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KAWASAKI KEIRIN

34#

検車場レポート

  • 4/17 Wed.  (前検日)
  • 4/18 Thu.  (1日目)
  • 4/19 Fri.  (2日目)
  • 4/20 Sat.  (3日目)

1R

 近畿地区に動ける3選手がそろったオープニングレース。ラインの先頭は20代の元砂勇雪が務める。


 「完全ではないけど、ちょっとずつ確実に良くなっている。練習もしっかりできるようになったんで、あとレースですね。レースで結果を残すことが自信にもなる。(レースが小さくならないように)意識しているし、(最終)バックを取ろうって思っている」


 田中誠は前回の大宮FIを482着。最終日はボス(オランダ)のカマシに付け切り、4分の1輪差まで詰め寄った。


 「大宮で腰を痛めてしまって、終わったあと(の中3日)はケアを入れた。1日フルに休んで、中日だけウエートトレーニングをやった。疲れが取れない感じもあるけど、外国人選手とやるよりはいいんじゃないですか」


 

2R

選手の写真です。
河端朋之選手

 ポーランドで行われた世界選手権に出場した河端朋之(写真)は、防府のGIIIトラック競技支援競輪を136着。今年、競輪での初場所を終えて、今シリーズで1カ月ぶりの2場所目を迎える。


 「(世界選手権のあとは)本当にゆるめた感じがあります。(1年間で)そこしか休むところがなかったですから。防府が終ったあとも1週間くらい休んで、(3月)25日くらいからいつもの(ナショナルチームでのトレーニング)形に戻った。いいリフレッシュができて、もういつも通りの生活になった」


 森川大輔は直近2場所のFIで3勝をマーク。状態面でも不安はなさそうだが…。


 「(前回の)決勝が激しすぎて感じが悪くなった。それで前回が終ったあとの練習の感じが良くない。だから修正はしました」

3R

選手の写真です。
松岡貴久選手

 3月高松FIで落車した松岡貴久(写真)だが、直前の小倉FIの初日特選で白星を挙げるなど、復調ムードだ。


 「落車したっていうのもあるし、今回から新車です。体はもう大丈夫。小倉(の初日特選)は、郡司(浩平)を交わして1着だったんでよかったです。(初日は)後ろがグランプリレーサーとタイトルホルダーですからね。しっかり頑張らないと」


 2月高松のブロックセブンを制した坂本周作は、直前の福井FIでS級初優出を果たした。


 「(近況、1着が増えてきたのは)戦法を変えたのが大きいですね。前より、まくりが多くなっているので。(福井のあとは)冬期移動先の静岡から帰って、青森で練習してきました。初日は地元が付いてくれるので、力を出し切れるように頑張ります」

4R

 前回のウィナーズカップで5725着の杉森輝大は、そこから中23日で今節を迎える。


 「ウイナーズカップは思うように走れなかったです。今のままじゃ、しょうがないと思ったんで、練習を見直して来ました。川崎は悪いイメージはないんで、頑張りたいです」


 3月玉野記念で決勝にコマを進めた志村太賀が、杉森を目標にして勝機をつかむ。


 「前回(小倉)が追加だったので、少し疲れましたね。中4日は、疲れを取る感じでやってきました。(杉森は)いつもいい競走をしてくれるし、相性もいいです」

5R

  2月松戸FIで完全優勝を果たした岩本俊介。しかし、続く別府FIで優出して以降、3場所続けて準決敗退が続いている。


 「練習はできているんですけど、感触はあんまり良くないですね。でも、これは自力の宿命だと思うから。川崎は走りやすいし、いいイメージもあるんで、この流れから脱出したいですね」


 阿部拓真は、前々回のウイナーズカップで白星を挙げるなど、調子は上向いている。


 「去年は落車が続いていたんですけど、最近は体の感じも良くなってきて、感触も良くなってきました。(前回の)松戸のあとは、(冬期移動先の)静岡から帰って、地元の人と練習してきました。後方に置かれないように最低限、位置を取ることを心掛けて走ります」

6R

 近況のFI戦を手堅く優出している金子貴志は、前回の豊橋FIで地元Vを達成。昨年4月別府FI以来、1年ぶりの優勝を飾った。


 「最近は決勝に乗れているし、前回は地元で優勝できたので、感触は良くなっています。(弟子の)深谷(知広)とは、会うことも少ないし、走れる機会も少ないですからね。しっかり勝ち上がって、一緒に走れるように頑張ります」


 中西大は、前回の松戸FIで711着。まさかの予選敗退も、調子自体は悪くないようだ。


 「着は悪かったんですけど、自分の感触的にはそんなに悪くはなかったです。松戸のあとは、普通に変わらず練習してきました。前に出切れなかった時に大敗しているんで、そこだけ注意して走りたいです」


 

7R

選手の写真です。
簗田一輝選手

 簗田一輝(写真)は、3月静岡FIで地元Vをゲット。相性のいい当所でも結果を残したい。


 「川崎は完全優勝をしたことがあるんで、今回も頑張りたいですね。後手、後手を踏んでまくり不発とかはたまにあるけど、自分のタイミングで仕掛けられれば大丈夫だと思います。年末に落車して調子を落としていたんですけど、落車する前とほぼ変わらないくらいまでは戻ってきたと思います。調子は悪くないから、勝ち上がりで失敗しないようにしたいです」


 窓場千加頼は前回の福井FIで、まくった木暮安由を交わして優勝を飾った。


 「(福井の決勝は、別線が)赤板からモガき合ってくれたので、展開が向きました。勝てたのは素直にうれしいですけど、上で戦っていくためには、木暮さんより先に仕掛けないといけなかったですね。反省もたくさんあった開催でした。今回はメンバーがすごくいいので、その中で勝ち上がって場数を踏んでいきたいです」


 

8R

選手の写真です。
松本貴治選手

 松本貴治(写真)は、ウィナーズカップの一次予選を打鐘から仕掛けて快勝した。今回も、積極的な仕掛けで別線を完封しよう。


 「前回(岸和田FI)から13日も空いたんで、いつもよりガッツリ練習してきました。調子は変わらずだと思います。川崎は去年走って以来ですね。走りにくいとかもなかったんで、頑張りたいです」


 1月防府FIでS級初優勝を果たした川口公太朗だが、近況はやや調子落ちの印象がある。


 「防府の時くらいにウエートトレーニングを結構、やっていたんですけど、それが原因で神経痛が出てしまって。でも、少しずつ良くはなっているんで。直前に、バンクで自転車を修正してきたので、感じはいいと思います」

9R

 今年に入って立て直しに成功した原田研太朗は、前回防府FIで今年2V目を果たした。


 「(防府からは)1日休んで、次の日から練習してきました。日に日に、調子は上がってきているのかなと思います。ちょっとずつですけど、いい状態に近づいてきていますね。トレーニングを見つめ直して、デビューした時にやっていたメニューをやっているんですけど、それがいいんだと思います」


 原田との同期対決に燃える吉田茂生は、3月名古屋FIで今期初優出を果たした。


 「いつも通り練習してきたし、調子は悪くないと思います。(前回の岸和田FIから中13日で)久々のレースは、あまり好きではないんですけど。川崎はクセがないと思うし、細切れ戦も嫌いではないので、(初日は)愛敬(博之)さんと、2人で決められるようにしたいです」


 

10R

選手の写真です。
松井宏佑選手

 注目の地元ルーキー松井宏佑(写真)は、3月小田原FIで112着。続く、福井FIではS級初優勝をつかんだ。


 「(優勝して)ちょっと安心しました。なるべく早くしたいと思っていたので。練習はしっかりやってきました。でも、体の疲れはありますね。地元記念ですけど、いつも通り気負わずに走りたいです」


 その松井に付けるのが、昨年の覇者小原太樹だ。


 「(松井とは)1、2回しか会ったことがなくて、一緒に練習をしたこともないですね。でも、強いのはわかっているんで。ここまでに、やれることはやってきたなって感じなんで、頑張りたいですね。とりあえず初日をクリアして一走、一走しっかり走りたいです」

11R

選手の写真です。
深谷知広選手

 競技では世界の強豪を相手に、ナショナルチームで活躍している深谷知広(写真)は、昨年のオールスター以来、約8カ月ぶりに競輪に参戦する。


 「久しぶりなので、組み立てとかに不安はありますけど、それでも勝てるくらいの力は付けてきたつもりなので。しっかり4日間、力を出し切りたいですね。今回から新車なので、ダービーの前にここで乗れるのは大きいですね。(競輪を)走れる機会も少ないし、少ないチャンスなので、しっかり走りたいです」


 近況、高いレベルで安定している東口善朋が、深谷に食らいついてワンツーを目指す。


 「ちょっとビビっていますけど、精いっぱい付いて行きます。深谷に付いて行けないと、脇本(雄太)にも付いていけないと思うんで。ダービーに向けて走れればいいですね。逆に、付けさせてもらえるのはありがたいです」

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手

 初日のメインである特選は、豪華なメンバーがそろい激戦は必至。今年も抜群の安定感を誇る平原康多は、関東ラインの番手から白星を狙う。


 「5キロくらい体重を落としたんですけど、今は食事もしっかりしています。前回の武雄記念で前の乗り方に戻して、つかんだものがあって、スピードが2日目くらいから出るようになりました。ダービーに向けて、いい手応えをつかめたと思います。今回も、与えられた位置でしっかりやるだけです」


 地元の郡司浩平(写真)は、前々回のウィナーズカップで2223着。続く小倉FIでは、今年初優勝を飾った。


 「ここに向けて練習はやってきたつもりです。このあともダービー、平塚記念と続くんで、一年で一番の山場だと思っている。今年も一人でも多く決勝に勝ち上がって、一致団結して頑張りたいですね」


 今年は2度のビッグレースを含む、すべての開催で決勝にコマを進めている佐藤慎太郎。持ち前の鋭脚が冴え渡っている。


 「レースがあるから練習を休むとかは、全然してなくて、淡々とメニューをこなしています。調整をしたら、イメージかみ合わないなっていうのもある。調整をしなくて今の状態を保てているので、逆にピンポイントでバシッと決まった時に、どうなるのかっていう期待はあります」

1R

選手の写真です。
松岡健介選手

 津村洸次郎を制して先に前に出た元砂勇雪は、赤板2コーナー手前から仕掛けてきた津村を突っ張り主導権を譲らない。出られなかった津村は、最終ホームで松岡健介をキメにいくが落車。田中誠と佐藤真一も乗り上げる。その後も懸命に逃げた元砂が4コーナーを先頭で回ると、番手の松岡健介(写真)がきっちり追い込んで白星スタートを切った。


 「みんなスタートから出て行きましたね。津村君は内から踏んで突っ張るか、僕のところに来るんやろうなと思っていたけど、元砂君がうまく切ってくれました。真横で津村君がコケたけど、何人コケたかはわからなかった。雨谷君が3着かと思ったけど、元砂君が残ったんで良かったですね」


 落車を避けて、松岡に付け直した筒井裕哉が2着に入った。


 「(元砂が仕掛けた時に)踏み遅れたから、アカンって思ってた。(田中と絡んで最終ホームで)ごめんなさいって思って引こうかと思ったら(落車があった)。不幸中の幸いで、結果オーライでした」


 

2R

 警戒する河端朋之を7番手に置いて地元の志佐明が主導権を握る。反撃のタイミングをうかがっていた河端は、打鐘の4コーナーから踏み込む。上々のスピードで前団に迫るが、白戸淳太郎が好ブロックで止める。白戸の援護にも助けられた志佐が、逃げ切りでメモリアルの100勝を飾り幸先のいいスタートを切った。


 「河端さんの仕掛けは見えなかったけど、来ているなと思って自分の感覚で踏んだ。無我夢中で白戸さんが仕事をしているのもわからなかった。でも、逃げ切れたんで止めてくれたんだって。すごい緊張したけど地元で100勝を達成できたのは良かった」


 河端から切り替えて追い込む筒井敦史を外にけん制した白戸淳太郎は、志佐をとらえ切れずの2着。しかしながら、番手での俊敏な動きが目を引いた。


 「志佐君がいいペースで駆けてくれましたね。外を振った時に河端君とスピードが合ってうまく止められた」


 

3R

選手の写真です。
合志正臣選手

 7番手から動いた坂本周作は、中団の松岡貴久にフタをしてから、打鐘で野村典嗣を叩いて先行態勢に入る。後方に置かれた松岡は、中四国ラインをすくって4番手まで上昇。最終1センターで外併走の野村をどかして、山田幸司の後ろまで追い上げる。一呼吸置いた松岡がもう一度、2センターから踏み込むと、けん制した山田と坂本の間のコースを踏んだ合志正臣(写真)が、鋭く伸びて先頭でゴールした。


 「(松岡)貴久がきれいにスパッと出ていたら別ですけど、出が良くなかったから、あのコースに行ってしまいました。(最後に)山田さんが振るのはわかっていたので。(間を踏んだ時は)落車明けなので、ちょっとビビッて踏んでいましたね」


 熊本コンビに挟まれた山田が、ゴール手前で落車。松岡貴久は影響を受けながらも、なんとか2着に入った。


 「(山田の後位に追い上げた時に)前が変な動きをしていたので、休んでから行きました。安全策を取ってしまいましたね。(自分の番手と3番手が合志と小野俊之で)さすがに緊張しました。3人で決めたかったんですけど…。体は大丈夫ですけど、(新車の)自転車はまだ合ってない感じがしていますね」

4R

 打鐘手前で加賀山淳が先頭に立ち南関勢の主導権。4番手を手に入れた杉森輝大が最終2コーナーからまくりを打つと、松坂英司がドンピシャのタイミングでブロック。杉森後位から内を突いた志村太賀は詰まり、後方から外を強襲した工藤文彦が突き抜けた。


 「1着は久しぶりですね、1月4日の立川記念以来。松坂さんのすごいブロックで(杉森が)止まっているのが見えた。自分は逆にあれで助けられた。(それまで)みんなカマシが止まってたから、自分も行く勇気がもてなかった。追い込みなんで、(調子は)なんとも言えない」


 杉森のまくりをブロックした松坂英司は、返す刀で内の志村をキメて追い込む。僅差での2着も、大立ち回りが光った。


 「加賀山が頑張ってくれたし、あとは自分の仕事をしようと。あれ(2レースの同県の白戸淳太郎の走り)で気合が入りました。地元だとやっぱり違いますね」

5R

 打鐘で大谷靖茂が古川貴之を叩いて先行態勢に入ると、5番手は内に岩本俊介、外に阿部拓真で併走に。岩本は4コーナーから安東宏高の内へ潜り込み、阿部は3番手の古川貴之の横まで追い上げて最終回へ。外併走が続く阿部は、バックから仕掛けて大谷を2センターでとらえて先頭に立つ。しかし、最終バックから自ら踏んで、北日本コンビを追っていた岡村潤が直線で鋭く伸びて突き抜けた。


 「岩本がかぶっていたので。シビアになって岩本には悪いことをしました。余裕はあったので行ってみたら、思ったよりも車が出ましたね。中3日で3日間乗ってきたので、疲れが心配だったけど、徐々に抜けてくれれば。これだけ車が出たので大丈夫でしょう」


 外併走からまくった阿部拓真が、2着でゴールした。


 「ホームで叩き切れば良かったですね。岩本さんは全部引いてくれるだろうなって思っていたら、内で粘っていたので。なんとか2着に入れました。脚を使った割にはバックからもう一回踏めているし、感じは悪くないと思います」

6R

選手の写真です。
金子貴志選手

 小玉拓真は、後ろ攻めから動こうとした中西大を出させずに、中団から踏んで主導権を握る。しかしながら、ペースを上げない小玉に対し、7番手に戻った中西は打鐘の4コーナーから反撃。1センターで小玉をねじ伏せると、最後は番手の金子貴志(写真)が、きっちり中西を交わした。


 「(中西の)仕掛け良くて、相手が来る気配もなかったので安心して付いていけました。(最後交わせたのは)あれだけいってくれたので。(自転車との一体感も)いいと思います。前回地元で優勝できた流れの良さもありますね」


 持ち前のパワーで別線を一蹴した中西大が2着。ラインでワンツーを決めた。


 「赤板でも打鐘でも、どこでもいける余裕はありました。でも、それで飛んだのが前回(松戸FI)の初日なんですけどね。最近フレームとかセッティングをいじっていて、今回はシューズのサンをいじったんですけど、感触は悪くないです」

7R

選手の写真です。
大西健士選手

 簗田一輝を押さえてハナに立った小酒大勇を、打鐘の2センターで窓場千加頼が叩いて主導権を握る。7番手で車間を空けてタイミングを計っていた簗田一輝は、最終ホームから反撃開始。好スピードで前団に迫り、前田拓也のけん制を乗り越えると、4コーナーで窓場をとらえてゴール。ラインを上位独占に導いた。


 「前田さんのブロックはギリギリ交わせたので、当たってはないです。窓場さんが結構ハイペースだったので、2コーナーから行っても間に合わないと思って、ホームから仕掛けました。踏んだ瞬間に、行けるなっていう踏み出しだったと思います」


 前田のけん制で五十嵐力が外に膨れると、南関ライン3番手の大西健士(写真)が五十嵐の内を踏んで2着に入った。


 「五十嵐君のおかげです。道中は、付いて行くのがギリギリでした。(最終3コーナーで)明田(春喜)が内から寄ってきていたけど、外に外したら離れちゃうと思って。いつもなら踏み出しで離れて9着なので、反応も良かったと思います」

8R

 赤板の2コーナー過ぎに切って出た久木原洋の上を、松本貴治がダッシュよくカマして先行策。ライン3番手の大屋健司が離れて2車になった松本だったが、二の足で別線を完封して押し切った。


 「楽に出られたのが良かった。そこからは徐々に上げていく感じでした。いつもは押さえに行くラインに付いていくんですけど、(初日は)車間を空けて緩んだところっていうのを意識しました。あんまり自分が成長したとかわからないけど、少しでもしてないとダメですね。ただ、準決、決勝とかだと全然やなって感じます」


 最終4コーナーで川口公太朗を外に振った柏野智典が、松本を追い詰めるも流れ込みまで。


 「大屋君がいなくなって2車だったけど、自分の間合いも取れた。正直、思ったよりも走れた。(松本は)すごい強引に自転車に乗ってる感じがある。そこが改善できたらもっと強くなりますよ」

9R

選手の写真です。
原田研太朗選手

 周回中のポジショニングで3番手を手に入れた原田研太朗(写真)が、赤板の2コーナーから仕掛け先頭に立って、そのまま駆ける。快調なペースで飛ばした原田が、1周半以上を踏んで人気に応える逃げ切り勝ち。


 「ラインが3車だったので、先行もっていうのは思ってました。スタートで(橋本)強さんが中団を取ってくれたので、それに尽きますね。最後は抜かれたと思いました。ナイター特有というか、体感的にスピードが出ている感じがしました」


 マークした橋本強は、原田との直線勝負も8分の1輪及ばず。


 「結構、抜きに行ったんですけどね。原田君も踏み直してました。(原田が)ペースに入れて、(最終)バックで踏み上げて、3コーナーで流して4コーナーから踏み直してましたよ。最後は吉田(茂生)君が踏んできていたので、張り気味に抜きにいったぶん伸びなかったです」


 

10R

選手の写真です。
小原太樹選手

 前受けから7番手まで引いた松井宏佑が、赤板2コーナー手前から仕掛けると、中団の矢口啓一郎が松井に合わせて踏み込む。しかし、松井は矢口を力でねじ伏せてライン3車で出切って最終回へ。逃げる松井を先頭に、隊列は一本棒でバック線を通過すると、番手の小原太樹(写真)が絶好の展開をモノにした。


 「地元で体が硬かったかな。でも最後交わせたので大丈夫です。松井君は初めて連係したけど強かったですね。打鐘のところで矢口さんが粘ってきそうな雰囲気があったけど、そうさせない仕掛けだったし、最後もタレなかった」


 ラインを上位独占に導いた松井宏佑が2着でゴール。


 「1着ではなかったけど、ラインで決まったので。前々回の小田原で取鳥(雄吾)君を叩けたのが自信になっていたので、今回も踏んだら出切れると思っていました。最近はカーボン(フレーム)での練習が続いていたので、感覚は鈍かったですけど、日に日に馴染んでいくと思います」

11R

 赤板で近藤夏樹が、前受けの深谷知広を押さえてハナに立つ。7番手まで下げた深谷は、打鐘からジワジワ踏み込んで、2センターから一気に仕掛けて主導権を奪取する。その後も深谷がハイスピードで逃げると、ピタリと続いた東口善朋がゴール前で深谷を交わして白星を挙げた。


 「(深谷は)引いてカマすと思ったので、そこだけに集中していました。付いていけたらなんとかなると思った。付き切れたことは、僕にとっては自信になりますね」


 別線に反撃の隙を与えなかった深谷知広だったが、最後は2着に沈んだ。


 「緊張しましたけど、ジャンからは自信を持っていきました。出切ってからは、修正点が多いですね。(新車も)応急処置みたいな感じにはなりますけど、修正します。ダッシュには自信があるんで、どこからでも行ける感じはあります」

12R

選手の写真です。
和田真久留選手

 打鐘手前で出た三谷竜生に、すかさず吉田拓矢が襲い掛かる。三谷も慌てて合わせるが、最終ホームで吉田が主導権を奪って逃げる。切り替えるように3車の関東ラインを追った郡司浩平は、2コーナーから再度踏み込むと目の覚めるようなスピードで前団をあっさり仕留める。郡司に続いた和田真久留(写真)が、ゴール前で楽に郡司を交わして地元ワンツー。


 「郡司君の出番が来るかなっていう流れでしたね。あとは村上(義弘)さん、平原さんが(自分のところに)来るのかなっていうのがあったんで、そこだけ気をつけてしっかり追走した。それでゴール前勝負ができるかなと」


 「最後はタレたけど、それ以上に踏み込んだ時の車の進みが良かった」とは、まくりで2着の郡司浩平。平原に瞬時のジャッジの余裕すら与えないような強烈な踏み出しで、前団をのみ込んだ。


 「(吉田と三谷が)やり合ってくれたし、僕の順番が来るかなと。仕掛けられたし、しっかりとそういう形がつくれた。(同県の)先輩たちの頑張りが本当に刺激になりますよ」


 神奈川コンビにスイッチしての3着が精いっぱいだった平原康多は、こう振り返る。


 「(吉田)拓矢は持ち味を出した。それで簡単に(郡司に)行かれちゃってるんで、力の差を感じたんじゃないですか。いままでの感じなら、あれで(自分たちのラインが)ワンツーとかワンツースリーなんですけど…。レベルが上がっている。自分は最低限、山崎(芳仁)さんに踏み勝てた」

6R

選手の写真です。
吉田茂生選手

 吉田茂生にフタをしてからハナに立った古川貴之を、打鐘で伊藤勝太が押さえる。そこを、吉田が一気に叩いて先行態勢に。すぐさま雨谷一樹が反撃に出るが、川口公太朗の強烈なブロックでスピードが鈍る。仕事をして、絶好の展開で最終4コーナーを回った川口が、吉田を交わして白星を挙げた。


 「吉田君も掛かっていたし、しっかり止めに行こうと。コケても仕方ないくらい気持ちで行きました。ただ、ヘタなので、ちょっと(雨谷に)引っ掛かっちゃいましたね。それでも脚に余裕はあるし、感じは良かったです」


 別線を完封した吉田茂生(写真)が2着。岐阜の同門コンビでワンツーを決めた。


 「以前に連係した時は川口さんが落車しているので、今回はワンツーを決められて良かったです。だいぶ脚の感じは良くなってきましたね。雨谷さんが仕掛けてきたのが見えてから踏んで、そしたら川口さんが仕事をしてくれました。ガツンと踏んでいたので、4コーナーからは我慢した感じです」


 

7R

選手の写真です。
窓場千加頼選手

 前受けの窓場千加頼(写真)にフタをしていた近藤夏樹の上を、打鐘手前で矢口啓一郎が叩いて主導権を握る。4番手の近藤の後ろは、内に窓場、外に加賀山淳で併走になるが、2センターで窓場が近藤をすくって関東ラインの後ろに付ける。浮いた近藤が4コーナーから仕掛けると、最終バックから加賀山が番手まくりで先頭に。しかし、2コーナー手前からまくっていた窓場がジワジワと加賀山に迫り、ゴール手前でとらえた。


 「矢口さんが叩きに来ないなら、千葉(ライン)の分断も含めて考えていました。(最後は)もうちょっとスピードが出ていたら、前田(拓也)さんと1、2着だったと思うんですけど…。でも、しっかり踏めているし、1着を取れているので感じは良いと思います」


 窓場マークの前田は、窓場と加賀山の間のコースを選択。外のコースを鋭く伸びた西田雅志が2着に入った。


 「ずっとニュートラルに入っていました。(窓場)千加頼が2コーナーから仕掛けた瞬間に、いいスピードだなと思いましたね。前田さんが中に行ってくれたので、チャンスだと思って。川崎は外ですからね。練習の成果は出始めて、それに伴って前が頑張ってくれて。うれしいですね」


 

8R

選手の写真です。
岩本俊介選手

 赤板の2コーナー過ぎに誘導を降ろして押さえて出た元砂勇雪後位の競りは併走のままで、後方に引いた岩本俊介(写真)が最終ホーム手前から反撃に出る。岩本が前団をとらえるが、1センターで須藤誠と飛び付いた元砂が絡む。後続を大きくちぎった岩本が、そのままセーフティーリードを保ってゴールを駆け抜けた。


 「うまい感じで出られたと。あれだったら(ラインの)みんなが付いて来られるなと思ったら、ガシャンって嫌な音がした。それで後ろがいないなってわかりました。自分は行けたから良かったし、悪くないと思うけど…」


 元砂(落車失格)に押し上げられた須藤誠が、岩本に大きく離れながらも追いかける。藤原浩に踏み勝った坂上樹大は、その後ろに入る。直線ではいっぱいの須藤を交わして追い込んだ坂上が、2着で準決にコマを進めた。


 「元砂はかわいそうでしたね。タイヤが外れてしまったみたいで…。自分は上田(国広)に悪いことをした。(岩本を)自分で追いかけると上田に抜かれると思って、(須藤に)追いかけさせた。3着までが(準決に)勝ち上がれるんならいいんですけど」


 

9R

選手の写真です。
吉田拓矢選手

 打鐘手前でハナに立った簗田一輝を吉田拓矢が押さえる。そこを深谷知広が豪快に叩いて最終回へ。番手の金子貴志がピタリと続き、3番手の吉田は前と車間が空いてバックを通過する。その後も軽快に逃げた深谷知広が、力強く押し切った。


 「最終バックでは違和感がありました。それがなにかは考えているところですけど、改善点はあるので修正します。掛かり自体は悪くなかったですし、伸び代もあると思います」


 車間を詰める勢いで前に迫った吉田拓矢(写真)は、2着まで。


 「ペースを落としたつもりはなかったんですけど、(深谷の)巻き返しが早くて出られてしまったので3番手に入りました。(深谷の)初日の感じだと最後がタレていたので、今回も(タレる)かと思っていたら、修正されていましたね」

10R

選手の写真です。
山崎芳仁選手

 原田研太朗が打鐘手前で和田真久留を押さえたところを、坂本周作が叩いて主導権。3番手は原田と、北日本コンビを追った中西大で併走になる。中西が最終ホームから踏み込むが、なかなか車は進まない。すると、バックから山崎芳仁が番手まくりを放つ。3番手をキープしていた原田研太朗が山崎に続くと、ゴール手前で山崎を交わして1着で準決進出を決めた。


 「(中西より)坂本君の方が雰囲気的に先行の意識が強くて、スタートの位置からも坂本君が行きそうだなと思っていました。山崎さんの踏み直しがすごくて、最後はいつ踏むかが難しかったです。脚自体は問題ない。初日より動けて、2日目の方が楽でした」


 坂本の頑張りに応えるために、番手まくりに出た山崎芳仁(写真)は2着。


 「(坂本が)先行したら(番手から)出るって感じでした。初日も悪くはなかったし、一走一走、確かめながら走れば、(状態が)上がってくると思う。走らないとレース感覚も戻らないので」


 

11R

選手の写真です。
平原康多選手

 打鐘手前で平原康多を押さえた松本貴治を、志佐明が叩いて先制。3番手は松本と、追い上げた阿部拓真で併走になる。後方になった平原は、最終1コーナー手前からスパート。2センターで志佐をとらえると、最後は番手の杉森輝大が鋭く追い込んだ。


 「(平原の後ろは)初めてだったんですけど、ホームの踏み出しがすごかったです。付き切ってからは、多少の余裕はありました。いい経験になりましたね。でも、まだ二次予選なので。いまは自分の力不足ですけど、(平原と前後が)逆になるように頑張ります」


 別線を力でねじ伏せた平原康多(写真)が2着の関東ワンツーが決まった。


 「無理やり行きました。1周まくりみたいな感じになりましたね。杉森に前を任せられていたし、ヘタな競走はできないですからね。ワンツーは最高です」

12R

選手の写真です。
松岡貴久選手

 前受けから7番手まで引いた松井宏佑は、中団の三谷竜生に警戒されるなか絶妙のタイミングで巻き返す。打鐘の3コーナーで松井が主導権を奪って郡司浩平まで出切るが、飛び付いた松岡貴久(写真)が五十嵐力を弾いて3番手を確保する。最終2コーナーからまくった三谷を郡司が外に振って、空いたインを4コーナーで松岡が突く。松岡が、逃げ込み図る松井を交わして1着。


 「全部、流れですけど。(ラインの)柏野(智典)さんが予想した流れになった。(郡司が外に振って)自力選手だから、ああなりますよね、自分は普通に最短距離をいっただけです」


 「後ろに松岡さんがいるのが確認できなくて、そこが反省点。三谷さんのまくりしか見てなかった」とは、郡司浩平。五十嵐がさばかれたのを知らず、松岡にすくわれ、2着に盛り返すのが精いっぱい。


 「(松井は)いいタイミングで行ってくれました。あんだけ長い距離を踏めるし、末もしっかりしてるんで安心して付いていけた。ただ、自分は1着を取らなきゃいけないところを取りこぼしてしまった」


 

10R

選手の写真です。
平原康多選手
選手の写真です。
吉田拓矢選手

 6番手から動いた簗田一輝が、松岡貴久を押さえて主導権。しかし、打鐘2センターから吉田拓矢がすぐさま反撃に出る。最終ホームで簗田を叩いて先頭に躍り出ると、最後は番手の平原康多(写真)が抜け出して白星を挙げた。


 「余裕はありました。西田(雅志)さんまでラインで決まれば最高だったんですけどね…。(吉田)拓矢とはコミュニケーションを取り合って、アドバイスをしているし、ワンツーが決まって良かったです。初日は(2人で決まらず)悔しい思いをしたので」


 横一線の2着争いを制した吉田拓矢(写真)が粘り込んで関東勢のワンツーが決まった。


 「ギアを換えたので、2日目よりは良くなっていました。もう少し踏み上げたかったんですけど、簗田君に踏まされて脚を消耗してしまいました。とりあえず決勝に上がれたのでうれしいです」


 最終2センター5番手から踏んだ松岡貴久が、直線で伸びて3着に入った。


 「モガき合っているのに、みんなが強すぎた。好きに走らせてもらったし(合志正臣と)2人で決めたかったですね。踏んだのに伸びたのかもわからず、新車の感触はわからないですね。それほど周りが強かったです」

11R

選手の写真です。
志佐明選手
選手の写真です。
岩本俊介選手

 志佐明の上を窓場千加頼が叩いて先制。3番手に志佐、6番手に山崎芳仁、8番手に深谷知広で最終回へ入ると、2コーナー手前から志佐が踏み込む。しかし、三谷竜生が番手まくりを放ち、そのまま後続を振り切った。


 「志佐君の仕掛けが早かったので、難しかったです。深谷君もいますし、かぶってしまうよりは、行かないとと思って仕掛けました。(窓場)千加頼の気持ちにも応えたかった。押し切れているので、脚はそこそこですね。(自力のレースでも)ある程度スピードが上がれば、行けるっていう感じはあります」


 最終2コーナー手前から仕掛けた志佐明(写真)だったが、三谷に合わされ再び三谷を追いかけて直線に入る。最後は迫る深谷も加わり大激戦となったが、2着同着で地元記念の決勝にコマを進めた。


 「(岩本俊介と岡村潤に)付いてもらっているし、仕掛けないとって思ったのが、功を奏した感じですね。ここに入る前にバイクで練習してきたんですけど、(三谷は)バイクみたいな掛かりでした。今シリーズは上デキです」


 志佐マークの岩本俊介(写真)が、2着同着で、一昨年7月小松島以来の記念優出を果たした。


 「志佐が積極的に、いいタイミングで行ってくれて、(岡村)潤さんも、前を回してくれたおかげです。ラインに迷惑を掛けないようにと思って走りました。気合一本でした。自分はここ2場所がボロボロだったんでね、準決に関しては志佐が頑張ってくれたからです」

12R

選手の写真です。
松井宏佑選手
選手の写真です。
吉田茂生選手

 赤板の2コーナー手前で踏み込んだ杉森輝大は、同県の武田豊樹を連れて先頭に立つとそのままグングンと加速して逃げる。茨城コンビを追った吉田茂生が3番手に入り、松井宏佑は5番手でレースが流れる。最終ホームを通過し、2コーナー手前から松井が発進。合わせて出た吉田との踏み合いを直線で制した松井を郡司浩平が交わした。


 「初手で前になって、そこは計算してなかったですね。でも、そこからは落ち着いて(松井が)5番手に入ってくれた。あとは(最終)バックで仕掛けてくれれば決まるかなっていう感じでした。2日目(2着で)は人気に応えられなかった。だから、(準決は)人気に応えられるように、どんな展開になっても1着に来られるように仕掛けようと思ってた」


 2着の松井宏佑(写真)は、2度目の記念でファイナルに進出。さすがの爆発力で別線を沈めた。


 「(3番手の)白戸(淳太郎)さんを連れていけなかったんで、内容的には…、っていうのがあります。(8番手にいた原田研太朗が来たら)すかさず合わせようと思ってたし、落ち着いて走れました。(地元で優出して)ホッとした気持ちがあります」


 3番手から臆することなく仕掛けた吉田茂生(写真)が、まくりで記念初優出を遂げた。


 「あれでいままでだと、武田さん任せで失敗するんですけど、自分で仕掛けられましたね。(松井と)併走していて苦しかった。(10レースで)川口(公太朗)さんがダメだったんで、ちょっとでも見せ場をつくってと思ってたら、いい展開になりました」


 


 


≪最終日6R「S級ブロックセブン」≫


 このメンバーで競走得点トップの小松崎大地は、前々回の京王閣FIで完全Vを達成。今回も、人気の中心になりそうだ。


 「状態自体は上がってきている感じがあります。計画的にやってきたことが、形になってきている気がしますね。セッティングとかも、かみ合ってきた。(7車立ては)全部引いても何番手とかって言いますけど、自分が前だったら敵もそうですからね。いつも通りの走りをして、結果がついてきてくれればいいですね」


 その小松崎に付けるのが、ここがホームバンクの勝瀬卓也だ。


 「(前回の武雄)記念までいろいろ試してきたことがあったんですけど、つかめてきた感じがありますね。(今回)走るのはわかっていたので、ここに向けてうまく上がってきたと思います。地元戦で、応援してくれる方もいるのでしっかり走ります」


 近況、コンスタントに白星を挙げている水谷好宏も、調子は上向いている。


 「古傷とかで、1年くらい体の状態が良くなかったんですけど、それが少しずつ良くなってきました。それで、最近は1着が取れるようになってきましたね。(7車立ては、昨年1月の)大宮でブロックセブンを走って以来です。川崎は好きなバンクだし、ナイターも好きなんで頑張ります」