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京王閣競輪

KEIOKAKU KEIRIN

27#

検車場レポート

  • 10/28 Fri.  (前検日)
  • 10/29 Sat.  (1日目)
  • 10/30 Sun.  (2日目)
  • 10/31 Mon.  (3日目)

1R

選手の写真です。
北井佑季選手
 近況はFIで白星を量産して、前々回の平塚FIではS級初優勝を飾った北井佑季(写真)が、8月の小田原記念以来のグレード戦に登場する。
 「(前回の青森FIの172着は)自分のなかではしっかりと力を出せたんですけど、結果が伴わなかった。(コンディションは)問題ないです。(小田原記念は)初の9車立てだったけど、手ごたえをしっかりとつかめました。(400バンクでの9車立ては初めてだが)すごく楽しみです。(京王閣は)練習でも入ったりしますし、走り慣れたバンクではあります」
 小原太樹は前回の寛仁親王牌で4981着。最終日に同県の松井宏佑とのワンツーで勝ち星を挙げてリズムも悪くない。
 「(前回は4日間)やれることはやったかなと。そのあとは治療にいったり、軽めの調整できました。(初日に連係する北井は)2回目ですかね。強いのはわかっているので、まずはしっかりと付いていくことに専念したいです」

2R

選手の写真です。
佐藤友和選手
 地元のGI、寛仁親王牌では一次予選でまくり2着と好スタートを切った佐々木悠葵だったが、2日目以降は859着と一息だった。それだけに状態が気になるところだ。
 「体は少しずつ良くなってきているかなと思います。(前回のあとは)ウエートトレーニングをしたり練習をして、(状態良く)来られたと思います」
 トレーニングを十分に積んで臨んだ久々のGI、前回の寛仁親王牌で2勝をマークした佐藤友和(写真)。小気味いい動きが戻っていて、今シリーズも期待が膨らむ。
 「(前回の手ごたえは)すごく良かったと思います。そのあとのトレーニングとしては、疲れを取るっていうくらいのレベルでしかできてない。でも、前回から新しい自転車に乗り換えて、乗り慣れてきているっていう部分では上積みがあると思います」

3R

 渡部幸訓は、3場所前の立川FIで今期2度目の優勝。その後も和歌山、松阪とFIシリーズで成績をまとめている。
 「(前回の松阪FIの331着は)久々に決勝戦を外して、精神的なショックがあった。けど、体の方は悪くなかった。勝ち切れないところとかもあったのが反省点です。それを踏まえて(練習を)やってきました。バッチリ仕上げてきた。京王閣はよく走らせてもらうので、ほかの競輪場よりも走りやすい」
 前回の地元、函館FIで4月以来、久しぶりに優出した菊地圭尚は、納得のできるシリーズではなかったようだ。
 「(前回は)悪くなかったけど、ちょっと物足りなかった。展開が難しいところもあって、残念な結果に終わりました。セッティングがうまくハマらない感じがありますね。落車してから修理に出して、戻ってきたヤツ(フレーム)なんですけど。あんまりですね。常に(セッティングを)微調整しています」

4R

 小林泰正は、前回の寛仁親王牌の初日に落車に見舞われるアクシデント。地元GIで4日間を走り切ったものの、2日目以降は本来の動きにはなかった。
 「(前回は)初日に落車があって、メンタル的にもきていた。それで4日間キツいレースが続きました。そのあとは、ここに向けてケアだけをしてきました。ダメージはあるけど、8割、9割くらいの体の状態には戻してこられているかなと思います」
 前回の武雄FIで久々の勝ち星を挙げた岩津裕介は、10月26日に行われた中国地区の地区プロに参戦して、今シリーズを迎える。
 「少しずつ良くなってきているのかなっていうのはあります。地区プロがあったりしたんで、それまでは普通に練習をしていました。ここは走りやすいイメージがあります」

5R

選手の写真です。
原田研太朗選手
 前回の寛仁親王牌では2勝を挙げながらも、自身の走りと葛藤していた原田研太朗(写真)が、初日の一次予選は単騎を選択。“ニューハラダ”をこう説明する。
 「(前回の)脚の感じは悪くなかった。昨日(前検日の前日)の昼に急きょ追加が入った。(初日は)ワガママを言わせてもらって一人でやります。今後ずっと自力でと思っているし、今後も見据えて最初っていうことでインパクトを残していきたいっていうのもある。ゲンさん(野田源一)みたいな立ち位置でやっていきたいって思っています。地区プロの時に小倉(竜二)さんにもアドバイスをいただいた。今後(当面の間)は番手を回ることもない。自分だけ責任を負える立場だし、アドバイスをいただいた先輩のこともあるんで、より一層頑張らないと」
 和田健太郎は前回の寛仁親王牌3645着を冷静に分析して、現状に慢心することはない。
 「(前回の感触としては)それなりかなと。寛仁親王牌の時にも言ったんですけど、成績を見れば上がっているけど。自分の体感としては、そこまで(上がっている)っていう感じじゃない。前回とかもGIで甘さが出ている。そこを詰めていかないと。そこまで追い込んだ練習はしてないけど、(寛仁親王牌の)次の日から練習はしてました」

6R

 前回の名古屋FIを731着。初日特選で稲毛健太を叩きに出た山賀雅仁は、出切れずにシンガリ惨敗。最終日に勝ち星が挙げたが、優出は逃した。
 「(前回の)初日はタイミング悪くカマシに行ってしまった。あとの2日間はどうですかね。すごい悪いって感じはないですし、変わりないんじゃないかと思います」
 竹内雄作は前回の寛仁親王牌の一次予選を先行策からラインで上位を独占。最終日は同地区でラインを固めて3番手を回った。
 「(最終日は)ラインの話がかみ合ったので、(3番手を回りで)ああなりました。自分も勉強をさせてもらう部分がありました。(寛仁親王牌は)体自体は全然悪くなかったけど、上位の強さを痛感しました。(ここの追加がなければ)次が空いていたので、つくり直していた。しばらくやってなかったウエートトレーニングもやった。そのあとに(追加の)連絡が来た。(ウエートトレーニングの)筋肉痛があるんで、それが抜けてくれればと思います」

7R

選手の写真です。
井上昌己選手
 井上昌己(写真)は、前回の寛仁親王牌で17年6月の高松宮記念杯以来となるGI優出。2度のタイトルにグランプリまで制した井上だけに、久々の大舞台ファイナルでも気負うことはなかった。
 「(寛仁親王牌の)決勝はもうちょっとなにかできたんじゃないかって思うところもあります。ただ、久しぶりの決勝を楽しめたんじゃないかと。そのあとは1日だけゆっくりして、あとは普通に(練習を)やってきました。(状態は)変わらずだと思います」
 前回の豊橋FIを262着の川口公太朗は、そこから3週間以上空いたゆとりのローテーションでいつも通りのリラックスムード。
 「豊橋はちょっと感じが悪かった。(前々回の)落車の影響があるのか、腰痛も出たりした。そのあとは結構、空いたんで、それなりにやってこられたかなと。ほんの少しだけですけど(上積みがありそう)。あとはいい流れに乗れたら」

8R

 ドームでの寛仁親王牌を7946着と振るわなかった島川将貴は、屋外の400バンクの京王閣で変わり身があるかもしれない。
 「(寛仁親王牌は)重くて勝負どころで、脚にダメージがあるくらいの感じだった。展開的には自分が踏めていればっていうのがあったので、自分のミスですね。そのあとに地区プロもあったんで、そんなに変わりそうなところはない。ただ、僕は外の方がいいです。(京王閣は)走りやすいくて、直線が長いイメージがある」
 「中間着しか取れてない」と、4554着の寛仁親王牌を振り返った香川雄介が、こう続ける。
 「思ったよりもマシでした。(2日目は)太田(竜馬)のまくりにも付いていけたんで悪くはないのかなと。若い子が強いなかで、自分も良かった。(10月26日に)地区プロがあったので、次の日はゆっくりしました」

9R

選手の写真です。
松井宏佑選手
 ナショナルチームから離れて本業の競輪一本の松井宏佑(写真)は、新たな可能性を模索しながら、レースへの集中力を高めている。
 「ナショナルチームを辞めたので、走り方とかスタイルを見直してみようかと。(寛仁親王牌は)内で粘ったりもしてみました。結果良くなかったけど、先も長いのでいろんなことにチャレンジをしていきたい。来月からは平塚で(練習拠点を移して)また一からと思ってます」
 穏やかな天候での前検日に、谷口遼平が明日以降のバンクコンディションを気にかける。
 「寒くて風が強いのは嫌ですね。今日(前検日)くらい暖かいといいですね。(前回の寛仁親王牌は)良くもなく悪くもないという感じでした。(今回は)良くなってくれればと思います」

10R

 前回の青森FIをまくりでV奪取の森田優弥は、中9日で今シリーズに気持ち良く参戦する。
 「(優勝で)気持ちは上がってますね。(寛仁親王牌に)自分が出られないので、モヤモヤした感じもあって悔しかった。それで気持ちを入れて練習してきました。脚の感じも気持ちも入ってるんでいいと思います」
 7月の小田原FIでの落車でおよそ3カ月の欠場を余儀なくされた朝倉佳弘は、復帰場所がホームバンクの記念。
 「去年の怪我よりかは早かったけど、ちょっと(復帰までに時間が)掛かっちゃいました。上腕骨の骨折です。まだまだ怪我に弱いなって反省してます。可動域もほぼ出ているんで、自転車に乗るには大丈夫かなと。固定バイクとかでの練習ですけど、(状態は)12割くらいですね。2割アップしている。あとは変なところで踏みすぎたりっていうのが怖いですね」

11R

選手の写真です。
吉田有希選手
 吉田有希(写真)は、前回の寛仁親王牌で一、二次予選を突破。準決では先行策も、古性優作、新田祐大らのを相手にシンガリに沈んだ。
 「(寛仁親王牌は)初日、2日目はうまくいったけど、3日目のGIの準決は、レベルが違った。最終日はもう脚が残ってなかったです。内容も充実してたし、脚の感じも良かった。その分、帰ってからはすごく疲れました。体のケアをして、一昨日マッサージをして、昨日(前検日の前日)練習をして刺激を入れてきた」
 前回の地元の青森FIを232着の鹿内翔は、成績をまとめたが決勝進出できずこう悔やむ。
 「(前回は)決勝が目標だったんで、ちょっと残念でした。(準決が3着で)それで結構、決勝に乗れてないんですよね。青森の2日目からはすごく軽くて調子が良かった。そのあとは2日間くらい休んでから、キツめにやってちゃんと練習をしてきました。あとは9車立てが久しぶりなんで、そこですね」

12R

選手の写真です。
新田祐大選手
 前回の寛仁親王牌で8度目のGI優勝。6冠すべてを制覇した新田祐大(写真)が、史上4人目のグランドスラマーとして今シリーズを迎える。
 「(周りからは)お祝いの言葉をたくさんいただきました。ただ、いままでのGIとは違うグランドスラムっていう言葉にいろんな人たちが反応してくれて、普段の対戦相手とかの労いの言葉もありがたく感じました。昨日(前検日の前日)だけ軽めにロードワークをして体調を整えて、戦える状態にしてきました。京王閣は宿舎だとかの場所とかも、走るまでの環境づくりとしては最高の競輪場の1つです」
 寛仁親王牌連覇ならずの平原康多だが、二次予選、準決を連勝でファイナルに進出。関東4車の初日特選は、眞杉匠、坂井洋の栃木コンビの後ろを回る。
 「(寛仁親王牌は)2日目からは体調というよりも、前橋の走り方になじんできたかなと。そこからはハードに(練習を)やれた日もあるし、休んだ日もある。調整はできました」
 2月の全日本選抜、6月の高松宮記念杯に次ぐ今年3度目のGI制覇はならなかった古性優作。それでも決勝では先行策に出るなど、寛仁親王牌での動きは目を引いた。
 「(前回はその前の)落車でできていたことができなくなったりして、それだからつかんだこともあった。悪いことばっかりじゃなくて、それで得た感触もある。そのあとはトレーニングとケアしてきました。中4日なので(共同通信社杯で怪我した)指に関しては、大きな変化はないと思います」

1R

選手の写真です。
小原太樹選手
 小原太樹(写真)がスタートを制して、南関勢が前受けを選択。北井佑季は、後方から上昇した奥村諭志を赤板過ぎに突っ張り主導権を渡さない。先行態勢を取った北井に、打鐘手前から猪狩祐樹が襲い掛かる。北井は引きつけて猪狩を合わせて、最終ホームを通過する。中団は4番手に福島武士、5番手に紺野哲也が続くが動けない。神奈川両者の勝負は、最後のハンドル投げで小原が北井を交わして1着。
 「(北井が)気持ち入っていました。北井君が全然タレてこなくて、車間を空けていたけどギリギリでしたね。正直、2周はキツいかなと思ったが強かった。味方で良かったですよ。ちょっと疲れが残っているが1着取れているので。前のおかげですけど」
 別線に一度もハナを譲ることなくレースを支配した北井佑季が、ラインを上位独占に導いて2着。
 「風がバックが追いで、ホームが向かいと顔見せで確認できた。向かい風で脚を使わず、追い風で加速することができた。前からだったので9車立ての違和感はなかった。前回の記念(小田原)は準決までだったので、決勝まで。脚はいいですね」

2R

 磯島成介の上昇に合わせて、伊藤裕貴が先に切って出て中団を確保する。北日本勢が主導権を握り、単騎の吉永好宏は4番手に切り替える。打鐘で7番手に置かれた佐々木悠葵は、磯島のペースが上がる前に4コーナーからスパート。佐藤真一は佐々木の強烈なダッシュに遅れ気味で、佐々木が一人で北日本勢をとらえる。追いかける磯島は大きく車間が空いて、佐々木がロングまくりでそのまま押し切った。
 「もうちょっと磯島君が駆けると思ったんですけど、駆けなかったので仕方なく行った感じですね。ジャンで行こうとも思ったんですけど、行ったら番手に入られる感じの駆け方だった。GI(寬仁親王牌)終わりだったので道中から楽でした。疲れはまったくないですね」
 離れ気味の佐藤真を2度のブロックでさばいた佐藤友和は、前の磯島の余力を確かめながら直線で追い込んで2着。
 「ちょっと自分も(磯島)成介も反省点が残るレースでしたね。自分はちょっと体が重かった。しっくりこなかった。成介も自分のもつ距離からペースで踏めれば良かったと思うんですけど。(磯島が佐々木と)一緒に踏み出すと(自分も)余裕はないですよね。あとはどこまで(磯島が)詰められるかって思っていましたけど、詰まっていかなかった。それでちょっと早めに踏ませてもらいました」

3R

 前団に構えた宮下一歩が突っ張り気味に踏むが、坂本紘規が押さえ込んで先頭に立つ。九州勢は中団に追い上げて、一本棒の7番手まで宮下が下げて最終周回。坂本がホームからペースを上げる。2コーナー手前からまくった宮下は、好スピードも3番手まで。宮下に乗った杉本正隆が、4コーナー手前から踏み込む。逃げる坂本の番手で絶好の渡部幸訓は、直線で内、外をけん制すると、あおりで嶋田誠也が落車。1位入線も渡部は失格で、杉本が繰り上がった。
 「(まくった宮下は)行っちゃうかと思ったんですけどね。でも、あれ(宮下の仕掛け)があったから、自分は伸びたんだと思います。(初日の1着は)デカいし、だいぶ(気持ち的に)楽ですね。(前回の初日に落車しているが)それはいつものことなんで」
 北日本3番手の菊地圭尚は、ゴール手前で上野優太と接触するも踏み勝ち2着。しかしながら、ラインの渡部の失格もあり、手放しでは喜べない。
 「(坂本は)脚もあるし、後ろも(渡部)幸訓だったんで気持ちが入ってたんじゃないですかね。幸訓も脚がある分、残す感じになる。そうなるとどうしても動きが大きくなる。(渡部が1位入線も失格で、ラインの)3人で決まればと思ってたんで残念です。今日(初日)は3番手で難しいところもあったけど、脚の状態をどんどん上げて勝ち上がっていければと思います」

4R

 小林泰正に突っ張られた伊藤成紀だが、再度踏んで打鐘の3コーナーで叩き切る。両者が脚力を消耗して、中四国ラインにとっては、流れが向く。2センターから仕掛けた上野雅彦が前団をのみ込んで、ラインの3車で出切り後続をちぎる。小林もまくりで迫るが、上野を利した岩津裕介が落ち着いて追い込んだ。
 「上野君は気持ちの面で積極的にいくというのが、相手に伝わっていて自分たちにやりやすかった。別線も脚を使っていたし、よほどじゃないと(別線は)来ないなと。来たとしても止められる感じかなと。状態はほんの少し良くなっていて、前回もその前を走った時より良くなっていた。いまは練習をしたらそのぶん上積みができている」
 中四国3番手の戸田洋平は、直線で小林をけん制するように外に持ち出して2着。
 「道中も調子いい感じで走れていましたね。(前々回の)9月青森の落車でバランスを崩していたけど、日にちが空いたので問題なくなった。上野君を抜けているし悪くはない。持ち味を極めていかないとと思っていて、位置を確保からショートしか出ないけど、キレ味を出せるようにしたい

5R

選手の写真です。
高橋築選手
 周回中、4番手にいた山本勝利が赤板過ぎに先に動いて、青野将大を押さえて出る。山口貴弘は連結を外して、3番手に青野が入り、山本の先行で最終周回へ。9番手の原田研太朗がまくりを打ち、3番手の青野も2コーナーから踏む。逃げる山本マークの高橋築(写真)は、青野に合わせて番手まくりで勝ち切り、地元記念で幸先のいいスタートを切った。
 「本当に(山本)勝利が頑張ってくれたので、自分もそれに応えないとなって思いました。うまい具合に駆けてくれました。青野君も迷っている感じだった。真後ろのにいたので合わせ切れればって。(6月の久留米記念のあとに)練習中に落車してろっ骨が折れて、肺にも傷ができて1カ月はなにもできなかった。けど、後半になって良くなってきた。(復帰してからは)なんとか戦えるかなって思っていた」
 まくりで高橋の横に並んだ青野将大だったが、合わされて付け直すようにして2着に入った。
 「突っ張りたかったんですけど、タイミングをズラされてしまった。(最終2コーナーは)追い出しをかけるじゃないですけど、いっぱいと見せかけていければって思ったんですけどね。1回脚を使っていたので乗り越えられなかったですね」

6R

選手の写真です。
竹内雄作選手
 早めに動いた齋木翔多が、中団の竹内雄作(写真)に併せ込んで赤板を迎える。竹内も下げず、外併走の齋木は打鐘から仕掛けて主導権を奪う。齋木が全開で駆けるが、南関勢を目標に竹内が最終1コーナーから素早く巻き返す。次元の違う加速力であっさり出切った竹内が、余裕をもってゴールを先頭で駆け抜けた。
 「(齋木が)あんだけ早めに(フタして)来るのは想定外だったけど、落ち着いて走れたかなと。引いたところで齋木君が中団になってしまうし、隊列が短くなったところで行ければと。(齋木が)すごいスピードだったんで、一瞬行けるかなっていうのはあった。でも、踏み込んだ瞬間、自転車がすごく進んでくれた。自転車とのマッチングも悪くないかなと。1着なんで素直にうれしい。踏み出した瞬間、すごい良かったけど、出てから慌ててしまったところもあった。でも、最後はまとめられたかな」
 竹内に続いた笠松信幸だったが、出切ったあとの最終3コーナー付近から徐々に離されて2車身差の流れ込み。
 「(竹内が)ビックリするくらい強かった。先行している(竹内)雄作に付いたこともあるけど、またまくりの方は。(竹内は)今回仕上がってるんじゃないですか。僕も調子は悪くないと思うけど、シビレました。出切ってからもすごく伸びていった」

7R

 赤板過ぎの福永大智とのダッシュ勝負を、前受けから制した林大悟が主導権。中団がもつれて、小林令と福永で併走になる。ペースを握った林は、落ち着いて最終ホーム目がけて踏み上げる。内の小林が4番手を取り切り、5番手の福永は2コーナーからまくる。福永をブロックした井上昌己が、逃げ粘る林を差し切った。
 「福永君が(まくりで)来たところは林君が掛かっていたから、きれいに(止めに)いけた。キツい感じがありましたね、(前回の前橋で)ドームを走っていた分、寒さや風も感じたからかな」
 突っ張り先行で井上とのワンツーをメイクした林大悟は、展開を強調するも内容の濃い走りが光った。
 「今日(初日)は前から組み立てようと。引いてからのカマシも考えていたが、井上さんに山形(一気)さんまで固めてくれたのでしっかり頑張ろうと。中団がゴチャついたので展開が向いたと思うが感じはいいです。京王閣は感触良く走れた。今日は展開が向いたが、明日からはこんなことはないと思う」

8R

選手の写真です。
中井太祐選手
 中井太祐(写真)が切って出ると、河合佑弥は島川将貴の外でタイミングを取ってから仕掛ける。打鐘手前で河合が先頭に立ち、4番手に中井。島川は7番手で、そのまま河合がペースを上げて逃げる。反撃した島川は、一息で不発。中井は最終2コーナーからまくりを打つが、けん制した寺沼将彦のインを瞬時の判断ですくって出る。内から追い込んだ中井が、河合をとらえて1着。
 「(島川が)来ているのは見ていたので、余裕はなかったんですけど仕掛けた感じですね。自分の車の出も良くなかったので、その時の判断であの進路を取りました。調子よりも気持ちだと思うので集中して走りたい」
 島川は最終3コーナーで後退。香川雄介が直線で外を踏んで2着に届いた。
 「(島川は)行くタイミングはいっぱいあったと思うんですけど。島川君は前回の前橋が良くなかったのを引きずっているんですかね。自分も飛んだと思った。内に行ったら詰まって終わると思ったんで、外に行った。(最終)バックからずっと上りだったんでキツかったですけど、ゴール前は下りで伸びましたね」

9R

 本郷雄三を押さえて出た谷口遼平がペースを握る。フタをされていた松井宏佑は打鐘過ぎにすかさず巻き返すが、中村浩士が追い切れない。最終ホーム過ぎに主導権を奪った松井に谷口が飛び付く。空いた車間を計ったように詰めた谷口が、ゴール線できっちり松井を交わした。
 「前々にと思ってました。それで松井さんが来たらああいう感じですし、来なかった先行しようと。うまいこと走れました。とりあえず思い切り踏めば、(松井が)1人かなって。あわよくば合わせられればと思いましたけど、全然違いました。松井さんもペースで踏んでたんで、もう無理かなと思った。けど、わりと自分も踏めて、松井さんもちょっとタレていた。それもあって抜けて良かった。1着が取れてるんで(感じは)いいと思います」
 持ち前のスピードで風を切った松井宏佑は、ラインを気づかいながら振り返る。
 「ラインで決めたかったですね…。フタをされるとは思ったけど、(もう少し)早い展開になるかと。意外に(赤板の)2コーナー過ぎまで動かなかった。僕は力を出し切れたけど、後ろの人には走りづらい展開になってしまった。あそこまでフタをされるなら、いま思うと先に切るとかできたんじゃないかって反省しています。今回はフレームを換えてきた。1年くらい前に1回使って感触が良くなくてすぐにやめちゃったヤツなんですけど。(初日走って)まだしっくりこないので、いじります」

10R

選手の写真です。
森田優弥選手
 踏み上げた渡邉雅也を打鐘3コーナーで横関裕樹が強引に叩く。それでも渡邉は松山桂輔を外に張りながら、前に踏んで主導権を奪う。両者の踏み合いでタイミングをうかがっていた森田優弥(写真)は、最終ホーム手前から仕掛ける。朝倉佳弘は森田のスピードに対応できず、渡邉をとらえた森田が2着以下を離してゴール。
 「早めに巻き返そうと思ったが、ちょっと見てしまって仕掛けが遅れた。前(の隊列)が短くなっていて展開が向いたし風を感じなかった。9車立ての方がいいですね」
 脚を使いながらも積極策に出た渡邉雅也は、森田のまくりには屈したが2着に踏ん張った。
 「一次予選突破が目標だったので良かったです。自力では勝てないと思ったので、前々勝負でいこうと思っていた。中団からなら森田さんの力をもらえると思っていたので、初手で中団を取れたのが要因。先行ではなかったが(最終)ホームで先頭に立てたしA級の時よりも積極性が芽生えてきた。出られても沈んでいくだけの選手でなく、爪あとを残す選手になりたい」

11R

選手の写真です。
鈴木竜士選手
 赤板過ぎに一度は平尾一晃に前に出られた吉田有希だったが、内から盛り返して主導権を渡さない。しかしながら、1車を確認した吉田が緩めて平尾が叩く。塚本大樹の追い上げに吉田は、打鐘4コーナーから再度発進。吉田の番手で塚本をさばいた鈴木竜士(写真)、武藤篤弘まで続く。地元の鈴木が余裕をもって差し切った。
 「(吉田)有希のおかげっすね。前が取れたら突っ張る感じだったので、全部任せていました。(平尾が)1車だったので迎え入れて、塚本さんが追い上げにきているのもわかった。それで張りながらと思ったら、(吉田が)すかさずいったのでキツかったですね。来る前はちょっと体調に不安があったんですけど、1着取れて良かったです。初めて有希を抜けました」
 平尾から主導権を奪い返した吉田有希は、後ろの2人を連れて敢然と風を切った。
 「突っ張ろうと思えば突っ張れたんですけど、(平尾が)1車だってわかったし、踏み合っていても照井(拓成)さんのひとまくりの展開もあるのかなって思った。塚本さんが来たのが見えて、張りながら出ていって踏んでまわして踏んでっていう感じでした。ラインの勝利ですね。自分一人の力じゃこういう結果にはならなかったと思う」

12R

選手の写真です。
坂井洋選手
 3番手のポジショニングからタイミングを取った眞杉匠は、赤板1センターから踏み込む。栃木コンビが出て切り、3番手の平原康多も続く。が、宿口陽一の内にいた古性優作は、平原が空けたインを進出して関東3番手をもぎ取る。最終ホームでは逃げる眞杉後位は、坂井洋(写真)がすんなりだが、そのあとに古性、中本匠栄が続いて、平原は5番手。6番手で新田祐大と宿口が重なり最終周回。番手で車間を空けた坂井が、古性のまくりを合わせて追い込んだ。
 「十中八九、粘られると思ってた。そこは考えてました。(眞杉が)いいスピードで出切ってくれたんで良かったです。そのあとは古性さんが真後ろにいたんで、車間を空けてキツかったです。気持ち的には(番手で)やることをしっかりとやるっていうのを優先でした。(眞杉は)勝手に残ってくれたんで良かったです。脚の感触も良かったし、寬仁親王牌と比べて体調も良くなってます」
 直線の入口では坂井に並ばれていた眞杉匠だったが、後続のもつれもあって2着に逃げ残った。
 「共同通信社杯(の準決)と同じにならないようにと。粘られないようにタイミングをズラしていきました。余裕がなかったですね。うまく回せてない感じがあります。最近あんまり回せてなくて、寒さなのかなと。でも、(地元の)宇都宮よりは暖かいと思うんで」
 栃木コンビとの連結を外した平原康多は、最終3コーナーから内を進出する。直線での古性との壮絶なバトルを制して、現地集合の3着。
 「(別線が)100パーセント粘るっていう展開の作戦を組んだんですけど。ああいう形になりました。ジャンのところは、バックを踏み切れなくて空けてしまった。そこが一番の難しいところだった。最後は3着を取り戻せているんで、最低限のラインかなと」

6R

選手の写真です。
高橋築選手
 渡邉雅也が切った上を上野雅彦が押さえて出て先行態勢を取る。7番手になった坂井洋は、上野のペースが緩まないなかを打鐘の2センターから反撃。上野も懸命に抵抗するが、坂井がスピードの違いでねじ伏せて高橋築(写真)が続く。小林令は遅れ気味で、最終2コーナー過ぎに隅田洋介が3番手に切り替える。後続との間合いを取った高橋は、塚本大樹の中割りもしのいで1着。ホームバンクで連勝を遂げた。
 「(坂井は)長めに踏むっていう感じだったので、それにしっかりと付いていこうと。すごいダッシュをしてました。(今年は落車があったりして)しっかりと走れるのがなかなかないので、(今シリーズは)今年にしたらいいのかなと。状態としてもいいと思います」
 中四国勢後位の塚本大樹は、最終3コーナーで狭いコースをくぐり抜けて直線は中を伸びた。
 「(最終)バックでは小林君が降りてくる感じだったんで、そこだけはと。ただ、前に踏んで詰まりすぎたくはなかった。(コースも)見えていました。ああいう展開は、自分は一番得意。脚は上がってきているんで、まあまあ戦えるかなと思います」

7R

選手の写真です。
森田優弥選手
 押さえて出た齋木翔多は、林大悟ラインを受けて4番手で前との車間を大きく空ける。打鐘で出切った林がペースを握り、森田優弥(写真)は一本棒の7番手。林は最終ホーム目がけてピッチを上げる。森田は2コーナー手前で外に持ち出し、まくりを打つ。前はかなり遠いが、4コーナーで射程圏に入れた森田が、ゴール寸前でとらえて1着。
 「組み立てに失敗しました。齋木君と目が合ってしまって、怯んでしまった。そういうところを修正して、明日(準決)は頑張る。自分だけのレースになってしまったのはいいとは言えない。けど、脚も自転車もいいのでそこは大丈夫です」
 逃げた林ライン3番手の香川雄介は、最終4コーナーからスムーズに外に持ち出して追い込んだ。
 「前の九州2人が頑張ってくれた。今日(2日目)はいつもより気合が入っていたので1着を取りたいなと。森田君が来たところで待っていたらコースがなくなるので、外にはずしながら踏ませてもらった。脚の踏み込んだ感触は良かった」

8R

選手の写真です。
岩本俊介選手
 赤板では内から佐々木悠葵、中井太祐、北井佑季と3人の機動タイプが踏むが、佐々木が突っ張りそのまま先頭に立つ。北井はタイミングをうかがって2コーナーから山降ろしで仕掛ける。打鐘過ぎに北井が叩き切って主導権。岩本俊介(写真)まで出切る。山賀雅仁は連結を外して、3番手には佐々木が飛び付く。そのままレースは流れるが白岩大介が遅れて、最終ホームでは4番手以下が離れる。前4車の勝負になり、逃げる北井の番手から岩本が抜け出した。
 「北井君も後ろを粘らせないように、踏み上げていってくれた。車間を空けるところまでは良かったんですけど、うまく残せなかったですね。状態は問題ない。ただ、内も気になって張れなかったです」
 3番手確保から直線で追い込んだ佐々木悠葵が2着。前が自力のある岩本だけに、仕掛けに迷いが出たようだ。
 「(3番手に入ったあと)仕掛けられるところはあったんですけど、岩本さんは絶対に楽だなって思った。勇気をもって行ければ良かった。でも、行ったら合わされるかと。脚はたまっていたんですけど、北井さんもずっとペースで最後に踏み上げる感じだった」

9R

選手の写真です。
上野優太選手
 赤板1コーナーで磯島成介を突っ張った眞杉匠が、磯島との接触で車体故障で起こして後退。打鐘手前で磯島が押さえると、川津悠揮は遅れて番手には鈴木竜士が入る。川津は追い上げ切れない。後方で様子をうかがっていた単騎の井上昌己がカマす。最終1コーナーで井上が出切り、磯島後位からバック手前で鈴木が切り替える。直線を迎えて鈴木が井上をとらえにかかるが、鈴木と武藤が接触して、鈴木、武藤、井上、福島武士の4車が落車。アクシデントを外に避けた上野優太(写真)が1着。
 「(周回中の隊列なら)眞杉が突っ張って、そのままって感じかなと。チャンスがあれば、追い上げるなり、しゃくるなりしようと思ってたんですけど。ああなると思ってなくて、あれなら(鈴木)竜士さんはハコにいくかなと。自分はゴチャゴチャしてるなか、踏めたんで届けばいいなって。そのあとはもう1回アクシデントがあったんで、素直には喜べないです」
 北日本勢の3番手に付けた成田健児は、ラインがバラバラになり、最終ホームでは8番手の最後方。直線のアクシデントに間一髪で巻き込まれずにゴールを駆け抜けた成田が2着。
 「(磯島は)自転車が壊れちゃったと思ったけど、大丈夫だったんで行っちゃったみたいですね。川津はちゃんと追い上げたけど、俺はぬくぬく…。(最後は)あれで6番(上野)の内を行こうもんなら落車していたかもしれない。運くらいしかないですね。(ラインの)2人に迷惑を掛けてしまった」

10R

選手の写真です。
和田健太郎選手
 赤板1コーナーで飛び出した青野将大が、先行態勢を取る。3番手は河合佑弥と谷口遼平での併走になり、新田祐大も様子をうかがいながら打鐘を迎える。青野がそのまま徐々にペースを上げて逃げる。激しい3番手争いの決着がつかないまま、新田は最終ホーム手前から踏み上げる。バック手前で出切った新田に、佐藤友和をさばいた和田健太郎(写真)がスイッチする。和田が早めに新田を交わして抜け出した。
 「できれば(青野を)残したかったけど、もって行って戻ろうとしたら落車しそうな感じがあったので、シビアに切り替えた。青野君がまとめてやってくれた感じだったが、今日(2日目)は難しかった。乗れている感覚はないが、1着は取れているし体調は悪くない」
 最終バック過ぎに和田にブロックをもらった佐藤友和は、リカバリーして2着に伸びた。
 「新田が苦しいレースにしてしまったかなと思います。警戒されると考えすぎたのかな。要所で踏んでいたし、どこでも行けたと思う。自分もそのたびに全力で反応しないと付いていけなかったので踏んでいた。新田がバックを踏んだりして伸びがなかった分、和田さんにやられましたね。自分に余裕があればツケマイで続けたけど、余裕がなくかった。それでも以前よりは余裕あって、やられたあと立て直せた」

11R

選手の写真です。
小原太樹選手
永が突っ張り切って、単騎の3人が抜かりなく中団を占める。松井は7番手に出戻り、福永の先行で最終周回。番手の古性優作には絶好の流れ。松井がバックからまくり、4番手にいた網谷竜次は内をすくう。網谷に内から当たられた古性は態勢を崩し、そこを松井がまくり切る。松井に乗った小原太樹(写真)が外を突き抜けた。
 「(スタートは)取りにいったんですけどね。(福永に)突っ張られるだろうなっていうのはありました。あそこでやり合ってもって感じで、前が駆けたら(松井に)もう好きにしてくれって感じでした。1回脚を使っているのに、(まくりで)あのスピードでいけるんだからすごいですよね。松井が2センターで越えるのはわかったんですけど、自分のところはからまれるかもって思って外にはずした。1着を取れていることはいいですね」
 突っ張られて一度は脚を使った松井宏佑だったが、7番手で再び脚をためて再発進。目の覚めるようなまくりで前団をのみ込んだ。
 「突っ張られたんですけど、上を走って福永君が緩めれば行こうと思った。でも、(福永が)踏んだ。気持ちを切り替えて、行けるところからと思いました。なんとか(小原と)ワンツーが決まって良かったです。新しいフレームもいい感じだと思います」

12R

選手の写真です。
平原康多選手
 誘導との車間を空けた吉田有希は、思惑通り赤板過ぎに竹内雄作を突っ張ってそのまま風を切る。竹内マークの岩津裕介が打鐘で中団の坂本紘規をキメて、浮いた竹内を迎え入れる。6番手になった坂本が最終ホーム手前から仕掛けるが不発。合わせるように4番手の竹内が、2コーナー手前からまくって出る。逃げる吉田との車間を空けた平原康多(写真)は、盤石の態勢で余裕をもって竹内を阻む。直線でも後続との間合いを計り、吉田とのワンツーで平原が人気に応えた。
 「(吉田は)ずっといいピッチでした。岩津さんが入って来るかなっていうのもあったので、あんまり内を空けないようにしてました。だから振るのもクイックにして戻った。(ラインで上位独占が決まり)最後は自分の理想とする競輪のラインのゴール前での形だった」
 ラインでの上位独占を果たした吉田有希は、いつも通りの笑みで汗をぬぐう。
 「前からの方が組みやすくて、自分の持ち味を出せるかなと。(竹内)雄作さんのラインが来て、突っ張ったところを岩津さんが(坂本)紘規さんのところに降りてくれればと。一番の(考えてた)作戦が決まりました。ただ、雄作さんがやめなかったのも予想外だったし、岩津さんが雄作さんを迎え入れたのも予想外でした。平原さんが車間を空けて援護をしてくれているのもわかったんで、自分は必死にこぎました。脚の感覚も良かった」

10R

選手の写真です。
坂井洋選手
選手の写真です。
吉田有希選手
 周回中7番手の岩本俊介は、青板1センターから早めに上昇を始めて、前団に構えた関東勢に併せ込む。赤板のホーム線からのダッシュ勝負は、インの吉田有希が突っ張り切って主導権を守る。山形一気と接触した香川雄介が落車して、山形は車体故障。7番手の上野優太が打鐘手前から4番手に追い上げるが、岩本俊介も引かない。4番手が併走になり、吉田のペースで最終周回。ホームから加速した吉田が、スピードに乗せて風を切る。中団の併走は決着がつかないままバックを通過して、番手で絶好の坂井洋(写真)が楽に追い込んだ。
 「2車になったと思ったら、すぐに(高橋)築さんが合流したのを確認できた。上野君の追い上げを確認していたら、吉田君の(最終)ホームでのダッシュに遅れそうになった。そこだけ危なかったけど、あとは冷静に踏めました。ただ、平原(康多)さんならあれを残せたのかなと思う」
 関東3番手の高橋築が2着。ホームバンクでうれしいGIII初の決勝進出を果たした。
 「しっかりと内を締めて3番手の仕事に専念した。日に日に良くなっていますね。大学時代から練習していて、地元である京王閣の記念で決勝に上がれて良かった。落車でダメだった時もあるけど、その時の分も回収できたかな。連日、前に引っ張ってもらってだけど、チャンスはモノにできている」
 岩本がインに閉じ込められたのを確認しながら吉田有希(写真)は、落ち着いてペースアップ。3日間連続の先行策でラインでの上位独占をメイクした。
 「連日前からでうまくいっていたので全ツッパ(突っ張り)でいこうと。疲れはないけど、心の疲れがある。連日2周だったのでね。でも、今日(3日目)はペースだったので楽でした。ラインでワンツースリーは良かったです」」

11R

選手の写真です。
宿口陽一選手
選手の写真です。
佐々木悠葵選手
 後方に構えた4車の関東勢が上昇して、前受けの松井宏佑は誘導を残して早めに下げる。5番手で松井と新田祐大が併走になり赤板を通過する。ペースを握った河合佑弥は、打鐘を目がけて踏み込む。2センターで内に切り込むように松井を制したかに見えた新田だったが、松井も内を盛り返す。関東勢のペースになり、番手の佐々木悠葵は別線の仕掛けを待つことなく最終2コーナーから自力に転じる。新田も仕掛けられず別線に出番はない。佐々木マークの宿口陽一(写真)が差し切って1着。
 「今日(3日目)は終始、余裕があった。体的にも一番良かった。気持ち的に苦しい部分も合ったんですけど、そういう意味で気持ちも入りました。河合君も地元なのにああいう戦法を取ってくれた。(ラインの)3人で(決勝に)乗れたので本当に河合君には感謝しています。ここ最近のなかでは一番、体は良かったと思う」
 地元の河合の積極策をムダにすることなく、佐々木悠葵(写真)が番手まくりを打ち関東で上位を独占した。
 「すごく緊張しました。狙われる位置だと思ってた。併走になっても邪魔はしようと思いました。(河合が)すごく掛かっていた。(番手から)出ていかなくてもとは思ったんですけど、4車並んでいたので。行かないと後ろの先輩たちにチャンスがないと。河合さんが頑張ってくれたおかげです。自分は前回から良くなってきている」
 4車の関東勢のシンガリを務めた中田健太は、直線で佐々木と宿口の間を踏んで3着。
 「どこからでも良かったんですけど、河合君の気持ちが勝っていましたし、強かったですね。みんな脚を削られていましたし、自分は追走する能力だけで戦ってきている。後ろを気にしすぎてもダメなので、宿口さんの後輪だけ見ていました。前に助けられて流れもいいですけど、運も実力だと」

12R

選手の写真です。
平原康多選手
選手の写真です。
森田優弥選手
 赤板過ぎに隅田洋介を突っ張った森田優弥が、そのままペースを握る。隅田ラインが中団に収まり、後方の北井佑季は2コーナー手前からスパート。合わせる森田との踏み合いを制して、北井が最終ホームで主導権を奪う。森田は1コーナーで佐藤友和を弾いて、番手に飛び付き北井を追う。平原康多(写真)が続くも、1センターで内をすくった隅田が岡本大嗣を張って大量落車のアクシデント。北井との車間を詰める勢いでそのまままくった森田を平原が追い込んだ。
 「(森田と北井で)すごい主導権争いをしていた。最近はなかなかああいうのを見ることがないので、シビレましたね。森田は蛇行しながら走るので、自分は引っ掛かったり、遅れないようにでした。とにかく(森田が)すごかった。連日、目標がいるレースですけど、それなりに対応できているのかと。いまの記念で決勝に乗ることは簡単ではないので、(埼玉4人の優出は)価値があると思います」
 真骨頂ともいえる攻める走りで平原と優出した森田優弥(写真)が2着。
 「初手の並びがちょっと違ったけど、作戦通りにいって良かったです。北井さんと力勝負ができたのは良かったですけど、出られてしまった。そこは今後の課題です。(そのあとは番手に飛び付いて)なんとか対応ができた。脚もいいし、気持ちも入っています」
 3位入線も隅田が失格で北井佑季(写真)が繰り上がり3着。2度目のGIII出場で決勝の舞台に進んだ。
 「力ずくみたいな感じになっちゃいました。森田さん、隅田さんどっちもまくりは強烈なものをもっているし、後ろがしっかりしている。だから、自分はあそこで行くしかなかった。ジャンで行くって決めていた。なんとしても先行選手の役割として、あそこでしっかりと出切ってという気持ちだった。結果的には後ろがもつれて残念な結果になりました。今回の京王閣記念は決勝に乗る目標を掲げていた。(繰り上がりでも)どういうあれでも、達成はできた」


≪最終日3R「競輪ルーキーシリーズ2022プラス」≫
 7月の岐阜FIIから勝ち星のない小泉夢菜だが、同期7人のなかでは競走得点トップの存在。近況は3場所連続で決勝進出と安定した戦績を残している。
 「まだまだ実力不足をすごく痛感してます。自転車競技をしていたことによって、追走とかは先輩方とと同じくらいかなと思うんですけど。実力が全然足りないんで、脚力をつけなきゃなと思ってます。(前回の)松阪は初めてのミッドナイトっていうのもありましたし、体の状態もあんまり良くなくて思うように動けなかった。今回はしっかりと動けるように鍛えてきました」
 河内桜雪は前々回の平FIIで2日目以降を欠場。前回の函館FIでは強風に泣かされながらも、最終日を1着で締めた。
 「ルーキーシリーズでは全然いい結果を残せなかったんですけど、(7月からの本格)デビューからは、自力選手、自在選手が分かれてるので走りやすさがあります。(3場所前の)岸和田の落車は、ロックされて勢いが止まって転んだんで衝撃が大きかったです。平も(その前に)自己ベストが出ていたんでいいと思ったんですけど、レース後に痛みがでたんで欠場をさせてまらいました。前回の函館では(最終日は)一般戦だったけど難しかったです。普段は(ドームの)前橋で練習をしてるんで、初めてあんな風が強いなかでレースをしました。初めての一般戦で悔しい思いをしたんで、そのあとは気持ちを切り替えて練習してきました」
 養成所では先行での勝ち星も断トツ。在所ナンバーワンの又多風緑だが、本格デビューの7月からは苦しい戦いを強いられている。
 「いい時と悪い時の差がはっきりしている。(養成所では)脚をつけるために先行をしていて、それが結果(在所)1位だった。(デビューしてからは)脚をつけるために着はどうでもいいっていうレースはしたくない。立ち回れるところは、しっかりと立ち回っていきたいと思ってます。強い選手がいると、まだ力が足りない。自力自在にうまく走れる選手になりたいです」