最終12レースは赤板で大竹歩が押さえて先頭に出ると、単騎の小泉俊也が一か八かの大カマシ。小泉は後続を大きく引き離して逃げていくと、深谷知広が最終ホームから渾身のスパート。深谷は猛スピードで小泉に迫っていくと、バック過ぎに捕らえる。勢いそのままの深谷で大勢は決したかと思われた。しかし、その後ろから伊勢崎彰大(写真)が猛然と迫ってくると、ゴール寸前で差し切った。
「あの展開は想定通りで、あとは抜けるかどうかでしたね。最終的に残り200メートルで良い位置にいれば何とかいけると思ったけど、200メートルを過ぎてしまったので。深谷は止まったのか流したのかは分からないけど、(後ろに)ついた瞬間に抜けると思いました。調子は思った以上に相当良いですね。自分でも恐いくらい。今日はアピールしようと思ってたけど金星ですよ。前頭がよくやったと思います(笑)。地元の神奈川勢が頑張って力勝負してくれたし、その結果僕が(深谷を)抜けた感じ。でも、自信になりました」
深谷知広(写真)は奇襲攻撃に慌てることなく車間を詰めていくと、小泉を力でねじ伏せ決勝進出。
「後ろが競りだったので見え辛かったですね。そうしたら小泉さんがすごいスピードで行ったので。そこからはとりあえず、大竹さんを叩かないと思って無理矢理いきました。後ろから行かれるといけないので、上手くペースで。でも、体勢が崩れてしまったので、その辺は修正します」
園田匠は深谷を追えず、8番手で最終バックを通過する絶体絶命の展開。しかし、2センターから内のコースをスルスルと抜けていくと、最後は大竹を内から交わして3着に滑り込んだ。
「山田(幸司)さんが邪魔になってしまって。とにかく内を行ってやれと思ってたら空きましたね。たとえ空かなくても突っ込むつもりだったけど。今日は調子は分からなかったけど、伸びは良いと思います。だた、内容が悪いですね。競り負けた訳ではないし、深谷君が強かったけどついていかないと。でも、こういう(競りの)番組だったから、逆に集中して走れました」
小泉のカマシも「想定してるなかのひとつ」と振り返る大竹歩。落ち着いてレースを組み立てたが、最後の最後で空けたインコースを園田に行かれてしまった。
「焦って追いついても一杯になる。(深谷に)もう1回飛びつける脚は残してたんですけどね。小泉さんをしっかり射程圏に入れてたし、来ても深谷一人と思ってたけど…。(3番手の)大塚(英伸)さんだけは通さないぞと思ってたし、もう来るなら外しかないと思ってたんですけどね。内はしゃーないです」
最終日の第9Rでは、S級ブロックセブンが初実施。各地区から1名のS級レーサーが出場し、7車立ての一発勝負で争われる。
中心となるのは阿部大樹。S級に復帰した今年は、6月高知を112着など安定した成績を収めている。7月小松島記念では見事に優出するも、決勝で落車の憂き目。しかし、怪我の影響もなさそうだ。
「怪我は大丈夫だと思います。(前回の小倉611着は)初日のセッティングがひどくて。でも、先輩達に自転車を見てもらって修正したら、2日目、3日目はモガけましたね。今回は前回で一緒だった(マティエス)ブフリ君のセッティングを見てハンドルを換えました。7車立てだし、自力は出しやすそうですね」
佐藤龍二は、前走の青森を956着。しかしながら、連日の自力戦で積極的に動いていた。本番も、自ら動いて白星を狙う。
「最近は練習もしっかりできているし、あとはきっかけさえあれば。ここまでも、普通に練習をしてきました。もともと単騎の気持ちで入ってきていたので、本番も自分でやります」
5月福井をVなど好成績を上げていた吉本卓仁だが、7月高松で977着と大ブレーキ。続く平塚も欠場するなど、状態が気がかりだ。
「僕は89期なので、7車立てが初めて。7車立てはよくわからないけど、まあ、自力でいつも通り走ります。(前回の高松は)ダメでしたね。(近況は)成績が付いてきていたけど、調子がよかった訳じゃない。まくりしか出せないし、GIクラスだと先行もさせてもらえない。それが高松で出ただけ。でも、時間が空いて練習もできたし、走るのは楽しみですね」
近況は一息の成績が続く不破将登。それでも、ここ一番で力を発揮する侮れない存在だ。
「6月後半から思ったような走りができていないですね。(原因は)岐阜バンクが改修工事で使えなかったし、あっせんも詰まっていて。時間が空いて大垣に乗りにいこうと思ったら雨で乗れなかったりとかみ合わなかったです。それが成績に出ました。でも、(7月)宇都宮の後に岐阜バンクで乗れたので、(7月)岐阜は(391着で)そこそこでしたね。ここまでは(中15日空いて)やりたいメニューができました」
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