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きしわだ競輪

KISHIWADA KEIRIN

56#

検車場レポート

  • 6/15 Wed.  (前検日)
  • 6/16 Thu.  (1日目)
  • 6/17 Fri.  (2日目)
  • 6/18 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
吉田有希選手
 前回の地元、取手記念を2812着。二次予選敗退の吉田有希(写真)だったが、最終日はラインの佐藤慎太郎とワンツーでシリーズ3連対。初めてのGIは、オープニングを務める。
 「119期は僕だけなので、119期の代表じゃないけど、そういう気持ちで来ました。(3月にウィナーズカップを経験してビッグは)自分の力を最大限に発揮しないと3着以内に入れないなって。詰めの甘さじゃないけど、気持ちの弱さっていうのがある。(前回は)結果的に着が取れたけど、レースの内容は良くなかった。自分では点数がつけられない。そのあと練習は兄(拓矢)とやってきました。一時期の調子を崩していた時よりはいいと思います」
 5月ダービーでの落車失格から、函館記念、全プロ記念、松阪FIと勝ち星のない小松崎大地だが、状態は悪くなさそうだ。
 「前回(松阪)が終わってから、ここまでは計画的に練習してきました。感触的には悪くないと思います。吉田君とは過去に何度か対戦していますね。(昨年は2日目の青龍賞に勝ち上がっているが)まずはしっかり勝ち上がれるようにですね。ラインで決められるように頑張りたい」

2R

選手の写真です。
嘉永泰斗選手
 嘉永泰斗(写真)は、前回の武雄FIを3連勝の完全V。果敢に風を切った青柳靖起の番手からチャンスをモノにして、今年2度目の優勝を遂げた。
 「(前回は)感触的には日に日に良くなった感じです。(ビッグでも)手ごたえは感じているんで、自分のやることをしっかりとやって勝ち上がれたらと。(練習は)いつも通りにやって、いい状態にもってこられたと思います」
 ダービーは4走すべてが3着以内だった小川真太郎だけに、今シリーズも期待は膨らむ。
 「4月の小松島から(使っている)フレームがだいぶ体にもなじんできましたね。競走間隔が空いて練習もできましたし、少しゆっくりできた。状態的にはダービーの時と比べるとそこまでかなっていうのはあるんですけど、悪くはないと思う。(初日は)相手も強いので自力自在になんでもやって勝ち上がれるように」

3R

選手の写真です。
渡邉雄太選手
 前回の全プロ記念では48着も成績以上に動きが光っていた渡邉雄太(写真)は、上々の仕上がりに笑みを浮かべる。
 「(前回は)積極的に動けたかなと思います。調子もいいですね。深谷(知広)さんたちと一緒に練習をして、自分も仕上がっているかなと。(練習での)タイムも出ている」
 坂井洋は、前回の富山FIの初日に落車の憂き目。そこから中6日とスケジュール的には厳しいなかでGIに挑む。
 「富山で落車して背中と首を打って、右半身の打撲と擦過傷もありました。退院した次の日は軽くローラーに乗って、地べたを乗ったのは2日間ですね。でも、体に刺激だけは入れておきかったので、ウエートトレーニングだけはしっかりとやっていました。状態的には走ってみないとなんとも言えないですね」

4R

選手の写真です。
神田紘輔選手
 昨年の高松宮記念杯は4835着の神田紘輔(写真)だけに、今年も地元のここに照準を合わせてきた。
 「(前回の全プロ記念では)セッティングを大幅に変えてダメだったんで、元に戻してきた。いままで以上に仕上がってると思います。せっかく地元で1年に1回(GIが)あるので、ここに向けて頑張ってきている。結果を出せるように」
 落車明けだった前回の和歌山FIが新車だった稲垣裕之は、状態も前回よりアップしているようだ。
 「前回の和歌山から新車を投入して、走りながら微調整を続けて日に日に良くなってきた感じですね。直前も少しいじって、前回の最終日よりも良くなったと思います。前回は落車のダメージがまだ残っていたんですけど、今回は体のケアもできたので間に合ったかなっていう感じです」

5R

選手の写真です。
和田真久留選手
 和田真久留(写真)は、前回の取手記念を4走すべて自力で奮闘。最終日はまくりで勝ち星を挙げてシリーズを締めた。
 「久し振りに4日間、自力だった。なんとも言えなかったけど、最終日に(自力の)感覚が戻ったかなと。後ろを回る場合も難しい。迷惑を掛けてしまったらいけないですから。GIなので練習と休養のバランスをみてやってきた。前回よりもいいと思います」
 近況勝ち星を順調に積み重ねている隅田洋介は、同県の長島大介に委ねて一次予選突破を目論む。
 「長島君はいつも頑張ってくれるので信頼して任せます。普段の練習は別ですけど、青森GIII(国際自転車トラック競技支援)を勝たせてもらったし、相性はいいですね。今回は初めてのGIですけど、調整とか練習は普段通りにしてきました。あまりイレ込んでも失敗すると思った。(長島と)うまく2人で決められるように頑張りたいっすね」

6R

選手の写真です。
町田太我選手
 前回の広島FIを3連勝の完全V。町田太我(写真)は3日間バックを取る積極的な走りで勢いをつけて大舞台に臨む。
 「(前回の広島は)地元がすごく得意なので、感触はすごく良かった。いいキッカケになりました。そこからはいつも通りの感じでやって、感触が良かったので楽しみです。(いままでの)GIは手ごたえが全然ないので、今回でつかめるようにしたい」
 松本貴治は前回の玉野FIで腰痛により2日目以降を欠場。2週間近く空いてコンディションはどうか。
 「玉野を欠場して、そのあとの練習はめちゃめちゃ良かった時もあったんですけど、直前でめっちゃ悪かった。なんだかわからないですね。スピードが出てないし、自転車にうまく伝わっていない」

7R

選手の写真です。
眞杉匠選手
 全プロ記念を12着。初日を逃げ切り、最終日はまくりで吉澤純平とワンツーと軽快な動きを見せた眞杉匠(写真)が、再度、吉澤とのタッグ。
 「今回に向けてしっかりと練習で追い込みつつも、調整もしました。(前回は)疲れもあったけど、そのなかで自分のレースをして1、2着に来られたのはいいかなと。去年(の高松宮記念杯)は2日目で失格になったんで、その分も頑張れたらと。(初日は)相手も強いけど、いつも通り自分のレースができれば」
 吉澤純平は前回の取手記念を1331着。通算4度目のGIII制覇で弾みをつけた。
 「地元記念を優勝できて、いい流れで今回のGIを迎えられますね。(3場所前の)大垣から昔のフレームに乗り換えて感じもいいですし、いまは関東の若手に勢いがあるので恵まれることも多くなっていますね。自力で動くレースは減ってきていますけど、その分、番手での経験を積ませてもらっている」

8R

選手の写真です。
石原颯選手
 直近の4場所の13走でバックを取れなかったのは一度だけ。積極的な走りが際立っている石原颯(写真)は、5度目のGIにリラックスムード。
 「だんだんと感触は良くなってきていますし、結果も良くなってきていますね。でも、直前に練習した感じはあまり良くなかったので、それがどう出るかだと。(初日は)主導権はしっかりと取りたいですけど、地元の岡崎(智哉)さんがどうでるかで変わりそうですね。簡単には駆けさせてもらえないと思う」
 3車の九州勢は中本匠栄が番手を務めて、北津留翼に前を委ねる。
 「北津留さんは強いので、しっかりとついて行くことだけ考えて走ります。北津留さんと一緒の時は変に自分が考えず、北津留さんの踏み込むタイミングに合わせられればって感じです。ここ最近はワンツーも決まっていると思いますし、上がり10秒台くらいのまくりにも離れず付いていけていると思います」

9R

選手の写真です。
新山響平選手
 ダービー9393着、全プロ記念24着と勝ち星のない新山響平(写真)だが、前回の全プロ記念での走りは悲観するような内容ではなかった。
 「(全プロ記念は)展開が向いて自分のペースでいけたんで、少しいい結果になった。でも、最終日も3着までには粘り込みたかった。そのあとはナショナルチームでみっちりやってきた。疲労はあるけど、感覚的には悪くないかなと」
 ようやくセッティングに答えを出した森田優弥は、新山が相手の初日に気を引き締める。
 「ここ最近はセッティングをいろいろと試していたんですけど、直前にバシッと一番いい感じのセッティングが出たので楽しみですね。新山さんとの対戦はたしか去年の競輪祭以来なのでかなり久々ですね。こっちが2車で相手は4車なのでかなりキツいですけど、負けないように頑張りたい」

10R

選手の写真です。
稲川翔選手
 地元のここに向けてトレーニングを積み重ねてきた稲川翔(写真)にとって、まずは自分との闘い。力を発揮することを念頭に置く。
 「今年に入ってここを目がけてやってきたのは間違いない。やってきたことを100パーセント出したい。気負わずにいい精神状態で臨めるように。(前回からは)やりたいことをすべてやってきた」
 三谷竜生は、前回の取手記念を1113着。3連勝の勝ち上がりで動きの良さをアピールした。
 「練習での感覚も良くなってきているなかで、しっかりレースでも結果がついてきていますね。前回の取手も良かったですし。中7日だったので普通にしっかり練習をしてここまできました。近畿のGIなので気持ちも入りますし、しっかりと結果を求めて頑張りたい」

11R

選手の写真です。
宿口陽一選手
 昨年の高松宮記念杯で初タイトルを獲得した宿口陽一(写真)が、そこからの1年を振り返る。近況はらしさも戻ってきて、関東ライン3番手でも展開次第ではチャンスがありそうだ。
 「(高松宮記念杯を)獲ったあとの半年間は自分のなかでもいいレースができてたし、納得のできるレースが多かった。今年に入ってからいいレースが少なすぎる。(1年間)ここまで早かったです。(前回の決勝は地元勢と)別線って決めた時から力勝負しようって思ってた。結果まくれなかったけど、前々にいく気持ちも出てきているし、自力っていうのも出てきている。状態は上向いてきています。取手が終わってあと平原(康多)さんと一緒に練習させてもらってハンドルまわりのアドバイスをいただいて、さらにセッティングが良くなったと思う。練習をしていても、ここ最近にないくらい体が動いている」
 調子を崩していたわけではない郡司浩平だが、全プロ記念46着から立て直して今シリーズを迎える。
 「体調は変わらずですけど、全プロ記念はレースも迷いながらになってしまった。そこら辺を修正できるようにしたい。5月は(配分が)3本で少し詰まってたので、練習をしにくいところもあった。(全プロ記念のあとは)練習もできたので問題ないです。最低限、決勝に乗れるように」
 新田祐大は、ダービーの前検日の指定練習中に落車のアクシデント。およそ2カ月ぶりの復帰戦となる。
 「ダービーの前検の日に落車して、初日の日には手術をした。それで昨日までは6週間たって、リハビリ等で自転車もしっかりと乗れることもできた。思った以上に早い回復で出場することに決めました。リハビリ含めてトレーニングは5週間くらい。強度は徐々に上げていった。先週からは、もう普通通りのトレーニングがこなせてきている。(今シリーズは)最強のメンバーのなかで、あとは自分がどれだけ通用するかだと思います。岸和田の高松宮記念杯はグランプリに初めて出場できるキッカケになった。僕のなかで印象に残っているのは、(13年に)成田さんとワンツーを決められて、成田さんが優勝した大会ですね」

12R

選手の写真です。
古性優作選手
 昨年8月のオールスターで初戴冠を遂げた古性優作(写真)は、その後、グランプリ、今年の2月全日本選抜を優勝。タイトルを携えて地元に帰ってきた。
 「正直、日本選手権(ダービー)から良くなくて、なんとか修正できたかなと。とにかく長い時間、自転車と向き合おうと。しっかりと向き合えたので、日本選手権より楽しみかなと。練習内容を大幅に変えて、一体感を出すようにした。直前の練習の感じも悪くなかったので、あとは走ってみてです。まずは決勝に乗れるように、一戦、一戦頑張っていけたら」
 全プロ記念のスーパープロピストレーサー賞、続く取手記念も準V。あと一歩で優勝を逃している松浦悠士がV獲りに気持ちを込める。
 「脚の感触は、ダービーから変わらずにずっといい。(ダービーは)脚力的な問題とか体調の問題ではなく、バンクに自分が合わせ切れなかった。今回はバンクが軽いので、そこまで気にする必要はないと思ってます。状態はかなりいいと思います。今回は(いつも以上に)優勝したいって思っているし、(その位置、その位置で)自分のできることを精いっぱいやるだけです」
 山田庸平は、前回の別府FIを3連勝。そこから中6日での今シリーズとなる。
 「日程が詰まっているのは苦手なんですけど、それ以上に体が動いていると思います。(前回から)雨が降ったりして、思ったような練習が全然できてない。それで少し不安はあります」

1R

選手の写真です。
小松崎大地選手
 赤板では根田空史にフタをされた吉田有希だったが、3番手の小松崎大地(写真)が先に切って出てその上を仕掛ける。打鐘の3コーナーで吉田が主導権を奪取する。しかしながら、武田豊樹は連結を外して、小松崎が飛び付いて最終ホームを迎える。2コーナーで8番手からまくった根田は3番手まで。番手から小松崎が抜け出した。
 「(吉田が1人で来たところは)ちょっとわからなかったので、反応が遅れてしまったんですけど。そのあとは対応できたのかなと。自分の思った通りに走れたと思います。一戦、一戦大事に走りたいですね。1着を取れていますし悪くない」
 主導権を握った吉田有希は、武田が離れてラインの援護を失うが力強く風を切る。小松崎には追い込まれはしたが2着に粘り込んだ。
 「自分の仕掛けが下手だったので、ラインで決められなかったですね。根田さんが僕のところで止まったのは予想外だった。(仕掛ける)タイミングを失いかけたんですけど、(小松崎が)切って待つかなと。2着に粘れたけどうれしい2着じゃないっすね。脚の感触は悪くないので、あとは組み立てが荒くならないようにしたい」

2R

選手の写真です。
谷口遼平選手
 打鐘で先頭に立った嘉永泰斗が主導権。3番手に単騎の野田源一が続いて、谷口遼平(写真)は4番手。嘉永が先行態勢を取るが、すかさず取鳥雄吾が仕掛ける。嘉永と取鳥で踏み合いになり短くなった隊列を谷口が6番手まくりで仕留める。坂口晃輔は野田に弾かれ、谷口が余裕をもって押し切った。
 「(初手は)できれば中団辺りを取って、(別線が)動いたところを動いてと思ってました。(まくりは)踏み込んだ感じ進んでくれたので良かった。(1着で2日目の白虎賞に進出は)信じられない。これまで練習してきたのが結果として出たのかなと。素直にうれしいです」
 嘉永が突っ張り切ったものの、中国勢にかぶった荒井崇博は出られない。そこを谷口にまくられる。荒井は直線だけ伸びて2着に入るも、反省の振り返り。
 「桑原(大志)さんに当たられる前に、先に当たっておかないといけなかった。全部、僕のミス。(状態が)いいも悪いも、今日(初日)は1着を取らないと。嘉永があれだけいってくれたのに、僕のミスです。明日(2日目)から修正したい」

3R

選手の写真です。
渡邉雄太選手
 渡邉雄太(写真)、飯野祐太の順番で押さえて出る。7番手の坂井洋は仕掛けず結局、後方で打鐘を通過する。最終ホーム手前でも踏み込みかけた坂井は外に浮いて、神山拓弥が切り替える。4番手すんなりの渡邉が2コーナーまくりで福島勢ととらえた。
 「中団基本にって考えていたんですけど、スタート取りで遅れてしまった。(最終ホームで)一瞬、7番(坂井)が見えかけたんですけど、止まったようにも見えた。そしたら飯野さんも前に踏んだ。ここで(仕掛けて)行っても合わされると。詰まったタイミングで行ったんですけど、乗り越えたかなって思ったら脇腹に当たられた。でも、ギリギリ(自分の)肩が前に出ていたので飛ばなかったのかな。もうちょっと早いタイミングで行ければ(ラインの)3人で決められたと思う」
 仕掛けるタイミングが何度かあったように見えたが、坂井洋は神山の切り替えもあって8番手。追い込みで2着の届いた。
 「(芦澤辰弘がスタートを取って)先輩がいい並びにしてくれたんですけど、自分がちゅうちょしてしまって迷惑を掛けました。接触が2回ほどあって、落車してもおかしくない感じだった。切り替えられるのは仕方ないですね…。力を出せていないので、なんとも言えない」

4R

選手の写真です。
神田紘輔選手
 中西大が赤板の2コーナーで、ゆっくりと押さえて出る。宮本隼輔が追い上げて中団に入り、中川誠一郎は7番手まで下げて、一本棒で最終周回を迎える。中西がグングンと加速して、4番手の宮本との車間が空く。詰める勢いで宮本が3コーナーからまくると、番手の稲垣裕之が外にけん制。近畿3番手の神田紘輔(写真)は、中のコースを伸びて1着。地元のGIを白星でスタートした。
 「(地元での1着スタートは)うれしいです。最後は(宮本)隼輔とかぶっていた。外を踏んでも誰か内に来ると思って踏みました。しっかり練習した成果で、踏めている感じがある。あとはもうちょっと煮詰めるところが見つかった。セッティングですね。(2日目も)気合入れて頑張ります」
 中西がレースを支配して、稲垣裕之にとっては絶好の流れ。宮本を外に張って追い込んだ。
 「(中川)誠一郎が中団だと思ってた。だから、見えた瞬間に踏み込まないとっていうのがあった。結果、脚を使ってた宮本君だったので、もうちょっと待てたかなっていうのがあります。あんだけ(中西が)頑張ってくれたので、もうちょっと自分の判断が良ければ。(前回から使い始めた新車は)前回より合ってきている」

5R

選手の写真です。
隅田洋介選手
 赤板2コーナーから8番手の佐々木悠葵、合わせるように渡邉一成が上昇する。ダッシュ勝負を渡邉が制して最終ホーム手前で主導権。最終1コーナーからまくった長島大介は、和田圭の横でスピードが鈍る。長島マークの隅田洋介(写真)が、直線で外を伸びて1着。GI初出場でいきなり白星を飾った。
 「車番的にも取れた位置から流れでって感じで、長島君に任せていました。しっかり(最終)1センターから2コーナーにかけて伸びていったので、出切れる感じだった。でも、ちょっと止まった感じだったので、踏ませてもらいました」
 和田圭は渡邉とタッグから、長島のまくりを阻んで2着に追い込んだ。
 「長島君が見えて1回振ったんですけど、そのあとが冷静じゃなかったですね。もう1回振れば隅田君もあおりを食らったと思う。それかもうワンテンポ引きつけて、長島君に当たる感じで止めれれば良かった。伸びている感じはしなかった」

6R

選手の写真です。
原田研太朗選手
 赤板2コーナー手前から山降ろしで踏み込んだ町田太我が、別線の松本貴治を叩いて先行策。最終ホームで柏野智典と松本が接触して、松本が落車。松岡健介も乗り上げる。町田、柏野の後ろは大きく車間が空いて、原田研太朗(写真)が懸命に詰める。4コーナーで追いついた勢いで、原田が外を突き抜けた。
 「(松本)貴治が前々に攻めてくれた。(落車の)アクシデントがあったけど、そこは対処できました。バックを踏んだんですけど、筒井(敦史)さんがう回してたんで、そこを内に行く感じだった。後ろに山田さんが入ってたのもわかりました。意外と冷静でした。感触はわからないけど、貴治と後ろが高原(仁志)さんですごく安心していた」
 松本に突っ張られた山田久徳は、結果的に原田を追いかける形で落車を避けて2着に入った。
 「(松本に)突っ張られたところは、僕の甘いところだった。あそこが全部悪かった。入ったところを町田君にその上をいかれた。一発まくりどころをって思ったけど、(最終)ホームの落車でタイミングが取りづらかった。(落車は)見えてたんですけど、横向きに飛んできたんでギリギリで避けた。後ろ(松岡)が引っ掛かったのは残念です。(脚の状態は)悪くはないけど、絶好調ではない」

7R

選手の写真です。
吉澤純平選手
 眞杉匠に併せ込んでから、赤板2コーナーで踏んだ岩本俊介が出て先行態勢を取る。しかしながら、すかさず巻き返した眞杉が、全開で合わせる岩本をねじ伏せる。関東3車で出切り、車間を空けて間合いを取った吉澤純平(写真)が眞杉を追い込んだ。
 「眞杉君が強い気持ちで行ってくれました。援護するつもりでしたけど、後ろを確認しながら最後に追い込んだだけ。誰も来ていなかった。全プロ記念からずっと番手ですね。自力を出していないので、いままでみたいに調子は計れないです。けど、強い選手を抜けているので悪くないのかなと」
 関東3車で上位を独占。眞杉匠のスピードと強い気持ちが別線を圧倒した。
 「前回の佐世保は(岩本に)フタをされたんですけど、もうちょっと早めに行ってくれた。行ったのが見えてから、その上を叩きに行きました。踏み込んだ感じは良くなかったですね。走る前からフワフワする感じだった。アップのローラーから感じは良くなかったんですけど、ラインでは決められた」

8R

選手の写真です。
岡崎智哉選手
 4番手の岡崎智哉(写真)が赤板過ぎに先に切って出て、四国ライン3車を受ける。石原颯がリズム良く風を切り、北津留翼は一本棒の7番手で最終ホームを通過する。2コーナー手前から岡崎はまくりを打つ。3コーナーに入り小倉竜二を乗り越えた岡崎が、石原をとらえて快勝。
 「(地元GIでの1着は)頑張ってきて良かったなと。(自分たちが)一番弱いラインなので、とりあえず動いて自分の射程距離を確保して勝負しようと思ってました。石原君にその気になられたら太刀打ちできないだろうと。それで先に動きました。どのみち4番手で勝負するつもりだった。正直、まくれると思って踏んでない。ここって思ったところがあそこでだった。村上(義弘)さんにも付いてもらっているので。前回の和歌山は追加だったんですけど、そこを走れて修正点があった。それで(今回は)マシやったかなと」
 岡崎のまくりに遅れ気味の村上を小倉がさばく。ラインの援護もあり、逃げた石原颯は2着で二次予選に進んだ。
 「先行1車なんで順番が来たら行こうかなと。(仕掛けた時に)距離が長いと思って、シッティングで駆けたら掛かりが悪かった。(岡崎のまくりは)最初、北津留さんかと思った。外だったんで小倉さんも止められないなと。(まくられて)岡崎さんの後ろに付いて楽ができた。(内容は)三角ですね」

9R

選手の写真です。
成田和也選手
 同期の山岸佳太を赤板過ぎに突っ張った新山響平に主導権を譲る気配はない。今度は森田優弥が2コーナーから仕掛けるが、新山がさらにペースを上げる。打鐘の3コーナー過ぎに森田が北日本ライン3番手に降りて、伏見俊昭が落車。3番手に入った森田のまくりを止めた成田和也(写真)が、追い込んで後続の強襲を退けた。
 「(新山が突っ張り先行に出たが)4車のラインを気づかってくれたんじゃないですかね。(伏見が落車したのは)音が聞こえて(最終)ホームで確認したら後ろに森田君がいたのでわかりました。(新山は)2周突っ張っての先行だったので、掛かり良かったと思います。(森田の)スピードにも合わせられていた。1着で(2日目の青龍賞に)上がれるのでチャンスだと思って踏み込んだ。新山君のおかげですね」
 山岸マークから最終4コーナーで外に持ち出した杉森輝大が、シャープに伸びた。
 「ちょっと難しい展開になってしまったんですけど、踏んだ感じの進みは良かった。確定板(3着以内)には入れるかなって感じでした。もうちょっと早めに踏めば、(成田と)もっといい勝負ができたと思います。(前回の)地元記念から引き続き感じは良いと思います」

10R

選手の写真です。
三谷竜生選手
 前受けから引いた岩谷拓磨は、7番手でタイミングを取って打鐘手前から踏み込む。4コーナーで岩谷が先頭に立ち、山田英明、坂本健太郎。4番手に島川将貴が下げて、最終ホームで三谷竜生(写真)は一本棒の7番手。万事休すかに思われた三谷だったが、2コーナーから仕掛けると目の覚めるようなスピードで前団をのみ込んだ。
 「(組み立ては)取れた位置からっていう感じだった。展開的には(最終ホームで)一番後ろになってしまった。あまり良くないですけど、落ち着いてって感じでした。(まくりにいって)踏んだ感じもいけるかなっていうのがあったんで、乗り越えられて良かった。しっかり踏み切れているし、ラインでワンツースリーなんで最低限のことはできた。(状態は)問題ない」
 稲川翔は三谷に脱帽して、こう振り返る。
 「(前が)すごい遠かったんですけど、(三谷)竜生がむちゃくちゃ強かった。ピンチだと思った。(2日目の白虎賞には)1着権利なので全力で抜きにいったけど、抜けなかった。1走したので、これで緊張が取れてくれれば」

11R

選手の写真です。
宿口陽一選手
 誘導との車間を空けて合わせる深谷知広を押さえて、吉田拓矢が赤板過ぎに出る。関東4車が出切り、中団に福島コンビ。深谷を7番手に置いて、吉田が徐々にペースを上げて逃げる。最終ホームは一本棒で通過。5番手の新田祐大が2コーナー手前からまくり、平原康多が番手発進。新田は不発で、平原に続いた宿口陽一(写真)がゴール前で差し切った。
 「本当に先頭の(吉田)拓矢が頑張ってくれて、番手の平原さん、4番手を固めてくれた諸橋(愛)さんのおかげです。いつも一緒に練習している平原さんの後ろだったので、抜けるっている感じはなかったんですけど。最後はがむしゃらに踏んだだけです。直前に練習した感じも良かったですし、平原さんにハンドルまわりりのアドバイスをもらってグンっと良くなりました」
 吉田が敢然と主導権。番手の平原康多は、後続との間合いを計り自力発動の選択をした。
 「自分はもう後ろに2人ついていたので、なんとかしないとなって思って走りました。ずっと車間を空けながら踏んでいたので脚は削られていましたね。でも、前回よりは全然いいと思う」
 後方からまくった深谷の余力を計りながら、郡司浩平がコースを探して追い込んだ。
 「突っ張るか引くかは、深谷さんの判断に任せていました。深谷さんも(最終)2コーナーから踏み込みましたけど、最後の3コーナーも外々行っていました。自分はその外じゃ届かないと思って、申し訳ないですけど、1つでも上の着を目指して踏ませてもらいました。走る前はかなり緊張したんですけど、感触的にはかなり軽かったです」

12R

選手の写真です。
東口善朋選手
 赤板過ぎに野原雅也が先頭に立ち、近畿勢に続いた単騎の浅井康太まで出切る。野原がペース上げて、中団の外にいた太田竜馬は7番手に下げて打鐘。中団の山田庸平も動けずレースは流れる。古性優作は野原のスピードを確かめて、別線の仕掛けを待たずに最終2コーナー過ぎに番手から出る。3コーナー過ぎから踏んだ浅井をけん制した東口善朋(写真)が、追い込んで1着。
 「すべて野原君、古性君のおかげです。野原君は赤板でピッチを上げたし、もう駆けるなっていうのがありました。あとは古性君にお任せでした。(2日目の白虎賞は)準決の権利もあるってことで気持ちは楽ですけど。それで終わりじゃないので、気持ちを引き締めていきたい」
 周回中の隊列を判断して近畿ラインに続いた浅井康太は、ソツない立ち回りから差し脚を伸ばした。
 「野原君の先手なのか、太田君が先手なのかっていうところで、あとは道中、山田君とはからまない位置を考えてました。野原君が後ろになった時点で、太田君を押さえてから先行勝負になると思ってた。そこからは(近畿勢が別線を)出させないイメージだった。それで近畿の4番手から進めました。あとは後ろの山田君、太田君の仕掛けに合わせて出ようかなと考えてました。きっちり4番手を固める形というよりも、東口さんと余裕をもって、いつでも外を踏める状態で付いていました。(状態としては)もうちょっと欲しいかなっていうのがあるけど。道中、楽に進められたので体自体は大丈夫だと思います」
 野原をたたえる古性優作は、先輩2人が先に2日目の白虎賞に勝ち上がっていただけにホッと一息ついてこう振り返る。
 「もう(野原)雅也も赤板からハイピッチで踏んでた。そろそろ(別線が)来そうだったんで、(番手から)出るしかないかなと。それで踏ませてもらいました。雅也が強くて、後ろに付いていても脚を削られる感じがあった。(最終)バックで出ていったけどキツかった。もう東口さんにどうにかしてくれっていう感じでした。僕個人というか、神田(紘輔)さん、岡崎(智哉)さんが(一次予選を)1着で(2日目の白虎賞に)上がってたので、僕が白虎賞を走らないわけにはいかない。その辺の緊張感はありました」

5R

選手の写真です。
神山拓弥選手
 中団から合わせて踏み込む深谷知広を制して、眞杉匠が赤板1コーナーで先頭に立つ。関東勢の主導権。4番手が渡邉一成と深谷で併走になって打鐘を迎えるが、2センターで外に浮いた深谷が後退する。逃げる眞杉が飛ばして、4番手の渡邉もバックでは動けない。番手で願ってもない展開になった神山拓弥(写真)が追い込んで1着。
 「(眞杉は)ずっとすごいペースだったので心配したんですけど、さすがダービーで2年連続で決勝に乗っているだけあってタレてこなかったですね。どうにか決めたかったんですけど、あれ以上待ってもって思った。絶妙なところで踏んだと思うんですけど…。タイトルホルダー2人(渡邉、深谷)を相手に堂々としたレースをしてくれました。今日(2日目)はもう本当に眞杉のおかげです」
 深谷との中団取りに踏み勝った渡邉一成は、最終2センターから外を追い込ん神山に迫る。僅差の勝負を2着で勝ち上がった。
 「深谷君だけには切られちゃいけないと思って、そこだけ意識していました。深谷君でもこられないくらいのペースだったので、自分も車間を空けすぎないように。和田(健太郎)さんが降りてきても対処できるように準備はしていました。杉森(輝大)さんに先に並んで外を踏めば、内も空くだろうと。結果的に前有利の神山君が1着でしたけど、伸びは良かったかなと」

6R

選手の写真です。
石原颯選手
 中団から山田久徳が先に切りに出るが、前受けから嘉永泰斗が突っ張って出させない。両者の踏み合いを石原颯(写真)が叩いて主導権を握る。山田を突っ張った嘉永は、石原ラインの3番手に飛び付いて最終1センターで高原仁志から取り切る。2コーナー手前からまくった山田に合わせて、嘉永も3番手から踏み上げる。しかしながら、石原の掛かりが良く、最後は二の脚で後続を振り切った。
 「ちょっとゆっくり押さえにいって、山田さんが動く感じだったら踏み合ってもらってと。そしたら思ったよりも(前の)ペースが上がって、出るのに脚を使った。僕はあれ(先行)しかできない。まくりに構えられないし、位置も取れない。あれで後ろと一緒に(勝ち上がって)っていうのは良かったです。(初日の内容が三角だったけど)今日は〇です」
 脚を使いながらも石原ラインの3番手を奪取した嘉永泰斗は、最終3コーナーから踏み込みじわじわと伸びてしぶとく2着に入った。
 「山田さんだけは突っ張って、あとは石原君が来たところを粘るか引いてまくりと。思惑通りになりました。突っ張ったところはそれほどじゃなかったけど、高原さんと競ったところで脚を使った。それで(最終)3コーナーから出なかった。ただ、仕掛けてからゴールまでしっかりと踏めてたので、体の状態は問題ない。山田さんを突っ張ってからも冷静になれた」

7R

選手の写真です。
坂井洋選手
 赤板過ぎに和田真久留を突っ張った吉田有希が緩めたところを、新山響平が仕掛けて先頭に立つ。吉田は4番手に立て直して、和田は後方に置かれる。先行態勢の新山が後続を引きつけて駆ける。吉田は最終2コーナーからまくるが、佐藤慎太郎に阻まれる。吉田は不発も、3コーナー過ぎから踏み込んだ坂井洋(写真)が突き抜けた。
 「あんなに(新山が)早くくるとは思っていなくて、やっぱり(吉田が)少し遅れて出られちゃった。けど、(新山が)いいペースだったので、和田さんも追い上げには来ないんじゃないかなと。(最後は)前だけじゃなく後ろも警戒しながらコースを見ました。体の状態的にはまだですけど、運よく2着、1着とまとめられているので悪くないかなって思います」
 逃げる新山の番手の佐藤慎太郎は、吉田のまくりを抜かりなく止めたが、その後ろの坂井は如何せん対処できなかった。
 「(新山は)ちょっと早めの仕掛けになったんですけど、ダッシュも鋭くて自分としても余裕はそこまでなかったですね。(関東勢は)やっぱり自力、自力で並んでいたので、あれが普通の追い込みだったら自分たちのラインで決められたと思うんすけど。あれなら吉田君を思いっきりさばかないほうが良かったかもしれない」

8R

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荒井崇博選手
 野原雅也が赤板の1センター過ぎに押さえて出る。近畿勢に続いた宮本隼輔が、その上を叩きに出る。宮本が主導権を奪うと、野原が飛び付いて後続がもつれる。隊列が短くなり、山田庸平が最終ホーム手前から仕掛ける。山田、荒井崇博(写真)に単騎の野田源一まで出切り、小川真太郎が切り替えるが勝負は九州3車。番手の荒井がゴール前で山田を交わした。
 「(山田が)強かったね。流れであそこ出てくださいっていう感じで緩んだ。練習みたいに(山田)庸平が出ていったし、もう大丈夫かなと。(連日)前が頑張ってくれるんでね、(自分の感じも)悪くないです」
 勝負どころを逃すことなく踏み込んだ山田庸平は、同県の荒井とのワンツーに汗をぬぐう。
 「(周回中は前からで)泳がされた感じだったけど、結果、引いて展開が向いた。あの位置からだったら、(仕掛けても)なんとなるかなと。荒井さんも強んで心強い。昨日(初日)より今日は、全然感触が良かった。先行しても残れるかなっていうのがありました」

9R

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吉田拓矢選手
 誘導を残したまま後方に下げた新田祐大は、中団から踏んだ岩本俊介が打鐘の3コーナーで主導権を握るが後方のまま。4番手に吉田拓矢(写真)が入り、最終ホームを通過する。吉田が2コーナー過ぎからまくりを打ち、逃げる岩本との車間を空けた鈴木裕が詰めながらけん制する。新田は外を伸び切れず、まくり切った吉田が抜け出した。
 「車番が悪かったので、1回後ろから押さえてって感じでした。でも、岩本さんが来るのが遅かった。もう少し遅ければ駆けるつもりでいましたけど、いいところで来た。ちょっと仕掛けが遅れてしまった。後ろを気にしすぎちゃった。気持ち良く出られれば良かったんですけど。セッティングをいじって昨日(初日)よりも感触的には良くなった」
 同県の岩本の頑張りもあって、鈴木裕が2着。直線での伸びも悪くなかった。
 「岩本君の掛かりが良くて、ちょっと離れそうだった。でも、追いついても後ろを引き出してしまうので離れたまま追った。それでキツかったですね。(吉田を)止めたかったんですけど、スピードが良かった」

10R

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園田匠選手
 赤板前から中団の太田竜馬が、前団との車間を空けて7番手の町田太我にブレーキをかける。前受けの北津留翼は、別線の中国、四国勢のけん制に腹を固めてペースアップ。そのまま駆ける。打鐘から町田が仕掛けるが、1車しか進まない。最終ホームで再度仕掛けた町田だったが力尽きる。逃げる北津留の番手の山田英明は2コーナー過ぎからまくって出る。番手発進の山田を園田匠(写真)が差し切った。
 「(北津留)翼とヒデ(山田)が良く頑張ってくれた。(九州勢が)この並びで、相手も戦いづらかったと思う。太田君が見えたんで、小倉(竜二)さんが内に来ると思った。そこを締めて(ラインで)ワンツーを決められた。自分は9車立ての方がいいし、ずっと9車立てを走りたい。1着も久し振りだし、(3日目も)気持ち良く戦える」
 北津留が別線に仕掛ける隙を与えずに駆ける。北津留の思いを無にしないために、山田英明が番手まくりを打った。
 「翼君は勝負できる脚だと思ってた。スイッチも入ったし、僕は翼君に言うこともなく、しっかりと番手の仕事をしようと。あんだけいってくれて、あの先行をされたら、園田さんも付いてるのでちゅうちょなく(番手から踏んで)いきました。自分ではいっぱい、いっぱい。勝ち上がらないと気持ちが上がらない。どこかでキッカケをと思ってた。前を回してもらったのもあるし、すごくいい開催になっている」

11R

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成田和也選手
 打鐘の手前で平原康多が押さえて出るが、内を吉澤純平が盛り返す。そこを南関勢が叩いて主導権を奪取したのもつかの間、小松崎大地が襲い掛かる。最終1センターで小松崎が出切り、成田和也(写真)。渡邉雄太の余力を確かめた郡司浩平が切り替えるも、福島コンビとは車間が空いてバックを通過。小松崎のスピードも鈍らず、郡司の強襲を退けた成田が番手で勝機をつかんだ。
 「小松崎君の力が違いましたね。自転車も寝ていたので、掛かっているなって感じでした。(最終)バックで郡司君が切り替えてきていたのが見えたので、車間を切って対応しようと思っていました。小松崎君も自分の納得のレースができたと思います」
 最終2コーナーで外に振ってから、郡司浩平は福島コンビに切り替える。車間を詰めながら追い込んだが2着まで。
 「(渡邉)雄太がタイミングを見て行ってくれたんですけど、自分はなにもすることができなかったですね。雄太が出切るまで内も気にして見ていましたし、落ち着く前に来られてしまった。もうワンテンポ遅くて落ち着いたところで(小松崎が)来ていれば、張るなり抵抗できたと思うんですけど。小松崎さんの仕掛けも良かったですし、自分自身も初日の方が感じが良かった。修正すべきところがあるのかなって感じです」
 最終ホームで迷いなく南関勢の上を叩いた小松崎大地が3着。福島ワンツーこそならなかったが、上々の動きを見せて正念場の準決に臨む。
 「前受けはいい面も悪い面もあって、力のない自分みたいな選手にとっては悪い面の方が多いんですけど。思い切っていきました。レースの流れに乗って仕掛けられていますし、出切ってからは踏むだけでした。いい感じに踏めていたと思います」

12R

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古性優作選手
 赤板1コーナーで先頭に立った谷口遼平の上を岡崎智哉が叩いて先行策。地元3車が出切り、4番手に谷口が入る。岡崎がハイピッチで風を切るが、8番手の三谷竜生が打鐘4コーナーから強引に仕掛ける。地元ラインに好スピードで三谷が迫る。岡崎との車間を空けた古性優作(写真)は、三谷の加速に番手まくりで応戦。神田紘輔を連れて勝ち切った。
 「練習からずっと一緒にやっている岡崎さんの後ろに付いてシビれるようなものがあった。本当に感慨深かった。(岡崎が)すごい掛かりだったので、(三谷竜生を)止められるスピード域かと思った。でも、(三谷)竜生さんがもう1回来るような感じだったので踏ませてもらった。本当に連日、前の選手が頑張ってくれています。自分の感じも日本選手権から比べたら良くなっている。グランプリ(チャンピオン)ユニフォームを着て地元の岸和田を走れるとは思わなかった。うれしいですね」
 神田紘輔は、別線に割り込まれることなくきっちりと流れ込んで2着。
 「岡崎さんが頑張ってくれました。僕は古性君の後ろで脚のため方に修正するところがあるかなと。周りを見る余裕もあった。(2日間)1、2着なんで調子はいいと思います」
 松浦悠士と浅井康太でもつれもあり、地元ラインを追った谷口遼平は流れ込むように3着。準決を見据えて、こう振り返る。
 「しっかり前の方を見てからと思ってました。(最終)バックからまくっていければ。あそこで行かなきゃいけなかった。でも、余裕がなかった。仕掛けられたら良かったけど、力がなかった。3着は良かったんですけど、内容が不甲斐なかった。(2日間)結果は上デキなので、あとは内容を含めてもう少し良くなれば」

2R

選手の写真です。
小川勇介選手
 道中4番手にポジショニングした岩谷拓磨は、赤板手前からダッシュを利かせて踏んで先頭に立つ。岩谷ラインの4車が出切り、5番手で山岸佳太と阿部力也の併走になり打鐘を迎える。先行態勢の岩谷は、落ち着いて最終ホーム目がけてペースを上げて別線に出番はない。5番手を取り切ってまくり追い込んだ阿部も進まず、番手の小川勇介(写真)が追い込んで1着。吉岡稔真(福岡・65期、引退)門下のワンツーを結実させた。
 「(岩谷の)やりたいように任せていた。ラインのことも考えて走ってくれたし、自分はしっかり追走に集中してと思ってました。(同門の岩谷は)アマチュアのころから知っている。勝ち上がりじゃないけど、最高の舞台(GI)で力を出し切ってワンツーができた。2人でやってきたことが形になって出ました。泣きそうになってます」
 兄デシと大舞台での同乗が目標でもあった岩谷拓磨は、積極策で別線を完封。笑顔で汗をぬぐう。
 「兄デシとGIで走ることを目標にしてきた。そこでワンツーができたのは最高です。2周逃げて小川さんとワンツー。ラインでも1、2、3、4着。(S級で)優勝した時よりうれしい。小川さんはアマチュアの時から一番良くしてくれた人ですから。今日(3日目)は山岸さんがやり合うなら、とことん付き合うつもりだった」

6R

選手の写真です。
町田太我選手
 前受けから突っ張り気味に踏んだ深谷知広を野原雅也が押さえて出る。後方でタイミングを取った町田太我(写真)は、ケレン味なく赤板2コーナーから踏んで好スピードで主導権を奪う。3番手に野原が入り、深谷は一本棒の7番手で最終ホームを通過する。町田がつくったペースに翻ろうされて、別線は動けない。野原マークから南修二が中を割るが、町田が踏ん張って逃げ切った。
 「(自分たちが中団になった)初手がすべてです。それであの展開になったんでラッキーだった。野原さんに脚を使わせて中団を取らせて、深谷さんを後ろにおければと。(そうやって別線に)脚を使わせたら逃げ切れるから自信をもっていけって柏野さんに言われた。柏野さんにはいつも迷惑を掛けてたんで(ワンツーは)うれしいです。昨日(2日目)は脚を使ってなかったし、仕上がってると思います」
 深谷は不発。町田後位の柏野智典が、内、外の近畿2人に対処して2着を確保した。
 「スタートがすべてかなと。あの順番がすべてでした。(町田は)踏み出しも良かった。そんなに緩めることなく駆けた。野原君が(後ろに)入ってたのもわかった。(最終)バック、2センターくらいまで割ってくることないと思ったけど、4コーナーからどっちか(野原か南)が入ってくるかなと。自分もだいぶ状態が上がってきたので、焦りがなくなってきた。いい方向にいってます」

9R

選手の写真です。
郡司浩平選手
 吉田拓矢が押さえた上を渡邉雄太が叩いて先行策。合わせて踏み込んだ吉田は、3番手に飛び付いて打鐘の2センターで鈴木裕はさばく。が、空いたインをソツなく突いた諸橋愛が、郡司浩平(写真)の後位を奪い最終ホームを通過する。渡邉一成が反撃に出て、郡司は2コーナー手前から番手まくりで応戦する。渡邉一は力尽き、脚をためた単騎の隅田洋介のまくりも郡司の掛かりが良く不発。直線に入っても後続を寄せつけなかった郡司が1着。
 「(今年初のGI決勝で)ホッとした気持ちと、ラインのおかげで勝ち上がれたことに感謝しかないですね。あの並びになったので吉田君が切った上を叩いて、あとは出てから考えるって感じでした。その辺の状況判断は(渡邉)雄太に任せていました。吉田君が踏みながら出させる感じだったので、雄太も出切ってから流せずにフカシ気味だった。(渡邉一が)来たのが(最終)1コーナーだったので、出させても苦しくなると。自分自身の判断で(番手から出て)いきました。ちょっと自分のなかで早めに踏んだ感じですけど、道中から余裕はあったので踏み切れました」
 3車の南関勢を追った単騎の諸橋愛は、打鐘の2センターでさすがの立ち回り。吉澤純平をキメながら、吉田をすくって郡司後位を取り切った。そこで勝負あり、あとは郡司に流れ込み決勝のキップをつかみ取った。
 「(優勝の可能性が)1パーセントでもあればいい。決勝に乗らないことには0パーセントですから。初手は南関の後ろについて行こうと思っていたんですけど、鈴木君がさばかれた。吉田君と外で併走になるかなって思った。でも、結構、(内が)空いた。前々に踏んだ方がいいなって感じだった。最後は郡司君も踏み直していましたし、外をいける雰囲気じゃないスピード域だった。抜くことよりも抜かれないようにって頭を切り替えた。(自分らしさを)少しは出せたかなって思います」

10R

選手の写真です。
山田庸平選手
 嘉永泰斗が早めに上昇を始めるが、前で構えた石原颯は誘導との車間を空けて臨戦態勢を整える。石原が赤板過ぎに突っ張り、主導権は譲らない。嘉永が今度は中四国勢の番手、原田研太朗の横で併走する。打鐘で嘉永が番手を奪うが、山田庸平(写真)は連結を外す。3番手に原田が下げて、松浦悠士。三谷竜生は5番手で最終周回へ。嘉永は後続の仕掛けを待つことなく、2コーナー手前から出る。嘉永に続いた原田がまくって3コーナーに突入する。外を踏んだ三谷マークから、内に進路を取った東口善朋が原田と接触して落車。松浦もあおりを受ける。落車を内に避けた山田が追い込んで1着。
 「(嘉永が石原と)踏み合ってたんで、空いたところを内にキメて(嘉永を)入れてそこからのレースか、早めに引くかのどっちかのレースだった。自分が付き慣れてないのと、嘉永君の走りがわかってないので連係を外した。(最後は)内に詰まらないようにと思っていたんですけど、結果詰まってしまった。落車が起こったんでたまたま。本当は東口さんよりも早く入り込んでたら良かったけど、入れてなかった。結果的に落車があったんで、自分が(決勝に)乗った。前検日のあまり良くない感じから、(ここまで)きている。でも、いままでの経験とか積み重ねたものがあるのかなと」
 落車のアクシデントがあり、結果的には嘉永ラインで上位を独占。園田匠は2着に届いた。
 「(山田)庸平に前を任せているんで、そこは引かせてっていう感じでした。東口さんが直角に降りてきたけど、あの辺は自分も庸平も慣れているんで絶対にどうにかしてくれると思って信頼をしていた。最後は庸平の行かないコースをと。自分は余力があった。(最終)バックがすごく掛かってたんで、気持ち良く回れました。7車立てだとなにもないけど、9車立てならあきらめなければチャンスがあると。そう言っている通り結果が残ったんで良かったです。タテ脚には問題ないので、自信をもっていきたい」

11R

選手の写真です。
佐藤慎太郎選手
 赤板2コーナー過ぎに押さえて出た小松崎大地がペースを握る。4番手に追い上げた宿口陽一は、坂井洋との併走から切り込んで、最終ホームでは渡部幸訓の内まで進出する。渡部と宿口が接触して、4車の大量落車が発生。小松崎が逃げて、福島勢3車の後ろは大きく車間が空く。番手の佐藤慎太郎(写真)が抜かりなく追い込んだ。
 「坂井君が切ったところを(小松崎が)行ってくれた。あの気持ちが(小松崎)大地の強みだと思っている。いいレースをしてくれました。落ち着いて駆けていたので、ワンツーを決められる展開だったんですけど。自分の技量不足で大地を3着(結果的に繰り上がり)にしているので、自分としては0点に近いレースですね」
 2位入線の渡部が失格で小松崎大地が2着繰り上がり、昨年に続いて高松宮記念杯の優出キップを手にした。
 「中団が取れたので、中団から攻めていきました。(打鐘で叩いてからは別線を)出させるつもりはありませんでした。ペース配分は良かったと思うんですけど、結果的に(渡部)幸訓のところでからまれてしまった。それで落車と失格があったので、もう少し走り方があったのかなと。踏んでいる感じはいいです」

12R

選手の写真です。
古性優作選手
 切った山田英明が緩めたところを岡崎智哉がスピード良く飛び出す。岡崎の主導権に古性優作(写真)、神田紘輔と地元3車で出切る。山田が4番手に入り、隊列を一本棒にして岡崎が駆ける。6番手の谷口遼平は、浅井康太を連れて最終1コーナーからまくり上げる。大きく空けた車間を詰めながら古性が谷口を阻む。浅井が神田を押し込むように入って、古性、浅井、神田で接触。4コーナー手前で浅井が落車して、山田、谷口も落車。直線で古性が抜け出した。
 「岡崎さんも残れるように駆けたと思います。自分はラインの3人で決まるのが理想だったけど、判断がちょっと難しかった。浅井さんは準決はシビアに走るっていうのもあったんで想定内でした。でも、落車が起きてしまったのは残念でした。(状態は)抜群っていうわけではないですけど、ラインの方々に助けられた。(近畿勢は)自分1人になってしまったけど、なんとか決勝に残れてうれしく思います。このGI(高松宮記念杯)だけ唯一、決勝に乗ったことがなかったでし、いままでカラ回りをしていた。決勝が最低限の目標だと思っていたので、なんとかスタートラインに立てた」
 山田マークからコースを探していた荒井崇博は、紙一重でアクシデントを避ける。態勢を立て直して、直線で追い込んだ。
 「全然、見えてないです、前が。(別線が)横にいるなくらいです。ただ、ヒデ(山田)があそこまでやってくれたんで、あとはどこかをこじ開けて2(着)までは届くなと思った。だけど、ヒデが転んだんで残念です。突き抜けそうな感じはあった。(踏んだ感じは)悪くないです」