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京王閣競輪

KEIOKAKU KEIRIN

27#

検車場レポート

  • 5/3 Mon.  (前検日)
  • 5/4 Tue.  (1日目)
  • 5/5 Wed.  (2日目)
  • 5/6 Thu.  (3日目)
  • 5/7 Fri.  (4日目)
  • 5/8 Sat.  (5日目)

1R

選手の写真です。
阿竹智史選手
 前々回の西武園記念では落車に見舞われた取鳥雄吾だが、続く小倉FIを711着で優勝した。
 「前々回の落車でフレームを修正に出していたので、前回は別のフレームを使った。初日はめちゃめちゃ重くてダメだと思ったけど、なんとかしのげた。決勝は町田(太我)君のおかげ。体は大丈夫です。久々の1レース1番車で緊張する。でも、頑張ります」
 落車から2週間以上あった阿竹智史(写真)は、GIの舞台が復帰戦。
 「怪我はたいしたこともないし大丈夫。2週間くらいは(練習で)やりたいことができた。自分のなかでは問題ないと思っているし、ここは好きなバンクです」

2R

選手の写真です。
松坂洋平選手
 金子貴志は、前回の武雄記念2日目の二次予選がレース直前になって中止。あとの3走を2勝2着1回で終えた。
 「前回は久々に1着も取れたし、感じは上向いていますね。いいリズムで来られたと思う。(竹内)雄作とは前回の2日目に連係するはずだったけど、できなかった。だから、今回は一緒に走れるし決めたいですね」
 直近の3場所は9走して3勝2着4回3着1回とFIシリーズの3場所をまとめている松坂洋平(写真)が復調を感じている。
 「まだ本調子ではないけど、だいぶいい。自分でも動けているので悪くない。怪我の影響も徐々になくなって良くはなってきている」

3R

選手の写真です。
柴崎淳選手
 柴崎淳(写真)は、前回の名古屋FIの542着から1カ月以上空いたローテーション。
 「(欠場は)怪我の後遺症(による腰痛)ですね。どうですかね、悪くはないけど、良くもない。6、7割くらいかと。その分、考えて組み立てをしないとっていうのはあります」
 3月のウィナーズカップでの落車の影響もあって、続くFIの2場所は未勝利に終わった坂井洋
 「松阪のウィナーズカップで落車した時の全身打撲がひどくて、そのあと帰ってから両手首も痛くて…。ここ2場所の成績は悪かったですけど、ようやく痛みも引いて走れる状態に戻ってきました」

4R

選手の写真です。
岡村潤選手
 前回の地元、宇都宮FIを121着で優勝した長島大介は、一次予選を臆することなく仕掛ける構えだ。
 「ダービーに向けて状態も上がってきた。行けるところでしっかりいきたい。大石(剣士)君と宮本(隼輔)君がいるけど、僕も行けたら先行も辞さない気持ちです。感じは良くて、全体的にかみ合っている」
 岡村潤(写真)は、前回の西武園記念で4走オール2着の準V。
 「前回は初日から感じが悪くて、4日目にやっと少し良くなったかなと。ちょっと新しいセッティングを直前まで試して、それがどうも自分に合わなかったんで戻したのが…。そのあとは乗っている感覚を大事に練習してきた」

5R

選手の写真です。
渡邉一成選手
 *渡邉一成(写真)は、前回の西武園記念の8253着を冷静に分析する。
 「抜群に良かったわけじゃないけど、そこそこ走れたかなと。準決はまくれると思ったら、当たられてしまったんで失速が大きかった。最近はレース(間隔が)空くと(練習を)やりすぎちゃうので、なるべくやりすぎないようにやってきた」
 前々回の高松FIでは77欠の松川高大は、前回の西武園記念を2474着。
 「高松は7車立てに対応できていない分が出てしまってダメでした。前回はそこまで悪くなかった。練習方法を変えていたけど、ダメな部分にも気がづけた。(渡邉)一成さんは前を取っての突っ張りもあるし、初日は一成さんのやる気次第ですけど、車番がいいのでうまく対応できればチャンスはある」

6R

選手の写真です。
山崎賢人選手
 山崎賢人(写真)は、前回の川崎記念から中3週。ナショナルチームでトレーニングを積んできた。
 「(東京五輪の)テストイベントがあって、そのあとはしっかり練習をやった。体調も全然崩してないし、疲れもそれほどないので大丈夫だと思います」
 04年デビューの渡部幸訓は、このダービーがGI初出場。
 「ここまではいつも通りやってきた。GIは初めて。苦節16年、17年かな。雰囲気を味わいつつ楽しみたい。もまれながらでも得るものがあるといいですね」

7R

選手の写真です。
森田優弥選手
 前回の地元、西武園記念では決勝進出ならずの森田優弥(写真)は、風が舞う前検日のコンディションをふまえてこう言う。
 「(西武園は)感触はあまり良くなかった。ただ、気持ちの部分を切り替えられた開催だった。そのあとは普段通り練習をして感触は良かった。自分は風が強いのはあんまり得意じゃないけど、ここは走りやすいバンクです」
 その森田とタッグを組む武藤龍生は準備万端でGIに臨む。
 「自分のなかでここまでいい状態でGIを迎えられたのは初めてなので楽しみですね。森田君とは相性いいしワンツーもある。(森田に)離れたことはないけど抜けていないイメージですね」

8R

選手の写真です。
山崎芳仁選手
 昨年はダービーが中止になり、グランドスラムが1年持ち越しになった山崎芳仁(写真)は、まずは目の前の一戦に集中する。
 「(グランドスラムに関しては自分が優勝に)近い位置にいないので、なんともいえない。一戦、一戦、しっかりと。感触は悪くなかった。そのあとは調整程度の練習です」
 岩津裕介は、同県の河端朋之との連係で一次予選を突破をもくろむ。
 「練習では9車で走るとかもしてないし、そのなかでやれることをやってきた。レースではその時、その時の状況を判断ができるのが自分の持ち味だから、あとはそこら辺をしっかりとやるしかない。(状態は)良かったり悪かったりだけど、大丈夫かなと」

9R

選手の写真です。
和田真久留選手
 和田真久留(写真)は前回の西武園記念でも2勝をマーク。動き自体も悪くなかった。
 「(前回は)可もなく不可もなく。上積みがあると思います。(腰痛で欠場したけど)ある程度は練習もできた。松谷(秀幸)さんと2人で勝ち上がれるように」
 松谷秀幸はメンバーに眞杉匠の名前を見つけて警戒を強める。
 「メンバーがいいですね。自分は9車立ての方がチャンスはある。眞杉とは一番当たりたくなかった。ダービーに向けてしっかりやったし、練習はバッチリできている」

10R

選手の写真です。
寺崎浩平選手
 初日の一次予選を締めるのは近畿コンビ。寺崎浩平(写真)はGIでも平常心。決勝進出を目標に掲げる。
 「(準決が)壁になっているし、このダービーで決勝に乗れたら自信になる。(前回は)すごく調子が悪かった。原因がわかったんで、そのあと修正をしてきた。体のズレとかがあったんで、そこを修正してきた。オリンピックのテストイベントでハロンのベストが出たんで、調子はすごくいい。(GIでも)気持ちはいつもの競走と変わらずに一戦、一戦やるだけです」
 ようやく本来の動きが戻りつつある木暮安由が、地元地区の関東でのダービーで大化けがあるかもしれない。
 「川崎の全日本選抜でフレームを換えたら全然ダメで、もう終わったかと思いました(苦笑)。でも、徐々にですけど良くはなってきている。まだトンネルを抜けきったとまでは言えないですけど、やっと光りが見えてきましたね」

11R

選手の写真です。
鈴木竜士選手
 昨年5月に茨城から東京に移籍した鈴木竜士(写真)にとっては、初めのホームバンクでのダービーとなる。
 「(前回松山FIは)それなりに動けていたと思います。(今年は)失格とか落車があって、そんなにいい成績は残せてないですけど、体調は変わらずいいと思います。(地元ダービーで)気合が入ってる」
 3月のウィナーズカップでの落車が響いている和田健太郎が、そのなかで成績をまとめている。
 「正直、あまり良くはないです。そんななかで、言葉として合っているかわからないですけど、ごまかしごまかし、走りながらいい方にもっていけたらと思ってやっています。基礎的な部分が足りていないと感じたので、そういう部分をやってきました」
 山田英明は前回の地元、武雄記念決勝で弟の庸平と連係。前を託した。
 「なにより弟と決勝で連係できたというのが、いい経験になったと思います。来年も一緒に決勝戦を走りたいですし、ここからの大きいレースも兄弟で連係できたらいいなと思います。武雄記念が終わってからも気持ちを切らさずに1日、1日過ごしてきました。(京王閣は)初めてGIの決勝に乗せてもらったバンクなのですごい思い入れのあるバンクです」

1R

選手の写真です。
阿竹智史選手
 打鐘手前で兵庫コンビが先頭に立つが、そこを取鳥雄吾が叩いて最終ホーム過ぎに主導権を奪う。中四国ラインの3車で出切って、番手の阿竹智史(写真)には絶好の流れ。阿竹は後続との間合いを計って、抜かりなくチャンスをモノにした。
 「取鳥君のおかげ。シンプルに行けるところで仕掛けてくれた。3着までに残したかったけど、まだ下手ですね。ちょっと難しかった。(前回の落車は)不安はない。ここは相性がいい。(静岡のルーキーシリーズで優勝した)弟子(犬伏湧也)も強いのでしっかり負けないように。弟子の優勝はいい刺激になった」
 4番手に切り替えて直線で外に持ち出した松岡健介が追い込んで2着。
 「藤井(栄二)君が戦う展開になったけど、(最終)ホームで取鳥君にいかれた。3人に出切られてペースで微妙になって後ろをうかがいながらだった。(二次予選進出は)3着権利なので、後ろからのみ込まれるわけにはいかないから切り替えさせてもらった」

2R

選手の写真です。
竹内雄作選手
 赤板2コーナーで竹内雄作(写真)が押さえて先行態勢を取ると、坂本貴史がインで粘る。竹内後位が併走になって打鐘を通過する。最終ホームで金子貴志が、坂本をキメて番手を守る。坂本は3番手で立て直し、佐藤友和が続く。後方で脚を溜めた渡邉雄太のまくりは一息。レースを支配した竹内が、後続を振り切って1着。
 「坂本君が粘るのは想定外だったので、後ろに迷惑を掛けてしまった。粘られてしまったんで、変に意識しないで後ろを信頼して自分のもつように行きました。(今回は)新しいトレーニングを取り入れて最終的にバンク調整をした。直前があんまり良くなかったけど、結果が出たんで良かった」
 竹内の番手をキープした金子貴志が2着で中部ワンツー。
 「(竹内)雄作が強いんで、流れのなかでああなること(粘られる)もあるかと。ワンツーが決まって良かった。(最終)ホームで離れちゃうかと思った。ただ、口が空いて、追いつけば2(着)あるんで。最後は抜きにいったけど、脚を使ってたし(ホームが)重かった」

3R

選手の写真です。
宿口陽一選手
 佐々木豪が主導権を握るが、打鐘から踏み上げた柴崎淳がスピードの乗せてカマす。4番手の佐々木、7番手の坂井洋が、ほぼ同時に最終2コーナー過ぎに仕掛ける。志智俊夫が佐々木を止めるが、坂井に乗った宿口陽一(写真)が大外を突き抜けた。
 「坂井も1回脚を使っていたし、(最終)ホームで行けないのは仕方ないかなって。あそこで行けるのは平原(康多)さんクラス。自分もスタートでミスってしまって後ろ攻めになってしまい申し訳なかった。坂井君は後ろになったけど落ち着いていたし、(仕掛けて)出も良かった。外を踏めば届くかなって思ったけど、まさか1着までとはって感じですね」
 積極的に仕掛けた柴崎を利した志智俊夫は2着。
 「(柴崎)淳はチャンスが来れば仕掛けるタイプなので。(別線が仕掛けて)後ろが見えてから横まで来るのが早かったので、前に踏む感じになってしまいましたね。自分の状態は絶好調でも、回りも強い。淳のおかげです」

4R

選手の写真です。
岡村潤選手
 周回中は前で受けた大石剣士だったが、引いて後方で構えることなく打鐘手前で7番手から前団に襲い掛かる。中団で小休止してから関東勢をとらえた大石が主導権。大石の先行を番手の岡村潤(写真)がキッチリ交わした。
 「GIで(ラインで)ワンツースリーまでなかなか決められない。前後のおかげ。中団に入った時にここで良いかなと思ったけど、(大石)剣士もむずむずしている感じで長島君も流していたので、行くならここかなって思った。そこで(大石は)行ってくれた。出てからの剣士の感じも良く、後半から伸びていった。自分はここまでは練習よりも乗る感覚重視でやってきて、いい感じでこられた。前回の修正はできました」
 GI初出場の大石剣士だが、舞い上がることなく自分のスタイルでラインを上位独占に導いた。
 「理想的なワンツースリーでした。(二次予選進出が)3着権利なので、みんな長い距離を踏みたくないのかなと。それで最後に仕掛けようと。中団は入れてこのままでとも思ったけど、詰まって長島さんのペースになるのが嫌でいった。(最終)1コーナーから2コーナーは長島さんの横で我慢して、下りで出られるかなと。GIは初めてだけど、GIIと雰囲気は一緒で、周りの選手の雰囲気とかが楽しいですね」

5R

選手の写真です。
佐々木雄一選手
 赤板で上昇の田中晴基を、前受けの渡邉一成は突っ張る。田中は中団にもぐり込み、引いた稲毛健太と松川高大で6番手が取り合いに。後続の動きを見ながら渡邉はマイペースで駆けていく。最終2コーナーで外併走から松川がまくってくるが、佐々木雄一(写真)が好ブロックで止めると、粘る渡邉を寸前で交わしてアタマ。
 「もう一成がやりたいようにやってくれればと。付いてるだけで一成が全部やってくれた。自分は(練習での)数値とかの上がり下がりもないし、いい意味で変わらずですね」
 京王閣はFI戦を連覇中と好相性の走路。突っ張り先行から渡邉一成も危なげなく勝ち上がりを決める。
 「初手(の並び)が稲毛が(自分たちのラインの)真後ろで、押さえに来るのが晴基だったんでラッキーだった。これなら突っ張っちゃえば決まるなと。やりやすかったです。最終ホームくらいからはトルクを上げていたけど、ずっと流していた。ここはトラックもきれいでスムーズ。僕みたいにうまく回したいタイプにはいい」

6R

選手の写真です。
山崎賢人選手
 赤板過ぎに前団を押さえた谷口遼平が先制。前受けから7番手まで引いた山崎賢人(写真)は最終ホームから反撃を始める。マークの荒井崇博が離れるダッシュ、スピードで上がっていった山崎は2センターで谷口を飲み込んで圧勝した。
 「今日はもう前か後ろかって感じで行ける所からって思っていました。でもちょっと遅かったですね。後ろを連れ込めなかったので。もっと楽に行ける所はあったんですけど…。後ろ(が離れていること)はわからなくてとにかく先頭に出切るまではと思って踏みました。ちょっと重かったですね」
 吉田敏洋は谷口をギリギリまでかばいながら抜け出して2着を確保。
 「谷口はいつも頑張ってくれるので。いつもと違ったのは僕よりも点数を持ってること(苦笑)。谷口は落ち着いていましたね。あわよくば1人で飛んでくる展開になればと思っていたけどそうなりましたから。あのスピードでは自分はどうにもできないかった。3コーナー、4コーナーって接触もあったので」

7R

選手の写真です。
小川真太郎選手
 切り合いから打鐘2センターで先頭に立った小川真太郎(写真)を、間髪入れずに森田優弥が襲う。しかし、武藤龍生は呼吸が合わずに連結を外し、森田の番手には小川が入る。逃げる森田との車間を切って後続をけん制した小川は、詰めて直線鋭く伸びた。
 「森田君を後ろに置きたかった。森田君をフタして残り1周ぐらいからダッシュして先行しようかと。誘導が残っていて、森田君も内に差していたから先頭に立った。森田君が1人だったので行かせた。合わせ切れれば良かったんですけど。桑原(大志)さんが捌かれていたのがわからず、森田君自身もヨコができるからコーナーで行かずに遅めに仕掛けた。でも大坪さんが凄い勢いで仕掛けてきたから反省ですね。無理やり行かずにパワーも使わず流れに沿えるようになってきた。G1だとみんなセオリー通りに動くからやりやすいですね」
 武藤は4番手に割り込んだ後、最終バックで桑原の内を掬って小川の後ろまで車を上げる。最後は武藤と森田の2着争いかに、バック8番手からまくった森山智徳に勢いを貰った大坪功一が強襲。
 「突っ込むイメージをしていたし、タイミングとかが重なってイメージ通り突っ込めた。こういう所で出せましたね。前回から期間もあってセッティングとか気が付くところもあり、修正してきた。どこまでやれるかと思っていたけど、1着までいきたかったですね。二次予選からは未知の領域だけど頑張りたい」

8R

選手の写真です。
阿部力也選手
 河端朋之が軽快に風を切って、畑段嵐士は3番手を確保して脚をためる。蒔田英彦を制して5番手を取った山崎芳仁は仕掛けられない。番手の岩津裕介に絶好の展開だったが、中のコースを阿部力也(写真)が鮮やかに突き抜けた。
 「山崎さんも(仕掛けて)行きづらいペースになったし、厳しい展開になりました。正直、あそこからアタマまで伸びるとは思わなかった。自分の感覚以上に伸びているんで、調子の方はいいかなって思います」
 阿部の強襲に岩津裕介は、半車輪差の2着。
 「(河端は)自分のペースで駆けられたし、スピードも出ていた。だから後ろが来ても、なんとかなる感じがありました。(ダービーの開催は)6日間あるんで、ここから徐々に良くなっていってくれたら。(初日は)こんなもんかなと」

9R

選手の写真です。
神山拓弥選手
 ダービー初出場の眞杉匠がきっちりレースをメイクした。赤板で誘導を切った中井俊亮を叩いた眞杉は2コーナーから主導権を握る。4番手に中井、5番手に追い上げた和田真久留となるが、好ペースで駆ける眞杉の前に全く動けず。最後は粘る眞杉を僅かに交わして神山拓弥(写真)が一次予選を1着で突破した。
 「眞杉も頑張ってくれたし辰(芦澤辰弘)も後ろを固めてくれたので、自分の仕事に集中できました。凄く強かったしカカってましたね。GIの厳しさを教えてやろうかと思ったけど、これっぽっちしか進まなかった(苦笑)。いつもの眞杉なら4コーナーで脇が空くけど最後まで踏めてましたね」
 大舞台にも臆せず自分のレースで別線を完封した眞杉匠が2着。3着に入った芦澤を含めてラインで上位独占に導いた。
 「今日はスンナリと出切れたので。昨日の(指定練習の時の風の)方が強烈だったので今日はそこまででした。4コーナーから来たのが見えたので踏んで、モニターを見たら休んでいるのが分かったのでペースで踏めました。緊張はそこまでしなかったです。それよりも楽しかった」

10R

選手の写真です。
木暮安由選手
 切り合いになった上を寺崎浩平が強引に叩いて最終ホームから先行態勢に入る。村上博幸が寺崎に続くが、北野武史は離れてしまい、3、4番手には叩かれた小林泰正-木暮安由(写真)の群馬コンビが入る。そのまま寺崎が飛ばしていくも最後の最後で失速。横一線のゴールから、木暮が鋭く伸び切った。
 「(小林が)中団取って積極的に前々に踏んでくれればチャンスあるなと。打鐘で動いたあそこが勝負所でしたね。並び的にも4コーナー勝負だなと。冷静に走れているから次が楽しみ。今年はどんどん1着を取って車券に貢献したい。練習でも結構踏めていたから楽しみだった。徐々に噛み合ってきている」
 寺崎をかばいながら踏んだ村上博幸は、寸前で木暮に交わされて2着に終わる。
 「スタートは取れたら前でした。一番長い距離をモガけるのが寺崎だったのでカマせるのが理想でした。自分は悪くなかったが、寺崎と数回しか連係していないけど、寺崎はいつもの流れ方じゃなかった。残したくて車間を切ったが無理やった。後ろから僕も食われているし、厳しかった。感触良く入ったつもりで初日から寺崎の番手でしっかり追走できたから悪くないですね」

11R

選手の写真です。
鈴木竜士選手
 3番手の外併走から踏み込んだ平原康多が打鐘で叩いて先行策。単騎の東口善朋が埼京勢に続くが、小松崎大地は入れず取り合いになる。もつれたところを最終2コーナーで岩本俊介がまくる。逃げる平原と車間を空けた鈴木竜士(写真)は、別線をけん制して追い込んだ。
 「平原さんにお任せしてましたし、僕は援護だけをと。自分のやれることをやろうと。それ(別線を止める)しか頭になかった。自分はすごく体が軽いですね。ゴール後に(平原と小松崎が接触して)落車があったんでちょっと…。ただ、自分は絶好調だと思います」
 まくりで迫った岩本俊介が2着に入り、4日目のゴールデンレーサー賞に進んだ。
 「(スタートを)我慢してどうかなっていうのがあったんですけど、前受けになってキツい展開でした。それでもしっかりと踏み上げれば、絶対にもう1回チャンスが巡ってくると。前受けでも1回踏み上げて、自分でレースをつくるイメージだった。ジャン過ぎの4コーナーで詰まったんですけど、脚にきてたのもあって怯んでしまった。(4日目のゴールデンレーサー賞進出は)大きいです。(2、3日目の)休みの過ごした方が大事になってきますね」


≪ 2日目 ≫

< 5R >
 松本貴治(写真)は、前回のウィナーズカップの落車から1カ月以上空いて状態はどうか。
 「(落車の怪我は)いまは全然痛みもないし、大したことはない。15日以上はしっかり練習できました。フレームも問題なく使えるので大丈夫です。京王閣は初めて来たのでわからないですね」
 村上義弘との連係で山田久徳がダービーのスタートを切る。
 「成績は良かったり悪かったりですけど、感覚はそこまで悪くないし変わらない感じです。京王閣は勝ち上がれているイメージだし、相性は良いと思う。いつも通り流れを見て戦えれば」


< 6R >
 河村雅章は中4日とタイトなローテーションで地元ダービーに挑む。
 「2日目からなのでしっかりと準備して備えたい。山岸(佳太)君とは連係もあるしワンツーも決まっていると思う。地元なので予選はクリアしたい。」
 差し脚堅実な椎木尾拓哉(写真)は、このメンバーでは一番積極的な野原雅也とのタッグを組む。
 「直前は(和歌山が)開催しててバンクに入れなかったので感触はわからないけど、精いっぱい頑張ります。調整は普通にやってきました。(野原雅也との)連係も多い方だと思います」


< 7R >
 太田竜馬(写真)はウィナーズカップの初日に落車を喫したが、2日目以降を179着でシリーズを走りぬいた。が、その後の反動があった様子。
 「(ウィナーズカップのあと)帰ってからだいぶダメージがあったんで、療養しました。ダービーはGIのなかでも一番大きい大会なので、そこに向けてやってきました。(直前の練習は)悪くなかったんで全然大丈夫です」
 前回の小倉FIを134着。上昇気配の渡部哲男が、太田の番手を回る。
 「(前々回の)川崎の時は正直、良くなかったですけど、前回の小倉は少し良くなりましたね。今回は前回よりも良くなっていると思います。太田と相性はいいと思いますよ」


< 8R >
 北津留翼(写真)は、前回の別府FIを327着。決勝に進出したものの、久々にシリーズを通しての勝ち星がなかった。
 「(別府は)走り方をしくじったかなと思います。組み立ても脚があれば良かったけど、そこまで脚がなかった。1着を取りたかったけど失敗しました。それからは練習する時間も調整する時間もありました」
 野口裕史は前回の西武園で4連勝で記念初制覇を逃げ切りで遂げた。
 「前回は狙って獲ったって感じじゃないので、実感はそこまでないですね。でも、街道からバンク練習に切り替えて、良くなってきた実感はあります。ダービーは初めてですけど、自分はいつも通り力を出し切れるように戦うだけだと思っています」


< 9R >
 高橋晋也(写真)は、前回の西武園記念決勝での落車の影響が気になるところだ。
 「(落車の怪我は)全然大丈夫です、問題ない。1、2日は休んで感触良く練習をしてきました。自転車は(落車で)粉々になったけど。ちょうど同じ寸法のフレームを頼んでたのでタイミングよく届いた。だから問題はないと思います」
 前回の松山FIを352着の芦澤大輔は、手ごたえを感じて大一番に臨む。
 「ちょっと楽しみなくらいに上がってきている。前回も数字的には見ばえが良くないけど、感触は良かった。セッティングも常にいじって怖がらずにやっているし、体も反応している」


< 10R >
 前回の武雄記念では8228着の成績以上に動きの良さが光った清水裕友(写真)は、2度目のGI制覇に好スタートを切りたい。
 「武雄の前は練習を結構、追い込んで行ったんですけど、疲れたなかでもそれなりにはやれたかなっていう感じですね。ここに向けてしっかりやってきたつもりではいるんで、ここでしっかり結果が出せたらいいなって思います」
 古性優作は、前回の広島FIで今年初優勝を遂げて弾みをつけた。
 「いまのところ(セッティングだとかの)悩みはなにもないですね。練習も普通にやってきました。(京王閣バンクの印象は)とくにはないですけど、(走ってて)気持ちいいですね」
 ダービー初出場の中本匠栄が特選からスタートを切る。
 「(前回の)広島はここに向けて練習をやってきている途中で、まずまずでした。去年が中止でダービー(出場は)初めてです。せっかく特選からなんで、一戦一戦、(力を)出していきたいと思います」


< 11R >
 昨年の競輪祭、今年2月の全日本選抜に続いて郡司浩平(写真)は、このダービーでGI3連覇がかかっている。
 「前回とかもしっかり自力を出せましたし、いい感じでは乗り込めてるかなと思います。最近は番手を回る機会が多くなってきて、自力の面では不安もあったんですが、前回は自分が思っていた以上に走れた。それが今回につながるかなと思う」
 松浦悠士は武雄記念で郡司をくだして、今年早くも4度目のGIII優勝。
 「(前々回)四日市はそこまで良くなかったので、武雄はそれなりに良かったと思います。(ダービーに向けてやるべきことはやったので)自信を持って臨めると思います」
 15年に当所のグランプリを制した浅井康太は、前回の小田原FIを411着でV奪取。
 「前回はぶっつけ本番でセッティングを変えたんですけど、得るものはあったかなという感じです。(特選は)いいメンバーなので、精いっぱい走りたい」

5R

選手の写真です。
松本貴治選手
 合わせて動いた山田久徳が上田尭弥の番手で粘り、上田後位が併走で打鐘を迎える。鈴木謙太郎がすかさず仕掛けるが、上田が合わせる。番手は山田が奪って、上田が主導権をキープする。脚をためた松本貴治(写真)は、5番手で最終バック手前からまくる。直線の入り口で前団をとらえた松本が1着。
 「もうちょっと前に踏んでもいいかなっていうのがあったけど、(山田)久徳さんと位置を取り合ってもと思ってスッと引いて脚をためた。自分では楽だなっていうのがあったんで、もうちょっと(まくりが)出てもいいかなっていうのがある。思った以上に出なかった。(1カ月以上ぶりの実戦で)心肺がめっちゃキツかった」
 逃げる上田の番手を取り切った山田だが、松本のまくりに対応しきれない。村上義弘は追い込むも3着。
 「(山田が上田の番手で粘ったのは)とっさの判断だと思う。1回引きかけてたんで、僕も3番手を取るのかなと。あとはできることなら番手から出てほしかった。それが(山田と)2人で勝ち上がれるチャンスだと。自分もバックを踏む回数が多かったけど、最後はもうひと伸びほしかった」

6R

選手の写真です。
野原雅也選手
 久米康平が押さえた上を関東ライン3車が飛び出して主導権。打鐘の2センターでインを突いた山田庸平が4番手に入り、後方に置かれた野原雅也(写真)と絡んだ橋本強が最終1コーナーで落車。山田のまくりを河村雅章が猛ブロック。野原がまくり追い込みで、もつれた前団をごっそりのみ込んだ。
 「スタートは前が良かったけど、後ろ攻めになってしまったのでイメージ通りには走れなかった。1回切らないとレースが動かないと思った。すくわれたあとも冷静に走れました。組み立てには失敗したけど、軽かったし伸びも良かった」
 地元の河村のけん制にも助けられた山岸佳太が、踏ん張って2着に逃げ残った。
 「先行しようという気持ちを前面に出して走れた。駆けるまでも落ち着けたし、3着まで残れたので悪くない。二次予選以降もチャレンジャー精神をもって走りたい」

7R

選手の写真です。
中村浩士選手
 千葉の師弟連係が見事に決まった。前受けの太田竜馬が別線の巻き返しを突っ張ってそのまま先頭に立つところを、打鐘3コーナーで根田空史が叩いて先制。南関3車を出させて4番手確保のはずの太田竜馬だったが、想定外の流れで中部勢に中団位置を奪われて苦しくなる。これで完全に南関勢の流れとなり、絶妙なペース配分で逃げた根田をゴール寸前で交わした中村浩士(写真)が嬉しい1着を手にした。
 「あの位置取ってからどうやって攻めようか話していたから位置取りから成功。前がどうなっているのか突っ張っているのか見えた。(根田に)落ち着いて長い距離を踏もうねと。師匠冥利に尽きます。練習通りに走ってくれた。ウィナーズカップの初日に根田に離れて吹っ切れてギヤを戻した。GIでどんな組み合わせでもし烈なので、気を引き締めて次を走りたい。岩本(俊介)が初日に良い走りをしたから活気が出ますね」
 根田空史が敵の反撃を封じて先行屋としての本領を発揮。3着の萩原孝之まで南関で上位独占の結果に導いた。
 「ワンツースリーまでで良かった。第一候補の作戦通りの並びになった。太田君の突っ張りは想定外でした。自分のタイミングでいけて良かった。周回中から重さはあったが、それ以上に調子が良いから凄くキツい感じではなかった。終わってからぶっ倒れてないから感じ良く回せているのかな。先行で残れているから全日本選抜の初日より良くなっている。今の感じでうまくペダリングを精度を上げることを意識したい。力を出し切れれば自ずと着はついてくる。岩本(俊介)さんとは練習一緒にしているから刺激になった」

8R

選手の写真です。
北津留翼選手
 打鐘で野口裕史が先頭に立ち主導権。追い上げた三谷竜生は、渡邉晴智をさばいて3番手に入る。一本棒の8番手で最終ホームを通過した北津留翼(写真)は2コーナー過ぎから仕掛ける。力強い先行で風を切る野口を射程圏に入れた北津留は、グングンと前団に迫り、逃げ切り図る野口をゴール手前でとらえた。
 「野口選手がいたんで、先行は無理かなと(笑)。あとは(周回中)前から流れで。(自分が下げたあとは)強風なんで前の人がツラいだろうと思ってたけど、自分も付いていくのにいっぱいでした。なんとかブロックされずにすんだ。勝ち上がれたので、このチャンスを生かしたい」
 3番手から追い込んだ三谷竜生が伸びて2着。
 「ちょっとスタートの並びが嫌な並びだったんで、切ってから考えようと。島川(将貴)君が思ったよりも踏まなかったんで、あそこは行くしかないかと。しっかり動けてるけど、野口さんが強かった。奈良G3で兄貴(三谷将太)が優勝したんで、自分も気持ちが入りました。その気持ちをダービーに乗せて走れたかなと」

9R

選手の写真です。
皿屋豊選手
 伊藤信、雨谷一樹の順で切った上を打鐘2センターで高橋晋也が叩いて主導権を握る。しかし、内で抵抗する雨谷を成田和也がキメにいくと、雨谷、芦澤大輔が落車してしまう。これで大きく車間が空いた後方に置かれた皿屋豊(写真)だったが、最終2コーナーから反撃を始めると、グングンと加速。直線で北の3人をまとめて飲み込んだ。
 「なかなか(並びが)決まらなくてちょっとパニックになってしまった。みんな脚を使って残り1周って感じだったので後ろになってしまいましたけど、まだチャンスはあるかなって。相手任せにはなってしまったけど脚は良かった」
 成田が失格の結果に高橋晋也は表情が固い。
 「前だけは嫌だったので。自分の仕掛け方が下手だったので後ろに迷惑をかけてしまった。ジャンの前に見られていたので隠れてから一気に行こうと思ったんですけど雨谷さんのダッシュが良くて…。組み立ては良くなかったですけど、脚は悪くないと思うので明日以降はうまく組み立てられるように」

10R

選手の写真です。
佐藤慎太郎選手
 赤板2コーナーから新山響平が山降ろしで踏み込む。北日本勢に単騎の中本匠栄が続いて3車で後続を離す。4番手の古性優作は徐々に車間を詰めるも、5番手に入っていた清水裕友が最終2コーナーからまくる。逃げる新山の掛かりもよく、番手の佐藤慎太郎(写真)が清水を退けて勝ち切った。
 「(新山は)後ろのことを気遣ってくれて、それで自分の走りをする。本当にいい選手になりましたね。(新山)響平の成長を感じました。俺に余裕があれば(新山と)ワンツーだったと思う。自分の力の衰えを感じました。(4日目の)ゴールデンレーサー賞に乗れたのはデカい。オジサンにとって(3日目の1日を)休めるのはうれしい」
 打鐘の2センターで古性後位の5番手にいた清水裕友は、敢然と仕掛けて2着。
 「古性さんをアテにするより自分で行った方がと。それで越えられれば、前が目標になってアタマまで狙えるし、自分は自力屋ですから。そこはかけでした。最後はちょっとパコパコになってしまった」
 古性との連結を外したものの、稲川翔が外を伸びた。
 「しっかりと(古性)優作に付いていかないと。遠回りした分、追いかけられなかった。ゴール前は自分は外を踏もうと思ってたし、あとは優作がどっちを踏むかでした。優作は転んだかと思った。僕はあきらめず踏んだけど、(連結は外して古性に)申し訳ない」

11R

選手の写真です。
浅井康太選手
 打鐘の2センターで出た松浦悠士が、先行態勢を取る。が、すかさず郡司浩平が襲い掛かる。最終1コーナーで郡司が叩くが、内藤秀久は遅れ気味。松浦が番手に飛び付く。浅井康太(写真)は2コーナーからまくると、直線半ばで松浦に並んで踏み勝った。
 「動いてから位置を取るっていう形だった。ただ、それで8番手になったんで苦しい展開でした。松浦君と郡司君は最近調子もいいし、優勝ばっかりしている。こういうメンバーで後手を踏んだけど、しっかりと仕掛けられたのが勝因だと。(1着で)収穫はあるけど、(相手は)修正もしてくるんで、自分もあとの5日間をしっかりとやっていきたい」
 郡司に主導権を明け渡した松浦悠士だったが、番手に入り追い込んだ。
 「自分としては主導権を握りたかった。本当は郡司君を出させたくなかったんで、内容としてはもうちょっとほしいですね。そのあとは番手が空いてたんでああいう形に。後ろに内藤さんがいたんで、割ってくると思ったから外をスレスレでいった」
 内藤が離れて援護を失った郡司浩平は、3着に粘り込んで感触をつかんだ。
 「松浦が僕の方を見ながら切りにいったんで、タイミングが狂ったけどしっかり叩けた。メンバー的にあの作戦で良かったけど、もうワンテンポうまく流れてくれたら。それでもここしかないっていうところで行けた。出切ってビジョンを見たら(後ろが松浦だったんで)、来たら合わせられるくらいで吹かしすぎないようにと。逃げ粘れたし、感触はいい」


≪3日目12R「ガールズケイリンコレクション2021京王閣ステージ(FII)」≫

 児玉碧衣は前々回の松阪でのガールズケイリンコレクションも含めて15連勝中。女王らしいレースで勝ち星を積み重ねている。
 「ちょっと(松阪を)優勝してホッとしたのか腰に違和感があって、モガけないことはなかったんですけど。こんな中途半端に走ってもなっていうのがあって、(4月豊橋は欠場して)大事を取りました。(前回の小倉は)ドームだし、自分が一番好きなアラヤのディスクだったので、すごい3日間、自分のなかでは手応えは良かったです」
 1月取手のトライアルで優勝した久米詩は、ガールズケイリンコレクション初出場。
 「(前回の函館は石井)寛子さんの自在性が光っていたので、同じ開催になって学んだこともありましたし、いい収穫があったと思います。(函館からは)とくにコレクションに向けてっていう感じではなかったんですけど、スピード練習とか自力の練習とかバランス良くできました。トライアルレースで優勝した時はビックリしました。うれしいというよりはビックリでした。2着までに入れたらコレクションに出られるくらいの気持ちだったので、まさかっていう感じでした。競輪学校の時からって考えると、ちょっとデキ過ぎかなって思っています」

7R

選手の写真です。
松岡健介選手
 インを突いて踏み込む小林泰正と新山響平の壮絶な先行争いで打鐘に突入する。小林に張られながらも新山が主導権を奪取して、番手には小林。大槻寛徳が3番手で最終ホームを通過する。もつれた中団の内を進出した畑段嵐士と連結を外した松岡健介(写真)が、自力に転じてまくりで1着。
 「(最終)ホームで北津留君が整っているのが見えて、畑段君も余裕がありそうだった。それで外を踏んでくれと思ったけど内に行った。そのあとは自分で外を踏みました。風が強いイメージがあったけど、周回中は軽かった。初戦よりも軽かったですね」
 後方に置かれた北津留翼は、松岡を追いかけるように外を伸びて2着。
 「(園田匠には)いつも任せてもらっているからラインで決めたかった。(最終)2コーナーで行きたかったけど、踏んだ時に(さばかれて下がってきた)渡部(幸訓)さんとかぶってしまって仕掛けられなかった。そのあとも踏むタイミングがなく終わってしまった感じです。2コーナーで行けていればラインで決まっていたと思う。詰めの甘さがでました」

8R

選手の写真です。
内藤秀久選手
 根田空史の上昇を察知した松本貴治が、中団でけん制する。赤板1センターでは松本が外に上がって仕掛けられなかった根田だが、外が空くと山降ろしで踏んでスピードに乗せる。南関3車で鮮やかにカマして、古性優作が4番手に飛び付く。後方からまくった松本は、最終3コーナーで古性に張られて不発。そのまま古性が踏み込むが、番手の内藤秀久(写真)が逃げる根田を交わして抜け出した。
 「もう前回の小田原から根田君とは一緒だったんで、良くても悪くても心中だと思ってた。練習のロケットみたいな走りで、根田君はジャンのところはニュートラルに入れてた。自分も余裕はあったんで、あとは(別線が)来たら仕事をするイメージだった。昨日(特選)取りこぼして鈴木裕君にも迷惑を掛けたけど、ここで取り戻せた。これで気持ち良く準決に臨めます」
 一次予選に続いて先行策に出た根田空史は、持ち前のスピードを披露して別線を退けた。
 「(前団の)ああいうけん制のケースも頭には入れてたんで落ち着いて、松本(貴治)君を見ながら自分のもつ距離で踏みました。昨日(一次予選)に比べたらハイペースになったけど、それでも最後まで踏めてたんで良かったです。出切れれば、内藤さん、萩原(孝之)さんと後ろがしっかりしているので、どうにかしてくれると思ってました」

9R

選手の写真です。
眞杉匠選手
 正規でGIを走るのは今回が初という眞杉匠(写真)が強敵相手の二次予選で大金星を挙げた。切り合いの前団を打鐘前2コーナーから眞杉が叩きに行くと、小川真太郎もペースを上げて出させない構え。モガキ合いとなるが、最終ホームで眞杉が出切る。懸命に逃げる眞杉に好回転で迫った三谷竜生のまくりは、諸橋愛が2センターでの好ブロックで止める。そのまま直線に入り、二の足を使った眞杉は諸橋の追撃をも振り切って堂々の勝利。
 「踏まされて出る形になるかなって思ったので、(小川が)突っ張る感じだったので焦りました。出切ってからもきつくてバックからはタレて行く一方でした。前回からのフレームを換えてギアを92にしたら感じが良いですね。押し切れるとは思っていませんでした」
 ライン2車にも積極的に駆けた眞杉に、諸橋愛が的確なブロックで応えて関東ワンツー決着となった。
 「眞杉は強いね。(突っ張られた眞杉が再度踏み出したときに)自分も付け切れていないから正直、内に切り込もうかどうしようか考えたけど、出切ってから2コーナーでまたグッとかかっていきましたね。自分は2車で難しかったですね。三谷も結構、頑張っていたし。でもあれ以上は持っていけないんでね。最後はちょっと外に持ち出すのが遅くなってしまって抜けなかったですね。でも悪くなかったので。眞杉が強かった」

10R

選手の写真です。
山田英明選手
 赤板過ぎに坂井洋が先頭に立つが、打鐘コーナーで内を掬った原田研太朗が主導権を奪取。これで8番手に置かれた山崎賢人だったが、6番手で外に気を取られる渡邉一成の内のコースをすり抜けて仕掛け、原田に襲い掛かる。意外な山崎の動きに連結を外しながら山田英明(写真)が自力を出して山崎を追う。最終3コーナーで前団をまくり切った山崎に追い付いた山田は、山崎を残し気味に踏んで1着。
 「別線が切って切ってで先行になるかなと思ってが、そうはならなかった。(山崎は)今開催一番脚のある選手なので、信頼して付いていけば良いと。(山崎は)キツそうでしたね。賢人の走りを見ているから行ける所で内、外、どちらでも行くから食らいついて行こうと。何があっても絶対に付いて行こうと思っていたから内は見ていなかったし、ダメならダメで良いと。初戦を終えて、自分の欠点や、いろんな人に助言をもらいながらで良いモチベーションで戦えている。脚が良いとは言えないが、気合で頑張りたい」
 後方で脚を溜め、最終バックからまくり上げた*渡邉一成が2着に強襲。
 「山崎君を警戒してのレースでした。山崎君が残り1周で仕掛けたら厳しいなと。仕掛けさせて一緒に出るつもりで外を見ていたら内に行かれて、気付いた時には横にいた。山田さんが離れ気味だったのでスイッチしようと思ったが、そこも遅れた。だから落ち着いて4コーナー勝負しようと。山田さんも離れながらで山田さんを追いながら脚を溜めて4コーナーでと思ったが、カカりが良くてバタバタしてしまった。反省点は山崎君にしゃくられた所と山田さんの所に一歩早くスイッチして山崎君を追えればでした。動きも脚の状態は良い。自信をもって仕掛けられている。6日間のレースで走り休み走り休みで準決にいけたのはデカいですね。しっかりと疲れを取ります」

11R

選手の写真です。
岡村潤選手
 赤板2コーナーからすかさず叩きに出た高橋晋也を皿屋豊が突っ張り両者の踏み合い。前団で北日本と中部ラインが重なり、そこを鈴木裕がまくり上げる。逃げる高橋を直線の入り口でとらえた鈴木を岡村潤(写真)が交わして連勝のゴール。
 「一番いい展開になったし、キック(鈴木)もいいところで(仕掛けて)出てくれた。僕は付いているだけだった。(連勝で準決に進出して)この結果では、悪くてもいいって言うしかない。ただ、(前回の)西武園よりも全然いい。レースでも余裕がある。1日走って、1日休んで(の繰り返しで)理想的ですね。体力的にも、もうキツいところもあるんで」
 別線の叩き合いで絶好の展開をまくりで仕留めた鈴木裕は、ラインでの上位独占を満足そうに振り返る。
 「万事うまくいきました。どっち(のライン)が先行態勢に入っても、番手が仕事をする選手なので、早めに行ったらブロックをもらうなっていうのがあった。いつでも行ける感じがした。あとは(最終)2コーナーで詰まったんで行きました。(ラインで上位独占が)なによりうれしい。なにもしないで4、5、6着とか、つまらないことはやりたくなかった」

12R

選手の写真です。
佐藤水菜選手
 「ガールズケイリンコレクション2021京王閣ステージ(FII)」は、人気を集めた“女王”児玉碧衣が敗れる波乱。前受けからそのまま太田美穂が逃げる。2番手に久米詩が続いて、3番手には大きく車間を空けた佐藤水菜(写真)。5番手にポジショニングした児玉との間合いを取る。最終2コーナーから児玉が仕掛けると、合わせるように車間を詰めてまくりで優勝。コレクション初Vを飾った。
 「初めて大きいレースを獲れたんでうれしいですけど、落車があったんで…。直近の自分の調子がすごく良くて、いつもより自信をもってドンと構えました。荒牧(聖未)さんが後ろに入ったのもわかりましたし、終始(周りが)見えていました。ずっと冷静でした。太田さんにも注意しつつ、いつでもまくれる距離に詰めて、あとは児玉さんに合わせてでした。外併走のまくりづらさも自分はわかっていたので、一番嫌なタイミングで行こうって決めてました」
 2番手から先まくりの久米詩は、佐藤、荒牧にのみ込まれて3着。
 「優勝のチャンスはあったのに、脚力不足ですね。放っておかれる感じになったので、あとは自分がどこで行くかでした。バックを取るつもりで行ったのに出が悪かったですね。もう少し勢い良く行ければ良かった」
 最終2コーナーからまくったものの、佐藤に合わされた児玉碧衣は、4着で連勝がストップした。
 「荒牧さんを入れたのが失敗かな。それ以前に佐藤さんを入れたのが失敗なのか。佐藤さんの番手なら一緒に仕掛けられた。でも、荒牧さんが来て外で粘られて、打鐘前で併走のままだといけないから入れてしまった。(最終)3コーナーの下りで石井(貴子)さんと接触したけど、ハスった感じもなかった。4コーナーでも佐藤さんと接触した。どうしたら良かったのか…。佐藤さんの技術と判断が上でした」

3R

選手の写真です。
朝倉佳弘選手
 地元ホームの朝倉佳弘(写真)が3走目にしてうれしい勝利。レースは、打鐘で押さえた堀内俊介を2センターで叩いて長島大介が先行勝負に出る。車間を切って長島を援護の朝倉は、ゴール前で殺到する後続の追撃も振り切って抜け出した。
 「長島君が気持ちの入ったレースをしてくれました。ちょっと遅いですけど、ここに向けてやってきたことを結果として出せたかなって。もう少し自分に余裕があれば残せたと思いますけど、地元なので1着を取らないと意味がないと思って。歳を重ねるごとに1着は貴重ですけど、いままでのなかでも、今日(4日目)の1着は格別ですね」
 関東勢を出させて3番手確保の堀内俊介だったが、仕掛けられず2着流れ込みの結果に。
 「後ろからになるかなって思っていたんですけど、福田(知也)さんがいい位置を取ってくれたので。長島さんが来て悩んだんですけど…。もっとしっかり3番手に飛び付いてまくりに行ければ良かった」

5R

選手の写真です。
川口公太朗選手
 筒井敦史が連結を外して強引に叩いた島川将貴の番手に谷口遼平が飛び付く。谷口は最終2センターで外に持ち出してじわじわと伸びるが、脚をためていた川口公太朗(写真)がその外を突き抜け、GI初出場で初勝利を遂げた。
 「(GI初勝利は)めちゃくちゃうれしい。1着を取りたい気持ちもあるけど、まずはラインで決められるように、自分の仕事をしっかりとできるようにっていうのがありました。(弟の聖二が)4レースで走ったんで、自分も頑張ろうと。自分も付いていくのに必死だったけど、昨日(3日目)1着が取れなかったぶんもあるし、笠松(信幸)さんもいたんで、強めに踏ませてもらいました。GIはピリピリしているなかで和気あいあいもしてるんで、いろいろ知ることができて自分にはすごくプラスです」
 5番手からまくり気味に追い込んだ松坂洋平が2着に入った。
 「前を取って櫻井(正孝)君を突っ張って自分でペースをつくったんで、周りもキツかったと思います。周りがタレてきた感じでした。1着が取れてないけど、自分で動いて2着が取れてるんで悪くない」

8R

選手の写真です。
太田竜馬選手
 打鐘手前で先頭に立った森田優弥が先行態勢を取るが、中井俊亮も反撃に出て両者の主導権争い。森田が合わせ切るも、脚をためていた太田竜馬(写真)が最終2コーナー手前からまくりを打つ。スピードの違いであっさりと前団をとらえた太田がそのまま押し切った。
 「(別線が)踏み合ってすごいスピードが良かったんですけど、自分もスピードの乗りが良かったんで行けるかなと。普段だったらああなっても、(押さえるのに1回脚を使って)行けないんですけど、今日は行けそうな自信がありました。こういう組み立てで手数が増やしていければいい。2勝できているし、調子は悪くない」
 太田ライン3番手の池田憲昭は離れ気味も、危なげなく番手を追走した渡部哲男が2着。
 「(太田が後ろからの組み立てをして)カマシ一辺倒と思われるよりも、違うことをやった方が、今後の太田君にも四国ラインにもプラスになるんじゃないかと。太田君のスピードが良くて、まったく抜けそうな感じはなかった」

9R

選手の写真です。
武藤龍生選手
 けん制を受けながらも強引に仕掛けた大石剣士が打鐘から先頭に立つが、大石がペースを上げる前に引いた小松崎大地との外併走から竹内雄作が反撃に出る。最終ホームでは竹内の主導権で、連結を外した村上博幸の代わりに大石が番手にハマる流れ。この竹内の仕掛けに機敏に反応した鈴木庸之もまくりで上がってくる。竹内に離れた大石を乗り越えた鈴木は懸命に竹内に迫って直線へ。最後は鈴木、竹内のアタマ争いかに、鈴木マークの武藤龍生(写真)が外を鋭く伸びた。
 「出入りの激しいレースで脚を消耗しました。(最終)1コーナーで村上さんにさばかれないようにツケマイで回りました。初日に迷惑を掛けてしまった2人のぶんまで頑張ろうと思って集中していました。タツさん(芦澤辰弘)も後ろを固めてくれていたので一緒にと思って踏み込みました。チャンスをモノにできればと」
 鈴木は振り切って、竹内雄作が2着に踏み止まった。
 「先行したかったので。前を取ったら大石君のペースになってしまってしまうと。今日(4日目)は早めに仕掛けたかった。大石君に付いて行ってそのまま行ければ良かったけど、小松崎さんが遅れているのが見えて1回休んでから仕掛けました。ノブさん(鈴木)がまくり追い込んでくると思ったので自分が持つペースでと思って踏みました。最近は1周半とか長い距離は踏めてないですけど、その分スピードは上がっているのかなって」

10R

選手の写真です。
野原雅也選手
 打鐘手前で先頭に立った山岸佳太に野口裕史が襲い掛かるが、野口は東口善朋のブロックで失速。関東勢後位を野原雅也(写真)がキープしてレースが流れる。野口は不発で中団がもつれると、菅田壱道は1車インを押し上げて東口の横まで進出。最終2コーナーから野原がまくり、菅田を制した東口が続く。近畿コンビで逃げる山岸をとらえてワンツー。
 「あまり考えずに前々に行こうと。たまたまいい位置を取れて、まくれた。誰も来なければ駆けようっていうのはあったし、野口さんの先行も頭にあった。前回はまくりが出なかったけど、今日(4日目)はまくりが出て良かった」
 東口善朋はソツない立ち回りで、野原に続いた。
 「野口君と合って、横に動ける余裕があったから動いた。それが結果的に良かった。流れの中でさばけて良かった。野口君に行かれたらどうしようもないですからね。精いっぱいの動きをしようと思っていてできて良かった。気を引き締めて走れている」

11R

選手の写真です。
郡司浩平選手
 1回、押さえて出た郡司浩平(写真)を清水裕友、浅井康太の順番で出て、その上を叩いた平原康多が最終的に先行策。しかしながら、清水も2センターから再び踏み込む。一度は空いた3番手に入った清水だが、関東勢にまくりで迫る。後方になった郡司も最終2コーナーから反撃。関東勢をとらえた清水に続いた松浦悠士が差し脚を伸ばすも、その外を郡司が強襲して1着。
 「1回動いてからと思ってたけど、あんなに入れ代わり立ち代わりになるとは思わなかった。ゴールデンレーサー賞なんでみんな積極的に来るんだろうなっていうのがあったけど、僕の想像以上でした。それで後方になってしまった。でも、踏み上げていけた。(3日目が)休みだったりして、わりとフレッシュな状態で1走できたんで、これでピリッとして準決につながるかなと」
 清水のまくりに乗った松浦悠士は、直線での伸び比べで郡司に屈した。
 「郡司君が来て踏み込んだんですけど、ちょっと遅いかった。(清水)裕友が頑張ってくれたのに、最後(郡司に)いかれてるんでデキはもうひとつですかね。ただ、1走目よりはいい。最後、郡司君を交わすくらいの伸びがほしかった」
 単騎の稲川翔が中国勢を追いかける。最終3コーナーではインに降りて郡司に割り込まれたが、直線で盛り返して3着。
 「入れ代わりが激しいレースになって、後方になってしまって焦りました。最終的に清水が駆ける展開かなというのがあったんで、誤算というか自分の判断が甘かった。ただ、最上位のレースを自分の判断で走れたのは収穫になった」

2R

選手の写真です。
山崎芳仁選手
 山田久徳と山崎芳仁による実質2分戦は、山崎を7番手に置いた山田久が、徐々にペースを上げて逃げる。単騎の山田庸平は5番手から最終1センターでまくりを打ち、山崎の追撃を振り切った。
 「後ろに(山崎がいるんで)絶対に仕掛けてくると思ったんで、先に仕掛けるのを意識した。タテに踏んで自分の調子をつかめたらっていうのがあった。去年(開催中止で)ダービーがなかったんで、(今年こそはと)1年間思ってやってきました。腰痛もあってうまくいかなかったこともあったけど、あの位置を取れてそれをしっかりと生かせた」
 88期の同期として一時代を築き、輪界をけん引してきた武田豊樹と山崎芳仁(写真)。GIファイナルを含めて数多の激突はあっても、ラインを組んだのは初めてだったけに、2着の山崎はこう振り返る。
 「(最終)1コーナーのロングまくりだったけど、(山田)庸平に合っちゃいましたね。武田さんは山ちゃんの好きなようにって言ってくれたけど。先行できたらいいなっていうがあった。武田さんに付いてもらうからには、武田さんができないレースをしなくちゃと。(04年の)寛仁親王牌の武田さんの決勝の先行を見て、僕も先行で絶対にあそこまで上がってやろうっていう思いがあった。だから、今日は新人みたいに久しぶりに緊張した」

7R

選手の写真です。
新山響平選手
 激しいレースとなったが、新山響平(写真)が力ずくで制した。赤板で前に出た吉田敏洋を小原太樹が切り、その上を単騎の宿口陽一が叩いて先行勝負に出る。後ろが守澤太志と村上博幸で競っていて仕掛けが難しかった新山だったが、宿口の仕掛けを追って上がると、一旦、その後位に入る。すかさず1センターでまくりに行くも、宿口とスピードが合ってしまったのか、大きく外にスライス。しかし、立て直して改めてまくり、シリーズ初勝利を挙げた。
 「前から突っ張ろうと思っていた。守澤さんが内にいるときにいきたかったけど、周回中からやり合っていて、守澤さんが外にいたので仕掛けられなかった。打鐘で踏み込んだ時に別線も仕掛けて宿口さんが一気にペースを上げたのでキツかった。最終ホームもかなり外を踏んでしまって後ろが付けにくい仕掛けになってしまった。反省ですね。最後まで踏み込めているけど、2走目の方が良かったから体の調整をしたい。今回はマッサージがないので、自分でケアしながら何とかしたい」
 最終2コーナーで後方からまくり上げた吉田に乗った坂口晃輔がゴール前で吉田を交わして2着に。
 「新山君が見える位置で戦おうってことだったので、後ろからでもって感じでした。鐘で別線が叩きに来たりの展開になったけど、敏洋さんなら落ち着いて仕掛けてくれるだろうと。結果的に前が苦しくなる感じになって敏洋さんも行きやすかったのかも。自分も脚を回す感じで溜められた。最後も新山君まで届けば良かったけど、悪くないですね」

8R

選手の写真です。
山崎賢人選手
 打鐘の3コーナーで単騎の和田健太郎と高原仁志がインを抜け出すが、3番手から三谷竜生が踏み込んで先行策。7番手の山崎賢人(写真)は最終1センターから反撃を開始する。園田匠が山崎に離れる。スピードの違いで山崎が前団をのみこみ、そのまま後続を引き離した。
 「自分のなかで突っ張りもあったんで迷いました。そのあとは(和田と高原がからんで)見ちゃいましたね。結局、まくりになったんで、連日ラインを生かし切れてない。自分の感じは悪くないんですけど、後手になりやすいんでそこは課題のひとつだと思います」
 村上義弘は山崎を止められずも、園田を外に張りながら追い込んで2着。
 「(和田と高原にすくわれたけど)そのあとはしっかりと(三谷)竜生が対処してくれた。(山崎が)自分たちのタイミングで来れば止めてと思ってた。(けん制をして)もう1回竜生に山崎を追走させようとしたんですけど、園田(匠)も来てたんで。自分は勝ち上がることはできなかったけど、あと1日しっかりとベストを尽くしたい」

9R

選手の写真です。
佐藤慎太郎選手
 単騎の北津留翼が打鐘で切って出て、車間を空けた古性優作が番手で後続との間合いを計る。5番手の外併走から松浦悠士が仕掛けると、古性も踏んで主導権。合わされた松浦は最終ホームでうまく切り込んで番手に入る。佐藤慎太郎(写真)も連結を外して、古性の先行に松浦、稲川翔、佐藤で追走してバックを通過する。3コーナー過ぎから松浦が踏んで、古性は外に振る。4番手から最内を突いた佐藤が、抜け出して1着。
 「稲川君に思いっ切りいいのを肩にもらってしまって飛ばされた。追い込みとしていいレースじゃなかった。でも、そのあとは冷静さを欠くことなくリカバリーできましたね。最近はS班のなかで僕だけ活躍できていなかった感じなので、気持ち的に楽になりましたね」
 大阪コンビに付け切れなかった松岡健介だったが、佐藤後位から中のコースを伸びた。
 「古性君はいつも出たとこ勝負なので任せていました。正直、(最終)ホームでどうなっているのかわからなくなってしまった。岩本(俊介)君に内へ来られて(佐藤)慎太郎さんに降りられてキツかった。けど、岩本君だけには入られないようにと。ちぎれるようなスピードではなかったので混戦になるだろうと思っていました」
 古性に張られ、稲川との絡んだ松浦悠士だったが、さすがのハンドルさばきと立ち回りで3着に入った。
 「ちょっと北津留さんが切ったのが予想外で、北津留さんが駆けて(古性)優作君が番手まくりの形になるとヤバいと思ってしかけました。番手には入れたけど、右に左にかなり酔わされましたね。でも、慎太郎さんが後ろの後ろにいるってわかったので、早めに仕掛けないとなって思って優作君のけん制は怖かったけど早めに踏みました」

10R

選手の写真です。
郡司浩平選手
 後方から竹内雄作が上がってくると、合せて3番手から郡司浩平(写真)が先に動く。打鐘前に先頭に立った郡司が待ち構えるところを竹内がすかさず叩いて先行勝負に出る。郡司は狙い通りに3番手を確保し、5番手に鈴木庸之、渡邉一成は8番手で最終ホーム。郡司は2コーナーからスパートし、逃げる竹内を3コーナーで捕らえる。郡司追走の内藤秀久をドカして浅井が猛然と詰め寄ったが、振り切った郡司が1着。
 「中団取れて後は流れでした。赤板で動かずに一回動いてから考えようと。うまく位置を取れたのが勝因。出てから負荷しても脚はたまらないし、回しながらで竹内さんも先行態勢に入ると思ったから出させた。飛び付いて余裕がなくて、休んでからいきたかったけど、浅井さんのけん制が見えたからその隙にと。浅井さんさえ乗り越えれば力勝負できると思い、浅井さんにもらわないようにと。今日(準決勝)も自力を出せて、初日(2姫の特選)も長い距離踏めて、昨日(GR賞)は外踏めて良い流れ、調子で決勝に上がれたと思う」
 郡司には行かれたが、内藤を飛ばして浅井康太が2着を確保。
 「一成さんが前は予想通り。中団からスタートなら周りが動いた所で自分たちに流れになるかなと。南関が中団を主張したので、後ろから。後ろからなら雄作のタイミングでと。相手を考えての先行だった。郡司君が3番手に入ったのを確認して、雄作の踏み上げに対して郡司君をどう止めようかと。1コーナーから車間を切って、郡司君が出てくると思ったからずらそうと思ったけど、しっかりと踏まれた。内藤さんがいて、半端にいくと負けるのでしっかりと当たって受けられた。最後は郡司を差せればいいが、連日に比べて重たかった。中部で先行選手がいない中で、準決で雄作と連係できて大きかったけど、2人で決勝に乗るのが、タイトルに一番近づくけど、それができなかった」
 浅井にさばかれて下がった内藤に鈴木竜士が突っ込んで両者が落車。内のコースを走っていた武藤龍生は落車の影響を受けることなく3着で初のGI決勝のチケットを手にした。
 「作戦は前々って感じです。鈴木ノブさんはレースセンスあるので鈴木ノブさんの流れに任せてました。竹内君が来るのが遅くて、どうかなと。鈴木ノブさんが前に踏んでくれてチャンスができた。余裕はなかった。(鈴木)竜士君が内だろうと思ったから後輪だけをみて内に入った。落車はスレスレでよけて後は踏むだけと。まさか3着に入れるとは。ダービー初出場で、優出は嬉しい。夢の舞台なので。今までやってきたことが間違いじゃなかったなと。師匠(父親でもあ武藤嘉伸)や家族も喜んでいると思う」

11R

選手の写真です。
平原康多選手
 赤板過ぎに先頭に立った清水裕友は関東ラインを受けて4番手。眞杉匠が、平原康多(写真)、諸橋愛を連れてレースを支配する。野原雅はすかさず中団まで追い上げて清水と併走になる。壮絶な中団争いが続き、眞杉はペースを上げて逃げる。最終2コーナー手前で野原と諸橋愛が接触して落車。眞杉、平原に車間が空いて清水、東口善朋でバックを迎える。追い込んだ平原は、余裕をもって先頭でゴールを通過した。
 「眞杉君とは何度も連係しているので、強さも知っている。今回は(さらに)強くなってきていたので、自分もなんとかしたいなと。(落車があって、そのあとに)清水君が2車くらい後ろからずっと来ているのがわかった。そこをなんとすれば(眞杉が)残るかなと。(1走目での落車の怪我で)外傷は治ってきているけど、内臓がやれて昨日が一番キツかった。明日(決勝)がベストになるように最善をつくします」
 平原から離れた2着争いは、眞杉匠、清水、東口の3人で横一線。眞杉が2着に粘り込み、初めてのダービーで初のGI決勝をつかみ取った。
 「(平原との連係は)めちゃくちゃ緊張しました。主導権を取ることをと思ってた。ジャンで出切った時に(別線が)来られないくらいに踏んだ。あとは(最終)ホームで流して、そこから踏み上げた。(落車があって)後ろがどうなってるのか、わからなかったけど平原さんが付いてたのはわかった。(GIの決勝は)嬉しいけど、まだあんまり(実感が)わかないですね」
 野原のとの中団争いに消耗した清水裕友だったが、3着に入りウィナーズカップからのビッグ連覇に望みをつないだ。
 「自分が眞杉君の先行に対してどういうレース運びをしようかと。それに腹をくくれないところがあって、“安パイ”な方を選んでしまった。4番手取ったところでまくりにいけたかといったら微妙だった。眞杉君も掛かっていた。脚自体はは軽いんですけど、イマイチ力が伝わっていないところが、連日ありますね」