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きしわだ競輪

KISHIWADA KEIRIN

56#

検車場レポート

  • 6/13 Wed.  (前検日)
  • 6/14 Thu.  (1日目)
  • 6/15 Fri.  (2日目)
  • 6/16 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
芦澤辰弘選手

 芦澤辰弘(写真)は前回の宇都宮FIの初日特選2着も、2日目以降を欠場。5月のダービーでは準決にコマを進め、充実の近況だっただけに気になるところだ。


 「風邪を引いてしまって…。(欠場して)期待してくれる人たちには申し訳なかったです。宇都宮の前がすごく(調子が)良くて、ピークが来てしまった。それで風邪を引いて、一気に(調子が)落ちた。(今回の)前にやった練習の感じも、全然違いました。ただ、直前は休んだんで、ここ4日間くらいの体はいい。自分はここ一年で劇的に変わった。競輪を考える時間が多くなった。それで練習をしてベースを上げようとしたら、質と量に体が追いつかなかった」


 菅田壱道との連係になった高橋陽介は、久々の番手回りに気を引き締める。


 「最近は人の後ろじゃなくて、自力が多かった。だから番手は久しぶりですね。ただ、自力でも先行、まくりだけじゃなくて、位置を取ってっていうのが多いから、(番手でも)落ち着いてできると思う。去年は結構、(菅田)壱道の後ろを回ってたし、初日もできるだけサポートしたい」


 前々回の5月名古屋で記念初制覇を遂げた渡邉雄太は、至ってマイペース。


 「練習できたし、変わらずです。(GIだからといって)べつにそんなに意識はしていない。自分の仕事をしっかりやりたい」

2R

選手の写真です。
竹内雄作選手

 竹内雄作(写真)は、前回の函館ナイター記念で久しぶりの決勝進出。着実に上昇カーブを描き、復調への道を歩んでいる。


 「(前回は)決勝にも乗れたし、そういうところで走らないとわからないことがある。一時よりはいいんで、ちょっとずつですかね。急には良くならないんで、今回も得るものがあれば。今回は(前回で換えたフレームと)一緒で、車輪だけ換えました」


 近況、勝ち星を順調に積み重ねている中川誠一郎は、高いレベルで成績が安定。坂本亮馬との九州タッグでは、前を回り自力勝負を選択した。


 「自力が出ているのはたまたまだと思うんですけど、初日も出るように。(練習は)全然変わってない。雨が多かったんで直前は少し抑え気味にはやりました」

3R

選手の写真です。
松谷秀幸選手

 松阪FI、大宮FIと直近の2場所で連続落車に見舞われている成清貴之は、慎重に言葉を選ぶ。


 「自転車は大丈夫だったんですけど、車輪とか諸々がダメになった。あとは左手の方(の怪我)がひどかったんで走ってみないとっていうはあります。(前回が終わってからは)治療に専念しました。(南関同士で別線は)やりづらいところはあるけど、そんなことは言ってられない」


 ダービー1343着のあとは前橋312着、平塚212着と松谷秀幸(写真)は、FIシリーズでも抜群の安定感を見せている。


 「当たりたくない人(根田空史)ですね、敵だと…。あとは(和田)真久留次第。(中4日で)ほぼなにもしてない。調整ですね。前回は結構、自分としては動けていた。ただ、GIとなるとまた別ものですから、どうですかね」

4R

選手の写真です。
清水裕友選手

 前回の函館ナイター記念では3勝をマークした清水裕友(写真)。6着に敗れた準決でも、三谷竜生、村上義弘の近畿勢の番手に飛び付いて、大きな見せ場をつくった。


 「(前回の函館は)今回に向けてああやってできたのがデカいと思います。気持ち的にも上がってきているし、ここも前回くらい走れたら。GIの気負いみたいのはない。疲れを抜くのをメインにやってきたんで、(コンディションは)問題ない」


 前回の小松島FIで今年2度目となる3連勝の完全Vを飾った川村晃司は、笑みを浮かべながらリラックスムードで自転車を組み立てる。


 「(小松島は)全プロ記念のメンバーがいなかったんでラッキーだった(笑)。それでも練習の感じも良かったし、それが成績につながって自信になりました。そのあとも練習はしっかりやって、感じも良かった。(1着で2日目は白虎賞に進出だが)それよりもラインでしっかり勝ち上がりたい」


 3場所前、名古屋記念の落車のダメージが思いのほかあった園田匠は、前回の函館ナイター記念準Vのあとはケアに努めた。


 「問題はそこだけ、納得のいくところに体を戻せるか。日に日に良くなっている。自転車も修正に出して、悪くなることはない。GIは結果がすべてなんで、勝ち上がりたい」

5R

選手の写真です。
郡司浩平選手

 前回の函館ナイター記念では疲労が残っていた郡司浩平(写真)は、今回、GI仕様に仕上げて初日を迎える。


 「ガッツリ練習したのもあって、前回は疲れが残っていたのはしょうがない。今回はいつもより練習量を少なくして、物足りないくらい。それで疲れを残さないようにした。仕上げてきたつもりです」


 前回の函館ナイターで記念初Vを飾った和田健太郎は、近況、勝ち星を量産。GIでも期待は膨らむ。


 「今回はいつも通り、変わらずですね。その前がすごく疲れていて、前回はそれが抜けてだいぶ良くなっていた。もちろん、(GIを)獲れたらうれしいですけど、自分がやることは変わらない。むしろ今までより頑張らないと」


 菊地圭尚は前回の岐阜FIを389着。一息の戦績だが、GIでガラリ一変がありそうだ。


 「前回がへっぽこ過ぎて…。目標もいなくて、先行にならない先行もした。でも、踏み出した感じとか、動こう、動こうと思っているところとかも悪くない。早坂(秀悟)とは息もピッタリだし、一緒だと気持ちよく行ってくれるんで、なんとかしたい」

6R

選手の写真です。
河端朋之選手

 3月の世界選手権のケイリン種目で銀メダルを獲得した河端朋之(写真)は、モスクワグランプリの競技大会でロシアから帰国して、5月以来の実戦。


 「トレーニング自体はしっかりとできているんで、あとはいかにその力を出すか。(久々の実戦で)多少の違和感はあるけど、とにかく自分のレースをしたい。あとは考えすぎずに。チャンスは来ると思うし、タイミングだけは逃さないように」


 地元バンクでの調整ができなかった太田竜馬だが、調整には問題なさそうだ。


 「(小松島の)バンクが改修中で使えなかった。それに雨も多くて、室内でやってきました。ワットバイクの数値も良かった。自分は自転車に乗れればいいんで、大丈夫だと思います。(1着を取って白虎賞に)ぜひ、乗りたいです」

7R

選手の写真です。
吉田拓矢選手

 前回の大宮FIで遅まきながら今年初Vを果たした吉田拓矢(写真)は、前回から投入した新車に好感触を得ている様子だ。


 「大宮から新車なんです。それがしっくりきていて、いい感じなんです。決勝は鈴木謙太郎さんと(ワンツーを)決められてよかった。初日は(神山)拓弥さんと雄一郎さんが後ろなんで、自分は出し切る走りをしたい」


 岩本俊介は直近のFIシリーズの2場所で4勝の固め打ち。今年すでに12勝を挙げている。


 「腰痛が出たりしても、ケアしながらちゃんと休養を入れつつしっかり練習をしてきた。感じはいつも通りですね。(好成績は)一瞬のうちに出力を高められるように、山中(秀将)のを参考にしてやったら、それがハマった感じです」

8R

選手の写真です。
小川真太郎選手

 小川真太郎(写真)は、前々回の広島112着、前回の佐世保を3連勝の完全V。直近のFIシリーズ2場所は、準パーフェクトの成績を残している。


 「FI戦だけはいつもいいんですよね…。記念とか大きいところ(ビッグ)でしっかり成績を残せるように。競走得点もヘタ打つとすぐに下がってくるんで、気合を入れ直してやります。後ろの香川(雄介)さんは強いんで、抜かれる可能性が高いけど。(1着で2日目は白虎賞に進出は)デカいんで、1着を目指していきます」


 北津留翼は前回の高松FIを122着。準決、決勝はともにボス(オランダ)に後塵を拝する結果となった。


 「1回くらいは(ボスを)抜きたかったんですけど…、やっぱり強かった。それでも(成績がいいのは)、かみ合ってきたからだと思う。とくになにかを変えたわけではない。(通算)299勝ですか? 知らなかった(笑)。それなら今開催中に(通算300勝を)決めたい。全力を出して、結果がついてくればいいですね」

9R

選手の写真です。
山中秀将選手

 ダービーを優出など、G戦線でも活躍が目立つ山中秀将(写真)。湧き上がる感情をコントロールし、再びGIのファイナルを目指す。


 「FIや記念を走るよりかは、気持ちが高ぶりますけど。入れ込みすぎるとうまくいかないので、ちょっと落ち着いて走れたらと思っています。そこを意識してですね。ここまでは、(中13日空いたが)そんなにガッツリやっていないです。旅行とかにも行ってリラックスしてきました。状態は悪くないですけど、初日を走ってみないとですね」


 新山響平は前回の函館ナイター記念で決勝に進出。まだ安定感こそないが、試行錯誤の成果が成績に表れてきている。


 「(前回の函館は)疲れましたね。でも、カーボン(フレーム)に乗った時のイメージで走ったら感じがいい。楽に力が伝わります。ちょっとずつ乗り方がわかってきました。(3.92のギアは)まだ重いけど、踏みごたえはあります。ウエートをやっているし、どうにか踏めるようになっていけば。初日は逃げろって番組ですね。目いっぱい駆けます」

10R

選手の写真です。
古性優作選手

 地元の古性優作(写真)は、今年の全日本選抜で2度目のGI優出を経験。さらに、続く静岡記念は平原康多らを破って優勝とハイレベルな走りを見せている。直前にも感触をつかみ、大一番に乗り込んできた。


 「前検日の朝に軽くBMXに乗ったらいい感じで。あとは指定練習でつかんだモノをつなげられたら面白い。(BMXの選手だったので)原点に帰ってですね。地元で開催される大切なGIですし、自分たちが守っていかなあかん。一走、一走に全力を尽くして、悔いを残さないようにしたいです」


 対するは柴崎淳。前回の函館ナイター記念は持ち味のキレを見せられず6771着。今回も状態が気になるところ。


 「函館は疲れもあって、あかんかったです。ここまでは、休養と練習をバランス良くやってきました。(練習の)感覚はあんまりでしたね。一時期の良かった感覚ではなかったです」


 石塚輪太郎は当大会が2度目のGI。今回は猛者たちとの対戦に気負いはない。


 「全プロもGIみたいでしたし、慣れてきました。しっかりいいレースをしたいですね。(前回の函館の途中欠場は)蓄のう症みたいになって、レースにならなかったです。でも、函館から戻ってきて、だいぶマシになってきました。練習もできているので、問題ないです」

11R

選手の写真です。
新田祐大選手

 新田祐大(写真)は、疲労が残る状態で前回のダービーを優出。今回は当大会の3連覇がかかるが、「意識はしていない」と、一走入魂を強調した。


 「ひとつ、ひとつのレースをしていくことが重要。あとは決勝で力を出すだけですね。ダービーは数値を取ったら普段の4倍疲れていて。それが開催中にわかっていれば、(調整)内容も変えたんですけどね。失敗でした。(競輪の自転車で指定練習を走った感触は)いつも通り、問題なくフィットしています。自転車よりも、問題はレース展開ですね」


 平原康多は5月京王閣記念を完全V。さらに、続く全プロ記念も21着と再び軌道に乗ってきた。しかし、本人はおごることなく気を引き締める。


 「自分の力で勝ったわけではない。巡り合わせで、自分が優勝に近い位置を回っただけとしか思っていないです。でも、(関東の結束力を)重要視して並んで。それが結果に出たことは良かったです。競輪をやらないと近畿に勝てないので。日々、競輪のレベルは上がっているし、それにどういう風にして勝つか、強くなるかっていうことを意識しています」


 全プロ記念の初日では、浅井康太らの追撃を振り切り逃げ切った吉澤純平。一層、増した積極性と比例し、成績も上昇している。


 「(一次予選で敗退したダービーは)気持ち的に…。勝ち負けを考えずに走れなかったのが、悪い方に出てしまいました。出し切れずに負けたし、改めて気が引き締まりました。それもあったので、京王閣、全プロはしっかり力を出してと思って。今回もやることは一緒。力を出して一個、一個勝ち上がりたい」


 武田豊樹は、約1ケ月ぶりの実戦となった6月函館ナイター記念が一息の成績。今回はグランプリを制した思い出の地で、結果を追求する。


 「函館は結果が出なかったけど、(状態が)ひどいとは思わなかったです。でも、結果が出ていないので出したいですね。体力的な準備はしてきました」

12R

選手の写真です。
深谷知広選手

 前回のダービーは1走目の特選で落車失格で終わった深谷知広(写真)。今回こそは、一層パワーアップした脚力で別線を脅かす。


 「(ダービーの落車は)大きな怪我はなかったので、すぐ3日後くらいから練習は再開しました。伊豆でもモスクワ(グランプリ2018)でも自己ベストが出ているし、調子は悪くない。パワーもスピードもアップしていますね。あとは、競輪の走り方をちゃんとできれば戦える状態にあると思います。(今回から投入する新車を指定練習で)初めて乗ったんですけど、今のところは悪くないです」


 三谷竜生はダービーを優勝し、史上7人目となる大会連覇を達成。その後は全プロ競輪、函館ナイター記念と決勝を逃しているが、状態に問題ない様子だ。


 「調子もずっといいですし、その調子のまま練習もずっとしているので、大丈夫だと思います。(ここまでは)いつも通り過ごして、いつも通りしっかり練習できたと思います。(状態は)問題ないと思います。(高松宮記念杯に向けて特別にやってきたことは)とくにないですね。近畿地区であるっていうこともあるんですけど、この高松宮記念杯は僕も小さいころからずっと見てきたので、その思い入れはありますし、しっかり結果を残せるように頑張りたいです」


 ダービーでは、世界で戦う実力をまざまざと見せつけた脇本雄太。今回も圧巻の走りで周囲を驚かせるか。


 「(ダービーでの好走は)たまたまですよ。(ダービー後は)モスクワのレースに1回集中して練習して。そのあとは時差調整も含めながら普段通りの練習をしました。(競技と自転車が違うが)慣れてるんで大丈夫です。(状態は)走ってみないとわからないですね。去年(の高松宮記念杯)は出られなかったので、今年は地元地区のGIでしっかり結果を出せるように頑張りたいと思います」


 村上義弘は全日本選抜、ダービーをそれぞれ準V。「僕は2着しか取れないということです」と、話すも、ハイレベルでの安定感はさすがの一言。


 「(6月函館ナイター記念のあとは)疲れもだいぶ溜まってたんですけど、普通の練習を。(感覚は)そんなに変わらないです。トレーニングはとくに変えてないんですけど、気持ちの面で。今回は地元地区のGIだし、応援してくれる人もたくさんいるので頑張りたい」

1R

選手の写真です。
菅田壱道選手

 前受けを強いられた渡邉雄太を押さえて、横山尚則が誘導後位に入る。菅田壱道(写真)は切り込みながら4番手をキープ。7番手の渡邉が打鐘から巻き返すと、横山も誘導を交わしてペースを上げる。不発の渡邉ラインにかぶった菅田は、最終3コーナー過ぎにようやく外に持ち出して追い込む。ゴール寸前、ハンドル投げで白星をもぎ取った。


 「自分は朝練もやっているし、1レース自体が苦じゃない。(高橋)陽介さんがいい位置を取ってくれたんで、中団、中団を回れる流れだった。(渡邉)雄太がもっと前に行ってくれれば良かったけど、あれで外に持ち出せなくなった。踏んだ感じ、伸びは悪くない。自分は良かったけど、ラインが…。3車だったんでひとりでも多く(勝ち上がれるように)と思ってたんで。この1着で準決が決まったのは大きいし、調子が悪いって言ったらウソになる」


 果敢に風を切った横山の番手で、芦澤辰弘が渡邉の反撃を阻む好ブロック。2着に追い込んだ。


 「僕だけの力じゃなくて、横山の頑張りと気持ちの強さ。それに(志村)太賀さんの技、しっかり内を締めてくれてたから、僕が大きくもっていけた。ラインの結束で、みんなで勝ち上がれたのは大きい


 

2R

選手の写真です。
山田久徳選手

 竹内雄作が先に動いた山田久徳を打鐘で押さえて主導権。すぐさま巻き返した取鳥雄吾を不発に追いやって風を切る。そのまま後続の追撃も許さず、逃走劇を完遂した。


 「山田君が切ってから踏んだので、そこで出ればスピードが上がりやすい。後ろの状況はわかっていなかったですけど。ペースに入れて、早めに来られても合わせる気でいました。GIで1着が取れたのはプラスですね。直前に腰を痛めてケアをする感じだったので不安はあったけど、逃げ切れているので。良かったころの感覚よりもいい感じで駆けられたと思う。でも、安心してはいけない。まだ上では通用しないと思うので」


 中部勢を受けた山田久徳(写真)は3番手を確保。最終2センターからまくり気味に追い込んだが、竹内を交わせず2着まで。


 「取鳥君ラインの4番手よりも、竹内君ラインの3番手の方がいいかなって。思った通りのレースにはなったんですけどね。2コーナーでいけたら良かったけど、掛かっていましたね。椎木尾(拓哉)さんにも迷惑を掛けてしまった。あれが脚力差ですね」


 竹内マークの北野武史は、絶好の展開を生かせずに4着。


 「見てくださいよこの汗。(竹内が)真剣に強すぎでしょ。あれが竹内君のペースかもしれないけど、自分からしたらフカシ過ぎじゃないって感じの踏み方。最後も踏み直されてもういっぱいでした」


 

3R

選手の写真です。
根田空史選手

 根田空史(写真)の上昇に反応した小松崎大地が、突っ張り気味に踏んだ和田真久留を強引に押さえる。この様子を見ていた根田は、すかさず踏み上げて小松崎を打鐘の4コーナーで叩いた。成清貴之が離れて単騎での逃げとなったが、そのまま力強く逃げ切り。


 「前のレースでの(竹内)雄作さんを見て、先行が有利かなと。でも、もともと先行する気でいました。(小松崎と和田の)踏み合いに参加しても意味がないので、様子を見ながら落ち着いて。(小松崎が番手に入って)影が見えたら踏もうと思っていたんですけど、来なかったのでペースに入れました。バックから流れたので、そこでスピードに乗せて。逃げ切れたってのが大きいですね。逃げ切れたのは久しぶり。いいキッカケになると思う」


 根田に叩かれた小松崎は番手にハマったが、空いた車間がなかなか縮まらない。その後ろから、山崎芳仁が追い込んで2着に入る。


 「小松崎君が前々に踏んでくれて、頑張ってくれた。(追い込んだタイミングは)ギリギリのラインですよね。あれ以上、早くても遅くてもダメ。踏んだ感じは悪くなかったです。前回(大宮FI)も調子は悪くなかったし、今回も悪くない。あとは、タイミングさえ合えば」


 小松崎大地が3着。根田にゴール前で追いつくのが精いっぱいだった。


 「駆けるつもりでいました。番手にハマってからの動きが反省点ですね。車間の詰めかたとか、仕掛けるタイミングとか。(追いつく)感覚だったんですけど、根田君が強かった。同じレースはないでしょうけど、次に生かせたら。感触は悪くないですね。ラインのみんなが勝ち上がって、本当に良かったです」


 

4R

選手の写真です。
原田研太朗選手

 いったん川村晃司に併せ込んでフタをした清水裕友は、赤板の2コーナーで出て先行態勢を取る。そこに川村が襲い掛かり、両者の踏み合い。絶好のまくりごろになった原田研太朗(写真)が、最終ホームから踏み込む。叩き切った川村をスピードの違いでとらえて、橋本強の追い込みを振り切った。


 「良かったです。清水があそこまで行ってくれたら、僕に展開が。あれで届かないようなら…。(橋本)強さんに差されたらしょうがないと思っていたけど、あそこで(行って)差されるようじゃ今回はキツいですよね。1着を取らなきゃいけない状況で取るのも難しかった。(2日目)白虎賞に勝ち上がれたのは大きい」


 「1着と2着じゃ、全然違うし、あれを抜けるようにならないと」とは、原田に半車身差でゴールした橋本強


 「(原田は)自分のタイミングが来たら、ちゅうちょしないで行ってくれればと思ってた。(出切って)あとは抜くか抜けないかの勝負だった。(原田の)踏み直しがすごかった」


 飛び付いた清水がキメられ力尽きると、切り替えた池田良が川村と南修二の間を伸びて3着。


 「(清水)裕友は川村さんを出させるかと思ったけど、もうスイッチが入ってましたね。あんだけ頑張ってくれたんで、先にさばいておけば裕友にもチャンスがあった。申し訳ない。最後はあそこに行くしかなかった」


 

5R

選手の写真です。
菊地圭尚選手

 郡司浩平にフタをしていた早坂秀悟が、先に切っていた長島大介を打鐘の2センターで強引に叩いて先行策。3番手の和田圭が離れてライン2車となったが、ハイペースで駆けていく。最後は絶好の展開となった菊地圭尚(写真)が、チャンスをモノにした。


 「(早坂)秀悟のタイミングがあるからなんとも言えないけど、もうワンテンポ早く仕掛ければ、すんなり(ラインの)3人で出られたと思う。アイツの踏み出しにはいつも目を覚まさせてもらうけどね(笑)。僕も自力でやっていたからなんとか付いていけた。最近は成績も落ちていたけど、和田(圭)君が前を回してくれて、責任感が芽生えて気合が入りました」


 叩かれた長島は、早坂ラインに車間が開いての3番手。3コーナーで追いつくと、その後ろの牛山貴広が直線で伸びて2着に食い込んだ。


 「長島君は先行も考えていると言ってくれていた。(打鐘で)あれだけ踏んでくれたので良い位置が取れたと思うけど、半周は踏んでいたからキツかったと思います。僕は2着に突っ込めたし悪くないと思う」


 前と離れた和田圭は、郡司浩平をキメて6番手に降りる。2センターからインを突いて3着に入ったが、「俺がしっかりと付いていれば。(早坂)秀悟に申し訳ない…」と反省に終始した。


 

6R

選手の写真です。
小倉竜二選手

 唯一のライン3車となった太田竜馬が、先に動いた山田英明を打鐘で押さえてレースを支配。隊列は最終ホーム、バックと一本棒で通過する。番手の小倉竜二(写真)は冷静に別線の動きを確認し、直線で抜け出した。


 「あそこまで頑張ってくれたら、1着を取らないといけないと思って。ちょっと踏むのが早いかなって思ったけど、太田君も力を付けてきているので残ると思って踏みました。落ち着いていましたし、カカっていましたよ。前回の平塚は展開が良くなかったけど、状態は上向いています」


 徳島勢を受けて4番手を確保した山田英明。2センターからようやく仕掛けたが、前団を飲み込むことはできずに3着まで。


 「河端君が世界で戦っているのを見ているし、やっぱり警戒しますよね。でもしっかりと自分のレースをしようと思って。井上(昌己)さんも付いていたし、早めに仕掛けようと思っていたけど遅くなりました。組み立ての部分は悪くなかったけど、車の進みが良くなかった。前回から少し変えた部分もあるので、ちょっと修正します」


 果敢に攻めた太田竜馬は直線で失速。それでも、5着で二次予選に勝ち上がった。


 「最後ちょっとタレてしまったけど、内容的には良かったと思います。ホームは先行態勢に入って誰かが来たら飛び付けるようにって思っていました。バックから踏み上げる感じで、上手く駆けられたと思う」


 

7R

選手の写真です。
神山拓弥選手

 飯野祐太が前受けの岩本俊介に並びかける。その上を吉田拓矢が打鐘で押さえて主導権を握った。岩本は北日本勢をすくって中団を確保。別線の動きを確認して最終1センターから踏み上げる。吉田マークの神山拓弥(写真)は岩本を執拗にけん制して勢いを止めると、直線で差し切った。


 「岩本さんが中団に入ったのがわかって。まくりかなって思っていたら、早めに来たみたいですね。吉田君はいつも頑張ってくれるから、頑張りがいがあります。それに対して自分もみせていかないと。(執拗にけん制したのは)あれくらいやらないと、岩本さんだから止まらない。上手にできたので良かったです。疲れがたまっているけど、もっと良くなると思います」


 吉田拓矢が2着に粘る。強い気持ちでレースに臨み、茨栃ワンツーを決めた。


 「もともと主導権を取る気持ちでいました。岩本さんが中団なのに気がついたので上がったりして。あのへんはうまくできましたね。ゴールまで踏めたし、感覚は良いです。宮杯(高松宮記念杯)の4、5日くらい前に、武田(豊樹)さんとかとご飯にいって。そこで(落車が相次いでいるが)マイナスになることはない。転んだことで得られることもあると言われて。そういう言葉で気持ちが楽になりました」


 南関3番手を回った内藤秀久は、3コーナーからインを進出して3着に入った。


 「何も緊張していなくて。どうするんだって思っていたけど、結果的によかったのかも。開き直りですね。(3着に入れたのは)たまたまです」


 

8R

選手の写真です。
北津留翼選手

 北津留翼の上昇に、前受けの小川真太郎は4番手まで下げる。小川との併走から松岡健介が押さえて出て、その上を小川がカマシ気味に叩いて先行策。小川ラインの4車が出切って、小気味いいリズムで駆ける。7番手に置かれた北津留翼(写真)は、最終2コーナーで踏み出すと一気に前団に肉迫。長い中四国ラインが止まって見えるほどのスピードで、北津留が楽にとらえてメモリアルの通算300勝を飾った。


 「そう(あと1勝で通算300勝)聞いていたんで、今開催で1回くらい勝てればと思っていた。(7番手になって)僕も一生懸命(前と)同じスピードまで上げて、あとは行けるところがないかなと。(自分より前のレースで)溜めていった人が4コーナーで追いついてなかったし、大塚(健一郎)さんに付いていただいているんで早め早めと思っていた。態勢が整ったら(仕掛けて)行こうって。とりあえず行って、あとは(勝ち上がり権利の)5着まで我慢だと。まさか1着が取れるとは思ってなかった」


 大塚が離れて、逃げる小川の番手から追い込んだ香川雄介が2着に入った。


 「しっかり(別線を)確認していたんで、(まくりが)来るとは思わなかった。(北津留は)ごっつええピードだった。自分ものみ込まれたら終わりだし、(北津留に)出切られて焦った」


 「超ラッキー。自分はよく追いかけた。(北津留は)ヤル気出したらすごいね」とは、北津留の踏み出しに遅れながらも3着を確保した大塚健一郎


 

9R

選手の写真です。
新山響平選手

 中団から先に茨城コンビが動いて、そこを新山響平(写真)が押さえて打鐘手前で主導権を握る。3番手で粘った杉森輝大が伏見俊昭と絡んだ最終ホーム手前で、山中秀将が反撃に出る。逃げる新山も全開で踏んで合わせる。3コーナーで山中に並ばれた新山だったが、コーナーで盛り返して二の足で逃げ切った。


 「前回の函館記念でも長い距離を踏んでいたし、まずは先手を取ってからと思っていた。すんなりと出させてもらえたので自分のペースで駆けられたと思う。もちろん、ラインの2人の援護も大きかった。いままで山中さんにはまく


られてばかりで天敵だったので、勝ててよかったです」


 山中にかぶった桐山敬太郎だったが、千葉を追いかけて最終2センターから外に持ち出して2着に伸びた。


 「早い段階で2回は仕掛けるポイントがあったんだけど…。そのあたりの課題はある。でも、タテに踏めば伸びる手応えを感じていたし、前回の最終日も長い距離を踏めていたのでいい状態はキープできているのかなと」


 新山マークの成田和也は、視界が開けた直線で踏み込むも3着がやっと。北日本ワンツーならずに反省する。


 「(ワンツーを決められず)情けない。もう少し余裕があれば良かったんでしょうね。新山君が強かった」


 

10R

選手の写真です。
古性優作選手

 押さえに出た阿竹智史の内から柴崎淳が盛り返す。両者の決着がつく前に石塚輪太郎が仕掛けて、打鐘の2センターからスピードに乗せて駆ける。近畿3車で出切って、4番手は柴崎が奪取。番手の古性優作(写真)は柴崎をギリギリまで引きつけて、最終4コーナーで外に振って直線で追い込んだ。


 「本当に(石塚)輪太郎がめちゃくちゃ強かった。最後は難しい感じで危ないもっていき方で不細工でした。体の使い方とかは良くなっているし、前回よりも良い」


 7番手の阿竹は不発。渡部哲男は阿竹の外に進路を取ってシャープに伸びて2着に届いた。


 「阿竹もジャンで脚を使わされてしまっていたから。柴崎君に翻ろうされてしまった。(阿竹が)外を踏めば内だと思ったけど、内はずっと締まっていたので、イチかバチか外を踏んだら伸びましたね。前回の青森は連日バック9番手。今回は8番手だったから」


 近畿ライン3番手の澤田義和は、直線の入り口で窮屈になりながらの3着。


 「付いていくぶんには良かったけど、みんな強いからね。最後も危なかったです。1走して刺激も入ったし、2日目はもう少し良くなると思う」


 

11R

選手の写真です。
渡邉一成選手

 東特選は、渡邉一成(写真)が制して好スタートを切った。レースは大方の予想通り、ライン4車の吉澤純平が打鐘で先行策に出る。先に動いた木暮安由が中団を確保。前受けの新田祐大は7番手に置かれるも、最終2コーナーから満を持してスパートする。目の覚めるようなスピードで前団をひと飲み。この仕掛けに続いた渡邉一成がゴール寸前で交わした。


 「吉澤君が流すことなく踏んでいくと予想していました。でも、新田君が踏み出した瞬間に行けるなと。新田君の気合いが伝わってくるレース内容でしたね。久しぶりの1着ですし、GII、GIの勝ち上がりに失敗していて焦りもありました。今年は少ない出走本数の中でGI、グランプリにチャレンジしないといけない。しっかり結果を出すことがSS級の使命だし、自分の挑戦だと思う。この1着が原動力になると思います」


 新田祐大が2着で福島ワンツー。圧巻のスピードで別線を粉砕してみせた。


 「本当はもっと早いタイミングで行きたかったんですけど。吉澤さんのスピードと平原(康多)さんの車間切りがキツくて。でも、加速や自転車とのフィーリングよりも力をいかに自転車に伝えるかを考えていて。最後はいっぱいでしたけど、納得いくパワーの出力を出せたと思います。2日目以降も楽しみですね」


 新田をけん制した平原康多は、止められないと判断して2センターから前に踏む。その平原後位から、武田豊樹が差し脚を伸ばして3着に入った。


 「吉澤が思い切り駆けたから、後方はキツいかなと思っていたんですけど。(新田の)スピードがよかったですね。平原君は判断が難しそうでした。(吉澤を残したいという気持ちが原因で)いかれたところがあると思う。(自分は)余裕があったし、(踏んだ感触は)悪くないです」


 福島3番手の佐藤慎太郎は、前の渡邉と車間が空いてしまう。それでも懸命に踏み続けて4着に入り、青龍賞へ勝ち上がった。


「あれ以上は脚が回らなかった。やっぱり新田は強いね。3着まで行けたらかっこよかったけど。でも、状態は良い方だと思います」


 

12R

選手の写真です。
脇本雄太選手

 赤板手前で誘導を降ろして先頭に立った稲垣裕之が、先行態勢を取る。深谷知広は脇本雄太(写真)との併走から2コーナーで踏み込むも、稲垣は逃げる腹を固めて突っ張る。深谷が強引に稲垣を叩くが、浅井康太が村上義弘と絡んで前団はもつれる。脇本がタイミングを逃すことなく、打鐘の4コーナーから反撃。逃げる深谷をあっという間にとらえて、上がりタイム10秒7でそのまま押し切る圧巻のパフォーマンスを披露した。


 「ジャンでは余裕があった。2センターではもう行こうっていう感じだった。ラインで決めるっていう気持ちだったし、桑原(大志)さんも(3番手に付いて)いると思った。もう最初からスカスカしたのもあってキツかった。脚はいっぱいでした」


 3番手以下を大きく離して脇本とのゴール勝負になった三谷竜生は、交わせずの2着。


 「(脇本は)流れに乗っていたんで、ずっと流れていた感じでした。僕は任せていただけなんで、なにもしてない。後ろに付いていて強いなっていうのがある。自分は抜けてないので頑張ります」


 浅井をさばいた村上義は、稲垣の余力を確かめてから脇本、三谷を追いかけたが、その車間は詰まらない。村上義に乗った村上博幸が、ゴール寸前で交わして離れた3着に上がった。


 「走る前から脚力落ちしているって思っていたけど、改めて自分の脚力を向上せなアカンと。3着ですよね、レースには参加できてよかった」


 最終1コーナーで浅井との併走に決着をつけた村上義弘は、自力に転じて別線の同地区の2人を追うもいっぱい。


 「僕は浅井に絡まれて、そこからだった。浅井に引っ掛かって脚力をロスした。稲垣も車間が詰まっていかなかったんで、ああなりました」


 

1R

選手の写真です。
柴崎淳選手

 早坂秀悟にフタをした取鳥雄吾が赤板の2コーナー手前で踏み込むと、柴崎淳(写真)も合わせて踏んで器用な立ち回りで絶好の3番手を確保する。早坂が7番手に構えて、取鳥がそのまま駆ける。前団との車間を空けた柴崎が、まくり追い込みでチャンスをモノにした。


 「前回よりは悪くないんじゃないですか。初日も行けてましたね、もったいなかった。オールスターもそうですけど、(10月の)寛仁親王牌が特選なんでそこら辺に合わせられるように上げていきたい」


 逃げた取鳥の番手の園田匠は、真後ろにいた柴崎のまくりに屈するも、2着はキープした。


 「1着を取りたかったですね。せっかく取鳥君が行ってくれたし、もっとズバッといきたかった。初日の感じだったらもっと伸びると思ったけど、バンクが重たかった」


 

2R

選手の写真です。
黒田淳選手

 河端朋之にフタをしていた和田真久留が、打鐘で切った杉森輝大の動きに続く。これで視界が開けた河端は、すぐさま踏み込んで打鐘の4コーナーから先行策。番手の黒田淳(写真)は車間を切って別線の反撃に備えると、ゴール寸前で差し切った。


 「河端のおかげですね。まずは付け切ることを目標にしていました。最後は踏み直されて差せないかと思ったけど、なんとかですね。最近は番手回りが増えてきて、どの辺で踏み込んだらいいのかがわかってきました」


 河端朋之が2着。積極的に攻めて、岡山ワンツーを決めた。


 「判断良く叩きに行くことができたと思う。(和田)真久留が先行する流れになれば、まくりで勝負と思っていたんですけどね。初日は仕掛けるタイミングが遅くなって失敗したけど、感覚は悪くなかったので。競技では4.50近くのギアを踏んでいますけど、脚の回転を上げる練習もしているので3.93のギアがスカスカするとかはないです。しっかりと力をペダルに伝えられていると思う」


 

3R

選手の写真です。
岩本俊介選手

 打鐘で松岡健介に押さえられた岩本俊介(写真)は、坂本亮馬にすくわれて7番手。それでも4コーナーで仕掛けた坂本ラインを追うと、1センターから踏み込んで前団をまくり切る。続いた岡村潤の追撃も許さずにゴール線を先頭で駆け抜けた。


 「初手で前を取らなくても、こういう風に攻められて良かった。単独になりたかったので、(坂本に)早くしゃくってくれと思っていました。でも、(坂本)亮馬は脚がありますね。あれで、松岡(貴久)君に番手まくりを打たれていたらキツかったです」


 岡村潤は岩本の仕掛けに車間が空くも、最終バックで付け直して2着を確保。


 「スタートで油断していて、思っていた位置が取れなかったです。あとは、もうちょっと岩本の仕掛けにピッタリ付いていけたら。三谷(将太)君にもってこられていたら、追いつけなかったかもしれない。(車間が空いてしまった原因は)脚と反応ですね。最後も後ろに(松岡)貴久がいたので、ちょい差しのイメージをしていたんですけど、差せなかったです」


 

4R

選手の写真です。
松浦悠士選手

 北日本、南関の順で出たところを清水裕友が、打鐘の2センターから先頭に立って主導権。清水はそのままペース上げる。3番手の郡司浩平は車間が空いて、巻き返した阿竹智史が中国コンビに続く。5番手からの立て直しを余儀なくされた郡司のまくりは一息。番手の松浦悠士(写真)が、直線できっちり抜け出した。


 「(清水の踏み出しに)空けている感じでした。自分が遅れて来た方が郡司君のタイミングが取りづらいと思った。清水君が頑張ってくれて、かなり掛かっていた。強さを感じました。あれくらい行ってくれれば、僕も(別線のまくりを)止められるなっていうのがあった。ただ、清水君が3着ですからね、ワンツーが理想。だけど(最終)2センターからだいぶタレていた」


 3番手に入った阿竹智史は、まくりで迫った郡司との間合いを計って外を追い込んだ。


 「入るところがなかったら、あのままカマシと思っていた。中四国だけど、(清水と)やり合うのも仕方ないかなと。そしたら(3番手が)だいぶ空いていた。そのあと郡司君が外したのもわかったけど、さすがにそこまで来ないだろうとは。(踏んだ感じは)あんまり良くなかった」


 

5R

選手の写真です。
吉澤純平選手

 吉澤純平(写真)を警戒していた飯野祐太が、打鐘で飛び出しハイピッチで駆けていく。吉澤は北日本勢の動きに続くと中団に入る。最終1センターから踏み上げて、一気に前団をまくり切った。


 「同県の4車で連係できたので、逃げでもまくりでもしっかりと仕掛けようと。飯野君の仕掛けを構えずに追いかけられたのが良かった。ペースを上げたので中団まで踏み上げるのが精いっぱいだったので、そこで内をキメるしかなかったですね。(中団を取った後のまくりは)最後まで踏み切れました」


 牛山貴広がきっちり続いて2着。レース後は安どの表情を浮かべた。


 「吉澤君が力でねじ伏せる強いレースをしてくれた。僕は前に離れたこともあるので集中して臨みました。2、3カ月前から状態が良くなっている感覚があって、結果も出てきた。前と後ろのおかげですけどね」


 芦澤辰弘も3着に入り、茨城勢で上位独占を果たした。


 「吉澤さんが強いレースをしてくれました。それぞれが役割を果たしましたね。体調も日を追うごとに良くなってきたかな」


 

6R

選手の写真です。
筒井敦史選手

 赤板過ぎに中川誠一郎が切って出ると、3番手がもつれる。外の太田竜馬を張りながら強引に仕掛けた稲垣裕之が主導権を奪取する。連結を外した川村晃司、南修二が付き直し、近畿勢が3車でドッキング。稲垣後位にいた太田は川村に張られて後退。単騎の筒井敦史(写真)が近畿ラインに続いて、インに包まれた中川も仕掛けられない。4番手の筒井は最終2センターで南の内をすくって、直線で稲垣と川村の間を突き抜けた。


 「奇跡が起きました(笑)。起こしてやりました。稲垣君が頑張って太田ともつれるくらいしかチャンスはないと思っていたけど、その通りになった。(3番手の)南君が早めに踏めば、そのままついて行った。けど、踏まなかったんで、先に踏ませてもらいました。練習の感覚も良くなってきているし、コースさえ空けば最近は突っ込めている」


 一度は連結を外した川村晃司だったが、稲垣の番手を守り切って2着に追い込んだ。


 「ジャンで離れてしまって。不慣れななかで、なんとか。付け直せたから良かった。外は確認していたけど、筒井君までは確認できなかったですね…」


 若い太田を相手に力勝負の稲垣裕之は、打鐘から主導権を明け渡すことなく川村と息を合わせて3着に粘り込んだ。


 「先行したのは流れのなかでしたけど、しっかり体も反応してくれました。最後は失速してしまって、ラインの3人で決めることはできなかった。でも、ここ最近のなかでは一番いい感触で走れました。GIの舞台で勝ち上がれる先行ができたのは自信にもなる」


 

7R

選手の写真です。
海老根恵太選手

 吉田拓矢が打鐘で桐山敬太郎を押さえて、抜かりなく主導権を握った。しかし、前受けから8番手に下げた小松崎大地が軽快なスピードで迫ると、両者でサイドバイサイドの展開に。2センターで踏み勝った吉田が逃げ切った。


 「しっかり主導権を取ってと思っていました。でも、まだまだ課題はありますね。ペースが落ち着いてしまって、小松崎さんに来られてしまっているし。もっと後ろが仕事をしやすいような駆け方をしないと。そういうところをうまく意識して走りたい。余裕があるので、(状態は)いいと思う。こういう(積極的な)走りをして、力をつけていきたい」


 南関3番手を固めた海老根恵太(写真)は、最終バックを8番手で通過する大ピンチ。しかし、直線で中のコースを伸びて2着に入った。


 「前の2人(桐山、松谷秀幸)が頑張ってくれたおかげです。3コーナーで詰まった時に踏みたかったけど、諸橋(愛)さんに先に入られてしまって。もう外は届かないと思って、コースを探しながら行ってみたら、たまたま空いたって感じです。このメンバーで2着は最高ですね。GIIの準決は今年のウィナーズ(カップ)でのっていますけど、GIの準決は久しぶり」


 志村太賀は目標の小松崎大地と連結を外し、中団で外併走。しかし、バックで神山雄一郎をキメると、長島大介を最終2センターですくって3着に食い込んだ。


 「小松崎さんはジャンのところで引くのが遅れて。それで仕掛けるタイミングがズレてしまったと思います。でも、すごいスピードでしたね。最後は長島君にあたりづらかったけど、ここしかないと思って。準決は頑張るとしか言えない。GIの準決が初めてなので」


 

8R

選手の写真です。
浅井康太選手

 井上昌己が打鐘で切ったところを石塚輪太郎が、迷いなく踏み込んでレースを支配する。3コーナーで小川真太郎がインを突いて、中団がわずかにもつれて浅井康太(写真)は7番手。最終2コーナー手前からまくりを打った浅井は、抜群のスピードで前団に迫る。直線半ばで和歌山勢をとらえて、最後は余裕をもってゴール線を駆け抜けた。


 「前を取るつもりはなかったけど、流れのなかでああなりました。周回中はそういう(7番手に置かれる)展開になるかなと。道中、小川君が内に行ったんで、そのぶん展開が向いた。大塚(健一郎)さんが離れていたんで、様子を見てしまった。もう少し早いタイミングで行けたかなと。天気のせいか重たかった。初日に失敗したぶん、ここは絶対に勝たなきゃっていうのがあった」


 同県の石塚を目標に追い込んだ椎木尾拓哉は、浅井の強襲に2着。4着で準決進出を逃した後輩を気遣い言葉を選ぶ。


 「(石塚)輪太郎はいい掛かりだった。でも、浅井さんが強すぎた。僕はあんまり余裕がなくて、輪太郎に連れていってもらった。いいレースをしてくれました。そのぶん、準決はしっかり」


 1車すくって4番手に入った小川真太郎は、最終バックからまくってしぶとく3着に入った。


 「位置取りを意識してっていう感じでした。ただ、(井上)昌己さんと争っても、浅井さんに行かれるだけなんで5番手で行こうと思っていた。(結果、4番手まくりだったけど)3番手だったらまくれてたと思う。それでもよく我慢できた。悪いなりにレース内容は良かったと思う」


 

9R

選手の写真です。
木暮安由選手

 平原康多を押さえた横山尚則が、巻き返してきた渡邉雄太を突っ張って気迫の先行策に出た。平原は和田健太郎に斬り込まれて6番手となったが、再び仕掛けた渡邉目掛けて最終2コーナーからアタック。番手まくりで応戦した芦澤大輔をものともせずに、一気に前団を飲み込む。この仕掛けに続いた木暮安由(写真)が、ゴール寸前でわずかに交わして1着。


 「まずはラインでしっかりと決めることが大切。僕は付いていただけでサラ脚だったので」


 力の違いを見せつけた平原康多。しかし、「2度危ない場面があって。バックを踏まされて脚を使った」と、楽な展開ではなかったと話す。


 「立て直しても余裕があったわけじゃないけど、後ろに木暮君が付いていたので。初日に僕の判断ミスもあったので、なんとかラインで決めようと。1番人気にもなっていたからね」


 前受けの山崎芳仁は、最終ホームを8番手で通過する。平原ラインを追いかけるように踏んで3着。


 「前受けになると思っていなくて。レースプラン通りではなかったですね。結果的にあの位置になって、流れ込む展開になりました」


 

10R

選手の写真です。
山田英明選手

 赤板手前で山田久徳が押さえて出ると、前団に構えた深谷知広はちゅうちょせずに7番手まで下げる。タイミングを取りながら、深谷は打鐘の4コーナーからスパート。合わせて山田英明(写真)も仕掛ける。深谷が前団をのみ込むが、後ろは吉田敏洋と山田英の併走。吉田をさばいた山田英が、ゴール前で深谷を交わして1着。


 「本当は(深谷より)先に仕掛けたかったけど、出られてしまったので。でも、すぐに次に切り替えられました。初日は車の出が良くなかったから、ハンドルを戻したら良くなりました。ずっと使っていた物だから安心感がある。最後どこまで詰められるかなって思っていましたけど、(深谷を)差せた。やっぱり1着はうれしいですね。でも、ラインを連れ込めていないので課題は残りました」


 中団の山田英がつくったあおりを受けながら、7番手から前団をとらえた深谷知広だったが最後は山田に屈して2着。


 「もうちょっとですね。徐々には良くなっています。すんなりな展開ではないなかでしっかりと踏めていた。ちょっと末が甘くなってしまったので、しっかりと修正したい」


 深谷ライン3番手の志智俊夫は、吉田が外に振られると山田英にスイッチ。香川雄介の落車で審議対象も、セーフの判定で準決行きが確定した。


 「自分は少し離れてしまって…。(吉田)敏洋のお尻がデカくて前が見えなかった。(香川と)ちょっと当たってしまいましたね」


 

11R

選手の写真です。
新田祐大選手

 渡邉一成が、初日に続く新田祐大とのワンツーで連勝を果たした。レースは新山響平が打鐘で主導権を握る。武田豊樹は番手に飛び付こうとしたが、失敗に終わって3番手に。一本棒で最終ホームを通過すると、6番手の新田祐大が1センターからスパート。直線入り口で新山をとらえる。渡邉は新田にきっちりと続きゴール寸前で交わした。


 「全部、新田がレースを進めてくれました。自分は(最終)4コーナーだけだったので、そこに集中して。新田の強さが際立っていましたね。新田が行けないようだったら、自分も行けないし。そもそも新田が行けないような選手はそんなにいない。青龍賞は仕事をする選手もいなかったし、自分は真っすぐ走るだけでした。少ないレースでグランプリにチャレンジしているので、(準決も)チャンスをしっかりモノにしたい」


 新田祐大(写真)が連日見せている驚異のスピードに、周囲からはため息がもれる。


 「武田さんが内にいったけど、思ったより隊列がのびやかになってしまいましたね。(仕掛けるタイミングは)良かったように思えるけど、タイムはそんなに良くないんじゃないんですか。でも、初日と同じような仕掛けになって。新山、武田さんを動かしているし、悪くはないと思う。連日、力を出し切るレースができています」


 菅田壱道は、再び内から絡んできた武田を凌いで番手を死守して3着に入った。


 「新山が切るタイミングが遅くて。(武田が)粘ってくる想定はしていました。焦らずに体が動いてくれましたね。(競り勝って)武田さんが後ろに入ってからが難しかった。車間を空けたら来られちゃうし、空けたらしゃくってくるので。ただでさえ、新田さんのスピードはすごいのに、前団がゴチャついてしまっては。でも、新山の番手を守り切って確定板に乗れたのは良かった。これからこういう(番手を回る)レースが増えてくるかもしれない。みんなが見てるレースでアピールできたのは大きいです」


 新山響平は持ち前の積極策で勝負に出たが、力及ばずシンガリ負け。


 「力んでしまってダメでした。新田さんは(最終)1センターか2コーナーくらいで来ると思っていたので、そこで踏み上げたけど。その前に踏まされていたので、掛かりが甘かった。でも、そんなに疲れもないし、脚の張りもちょうどいい。ケアをして、しっかりアップをすれば(準決も)戦えると思う」

12R

選手の写真です。
三谷竜生選手

 原田研太朗が早めに誘導を降ろして先頭に立つが、赤板過ぎに三谷竜生がそこを押さえて出る。三谷ラインに続いた単騎の竹内雄作は、カマシ気味に主導権を奪って後続を千切って逃げる。大きく車間が空くも三谷は、冷静にペースを保って脇本雄太の反撃は不発。自力に転じて最終2コーナーからまくった古性優作も、村上義弘の横まで。直線の入り口で竹内に並んだ三谷を村上義がゴール寸前で交わした。


 「(三谷)竜生がレースをつくってた。それでもどんな展開になっても脇本が巻き返して来るとは思っていた。(近畿が別線で)葛藤のなかで最後(古性)優作との併走は苦しかった。なんとかゴールまで全力でと思っていた。しっかり流れのなかで見極めていけた。三谷と脇本がこういう流れをつくってくれた」


 「想定内でした」とは、単騎の竹内の先行を読んでいた三谷竜生(写真)。大逃げを打った竹内の余力を見極める的確な判断が光った。


 「(竹内の先行を)警戒しながらでした。でも、車間が空いてしまったし、やっぱり強い。単騎であれだけ行けるんだから。自分もなんとか行けて、(村上義と)ワンツーなんで悪くはない。よかったです。竹内君が来なくても、それなりに駆けるつもりではいたんで、結果ああなった」


 最終バックからまくった原田のスピードが鈍ると、小倉竜二はコースを縫って伸びた。


 「ゴール前は4着かと思ったけど、たまにはいいでしょ。(最終)ホームで危なかったで、(原田)研太朗はそこで怯んで(まくりの)出が悪かったんだと思う。バックから行ってくれたら、行けるかなっていうのがあったんですけど」


 赤板の2コーナーから反撃に出た脇本だったが、最終ホームでは外に浮いて力尽きる。古性優作が今度はまくりで前団に襲い掛かるが不発。


 「展開は予想していた通り、竹内さんがたぶん先行するだろうなって。でも、難しいレースでした。脇本さんがアカンなっていうところで、先に内に入って脇本さんをとは思ってたけど…。そのあとは脇本さんの気持ちを無駄にしないように、自分で行けるところまでと。(2日目が)一番良かったし、最近のなかでもいいと思う」

1R

選手の写真です。
郡司浩平選手

 松岡貴久が切った上を松岡健介が出て先行態勢。しかしながら、近畿勢を追った高橋陽介がすかさず叩いて主導権を奪う。後方に置かれた郡司浩平(写真)が最終1センターからまくりを打つと、三谷将太のアシストで高橋の番手に入った松岡健も踏み込む。それでも懸命に踏んだ郡司が、1着に届いた。


 「なんとかですね。(まくりに)行ったタイミングでゴチャついて外に膨れたぶん、出切るのが遅くなった。林(雄一)さんにもうちょっとチャンスがあれば。自分の感じがもうちょっとしっくりきてないところがある」


 最終ホームで竹内智彦をさばく好援護を見せた三谷将太が、松岡健に乗って追い込んだ。


 「連日、前に行ってもらっているんで。あとは応えられるように自分でできることをやるだけです」


 

2R

選手の写真です。
金子貴志選手

 早坂秀悟が打鐘手前で出るが、取鳥雄吾もすぐさま巻き返して激しい主導権争いに発展。これで展開が向いたのは金子貴志(写真)。最終1センターから踏み上げると、軽快なスピードで前団をまくり切った。


 「いい展開になりましたね。バックでは思ってた以上に流れました。やっぱり1着はうれしいです。久々なので。(今シリーズは)8、9着だったので苦しかったけど、これ(1着)があるからまた頑張れますね。(この1着を)次につなげられるように」


 近藤龍徳は金子と車間が空いてしまったが、懸命に追いかけて2着に入った。


 「ちぎれマークです。キツかった。(絡まれそうになった)池田(憲昭)さんのところもヤバかったですね。離れながらも、よく追いかけたと思う。やったほうでしょ。前が1着なら2着に入らないと」


 

3R

選手の写真です。
坂本亮馬選手

 和田真久留にフタをした清水裕友が、単騎で動いた東口善朋を打鐘で押さえて先行策。打鐘の4コーナーから踏み上げた和田に合わせてトップギアに入れる。前団がモガき合いになると、戦況を見極めていた坂本亮馬(写真)が最終2コーナーから踏み込む。大外を一気に進んで、前団を飲み込んだ。


 「溜めて、溜めての一発。最後は(小野大介に)抜かれたかと思いました。調子はこれくらいじゃないですか。普通ですよ。清水をまくれているのでね」


 小野大介は、目標の坂本をきっちりと追走。最後は迫るも、8分の1輪交わせず。


 「(坂本)亮馬は落ち着いていたんじゃないですか。強いのも知っているし、仕掛けた瞬間に行っちゃう感じでした。抜きたいと思っていたけど力不足。準備してきたつもりですけど、差せない時点で準備不足を感じますね。しっかり準備ができていれば、初日の6着が5着になって勝ち上がっていたかもしれないし、2日目も4着が3着になっていたかもしれない。そういう部分(自分の現状)をわかって、レースも勉強していかないと勝てない」


 

4R

選手の写真です。
笠松信幸選手

 岩本俊介を警戒しながら打鐘手前で柴崎淳が主導権を握り、岩本は一本棒の7番手に置かれる。最終ホームで岩本が巻き返すと、北野武史が岩本を大きくけん制。踏み合いの中部と南関ラインが重なって直線を迎える。中部3番手で脚を溜めていた笠松信幸(写真)は、コースを探して中をシャープに伸びて高配当の1着。


 「香川(雄介)さんもいたし入ってくるだろうから、自分は内を締めていた。(最終)4コーナー手前でちょっと詰まって、コースを探してバックを踏んだ。そこから確実に行けるところを踏んだ。(柴崎)淳が頑張ってくれて、北野さんが番手の仕事をしてくれて、そのおかげです。初日も伸びていたし、次も楽しみですね」


 北野のブロックを乗り越えたロングまくりの岩本俊介は、逃げる柴崎に踏み勝って2着。


 「(再発走があったんで)2度のスタートで脚にきましたね。ただ、それも言い訳になってしまう。仕掛けたら前も遠かった。最後は落っこちてしまうかと…」


 

5R

選手の写真です。
中川誠一郎選手

 後方から動いた中川誠一郎(写真)は前受けの渡邉雄太に突っ張られると、車を下げずに3番手の河端朋之と併走する。渡邉雄は別線の動きを確認し、徐々にピッチを上げて先行態勢へ。中川は最終1センターから踏み上げると、渡邉晴智のけん制を凌いでまくり切った。


 「今シリーズは展開が、向かないですね。少し押さえに行くのが遅かった。無理に前へ出ても河端君の仕掛けを誘うだけなので。この外併走からまくる作戦は、いつも使えるわけじゃないですよ(笑)」


 逃げた渡邉雄の番手から、渡邉晴智が追い込んで2着に入る。


 「スタートは少し待って誰も出なかったので取りました。それにしても、あの外併走から中川君は(渡邉)雄太をまくってしまうんだね。僕たちとしては最善を尽くしたと思う」


 

6R

選手の写真です。
山中秀将選手

 赤板の2コーナーで吉田敏洋が押さえて主導権を握ると、単騎の高原仁志が4番手に続いて山中秀将(写真)は5番手まで下げる。山中との併走から小松崎大地が吉田に襲い掛かって、山中の出番。山中が最終2コーナー手前からのまくりで、和田健太郎を連れ込んで千葉ワンツー。


 「ほかのラインが前を取りにいったので。無理に脚を使って前を取る必要はないかなって。後ろからの作戦もあったので。2日目に失敗しているので併走になったとしても、中団だけはと思って踏みました。結果的に(小松崎が)前まで行ってくれたので、展開が向きましたね」


 山中に危なげなく続いた和田健太郎だったが、半車身まで詰め寄っての2着。後輩を称える。


 「車番的に後ろになる可能性もあるなって思っていた。(山中は)しっかり踏んで位置も取ってくれたし、最後もすごかった。あおりもあったのにあれをまくるんだからすごい。山中をほめてやってください。自分はあのまくりじゃ抜けない」


 

7R

選手の写真です。
長島大介選手

 後ろ攻めの長島大介(写真)が打鐘手前で先頭へ。関東勢を追った石塚輪太郎は、その上を強引に叩いて主導権を握る。しかし、南修二が諸橋愛に絡まれてラインを失う。石塚を追った長島は、空いた車間を徐々に縮めると、直線半ばで交わして1着。


 「突っ張るつもりで踏まないと飛び付けないので。でも、諸橋さんが全部やってくれましたね。逃がされるとキツかったです。(石塚と車間が空いたが)ちょっとずつ加速して、追い込み勝負をしようと。これがGIの(通算)2勝目です」


 石塚輪太郎は援護を失ったが、果敢に逃げて2着に踏ん張った。


 「出切るのに脚を使ってしまいました。(長島が番手に)ハマったのはわかっていなかったです。2センターまでは踏めていたけど、最後は失速してしまいましたね。3日間バック取って、4コーナーまではもっている。あとは、もうひと粘りですね」


 南をさばいた諸橋愛が3着。「感覚が戻ってきている」と、復調を実感している。


 「(南と絡んで)脚を使ってしまいました。そのぶん、最後は伸びなかったですね。ジャンでも、長島があそこまで踏むと思っていなかったから、少し離れてしまった。そういうところがまだ甘い。でも、今回は調子がいいですね。(2日目も)コースが空かなかったけど、復調の兆しかなっていう突っ込みができた」


 

8R

選手の写真です。
太田竜馬選手

 赤板2コーナー手前でじわりと押さえて出た太田竜馬(写真)の後ろは、桑原大志と芦澤大輔で競り。桑原が外の芦澤を大きくもっていった打鐘の2センターで、山田久徳が踏み込んで太田後位に入る。マイペースで逃げる太田の後ろは山田、澤田義和。松谷秀幸が仕掛けるも3番手までで、太田が二の足で後続を退けて逃げ切った。


 「(後ろが競りだと)隊列が短くなってまくられやすくなるんで、どうかなと。ただ、(自分のラインに)競りに来てくれたっていうのも。山田さんが踏んで来たのはわかったけど、(後ろは)誰が入ったかわからなかった。風が強かったんで、ずっと踏み上げる感じだった。逃げて(1着が)決まってよかった。体が動きましたね。落ち着いてできました」


 結果的に3番手追い上げる形になった松谷は、澤田を内に押し込めて直線の入り口で山田に内から当たる。松谷の動きを確かめながら外に進路を取った内藤秀久が2着に伸びた。


 「(松谷を)見守っていたんですけど、(内に入って)もういっぱいそうだった。ああなったら自分は外しかない。初日が終ったあとですかね、後輩に見てもらってちょっとセッティングを変えた。そしたらすごく楽でした。かなりいいと思いますよ」


 

9R

選手の写真です。
菅田壱道選手

 同期の新山響平を後方に置いて、吉田拓矢が赤板の2コーナーから踏み込む。打鐘の3コーナーで吉田が主導権を握って芦澤辰弘が続くも、神山拓弥は離れ気味。合わせて踏んだ別線の平原康多が、木暮安由の援護もあって車間の空いた3番手に入る。詰める勢いで最終2コーナー過ぎからまくった平原を芦澤がブロック。平原のスピードが鈍り、付けた木暮が直線で追い込んだ。


 「いつもの通りで平原さんのおかげです。僕もあのようにレースをつくってラインに貢献できる選手になりたい。(平原は最終)3コーナーで芦澤君と当たって車の出が鈍ったと思い、そこで踏ませてもらった」


 新山が不発で最終3コーナーから切り替えた菅田壱道(写真)が、2着に伸びた。


 「(新山が)吉田君を叩くだけでは、(ラインで)決勝に乗れないと思った。だから、平原さんがインを切って、吉田君の仕掛けどころ次第で一気に攻めた方がいいと思っていた。吉田君がかなりフカしたので、ああいう流れになった。けど、僕は新山君の後ろでサラ脚だったし、最後の伸びも良かった。GI(の決勝)は2年前の松戸オールスター以来で2度目。最初は夢舞台で集中もできていなかったけど、今回は流れが向けば獲れる位置にいると思っている。勝つつもりで走りたい」


 芦澤のブロックで止まったかに見えた平原康多。そこから力でねじ伏せるも、さすがに直線はいっぱい。


 「吉田君は仕掛ける必要がないくらい、掛かっていましたよ。悔しいけど、自分の競輪をやった結果なので、力が足りなかったと言うほかはない。僕は二次予選の2着だから決勝に乗ることは無理でしょう。ただ、ラインの先頭としてやるべきことをやったと思うので、それが次につながってくれれば」


 

10R

選手の写真です。
原田研太朗選手

 徳島ラインの先頭を走る小川真太郎が、先に動いた三谷竜生を赤板の2コーナーで押さえて先行策に出る。前受けから後方に下げた深谷知広に動きはなく、最終ホームを一本棒で通過。原田研太朗(写真)は、三谷の仕掛けに合わせるようにバックから前に踏む。三谷との力勝負を制して白星を手にした。


 「ホームで来られたら止めようと思っていたけど、2コーナーだったし、スピードも違ったので。小倉(竜二)さんも付いているので踏ませてもらいました。もう少し自分がうまく車間を切れたら良かったけど。後ろに迷惑を掛けてしまった。番手回りだったので脚は楽でしたけど、気持ち的にはしんどかったです」


 原田に屈した三谷竜生だが、小倉を締め込みながら踏み続けて2着に入る。


 「ああいう展開になると思っていました。(原田の上を)乗り越えられたら良かったけど。タイミング的にも無理やり仕掛ける感じに。地元地区のGIなので、まずは決勝に乗ることだと思っていました」


 近畿3番手を固めた村上博幸が、直線で中のコースを伸びて3着に食い込む。


 「2着だと思ったのに。いい伸びだったんですけどね。もうワンテンポ早く入っていれば…。やっぱりスピードバンクの岸和田で、考えされられますよね。フレームの強度とかも。自分の脚じゃキツいですね」


 

11R

選手の写真です。
武田豊樹選手

 吉澤純平が、根田空史の動きに合わせて強引に前に出る。その上を根田に叩かれるが、海老根恵太が遅れて番手に入る。最終2コーナーからまくり上げて先頭に躍り出た。最後は番手から踏んだ武田豊樹と白熱のゴール勝負。結果は同着となって白星を分け合った。引き揚げて来た吉澤は「行けると思って、すぐ踏み込んだ」と、勝機を逃さずにファイナル行きのチケットをつかんだ。


 「(初手で)中団が取れるとは思っていなかったですね。後ろからのイメージでした。根田が強いので、1車でも前にって気持ちでいました。番手にハマったし、新田(祐大)を待っていてもしょうがないと思って。(師匠の武田と1着同着で)うれしいですね。全日本選抜は、自分の先行待ちで決勝に乗っちゃったって感じでしたけど。今回は根田がいて、レースの形を作れた」


 武田豊樹(写真)は、昨年の当大会以来となるGI優出を弟子の番手から決めた。


 「吉澤が失速する状況じゃなかったし、これはワンツーが決まるなと。ゴール前は抜きに行ったんですけど。吉澤も抜かれないようにと、必死でハンドルを投げられましたね。2日目に頑張りすぎて、体力を消耗している。関東勢として決勝を走りたいと思っていたし、一生懸命やってきた結果、決勝に乗れました」


 同門の牛山貴広が3着に続いた。


 「(吉澤は)いいところからの必勝パターンですよね。勝ち上がりがダメだっただけで、ちゃんとワンツースリーなので。また、これができるように。まだまだ努力が必要です」


 新田祐大は最終バックを後方で通過。最終2センターからようやく踏み上げたが、4着までが精いっぱい。


 「ジャンで前と離れ気味になってしまって。追いついて一息ついたら海老根さんが下がってきて、そこで絡まれてしまった。仕掛けるタイミングが悪くなってしまった」


 

12R

選手の写真です。
山田英明選手

 赤板で出た稲垣裕之を竹内雄作が押さえて、徐々にペースを上げる。竹内はそのまま先行の腹を固めて、一本棒の隊列でレースが流れる。前受けから8番手に下げた脇本雄太は、最終1コーナー過ぎから踏み上げる。3番手に入ってまくった稲垣裕之は、けん制した浅井康太との接触でバランスを崩す。中団の北津留翼もまくり上げるが、次元の違う踏み出しで古性優作を置き去りにした脇本がまくりで九州コンビをとらえた。


 「スタートのけん制で(前受けの)腹をくくらなきゃいけない可能性が7、8割はあるかなと思っていた。それで(別線が)インを切って竹内さんが先行になるのかと。そのなかでいかに自分が冷静にできるかでした。リスクはあるけど、(古性と)ワンツーを決めるにはそれしかなかった。自分が最後まで踏み切れる距離はわかっているんで、そのタイミングで行けるかどうかでした。決勝は、なにが起こるかわからないんで難しい。油断しないで、あとは運を信じていきます」


 最終2コーナーで仕掛けた北津留と脇本のまくり合戦。北津留に付けた山田英明(写真)は、4コーナーで脇本を張り気味に踏み場を確保して2着に届いた。


 「北津留君の頑張りに尽きる。北津留君が力を出せるように頑張ってもらえればと思って、僕は信じていました。(北津留が)落ち着いていた。あとはワッキー(脇本)より先に仕掛けないとっていうのはありましたね。そこからワッキーを張りたかったけど、ワッキーが少し出ていた。あれで外を回したら(優出が)ないんでああなった。(今シリーズは)決勝に乗るっていう目標だったし、(決勝は)東西のチャンピオンになるつもりで走ります」


 「(最終)ホームで行っていれば」とは、北津留翼。アクシデントで急激に失速した稲垣の後退で怯んだ北津留は、仕掛けのポイントをこう振り返りしきりに悔しがる。


 「稲垣さんがコケそうになったんで、ビビったです。自分がうわぁってなって、またそこから踏んだんで…」