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京王閣競輪

KEIOKAKU KEIRIN

27#

検車場レポート

  • 5/11 Fri.  (前検日)
  • 5/12 Sat.  (1日目)
  • 5/13 Sun.  (2日目)
  • 5/14 Mon.  (3日目)

1R

選手の写真です。
坂本健太郎選手

 坂本健太郎(写真)は、ダービーで7172着の2連対。2走目には早坂秀悟らから白星、4走目も前団のもつれをまくって、マークの池田憲昭とワンツー決着と軽快な走りを披露した。


 「ダービーは思ったより走れましたね。踏んだら車が出ました。ここまでは自転車に1日だけ乗って、あとはケア。中4日だし、そこまで変わっていないと思います。でも、初日は(菅原裕太の)先行1車みたいなメンバーなので、簡単にはいかないと思う。何か良い作戦が思いついたらいいけど」


 2月静岡記念で落車した菅原晃は、ここが約3カ月ぶりの実戦。状態が気になるところ。


 「落車の怪我は、右の肋骨を折りました。でも、もう影響はないし、大丈夫です。2週間くらいは追い込んで練習ができたし、転ぶ前よりタイムも上がっています。脚は戻っていると思う」


 競走得点こそ劣る大西祐だが、4月川崎記念の初日を白星など手応えをつかんできている。


 「3月の小松島GIIIからフレームを換えて、それが良いですね。ただ、レースでは、練習ほど出し切れていないので、セッティングを微調整します。ここまでレース間隔が空いたので、練習もしっかりやってきました。初日は曲者ぞろいですけど、練習の成果が出るように」


 

2R

 野田源一は2月松山を完全V。前回の大垣も415着と、競走得点が急上昇している。


 「スピードもだいぶ戻ってきていますね。(復調の要因は)体の状態が良いことが一番大きい。大垣もダービー組がいないとは言え、きっちり決勝に乗れました。あとは、決勝での戦い方がかみ合ってくれれば。点数はあるけど、それ以上の力を出したい」


 苦しい日々が続いた柴田洋輔だが、前回の函館ナイターGIIIで決勝に進出。良い流れで地元記念を迎えた。


 「何も変えていないです。(4月)大宮の前から良くなってきたなと思って。大宮の後に乗り込んで、調整をしないまま函館に行ったら決勝に乗れました。今回もイメージは変わらず来れたし、函館より悪いことはないです。地元記念ですけど、気負いもない」


 大矢崇弘も、函館GIIIを2337着。準決は柴田と連係して共に優出を決めた。地元でもラインで勝ち上がりを決めたいところ。


 「函館は大ヒットでしたね。前々に攻めたら決勝に乗れました。気持ちも、さらに上がった感じです。S級にも慣れてきた感じがあるし、戦える感触がある。地元記念は初めてですね。できれば準決勝までいきたいけど、ますは1日、1日のレースに集中して」


 

3R

 高橋大作は2月当所で今年初Vを奪取。その後は一息の成績が続いているが、地元記念に向けて集中力を高めた。


 「京王閣を走る時は、いつも緊張感がありますね。今年から後閑(信一)さんがいない分、みんなで頑張りたい。ここまではレース間隔が空いたので、練習をやってきました。(内容は)変わったことはせずに、普段通りですよ。感じは悪くなかったので、展開が向けば勝ち上がれると思う。(節目の300勝を)ここで決められたらいいですけど、意識して勝てるものでもないので」


 岸澤賢太は、持ち味の巧みなレース運びで高橋らと勝ち上がりを狙う。


 「前回(4月久留米489着)は、開催中から体調が悪くなって。そのあとも長引いて、ここまで多めに練習はできなかったです。ただ、体調はもう治ったかな。京王閣との相性は良かったり、悪かったりですね。出し切れる様に頑張ります」


 

4R

 得点最上位の岡部芳幸は、4月久留米の準決で弟子の小松崎大地を差し切るなど217着。しかし、気配良く臨んだダービーが869着だっただけに、慎重なコメントに終始した。


 「ギアも換えて良かったんですけどね。ダービーは気負い過ぎて空回り。結果にモンモンとしました。ギアは元に戻します。初日は(坂本)周輝に任せて。連係も多いし、力量もわかっている」


 坂本周輝は4月静岡で負け戦ながら2勝をマーク。続く宇都宮でも119着と、好調を維持している。


 「今年は2回インフルエンザにかかったりして、冬に思ったような練習ができなかったですね。でも、暖かくなってきて、体が動くようになってきました。今はコンディション良く練習ができています。京王閣の相性も悪くないですね。過去に1着も取れているし、前回(昨年3月の当所FI)も決勝に乗っています」


 

5R

選手の写真です。
中西大選手

 中西大(写真)は積極的な組み立てで着実に成長中。G戦線でも、4月武雄記念を1273着など存在感が増している。今シリーズも全力投球を誓った。


 「武雄は悪くなかったけど、前回(広島942着)は決勝に乗りたかったですね。FIで取りこぼしているので、まだまだです。勝ちにこだわるならまくりでも良いけど、まだいいかなと思っているので。今シリーズも、4日間バックを取るように走ります」


 「今がピークです」と冗談交じりに話し始めたのは布居寛幸。2月平を準Vなど、今年に入って成績が上昇カーブを描いている。


 「たまたまですよ。前が頑張ってくれたおかげ。でも、やってきたことが形になってきましたね。今は若い人とも練習をやっているし、みんな強い。ここまでも、レース間隔が空いていたので、みんなとやってきました」


 対するは吉田裕全。持ち前の変幻自在な走りで強敵撃破を狙う。


 「ライン3人が4着以内に入れるように頭を使います。練習もしてきたし、強気にいきたいですね。今回来ている埼玉勢は、小沼(良)さんを除いてみんな兄弟弟子。上のレースで連係したいです」


 

6R

 堀内俊介は2度の確定板にあがった地元ダービーを振り返りながら、今後の目標を口にする。


 「ダービーは逃げが1回しかできなかった。後方に置かれるレースも多かったし、脚はもちろん組み立てもうまくやらないとと思いました。そうすれば結果も違ったと思う。そういう細かい部分も必要だなと感じた。状態は変わらず、ここまではうまく疲れを取りながら刺激を入れてきた。ダービーではいいメンバーでレースができて刺激になったし、もっと上で戦いたいなと思った。そのためにもこれからひとつずつしっかり戦っていきたい」


 番手の福田知也は3月玉野記念も含めて、ここ5場所で3度の優出。S級復帰後も鋭い差し脚で好調を維持している。


 「今はいいですね。体調もいいんで。一時調子を落としたり、色々あったけど、自分なりには成長してきたんで。堀内君との連係は何回もあります」


 鈴木謙二は2月宇都宮の落車から復帰4場所目。まだ本調子には遠い印象だが、地元のここは意地を見せたい。


 「(52日間の欠場は)宇都宮が終わって1週間後ぐらいに練習で落車して右鎖骨を骨折したから。よくないのはしょうがないですね。ここまでは日にちもあったし、練習はしてきた。相手は強いけど、細切れなんで何とか頑張りたいですね」


 

7R

選手の写真です。
朝倉佳弘選手

 ダービーでは674着と結果を残せなかった朝倉佳弘(写真)だが、ここへ向けてしっかりと立て直してきた。


 「ここはダービー以上に気持ちが入ってる。いつもは後閑(信一)さんがいてくれたんですけどね。今回は(地元勢で)自分が一番点数があるし、プレッシャーがけっこうすごい。でも、そういうのを乗り越えていかないと。そこをクリアすることで上がっていくと思うし。ダ―ビーは早じまいになったけど、その分トレーニングはできたのでプラスに考えたい。やることはしっかりやれてます」


 山岸佳太はダービーで8123着。2走目からは力強い走りで存在感をアピールした。


 「ダービーは自信になりました。2月のここから少しずつよくなってきてますね。今回もメンバーがいいのでしっかり走りたい。朝倉さんとは(昨年7月の)弥彦記念でワンツーしてるし、連係は1、2回あります」


 谷口遼平は4月松戸で決勝に進出。強力な関東ラインに対して、どう立ち向かうか注目だ。


 「相手は強いので、しっかり考えて走らないといけないですね。一矢報えるようにしたい。前回の準決勝もそうだけど、前々に踏んでたらというのはあるので、力を出し切れるように頑張ります。しっかり練習はできたんで調子はいいと思う」


 

8R

 小嶋敬二はダービーで2連対。ベテラン健在を強く印象づけた。


 「ダービーはたまたま。偶然ですよ。ただ武雄記念のあとは2週間ぐらいあったし、しっかり練習と調整ができた。ダービーは4年ぶりだったし、今回が最後のダービーだと思って、やることはやっていきたかった。ダービーが終わってからは精神的な疲れがあったけど、2日ぐらい乗ってきた。状態は変わらないと思う」


 志村太賀は蒔田英彦、岡田征陽とは別線で単騎戦を選択。ダービーでは2319着とヒットを連発しただけに、侮れない一車となりそう。


 「ダービーは展開が全て、向いたなー。感じもよかった。終わってからは軽く。やることをやってから調整した感じ。だから今(前検日の指定練習で)長めに乗ってみたので、走ってみないとですね」


 

9R

選手の写真です。
清水裕友選手

 前回のダービーでは、一次予選で1着など持ち前の機動力で存在感を放った清水裕友(写真)。6日間の長丁場から中4日での出走で、ここまでは疲労をとることを中心に調整してきた。


 「(ダービーは)力は出せたと思います。それなりにやれるなって感じはありました。かなり疲れてたんで、(ここまでは)疲れを抜いてって感じですね。(初日は)いつも通りに、あんまり考えてもよくないと思うんで、出し切るだけです」


 清水の番手を回るのは黒田淳だ。自力、番手と使い分けが求められるなかで、集中力を高めてレースに挑む。


 「練習自体は変わらずやってきました。状態とかっていうよりも、僕はレースの流れに乗れるかってところが大きい。(清水との連係は)2回目です。(番手戦は)自分のタイミングと前の人のタイミングが違うところがあるんで、そこは難しいですね。しっかり付け切ることだけに集中します」


 

10R

選手の写真です。
小川真太郎選手

 小川真太郎(写真)は前回のダービーで準決勝に進出。さらにはシリーズ3勝と猛アピールした。しかし、脇本雄太のカマシに敗れた準決勝を悔しそうに振り返った。


 「(ダービーで)力の差は感じました。準決勝は自分でいけると思ったところで踏めたけど、全然進んでる感じがしなかった。ダッシュが違いすぎました。(京王閣は)初めてです。(前検日に)乗ってみて確かめます。疲れてるなって感じはあるけど、そんなことは言ってられない。この辺のメンバーで勝てるようになれば、また力も付いてくると思う」


 郡司浩平はダービーを3359着。ゴールデンレーサー賞では、単騎でまくって脇本雄太率いる近畿勢の上をいくなど、成績以上に動けていた。


 「(ゴールデンレーサー賞は)自分で動かして仕掛けてっていうふうに心掛けてるんで、それができたのはよかった。今回もそういう展開に持っていかなきゃって気持ちはあります。今後のイメージは出来たんでそれを忘れないように。(ここまでは)中4日で調整もしましたけど、練習もしないといけないんで。疲れは正直あるけど、言い訳にはできない」


 機動力では早坂秀悟も互角の存在。前検日の前日には京王閣バンクで乗り込み、感触を確かめた。


 「雨だったんで、もとから室内でやる予定だったメニューをやって細かいところを調整してきました。あと、京王閣で乗りました。軽かったし、地べたを走れたのはよかった。周回して、あと1本もがこうかなってところで雨が降ってきたんで思いっきりはできなかったけど、それが休養にもなりましたね。前回(ダービー)の最終日にカマせないで9着をとっちゃったんで、細かいところで修正が必要なんだと思います」


 

11R

選手の写真です。
浅井康太選手

 順調に調子を取り戻している浅井康太(写真)は、ダービーで3116着。しっかりとGIで決勝進出を果たした。


 「(ダービーの決勝は)展開ミスですね。作戦的には7、8番手から、最後にどこまでいけるかって思っていたんですけど。脇本(雄太)君も結構、全開で踏んでいたし、自分が仕掛けても三谷(竜生)君が行くだろうし、村上(義弘)さんもいたので。中部も、若い選手を指導して連係していきたいですね。(自分の調子は)ぼちぼちです。しっかり休養してきました。山内(卓也)さんとは、同じような理論でやってるので、2人で頑張りたいです」


 近況、高いレベルで安定していた吉澤純平だが、ダービーは一次予選で敗れてしまった。自分自身、敗因は分かっている。


 「仕掛けるところで、仕掛けられなかった。気持ちの面だと思うので、今回はしっかり仕掛けたいです。ダービーが終わってからは、1日休んで2日間練習してきました。調整っていうよりは、しっかり練習してきた感じです。疲れはそこまでないですけど、連戦なのでレースの気疲れはありますね。でも、うまく切り替えてやりたいです」


 復帰2場所目となったダービーは、7614着の稲垣裕之。今回は結果を残して、流れを取り戻したいところ。


 「(ダービーを走って)まだまだ力不足だなと感じました。中4日は、みんな同じ条件なので、調整能力が問われるなって思います。(ここまでは)普段通り練習して、疲れも取ってきました」


 

12R

選手の写真です。
平原康多選手

 ダービーは、6151着と準決勝で敗れた平原康多(写真)だが、すでに、次のGIに向けて動き出している。


 「ダービーからは休んでいません。もっともっと強くなっていかないと。宮杯(高松宮記念杯)に向けて、もう始まっているので。(今回は)地元っていうのはないけど、応援してもらっているので頑張りたいですね。木暮君といいコンビになれるように」


 その平原に付ける木暮安由は、今年に入ってグレードレースで優出はないが、FI戦では2Vをマークしている。


 「ダービーは、3走目の先行して2着くらいしか良くなかったですね。調子はまあまあだったので、組み立てが甘かったです。目立てなかったので、今回は目立てるように。疲れはそんなになくて、バンクで乗って調整してきました。(平原とは)いつも連係しているので、信頼して付いて行くだけです」


 1月大宮で、09年6月久留米以来の記念優勝を果たした菅田壱道。その後も、3月久留米FIで優勝と好調時のキレが戻ってきた。


 「(ダービーは3945着だったが)調子は悪くなかったし、体自体は動いていました。2年前くらいからやっているトレーニングが、やっぱり合っている感覚があります。大宮記念くらいから、しっかりまたGIで頑張りたいって思い始めたので。(初日特選は)細切れ戦だし、チャンスはあると思います」


 

1R

選手の写真です。
栗田貴徳選手

 坂本健太郎の上昇に誘導員を残して車を下げた大西祐は打鐘から主導権を握った菅原裕太に対して2センターから早々と巻き返して出る。佐藤龍二のけん制を乗り越え、最終2コーナー過ぎに出切ると、番手の栗田貴徳(写真)が直線で抜け出した。


 「めっちゃきつかった。(大西が)すかさずいってくれた。(最終)ホームの4番手で止まるそぶりもあったけどいってくれた。ただただ祐ちゃんのおかげです。佐藤の牽制がなかったら抜けていなかった。前回(函館GIII)は引きつけ過ぎたんで、今回は車間を空けるまではよかったけど…。ワンスリーかワンツーは絶対しないと駄目でした。僕の技術不足です」


 逃げる菅原マークからバックで栗田後位に切り替えた佐藤龍二が2着に食い込んだ。


 「大西さん(の仕掛け)が早かった。(菅原)裕太を捨てちゃいました。(最終)ホームで振ったりだとか、行かせない気持ちはあった。でも、無理に大西を止めないで栗田さんでもよかったかな。それなら裕太も番手に入れた。予選はクリアしなきゃと思って堅くいっちゃいました」


 

2R

 後ろ攻めの三田村謙祐が、合わせて踏んだ大矢崇弘を強引に押さえて出る。3番手は大矢と、前受けの近藤保とで併走に。このもつれが最終ホームで収まると、後方で様子を見ていた野田源一が2コーナーで踏み上げる。4番手から先にまくった大矢との力勝負を制してアタマ。


 「(打鐘の)4コーナーで緩んだけど、自分のもつ距離じゃないと思って躊躇してしまいました。(前団も)もうちょっともつれると思っていたら、(最終ホームで)すんなりになってしまって。そこ(打鐘の4コーナー)で行けていたら、ワンステージ上がるんですけどね。もう少し早く出切れるように、レースを組み立てないと。でも、ここまで中13日空いて練習ができたし、(状態は)良くなっているのかな。(3着に入った西田)大志君と2人で勝ち上がれたことが、なにより嬉しい」


 外併走していた大矢崇弘は、柴田洋輔のアシストで4番手を確保をする。最終2コーナーからまくり上げたが、野田に屈して2着。


 「(赤板で)1回、切ったら良かったですね。中団でノロノロしていて、位置の取り合いになってしまいました。残り1周で(併走から)仕掛けようと思っていたけど、柴田さんに入れてもらえたので。勝ち上がれたけど、レースは失敗です。(勝ち上がれなかった)飯嶋(則之)さんに迷惑をかけてしまいました」


 

3R

選手の写真です。
高橋大作選手

 後ろ攻めから動いた竹山陵太が、赤板1コーナーで誘導後位に入ると、そこを岸澤賢太が打鐘で押さえて前に出る。前受けから7番手に下げた吉田茂生はすかさず仕掛けて4コーナーから主導権。2コーナーから竹山がまくると、これに合わせて岸澤も仕掛けるが伸び切れない。逃げた中部ラインで決着するかに、岸澤マークから直線鋭く伸びた高橋大作(写真)が通算300勝を地元で達成した。


 「作戦通りになって、あとは岸澤(賢太)がまくれるか、まくれないかだったので。(自分は)2センターから踏んでいたらもっと伸びたと思うけど、そこで行くとかぶっちゃうから。(300勝は)もうちょっと(時間が)かかると思いました。なかなか1着を取れないので。よかったです」


 先行した吉田茂生は、直線でしっかり踏み直し2着に粘った。


 「バンクは軽かったけど、バックが向かい風だったので。4コーナーを回ってからはパタパタしちゃいました。でも、落ち着いていけましたね。復帰戦(2月川崎FI)以外は(感触が)良いし、逃げて粘れているので。頭を取りたかったけど、地元パワーに負けました」


 吉田マークで絶好の展開だった竹内公亮だが逆転はならず。


 「シゲ(吉田茂生)はバックの向かい風できつかったと思うけど、グングン踏み上がって行きました。4コーナーからも踏み直しが強かった。僕が伸びなかったぶん、白井(一機)さんには、迷惑をかけましたね」


 

4R

 中団の森山智徳にフタをした坂本周輝が打鐘過ぎから先行態勢に入ると、前受けの二藤元太が番手で粘る。これで隊列が短くなったところをホームから森山智徳がまくると、後続を千切って快勝した。


 「小野(俊之)さんが場所(初手で中団)を取ってくれたのもデカかった。仕掛けやすい流れになったしね。出てからもよかったんで、悪くないかな。最近成績が悪かったので、どうしようと思ってよかったころの練習に戻したら、よくなりましたね」


 逃げた坂本周輝は2着に粘ったが、ラインで勝ち上がりを決められず表情は硬い。


 「まだあそこじゃ粘んないかなと思ったんですけどね…。(森山に行かれて)どっか入れるところと思ったら1車だった。でも弱いっすね。脚がないです。(自分たちのラインで)売れてるのにすいません」


 坂本の番手を奪った二藤元太が3着に食い込んだ。


 「僕が駆けないのはわかってるんで、(坂本の上昇は)あんな感じになると思ってた。ああなったら飛びつきですよね。番手を狙うしかないなと。あれしか持ち味はないんでね。腰もよくなって、今年のなかではいい傾向です」


 

5R

 前受けの中西大にフタをして打鐘で前に出た岡崎景介は吉田裕全を出させず4コーナーからペースを上げる。岡崎後位に吉田が入り前団がゴチャつくと、そこをホームから一気に中西大がまくって押し切り。ラインで上位独占を決めた。


 「前を取らされちゃったんで、突っ張ってもよかったんですけどね。ワンテンポ、ツーテンポ待っちゃいました。あれは上位じゃ通用しないんで、すかさず行きたいです。いつもは600(m)とか行くんですけど、モガいた距離が短かった。先行が僕の仕事だと思うんで、ちょっと違いました」


 中西マークの布居寛幸が2着に続いた。


 「3人で決まったからよかった。あんまり前を取りたくなかったけど、他がけん制し合ってたからね。(中西は)ジャン前に行きたそうだったけど、9番(吉田裕全)も動いてたから落ち着いて行けばいいし、前と一緒になってやりあう必要もない。やっぱり1周は強いね」


 近畿勢3番手を固めた伊代野貴照もきっちり3着に流れ込んだ。


 「大の力勝ちで、付いていって確定板に乗らせてもらいました。何も言うことはありません。感じはいいですね。今回はしっかり練習してきたし、やる気も満々です」


 

6R

選手の写真です。
福田知也選手

 打鐘で前に出た鈴木謙二が、巻き返してきた伊藤成紀を突っ張って出させない。その上を堀内俊介が最終ホームで叩いて主導権。車間を切っていた福田知也(写真)は、まくってきた伊藤をけん制すると、直線で抜け出した。


 「(堀内が6着に沈み)残せなくて申し訳ないです。伊藤が強かったし、俺も踏み過ぎました。もうひと振りして抜きに行ったら良かったかな…。反省します。体の調子は良いけど、セッティングも失敗。自転車が流れていない。いじって修正します」


 鈴木に突っ張られた伊藤成紀は、中団に降りて態勢を立て直す。バックからまくり上げたが2着まで。


 「鈴木を叩けなくて、やばいと思いましたね。叩きに行くのがワンテンポ遅かったです。堀内に行かれた後も、尾崎(剛)さんが切り替える前に動けたら良かったし。まくった時も、踏み込みが悪い。あれ(福田のけん制)は全然大丈夫だったんですけど、まくれるかなって半信半疑でいっている。もっと自分を信じて仕掛けないと。(ダービーの後で)今回がすごく大事だと思っている。もっと積極的にいきたい」


 目標の余力を見極めた尾崎剛は、最終1センターで南関勢にスイッチ。最後は直線で伸びて3着に入った。


 「(鈴木が)伊藤君を突っ張ったのがデカかったですね。でも、そこで鈴木君が脚を使ってしまって。申し訳ないけど、切り替えさせてもらいました。このメンバーはきつかったので、凌げて良かったです」


 

7R

 赤板手前から上昇した加藤健一に対して、前受けの山岸佳太は誘導員を残して車を下げる。谷口遼平は山岸にフタをしたあと、2コーナーから踏んで先頭に。そこを山岸がすかさず仕掛けて主導権を握り最終回へ入る。その後も、快調に逃げる山岸を先頭にバックを通過。番手で絶好の朝倉佳弘が、ゴール前に山岸を交わして地元記念の白星スタートを切った。


 「山岸君が行くとこで、しっかり行ってくれたので。バックで後ろを確認したら、誰も来てなかったし、山岸君もダービーを見て強さは分かっていたので。1着を取らないといけないところだし、お客さんの声もあったので、(最後は)ちょっと早かったかもしれないけど踏ませてもらいました。力み過ぎかもしれないけど、2日目からも続くので頑張りたい」


 力強い逃げで別線を封じた山岸佳太が2着に粘った。


 「4着までに(ラインの)3人が入ったので、最低限のことはできたかな。最後、末はちょっとダメだったけど…。谷口さんと踏み合う覚悟もあったけど、すんなり出してくれるんだと思って。アタリがもう少し欲しいなって感じはありますね」


 最終2センターから踏み込んだ谷口の後ろから、島野浩司が伸びて3着に入った。


 「(関東ラインを)打鐘ですんなり出させ過ぎたかな。(谷口が)もう少し、踏んでれば、展開も違ったかもしれない。でも、(4コーナーまで)連れていってもらったので。ゴール前は、自分的には踏めたと思います。それなりに伸びました」


 

8R

 前受けの小嶋敬二は一度突っ張る素振りを見せてから車を下げると、蒔田英彦は逃げる緑川修平の3番手をすんなりと確保。小嶋の巻き返しでかぶる前に2コーナーからまくると、そのまま押し切った。


 「先行するつもりもあったけど、小嶋さんも引いてくれたんであそこに入れた。小嶋さんが来る前にいいところで行けたと思う。ほとんど脚も使ってなかったし、展開が向きました。(地元の岡田征陽に任されて)どうしようと思ったけど、自分のやることは一緒だなと思った。初日に勝てて二次予選に上がれたのはデカいですね」


 周回中から蒔田ライン3番手にいた単騎の志村太賀は蒔田の仕掛けに続くと、直線鋭く伸びて2着に。


 「蒔田君は位置取ってくれるし、強いからね。3番手に入ったので、ここでいいなと思った。最後は(岡田に)振られてオッとなったけど、3番手から伸びてるんで悪くない。ちょっと重かったけど、何とかしのいだ。でも1着取れないなあ」


 蒔田マークの岡田征陽はハコ3の結果に苦笑い。


 「形は最高。あとは抜くだけと思ったら体が動かなかった。疲れも残ってるし、あとは(地元の)プレッシャー。参ったなあ。ゆっくり休んで修正します」


 

9R

選手の写真です。
黒田淳選手

 青板2センターから松田大が上昇し、前受けの清水裕友を赤板で押さえる。清水は車を下げ、伊東翔貴が2コーナーから松田を叩きにいくと、松田と踏み合いに。そこを清水が4コーナーからまくると、スピードの違いで前団を飲み込み、最後は番手の黒田淳(写真)が差し切った。


 「(清水が)いいタイミングで行ってくれて、サッと出切れましたね。前がモガき合ったところを叩いたんで、来れないだろうなと思ってました。ダッシュだけ付け切れればと思ってたんで、あとは車間を切れるだけ切っていました。駆け出しに付け切れたし、あとは流れてくれた。単発でドーンといってくれたんで、踏んだりやめたりされるよりは(自分の)脚質的にも付きやすかったですね」


 抜群のスピードで別線を置き去りにした清水裕友は2着だったが、苦しそうな表情で体調の不安を口にした。


 「展開が向いただけです。体調が悪い。最悪ですね。胃と頭が痛くて眩暈がする。やばいです。立て直せるか分からないですけど、なんとかします」


 松田と踏み合う形からホームで6番手に入り直し、最終バックからまくった伊東翔貴が4着で予選を突破。しかし、ラインでの勝ち上がりが叶わず、反省の弁でレースを振り返った。


 「先に切ろうと思ったんですけど…。清水より先に動けば清水を7番手に置けると思った。出させてくれると思ってしまいました。(後ろに)迷惑を掛けました。その後は立て直せたからよかった。組み立てを修正します」


 

10R

選手の写真です。
和田圭選手

 正攻法に構えた早坂秀悟は、後ろから押さえに来た小川真太郎を突っ張って風を切る。小川が橋本強のアシストで中団に降りると、郡司浩平は打鐘の2センターから反撃を開始。早坂を最終2コーナーでまくり切る。目標の余力を見極めた和田圭(写真)は、郡司の番手に飛び付いて海老根恵太を捌く。最後は直線で追い込んだ。


 「(早坂)秀悟のおかげ。ホーム過ぎで海老根さんに絡むのが理想でした。強い選手なら踏み上がっている状態でも、もっていくんでしょうけど。俺の技術不足です。(海老根をけん制してから)戻っても、着がないと思って(切り替えた)」


 まくった郡司浩平が2着に入る。的確な状況判断で、優秀「東京オーヴァル賞」に駒を進めた。


 「(小川)真太郎が切ってくれたら、自分の先行だと思ったけど、突っ張られたので。そこで油断して(小川が中団に)入られてしまいました。でも、緩んだところで行けたし、リカバリーはできましたね。後半は重かったです。早坂さんもダッシュがあるので、出切るまでは踏まないといけないので。(後ろに和田が切り替えたのは)わからなかったです。展開は読めなかったけど、反応はできていますね」


 中四国3番手を固めた三宅達也は、最終バックを後方で通過する大ピンチ。それでも、直線で鋭く伸びて3着に食い込んだ。


 「(前回のダービーを腰痛で途中欠場したが)もう大丈夫。ただ、真太郎がまくりに行った時に、(腰痛が)怖くて踏み込めなかったです。踏んだのは最後の最後。怖いなと思う気持ちは時間がたたないとなくならないので。痛みはないし、1走して安心はしました。脚は3着に入れているので悪くないですね」


 

11R

選手の写真です。
浅井康太選手

 赤板前から動いた櫻井正孝が誘導後位に入ると、そこを吉澤純平が叩いて打鐘から主導権を握る。櫻井は単騎の武田憲祐をドカして3番手を奪うと、浮いた武田が邪魔になり稲垣裕之は仕掛けられない。うまく5番手を確保した浅井康太(写真)は2コーナーから反撃開始。スピード良く前団を飲み込んで、1着でゴールした。


 「(櫻井が)行く感じではなかったので、自分はラインで決まる位置から行こうと。(感触的には)もう少し欲しい部分はありますね。アップの段階から脚の回りが悪かったので。でも、3コーナーから踏み切れて、余裕はありました。1回、2回と踏み直しが効いているので」


 逃げた吉澤の番手から直線で伸びた神山拓弥が2着。しかし、口にするのは反省の弁ばかりだった。


 「何もできなかった。レースを見直したら、浅井さんを止められない感じではなかったので。自分の力不足と技量不足です。純平さんの掛かりも、はんぱじゃなかった。次は(吉澤に)迷惑をかけないように集中します」


 櫻井後位から2センターで内に切り込んだ伏見俊昭が3着に入った。


 「(最終)ホームで武田(憲祐)と併走したぶん、脚を使いました。最後は空く前提で突っ込んでいるのでイチかバチかで。ない道でしたから。(予選から繰り上がりで特選になった)ツキは大事ですね」


 

12R

選手の写真です。
木暮安由選手

 赤板1コーナーから菅田壱道、さらに平原康多が前に出ると、そこを打鐘から北津留翼が叩いて主導権を握る。3番手を確保した平原康多は稲毛健太を張りながらバックから仕掛けるが、小川勇介も番手まくりで応戦。合わされた平原は小川後位に入り直すと、ゴール前で小川をとらえた。


 「稲毛君が中途半端に外にいたんで仕掛けられなかった。小川君の番手まくりも想定外だった。(合わされたので)ツケマイでどれだけ差し込めるかだったけど、ギリギリでしたね。もう一杯でした。思ったような(レース)運びではなかったし、冷静ではなかったです」


 平原マークの木暮安由(写真)が2着に続き、2車単180円という圧倒的な人気に応えた。


 「ほんとワンツー決まってよかったです。平原さんは2コーナーあたりでもかぶってたので、そこでどうするのかなと思った。まくって行ったときは決まったと思ったけど、番手まくりされるとは思ってなかったので。2日目も平原さんの番手で色んなパターンで勉強させてもらいます」


 番手まくりの小川勇介は関東コンビに交わされたものの3着で優秀行きを決めた。


 「後ろは分かってたんで。出ないと翼が頑張った意味がないなと思った。合わせたと思ったら付き直して行かれた感じでしたね。でも、その上を行かれなかったんで切れ的にはよかったと思う。あとは粘りですね。前の頑張りのおかげです」


 

6R

選手の写真です。
稲毛健太選手

 山岸佳太がハナに立つと、これに合わせて踏んだ二藤元太が番手で粘る。この様子を見た稲毛健太(写真)は、打鐘で踏み上げて主導権を奪った。最終ホームでは、三谷将太の後輪に山岸が接触して落車。二藤元太も巻き込まれる。結局、稲毛がアクシデントを尻目に、後続を引き離して逃げ切った。


 「2車だし、(山岸が)出させてくれるかなとも思っていました。横までいったら、そういう雰囲気がありましたね。後ろがコケたのも見えていたし、大西さんが飛んで来たら嫌なので思い切り(ゴールまで踏んだ)。バンクが重たく感じたけど、先行してまくられたら調子が悪いとも思えるので。初日の反省も含めて踏みました」


 福田知也は落車を避けて4番手。2コーナーから踏み上げて、大きく開いた近畿勢との車間を徐々に縮める。最後は、三谷を2センターで追いつきざまに交わして2着。


 「(最終ホームで)外にいったら、落車を避けられました。前を見たら、2人(近畿勢)が先に行っていたので。何とか追いつくまではと思って(踏み上げた)。三谷が離れていたし、(追いついたが)そのまま緩めずにいきました。半周くらいなら守備範囲ですよ。大西(祐)にも抜かれなかったしね。このあとに、またセッティングをいじるかも。体の調子が良いから今のうちにやっておきたい。選手は悪い時にやりがちですけどね」


 前受けから後方に引いた大西祐も、最終ホームで落車を回避。2コーナーからまくり上げて3着に入った。


 「道中は(別線が)思い通り動いてくれましたね。稲毛が叩きにいったら、山岸も踏むから。もつれたところをカマそうと思っていたけど。落車する感じがしたし、柴田(洋輔)さんが先に避けたので(回避できた)。そこから、すかさず行っていたら栗田(貴徳)さんと勝ち上がれたと思う。バックを入れて、呼吸を整えたので自分だけになってしまった」


 

7R

選手の写真です。
橋本強選手

 7番手から動いて誘導後位に入った清水裕友は、打鐘前から仕掛けようとした小嶋敬二を突っ張る。その上を、北津留翼が叩いて最終ホームで主導権を握ったが、3番手で立て直した清水が2コーナーから反撃開始。番手の橋本強(写真)は2センターで小野俊之の強烈なブロックを受けて直線に入るも、ゴール直前に鋭く伸びて白星を挙げた。


 「清水君のおかげです。それだけ。流れに乗って仕掛けられるのが、清水君の強いところだし、感覚が鋭いからバックで行ってくれたので。(小野と当たってからも)そこまでのスピードがあったので、余裕はありました。(最後は)抜けるか分からなかったけど、(ブロックを)もらったにしては伸びましたね」


 北津留との踏み合いに直線で決着をつけた清水裕友が2着に。


 「打鐘で小嶋さんを出させたら、また7、8番手になると思って突っ張りました。そのあとの、北津留さんも見えたけど、(ゴールまでの)距離が距離だったので。前が小野さんだったから、3コーナーから行ったら(ブロックを)食らうと思って早めに行きました。でも、内容がないですね。一次予選よりは、状態はいいです」


 橋本にけん制を入れて、内を締めながら直線で踏んだ小野俊之が3着に入った。


 「清水を止められていたら、北津留とワンツーでしたね…。今回、フレームを換えてきて方向性が見えてきました。あとは、実戦で乗った感覚で(セッティングを)合わせて行きたいです」


 

8R

選手の写真です。
小川真太郎選手

 前受けの小川真太郎(写真)にフタをした伊東翔貴を、伊藤成紀が押さえに行くが突っ張られ、そこを岸澤賢太が一気にカマして出る。人気の小川真太郎は7番手になってしまったが、2コーナーからまくり上げると豪快に前団を飲み込んだ。


 「雨は気にならなかったし、踏み出した瞬間に行ってしまうなと思いました。出し切りました。久しぶりに気持ちよくまくれましたね。でも準決勝はメンバーもいいし、あの位置ではキツいんで頑張ります」


 池田憲昭が小川の仕掛けにピタリと続いた。


 「バイク誘導みたいな感じだった。打鐘からホームは(ペースが)早かったと思うし、(仕掛けは)アイツのタイミングがあってのことだろうしね。僕は小川君の後輪しか見てないです。強いと思う。僕はそんなによくないですね」


 伊東に突っ張られた伊藤成紀だが5番手で立て直して離れた3着争いを制した。


 「連日、思う通りにいかないです。バックで行けるかなと思ったし、小川君より先に行かないといけなかった。先に仕掛けられたらよかったけど、もうちょいですね」


 

9R

選手の写真です。
吉澤純平選手

 菅田壱道は中団の吉澤純平(写真)にフタをしてから打鐘で野田源一を押さえる。下げた吉澤は2センターから一気のカマシ。合わせて踏み込む菅田を叩いて番手の朝倉佳弘と2人で後続を千切ると、最後までスピードを落とすことなく押し切った。


 「(菅田ラインに)黒田(淳)が付いていかなかったし、壱道の動きも見えていなかったんでちょっと待ちました。狙ったわけじゃないけど、偶然下りを使えるタイミングになった。雨だったからまくりはきついんで、カマシが決まるなと思ってました。初日でかなり脚に刺激が入ったんで、それがよかったですね」


 地元の朝倉佳弘が2着に続いた。


 「4コーナーぐらいでマーク選手の間合いから外してしまった。本当にギリギリでした。(吉澤は)バックからの踏み直しもすごかった。もう踏み直さないだろうと思ったら2センターからまた踏み直していきましたね。このバンクで、この時間帯で、あのタイムを出せる選手はそういないですよ。残り2日間プレッシャーを楽しんで頑張りたいです」


 最終ホームで飯尾主税に押し込まれた野田源一は7番手に下げて立て直すとバックからまくって3着に入った。


 「菅田が先行するのかと思い込んでしまいました。でも切りに来るスピードが緩くて、ピッチもなかなか上がらなかったんでおかしいなと思った。本当は(菅田を)突っ張って(吉澤を)出させて3番手っていうのがよかったですね。あそこ(ホーム)で下げ切ってしまったら、西田にチャンスがなくなってしまうし、1車でも前にと思って飯尾の位置で粘った。脚は徐々に仕上がってきてるんで組み立てを反省します」


 

10R

選手の写真です。
大矢崇弘選手

 吉田茂生が、先に動いた大矢崇弘を赤板の2コーナーで押さえて出る。しかし、前受けから引いた早坂秀悟が打鐘から反撃。最終ホームで主導権を奪い返した。後方で戦況を見ていた大矢崇弘(写真)は、2コーナーから満を持してアタック。山崎芳仁のブロックも乗り越えて、金星を挙げた。


 「先行したい気持ちもあったんですけど、1着を狙おうと。展開も思った通りでしたね。(山崎のブロックは)コケては駄目なんですけど、それくらいの気持ちで走っていたので行き切れました。最後も(番手の)志村(太賀)さんに差されなかったし、調子は良いと思う。自信にもなりました。ただ、結果が出てくれたのでよかったけど、少し展開待ちになっているので、そのへんが(良くない)」


 志村太賀が続いて2着を確保。レース後は、「大矢がやりましたね」と後輩をねぎらう。


 「(大矢の)気持ちが出ていた。強かったね。大矢がバック過ぎに山崎さんに合わされたと思って、内に行こうと思ったら自転車が流れて入れなかった。結果オーライですね。(近況の成績が良いのは)流れと言うより、脚ですね。脚がちょっと良いので、反応できている」


 中部3番手を固めた島野浩司が、直線で強襲して3着に食い込んだ。


 「早坂君の巻き返しが早かったね。できれば、(吉田が)先行して、中団を取り合ってくれたらよかったけど。最後は(山内)卓也が前に踏んでくれて、4コーナーまで連れていってもらいました。思ったより車が伸びています。来る前の練習では重くて。焦って直前まで練習を多めにやってきました」


 

11R

選手の写真です。
稲垣裕之選手

 後ろ攻めの中西大は、蒔田英彦にフタをしたあとに打鐘前から仕掛けて主導権を握る。逃げる中西に、7番手になった蒔田は4コーナーから反撃。しかし、車間を空けていた稲垣裕之(写真)が合わせて番手まくりを放つ。蒔田を完ぺきに合わせると、そのまま後続を振り切ってゴールした。


 「(中西は)果敢に先行してくれたんですけど、蒔田君ももう一回伸びて来たし、ああいうレースになりました。でも、結果的にはもう少し待てたかなっていうのはありますね…。(二次予選は)取りこぼせないですし、厳しい判断でしたけど行かせてもらいました。(復帰戦から)走るたびに、良くなっている感触はあるので、じっくり戻していきたいです」


 最終2センター過ぎで外の海老根恵太をどかした高橋大作が直線鋭く伸びて2着に入った。


 「コースがなかったので、外からしか行けなかったですね。(海老根に)当たらないとコースも作れなかったし、雨もすごくて前が見えなかったです。(櫻井正孝が)前で競走してくれたから楽でした。あそこまで伸びたので、悪くはないですね」


 3着は稲垣に食い下がった伊代野貴照


 「稲垣さんに付いて行くことしか考えてなかったです。(雨で)前が見えにくくて、踏んだり止めたりでした。稲垣さんも(中西)大を残そうとしていたので、だんだん詰まって外にはずしていたんですけど、誰も来なくて良かったです。記念の準決勝は初めてなので、うれしいですね」


 

12R

選手の写真です。
平原康多選手

 優秀の「東京オーヴァル賞」は郡司浩平の上昇に対し、前受けの平原康多が打鐘前2コーナーで車を下げると、そこを浅井康太が叩いて前に出る。浅井はペースを緩めることなく踏んで郡司の巻き返しを不発にするが、7番手からその外を伸びた平原康多(写真)が直線で前団を飲み込んだ。


 「先行になるかなと表ったし、浅井があんなに踏むとは思わなかった。すごいピッチが上がって苦しかったけど、行くしかないんで。あれが自分にできる限界でしたね。手ごたえが悪いわけじゃないけど、ああいう展開になってしまった。でも7番手から届いたのは自信になります」


 ゴール前で平原に鋭く詰め寄った木暮安由だったがわずかに届かず。


 「差せなかったですね。平原さんは先に下ってスピードが上がってたし、それをあれだけ詰められたのは大きい。まずは関東でワンツー決まってよかったし、(連日)確定板にのってるのでプラスに考えます」


 3着の小川勇介は逃げた浅井の強さと判断を褒めちぎった。


 「いいペースで駆けてくれた。すごい先行でしたね。(浅井は)ノープランで行くと言ってたけど、気持ちも入ってたし、さすがですね。あれだけ行ってくれたんで、(平原が)来たら止めてやろうと思ったけど、4コーナー、直線に入ってたので無理でした」


 4着に敗れたとはいえ浅井康太の先行も力強かった。


 「(初手で)中団を取った時点で先行ですよね。やらないだけで長い距離もモガけるし、今日はそういう展開になった。ほんとは(番手の小川と)ゴール前勝負したかったけど、そこは強い平原さんということで。3着に入れればよかったけどね」


 

10R

選手の写真です。
郡司浩平選手
選手の写真です。
和田圭選手

 大矢崇弘が打鐘で郡司浩平(写真)を押さえる。関東勢に続いた小川真太郎は巻き返して大矢を叩くも、橋本強が連結を外して裸逃げの展開に。郡司は降りてきた橋本を入れて5番手にポジショニング。2コーナーからまくり上げると、一気に前団を飲み込んだ。


 「(打鐘の2センターで)橋本さんの後ろにスイッチしようと思っていたら、橋本さんが離れてしまって。さらに降りて来て、どうするか迷いましたね。でも、そこでゴチャゴチャするよりは引いてと。理想はそこを取り切って仕掛けることなんですけどね。引いてからすかさず行けたし、一瞬の判断もできている。車の出も良いですね。バックが追い風で3コーナーは流れていたので、出切ってからは安心しました」


 和田圭(写真)は郡司に続いて2着を確保。レース後は、郡司の強さに舌を巻く。


 「郡司君が橋本をドカすと思ったら、引いてすぐに行ってしまった。デキが良いから、力勝負なんでしょうね。最後は抜けるかなと思ったけど、踏み直されました。強すぎる。初日に差せたのは奇跡ですよ」


 郡司ライン3番手の伏見俊昭は、まくってきた野田源一にかぶって前を追えず。それでも、インを進出して中団まで追い上げると、2センターから外を回して3着に入った。


 「野田君が行き切れないだろうなと思っていた時に、(郡司が)まくって行った感じですね。野田君が降りてきて追えなかったです。最後はコースが空いたので。ツキがあるし、決勝はしっかりと」


 援軍を失った小川真太郎は懸命に抵抗したが、5着に終わった。


 「普通に(大矢を)叩くだけなのに、スタンディングしても脚がスカスカ。その後も力が入らなかったです。長めにダウンして、やり直します」


 番手にハマった大矢崇弘は2コーナーからまくり上げるも、小川に合わされてシンガリ負け。


 「小川君に行かれたくなかった。叩かれたことが悔しくて。意地と言うか、番手にハマったことよりも仕掛けようと思いました。もう少し力があれば…」

11R

選手の写真です。
神山拓弥選手
選手の写真です。
高橋大作選手

 赤板前から動いた香川コンビに、木暮安由が続いて3番手を確保する。木暮のけん制に稲毛健太は7番手で動けず、先頭に立った大西祐は打鐘前から腹をくくってペースを上げる。稲毛は最終1センターから仕掛けるが、合わせるように木暮が2コーナーまくり。ライン3車で出切ると、神山拓弥(写真)がゴール直前で木暮を交わした。


 「地元の(高橋)大作さんが3番手に付いてくれて、3人で決まって本当に良かったです。道中もニュートラルに入ったし、余裕を持って感じ良く走れました。この2日間とは全然違いましたね。バックがすごい追い風で、ホームが向い風だったと思うんですけど、僕はホームでも楽に回せました。正直、最近あんまり良くなかったんですど、(準決勝は)すごい良かったです」


 好位確保から2コーナーまくりに出た木暮安由はラインで上位独占のレースを笑顔で振り返る。


 「6番(大西祐)の先行の雰囲気もあったし、作戦を考えたまんまになりました。(最終)ホームでスピードが緩んだんですけど、それだとまだ早いと思って。ワンテンポ遅らせて、波を作って仕掛けました。バックが追い風だったし、それならスピードを落としてと思って。仕掛けた感じも、3人で出切れたので良かったと思います」


 高橋大作(写真)が浅井康太とサイドバイサイドの争いを制して3着に。地元記念で決勝進出を決めた。


 「苦しかった。大西が打鐘からフルスロットルで踏んで行くとは思わなかったですね。車間が空いたけど、詰まったので良かったです。(最後は)あのブロックがないと浅井は行っちゃうでしょ。前の2人はもう抜けないから、浅井を止めるしかなかったので」


 稲毛マークからバックで内に切り込んだ浅井康太は福田知也を飛ばして2センターから外に持ち出したが高橋をとらえることはできず。「引っかかっちゃいましたね」と言葉少なにレースを振り返った。

12R

選手の写真です。
平原康多選手
選手の写真です。
小川勇介選手

 後ろ攻めから動いた稲垣裕之が誘導後位に入ると、下げてきた吉澤純平にフタをして清水裕友が打鐘から主導権を握る。清水はペースを落とすことなく、ハイペースで駆けるが、すかさず吉澤も反撃を開始。バックで清水をとらえると、続いた平原康多(写真)が抜け出した。


 「あのレースはすごい。純平の今までの一番。ずっと外にへばり付いて、あのレースをいつもできたらすごいことになる。付いて行くのも楽じゃないし、あれじゃ3番手は絶対付いて来れない。(決勝は関東勢が5人)今後もあるから、近畿とかそういう勢力に立ち向かうには(5人でまとまって)。(高橋)大作さんが関東で戦おうって言ってくれたし、それが大きかった。各々がしっかり役割を果たしてゴール線を通過したい」


 清水との力勝負を制した吉澤純平は今後につながるレース内容に満足げ。


 「(見すぎて)それでけっこう失敗してたんで。中途半端に空いたら入るとか頭にありすぎて、それで大宮記念や全日本選抜で失敗してたんで。残る残んないより、清水と勝負って感じだった。それができないからこないだ(ダービー)も負けてる。ちゅうちょしないで行けると思ったら自信を持って行きたい。これをもうちょっと上の舞台でやりたいな。決勝は後ろに4車付いてくれるんで、そういう気持ちを踏まえていいレースがしたい」


 吉澤ライン3番手の朝倉佳弘が離れ、三宅達也も口が空いて一杯になると、小川勇介(写真)はバックで平原後位に切り替え3着に入線した。


 「前のおかげです。あれだけ清水が行ってくれたので、誰かが乗らないと。達也さんが切ってるのか空いてるのかわからなかったけど、キツそうだったので。外に持ち出して追いかけられたし、デキはいいですね」


 ホームから清水との口が空いてしまった三宅達也は「裕友に申し訳ない」を連呼する。


 「千切れた。すごいいいかかりだった。風が逆なら俺のもんだったけど、追い風じゃ…。でも、言い訳も何もない。僕が弱いです」


 吉澤の仕掛けに離れてしまった朝倉佳弘は「離れたのは現状。しっかり受け止めて。もうそれだけですね。あとひと踏み、ふた踏みできないのが…」と言葉を振りしぼった。


 


<最終日・9R KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)>


 


 最終日の9Rには、KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)が行われる。中心となるのは、前回5月玉野FIで完全Vを達成したサム・ウェブスターだ。今回は乗り慣れたカーボンフレームで日本勢を圧倒する。


 「今年2年目で、(日本に)戻って来れて嬉しいです。前回の玉野では良いレースができました。僕も、(マティエス)ブフリも、コンディションが良かったので。(これまでのエボリューションは、ほとんどのレースで外国人選手が勝っているが)それによるプレッシャーはありません。勝負に対する自分自身のプレッシャーはありますけど。(ライン戦ではないが)日本人対、僕みたいになりそうですね(笑)。先行、まくりで頑張ります」


 絶好調の山中秀将にも注目だ。4月川崎記念で準Vの成績を残すと、5月ダービーでは2度目のGI決勝にコマを進めた。ここでも持ち前のスピードを発揮できるか。


 「(ダービーの)準決と決勝は、脇本(雄太)君と一緒で何もできなかったですね。でも、勝ち上がって行く中で自分の良いところを出せば、やっていけるなって。カーボンフレームは、たまにタイムトライアルとかで乗ったりするくらいですね。乗っている時間が足りなくてイメージは合ってないけど、クロモリに比べたらスピードは出るので。どこからになっても自力で頑張ります」


 芦澤辰弘は、ダービーで準決勝に進出。近況、高いレベルで安定している。


 「(ダービーを走って)もっと追い込みとしての評価を上げていきたいなと思いました。チャンスが来たときはモノにできるように、一戦一戦、結果を残していきたいですね。(カーボンは)地区プロとかでしか乗らないですね。ダービーが終わってから(セッティングを)合わせてきたくらいで。(レースは)展開を考えつつ、せっかく1番車をもらったので前々にいたいです。最後、4コーナーでどこにいるかが勝負ですね」


 山中に次いでバック回数が多いのは猪俣康一だ。


 「エボリューションは2回目です。前回は(15年11月)豊橋で、中団をとって3着でした。カーボンフレームは少し練習でも使っているので、ギアだけ変えてきました。スピードが出るし、ルールも違うので走り方は全然違ってくるとは思うけど、勝負どころがあると思うのでがんばります」