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こうち競輪

KOCHI KEIRIN

74#

検車場レポート

  • 4/10 Wed.  (前検日)
  • 4/11 Thu.  (1日目)
  • 4/12 Fri.  (2日目)
  • 4/13 Sat.  (3日目)

1R

 取鳥雄吾は積極的なレースを貫いているが、なかなか点数が上がってこない。


 「ちょっと迷走してますね。前回の松山もセッティングをいじって、最終日までよくならなかった。まだまだですね。でも、暖かくなってきたし、練習はしているんで、よくなってくると思います。1レースは嫌ですけど、しっかり準備して走ります」


 器用な佐藤龍二は流れに応じて変幻自在に攻める。


 「調子は徐々に戻ってきています。ここの追加を受けたのは3日前くらい。けっこう練習をやっていたので、疲れはちょっと心配ですね。朝早いレースは忙しいし、その日の流れとかも分からないから嫌ですけど頑張ります」


 

2R

 川口聖二は3月大垣ウィナーズカップで準決勝に進出。トップクラスを相手に貴重な経験を積んだ。


 「なんとか勝ち上がれた感じだし、1着も取れてないですからね。最終日も9着で力の差を感じました。もっと力をつけないとダメですね。終わってからは違反訓練に行って、それから疲れが出たので、ちょっと休んでから練習しました。状態は変わらないと思います。今回も積極的に自分のレースをします」


 竹内智彦は直前の武雄記念でシリーズ3連対。差し脚が冴え渡っている。


 「前回の3日目はまさかアタマまでいけるとは思わなかった。満足ですよ。調子はいいですね。痛めていた骨盤がよくなって、股関節回りがよく動くようになりました」


 

3R

選手の写真です。
田中晴基選手

 田中晴基(写真)は直前の武雄記念でシリーズ2連対。中2日の参戦でも不安はない。


 「最近はめっちゃ走ってます。前々回の小倉からちょっと調整法を変えてみて、あんまりよくなかったので、今回はいつもの感じできました。中2日だったんで、1日休んで1日練習しました。武雄の感じは悪くなかったです。2日目は先行してかかりはよかったし、相手が三谷(竜生)君じゃなければまくられなかったと思います。初日はいつもどおり自力で頑張ります」


 齋藤竜也は勝ち星から遠ざかっているが、脚は落ちていない。


 「ちょっと成績は落ちてきてますけど、状態は悪くないです。もっとよくしようとクツを変えたり、いろいろ試しているんです。それがかみ合ってくれば。田中君とは何回もワンツーがある。信頼して付いていきます」


 

4R

選手の写真です。
松川高大選手

 松川高大(写真)は今年に入って優勝3回。タテ攻撃が冴えている。


 「特になにかを変えたわけではないんですけど、もともと冬場は得意だし、ずっといい状態を維持できています。前回のあとは2日間休んで、あとは普通に練習してきました。高知は2月に来た時も優勝しているので、いいイメージで走れます。後ろが地元なんで、ラインでしっかり決められるように」


 山中貴雄は前回の玉野FIで散々な成績に終わったが、地元記念に向けて準備はしてきた。


 「玉野は自分の弱いところが3日間、出ましたね。結果を出して、ここに入りたかったんですけどね。ここに向けてずっと練習をしていたので、状態はずっといいです。しっかり気持ちを入れて走ります」

5R

 中井俊亮は3月名古屋FIで今年2度目の優勝。前回の松山FIは優出を逃したが、状態面に問題はない。


 「前回はちょっと大きな数字を叩いてしまったんですけど、感触的には悪くなかったです。中3日なんで、しっかり疲れを取ってきました。自力で力を出し切りたいです」


 佐藤幸治は3月ウィナーズカップで2勝と存在感を発揮した。


 「練習はやっているし、状態面は問題ないですね。このバンクは意外にまくりが決まらないので、タイミングよく行かないといけない。よく考えて走りたいですね」


 

6R

選手の写真です。
佐々木豪選手

 佐々木豪(写真)は1月に2度落車しているが、その影響がなくなって本来のパワーが戻っている。


 「ダービーがあるんで、そこに向けて強めに練習してきました。前回の玉野は新車。その場で組み立てて、初めて乗ったんですけど、すごい感触はよかったです。決勝はなかなか勝てないんですけどね」


 箱田優樹は今年初の記念参戦になる。


 「前回の京王閣の前に冬期移動先の小田原から青森に戻ってます。まだ地べたに乗れないで室内練習なので、ちょっと不安はあります。状態は変わらないですね。(2月)西武園の時は先まくりで(佐々木に)勝っている。ラインで決められるように頑張ります」


 

7R

選手の写真です。
稲垣裕之選手

 稲垣裕之(写真)は3月福井FIで準V。ようやく復調してきた。


 「福井のあとはまとまった練習もできましたし、体調はいいですね。計画どおりできました。直前の感じもよかったし、疲れも大丈夫です。しっかり自力の準備もしてきたし、結果を出したいですね。記念の予選はデビューしたての頃の静岡以来だと思います。たぶん16年ぶりですね」


 一戸康宏は今シリーズから新フレームを投入。格上を相手にチャレンジャー精神で挑む。


 「今回から新車です。前のフレームが合っているのかよく分からなかったので。サイズもけっこう違います。先行しやすいフレームですね。すごい楽しみです。稲垣さんが相手なら力を試すには十分すぎますね。先行基本に力を出し切ります」


 

8R

選手の写真です。
井上昌己選手

 井上昌己(写真)は前回の小田原FIで決勝進出を逃したが、きっちり修正してきた。


 「前回はちょっと疲れが出ましたね。それから3週間くらい空いて、ダービーに向けてもしっかり練習できました。久しぶりに練習でアタリが出たし、レースでもアタリを出したいですね。初日はしっかりレースを作って、(坂本亮馬と)2人で決めたい」


 坂本亮馬はウエイト練習中に痛めた左ひざのケガのダメージをまだ引きずっている。


 「周りからは結果が出てるんだから大丈夫だろうって言われるんですけど、戦術面がうまくいっているだけ。全然、よくならないし、痛みもある。5カ月間くらいほとんど練習できてないですからね。今回は追加なんですけど、レースがリハビリだと思って頑張ります」


 

9R

 稲毛健太は4月松阪FIの決勝で太田竜の先行を豪快にまくって優勝している。


 「前回の決勝はなんとか届いた感じ。太田君に勝ったのは大きいですね。1年前くらいに練習方法を変えてから波がなくなって、成果が出てます。感じもずっといいですね。ここはまくりが効くイメージがないので、その辺も考えて走ります」


 池田勇人は3月名古屋FIで落車。それから2場所欠場して、今シリーズが復帰戦になる。


 「ケガは頭部の打撲と股関節を痛めました。走りたかったんですけど、少し厳しかったので欠場させてもらいました。練習の感じ自体は戻っているんですけど、あとはレースでどうかですね。骨のあるメンバーなんですが、しっかり頑張ります」


 

10R

 小松崎大地は直前の京王閣FIで完全優勝を飾った。久しぶりの予選スタートでも気負いはない。


 「京王閣はラインの力で優勝することができました。ダービーに向けて計画的に練習できています。セッティングとかも換えたりしているけど、それがかみ合ってきています。予選は久しぶりですけど、1着を目指して走るのは変わらないので。いつもどおり自力で力を出し切ります」


 才迫開は最近の成績以上に動けている印象だ。


 「最近は自分でも動けていると思います。大きい着を取るのは仕方がないけど、そのなかでもしっかり収穫はある。前回の武雄が追加で今回は中2日だけど、練習はしっかりやってきました。小松崎さんにはいつもやられているイメージはあるけど、いいところで仕掛けられればチャンスはあると思ってます」

11R

選手の写真です。
鈴木謙太郎選手

 鈴木謙太郎(写真)は今期の競走得点が110点を超えた。予選クラスは取りこぼせない。


 「日々、成長しようと思って、前回の松山はセッティングを換えました。踏み出しはよくなりました。最初の一歩目、二歩目はいいんですけど、後半の伸びはちょっとなかったですね。思ったよりタイムも出てなかった。このバンクは走りやすい。基本は先行で。最初からまくりは考えてないです」


 芦澤辰弘はシャープな差し脚を武器に戦歴をまとめている。


 「ウィナーズカップが終わって中1日で競輪学校に行って、平原(康多)さん達と練習しました。帰ってからちょっと疲れは出たんですけど、ダービーに向けていい刺激になりました。(鈴木)謙太郎さんにしっかり食らいついていきます」


 

12R

選手の写真です。
清水裕友選手

 松浦悠士は今年のビッグレースで連続優出。直前の武雄記念でも準Vと好走している。


 「今年は(1月)防府FI(の準決勝)で飛んだだけで、あとは決勝に乗れている。前回の武雄の決勝は獲りにいって、獲れなかったので納得してない。あれで獲れるようになればグランプリがグッと近づくと思います。中2日なんで変わりばえはしないけど、1日休んで1日練習してきました。初日は清水(裕友)君に任せて。ウィナーズカップの時は本調子じゃない感じだったけど、どれだけ戻っているかですね」


 清水裕友(写真)は2月全日本選抜の落車で左鎖骨骨折。復帰戦の3月ウィナーズカップは精彩を欠いたが、状態は確実に上向きだ。


 「ウィナーズカップは展開は全部、よかった。あれで調子もよければ面白かったですね。終わってから違反訓練とかあって難しかったんですが、ここ1週間はしっかり練習できて、感触もかなりよかったので楽しみです。今はダービーに向けてやっている。ここで自分の脚がどれくらい戻っているか確かめたいですね」


 太田竜馬は2月高松で記念初優勝。その後も高いレベルで安定している。


 「変わったことはせずに、普通に練習してきました。状態はいいと思います。高知は成績がいいですね。緩んでダッシュ勝負になるんで仕掛けやすい。自分の持ち味を出せますね」


 

1R

選手の写真です。
岩津裕介選手

 取鳥雄吾が打鐘の4コーナーの下りを使って一気のカマシを敢行。岩津裕介(写真)はしっかり続いたが、3番手の伊藤大彦は離れて、前々に踏んだ佐藤龍二が3番手に入る。後ろの状況を確認した岩津が車間を空けて援護してから追い込み、ゴール前で粘る取鳥をきっちりとらえた。


 「(取鳥)雄吾が自分の持ち味を出してくれましたね。長い距離を踏めるし、600メートルくらい行ってくれた。3番手に佐藤龍二が入っていたのがわかって、早めに踏むと、後ろも連れてきてしまって雄吾も沈んでしまうのでワンツーを決めようと思った」


 取鳥雄吾が2着に粘って岡山ワンツー決着となった。


 「行くべきタイミングでしっかり行けました。なんとか岩津さんに残してもらった感じですね。朝一のレースで脚が全然回らなかった。感じは軽かったんですけど、もうひと伸び、ふた伸びほしいので、セッティングを少しいじります」


 

2R

 打鐘を合図に日野博幸が前団を叩いて主導権。3番手へ佐藤友和が追い上げる。最終2コーナーで8番手から川口聖二がまくるも、佐藤のけん制を受け、さらに4コーナーでは大崎飛雄馬にも張られて失速。大崎のブロックで空いた内を竹内智彦が抜け目なく突いて突き抜けた。


 「(佐藤)友和との作戦は中団からの先まくりが基本。お任せですけどね。展開的にあのコースしかなかったけど、レースの流れなどは見えていたかな。車の伸びは引き続きいいですね」


 愛媛作戦がズバリ。大崎飛雄馬は、果敢に先手を取った日野の番手で仕事をして2着。


 「(3着に残った日野と)二人で二次予選へ上れればヨシでしょう。お互いに今の点数だからね。ライン2車なので、外へ振れば内を突かれるのはわかっているけど、川口君を止めれば(二次予選の)権利は取れると思ったので。イチかバチかの気持ちで張りましたよ」


 

3R

選手の写真です。
齊藤竜也選手

 打鐘過ぎに切った田中晴基を宗崎世連が押さえて先行態勢を取る。7番手となった藤田勝也が4コーナーから反撃に出て、宗崎と激しい主導権争いを演じる。前団の混戦を田中が最終2コーナーからひとまくり。続いた齋藤竜也(写真)が鋭く差し切った。


 「(田中とは)相性抜群でワンツーも多いんです。後手を踏まないので好きなタイプです。ダッシュがいいんで、踏み出しだけ気をつけてました。余裕はあったんで、最後は抜けましたね」


 流れが向いたとはいえ、田中晴基のスピードは光っていた。武雄記念から中2日でも疲れはない。


 「ラッキーでした。展開が向きましたね。最近は展開が向きっきりです。前がずっと併走だったんで、そこで風を避けて行きました。今回はしっかりケアをしてきたので、

4R

 後ろ攻めの伊藤信は打鐘過ぎに誘導員を切って中団取りの動きに出る。そこを高橋築がカマして、伊藤は思惑通りに4番手を確保。反撃態勢を整えた2コーナーから仕掛けると、白岩大助のけん制を乗り越えて1着スタート。


 「中団を取れたのが全てですね。高橋君がけっこう踏んでいたので、これなら(松川は)カマしてこれないなと。先行選手の踏み方でしたね。伊東で当欠して迷惑かけた分も今回は頑張りたいなと思っていた。スライスしてまくりにくいバンクだけど、(松川より)先にまくれてよかった」


 松川高大は脚の状態よりも展開の読み違いと組み立てを反省。


 「思った以上にペースが上がっていて、仕掛けるタイミングがなかった。(山中)貴雄さんは3着だったけど、越智(展孝)さんまで連れ込めなくて反省。風が強いからそんな行かないと思っていた。2着に届いたのはここのバンクは自分が伸びるから。脚は問題ないが、レース内容が悪いので修正します」


 

5R

 後攻めから押さえた伊東翔貴を打鐘の4コーナーから佐藤幸治が叩く。後方になった中井俊亮だが、最終ホームからすかさず巻き返すとあっさり3車で出切る。中井のかかりはよく、番手を回った神田紘輔が、伊東の後方まくりをギリギリまで引き付けてけん制しながら悠々と差し切った。


 「前受けは作戦通り。500バンクなので、中井君の強さなら巻き返すチャンスはあるだろうと。佐藤さんは先行タイプって感じではないので、比較的楽に出られたのかなと。僕も道中から楽だったので(中井を)差せました。調子はいいと思います」


 別線を一蹴した中井俊亮は3番手を回った小林卓人の着順(5着)を確認してからコメント。


 「3人で決まれば理想だけど、ワンツーでライン全員が二次予選に進めたので良かった。佐藤さんもある程度は踏んでいたけど、良い感じで出切れたし最後も踏み直せてはいたと思う」


 地元の佐々木則幸は近畿勢に切り替えて4コーナーから踏み込むも3着まで。


 「普段なら(佐藤君を)入れる場面だけど、地元なので切り替えさせてもらった。二次予選Aを決めたかったけど…」

6R

選手の写真です。
橋本強選手

 後ろ攻めから動いた佐々木豪は誘導員の後位で箱田優樹と打鐘前から併走を続ける。そこを叩いて出た久木原洋が最終ホーム前から逃げる。中団を確保した佐々木は1コーナーから力強くまくり切った。


 「しっかり切って先行してれば中団争いになって決まったと思う。そこは反省が残りますね。いつもフタをされる立場なんで、自分がフタをする感じになって、長くやりすぎてしまった。中団で車間を切ってるとかぶってしまうんで、先に仕掛けました。出脚は重かったけど、バックは追っているんで。なんとか出切って(橋本強と)ワンツーが決まったのはうれしいです。ウィナーズカップの3日目からセッティングを換えて感じはいいです」


 橋本強(写真)がしっかり続いて愛媛ワンツーが決まった。


 「恵まれました。でも、(佐々木は)セオリーどおりインを切ったほうがよかったですね。あれだと上では通用しない。最後は抜きにいったけど4コーナーの向かい風が強くて、(佐々木の)馬力に負けました」

7R

 打鐘の2センターで6番手から踏み上げた一戸康宏がホーム過ぎに主導権を奪う。西岡拓朗のアシストを受けて4番手に入った山本直は前団との間合いを計りながら最終2センターから踏み込むが、大外を強襲した稲垣裕之がゴール寸前でとらえた。


 「(久々に記念の予選スタートで)負けられないといういいプレッシャーがあった。最終ホームのところで(一戸や山本が)どうするのかなっていうのが分からなかった。あとは西岡君の動きが効きましたね。後ろは連れ込めなかったけど、500で短い直線の中で届きましたね。ここまでに追い込んだ練習をしてきたので、日ごとに疲れは抜けていくと思う」


 山本直は中団から稲垣より先に踏んで金星を狙うも強襲に屈して2着。


 「セオリー通りの競輪をしました。いったん切ってどっか空いたところに入ろうと思って。(西岡)拓朗さんのおかげです。(4番手に)入ってからきつくて1回休んで整えてから行きました。3コーナー過ぎくらいですかね。稲垣さんが来る前にと思って。状態はいい感じです」


 

8R

選手の写真です。
坂本亮馬選手

 後ろ攻めの市川健太が打鐘過ぎに押さえると、一旦は井上昌己にフタをした藤井昭吾が最終ホームで叩いて主導権を奪う。中団に入った市川は2コーナーからまくるが、八日市屋浩之に張られて失速。人気を集めた井上は6番手から鮮やかにまくって快勝した。


 「(最終)2センターのあおりがなければ、もっと綺麗に行けてましたね。ちょっと見てしまった。でも、状態はまずまずだと思う。まとまった練習をした成果も出せたかな」


 井上マークの坂本亮馬(写真)が2着。ガチガチの本命決着だが、坂本は満身創痍の状態だと言う。


 「(井上と)自在型の本命はああいう展開になりやすいと話していた。やっぱり強いですね。僕は今までの経験で戦えているだけで、脚力は好調の頃と比べると全然(足りない)。左膝に違和感があってまともに自転車に乗れていないから」


 

9R

選手の写真です。
稲毛健太選手

 利根正明が打鐘から一気に踏み込んで主導権を握る。稲毛健太(写真)は前受けから7番手まで下げる。中団確保からまくり上げた池田勇人は不発。その外をまくり追い込んだ稲毛が先頭でゴールを駆け抜けた。


 「駆けたほうが安全だし、逃げれると思ってたんですけどね。なかなかそういうレースにならない。利根君が踏みすぎじゃないかっていうくらい踏んでました。見て、見て行った感じですね」


 逃げた利根を利した桑原亮が2着に入った。


 「利根君がいい先行をしてくれました。風も強くて終始、重かったですね。(池田が)止まったのが分かって、待ったんですけど、稲毛君が来ますからね。飲み込まれてしまうと思って最後は踏ませてもらいました」


 

10R

 後ろ攻めの才迫開が打鐘の2センターで誘導員を切り、そこを菅原裕太が叩くが、7番手に置かれた小松崎大地はすかさす巻き返して最終的に主導権を握る。別線は仕掛けられず、最終バックは一本棒で通過。番手で絶好の展開を生かした成田和也がゴール寸前で逆転した。


 「ギリギリ抜いた感じです。必死過ぎましたね。1着を取れるとは思わなかった。(小松崎)大地のおかげです。500以上は行ってくれたし、力がありますね。(復帰戦の)前回は感覚と状態があまりにも違っていた。今回はまだよかったですね。やっぱり1回京王閣を走れているのが大きい。上向きです」


 2着の小松崎大地は早めのスパートでライン全員が勝ち上がりを決めた。


 「(仕掛けは)流れに応じてですね。いつも通りの仕掛け。いつもラインに助けられているので、少しは貢献できてよかった。高知はよく呼ばれているし、走っていますね。ラインの走りはできたと思うし、状態も悪くはないです」


 

11R

選手の写真です。
芦澤辰弘選手

 打鐘の4コーナーで蒔田英彦が仕掛けて先頭に立つと、3番手は同時に踏み上げた増原正人と叩かれた野口大成で併走。人気の関東勢は7番手となるが、鈴木謙太郎は最終ホームから踏み込んでグングン加速。最終3コーナーで蒔田を抜き去った。直線では番手の芦澤辰弘(写真)と一騎打ちとなり、1/4輪の差で交わした。


 「(鈴木)謙太郎さんが全開で行かなかったので差せたのだと思います。徐々に踏み上げていく感じでしたね。出切ってからはどう対処するか迷ったけど、内をしっかりと締めました。今回からシューズをフルオーダーの新しい物に変えていい感じでしたね。ちょっと値段は張るけど、この1着で回収できましたね(笑)」


 鈴木謙太郎は自慢のダッシュとトップスピードを存分に発揮して別線をまとめて飲み込んだ。


 「もう少しスローペースになると思ったけどね。それでも仕掛けるタイミングだったのでいきました。踏みながらでも余裕はあったかなと思います。高知バンクは直線が短くて、500だけど、400バンクのようなイメージで踏めるので好きですね」


 

12R

選手の写真です。
松浦悠士選手

 初日特選は打鐘過ぎに切った清水裕友を押さえた吉田敏洋を新山響平が打鐘の4コーナーで叩いて逃げる。吉田が4番手に収まり、6番手となった清水裕友は2コーナーからまくる。好スピードで迫った清水を新山が2センターで自らブロック。清水マークから車を外に持ち出した松浦悠士(写真)が鋭く伸び切った。


 「清水君がこう動いてくれるだろうという走りを全部やってくれました。(清水は)ウィナーズカップの時よりはるかにいいんじゃないですか。ただ新山君が自分で持って行ったのはびっくりしました。それも冷静に見えていたし、後ろから太田君がすごいスピードで来たのが見えたので、最後はちょっと早めに踏ませてもらいました。感じはよかったですね。思った以上に疲れもないです」


 太田竜馬は後方8番手からのまくり追い込みで2着に強襲した。


 「中団を取れなかったら、前を取ろうと思ってました。あとは流れで。行けるタイミングでしっかり行こうと思ってました。落ち着いて仕掛けて、感じはよかったんですけどね。1着まで届いてないので」


 動いて位置を取った吉田敏洋は3着に入るのが精いっぱいだった。


 「一番、困るところで先頭に立っちゃいましたね。新山君が来て、一瞬ひとりだったので、誰か分からなかった。一歩、二歩遅れて2人が来たんで、ちょっとテンパりました。準決勝なら粘って勝負したかもしれない。最後はいっぱいでした」


 

6R

選手の写真です。
山中貴雄選手

 藤井昭吾と才迫開の2分戦。後ろ攻めの藤井が打鐘の3コーナーで押さえて、ペースで駆ける。6番手に下げた才迫は最終3コーナーから好回転でまくり上げる。これに乗った山中貴雄(写真)が直線で中コースを鋭く伸び切って1着。地元ファンの大歓声が上がった。


 「アップの時からずっと緊張してました。とりあえずホッとしてます。初日の(才迫)開が強かったんで、安心して付いてました。ホームではまだ藤井も駆けてなかったんで、ヤバイかなって思いましたけど。でも、いいところまでは必ずいってくれるんで。余裕はありました」


 まくった才迫開が2着に入り、中四国ワンツー決着。厳しい2着権利をクリアした。


 「決まってよかったです。僕も踏んでやめてでしたけど、向こう(藤井も)踏んでやめてでしたね。キツかったです。僕がダメだと(山中)貴雄さんもダメなんで。ゴールまで踏める位置からしっかり仕掛けようと思ってました。初日のほうがタイムはよかったかもしれないですね」

7R

選手の写真です。
佐々木則幸選手

 後方に下げた藤木裕を警戒しながら最終ホーム前、3番手から菅原裕太が一気に踏み上げて逃げる。すかさず1コーナーから反撃に出た藤木はバックで菅原をねじ伏せて先頭に立つ。最終4コーナーを番手で回ってきた佐々木則幸(写真)が粘る藤木をきっちり逆転した。


 「前のレースで(山中)貴雄が1着でホンマに緊張した。それで誰も準決に乗れないよりはとホッとした反面、自分も頑張りたいと思った。藤木がちゃんと仕掛けてくれたおかげ。やっぱりGIでも戦っている選手ですね。僕は付いていって交わしただけ。90パーセントは前の藤木の力。競輪はやっぱり前と後ろ(地元同士の坂田章)ですね」


 地元勢を2人を連れて力を出し切った藤木裕が2着。


 「地元勢が付く番組で、(佐々木)ノリさんが1着でよかった。行けたのはたまたまですけど、出切れてよかった。あとは僕も(勝ち上がりは条件の2着は)負けられへんし、よかった。自力はやめていないし、今は自力自在です。コテコテの先行はもう卒業でいいでしょう」


 

8R

選手の写真です。
西岡拓朗選手

 赤板の2コーナーから上昇した川口聖二に合わせて中団から箱田優樹も踏み上げてインを切る。打鐘の2センターから川口が叩きに出ると箱田は番手でイン粘り。八日市屋浩之をどかしたが、最終1センターから日野博幸が好回転でまくり上げる。最終バックで川口を飲み込んで中四国3車で綺麗に出切った。ゴール前はラインの争いとなったが、絶好の番手回りとなった西岡拓朗(写真)がチャンスをモノにした。


 「前のおかげですね。準決に行けてうれしいけど、ライン3車で決まっているのに、一人はもれてしまうのがね…。複雑な気持ちです。記念は玉野記念が2度目の決勝進出だったので、3度目となればいいですね」


 中四国の3番手の桶谷明誉が西岡に続いて2着に流れ込んだ。


 「記念の準決勝は初めてです。やっとひとつステップを踏めた感じ。箱田君が粘ったことなど前の状況は見えていなかった。僕は前の仕掛けに続くことに集中していたので。最初に踏み込んだときに少し早過ぎるかなと思い、一度ニュートラルに戻してからもう一度踏みました」


 

9R

選手の写真です。
佐々木豪選手

 打鐘の3コーナーで新山響平が取鳥雄吾を押さえて前に出る。前受けから8番手まで下げた稲毛健太は4コーナーから一気に巻き返して主導権。これを受けた新山が3番手を確保する。新山の後位で競っていた2人は離れ、4番手にうまく収まった佐々木豪(写真)が最終2センターから外を一気。ゴール前の激戦を制した。


 「二次予選Aは車体故障したり、いつもダメだったんで、よかったです。新山さんの後ろが競りで1車ぶん隙間があったので、無理して行くよりはしっかり位置を取ろうと思いました。いつでも行ける感じはありました。脚の状態がいいから気持ち的に落ち着いて走れますね。このメンバーで勝てたのは自信になります」


 絶好の3番手を取った新山響平だが、惜しくも2着に敗れた。


 「後ろの競りは仕方ないんで、しっかり勝てるように走ろうと思ってました。前に出てできるだけ引きつけて、あれで誰も来なければ先行しようと。ホーム前に来たらひとつラインを出して3番手と考えていました。後ろに(佐々木が)いるのは分かりました。あれで勝てないのは脚がないですね。準決勝は自分らしい走りをします」

10R

選手の写真です。
清水裕友選手

 打鐘の2センターで先頭に立った清水裕友(写真)を松川高大が最終ホームで叩いて先行策を取る。清水の後位で競っていた成田和也が押し上げ、香川雄介は落車。九州勢の2車を出させて3番手を確保した清水が2コーナーから力強くまくって、鎖骨骨折から復帰後の初白星を挙げた。


 「いったん前に出てからしっかり対処しようと思ってました。(落車の)音がして力が抜けました。後ろの状況は分からなかったけど、2コーナーからしっかり仕掛けられました。(2月の全日本選抜で落車して)まともに骨折したのが初めての経験。手探り状態の中でけっこう時間がかかると思ったけど、わりと早めに1着を取れたのはうれしいですね。地元が33バンクなので、得意のバンクではないけど、(昨年の共同でも準優勝で)結果が出ているのが全てですね」


 鈴木謙太郎は落車を避けてから清水後位に追い上げて2着。俊敏な立ち回りが光った。


 「松川ラインにスイッチしようと思ったら前が落ちて、自分も落ちるかと思った。うまく外に避けられた。それにしても清水が強い。スイッチしてから脚も余っていて、4コーナーから差しにいったけど、抜けなかった」


 

11R

選手の写真です。
松浦悠士選手

 打鐘過ぎにインを切った田中晴基を中団の外併走になった吉田敏洋が4コーナーで押さえて逃げる。ペースで駆ける吉田に対し、人気の松浦悠士(写真)は7番手に置かれるが、最終2コーナー手前からまくってグングンと加速。2センターでは三谷将太のブロックを受けるが、外へ避けてこらえると、最後は山降ろしを使って乗り越えた。


 「キツかったです。最終ホームではヤバイと思った。2コーナーからも思ったように車が出なかったから。吉田さんもうまく踏み上げていたんでしょうね。三谷さんは技術のあるマーク屋なので警戒してました。(ブロックは)最も嫌なタイミングではなかったし、体で当たりにきてくれたので何とかしのげました。何よりラインでワンツーが決まったのでよかったです」


 松浦マークの岩津裕介がきっちりと2着をキープした。


 「松浦は(まくってしまう)雰囲気がありましたよ。自信がなければあの展開にしないだろうし。やっぱり僕たちは車券がかかっているから緊張しますよ。準決勝は中四国が大勢になりそうなので楽しみですね」

12R

選手の写真です。
太田竜馬選手

 打鐘の3コーナーで先頭に立った中井俊亮を小松崎大地がすかさず叩いて逃げる。このラインを追った単騎の伊藤信がホームから踏み上げる。それを目標に中井が最終2コーナーからまくり上げるが、ほぼ同時に後方からまくった太田竜馬(写真)が豪快に前団をひと飲み。後続を千切って圧勝した。


 「500(バンク)で前受けするとタイミングが難しいですね。仕掛けが合ってしまったけど、あれで出切れているんでいいと思います。出切ってからはニュートラルに入れて、いい感じに回せました。去年の夏からウエイトを始めたり、練習方法を変えて、それがかみ合ってきている。体重が増えて、パワーもついていますね」


 中団先まくりの中井俊亮が2着に踏ん張った。


 「あの展開もひとつ頭にありました。落ち着いて走れました。太田君に仕掛けられたらかぶって何もできないので、イチかバチか仕掛けました。ずっと踏みっぱなしでキツかったです。後ろ(村上博幸)に迷惑をかけなくてよかった。感じも悪くないですね。今回の目標にしていた準決勝に久しぶりに乗れました」

10R

選手の写真です。
田中晴基選手
選手の写真です。
吉田敏洋選手

 打鐘で誘導を切った清水裕友を田中晴基(写真)がさらに切ってペースを落とすと、佐々木豪が4コーナーの下りから一気のスパート。愛媛勢を追って3番手を確保していた吉田敏洋は2コーナーから好回転でまくる。この動きにうまく乗った田中が直線で鋭く抜け出した。


 「位置を取ってからと思っていたし、初手が中団が取れたので、切ったうえを切って中団を取ろうと。仕掛ける気持ちはあったんですが、吉田さんがいい勢いで行ったので追いました。このメンバーで1着を取れるとは思っていなかったし、これでバンク相性が悪いとは言えないですね。感触自体もいいです」


 単騎でまくった吉田敏洋(写真)が2着。以前の経験をしっかり生かした。


 「全日本(選抜の決勝)の反省を生かして単騎でジタバタしてもどうしようもないと思っていたし、落ち着いていけばチャンスはあると思ってました。愛媛勢が行くと思っていたので、うまく流れに乗れました。ワンチャンスあれば出し切って、勝負してダメなら仕方ないと。2日目よりもがいた距離が短いのに、バックが重かった」


 後方7番手に置かれた清水裕友は辛くも3着で優出を決めたが、ラインの先頭を走る責任感と今後の課題を口にした。


 「切って切られて、セオリー通りの動きをされた。清水だったら切らせてくれるだろうって思われないようにしないと。キツい展開になったし、後ろに迷惑をかけた。自分だけ届いて不甲斐なかったですね」


 

11R

選手の写真です。
松浦悠士選手
選手の写真です。
取鳥雄吾選手

 打鐘前に切った中井俊亮を新山響平がすかさず押さえて先頭に立つ。前受けから6番手に下げた取鳥雄吾は2センターから一気にカマして主導権。叩かれた新山は松浦悠士(写真)の後ろで粘って濱田浩司と併走に。取鳥のかかりはよく、2コーナーまくりを打った中井俊亮も3番手までで失速。車間を空けて援護した松浦が後続の仕掛けがないことを確認して取鳥を差し切り、シリーズ3連勝を飾った。


 「取鳥君は前2日間を見て、調子が上がっていると思ったので、信頼していました。少し車間を空けて追ったのは一気に踏んでしまうと後ろの2人が苦しいと思ったのと、新山君にそういう動きで少しでも脚を使わさせようと。道中も余裕はあったし、調子は問題ないと思います」


 取鳥雄吾(写真)は丸1周以上を先行して2着。別線を完封した積極性は称賛されるべきだろう。


 「キツかった。新山さんに抵抗される可能性もあるので、目いっぱい仕掛けました。ライン4車のアドバンテージをしっかり生かせました。しっかり行けてるし、バックでは久しぶりに決勝に乗れるかなって思いました。記念の決勝は昨年の(地元)玉野記念です」


 諸橋愛は新山マークから4コーナーで三谷将太を張り、コースを作って3着に突っ込んだ。


 「前の2人が併走を続けていたので、どこのコースを踏むか決まらなくて。あれ以上待ったら(井上)昌己に後ろから食われていますね」

12R

選手の写真です。
山中貴雄選手
選手の写真です。
佐々木則幸選手

 後ろ攻めから動いた才迫開が打鐘の2センターで太田竜馬を押さえて逃げる。3番手外併走の態勢となった稲垣裕之は最終2コーナーからまくる。人気の太田竜馬は内に詰まって厳しい状況。村上博幸を弾いて、稲垣にスイッチした山中貴雄(写真)が直線で鋭く追い込み、地元記念初優出を果たした。


 「必死でした。村上さんが少し遅れていたんで、ここしかないと思って。そこからちょっと待ったんですけど、あれ以上待つとまた村上さんが来るんで、ダメもとで行きました。ゴールまで意外と踏めました。地元の記念で決勝に乗れて、ホッとしてます。決勝もチャンスはあると思うんで、しっかり頑張ります」


 四国ライン3番手で終始、山中を追いかけた佐々木則幸(写真)が2着に入った。


 「(山中)貴雄と太田のおかげですね。太田が前々に踏んでくれたからこそ、僕ら2人にチャンスができました。僕はただ付いていっただけです。こうやって決勝に乗ることができて本当にうれしいです。FIの決勝にも全然、乗れてないのに、まさかここで決勝に乗れるとはびっくりです」


 稲垣との連結を外してしまった村上博幸は懸命のリカバリーで3着に食い込んだ。


 「(才迫)開が押さえに来るのが遅くて、いろんなことに対応しようと、テンパってしまった。隙を見せてしまった自分が悪い。稲垣さんに申しわけないことをしました。デキは悪くないんですけど、感覚が悪いです」


 


<最終日9R ガールズフレッシュクイーン>


 デビュー2年未満の選手によって争われる新設の単発レース。ハイレベルな112期、114期生の頂上決戦だ。梅川風子は今年7場所走って5度の完全優勝を飾っている。競走得点は最も高い。


 「(3月)大垣のコレクションはレースの流れを作っただけで終わってしまって、悔しかったですね。前回の玉野はしっかり結果を残すことができました。ここに向けてということは何もしてなくて、いつもどおり練習はしてきました。調子も変わらないです。こういうレースは観てる人は面白いと思うし、熱いレースができればいいですね」


 太田りゆは1月香港で行われたワールドカップの女子ケイリンで銀メダルを獲得。今年の国内初戦となった3月平は決勝で3着に敗れた。


 「メダルを獲れて、オリンピックに向けては国際大会で戦える手応えはつかめました。でも、ガールズケイリンとは関係ないですからね。世界選が終わってオフになって、それから平を走ったので、感覚的にはそんなによくなかったです。終わってからケアして練習したので、平よりはいいと思います。500(バンク)でレースをしたことがないので、レースのイメージはわかないですね。一応、高知のレースは観てきました。まくりが効かない印象なので、タイミングをしっかり考えて走ります」


 鈴木美教は3月別府から3場所連続優勝と勢いに乗っている。別府の決勝で児玉碧衣を破ってから負けていない。


 「児玉さんに勝って、気持ち的に自信がつきました。余裕も出てきましたね。(3月)平の2日目からフレームを換えたら、スピードが出るようになりました。前回も地元でしっかり優勝できてよかったです。今回は同期ばかりの対戦で、どこまでやれるか楽しみしかないです」


 114回生は2名参戦。佐藤水菜は前回の松阪で今年6度目の優勝を飾った。


 「(3月平を)ウィルス性の胃腸炎で欠場して、松阪は調子が悪かったです。自力の脚が落ちていると感じたんで、そのぶん今回はしっかり練習して戻してきました。あんまり気負わずに走ったほうが結果は出るんじゃないかと思ってます」