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ほうふ競輪

HOFU KEIRIN

63#

検車場レポート

  • 11/2 Wed.  (前検日)
  • 11/3 Thu.  (1日目)
  • 11/4 Fri.  (2日目)
  • 11/5 Sat.  (3日目)

1R

 伊藤颯馬は8月小倉で落車してからも、その後の別府で優勝。あまり落車の影響は感じさせないレースを見せていたが、さらに上積みがある様子だ。
 「8月に小倉で落車した時のケガがだいぶ良くなってきて、前回はそれまでよりも良くなった。腰に練習疲れがあるけど、レースでは大丈夫だと思います。練習は33でやっているので問題ないけど、33の記念が初めて。前々に走りたいです」
 阿部拓真は直前の10月平塚が落車からの復帰戦だった。勝ち上がりこそは逃したが、2日目からは連勝と、まずまずの動きを見せていた。
 「ケガ前に比べると少し動きは悪かったですね。動いて戻すってことをノルマに掲げてやって、動けてはいました。刺激は入ったと思います。中3日なのでどうかなと思ったけど、確実に前回よりは良くなっています。防府は毎回好走できているので、相性は良いと思います」

2R

選手の写真です。
高橋晋也選手
 高橋晋也(写真)は、前回の伊東で優勝。決勝は別線の番手に飛び付く執念を見せていた。
 「本当は飛び付きじゃなくて、突っ張り切りたかった。優勝したかったんですよね。自信が欲しかった。親王牌の新田(祐大)さんを見て、気持ちが入った。表彰式を見て、自分もあの場所に立ちたいなって思ったんです。松山が終わった後に、新山(響平)さんにセッティングを見てもらって優勝できた。そういう意味では新山さんのおかげですね。最近はCSCで一緒に練習させてもらってるんです。33の方が逃げやすいですね。コーナーが多い分、力を抜くところとかが多くて駆けやすい」
 地元のトップバッターは久保田泰弘。単騎戦となったが、持ち味の前々戦で見せ場を作りたいところだ。
 「地元勢みんなのテンションに置いていかれないように、迷惑をかけないように頑張りたいです。しっかり練習して、休みも入れて、時間もあったし体調は大丈夫。気合は入ってますよ。面白いレースは見せたいですね」

3R

選手の写真です。
伊藤旭選手
 度重なる落車の影響もあって、桐山敬太郎は一時は大きく調子を落としていたが、ここに来て復調気配。直近4カ月の点数も104点台まで上げてきた。初日は前回も前を任せた道場晃規との連係から勝機をうかがう。
 「道場君には前回の準決も世話になっているし、気持ちの入ったレースをしてくれたので。ただ、その時は残せなかったから、今回は決めたいね。だんだんと自分も良くはなってきた。落車で昔の乗り方ができなくなって、新しい乗り方にしていたんですけど、それにだんだんと対応できてきた」
 伊藤旭(写真)は9月函館の2日目に落車したが、最終日も走り切って2着。そこから32日間空いて、調整期間は取れたようだ。
 「ケガ自体は酷くなかったですし、最終日も2着に絡めたので。自転車も無事だったんですけど、今回は新車にします。練習では良いと思ったけど、一走して試してみたい。練習では良い感じだし、自転車は進んでくれている。自分は9車の方が向いていると思うし、しっかり前々に踏んでいきたい」

4R

 本来の調子を取り戻した柏野智典は、寛仁親王牌でも最終日に1勝をマーク。勝ち上がりこそ逃したが、動きは変わらず軽快だ。
 「1着を取れたので感じは良いし、良い状態だと思う。あんまりバンクに好き嫌いはないんですけど、防府は走りやすいバンクだと思います。相性も悪くないですね。親王牌が終わってから、地区プロに出て、ケイリンで優勝させてもらいました。たまたまですよ。自転車が違うので何とも言えないけど、踏めたので良いと思う。畝木(聖)君は積極性もスピードもある。練習を見てても強いし、そこを引き出したい」
 和歌山の支部長である稲毛健太は、公務との兼ね合いで多忙な日々を過ごしている。ただ、今節は久しぶりに納得のいく調整ができたようだ。
 「ここの前の予定が空いていて、支部長になってから一番練習ができた。それまでも練習ができていない割には着が良かったですね。前回も2日目だけ失敗して、それ以外は積極的にいけていた。33は難しいので考えて走りたい」

5R

選手の写真です。
久木原洋選手
 久木原洋(写真)は10月当所FIで優勝。イメージ良く今節に臨めるはずだ。
 「33は良いイメージがあるし、成績も良いですね。今年は選手になって一番成績が良いと思います。前回は組み立てが下手なところが出たけど、脚は良かったのかな。そのあとは1日ウエイトをやっただけ。そういう調整はよくやるので大丈夫です。同級生の宿口(陽一)が(京王閣記念を)優勝してすごいなと思ったし、刺激になりましたね」
 木暮安由は前回の伊東を途中欠場。そろそろ流れを好転させたい。
 「前回は初日が良かったんですけど、準決勝は展開が向かないのもあった。自分で動いたんですけど、苦ではなかったですね。気持ちは切り替えてきたし、今回は大丈夫だと思う。関東勢は流れがいいし、乗っていきたい。初日は同級生の久木原君に付けます」

6R

 神山拓弥は寛仁親王牌で一次予選は突破したものの、その後は大敗を並べてしまった。調整方法を見つめ直してきたようだ。
 「親王牌は駄目でしたね。弱かった。展開うんぬんじゃなくて、自分が弱かった。一週間以上空いたので、親王牌で考えたことをやってきた。いろいろなことをやったけど、主に体のことですかね。今まではずっと体に鞭打ってやってきたけど、もっと体に気を使ってやっていこうと思って。そういうことも大事だなって。まあ、そんなにすぐには成果は出ないとは思うけどね」
 寛仁親王牌の最終日に失格してしまった末木浩二。巻き返しを期す一戦となる。
 「親王牌は全体的に流れもよくなかったです。追い込んで練習をしていたので、疲れもありました。今回は疲れを取りながら調整してきました。練習の感じは良いと思う」

7R

選手の写真です。
山下一輝選手
 地元の山下一輝(写真)は昨年の当大会で決勝3着。地元上位独占の一角を担った。
 「去年は幸せでした。地元なので、良い輪に加われるように頑張りたい。今年は出来すぎてたし、調子自体はそんなに変わってないと思います。地元はめちゃくちゃ緊張しますね。それが良い方に向いてくれれば良いんですけど。ここを意識して練習していました。最近は結果が付いてきていないので、ここでしっかり結果を残したい」
 腰痛を抱えている河端朋之は、10月松山GIIIで一次予選敗退。3日目からは連勝で締めたが、今節のデキはどうか。
 「松山はしっかり自力は出せたけど、末の甘さが目立ちました。まくりでもタイム的にはタレていたので、上向きにはなっていないです。そのあとは地区プロとPIST6があったので意外に空いてなくて。腰も良くないので、無理せずにやってきました。絶好調の時に比べると7割くらいの感じなので」

8R

 坂本貴史は9月当所で優出。バンクとの好相性を口にする。
 「防府は決勝にも乗れているし、1カ月前のFIでも感じよく走れたので相性が良いと思っています。自力でしっかり仕掛けられているので。親王牌の補欠だったんですけど、待機中も自分なりに普段やらないことをやっていたし、その後も練習できた」
 永澤剛は寛仁親王牌の最終日にまくりで1着をゲット。が、コメントは例によって控え目だ。
 「展開が向いただけですよ。終わってからは八戸のバンクが使えなかったのでウエイトや、ワットバイク、ロードバイクに乗ってやってきた。本当に展開だけですから」

9R

選手の写真です。
野原雅也選手
 野原雅也(写真)は17年11月以来で当所に登場。久しぶりのバンクで戸惑いは隠せない。どこまで順応できるかが鍵となりそうだ。
 「防府はちょっと久しぶりですね。親王牌はあまり良い感じではなかったです。帰ってからは普段通り練習して、調子は普通ですね。33を走る機会があまりないので、仕掛け所とかは普段と違う。その辺は前のレースを見て考えたい」
 向日町記念で落車した神田紘輔だが、手応えを取り戻しての参戦だ。
 「前回の3日目は寺崎(浩平)君を目標に1着を取ることができた。向日町で落車もしたし、(10月)岸和田あたりまでずっと悪かったけど、良くなってきました。練習内容から見直して、パワー系の練習をやるようになった」

10R

選手の写真です。
渡邉雄太選手
 渡邉雄太(写真)は特別選抜予選スタートだった寛仁親王牌で準決に進出。ただ、高いレベルを求める渡邉にとっては納得のいくシリーズではなかった。
 「親王牌は準決に行ったんですけど、思った通りのレースはできていなかったです。後半の2日間は後ろになって動けずだったので。同じ33ですし、前回の反省を生かしながら走りたい。練習は普通に今まで通り深谷(知広)さん達と練習してきました。今年はFIが多かったし、9車に慣れたいですね」
 追い込みの内藤秀久にとって、短走路は不利な要素が多く思える。そこを認めた上で、勝ち上がりをクリアできるかが課題になってくる。
 「(寛仁親王牌は)感じは悪くなかったんですけど、勝ち上がりが厳しくて運に見放された感じでした。ベストは尽くしたつもりです。練習はみっちりやってきて、手応えはあります。33は正直嫌です。前次第になるので。前次第の中でもどうにかしたいですね」

11R

 桑原大志は直近4カ月の点数も110点台まで上昇。大事な地元記念には変わりないだろうが「平常通り」と気負わず一戦集中の心構えを強調した。
 「夏頃はこのまま終わっていくのかなとも思ったけど、もう一回頑張ろうと思ってやってきたら、恵まれ恵まれでここまで戻ってこれた。親王牌では圧倒的な力、脚力の差を感じたのが率直な感想です。あまり先走らず、まずは一次予選、二次予選と、一歩ずつが僕のスタイルなので。やれることはやって、休む所は休んでやってきました」
 中国地区期待の山根将太が地元勢をけん引する。
 「前回は末の粘りがなかったかな。調子は普通ぐらい。いつも通り競輪場で普通に練習してきました。やっぱり記念の準決くらいは脚が違うなって感じてます。9車の33が初めて。走りやすいんじゃないかなとは思います。二次予選を通過することが目標です」

12R

選手の写真です。
清水裕友選手
 何と言っても今節の主役を張るのは地元のS班清水裕友(写真)だ。前人未到の同一大会5連覇へ向けて、気迫の表情でこう語る。
 「防府はスタンド改修で2年くらい開催がないので、頑張りたいですね。5連覇はキリもいいので。できれば賞金を稼ぎたいけど、いくら積んでも(賞金ランキングの)下から(競輪祭を)獲られたら終わりなので。その辺は意識せずに。親王牌は動けていたし、準決がもったいなかった。でも負け戦で気持ちを切り替えられたのはプラス。休養と、練習もしっかりやってきたつもり。体調は大丈夫です」
 郡司浩平は親王牌で準決敗退も、最終日は逃げ切りで1勝と意地を見せた。今年最後のGIへ向けて、すでに気持ちは切り替わっている。
 「親王牌の最終日は自力を出せて、感じも良かったので準決が悔やまれますね。前回が終わってからイマイチ状態が上がってこないけど、競輪祭に向けてしっかり練習してきました。疲れは抜けてくれればなって感じですね。競輪祭に向けてってレースができるばなと思います」
 佐藤慎太郎は長いスパンで計画を立てているよう。
 「落車の痛みとかがあるわけではないけど、落車の後の休まなきゃいけない期間が長くて、上積みができていなかった。すぐによくなることはないし、状態は前回と同じくらい。今はもう来年を見据えてやっている。グランプリにピークが来ればいいけど、来年に向けて、一つずつやっている。練習は悪くないんですけど、本番は違うので。本番の中でつかめることがあればいいですね。でも、そんなめっちゃ悪いってことではないですよ。防府はお客さんの声援が大きい。練習地も33なので問題ない」

1R

選手の写真です。
小川勇介選手
 前受の伊藤颯馬は青板バックで鈴木謙太郎を突っ張る。7番手に戻った鈴木は打鍾前から再度巻き返すが、それを察知した伊藤がペースを上げて先行態勢に。伊藤と車間を空けて別線の反撃に備えた小川勇介(写真)は、阿部拓真のまくりをギリギリまで引きつけて直線で抜け出した。
 「受けて立つ本線だったので、前からでしたね。(突っ張ったところは)バンってこられていたら、わからなかったけど、そこは(伊藤)颯馬に任せていた。いつも連係しているし、いつも通りに強かった。(阿部は)警戒してましたね。前のおかげだけど、1番人気に応えられて良かった。(追加だけど)大丈夫」
 終始レースを支配した伊藤颯馬は、自らも2着に逃げ粘り上々のスタートを切った。
 「体は大丈夫なんですけど、朝一は苦手でキツかった。指定練習をバンクでゆっくり乗りました。前から突っ張って、自分のペースでいけました。冬のバンクっぽくなって重たくなっていますね。地元も33バンクだし、33は走りやすい。練習の疲れはあるけど、1日1走なので、回復していくと思う」

2R

 橋本強が中団から高橋晋也に合わせるように動き出し、高橋の番手に飛び付く。競り合いはもつれ、赤板1コーナーから佐藤幸治が仕掛ける。高橋が佐藤を突っ張り切るが、競り合った両者は遅れて、番手には佐藤から切り替えた松尾透がハマる。懸命に踏み直す高橋を、松尾がゴール前で鋭くとららえた。
 「誰かしらは高橋君のハコで粘るから、隊列が短くなったところで勝負って思ってました。(佐藤)幸治が頑張ってくれました。迎え入れたかったけど、幸治も後輪に掛けていたし、もし叩き切れれば付いて行けるようにしていました。後ろには橋本さんか久保田(泰弘)君がいると思ってた。33バンクは内を空けたら終わりなので、びっちり締めていました。レースは見えているけど、体が伴っていない。もっと脚力とかを上げれば103点とかも見えてくるんだと思います」
 競り勝った橋本強は、松尾には前に入られたものの3番手をキープ。直線で中割りを狙って2着。
 「高橋君の先行1車みたいな感じだったし、あの並びならハコに行こうと思ってました。さばくのに手こずって、口が空いてしまいました。きっちり入られちゃって内もしゃくれなかったですね。久々に自分でやって、修正点は多いけど感覚は良かった。中を割り切りたかったけど、松尾君が締めていて、前輪が引っ掛かりましたね」

3R

選手の写真です。
桐山敬太郎選手
 青板バックで伊藤旭が切り、すかさず道場晃規が叩いて先制する。小笹隼人の巻き返しは不発となり、中団の伊藤は最終2コーナーから反撃。道場マークの桐山敬太郎(写真)は、伊藤をブロックしてから追い込んで白星スタートを決めた。
 「(道場は)前回、久々に付いてパワーアップしていたし、(初日も)信頼して付いていた。中団からタイミングで駆けてくれましたね。(伊藤に)体を合わせて止めたかったけど、だいぶ逃げられて、止め切れなかったのは反省点。(前回の)平塚は番手だったりもあってそこまで疲れは出ていないけど、疲れを取ってきた。あれ(19年当所GIII)以降、優勝していないので4日制でも勝ちたいですね。33バンクは好きだし、最近では一番いい」
 桐山に張られた伊藤旭は、その後も粘り強く外を踏み続けて2着。
 「初手は道場さんラインの後ろが理想だった。(久々の実戦で)反応が鈍っているし、2角まくりで思いっきり行く脚がない。脚力不足。脚があったら、ラインで決まっている。もっと脚力をつけないと。33バンクの記念は初めてだったし、1走して収穫はあった」

4R

選手の写真です。
東口善朋選手
 稲毛健太は中団の畝木聖にフタをするようにしてジワリと上昇し、赤板で勢い良く古屋琢晶を切る。畝木がすかさず巻き返し、受けた稲毛は中団を確保する。稲毛は畝木のペースが上がり切る前に、打鍾過ぎ2センターから早めに反撃する。稲毛が最終バックで畝木をねじ伏せ、最後はマークした東口善朋(写真)が鋭く差し切った。
 「後ろ攻めは考えていなかったんですけど、中団が取れて、まくりでいいと思ってた。でも(稲毛)健太が早めに行ってくれて、自分も構えることができた。柏野(智典)さんが横にスイッチするような感じだったので、そこだけ見て、古屋君が来た時にどうするかも考えられた。(欠場中は)目標のない練習で気持ち的にもしんどかったんですけど、リセットして基礎からやってきました。レース勘がどうかなと思ってたけど、周りも見えていたし、1着も取れたので。思いのほか良かったですね」
 稲毛の予想外の早めの巻き返しに、畝木マークの柏野智典は対応が遅れてしまう。切り替えて自身は2着に入ったものの、反省しきりだった。
 「完全に僕のミスです。イメージで、稲毛君が中団で休むだろうと思っていたし、来ても(最終)1センターくらいだろうって思っていた。畝木君がトップスピードになったら後ろを見ようと思って、見たらすぐ横にいた。僕のミス。張ってれば止められました。良いレースをしてくれて、若い子のキッカケになるようなレースだったのに、申し訳ないことをした」

5R

選手の写真です。
嶋津拓弥選手
 後ろ攻めの菅原大也が青板バックで切って、松岡貴久が南関勢を追う。久木原洋は7番手で構えて、菅原はフカシ気味に駆ける。最終ホームで仕掛けた久木原が前団に迫るが、それに合わせて嶋津拓弥(写真)が番手まくり。嶋津が久木原を合わせ切って、そのまま先頭でゴール線を駆け抜けた。
 「(菅原)大也が後ろから押さえて駆けてくれたし、できる限りのことはやりたかったんですけどね。(番手の)力量もそんなになくて、久木原さんがいいスピードできていたので、前に踏ませてもらった。共倒れだけは避けたかったので。大也のおかげです。踏んだ感じは引き続き良い」
 番手まくりに続いた江守昇が2着。
 「(嶋津が最終)1コーナーでどうするかと思ったけど、久木原の勢いが良かったので嶋津の判断でハコまくりになった。弥彦記念の時の落車がろっ骨6本と、肺気胸だったので、そのあとも練習を思うようにできなかった。状態も良くなっていないけど、恵まれた」

6R

 青板バックで末木浩二が切りに動くが、前受けの鈴木涼介が突っ張る。ラインのアシストもあって3番手に入り直した末木は、そのまま構えずに打鍾前からカマして出る。末木が主導権を奪うも、今度は7番手で脚を溜めていた松岡篤哉が最終ホームから巻き返す。松岡は神山拓弥のけん制が届かない大外をまくり切って、強敵を撃破した。
 「(末木が)切った上を叩くのが理想だったんですけど、鈴木君の突っ張りがあって、対応が遅れて中団に入られてしまった。突っ張りは想定していなかったので、展開は悪くなりましたね。自転車を元に戻して、脚も軽かった。前回のミッドナイトで使っていた自転車は伸びなかった。神山君のブロックもかなり来てたので、もってこられないように必死に踏みました」
 岡本総が2着に続くも、最後に松岡の内に差し込んだ場面を反省点に上げた。
 「前の突っ張りで中団に入られてしまったのでヤバいと思ったけど、末木君が行ってくれて(松岡)篤哉さんも行きやすくなったと思う。ずっと掛かっていく感じでした。最後は反省点ですね。差せないにしろ、外を行くべきだった。周回中から風があったのか重たく感じました」

7R

 前受けの河端朋之が、小埜正義を突っ張る。小埜が中団に収まると、間髪入れずに小嶋敬二が仕掛けて河端を叩く。一旦は受けて4番手に入った河端だが、打鍾前に早めにカマす。河端は番手の山下一輝と2車で出切って後続を突き放す。絶好の態勢の山下が差し切って地元記念を1着でスタートさせた。
 「昨年からあっという間でしたね。また一からと思って集中できていた。(地元から)前の2人(久保田泰弘、國村洋)が勝ち上がっていたので、続けて良かった。小嶋さんの巻き返しが早かったんですけど、河端さんの動きにも反応できた。最後は勝ちたくて、意識していた。もっと自信をもって抜ければ。初日から子どもの声も聞こえてきたし、うれしかった。状態はいいのかなって。落ち着いて、ひとつ、ひとつ、丁寧にやっていきたい」
 地元を背に構えずカマした河端朋之が2着に粘った。
 「本当にお客さんが喜んでくれていたので、頑張ったかいがあった。小嶋さんの巻き返しが早くて出させる形になった。出た感じはいいけど、末はバックからいっぱいに。突っ張って、やめてだったので、脚の消耗があった。山下君が中団を確保してくれたのも大きい。ラインの力だと思います。絶好調とはいえないが、仕掛けることはできる状態です」

8R

選手の写真です。
坂本健太郎選手
 瀬戸栄作が、張野幸聖を打鍾で叩いて先制する。前受けから下げた坂本貴史(写真)は、8番手で反撃の機をうかがう。坂本は最終ホームから一気にスパート。逃げる瀬戸をバックでとららえると、ゴール前で迫った永澤剛も振り切った。
 「下手に切りに行って突っ張られたり、切ってまた後ろになるよりはと思って前を取りました。本当は瀬戸君に付いて行って叩ければ最高だったし、三谷(政史)さんがすくってゴチャ付いたところで行ければ良かった。その2点が反省点です。1着が取れて、ワンツーも決まっているので良いんだろうと思います。最近は防府と、奈良と、33バンクが続いていたので33は気にならないですね」
 永澤剛は坂本に8分の1輪差まで詰め寄ったが、差し切るには至らず。
 「力不足です。買ってくれた人に申し訳ない。1着と思ってゴールしたんですけど。最悪です。前がどうなってるか見えなくて、(坂本)貴史は行けるのかなと思っていた。バックで後ろに誰かいるのが分かってそれも気になった。1着だと思ったんですけど。最近太って体が重い。キレがないです。歳を取って痩せなくなってきた」

9R

 前受の野原雅也は別線を受けて7番手まで車を下げ切る。赤板で先頭に立った小畑勝広がペースを上げる中、野原は最終ホーム入り口から反撃。ほかが止まって見える程の加速であっという間に前を飲み込み、2着に7車身差を付けて圧勝した。
 「前からっていうのは考えていました。ジャン前に1回行くタイミングがあったけど、そこを見てしまって、それで神田(紘輔)さんもタイミングが狂ったんだと思う。僕も行けるか、行けないか、ってなったけど、結果、行けた。ちょっとモタついたけど、伸びていった。33バンクはあんまり走る機会がなくて仕掛けがチグハグかな。1着なのでいいと思うけど、踏み出しは良くなかった」
 野原の加速に、番手の神田は離れてしまう。先行した小畑勝広が2着に逃げ粘った。
 「野原さんの後ろから行こうと思っていたし、一番いい組み立てはできたかなって。前回のゴール後に転んで、レースのような高い強度の練習をしていなかったので、力が入ってこない。思った乗り方もできていないので、苦しかった。野原さんは力が違うなって。阿部(大樹)さんのおかげで追いかけられた。思った中での最高の結果ではありますね。(体は)万全ではないので、ケアをしていきたい」

10R

 伊藤慶太郎が赤板前に渡邉雄太を切り、すかさず堀兼壽が叩く。単騎の伊藤大彦が3番手に追い上げると、間髪入れずに渡邉が打鍾からカマす。きれいにライン3人で出切った渡邉がレースを支配し、番手の内藤秀久すらも寄せ付けずに逃げ切った。
 「ちょうど伊藤(大)さんが目標になる感じだったし、それで(山口)富生さんのところも乗り越えられましたね。道中はキツいと思ってたんですけど、内藤さんに強かったって言ってもらえた。バックを目掛けて踏んだ分、最後は惰性でそのまま残れたと思います。練習の感じが良かったので、それが本番に出れば良いと思ってました」
 内藤秀久にとっては絶好の展開。モノにしきれず、レースを振り返りながら自身の状態をこう説明した。
 「(渡邉)雄太の出番が来たので、行くだろうってところで行ってくれて付きやすかった。まあ、今日(初日)は雄太のステージが違う感じがしました。走って気づいたんですけど、オーバーワークになってました。疲れが残ってます。でも、こういう感覚の時も結構あるので。こういう時はケアして、最終日に(ピークを)持っていく。言い訳はしたくないし、最終日に言い訳しないように」

11R

選手の写真です。
桑原大志選手
 後ろ攻めの山根将太が、青板バックで押えて駆ける。新田康仁は中団に追い上げて、内の小笠原光を決めながら富弥昭をすくって3番手を確保する。山根は後ろのもつれを気にすることなくグングンとペースを上げて最終周回に入る。2コーナーから単騎の青森伸也がまくり上げるが、これを桑原大志(写真)がブロック。空いた内を新田が突くが、これも桑原はしっかりと締め込む。内、外と仕事した桑原が直線で追い込み、山根を2着に残した上で白星を手にした。
 「ブロックはたまたまだけど、内の新田さんが見えたのは、いつも慌てるところで体も入っていて浮かなくて、(状態は)いいのかなって。今日(初日)は恵まれてワンツーだけど、いいパフォーマンスを出せた気がする。自分の中では良かったと思う。(声援がすごくて)道中から緊張をさせてくれましたね(笑)」
 山根将太は地元を連れて押え先行。きっちりと任務を果たした。
 「前が取れたら、前。ダメなら一番後ろからって考えていました。そこそこ踏めているんじゃないかと思います。キツすぎて(声援は)わからなかった。あとはタイムがどのくらいか、ですね。バック線からキツかったのでこれで(上がりが)10秒切れていたらいい。(二次予選も)与えられたところで頑張りたい」

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手
 前受けから突っ張り気味に踏んだ太田竜馬を、新山響平が強引に押える。北日本勢を追っていた郡司浩平(写真)は、徳島勢後位に降りて態勢を整える。新山がハイペースで駆けるなか、清水裕友は赤板2コーナーから巻き返す。この仕掛けにライン3番手の園田匠が離れて、郡司は俊敏に中国勢にスイッチする。清水が叩き切ると、郡司は最終2コーナーからまくり上げる。松浦のブロックを乗り越えた郡司が先頭に躍り出て、そのまま2着に4車身差を付けて快勝した。
 「流れの中でうまく先手ラインに付いて行ければとは考えてました。太田君が思った以上に踏んだのが想定外でした。追い上げようか悩んだけど、清水君を引き出すことになると思って我慢していました。外に外しながら(徳島勢を)追って、清水君が来たけど園田さんが付いている感じがなかったので、そのままタテに踏み込んでスイッチした感じですね。(スイッチしてから)もうちょっと休みたかったけど、松浦君が車間を空けて援護する感じだったし、一緒になってバックを踏むとキツくなる。それで車間を空けているうちに行こうと思って仕掛けました。ブロックも頭に入っていたし、避けながら。レースは見えていますね。疲れ以上に反応できている。練習の時よりもレースの方が感触が良かった」
 ブロックから返す刀で踏み込んだ松浦悠士が2着に入るも、郡司のまくりを止められず笑顔はない。
 「(青板バックで清水)裕友が先に切ると思って踏んでいたし、バックを踏んだ分口が空いて入られた。郡司君を止められたと思うし、その2つはかなり悔しい。最終ホームで郡司君だけを見て、止める準備もしていたのに。やることをやってなくて、いかれている。もう少しセッティングを煮詰めます」
 吉田拓矢は最終ホーム9番手の苦しい展開。それでも内から位置を上げると、最終2センターから外を追い込んで3着に食い込んだ。
 「特に作戦は考えずに出たとこ勝負でした。郡司さんが(松浦に)スイッチしたところで付いて行ければ良かったけど、園田さんに降りられて苦しくなった。内に吸い込まれて、最後は外を踏んで伸びているし悪くない。ただ、今日(初日)の結果に関しては何とも言えないです。郡司さんが流石だなって感じです。脚は軽かったので問題はないです」

6R

選手の写真です。
伊藤颯馬選手
 伊藤颯馬(写真)が青板バックで小畑勝広を切る。伊藤は太田竜馬の巻き返しを受けると、内村泰三に飛び付きさばいて3番手を奪う。小畑の巻き返しは不発で、太田の主導権のまま最終周回。伊藤は2センターから車を外に持ち出して、直線で鋭く突き抜けた。
 「一回切って、誰も来なかったら腹を括って駆けようと思ってたけど、早めに来てくれたので。スピードが折り合ったところが3番手だったので飛び付きました。久しぶりにダッシュで力が入ったと思う。長い距離はきついかもしれないけど、うまく走る分には器用さを使ってって感じです。(最終)2コーナーで太田さんもきつそうだったので、行こうと思えば行けたけど名前負けした。ラインには申し訳ないです」
 伊藤マークの園田匠が2着に続いた。
 「(伊藤)颯馬が臨機応変に何でもできるので。ちょっと弱気なとこもあったけど、しっかり頑張ってくれた。昨日(初日)清水(裕友)君と松浦(悠士)君に迷惑をかけたので、その分も集中して付いていました。昨日は展開の早い中でも折り合っていたし、オーバーワーク気味で入ったので日に日に良くなると思う。意外に伸びたのでよくなる手応えはある。疲れが取れればですね」

7R

選手の写真です。
新山響平選手
 嶋津拓弥が勢いよく新山響平(写真)を押えて、赤板からすかさず山根将太がカマす。山根が出切ってハイペースでレースが進むなか、新山は最終ホームから巻き返す。新山は小倉竜二のブロックが届かない大外をまくり切って、そのまま失速することなくゴール線を先頭で駆け抜けた。
 「前受けから突っ張ろうと思ったけど、来るのが遅かったので、勢いを付けてくるとは思っていたけど、反応しきれずに引いた。それで會澤(龍)さんには迷惑をかけてしまいました。山根君をまくりに行く時に、外を踏み過ぎたので修正をしたい。(ブロックを)ギリギリで交わしていくようなまくりを打ちたい。疲れがなくて、脚は軽い。調子はいいですね。いつもまくりが出ないのに、今日(2日目)は出たので(防府は)相性がいいのかも」
 永澤剛が新山のまくりに付け切って北日本ワンツー。
 「(新山は)超、強い。やばかったです。離れる一歩手前でギリギリでした。もうちょっと口が空いたら、オグリュー(小倉竜二)さんにさばかれていたと思う。自分の脚力不足です」

8R

選手の写真です。
東口善朋選手
 渡邉雄太が後ろ攻めから野原雅也を切る。伊藤旭が赤板で渡邉を叩いて主導権を奪い、九州勢に単騎の中村昌弘も続く。出切った伊藤が流すと、渡邉は中村の内に一瞬詰まる形に。野原は緩んだ隙を逃さず、2コーナーからカマす。あっという間に伊藤をとらえると、東口善朋(写真)と2車で後続を突き放していく。最終バックでもその差は詰まらず、最後は東口が差し切った。
 「(連勝は)気持ちの面で楽になる。自分の中ではまだバタバタしているので、もっと落ち着いて走れれば良いんですけど。バックが付いている選手も少ないし、(野原)雅也も緩んだところで行ってくれると思っていた。抜群のタイミングで仕掛けてくれて、後ろもいなかったので2人で決まるのは分かった。脚自体は問題ないけど、気持ちを落ち着かせて走りたい」
 野原雅也は圧巻のカマシで別線に出番を与えなかった。
 「前を取れるとは思ってなかったけど、後ろからの方がしんどいとは思っていました。緩んだら行こうと思っていたし、展開が向いたところがありますね。緩んだタイミングでしっかり仕掛けられたのが良かった。ちょっと距離が長くてゴール前はいっぱいでした。悪くはない。ボチボチですね」

9R

選手の写真です。
柏野智典選手
 藤田大輔が吉田拓矢を切るが後続は続かず、赤板をスローペースで通過する。吉田が中バンクに上がって後続をけん制するが、河端朋之はお構いなしにその上を一気にカマして打鍾で主導権を奪う。柏野智典(写真)と2車で出切った河端は、そのまま別線をぶっ千切っていく。吉田も最終ホームから巻き返すが、前との車間はなかなか詰まらない。ゴール前は中国両者の一騎打ちとなり、柏野が差し切った。
 「(赤板の)ホームから行くなって感じがあったので、構えていた。(河端は)昨日(初日)もタレていて、最近もタレていたので、決めないとって思っていたけど、今日は全然タレてこなくて別人でした。タイムは見ていないけど、体感ではすごい出ていたんじゃないかなって。初日よりストレスなく走れたし、悪くない」
 河端朋之は豪快な一撃で別線を置き去りにし、柏野を勝利に導くと同時に自身も2着に逃げ粘った。
 「思っていた展開とは違ったけど、周りも見て、見て、河端待ちみたいになって行けそうになって行った。(バンクの)上まで踏んで、くだりを使えたし、柏野さんなら離れることもない。ペースだけ保ってと思っていた。4コーナーからタレたけど(別線が)離れていたので、なんとか残れた。上から練習みたいに駆けられたし、風もバンクの重さも気にならなかった。状態は絶好調とはいえないし、変わらずですね。いつも通り、末の悪さもありますから」

10R

選手の写真です。
清水裕友選手
 清水裕友(写真)率いる中国勢が前受け。坂本貴史、松岡篤哉の順で切って松岡篤が先行態勢。清水は5番手で打鍾を通過する。3番手の坂本が前と車間を切って仕掛けのタイミングを取っている中で、清水は最終1コーナーから早めに仕掛ける。豪快に前をまくり切った清水が押し切り、山下一輝がピタリと続いて地元ワンツーが決まった。
 「今日(2日目)のレースを見てると、早駆けしてるラインが潰れてるし、前受けで脚を溜めた方がいいかなと。松岡(貴久)さんの動きが読めなくて、ちょっと動揺しました。ジャンから結構掛かっていたけど、坂本貴史さんに先まくりされると苦しくなる。タイミングはよくなかったけど、まくりの上を行くより、まくりに行く前にと思って仕掛けました。流れの中で、(最終)1コーナーでケツが上がったし、バンクは昨日よりも重いけど、乗り方が流れる。昨日も初速は良かったけど、踏み過ぎて末が甘かった。その辺が見えてきたところがある気がする。久しぶりに良かったかな。トルクがかかる感じがあった。悪い時は(最終)3コーナーを乗り越えられないので。今日は回せたのかな」
 山下一輝は清水とのワンツーをこう振り返る。
 「前受けの方が決まっている感じがあったので、車番を生かして前からでしたね。松岡(貴)さんがずっと見えていたし、僕のところに来そうだった。来られなくて良かったです。清水はトルクがかかってて置いてかれそうだった。抜きにいったけど、振られましたね。やっぱり嬉しいです。これを目標に練習しているので。あとは抜ければいいですね」

11R

選手の写真です。
郡司浩平選手
 スタートで九州勢が前を取って人気の郡司浩平(写真)は後ろ攻めから組み立てる。郡司は青板バックで切って末木浩二ラインを受ける。関東勢を追った瀬戸栄作は末木を叩かず、中団外で郡司と併走。だが、郡司は瀬戸を内から一発でドカして中団を譲らない。末木が先行態勢に入るが、郡司は打鍾過ぎ4コーナーから仕掛ける。スピードの違いでライン3車でまくり切り、そのまま押し切って連勝を決めた。
 「(スタートはどのラインも)出ないと思ったけど、(九州が)取りにいったし、木暮(安由)さんが1番車で、中団は無理だろうと思って後ろから。(瀬戸が)すかさず行くと思ったけど、中団で止まる動きがあったので、あそこは入れられないなと。周りの状況を見て、行けると判断してあそこの位置から行って、ラインで決まったし正解でした。ここに来る前の体の感じ以上にレースを走れている。手応えというか、こんなに走れるんだなと自分でも驚いている」
 内藤秀久が郡司に続いた。初日はオーバーワークと口にしていたが、状態は良化しているようだ。
 「9割、前かと思ったけど、後ろもあるなと。思ったレースではなかったですね。反応はいいんだけど、郡司が強すぎる。33の1周じゃすさまじいスピードを持っている。(自分は)昨日(初日)よりも全然いいですね。明日はもっといいんじゃないかな」

12R

選手の写真です。
松浦悠士選手
 前受けした小嶋敬二は、青板バックで道場晃規を突っ張って出させない。道場が後退すると、今度は赤板目掛けて高橋晋也がカマす。高橋がライン2車で出切ると、松浦悠士(写真)は中部勢後位から3番手に追い上げて、北日本勢に追いついた勢いのままに最終ホームからまくり上げる。松浦は高橋を力でねじ伏せて、そのまま押し切った。
 「高橋君が強かったけど、何とか乗り越えられて良かった。(小嶋は)2周半まで放置されたら踏んだりするので、踏んでくれたらラッキーだなと思っていた。高橋君の動きも見えていたし、3番手は取りに行こうと。地元2人付いているし、気持ちを出していこうと思ってました。高橋君は気持ちのいい自力勝負をしてくれるし、それに応えて行きました。(最終)1センターくらいから余裕があって、後ろが絡まれないように外を回したんですけど、阿部(拓真)君も脚がありますね。感触としてはもう少し欲しい。踏み合いみたいになったし失速するのはしょうがないけど、もう少し距離を踏みたいなって欲はあります。セッティングはいじらずに、アップとか朝の調整を考えようかな」
 桑原大志が松浦に続いて、地元記念の準決勝へと駒を進めた。
 「(松浦が3番手に追い上げて)僕は休みたかったし、休もうと思ったけど、そんなんじゃ駄目だと。松浦君が行ってくれてありがたかった。(最後は迫ったが)近くて遠い。でも一生懸命やったので。(勝ち上がりは)嬉しいですね。だんだんとメンバーも厳しくなるけど、やれることをやれたら結果は付いて来ると思います」

10R

選手の写真です。
東口善朋選手
選手の写真です。
神山拓弥選手
 新山響平が河端朋之にフタをしてから、青板2センターで野原雅也を切る。外が開けた河端は4コーナーからカマす。新山も踏み上げて抵抗するが、河端がねじ伏せて主導権を奪う。中四国勢がライン3車で出切ったとほぼ同時に、野原が最終ホームから仕掛ける。まくった野原が4コーナーを先頭で通過し、番手の東口善朋(写真)が抜け出した。これで東口は節目の通算400勝達成となった。
 「33バンクだし、自力の強い選手がそろってたので、どうなるかなと思ってた。(野原)雅也が行き切れば自分の仕事だし、行けなければコースを探してって感じでした。自分の技術不足で野原君を残せず残念です。脚自体は問題ないけど、うーん、ダメですね。(通算)400勝は意識はしてなかったけど、結果として喜ばしい」
 近畿勢を追った吉田拓矢は最終バックでまくり上げる。吉田マークの神山拓弥(写真)は2センターから内に切り込んで、野原と東口の中を踏んで2着に突っ込んだ。
 「(吉田は)様子を見て仕掛ける感じで、野原が仕掛けるのを追ったけど、(最終)2コーナーで外に持ち出してくれたから自分のコースもできた。ラインとしては良かったと思う。要所、要所で離れ気味だったけど、コース取りは良かったし内からヨシタク(吉田)を抜けている。今日(3日目)に関しては悪いところはない。同県の真崎(新太郎)さんにセッティングを出してもらって乗りにくいところがなくなった。新車なんですけど、足りない脚力をカバーしてくれる自転車になった」
 吉田拓矢は後方に置かれる苦しい展開となったが、なんとか3着には食い込んで決勝進出。
 「なんとかしのいだ感じになった。本当は前からが良かったし、野原さんがやったことをやりたかった。体が自転車とマッチングしてない。厳しいけど、自転車をいじって、上積みができれば。もう少し良いレースがしたかった。寬仁親王牌から(セッティングを)変えたのが良くなかった」

11R

選手の写真です。
佐藤慎太郎選手
選手の写真です。
郡司浩平選手
 青板バックで太田竜馬が切って、すかさず郡司浩平が赤板で叩く。末木も巻き返すが、すでにペースを上げていた郡司が突っ張る。末木は打鍾で佐藤慎太郎(写真)のブロックを受けて後退し、郡司が軽快に駆ける。中団から太田が仕掛けるが、郡司の掛かりの前に1車も進まずに外に浮いて後退。直線はS級S班両者の逃げ差し争いとなり、余裕を持って佐藤が差し切った。
 「(1着は)久しぶりなのでうれしい。あのレースができる選手は少ない。その後ろを走れるのはありがたいですね。あの位置からなら先行しても逃げ切る選手なので、末木を止めました。今日(3日目)は悪くなくていい感じ。シューズを従来のものに戻しました。でも、それはあんまり関係なくて、気持ちなのかな。体もレースに徐々に対応できている」
 郡司浩平(写真)は2周先行で別線を完封。圧巻のレースで実力を誇示した。
 「流れの中でしたけど、太田は内にいたし、末木がどこからくるかでした。距離は長かったですけどペースに入れながら駆けて、そこで行かれるなら、取れた位置からでしたけど、ペースで合わせられたら駆けてと。距離は長くなった分、余裕がなくて、踏み直すよりもガムシャラになった。感覚以上に動けているので、体力的にはしんどいところもある。連日、動いての着なので、内容も結果も上デキ。今年も残りレースは少ないし、悔いのないように」
 郡司ライン3番手を固めた永澤剛が3着に流れ込んで、ライン上位独占となった。
 「恵まれたし、助かった。うれしいです。後ろが誰かとかは見る余裕もなかったです。キツかったですよ。内を空けたらくるだろうし、そこは気にしていました。マーク、マーク、3着だけど、付いていけているので、いいと思う。走るグレードが上がると余裕はなくなってくる」

12R

選手の写真です。
清水裕友選手
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桑原大志選手
 前受けの松浦悠士は、別線を受けて7番手まで車を下げ切る。伊藤颯馬を叩いた渡邉雄太が赤板から先行。中団は内をすくった阿部拓真と伊藤でもつれる。前と車間を切っていた松浦は、打鍾3コーナーから巻き返す。松浦がグングンと加速して前団に迫ると、松浦マークの清水裕友(写真)は最終バックから自力に転じて松浦の上をまくる。3コーナーで先頭に立った清水がそのまま押し切って、負けられない戦いを制した。
 「基本的には松浦さんに全部お任せでした。前が掛かってて、どうかなと思って後ろに付いていた。(松浦が)止まったように見えて、内に阿部さんも見えて危ないと思った。自分は(決勝は外せないと)そう思って仕掛けました。それ(5連覇)を目指して来てるので頑張りたい」
 清水を追った桑原大志(写真)が2着。地元の声援を背に力を出し切った。
 「ジャンはちぎれるくらいだったし、100パーセントの力を出しました。すごいピッチが上がった中で松浦君は行っているので、僕のキャパはオーバーしていました。清水君との連係を外さないことしか考える余裕がなかった。毎日全力でやってるだけですけど、他の県の人より声援が1人でも多くあると思っています。それを力にして頑張りたい」
 九州勢は阿部にすくわれて勝負どころで5、6番手。園田匠は中国勢の巻き返しに最終2コーナーでスイッチし、そのまま3着に続いた。
 「(伊藤)颯馬君が切って、スピードに乗せて出させてっていうレースをしてくれた。内をしゃくられるのは想定していたけど、いいところでしゃくられてしまって颯馬君には迷惑を掛けた。(松浦が)来るのはわかっていたし、あとは得意な全力で踏んで追いかけるだけだった。もっと伸びるかなと思ったけど、前の2人に伸びられた。日に日に軽くなっているし、競輪祭に向けて追い込んでいた疲れが抜けてきた」