなったので行くべきところでしっかりと仕掛けられれば大丈夫だと思います」 


 中井をリードするのは連係実績のある鷲田佳史。地元福井での落車を乗り越え、久留米記念でもまずまずの結果を残しており、今シリーズも存在感を示す。


 「中井君とは去年の豊橋記念以来ですね。確かその時も一次予選の1レースで一緒でワンツーでした。落車の影響もなく走れているけど、油断せずに頑張りたい。相手も弱くないですし、気を引き締めて」


 強力本線に挑むのは今泉薫。徐々にではあるがS級戦での手応えをつかみつつあり予選突破へ意欲を示す。


 「それなりに手応えはつかめてきたけど、まだまだ先行のバリエーションを増やしていかないと。押さえて駆けられれば残れるようになってきたけど、そう簡単に駆けさせてもくれない。カマシはリスクもあるし出切れなかったときに中団に降りる技術もまだないので」

2R

 最近は番手回りの競走が多い安部貴之だがタテ脚はいまだに健在で、ダッシュ自慢の坂本周輝を巧みにリードして一次予選突破を目指す。


 「前回の函館が散々で…。いつもだったら中4日でも追い込んで練習をするけど、今回は慎重に。疲れを取ることに重点を置いて調整してきたつもり。周輝とは久々だけど何も言わなくてもいつも頑張ってくれるので。自分は自分の仕事をしっかりとしてラインで勝ち上がれるように」


 安部に任された坂本周輝は今節から新車を投入。期初めのシリーズで好スタートを狙う。


 「サイズや硬さも今までのフレームと一緒ですけど、前のやつは3年も乗ったのでそろそろヘタってきた。セッティングは煮詰めながらになると思いますけど、馴染むように調整したい」


 前回前橋の配分を欠場。近況も大敗の目立っていた村上直久だが軌道修正に成功した様子で自信に満ちあふれている。


 「前橋を一本休んで調整もできました。試していたセッティングなども戻したらよくなりました。練習でも今までのベストタイムを出せたし今回は頑張れると思います」

3R

 若手のツバ競り合いを冷静に見極めて勝機を見出す野田源一。今節は6月の取手G3と同様に追加での参戦となるが、好調をキープしている印象で静かに闘志を燃やしている。


 「状態は前回から変わらないと思いますよ。取手のときは疲れが残っていたけど、今回はその辺も踏まえて疲れを残さないようにケアを重点的に。ハンドル回りのセッティングを色々試していたけど、戻す感じで落ち着きました」


 地元の太田竜馬と同期でもあり、学生時代に数々の記録を打ち立てた末木浩二がようやくS級に初挑戦。実力者の野田らもおり、決して楽ではないメンバー構成となったが、侮れない存在だろう。


 「(S級に上がるまでに)思ったよりも時間がかかってしまったけど、ようやくS級で戦えますね。ここが新しいスタートラインだと思って頑張ります。いつもは1人で練習をしているけど、今回は師匠(志村太賀)たちと一緒に練習をして。しっかりとアドバイスももらってきました。小松島は初めてだけど風の強い中でも気にせず走れると思います」


 末木と同級生の窓場千加頼は先にデビューして積み上げてきた経験値を武器に意地を見せる。


 「末木とは同級生で、(高校)3年の時のインターハイで負けた以来ですね。学生時代は敵わない相手でしたけど、自分もここまでやってきたことがあるので。最近は勝ちパターンと負けパターンがはっきりしてきたし、自分の力を出せれば行けると思います」

4R

 自力型同士が並ぶ南関勢は菅原裕太が前回り。鈴木裕が番手戦となった。


 「菅原君の番手は2回目。前回、番手を回ったときの着はちょっと覚えてないです。ちょっと前に疲れから痛風になったけど、やっと落ち着いてきた。やっと練習できるようになってきました」


 直近の競走得点は106点オーバーの中村昌弘だが、5月川崎で落車した影響があるようだ。


 「川崎の落車で自転車が壊れて、前回(6月松山)から自転車を換えたんだけど全然違う。前回は前を抜けなかったし、今までのがよかったんでしょうね。自転車(の影響が)8割ですよ。部品とか換えたりしてるんですけどね。体は大丈夫なので自転車だけです」


 

5R

 櫻井正孝は前回の久留米記念でも2勝を挙げるなど復調一途。ここも人気を集めそうだ。


 「久留米が終わってから急激に暑くなって、ずっと外で練習ができなくなった。ここまでは練習の時間帯やメニューを変えてやってきました。状態は変わらないけど、前泊で来て前検日も雨だから2日間乗れてない。そんなことはあんまりないので、そこがどうかな。A上りの人が多くてわからないけど、そこはあまり意識しないように。しっかり攻めるレースがしたい」


 守澤太志は前回、宇都宮記念で決勝に進出。5月はあっせんがなかったが復帰してから好調だ。


 「今はレースを走ってても余裕がある。(失格や落車が続いた)あのときは絶望的だったし、落車の影響もあった。2月、3月くらいからよくなったかなって感じはあったけど、あっせんがなかった5月にしっかり練習したら、そこから一気によくなった」


 利根正明は1年ぶりのS級戦だ。


 「今までのなかでは成績も体の感じも一番いいと思う。実際にレースを走ってみないとわからないけど、今回のS級は楽しみですね」


 

6R

選手の写真です。
久米康平選手

 久米康平(写真)は前回の松山で完全優勝。気持ちよく地元記念を迎えた。


 「前回から間も空いて練習もケアもできた。いい感じだと思う。ダービーが終わってから色々試したけど、いいものを残して行ったら6月ぐらいから形になってきた。前回から新車でこの結果なんで、自転車もいいのかな。今まではこの新車用に試してきたところもあったので。初日は後ろが小川さんだし安心して。ラインで決まったら最高ですね」


 小川圭二は前期の競走得点が102点を超えるなど鋭い差し脚は健在だ。


 「前の期から若い頃にやってたのを思い出して車誘導をはじめた。息子(丈太・111期)にも負けられないんでね。それからは予選クラスだけど、ちょっとレースが楽になってきた」

7R

選手の写真です。
佐藤幸治選手

 佐藤幸治(写真)は前回の函館で嬉しいS級初優勝を飾った。


 「決勝は(北津留)翼がダメだったんでヤバいと思ったけど、やっとですね。今まで何回も取りこぼしてるんで、やっと獲れてひと段落した。状態もいいし、感覚もいいです。細切れも苦にならないですね」


 小岩大介は5月全プロ以来、1カ月ぶりの実戦となる。


 「1班の点数もあったので、ちょっと休んでました。練習は普通どおり。よくも悪くもなくこんなものかなって感じ。1カ月あったんで半年ぐらいやってなかったウエイトをやってみた。練習では特に変化を感じなかったですね」


 地元の松本卓也は宗崎世連に前を任せて一次予選突破を狙う。


 「調子はちょっとはマシになってきてるけど、なかなかですね。前回のS級はほとんど走れず、よくわからないまま終わった。ここ数場所はバックも取れだしたし、なんとなくつかめてきたところがある。今期の一発目が初めての地元記念で緊張するけど、走るからには頑張りたい」

8R

選手の写真です。
鈴木謙太郎選手

 前期は2度の優勝と完全復活を遂げた鈴木謙太郎(写真)。気になるのは前回、富山決勝で落車した影響だ。


 「前回落車したけど怪我は大丈夫。練習も問題ないですね。最近の成績は自分の体と自転車がわかったことが大きい。それを踏まえてかみ合ってきた感じ」


 山田義彦は苦しんだ前期を乗り切り、期も新たにここから反撃を狙う。


 「前期はだいぶしのいだほうだと思う。序盤はS級点を取れないまで考えてたから持ち直したかな。今期は1班とか、(ビッグレースの)権利とかを狙っていきたい。戻ってきてる感じはあるんで、しっかり前だけ見て頑張ります」

9R

選手の写真です。
伊藤大彦選手

 ここは松本貴治の機動力が抜けている。前回、函館こそ準決勝で敗れたが、シリーズ2勝。今シリーズも四国勢のけん引役として活躍が期待される。


 「前回から中2日で休みも練習もほどよくやってきました。調整は問題ないです。前回の準決勝は師匠(濱田浩司)と初めて一緒に走って、今までで一番緊張した。四国地区の記念は高松以来、2回目。いつもどおりしっかり走って決勝に乗りたい」


 松本の番手を回るのは地元の伊藤大彦(写真)だ。


 「5月川崎の落車はあるけど、体は大丈夫。松本君は見たこともないです。ざっとレースを見たぐらいだけど、強いなあって印象ですね。まさか一緒に走るとは。なかなか地元は走れないし、気持ちは勝手に入ると思う。それまでは普通でいます」


 宇佐見裕輝は前期半年間のS級戦で得たものを今期につなげる。


 「前期は中盤、徐々にダメになってきた。弱みをにぎられて、自分も弱気になってたところがあるので。でもまずは半年間頑張って、今期からが勝負だと思ってたので。前回からフレームを換えたらいい感じだった。ダッシュが効くようになりました」

10R

選手の写真です。
原田研太朗選手

 原田研太朗(写真)は今年3度のビッグ優出と高いレベルで安定している。もちろん狙うは地元記念初優勝だ。


 「宮杯からけっこう空いたんで、しっかりやろうと思ってたけど腰痛が出て思ったようにはいかなかった。でも何とか痛みは取れたんで、問題はないかな。練習もここ1週間ぐらいできたし、不安はない。いつもどおりな感じです。特選の一発目だし、いい形で後ろにつなげられたら」


 小倉竜二は高松宮記念杯で2勝を挙げるなど復調気配を見せていた。


 「終わってからは地元の開催もあったし、あとは雨やね。黄檗山にも行ったし、それでリセット。宮杯がよかったので、そのまま行きたかったんだけど。地元で走り慣れてるんで、その辺は大丈夫だと思う」


 落車続きだった吉田拓矢だが、6月大宮で優勝し、高松宮記念杯では前半戦2連対と立て直してきた。


 「ここまでは黄檗山に行ったり、中間に膝を痛めたりしたけど問題はないです。走る以上は頑張ります」

11R

選手の写真です。
太田竜馬選手

 太田竜馬(写真)は昨年の当所記念で決勝6着。今回はそれ以上の成績が期待される。


 「今回は4月の武雄記念で使ったフレームに換えます。換えるつもりはなかったんだけど、ずっと練習で使ってて感じもよかったので。走ってみてヤバかったら前のに戻すつもり。宮杯から空いてたんで練習もできて、感じも最近のなかでは一番よかった。去年はチャレンジャーだったけど、今年はちょっと緊張しますね。でも最低、決勝には乗りたいと思う」


 番手は同県の高原仁志。「前回(前橋669着)悪すぎたけど、ここに向けてやってきたんで上積みはある。太田君とは宮杯で4日中、3日一緒に走ってます」と、ここも太田と呼吸を合わせてシリーズの好スタートを切る。


 浅井康太は4日間、自力で戦った前回の久留米記念で今年初優勝。ここも吉田敏洋の前で自力勝負に出る。


 「前回も仕上がり自体は特にだったけど、自力っていうので気持ちで走った感じ。まあ流れで行けるところで行くだけですから。優勝はたまたま。久しぶりに中を割りましたね」


 吉田敏洋は前回、前橋で122着と変わらず好調を維持している。


 「前回から1週間あったし、疲れはそんなにないかな。小松島記念は毎年呼んでもらってますね。(ダービーで)落車の影響はもうないし、ここからどれだけ上げていけるか。オールスターがあと1カ月であるし、サマーナイトも。悪いとは思わないけど、上で戦うにはもう少し必要なんでね」


 

12R

選手の写真です。
山田英明選手

 ダービー、高松宮記念杯とGIを連覇している三谷竜生。高松宮記念杯から中16日と配分間隔も十分で、ここも村上義弘と近畿連係を決めるか。


 「久々に間隔が空いたので、しっかり練習はできました。普段どおりにやってきて体調も悪くない。まずは一戦一戦ですね。(年末の)グランプリもあるし、そこに向けてしっかり積み上げていきたい」


 昨年大会の覇者は村上義弘。小松島は過去に記念を2V、共同通信社杯も制すなど相性のいいバンクだ。


 「(地震の影響で)向日町で日中は練習できない感じ。ここまでは街道中心に調整して来ました。このあとは(鎖骨の)プレートを除去する手術を受ける。後半戦に向けて、このタイミングしかないと思ったので。初日は三谷君にしっかり付いて行きたい」


 山田英明(写真)は今年、小松島で1月にFI、3月にGIIIを制している。今回優勝なら小松島完全制覇だ。


 「ここまでは特別なことはやってない。ただ自転車を色々見直して、その辺を重点的にやってきた。宮杯でワッキー(脇本雄太)が強かったし、このままだと頭打ちになる。練習よりも新しいことに目を向けてやってきた。練習ではよかったけど、またレースは違うんでね。でも楽しみな部分はあります」

1R

選手の写真です。
富弥昭選手

 正攻法から引いて立て直した中井太祐が打鐘で叩いて出ると、山下一輝が番手に飛び付く形に。富弥昭(写真)は後藤彰仁をさばいて3番手に山下を迎え入れる。番手を死守した鷲田佳史が車間を空けながら抜け出したが、山下に乗った富が直線で突き抜けて高配当を演出した。


 「4、5、6(着)かなって思ったけどアタマやったね(笑)。余裕はなかったけどホームじゃまだ山下も脚は残っていると思うし、入れてあげて。最後も仕掛けてくれたから空いたね(笑)。緊張したけどよかった」


 絶好展開に思われた鷲田佳史であったが伸び負けて2着に。


 「もう少しうまく援護できればよかったけど…。今泉(薫)君も遠かったし、来られても内かなって思ってたら外をいかれてしまった。中井君も頑張っていたし、うまく走れればワンツーだったと思う。悔しい」


 山下に粘られて焦り気味に踏んでしまった中井太祐は末を欠いた。


 「あそこで(今泉に)叩かれたら見栄えが悪いと思って。ちょっと焦って踏んでしまった。バンクも重かったしかかりはよくなかった。でも勝ち上がれているので。修正しながら勝ち上がっていきたい」

2R

 坂本周輝が赤板で泉谷元樹を押さえると、誘導との車間を大きく空けて打鐘を迎える。泉谷は4番手の内で月森亮輔と併走していたが、打鐘の2センターで安部貴之の内までもぐり込んで番手を奪い取る。最終ホームで安部と上田国広が接触して上田国が落車。泉谷が2コーナーから番手まくりに出るが、後方から勢いよく襲い掛かった村上直久が前団を飲み込んだ。


 「月森君が切ると思ったら、併走していて…。落車もあったし、後方からの仕掛けになったけど前団とはそんなに遠くは感じなかった。流れのなかで仕掛けて行っただけなので、感触はまだよく分からないです」


 坂本周輝が直線で差し返す勢いで泉谷に迫り結果は2着同着。


 「後ろに申し訳なかったです。今回から新車なんですけど、もうちょっと煮詰めます。変に小細工しようとしていて、積極性が欠けているので、2日目はしっかり仕掛けたい」


 懸命に粘り込んだ泉谷元樹も2着で二次予選に駒を進めた。


 「月森君が切って、自分にも仕掛ける順番がくるかと思ったが、思った展開と違いました。併走するなら一車でも前にって思っていたら、安部さんの内が空いていい形になりました。番手に入ってからはバックだけは取ろうと思って早めに仕掛けました。重たかったので微調整します」

3R

選手の写真です。
窓場千加頼選手

 後ろ攻めから動いて末木浩二を受けた窓場千加頼(写真)は4番手を確保。2コーナーまくりで前団を飲み込んだ。


 「末木次第ですね。ジャンでゆっくり来れば腹をくくって先行勝負するつもりだったけど、いいピッチで来たので。磯田(旭)さんに前輪をはらわれるかと思って危なかったですね。最近は踏み込むところでちゅうちょなく踏めてる。体も調子がよくて、しっかりパワーが出てますね」


 窓場の仕掛けに乗った野田源一が直線鋭く伸びて2着に食い込んだ。


 「窓場君が強かったし、末木君のペースもいい感じだった。(連戦で)疲れてないとは言えない。3Rっていうのもあるけど、少し体も重いです。初日はとりあえずしのげたって感じ」


 野田の強襲にあった神田紘輔は惜しくも窓場とワンツーならず。


 「千加頼が強かったですね。磯田を乗り越えたのを見て、ヨシと思って付いて行った。差し込んでたら危なかったですね。千加頼が1着でよかった。僕の感じもいいんで、まだまだイケます」

4R

 長尾拳太の上昇に菅原裕太も合わせて踏んで、前受けの黒田淳は一本棒の7番手に置かれる。苦しい流れになった黒田だったが、長尾がペースを落とすと菅原がカマして主導権を奪取して急転。菅原ラインを追った黒田が、最終2コーナーからまくって前団をとらえた。


 「踏み出しでスカっとしたからヤバいかなって思ったけど、そのあとはしっかりと進んでくれたので良かった。鈴木君のブロックが怖かった。でも、乗り越えられたんで。長い距離を踏めたし、2日目にアタリが出てくれるといいですね」


 中国両者のゴール勝負は、中村昌弘が黒田に1輪差まで詰め寄っての2着。


 「(前々回の落車で)自転車が壊れてしまったのは、本当に痛かった。前回は違うフレームでひどかったし、どうしようかなって。でも、足回りのセッティングを修正したら良くなった。前を抜ける感じはしないけど、遅れることはないと思います」


 逃げた菅原を利した鈴木裕は、黒田を止められず3着が精いっぱい。


 「(最終)ホームで長尾君に粘られるかなって思ったので、車間を空けられなかった。そのあとで空けようと思ったけど、黒田君が来ているのが見えて焦ってしまいましたね。まだまだ勉強と技術が足りない。でも、番手回りも増えてくると思うので、しっかりと身につけていきたい」


 

5R

 赤板の2コーナーで押さえて出た櫻井正孝が、先行態勢を取る。別線の動向を確認しながらペースを上げた櫻井は、最終的に中国コンビを受けて3番手。まくりで迫る利根正明を弾いて追い込んだ櫻井が1着。


 「めちゃくちゃ重たくて、切って脚がいっぱいになってしまった。余裕がなかったです。本当は自分が西村(光太)さんみたいに先に動いてってことをやりたかった。西村さんに苦しい展開にさせられた。ここまで3日間、自転車で地面を乗れていなかったので、不安はあったけど勝てて良かった」


 守澤太志のけん制で大きく外に振られた利根との連係を外した久島尚樹は、落ち着いてコースを探して2着に強襲した。


 「利根さんが前々に踏んでくれたおかげです。重たかったし、口も空いたけど、なんとか2着まで入れてうれしい」

6R

選手の写真です。
谷田泰平選手

 打鐘で谷田泰平(写真)が切ったうえを久米康平が叩いて主導権を握る。久米のペースの前に別線は動けず、四国3車で上位を独占するかに見えたが、4番手の谷田がまくり追い込みを決めた。


 「展開ですね。久米君がもう一個のラインを出させるとキツかったけど。スピードがよくて後ろも来なかったし、あとは4コーナー勝負かなと。久しぶりの1着ですね。前期はあまりよくなかったんで、ちょっと楽になりました。これを機にまた頑張りたい」


 番手絶好の小川圭二だったが、ゴール寸前で谷田に1着をさらわれた。


 「バックが追い風だし、まくられることはないなと思ってた。溪(飛雄馬)が律義に内を締め過ぎてて、(谷田は)エアポケットになったね。でも四国みんなで上がれたんでよかった。ノルマ達成やね」


 3着には敗れたが逃げた久米康平も力強かった。


 「決まったかと思ったけど、谷田さんもタテ脚あるし、しょうがない。ラインで勝ち上がれたのでよかったです。来てもひとつのラインぐらいだろうって感じで踏んだけど、誰も来なかったのでペースで。まだ新車で先行してなかったので、色々収穫ですね。自信を持って2日目以降も頑張ります」

7R

 打鐘で出た藤田大輔に宗崎世連が襲い掛かるが、藤田も突っ張り気味に踏み上げる。内藤敦が連結を外して、宗崎が叩き切ると松本は藤田のけん制で外に浮いて後退。8番手になった人気の佐藤幸治だったが、踏み出すと目の覚めるようなまくりで宗崎をとらえて後続をちぎった。


 「8番手になったけど、みんなそれなりに脚を使っていましたね。自分は極力、脚を溜めようと思っていました。優勝したあとの1走目なので、緊張しましたけど勝ててよかったです。やっぱり勝ったあとが大事だと思うし、手応えも良かった」


 逃げる宗崎の番手から踏んだ藤田は一息で、藤田マークの須藤誠が2着に伸びた。


 「佐藤君はスピードが違ったし、あれは止められないですね。でも、余裕はあったんで、1回外に張ってからコースを探した。踏み込んだ感じも良かったです」

8R

 鈴木謙太郎を押さえた成松春樹は、近畿3車をすんなり受けて中団をキープ。酒井拳蔵が腹を固めてそのまま駆ける。最終ホームから反撃に出た鈴木にいつものスピードがなく不発。酒井を利した松村友和が、後続との間合いを計って抜け出した。


 「酒井君を残したかったけど、鈴木君が強すぎるから一気にまくられてしまうと思って…。酒井君を残せるかどうか微妙だったし、判断も難しかったです。脚の感じは良くないですね、ナイター疲れがあるのかもしれない」


 目標の鈴木が不発で、山田義彦は最終3コーナーからコースを探してシャープに追い込んだ。


 「リカバリーできてよかった。鈴木さんが仕掛けてくれたので、展開一本ですね。(鈴木は)タイミングを相当狂わされたし、自分も(最終)1コーナーで1回バックを踏んだ。でも、最後もしっかり踏めているので、脚の感じは戻ってきています」


 中団からまくりを打った成松に乗って、さらに外を踏んだ松岡孔明が3着。


 「人の後ろだったので余裕はありました。鈴木君を合わせながら踏むことができました。成松君はもう少し4コーナーのところで我慢していれば、まくり切ったと思うんですけどね」


 

9R

選手の写真です。
松本貴治選手

 後ろ攻めから赤板ホームで前に出た松本貴治(写真)だったが、そこを打鐘で蒔田英彦に叩かれ、さらに4コーナーから宇佐見裕輝にカマされてしまう。それでも2コーナー、6番手からまくって松本が1着だったが、後ろを連れ込むことができず表情は硬い。


 「中途半端というか難しい。簡単なレースだと思ったけど、僕がバカすぎた。切ってから緩めすぎて、蒔田さんが行けると思うスピードで走ってしまった。出切られてからはバック踏んで、バック踏んでだったし…。脚に余裕はあったし、感じは悪くないんですけどね」


 宇佐見のカマシに乗った鈴木誠が2着で二次予選進出を決めた。


 「宇佐見がここだってタイミングで行ってくれたのでよかった。バッチリでしたね。1着取れなかったけど、あの展開じゃ仕方ない。競走が空いてて不安があったけど、走ってみた感触は悪くなかった」


 ドンピシャのタイミングで仕掛けた宇佐見裕輝も3着に粘った。


 「あそこ(打鐘過ぎ)で車間を詰める勢いでイケた。ピッタリ付いてたら出切れないと思ったんで車間を空けてました。今のフレームにしてからダッシュがいい。でも松本君も来ると思ったし、出てからも回せなかった。末脚がないですね」

10R

選手の写真です。
小倉竜二選手

 山本伸一が押さえた上を吉田拓矢が打鐘過ぎに飛び出して先行策。高橋陽介との併走から5番手を取り切った原田研太朗は、最終1センターから踏み上げる。吉田との車間を大きく空けた牛山貴広を乗り越えた原田が、そのまま押し切った。


 「雨が降っていたんで7番手に引いたら厳しいと思って、(あの位置を)主張しました。タイミング的にも(高橋に)合わせて踏み上げる感じになったわりには、車の出もよかったですね。感触もいいと思います」


 原田のまくりを危なげなく追走した小倉竜二(写真)が、別線に絡まれることなく続いて地元ワンツー。


 「ちょっと牛山君のところが気になったけどしのげている。最後もしっかり差し込めたし、不安はなくなりました。あとはどれだけ前が長い距離を踏んだ時に余裕があるかですね」


 最終3コーナー過ぎから山本と重なった柏野智典は、山本に何度か当たりながら踏み勝ち3着。


 「内にいたのが自力型だったから負けたと思ったけど。(前々回の函館記念から使っている新しい)フレームのおかげですね。3着と4着じゃ、えらい違いますからね」

11R

選手の写真です。
高原仁志選手

 赤板から郡司浩平が上昇すると、この動きに続いた太田竜馬は下がって来た浅井にフタをする。打鐘に合わせて太田が仕掛けると最終ホームを一本棒で通過する。2コーナーから郡司がまくり上げるが、3コーナーで高原仁志(写真)のブロックを受けて失速。後方の浅井も3コーナーから大外を踏み込むが、前団までは届かない。4コーナーを絶好の展開で迎えた高原がゴール前で太田を差し切った。


 「全然楽ではなかったですよ。前が気を使ってくれました。1着は後輩の頑張りのおかげです。脚自体は問題ないし、(郡司を止めて、太田を差してと)うまいこといきすぎました」


 軽快に風を切った太田竜馬が2着に粘り込んだ。


 「雨なので感覚は重たかったけど、踏み上がっていく感じがあった。ペースで駆けられました。直前の練習の感じがよかったので、それが出ましたね。明日は地元が多いので、しっかりしたレースをします」


 地元コンビを追走した大坪功一が3着に流れ込んだ。


 「余裕はあったけど、郡司君とからんでからはキツかったですね。絵に描いたような展開になったし、ラインのおかげです」


 

12R

選手の写真です。
池田勇人選手

 後ろ攻めから動いた山田英明が誘導後位に入ると、サッと車を下げた三谷竜生が打鐘から飛び出して主導権を握る。ホームから仕掛けた田中晴基がバックで三谷をとらえると、短くなった前団を2コーナーから天田裕輝がひとまくり。続いた池田勇人(写真)が抜け出した。


 「ホームでちょっと見ちゃって、前と口が空いてしまったのは反省点だけど、何とか上手く立て直せてよかった。(雨でバンクが)滑るのでそこも気になりました。ここ最近でも最高のスタートです。余裕もあったし、来る直前にかみ合った感じだった。あとは実戦でどうかと思ってたのでよかった」


 会心のまくりを決めた天田裕輝も笑顔でレースを振り返る。


 「(打鐘前に)晴基が引いてくれたんで展開も向いた。まあ流れに乗っただけなんでね。どっちかと言うと後手後手だったけど。ヒデ(山田英明)さんと併走になりそうなのを我慢できたのもよかった。でも警戒されてなかったからですよ」


 ホームで内を後退したときにはダメかと思われた山田英明だが、天田の仕掛けに反応して外に持ち出すと何とか3着に食い込んだ。


 「ホームで引くなり、粘るなり。どっちもしちゃいけないことをしてしまった。GIなら絶対アウトですよね。バックからは外も内もなかったので、中を行くしかなかった。コースはそこしかなかった。何とか最低限ですね。でも何もしてないんで」

6R

選手の写真です。
守澤太志選手

 中井太祐の上昇に続いた坂本周輝が打鐘で先頭に立つと、3番手外併走になった佐藤幸治が4コーナーから踏み込んで主導権を握る。九州ラインの仕掛けに乗ってすかさず1センターからまくった郡司浩平が小川勇介のブロックを受けながらもラストの直線で佐藤をとらえたが、藤田大輔を飛ばして郡司に切り替えた守澤太志(写真)が直線鋭く突き抜けた。


 「周輝が頑張ってくれた。しっかり踏んでくれたので。僕は(郡司が仕掛けた)あそこを見たら終わりなんで、アレしかなかった。走ってて余裕はあるし、脚はいいと思う」


 小川の強烈なブロックを耐えてまくった郡司浩平が2着に。


 「展開は向いたし、余裕はあったけど滑ったのだけが。持って来られるのはわかってたので、避けたときに滑って遠くなっちゃった。でも道中の余裕はある感じです」


 前の藤田が飛ばされると守澤後位にスイッチした成清貴之が3着争いを制した。


 「浩平が乗り越えて、藤田まで行ければ決まると思ったけど、守澤も狙い撃ちだったね。この3着はデカいですね。デキはこないだ(久留米記念)より悪い。何とかしのいだ感じです」


 

7R

選手の写真です。
久米康平選手

 後ろ攻めから上昇した高橋陽介が切った上を松本貴治が押さえて先行態勢に。松本は7番手で追い出しをかけるように車を外に持ち出した吉田敏洋の動きに惑わされることなく、徐々にピッチを上げると、番手の久米康平(写真)が余裕を持って差し切った。


 「前回の松山と同様に松本君が全部やってくれました。でも前回付けたときよりも今回の方が強かった気がします。(松本は)初日のレースで失敗していたから気持ちも入っていたと思う。かかりもよかったし誰も来る感じはしなかった」


 強敵、吉田らを封じて準決勝への切符をつかんだ松本貴治も納得の表情でレースを振り返る。


 「(打鐘過ぎの)吉田さんの動きは見えていなかったので、惑わされなかったというよりもしっかり自分のペースでと思って駆けました。初日は後輪が滑ってしまったけど、2日目はいつもどおり走れたし感触もよかった。思ったとおりの展開になったし、落ち着いて駆けられてよかったです」


 3番手の小川圭二が内を締めて伸びを欠くと、高橋追走の大森慶一が3着に強襲した。


 「何とか間に合った感じですね。脚はたまっていたけど、高橋君も出る感じがしなかったから踏んだら伸びました」


 

8R

選手の写真です。
和田圭選手

 打鐘で泉谷元樹が飛び出すと、吉田拓矢がすかさず巻き返して最終ホームで泉谷を叩く。後方から出脚よくまくり上げた黒田淳だったが、3コーナーで勢いは止まる。4コーナーを絶好の番手で迎えた和田圭(写真)が最後はきっちり追い込んだ。


 「吉田君とは初連係だったけど、強かったですね。頑張って付いていきました。初日は郡司君で、2日目は吉田君のおかげ。黒田さんがまくりで来ていたので、自分の横に来たら止めようかと思ったけど、吉田君も踏み直していった。レース間隔が空いていたので、体をしぼってきた分、感覚がいいですね」


 逃げた吉田拓矢は2着に粘り込んだ。


 「理想の展開になったし、落ち着いて仕掛けられた。とりあえず今日は主導権を譲らないようにって思ってました。出切ってからもペースで踏めた。痛み止めを飲んでレースしているので、レースになれば膝の状態は気にならない。今回から自転車も換えているので、セッティングをもう少し煮詰めたい」


 小野大介が3着に流れ込んでラインで上位を独占した。


 「吉田君がドンピシャのタイミングで仕掛けてくれた。番組と、前の2人のおかげですね」


 

9R

選手の写真です。
野田源一選手

 宇佐見裕輝の上昇に対して誘導員を残して車を下げた山本伸一は7番手からすかさず巻き返し。合わせて踏み込む宇佐見を2センターで叩いて前に出る。ホームから切り替えた牛山貴広がバックで村上義弘の横まで迫ると合わせて村上は番手まくり。そこを2コーナー、8番手からまくった野田源一(写真)が飲み込んだ。


 「みんながどこから仕掛けるのかを見ながらだったけど、思い切って仕掛けた結果ですかね。久島(尚樹)まで連れ込めればよかったけど。牛山君も仕掛けてくれたので、いい目標になった。バックで牛山君の内か外か判断に迷ったけど、スピードを緩めてまで内に行く必要はないかなと。結果、外行って正解でしたね。展開が向いたって感じです」


 村上義弘はバック手前で牛山が来たときに難しい判断を迫られた。


 「(山本)伸一は勝負どころで仕掛けてくれる選手だし、宇佐見に抵抗されながらだったけどよく行ってくれました。でも野田も牛山も強かった。(誕生日に1着はならず)それはあんまり考えてないけど、まずはレースに集中して」


 宇佐見後位から前々に攻めた牛山貴広が3着で準決勝進出を決めた。


 「(ホームで)入れるのがよかったのか。入れなかった時点で自分で前に行こうと思った。自転車が出たので行ってみようかと思って村上さんのとこまで行った。合わされたけど、後ろに付き直せたので。脚は悪くない。3カ月前から好調だと思う」


 

10R

選手の写真です。
田中晴基選手

 初日に着以上の動きを披露していた田中晴基(写真)がS班の浅井康太を後方に追いやり白星をゲット。窓場千加頼を受けて3番手を確保すると、2コーナーまくりを決めた。


 「思ったとおりにレースが動いてくれた。櫻井(正孝)君が切ってくれて、窓場君も叩いてくれた。最高の展開になりましたね。初日は着がよくなかったけど気分よく眠れたので。(初日に三谷を叩き切ったのが)自信になってますかね」


 直線で鋭く田中に詰め寄った浅井康太であったがわずかに届かず2着まで。


 「全然サドルに座れていない。サドルが0.8mm上がっていたので少し下げて修正する。あとはちょっと疲れなのかな。(雨走路で)危なくて立ちこぎなしな感じでした」


 田中を好追走した須藤誠だったが、浅井の強襲に屈してワンツーはならず。


 「全て(田中)晴基がやってくれて、自分は3コーナーで当たらないようにと思ってた。最後は車間を空けて浅井君の動きも見えていたので、本当は2着じゃなきゃダメなんですけどね。余裕はありました」


 

11R

選手の写真です。
三谷竜生選手

 正攻法から車を下げた三谷竜生(写真)は打鐘の2センターから一気の巻き返し。最終ホームで出切ってしまうと、その後も軽快に飛ばしてバックを先頭で通過する。別線の巻き返しは叶わず、三谷が力強く押し切ってラインで上位を決めた。


 「仕掛けようと思っていたし、行けるところでと思ってた。タイミングも悪くなかったし、しっかり踏めました。初日よりはカマシ気味の仕掛けになったので、その分ゴールまで踏めたし、抜かれていないので(感触は)いいと思う。このバンクは滑るけど、みんな条件は一緒なので対応できるようにしたい。疲れも大丈夫です」


 番手絶好の澤田義和がゴール前で詰め寄ったが逆転はならず。


 「今日は三谷君のカマシに自分が付いていけるかどうかでした。ライン3人で決まってよかったです。抜きにいったつもりだったし、抜きたかったけどね。三谷君は踏み直しが流石ですね」


 近畿両者の後ろを選択した溪飛雄馬が3着に流れ込んだ。


 「展開一本です。澤田さんが車間を空けていたので、一緒に詰めて3着はキープしようと思っていました」


 

12R

選手の写真です。
原田研太朗選手

 中団でけん制する山田英明の動きも構わず、太田竜馬が打鐘から飛び出すと中四国のライン5車がきれいに出切る。ホームから山田が巻き返すが4番手の外で一杯に。番手絶好の原田研太朗(写真)が直線抜け出し、シリーズの連勝を決めた。


 「太田のかかりがよかったので、出て行くのと残すのと、前後の兼ね合いができてなかった。後ろは出て欲しかったみたいですね。難しかったけど、準決勝につなげられたかな。準決勝は初めての松本(貴治)君とだし、ちゃんと連係できるように。(小野大介も付いてラインは4車)しっかりと考えて走りたい」


 徳島3番手を回った小倉竜二が2着に流れ込んだ。


 「太田が強いね。バックまではよかったけど、そこから突っかける感じだったし、研太朗も残す感じだったから僕の状態はわからない。まあまあですかね。準決勝はハコなんで、そこで(調子の)結果は出ますよ」


 高原仁志が3着で2車単、3連単ともに一番人気で決着した。


 「(山田のけん制)あの辺も想定内だったし、あとは太田の行くタイミングだけ集中して。徳島で決まってよかった」


 逃げた太田竜馬は4着の結果にも満足げ。


 「一杯です、もう。役目は果たせたし、2日間いい感じ。仕上がりはいいと思います」


 中四国5車にもう然と襲いかかった山田英明だったが6着に敗れた。


 「(力勝負する)そのつもりでした。どこまで行けるかと思ったけどキツいですね。もうちょい進みたかったけど」


 

10R

選手の写真です。
小倉竜二選手
選手の写真です。
太田竜馬選手

 スタートけん制ののち郡司浩平が前受けに。後ろ攻めから山田英明が上昇し誘導員を下ろすと7番手まで下げた太田竜馬は打鐘前2コーナーの山おろしを使って一気にスパート。中団から郡司が合わせて踏み込むが山田も中団は譲らない。太田がそのままレースを支配して番手の小倉竜二(写真)が鋭く抜け出した。


 「連日の強さを見ているからね。結構強めに抜きにいったら抜き過ぎた感じ。でもジャンでも結構踏んでいたし、太田の苦手な重いバンクだったからかな。軽ければ抜けるか抜けないくらいの勝負だったと思いますよ」


 2コーナーで郡司をけん制して大きく外に膨らんだ山田英明だったが、立て直して外を踏むと2着に突っ込んだ。


 「スタートのけん制でみんなの考えが分かった。郡司君を張り過ぎて浮いてしまった時にヤバいと思ったけど大坪(功一)さんが入れてくれたので。その後は必死で詰める感じで踏んだら思った以上に伸びましたね」


 ゴール前で末を欠いた太田竜馬(写真)だったが、何とか3着に踏みとどまって決勝進出を決めた。


 「ずっとキツかったです。バンクが重かったからカマシ気味に行ってやろうと思っていました。でも最後は一杯で力が入らなかったですね。3日間、先行して決勝に乗れているので悪くないと思う」


 カマシの3番手にピタリと続いた溪飛雄馬は悔しそうにレースを振り返る。


 「ジャンでエラかったですね。惜しかったけど、(3着に)届いてないと思った。小倉さんが振ったときに太田も振ったので(入るのを待った)。あの1回が命取りになりましたね」


 

11R

選手の写真です。
天田裕輝選手
選手の写真です。
牛山貴広選手

 後ろ攻めの松本貴治が赤板で上昇すると、浅井康太も中団から合わせて踏み込み誘導員を下ろす。松本が先頭に立つと、浅井は番手でイン粘り。打鐘過ぎ4コーナーから松本がペースを上げ、原田研太朗が番手を死守したが、前団のモツれを冷静に見ていた天田裕輝(写真)が2コーナーまくりで前団を飲み込んだ。


 「流れがよかったし、展開も向きました。浅井さんが粘るのは珍しいですね。太田(竜馬)君とかなら一気に踏んでいくんだろうけど、四国勢がペースで駆けていたのでそこに救われました。仕掛けたタイミングもよかったし、今節は流れが向いているかな」


 牛山貴広(写真)が懸命に食らい付いて関東でワンツー決着。


 「メンバーが厳しかったので、スタートで前を取って一発を狙う作戦でした。展開が向きましたね。雨の中でもしっかり付いていけたし、相変わらず調子はいい」


 関東勢を追いかける形で3コーナーから外を踏み込んだ野田源一が3着に食い込んだ。


 「なかなかピッチが上がっていかなくて…。浅井君が早めに(番手を取り切って)勝負をつけてしまうかなって思ってあの位置にいたけど、早く車を下げてしまえばよかったですね。判断が悪かったです。今節は自転車は意外に伸びているのでいいけど、判断の部分で反省点が多い」


 外併走で脚をけずられた原田研太朗は4着で決勝進出を逃した。


 「キツかったですね。(併走の)テクニックもないし。最後もキツくて、もういっぱいだった」


 

12R

選手の写真です。
村上義弘選手
選手の写真です。
三谷竜生選手

 人気の近畿コンビがきっちりとワンツー。逃げる吉田拓矢を三谷竜生が力ずくで飲み込むと、続いた村上義弘(写真)がゴール前で逆転した。


 「(向日町のバンクが使えず)バタバタして参加したわりには状態は上向いている。竜生が準決勝も落ち着いて走ってたし、決勝でも任せて。信頼して付いて行きます」


 村上に差されはしたものの三谷竜生(写真)は吉田との力勝負を制してきっちりと決勝戦へ勝ち上がった。


 「前を取らされると思ってたし、ある程度想定した展開でした。そのなかでもタイミングを見て。無理やり行きましたけど、行けてるんで問題ないです。(バンクは)けっこう滑りましたけど、ラインで決まってるんで。滑って脚を消耗したけど、そこも問題ない。決勝戦もしっかり自力で頑張りたい」


 最終バック最後方から鋭くコースを突いた守澤太志が3着に食い込み、決勝戦最後の切符をゲットした。


 「あそこしかなかったんで、しっかり届いてよかった。バック9番手だし、(田中晴基の仕掛けに3番手で)ついて行ってもしょうがないんで車間を切って見てました。余裕はあったんで、最後はどこに突っ込むかだったけど、いいとこに突っ込めました」


 まくった近畿コンビにうまくバックから切り替えた久米康平にも地元記念優出のチャンスはあった。


 「3コーナー(田中との併走を)しのぎたかったですね。判断が悪かった。内に対応してから外だったから。先に外だったけど、慣れてないんで…」


 


 


<最終日・9R KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)>


 


 KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)はマシュー グレーツァーが断トツの人気を集める。今年の世界選スプリントを制したスピードで日本勢を圧倒する。


 「前回(取手GIII)は普段よりも厳しいレースだったけど、決勝に乗れたのはよかった。終わってからは今回に向けて厳しいトレーニングをしてきた。調子はいいですね。カーボンでのレースなので頑張りたい。普段使ってるカーボンだから有利なのかもしれないけど、相手も強いと思うので。でも楽しみです」


 日本勢では一番カーボンフレームに乗りなれている早坂秀悟は打倒グレーツァーに闘志を燃やす。


 「今回はスタイルどうこうじゃなく、基本は勝つレースをする。誰かを前に入れたほうがチャンスだと思えば入れるし、持つところから仕掛ければ勝つチャンスはあると思うんで頑張ります。練習はしっかりできてるし、このごろのなかでは一番いい状態で来れてる」


 神山拓弥も好位確保から上位進出を狙う。


 「カーボンフレームはちょいちょい練習でも取り入れたりしてるんで違和感はない。エボリューションは(今年1月)松阪記念以来で2回目。雨が降ってくれれば早坂やグレーツァーのスピードが鈍るしいいかな」


 笠松信幸は大外7番車というハンディをどう克服するか。


 「エボリューションは2回目。前回の(去年7月)福井記念のときも7番車だったんですよ。前回(宇都宮記念)の準決勝は(竹内)雄作が強くて自分に余裕がなかった。終わってからはカーボンに乗って来た。感覚を確かめながら乗って、悪くはないと思います」