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かわさき競輪

KAWASAKI KEIRIN

34#

検車場レポート

  • 8/2 Wed.  (前検日)
  • 8/3 Thu.  (1日目)
  • 8/4 Fri.  (2日目)
  • 8/5 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
岩本俊介選手

 オープニングレースは調子を上げている岩本俊介(写真)に期待がかかる。前回の伊東サマーナイトは697着と振るわなかったが、前々回の小松島記念では無傷で決勝に進出。「(小松島決勝の)落車の影響も全然ない」なら、信頼できそうだ。


 「状態は変わってない。練習もしっかりできる時間があったし、やりたいことはできた。あとはレースで出せるかどうかですね。メリハリのあるレースができたほうが自分には合ってる。しっかり頑張ります」


 地元勢のトップバッターは山田和巧。前回の小田原では決勝に進出するなど、好ムードで地元記念を迎えた。


 「今は上半身の力を抜くっていうのをテーマにやってる。前回はだいぶバラつきなく3日間走れた。昔の感覚を思い出したというか。今さら情けないけどね。今まで岩本とラインを組んだときは全部3番手。今回は言い訳できないんで、しっかり付いて行けるように頑張りたい」


 松岡孔明は前回の福井記念で4979着。その前の函館では優勝しているだけに残念な結果に終わってしまった。


 「前回はひどかったですね。状態もあまりよくなかったかも。負け戦で勝てないんじゃ…。暑いのとかもあって見えないダメージがあったのかもしれない。今回も暑いなか普通に練習して来ました。川崎は去年サマーナイトで走って以来、成績はあまりよくないですね」

2R

 前期終盤から調子を上げていた山口智弘は今期になってからも好調を維持。前回の岐阜でも173着と好走した。


 「前期の終盤はS級の点数がかかってた。今期に入ってからもスイッチを切らずに頑張れたのもあって、いいリズムになってきました。状態は変わってないけど、レースではいいところで行けたり落ち着いてためたりできてる。前回から空いてて、ちょうどいいタイミングで追加が来たし、しっかりケアして臨めてます」


 八谷誠賢もここ4場所、初日の確定板を外していない。


 「4月西武園記念からシューズとかハンドル、クランクと試行錯誤した結果、うまくいかなかったので7月広島から元に戻した。ちょっとは進化させたけどね。体は軽いし、状態はいいと思います」

3R

 7月取手で589着の土屋壮登は続く大宮を一本欠場。状態が気がかりだ。


 「前回の欠場は疲れからの腰痛ですね。一応、戻してきました。練習は1週間やった。いつもと違ったことをやろうと思ったやってきたけど、違和感はなかったですね。状態は1走してみないとわからないですね。買いづらい選手になってるけど頑張ります」


 荒井崇博に任された成松春樹は緊張気味に意気込みを話す。


 「荒井さんとは初めてですね。一緒になりそうだなとは思ってました。覚悟して練習はしてきました。調子は上がって来てるし、任せてもらったんでしっかりと」


 荒井崇博は「(なかなか成績が上がってこないが)しょうがないね。練習の感じは変わらない」。同県、成松の番手で通算400勝を狙う。


 

4R

 鈴木謙太郎は前回、青森の準決勝でパーキンスを不発にする先行で2着に逃げ粘った。


 「まぐれです(苦笑)。このあとずっとパーキンスに勝ってほしい。自己満足ですけどね。前回は外国人もいて気持ちも入った。ペースだったし、1周なら持ちますね。前回の準決勝は久々に出し切れた。準決勝からいい感じの張りが出てきたし、よくなってくると思う」


 番手を回る田村真広は直近106点オーバーと調子は上々だ。


 「1年ぐらい前からウエイトをちゃんとやりだした。その成果が出始めたのと特選スタートできたのが重なった感じですね。そこでチャンスを生かす脚が作れてた。イメージもあるし、チャンスを生かせたのは大きかったです」


 出方が不気味な荻原尚人だが、「着をまとめてるだけで、ここ5、6場所ずっとよくない。上手いことしのいでるだけなんで。精一杯頑張ります」と景気のいいコメントはなし。復調気配がある鈴木を相手にここはどう立ち回るか。


 

5R

 4月青森の落車で83日間欠場した鈴木誠だが復帰戦の7月松戸で優出、続く宇都宮でも267着と影響を感じさせない走りをみせている。


 「怪我は右鎖骨と左の肩鎖関節に肋骨で、両肩を手術しました。復帰してからも連にからめてるし、そんなに悪くないけど、そんなにはよくないね。山本君とは初めて。A級ではいい成績だったし、頼もしいね」


 山本紳貴は昇級3戦目で初のGIII開催を迎える。


 「あまり色々考えてないし、S級は逆に平常心で走れてますね。開催前はいつも緊張するし、いいイメージで行ったことがないから。上がって2場所はどっちも外国人がいる開催だったし、あんな強い人とはなかなか当たらないと思う。いい経験ができたし、充実感がありました。S級では全部(の力を)上げていかないといけないし、やりがいがありますね」


 7月奈良で落車した大西祐だがその後6走で3連対と大きな影響はなさそうだ。


 「落車したあとも休まずで、スイッチを切らんようにしてる。終わったら空くので、ここまでは頑張りたい。落車の影響も、まだ肩に痛みはあるけど、95%影響はない。ただド先行と位置にこだわる選手と僕の3分戦。苦手なメンバー構成なんでやりづらいですね」


 

6R

選手の写真です。
中西大選手

 中西大(写真)は今シリーズの注目選手のひとり。昇級後2場所でバック5本とS級でも徹底先行を貫いている。


 「まだ力が足りないなと思います。踏める距離が。バックと4コーナーを取るのが先行屋の仕事。今までは3着以内に入れるかなって思う展開でも、S級だとズブズブ行かれるんで。今は(楽に)先行させてもらってるのに、ただただ脚力がないなと思います。今回は初めての記念なんで、ややこしい奴だなと思われるようにアピールしたい」


 番手は競り。「中西君との連係は初めて。調子はいいと思います。しっかり頑張る」と話す前田拓也は中西の番手死守に集中する。


 中西後位、上原龍後位がそれぞれ競りになったことで、小林則之にもチャンスが。


 「調子は問題ない。前回(平の塚最終日)も(林)雄一を連れて2周逃げたし、その前の千葉でも畑段(嵐士)より先にまくって1着取れてる。明日もチャンスだね」


 

7R

 6月高知から投入した新車に次の大垣GIIIから使う車輪がマッチした久米康平は調子上向き。今期は予選で2連勝すると、前回の平塚では決勝に進出した。


 「大垣の3日目から使ってる車輪がデカいですね。新車にして重たい感覚が残ってたのが、車輪でどうにかなった。今は勝手に自転車が流れるし、変に流したりするより、そのまま駆けたほうが後半も持つ。状態もいいと思います」


 石丸寛之は「ダービーの落車で首をやってから長引いてる。まだ7月だけど点数もヤバいですね」と状態に不安を残す。久米という好目標を得たチャンスを生かせるかどうか注目だ。


 一方、伊原克彦は前回、地元記念で2勝を挙げるなど調子を上げてきた。


 「前回は前が頑張ってくれた。脚的にも問題ないですね。最近は場所ごとにいいなっていう感じがある。練習の成果が出てるのかな? でも、よかった次の場所が大事だし、ここも地元記念と思って走りたい」

8R

選手の写真です。
嶋津拓弥選手

 6月平塚を125着と好走した嶋津拓弥(写真)だが、その後は一息の成績。ここで良い流れをつかみたい。


 「前回の青森は疲れがありましたね。ここまでは、中4日で軽めに調整程度です。前回(4月の川崎記念)もそうですけど、今回も準決勝までは乗りたい。そのためには、まず初日を突破しないと。積極的に走ります」


 谷口明正は、6月取手記念の3日目に落車。ここが約2カ月ぶりの実戦となる。


 「小指を複雑骨折してやばかったです。最初は休んでいたんですけど、ワットバイクからやりだして。2、3週間は自転車に乗ってこれました。筋力はそんなに落ちてはいないです。何とか戦える状態だとは思っていますよ」

9R

選手の写真です。
鈴木裕選手

 予選のメーンは、総合力で勝る南関勢が一歩リード。先頭を走る鈴木裕(写真)は、7月小松島記念を2勝など随所で力走を見せている。


 「サマーナイトは初日以外、人の後ろで。2日目は、脚にも余裕があったし、もう少し早く(番手から)出ていればと思います。ここまでは、練習をしっかりやってきました。練習での感触はずっと良いですね。でも、ちょっと疲れているので、疲れが抜けてくれれば」


 鈴木の番手を回るのは、ホームの五十嵐力。前回の宇都宮では準決勝で敗退も、142着とまとめた。


 「前回は悪くなかったですね。中4日ですけど、調整はできているし、体調は良いと思います。地元だし、気合いを入れて走る」


 対する相川永伍は、前回の小田原を668着。負のスパイラルに陥らないために注意を払う。


 「前回は叩きに叩いてしまいましたね。乗り方もよくなくて、体もよくなかったです。これで焦って練習して、疲れて競走にいっても結果が出ないパターン。選手あるあるですね。やり過ぎずに、ここに来ました。脚は変わらない。今回は一個でも多く連に絡んで、次につながるように」

10R

選手の写真です。
脇本雄太選手

 ここからがシリーズをリードする特選組によるレース。脇本雄太(写真)は、前回の地元記念を見事制覇。勢いそのままに、当所でも主役の座を演じるか。


 「(地元記念は一番人気になっていた)オッズの緊張よりも、今までになかった雨の番手の方が心配でした。あそこまで(ワンツースリーが)綺麗に決まると気持ちが良いですね。ホッとしました。川崎は練習でも走る機会があるし、準地元っていうくらい走ってます。心配なのは、今日も朝までトレーニングをしていたので疲れですね」


 近況はリズムを崩していた石井秀治。しかし、今回は準備万端をアピールする。


 「(中15日空いたが)ケアするのにちょうどよかったです。ヨガをやったら、悪かった首が良くなりました。首の影響で眩暈がすごくて。追い込むとフラフラしていたんですけど、良くなって助かった。(練習の)数値も上がってきたし、パワーも上がってきました」


 伊勢崎彰大は肉体改造に成功。6月大垣GIIIを優出など成績が急上昇している。直近4カ月の競走得点も110点台に乗せた。


 「(肉体改造は)まだまだやっている最中。昨日も、休まずにびっちりやってきましたよ。人間ていうのは不思議なもので、勝ち続けていると練習もうまくいく。相乗効果で疲れもないです。(目標の石井とは)同じ高校の一個下の後輩ですし、こういう所でワンツーを決めるのが目標。信頼して付いていきます」


 

11R

選手の写真です。
松谷秀幸選手

 近況は一息の松谷秀幸(写真)だが、ホームでのグレードレースだけに闘志を燃やす。


 「(近況は)よくないですね。サマーナイトも動けていたけど、結果が出なかった。ここまでは練習もしてきたし、サマーナイトより(状態は)全然良いと思いますよ。疲れもないし、地元なので頑張りたい」


 松谷ら南関勢に任された新山響平は、初日から強気に攻める構えだ。


 「地元に付いてもらったし、積極的に走りたいです。オールスターにつながるように。見てる人に印象付けられるようにしたいです。前回(武雄)からは、練習と休養のメリハリをつけてやってきました」


 前回の福井記念を467着で途中欠場した園田匠。今回で仕切り直す。


 「福井は久しぶりに悪かったですね。原因はいろいろあるけど、自転車と体のバランスが一致していなかったです。でも、プラスに考えると、オールスターに向けて悪い所がわかってよかった。練習もできているし、福井の時より悪くなることはない」


 原田研太朗は、見せ場をメイクできなかったサマーナイトフェスティバル決勝の反省を生かす。


 「(サマーナイトの決勝は)後ろを確認したら新田(祐大)さんがきていて。ダメでも仕掛けるべきでした。ここまでは、練習を普段通りにやってきました。脚は前回と変わっていない。きついメンバーですけど、サマーナイトの反省を生かして仕掛けたい」

12R

選手の写真です。
深谷知広選手

 初日特選のトリを飾るのは深谷知広(写真)。7月ジャパントラックカップ大会で落車したが、怪我の影響も薄れてきた。今シリーズは自慢のパワーを存分に発揮する。


 「ケガの状態も良くなってきました。練習もしっかりできたし、充実しています。オールスターに向けてあまり時間はないけど、やれる練習はしっかりやっています。でも、直前があまりよくなかったので、その辺は修正して。しっかりレースの中でやれることをやりたい」


 東龍之介は、前回の小田原を216着で優出。状態も維持している上に、深谷の番手を得て気合を入れる。


 「ここがあるので、まず小田原で結果を出したいと思っていました。勝ち上がれてよかったです。状態も維持できています。でも、(深谷の番手を回る)そんな良い番組とは思っていなかったですね。気を引き締めて、しっかり付いていきたい」


 福井記念では優出を逃した山崎芳仁。しかしながら、最終日は自力で上位独占と底力を見せた。


 「散々人の後ろを回っていたし、自力への切り替えは難しいですね。(自分は)タイミングで行くタイプなので。一走目はどうしても感覚が。でも、福井記念の最終日はワンツースリーが決められたし、力を出し切れた。特選から自力の番組はありがたい。うまく立ち回ります」


 

1R

 周回中、8番手からの組み立てを強いられた岩本俊介は、青板を過ぎて早めに動き出し一度は先頭に立つも打鐘では結局元の8番手。しかしながら、逃げる日当泰之がペースを落としたところを見逃さず、最終ホーム手前から踏み込む。2コーナーで前団をとらえて、あとはひとり旅。ロングまくりで2着を5車身ちぎった。


 「スタートでミスして、前に入れてもらえなかった。(8番手に)帰って来て、脚はキツかったですね。それでも構えず、早く行き過ぎず、タイミングを取って。自分のなかでドンって行けた。これがつかめないと(自転車が)出ないんで、そこまで悪くないと思います。初日はいつもこんな感じで、あんまり良くないんで」


 目標の竹澤浩司から早めに切り替えた朝日勇は、最終1コーナーから自力に転じてまくりで2着。


 「あそこで(岩本ラインを竹澤が)追いかけてくれれば、よかったんですけど…。(切り替えて)悪いなっていうのはあった。(内容は)良くないですね」


 山田和巧が岩本を追い切れず、岩本を離れながら追った日当泰之が直線で踏ん張って4着。


 「申し訳ない、(岩本に)すぐに行かれちゃったんで。ヨシ、ここからと思ったら、(岩本が)すぐに来ちゃった。あとはすべて川津(悠揮)君のおかげです」


 

2R

選手の写真です。
近藤保選手

 田中勝仁が斬った上を、八谷誠賢が打鐘の3コーナーで押さえて主導権を握った。山口智弘はすぐさま中団に追い上げるも、インを進出してきた伊藤彰規と4番手で併走に。一旦は競り負けた山口だが、最終2コーナーからまくり上げる。目標が内に詰まった近藤保(写真)は中部勢の3番手に切り替えると、直線で外のコースを鋭く追い込んだ。


 「作戦は後手を踏まないように。前々に踏んで、来なければ駆けるって話をしていました。ごちゃついてくれたし、道中は脚が溜められましたね。最後は、たまたまあのコースにいっただけです。状態も悪くない」


 山口に惰性をもらった原真司が、直線で伸びて2着に食い込んだ。


 「(山口が)終わったと思ったけど、またまくっていって。(連結を)外しそうだったけど、外さないでよかったです。でも、前を追っていくのが、きつかったですね。感じは悪くない」


 まくった山口智弘が3着。終始苦しい展開を凌いで、勝ち上がった。


 「八谷さんの4番手と思っていたけど。自分できついレースにしてしまいました。最後は勝ち上がりたい一心で踏んでいましたね。粘りは出せたけど…」


 

3R

選手の写真です。
小泉俊也選手

 打鐘前から成松春樹が先行態勢に入ると、3番手、高木和仁の内で田中孝彦が粘る。8番手の小泉俊也はそこを逃さず3コーナーから紺野哲也を連れてスパート。土屋壮登の巻き返しを紺野がブロックすると、カマした小泉俊也(写真)が押し切った。


 「思ったより隊列が長くて出切るまでがキツかった。出切って一杯だったけど、紺野さんがいい仕事をしてくれてるのが見えたので気合いが入りました。ワンツーが決まってよかったです」


 逆転こそならなかったが、紺野哲也は好援護で小泉を盛り立てた。


 「4番(成松)の子があんなに流すとは思わなかったし、6番(高木)が浮いてて行きやすくなった。(小泉は)いいところで行ったなと思置います。僕は7番(土屋)を持って行ったときにペダルが入って失格になっちゃうと思った。なかなか1着が取れないですね」


 土屋のまくりに切り替えた荻野哲が俊敏な動きで3着に突っ込んだ。


 「展開がゴチャついたからね。今回は上がればいいことあるかもしれないんで。十分でしょ。あのメンバーで3着なら上出来」


 

4R

 打鐘の3コーナーでじわりと押さえて出た荻原尚人は、鈴木謙太郎を一本棒の7番手に置いて絶妙なペースで駆ける。番手の大森慶一は4番手からまくった角令央奈を阻むと、返す刀で内をすくった野本翔太を締めて抜け出した。


 「(荻原が)まさかの先行でしたね。踏んだら来なくて、結果先行っていう感じでした。2車だったし、(角のまくりを)振ってから戻って、詰まってきたんで直線で踏みました。調子自体もいいと思うし、余裕があったんで落ち着いてできました」


 角のまくりは不発。角ラインの3番手を固めた冨岡健一は、池田智毅の動きを見極めてから巧みにコースを突いて2着に伸びた。


 「大きいことは言えないけど、マグレでもうれしい。池田君が行ってからしか、入るところがないんで。池田君が行ってからと」


 飛び付き含みで逃げた荻原尚人だったが、果敢に風を切って鈴木を不発にしての4着は評価できる。


 「先行っていうより、飛び付きもっていう感じだった。自分はダッシュがないから上げておかないとっていうのがあって。最後はもういっぱいで、(大森は)よく残したなと思った」


 

5R

選手の写真です。
福島武士選手

 前を任せた大西祐は7番手。バックから仕掛けたが届かず不発に終わる。だが、大西マークから2センターで内に切り込んだ福島武士(写真)は逃げる千葉コンビの間を割って突き抜けた。


 「後方になるのは想定内だけど、(大西の仕掛けが)ちょっと遅すぎたね。2コーナーからは行くかなと思ったけど、バック踏んでから行ったので。内が空いたし、僕だけスピードもらって登ってもない。最後もたまたまコースが空いてくれました。悪くない。引き続き好調ですね」


 逃げた山本紳貴は2着に粘った。


 「大西さんが早めに切ったのは想定外だったけど、自分の形には持ち込めた。初日とはいえ記念で勝ち上がれたのでよかったかなと思う。記念は今まで見るものだったので。緊張ですか? 緊張感はいつもあります」


 上手く中団を確保した柿澤大貴が3着に食い込んだ。


 「ホームで詰まって、細川(洋)さんにハウスしそうになった。そこでタイミングが狂いました。あんまり早く行っても大西さんを引き出す形になっちゃうし…。山本さんとはA級の時から何度もやってるけど、強いですね。末もしっかりしてる。僕も前回よりは今回の方が全然いい」


 

6R

 上原龍、中西大の後位がそれぞれ競り。レースは後ろ攻めの中西が、中団の上原に蓋をしてから赤板の2コーナーで先行策に出る。中西後位の競りは前田拓也に軍配。さらに、河村章憲まで続き、近畿3車で出切る。上原は後方に置かれ、さらに中団から小林則之に先まくりを打たれる苦しい展開に。それでも、南関勢の仕掛けに続いて2センターから大外を回すと、直線で鮮やかに突き抜けた。


 「1番(中西大)の後ろは離れるかなと思ったけど、すんなり付いていってしまって。一番最悪なパターンでしたね。後ろが競りだったし、自分のレースに徹しさせてもらいました。疲れはあるけど、その分練習みたいに走れました。(疲れが抜けるように)しっかり調整します」


 まくった小林だったが、前田のけん制を受けて失速。しかし、その後ろの川口直人が、直線で中のコースを伸びて2着に入った。レース後は、前の先輩に感謝する。


 「コースを見る余裕はありましたね。あのコースをだったらアタマかなと思ったけど、前田さんとあってしまって。でも、小林さんが無理矢理いってくれたので、あそこまで食い込めました。ラインあっての着です」


 中西大は果敢に風を切るも、直線で失速して4着。


 「後ろをもっと見てから仕掛けていれば、(3着までに)残れたかもしれないです。なかなか難しいですね。でも、今はモガいた方が先につながると思うので」


 

7R

選手の写真です。
久米康平選手

 伊原克彦は中団の久米康平にフタをしてから駆けようとしたが、前受けの矢野昌彦が打鐘前から突っ張り先行。内に詰まっていた久米康平(写真)は2コーナーから伊原が遅れ始めると、ようやくバックから外に持ち出し前団を飲み込んだ。


 「(伊原が)1コーナーで遅れてくれたらと思ったけど、ずっと当たれんところにおったので。でも2コーナーで遅れてくれて助かりました。狭いところだったし、僕しか行けんだろうけど行くしかなかった。ちょっと重い感じがしたけど何回もバック入れたんで今日は参考にはならない。悪くはないとは思います」


 伊原後位から石丸寛之をキメて久米に切り替えた北川紋部が2着に続いた。


 「カツ(伊原)にしのいでほしかった。そのまま我慢してツケマイで行ってくれればよかったけど、まくりに行っちゃったんで。僕もキツかったですね」


 石丸後位から北川にスイッチした大前寛則が3着に食い込んだ。


 「(久米が)仕掛けたときに石丸君の行かないほうと思ってた。でも石丸君が差し込んでるのが見えたので。来る前から感じがよかったし、意外に余裕がありました」


 

8R

 谷口明正が切った上を楽に嶋津拓弥が出て主導権。打鐘の4コーナーから渡部幸訓が巻き返すと、嶋津が落ち着いてペースを上げて逃げる。谷口のまくりをけん制して止めた成田健児が、番手から嶋津をきっちり差し切った。


 「嶋津はスピードを上げていく感じの先行だったし、自分としては付きやすかった。あれなら、ピュンって変わっちゃうようなまくりは来ないだろうと思った。(嶋津を)抜けてよかった。1着を取れるような選手じゃないんでね(笑)」


 ゴール前で4車落車のアクシデントはあったが、レースを支配した嶋津拓弥が2着に逃げ残り地元ワンツー。


 「(谷口が)僕のところでフタをしなかったんで、出させてくれるかなと。(渡部が見えて)行かれないくらいに踏んだけど、タイミングを取るのが難しかった。前回は本当に重かったんで、それに比べればいいですよ」


 最終1センターで内から高橋紀史に当たられた白井一機は、バックを最後方で通過。直線で外を踏んで、落車に巻き込まれることなく3着に追い込んだ。


 「8番(高橋)にすくわれて、それが結果、外を踏む形になった。それで(落車に)巻き込まれなかったんでラッキーというか…、これも競輪ですね」


 

9R

 赤板で上昇した相川永伍が先頭に立って別線の動向をうかがっていると、空いた内を鈴木裕が突いて打鐘から主導権を握る。3番手の北浦和人は続けず、3番手で立て直した相川永伍が2コーナーまくりで前団を飲み込んだ。


 「今日は前々に先行基本に攻める作戦。打鐘のところは行かれてしまい反省ですね。あれが3車だったら厳しかったかも。それでもその後はリカバリーできました。無理矢理行けるところで行ったけど、乗り越えられたしよかったです。久々に勝ち上がりで1着取れて嬉しいです」


 相川のまくりに対応できなかった五十嵐力だが番手の齊藤努を飛ばして相川に続いた。


 「出切れたけど、真後ろに誰がいるか分からなかった。それに後ろが相川だとは思わなかったです。(前と)車間を切ったところでドンピシャで来られてしまったので、止められなかったですね」


 齊藤努は相川をマークするも五十嵐に弾かれて3着が精いっぱい。


 「仕掛けた時に自分が少し差し込んでしまい下手くそでした。いいところで仕掛けてくれたのに、ワンツー決められずに悔しいです」


 

10R

選手の写真です。
石井秀治選手

 中団から先に動いた井上昌己が、赤板で前に出る。その上を脇本雄太が赤板の1センターで押さえ主導権を握った。何度も仕掛けてくる石井秀治らを力強い先行で跳ね除けると、そのまま逃げ切って堂々の1着。


 「前検日の朝までトレーニングをして、腰を痛めてしまって。前検日よりはましになったけど、踏めるか心配でした。最後の持久力勝負の時に腰が使えなくて、自分の持ち味を出せなかったですね。展開に助けられました。この後もできるかぎり腰のケアをします。脚は問題ない。今回から車輪を新しくしたんですけど、感触も悪くないですね。(いろいろ試しているのは寛仁)親王牌に向けて、ベストを尽くすためのステップアップです」


 前受けの石井秀治(写真)は赤板で井上昌己を突っ張るそぶりを見せるも、結局車を後方へ下げる。2コーナーから反撃に出たが、脇本を叩けず中団で併走。4コーナーから再度仕掛けるも、番手に飛び付いた小林大介に捌かれて不発。かに思われたが、2センターから再度踏み上げると、直線で追い込んで2着に入った。


 「(井上)昌己を出させないで、番手に飛び付くのも考えていましたね。早めにカマしにいこうとしたけど、ワッキー(脇本雄太)が強くて、番手に参戦するしかなかった。もう少し前に出ていれば、叩き込めましたね。あそこは未熟でした。今までの乗り方だと負担が多かったので、頭の位置とフォームを変えて。まだ、うまくかみ合っていない。そこらへんを確認しながら走ります」


 石井マークの伊勢崎彰大が3着。石井の仕掛けにきっちりと付け切った。


 「ジャンから踏んだり止めたりで。でも、その中であそこまで追い込めているから状態は良いですよ。踏み心地もよかった。この3着はでかいですね。発走機で、高校の時の監督が見えて気持ちが入りました」


 

11R

選手の写真です。
松谷秀幸選手

 赤板前から先頭に立ってペースを落とした新山響平は打鐘過ぎ4コーナーから徐々にペースを上げる。中団5番手を確保した原田研太朗が2コーナーから仕掛けて前団に迫ると、新山後位から合わせて踏み込んだ松谷秀幸(写真)が好展開を生かした。


 「(新山を)残せる感じはあったんですけどね。焦っちゃった。(原田が)バックは浮いてると思ったけど、もう1回見たら来てたんで。後ろにも3車いるし早めに踏ませてもらいました。新山がいいレースをしてくれました。(番手を選んで)正解だった。今度番手を回るときはしっかり走りたい」


 2着には松谷マークの林雄一が続いた。


 「こんな楽な展開は久々。(最後は)中を行くか外を行くか迷ってからの外だったんで隙もありますね。今日は突っ込んでくる選手がいないからよかったけど。今日は楽だった。あれでキツかったら終わりですけどね」


 外々を耐えてまくった原田研太朗が3着に入線した。


 「最近は中団の原田になってきましたね。前回(サマーナイト)から4走連続だし、僕的にはバック取った気持ち。あそこで仕掛けんと後ろに付いてくれてる人に迷惑がかかると思って行ったけど、全然伸びなかったです。外で我慢はできたかなと思うけど、まくり切れてないんで何とも言えん。でもいつもだったら張れて終わるところを粘れてるんで」


 

12R

選手の写真です。
深谷知広選手

 赤板手前で山崎芳仁が切って出る。その上を大竹歩が、深谷知広(写真)を警戒しながら2コーナー手前から勢い良く出て先行態勢。しかしながら、深谷の巻き返しも早く、山崎は近畿ラインに飛び付けず深谷が3番手に入って打鐘を通過する。深谷は好ポジションにも構えることなく、最終ホーム手前から反撃。スピードの違いで大竹をとらえて、圧巻の逃げ切り勝ちを収めた。


 「新車なんで、ちょっとまた(セッティングを)いじって調整します。(初日は)いいところに入れたし、すかさず行けた。前が掛かってたんで、キツかったです。(単騎の2日目は)しっかり一発を狙って自分でやります。前回(単騎で)失敗しているんで、その反省を生かせるように」


 東龍之介は深谷に離れながらも懸命に追いかけるが、大竹を乗り越えて最終4コーナー手前で力尽きる。打鐘手前で3番手を深谷に明け渡した山崎芳仁だったが、天田裕輝のまくり追い込みに合わせて踏んで2着。


 「深谷も上がっていたんで、一番飛び付けないところだった。入られたのはしょうがない。そこからは周りも見えていたし、詰まってきたんで踏んだ。俺が踏んだんで、山田(幸司)さんも踏んだんでしょうね。(初日は)いっぱいで(調子が)わからない」


 深谷に離れた東の後ろで、山田幸司は後続との間合いを計り直線の入り口から追い込み3着。


 「東君に前を回してるんで、なるだけ東君が残ってくれればっていうのはあった。でも、タレてきちゃってたし、自分も着に入らないといけないんで難しかったです。メンバー全体が強いんで、それだけで脚がいっぱいです」


 

6R

選手の写真です。
大竹歩選手

 後ろ攻めの矢野昌彦が赤板で前に出ると、その上を荻原尚人が打鐘過ぎに叩く。別線からの巻き返しはなく、そのまま先行態勢に入った。6番手の荒井崇博は最終ホームから踏み上げて、前団を飲み込む。すると、最後方に置かれた大竹歩(写真)が、1センターから反撃を開始。抜群のスピードで前団に迫ると、2センターで荒井を捕らえた。


 「最近はまくりが決まっているから、そのぶん自信がついて構えてしまって…。まくりが出るのはいいけど、詰まったところでいかないと。大坪(功一)さんがヨコをやることはわかっていたから、そこさえ越えられれば1着を取れると思いました。フレームを戻したけど、こっちの方がいいですね。(状態は)疲労を抜いたら、いいと思います」


 白井一機は大竹の踏み出しで離れてしまう。荒井の番手から、大坪功一が追い込んで2着に入る。


 「(荒井が)1コーナーでいくと言っていたので、ワンチャンスあるなと。2人で決まったと思ったら、大竹君が来て。でも、やっぱり荒井君の底力はすごい。一級品ですよ。(勝ち上がり権利が)3着以内ならよかったんですけどね。荒井君のおかげ」


 荒井崇博は3着に入るも、勝ち上がりの選考規定により準決勝へは進めず。それでも、レース内容に納得の表情を浮かべる。


 「大竹君は横までこないと思ったけど…。強かったね。精一杯やった結果だから仕方ない。理想通りのレースはできたので。ただ、脚がなかった」


 

7R

選手の写真です。
柴崎俊光選手

 赤板前から上昇した中西大に合わせて中団から日当泰之も動き、この両者で主導権争いになるかと思われたが、強引に前に出た中西がペースを緩めたところを打鐘前に山口智弘が叩く。日当の巻き返しを許さず山口が駆けると、日当後位から中部3番手に下りようとした東龍之介がバックで落車。これに中西、岡田征陽が乗り上げる。ゴール前では中部3番手から中を割りに行った柿澤大貴が落車するアクシデントもあったが、山口マークの柴崎俊光(写真)が好展開を生かして抜け出した。


 「(山口が)巻き返せるチャンスがあったんでよかったです。でも2着権利だったんで早めに抜きに行ってもうた。申し訳ない。東はコケたのかなくらいで、後ろがどうなってるのかさっぱり分からなかった。脚はよさそう? そうですね」


 目の前で落車した中西を避けて、鈴木誠との伸び比べを制した前田拓也が2着に突っ込んだ。


 「危なかった。(中西が中団に入って)いい展開やなと思ったけど、落車はしゃーない。最後は外か間か空いたほうに行こうと思って、何とかですね。危なかったです」


 レースの主導権を握ったのは山口智弘。4着で勝ち上がりこそ逃したが、見せ場は十分だった。


 「ほんとは中西君と日当さんをやり合わせたかった。打鐘前に(出るのに)脚を使ったんで、あそこで日当さんを出させてもまくれないと思った。持ち味だけは出そうと思ったけどキツかったですね」


 

8R

選手の写真です。
伊藤正樹選手

 中団から合わせて川村晃司が踏み込むが、その上を松岡篤哉が叩いて主導権。落ち着いていったんペースを落としてから、松岡は最終ホームで踏み上げる。4番手の川村がまくり上げると、番手で伊藤正樹がけん制。息の合った中部コンビがワンツーで、松岡が逃げ切った。


 「キツかったです。出切った時にもう余裕がなかった。無我夢中でした。今日(2日目)はアップした感じが良かったんで、なんとかなるかなと思った。絶好調ではないけど、徐々に良くなってきそうですね。(伊藤とワンツーで)最高の結果です」


 「ヘタな俺に仕事をさせて(笑)」とは、伊藤正樹(写真)。川村のまくりを阻み、直線で松岡に詰め寄るも2着。好相性の松岡を称えて、汗をぬぐう。


 「本当に相性がいい。中部2人で決めたかったし、(川村のまくりを)止めたかった。(走った感じは)大丈夫だと思いますよ。だんだん良くなってきているんで」


 中部コンビの後ろを回った平沼由充が、ソツなく続いて3着。初日落車のアクシデントも、変わらず堅実な立ち回りを見せた。


 「(落車で)体は正直、重いです。展開に助けられました。松岡君が駆けてくれたおかげです。(直線は)中を行こうかと思ったけど、あんまり隙がなかった」


 

9R

選手の写真です。
岩本俊介選手

 後ろ攻めの岩本俊介、井上昌己の順番で前に出ると、相川永伍が打鐘の2センターで叩いて先行策に出る。結局8番手に置かれた岩本俊介(写真)だったが、最終ホームから一気に反撃。前団を抜群のスピードで飲み込むと、そのまま後続を千切って快勝した。


 「位置取りで脚を使うよりかは、早く単独の位置になってタテに集中しようと思っていました。良いところで仕掛けられたし、初日よりスピードが出てくれましたね。でも、こんなに良くなるとは思わなかったです。自分でも信じられない。まだ、半信半疑ですけど、結果が出ていることはいいこと」


 関東勢に続き3番手を確保した小泉俊也が、直線で追い込んで2着に入った。


 「3番手の取り合いになると思ったけど、井上さんが引いてくれました。3番手に入ってからすぐ行けばよかったけど、体が動かなかったです。3番手の甘えもあったのかもしれない。その隙を逃さないで岩本君が飛んできましたね。最後も2着が確定したと思ったら園田君が突っ込んできて。やっぱり違うなと。あたりまえですけど、みんな良いレースをするし、感激です」


 井上は最終バックから仕掛けるも不発。しかし、惰性をもらった園田匠が、大外を強襲して3着に食い込んだ。


 「脚に余裕があるけど、自転車が全然進んでないですね。あの展開なら突き抜けてもいいのに。ただ、悪いなりには戦えているし、前回よりは良くなっています」


 

10R

選手の写真です。
五十嵐力選手

 後ろ攻めから嶋津拓弥が上昇。中団から合わせて踏んだ久米康平を制し、赤板で主導権を握る。別線を警戒しながら駆けると、打鐘の2センターから全開に。中団の久米は、天田裕輝に合わせて最終1センターからまくり上げる。これに対し、五十嵐力(写真)は番手まくりを敢行。久米を合わせて切って白星を手にした。


 「嶋津はきつかったと思う。(久米は)ブロックすれば止まる感じだったんですけど、天田が怖くて。スピードを殺したくなかった。判断が難しかったですけど、(ホームの)川崎なので踏ませてもらいました」


 五十嵐マークの川口直人が、しっかりと続いて2着。


 「嶋津の駆けやすい作戦を立てていました。あれだけ仕掛けてくれたし、自分は離れないことだけを考えて。嶋津が強かったし、恵まれましたよ。付いていて余裕はあったんですけど、抜きにいったらちょっと出て終わっちゃいましたね(笑)。でも、久しぶりに(グレードレースの)準決だし、踏み込めるように」


 久米に合わされた天田裕輝は、久米の仕掛けを追う形に。すると、その後ろの小林大介が、コースを縫って3着に入る。


 「天田は仕掛けるタイミングが難しかったと思う。自分も、いくのか、いかないのか、わからなくて。タイミングが合わなかったです。でも、初日が強烈だったので、道中は落ち着いていましたね。あとは、ところどころのミスを修正して。(近況は)外国人と対戦したのと、前回の成績が悪かっただけで(状態は)大丈夫です」


 

11R

選手の写真です。
新山響平選手

 後ろ攻めから動いた山本紳貴は赤板前に先頭に立つと、新山響平(写真)を7番手に下げさせる。そして打鐘過ぎからペースを上げるが、新山はホームからの巻き返し。2コーナーの下りで加速すると、豪快に前団を飲み込み押し切った。


 「(山本と)やり合うつもりだったけど、すげえスピードで来て突っ張るにも突っ張れず。でも、このままのペースでは持たないだろうし、1回詰まったところもあったけど、そこで踏まれたんで。ほんとはやり合って逃げ切るのが理想なんですけど、難しいですね。ただやり合って2人で潰れちゃうんじゃ、お客さんに申し訳ない。脚の感じは悪くないけど、やっぱり踏み出しがあんまり…、いい感じじゃない。しっかり確認して。記念の決勝を前回(小松島で)外したんで、しっかり乗れるようにしたい」


 新山の仕掛けにきっちり続いた佐藤康紀が2着に流れ込んだ。


 「(誰も)スタートも出ないだろうし、展開がああなるのは分かってた。だから(新山は)焦るなと。後ろに気をつかって駆けてくれたし、3人で決まったと思ったけど、何度か行きかけてやめてがあったので。自分は余裕があったし、出切ってからワンツー決まったなと。抜ければ抜いたけど全然タレない。(新山は)あと1周は行ける感じでしたね」


 3着争いを制したのは山本マークの近藤保。離れながらも前を追った紺野哲也をさばいて直線抜け出した。


 「(山本が)あんなに頑張ってくれたんで。自分はどうにもできないんで、タテに踏ませてもらった。紳貴もあれじゃオーバーペースだし、キツいかなと思ったんで。今日は恵まれ一本です」


 

12R

選手の写真です。
深谷知広選手

 赤板の2コーナーで石井秀治が押さえて出ると、前受けの松谷秀幸は千葉コンビを受けて3番手。千葉勢に続いていた深谷知広(写真)は、松谷との併走から最終ホーム手前で発進。単騎でも迷うことなく石井を叩いて逃げる。飛び付いた石井、まくりで迫り来る原田研太朗を抑えて、堂々の押し切りで連勝を飾った。


 「今日(2日目)は珍しく落ち着いていけました。(セッティングを微調整して初日より)いいと思います。それに展開も良かった。しっかり自分で踏む気持ちがあったし、合格点だと思います。(準決は)またしっかり」


 深谷とは対照的に単騎で9番手に置かれた原田研太朗は、最終2コーナー手前から踏み込む。好スピードで深谷を追い詰めたが、4分の3車身まで詰めたところがゴール。


 「(山崎芳仁にすくわれて)下げてしまった。あれでしんどかった。今日(2日目)はチェーンを詰めて前にしてみた。出だしは軽いけど、後半の粘りが…。雨でイマイチわからなかったんで、乾いたところでいまのセッティングでやってみたいですね。準決も自分の仕事をしっかりと」


 深谷にスイッチする松谷、脇本のまくりを阻んだ石井秀治は、内容の濃い走りで3着に粘り込んだ。


 「全部、突っ張っちゃおうかと思った。ジャンからペースを上げていったけど、深谷君も強いから来ちゃいますね。最後は(深谷との差が)詰まってきた。でも、俺もキツかった。もうちょっとパワーをつけないと。持久力は負けてないけど、パワーが足りない」


 深谷へのスイッチを試みた松谷のあおりで外々を踏まされた脇本雄太は、石井を乗り越えられず4着。


 「伸び負けしました…。今日(2日目)は新車でいったけど。雨も降っていたし参考外かなと」


 

10R

選手の写真です。
脇本雄太選手
選手の写真です。
山崎芳仁選手

 脇本雄太(写真)が打鐘で前に出ると、石井秀治がインを斬る。その上を松谷秀幸がカマして最終ホームで主導権を握った。しかし、中団の脇本はすぐさま踏み上げると、石井のけん制を乗り越えてひとまくり。きっちり人気に応えた。


 「カマシ狙いだったんですけど、初手の並びを見て作戦を変えました。被ったら勝負と思っていたし、松谷さんが降りてきても勝負しようと思っていました。準決勝も2日目と同じ新車を使いました。全然セッティングが出ない。でも、オールスターもこの自転車でいくと思う。腰は雨も降っていなかったし、2日目よりマシですね」


 伊藤正樹が続いて2着。初日は粘られて連結を外したが、見事にワンツーを決めた。


 「斬ってからいくって話だったんですけど(作戦が変わった)。何着でもいいから、離れないことを目標に走りました。強い選手に付いていっただけ。ただ、状態が完調じゃないし、きつかったですね」


 単騎の山崎芳仁(写真)は、最終2センターからぽっかりと空いたインを進出。3着に食い込んだ。


 「単騎だから逃げてもしょうがないし。3、4番手を取れればまくろうとも思っていたんですけどね。内しか考えていなかったです。めちゃくちゃ空いていましたね。回しながらいけたし、調子自体は悪くない」


 近畿勢にいかれた地元の松谷秀幸は、離れながらも懸命に踏み続ける。しかし、最後は空いたインから山崎に交わされて4着惜敗。レース後は悔しさを滲ませる。


 「後手は踏めないので前々にいこうと思っていました。(打鐘で)あの位置に止まっていても8、9番手だし、一回前に出て考えようと。最後は一人でも拾おうとして、(インを)空けてちゃって。先行選手なら空けないですよね。積極的にはいけているけど、成績が伴わない。動きはいいんですけどね」


 

11R

選手の写真です。
原田研太朗選手
選手の写真です。
新山響平選手

 後ろ攻めから動いた松岡篤哉が新山響平にフタをするとこのラインに原田研太朗が続く。松岡は打鐘で誘導員を下ろして先行態勢に入ったが、そこを5番手外併走から新山がすかさず叩いて出る。ホームからは岩本俊介が巻き返すが、これに合わせて原田研太朗(写真)が2コーナーまくり。後続を千切って逃げる青森コンビとの車間をグングン詰めると、直線で一気に抜き去った。上がりタイムは脅威の10秒6。川崎競輪場のバンクレコードを更新した。


 「一番想定していた展開でした。岩本さんも連日ホームから来てるイメージだったし、来たら合わせながらと思った。(タイムは出てるが)連日、(離れた前団が)目標になってっていうのもあったんで。自分で風を受けてじゃないから、分かりづらいところはある。あれで3着ならアレッ?ってなるけど1着取れてるんで。決勝もハイペースになりそうなんで、しっかり休んで備えたい。バンクレコードは初めてですね」


 逃げた新山響平(写真)は2着に敗れたが、ドンピシャの仕掛けで中部ラインを叩き切った。


 「力いっぱい逃げたので、まくられたのは悔しい。タイミングもばっちりだし、ペースにも入れられたけど最後タレちゃいましたね。でも(今シリーズは)先行もできてるし、自分のタイミングでまくりを打ててる。あとは末を欠いてるんで、そこを考えて走りたい」


 二次予選同様、新山の仕掛けに続いた佐藤康紀が3着で決勝に駒を進めた。


 「(新山は)どっかに入れると思ったら入れずに無理やり行ったってところはあったと思う。松岡も3番手がハラケン(原田)じゃ(駆けづらい)っていうのもあるだろうし、結果、積極的に行ったのがよかったね。作戦は特になかったし、流れに沿って。ペースも緩急をつけてだから、僕はあと1周行っても抜けない。今回の響平は運も味方してる感じで、僕もそこに便乗してね」


 大坪功一は原田の番手という絶好のチャンスを生かせず。岩本をけん制した直後に原田が仕掛けたという不運もあったが、素直に力の差を認める。


 「力不足ですね。横に動いたのもあるけど、普通(の自力)ならあれでもついて行ける。原田君はきれいな回転でスピードが上がったし、力が違った」


 

12R

選手の写真です。
伊勢崎彰大選手
選手の写真です。
深谷知広選手

 最終12レースは赤板で大竹歩が押さえて先頭に出ると、単騎の小泉俊也が一か八かの大カマシ。小泉は後続を大きく引き離して逃げていくと、深谷知広が最終ホームから渾身のスパート。深谷は猛スピードで小泉に迫っていくと、バック過ぎに捕らえる。勢いそのままの深谷で大勢は決したかと思われた。しかし、その後ろから伊勢崎彰大(写真)が猛然と迫ってくると、ゴール寸前で差し切った。


 「あの展開は想定通りで、あとは抜けるかどうかでしたね。最終的に残り200メートルで良い位置にいれば何とかいけると思ったけど、200メートルを過ぎてしまったので。深谷は止まったのか流したのかは分からないけど、(後ろに)ついた瞬間に抜けると思いました。調子は思った以上に相当良いですね。自分でも恐いくらい。今日はアピールしようと思ってたけど金星ですよ。前頭がよくやったと思います(笑)。地元の神奈川勢が頑張って力勝負してくれたし、その結果僕が(深谷を)抜けた感じ。でも、自信になりました」


 深谷知広(写真)は奇襲攻撃に慌てることなく車間を詰めていくと、小泉を力でねじ伏せ決勝進出。


 「後ろが競りだったので見え辛かったですね。そうしたら小泉さんがすごいスピードで行ったので。そこからはとりあえず、大竹さんを叩かないと思って無理矢理いきました。後ろから行かれるといけないので、上手くペースで。でも、体勢が崩れてしまったので、その辺は修正します」


 園田匠は深谷を追えず、8番手で最終バックを通過する絶体絶命の展開。しかし、2センターから内のコースをスルスルと抜けていくと、最後は大竹を内から交わして3着に滑り込んだ。


 「山田(幸司)さんが邪魔になってしまって。とにかく内を行ってやれと思ってたら空きましたね。たとえ空かなくても突っ込むつもりだったけど。今日は調子は分からなかったけど、伸びは良いと思います。だた、内容が悪いですね。競り負けた訳ではないし、深谷君が強かったけどついていかないと。でも、こういう(競りの)番組だったから、逆に集中して走れました」


 小泉のカマシも「想定してるなかのひとつ」と振り返る大竹歩。落ち着いてレースを組み立てたが、最後の最後で空けたインコースを園田に行かれてしまった。


 「焦って追いついても一杯になる。(深谷に)もう1回飛びつける脚は残してたんですけどね。小泉さんをしっかり射程圏に入れてたし、来ても深谷一人と思ってたけど…。(3番手の)大塚(英伸)さんだけは通さないぞと思ってたし、もう来るなら外しかないと思ってたんですけどね。内はしゃーないです」


 


 


 


 最終日の第9Rでは、S級ブロックセブンが初実施。各地区から1名のS級レーサーが出場し、7車立ての一発勝負で争われる。


 中心となるのは阿部大樹。S級に復帰した今年は、6月高知を112着など安定した成績を収めている。7月小松島記念では見事に優出するも、決勝で落車の憂き目。しかし、怪我の影響もなさそうだ。


 「怪我は大丈夫だと思います。(前回の小倉611着は)初日のセッティングがひどくて。でも、先輩達に自転車を見てもらって修正したら、2日目、3日目はモガけましたね。今回は前回で一緒だった(マティエス)ブフリ君のセッティングを見てハンドルを換えました。7車立てだし、自力は出しやすそうですね」


 佐藤龍二は、前走の青森を956着。しかしながら、連日の自力戦で積極的に動いていた。本番も、自ら動いて白星を狙う。


 「最近は練習もしっかりできているし、あとはきっかけさえあれば。ここまでも、普通に練習をしてきました。もともと単騎の気持ちで入ってきていたので、本番も自分でやります」


 5月福井をVなど好成績を上げていた吉本卓仁だが、7月高松で977着と大ブレーキ。続く平塚も欠場するなど、状態が気がかりだ。


 「僕は89期なので、7車立てが初めて。7車立てはよくわからないけど、まあ、自力でいつも通り走ります。(前回の高松は)ダメでしたね。(近況は)成績が付いてきていたけど、調子がよかった訳じゃない。まくりしか出せないし、GIクラスだと先行もさせてもらえない。それが高松で出ただけ。でも、時間が空いて練習もできたし、走るのは楽しみですね」


 近況は一息の成績が続く不破将登。それでも、ここ一番で力を発揮する侮れない存在だ。


 「6月後半から思ったような走りができていないですね。(原因は)岐阜バンクが改修工事で使えなかったし、あっせんも詰まっていて。時間が空いて大垣に乗りにいこうと思ったら雨で乗れなかったりとかみ合わなかったです。それが成績に出ました。でも、(7月)宇都宮の後に岐阜バンクで乗れたので、(7月)岐阜は(391着で)そこそこでしたね。ここまでは(中15日空いて)やりたいメニューができました」