KEIRIN EXPRESS

全国の競輪開催案内のポータルサイト

ひろしま競輪

HIROSHIMA KEIRIN

62#

検車場レポート

  • 12/8 Wed.  (前検日)
  • 12/9 Thu.  (1日目)
  • 12/10 Fri.  (2日目)
  • 12/11 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
佐々木悠葵選手
 オープニングレースの1番車を務めるのは、年末のヤンググランプリに出場を予定している佐々木悠葵(写真)。前回立川FIを完全優勝して相性良い当所記念を迎える。
 「広島は優勝もあるので相性が良いイメージです。1レース1番車は今回で3回目ですかね。1回はナイターGIIIだったので、朝イチのレースは実質2回目だと思います。朝は得意じゃないですけど、普段、練習をしている時間帯が10時くらいなので大丈夫だと思います。競輪祭が9車立てで、前回は7車だったのでその難しさもありましたけど、なんとか勝てましたね。ヤンググランプリもありますけど、まずはここをしっかりと戦いたい」
 復調の兆しを見せている松川高大は、準決まで勝ち上がった前回の武雄GIIIよりも上積みを感じて参戦。
 「(9月の)向日町記念で落車したフレームを修正に出していたのが戻ってきたので、今回からまた使います。前回のフレームよりもダッシュが利くと思うので楽しみですね。脚力自体も戻ってきている感じがしますし、前回が終わってから武雄と久留米に行ってバンクで練習した感触も良かったです」

2R

 飯野祐太はFIながらコンスタントに決勝に進出していて、得意の冬場で調子を上げてきている印象。前回、小田原FIでのVの勢いそのままに一次予選突破を目指す。
 「前回は前が頑張ってくれたおかげですけど、調子自体は変わっていなくて、試していたセッティングを戻したりして体と自転車の感覚自体が良くなってきているおかげもあると思います。自分の中では冬場が得意とか夏場が苦手っていう意識はそこまでないですけど、たしかに過去の成績だけ見れば冬場の方が優勝回数も多いですし、成績も安定している気がするので良いかもしれないですね」
 山口敦也は楽しみにしていた前回の地元、武雄GIIIを無念の欠場となったが、その思いを今シリーズにぶつける。
 「ちょうど調子も良くなってきていたところだったので、前回は走りたかったのに悔しいですね。手足口病になってしまって湿疹も出たりして欠場しました。治ってからは練習もできたし、状態は悪くない。前回の分も今回は頑張りたいですね」

3R

選手の写真です。
片岡迪之選手
 練習の成果が実を結び始めて安定感がアップしてきている片岡迪之(写真)。過去に何度もワンツー実績ある同県の先輩、友定祐己を背に別線を迎え撃つ。
 「前回(武雄)の準決は自分の展開になったと思ったのに、パワーもスピードも足りなかったですね。でも、前回は追加でそこまで準備ができていなかったですけど、今回はしっかり練習できたので上積みはあると思います。広島は成績も悪くないし、相性は良いと思うので頑張りたい」
 友定祐己は腰を痛めて久々の実戦となった前回武雄GIIIで落車とリズムをつかめていない印象だが、相性の良さを生かして一次予選突破を目指す。
 「前回の落車は背部の擦過傷がひどかったですね。ギックリ腰が治ったと思ったら、またすぐに落車してしまったし現状は厳しいですけど、ケアをしたあとに練習して、今週になって感じは良くなり始めてくれたので。前は何度も連係している(片岡)迪之なので信頼して。付いていくことだけ考えて頑張りたい」

4R

 ここ2場所のFIシリーズで結果を残せていない阿部拓真ではあるが、3場所前の防府記念で決勝進出しているように7車立てよりも9車立ての方が得意なタイプ。柔軟な立ち回りで得意の細切れ戦を攻略する。
 「ここ2場所は7車立てっていうのもありますけど、防府が終わってから胃腸炎になってしまって体の状態がイマイチで結果を出せなかった、でも、今回は体調も戻ってしっかりと準備できたので大丈夫だと思います。細切れ戦の方が戦いやすいですし、しっかりと見極めて走りたい」 
 9月の和歌山FIで9連勝を達成して初のS級戦で奮闘中の上野雅彦は、今回が2度目のグレードレース。同県の池田憲昭を背に持ち味の機動力を発揮する。
 「今回はフレームを換えます。石原(颯)さんのフレームを借りました。練習で乗ってみて悪い感じもしなかったので今回は楽しみですね。直前は小松島に練習に行って風の強い中で走れたのも良かったと思います。四日市記念は自分の視野が狭くて埋もれてしまったレースだったので、今回はもっと全体を見て走れるように」

5R

選手の写真です。
瓜生崇智選手
 自在性を高める瓜生崇智(写真)は前々回の佐世保FIでの落車の影響を引きずっている印象ながら、持ち前の器用さで活路を見出す。
 「正直、落車の影響はまだありますね。フレームは大丈夫だったんですけど、右肘と右肋骨と背中の擦過傷でしたね…。脚力的に足りない部分は戦法でカバーできるように。後ろは師匠の合志さんなのでしっかりと前々に踏みたい」
 手綱を握る師匠の合志正臣は、前回名古屋FIの最終日に落車しているが不安なしを強調する。
 「前回の最終日は映像に移っていなかったと思うんですけど、前輪が壊れてしまって止まってからコケた感じなので影響はないですね。10月の高松で鎖骨を骨折してしまいましたけど、PIST6、競輪祭って走って体の状態は良くなってきている。瓜生は脚力的に落ちているかもですけど、相手の隙を突くのがうまい。前々に踏んでくれるのでしっかりと援護できるように」

6R

 阿竹智史は前回の別府FIで弟子の犬伏湧也と初連係がかなったが、踏み出しに口が空いてしまい付け直すも3着で準決敗退。現状を見つめつつ来年に向けて、今年最終戦となるこのシリーズでリズム好転を狙う。
 「犬伏とはもう少し自分の状態が良い時に連係したかったですね。やっぱり共同通信社杯くらいから出た肋骨の疲労骨折の影響で体のバランスが崩れていますね。最近は自力と番手回りと色々ですけど、その辺の感覚というよりも自分の体と自転車との感覚がズレてしまっている。今年はこれで終わりの予定なので、どうにかキッカケをつかみたいですね。来年は犬伏と大宮記念が決まっている。その時までに少しでも上げていけるように」
 番手でリードする堤洋は、前回の武雄GIIIで準決に進出と近況の悪い流れを断ち切った印象で、今シリーズも期待したいところだ。
 「ここ最近は前にちぎれてばかりで散々だったので、前回は守澤(太志)仕様のセッティングに換えて良かったですね。うまく体重をペダルに乗せきれていない感じだったので、サドルのハナを下げたら良くなりました。今回はセッティングを微調整したので、前回よりも良くなっていて欲しいですね」

7R

選手の写真です。
鈴木陸来選手
 FIシリーズながら3場所連続で初日に白星を挙げている鈴木陸来(写真)は好調をキープして笑顔で参戦。久々の記念シリーズで活躍を誓う。
 「広島は今回で2回目ですね。ルーキーシリーズで一度走りました。その時は5月で今回、指定練習で乗った時よりも軽かったイメージですけど、直線の長さは気にならなかったですね。今はジャンからホームでいかにうまく先頭に出られるかを考えて、初手の位置を含めてレースを組み立てています。平塚記念は初日に失敗して悔しい思いをしましたけど、小田原記念の時みたいにまた準決まで勝ち上がれるように頑張りたい」
 番手を務めるのは初連係の近藤保。前回小田原FIは決勝進出を逃しているが、2度の確定板入りと及第点を付けた。
 「(前々回)和歌山の落車で新フレームが壊れてしまったので、共同通信社杯まで使っていた自転車に戻しました。落車は右手の打撲でしたけど、前回走った感じとしては脚自体は悪くなかったので大丈夫。鈴木君とは初連係ですね。レースは見ていますけど、カマシが得意なイメージなので踏み出しにしっかりと続けるように集中したい」

8R

 トップスピードに磨きをかけて年末のヤンググランプリ出場を決めている伊藤颯馬が、持ち前の機動力で別線を迎え撃つ。
 「今年も頑張らないといけない時期が来ましたね。調子自体は悪くないですけど、冬場はどうしても重くてうまくスピードに乗せづらいので苦手ですね。沖縄は今日の朝でも21、2度もあったのでこっちはやっぱり寒い。でも年末のヤンググランプリもあるし、勢いをつけられるように、まずはここで結果を出したいですね」
 FIシリーズながら確かな手応えをつかみながらリズム好転中の黒田淳は、同県の月森亮輔に前を託して一次予選突破を目指す。
 「7車立てになってから番手を回ってもうまくいかないことが多かったんですけど、今期になってから決勝に乗れるようになったのはうまく流れに乗れるようになって上昇してきたんだと思います。今は自分でやることも考えながらやっていますけど、月森君はいつも頑張ってくれるのでもちろん任せます」

9R

 3月の小倉FI以来、今年2度目の優勝を地元の小松島FIで飾った島川将貴だが、現状に満足することなく自転車の調整に余念はない。
 「直前の練習はいつもと変わらずやってきました。今回はハンドルまわりのセッティングを調整してきました。練習で乗った感じも乗りやすかったですね。3番手を地元の西田(雅志)さんが固めてくれるので、行けるところからしっかりと仕掛けられるように」
 島川をリードするのは好調をキープしている筒井敦史。過去の連係実績も十分で、呼吸を合わせてライン決着を目指す。
 「島川君とは久々ですね。ここ最近はFIで一緒になっても地区あっせんだから中国と四国は別になるでしょう。だからずっと敵で戦っていたのでやられっぱなしでしたよ。でも、味方なら頼もしい限り。状態的にも落ちることなくずっとキープできているのでしっかりと決めたいですね」

10R

選手の写真です。
根田空史選手
 一昨年の当所記念で決勝進出を果たしている根田空史(写真)は、バンクとのイメージは良好。前回の松山記念でつかんだ確かな手応えを今シリーズでも形にする。
 「競輪祭まではワッキー(脇本雄太)フレームを使っていましたけど、前回の松山は自分のフレームに戻しました。フロントフォークも少し短くしてダッシュが良くなりましたね。前回初日はジャンカマシで2着。2日目は失敗しましたけど、3日目は別線が切った上を押さえてジャン先行。最終日は突っ張っり先行で残れましたし、先行のバリエーション的にも良かったと思います。基本はカマシ、まくりが得意なので引いてドンが理想ですけど、最近はどんな(初手の)並びになっても自分の力を発揮できる展開に持ち込めるようにって考えていますね。前回は1着を取れなかったけど、しっかりとラインで戦えたと思っているので今回も続けられるように」
 思うようにレースで本来の力を発揮できていない中井俊亮は、気持ちを切り替えて現状打破を狙っている。
 「直前は(三谷)竜生さんたちとしっかり練習してきました。ここ最近は調子的に悪くはないんですけどね。調子と成績がかみ合っていない感じですね。なので今回は来年につながるレースをしたい。広島の印象も悪くないですし、持ち味を出せるように頑張りたい」

11R

選手の写真です。
町田太我選手
 2年連続地元記念に出走する町田太我(写真)は、今年も決勝進出を目指して初日からフルスロットル。年末には大事なヤンググランプリも控えているが、まずは大事な地元シリーズで結果を求める。
 「今年も最低限、決勝には乗りたいですね。決勝に乗って松浦(悠士)さんと連係できるように。競輪祭が終わってからセッティングを色々と試しています。前回は2日間、3.83を使いましたけど、決勝は3.92に上げてみました。今回は競輪祭とギア比は同じで3.93ですけど、ギア板が違いますし、チェーンも換えました。中3日ですけど疲れは残っていないと思うので初日からしっかりと戦いたい」
 番手を回る池田良は11月当所での落車の影響が残っているが、大事な地元記念に向けてやれるだけのことはやってきており、あふれる気力でシリーズを戦い抜く。
 「前回がダメだったので、しっかり練習してきました。雰囲気は上がってきている感じですかね。初日は目標が良すぎるので追走に集中したいですね。今回の(シリーズの)目標はどこって決めずに一戦、一戦頑張るだけっすね」

12R

選手の写真です。
松浦悠士選手
 地元のエース松浦悠士(写真)が、シリーズをけん引。 今年の3月に行われた玉野記念in広島は新型コロナウイルスの影響で無観客開催。S級S班として初めて地元記念を走る喜びをかみ締めて4日間を戦い抜く。
 「本当に楽しみですね。去年はFIでも走りたかったですけどかなわなかったですし、玉野記念も無観客だった。やっとお客さんの前で走れるので。大幅にではないですけど、競輪祭からセッティングを換えました。直前に(清水)裕友がこっちに来ていたので一緒にモガいた。感触は良かったので、その感じで走れればって。グランプリもありますけど、ここに向けてしっかりと仕上げて、そのあともう少しプラスできればって思っています。お客さんの前で走ることが(グランプリの)壮行会になればって思っているのでしっかり戦いたい」
 前年度大会覇者の野原雅也も、相性良い地で存在感を示す。寬仁親王牌で自身初のGI決勝の舞台を経験しさらなる高みを目指している。
 「オールスターで古性(優作)さんが優勝したのを見て感動して、すごいなって。自分も頑張らないとなって気持ちの変化はありましたね。そのあと初めてGIの決勝に乗ってみて、レベルの違いというか、まだまだ足りない部分がわかったというか、まだまだタテ脚をつけないとなって思ったので、練習メニューを変えてトレーニングをできていると思います。連覇とかは意識せず、GIじゃなくても日ごろのレースが大事だと思うので一戦、一戦頑張りたい」
 獲得賞金ランキング8位で2年連続でグランプリ出場を決めた守澤太志。今シリーズは年末へ向けて弾みをつけたい大事なシリーズだろう。
 「(前々回)防府記念の最終日くらいからレース勘だったり、体と自転車の感覚は良くなってきていました。けど、前回の競輪祭が失格で迷惑を掛けてしまいましたし、自分的にも消化不良のまま終わってしまったので、今回は結果を出せるように。静岡のサイクルスポーツセンターで練習できるようになったので、直前は(渡邉)一成さんと一緒に練習をしていました。ここ最近は一成さんとうまく決められるようになってきた。踏み出しは強烈ですけどしっかりと付け切って自分の仕事ができるように」

1R

選手の写真です。
菊地圭尚選手
 残り2周過ぎにゆっくりと押さえにきた松川高大を篠原龍馬が叩いて先頭に。中団外まで追い上げた森川康輔が打鐘過ぎ2センターからカマシを敢行。正攻法の構えから引いてタイミングを計っていた佐々木悠葵が最終ホーム手前から一気の巻き返しに出ると、余裕を持って追走していた菊地圭尚(写真)がゴール寸前で鋭く伸びて白星スタート。
 「特に細かいところは考えてなくて、前を取って引いて行けるタイミングで行くだろうなと思っていた。展開が向いて、(最終)ホームで行ってくれてよかった。本来なら差せてないですよ。朝早いレースだったし、佐々木君はまだ起きてなかったんでしょう(笑)。流れのままレースをしてくれてよかった」
 ゴール寸前でわずかに失速してしまった佐々木悠葵は2着での予選突破となった。
 「自分が先行しやすいかなと思っていたんですけど、前がもがき合いになったので、見てから緩んだ所を仕掛けました。(最終)ホームぐらいから踏み出しました。立ちこぎはいいんですけど、シッティングがちょっと…。今回は分宿で、1レースはキツかったですね。アップ時間も限られてしまうので。明日以降も分宿の影響は出ると思うけど頑張ります」

2R

選手の写真です。
中村一将選手
 後ろ攻めから押さえた三登誉哲が山口敦也の上昇を許さず打鐘手前で先頭に立ってペースを落とす。冷静に戦況を見極めていた藤井栄二が師匠を連れて打鐘過ぎ3コーナーから反撃開始。番手の中村一将(写真)は大きく車間を空けながら後方に睨みを利かせると、3番手の位置から外を踏み込む三登を張りながら直線で鋭く交わした。
 「それぞれ前と後ろでしっかり仕事をしようって考えていました。焦ることなく様子を見ながら仕掛けてくれましたね。(藤井を)残すつもりでしたけど、問題なく踏めていましたし勝手に残っていましたね。自分自身も問題はないと思います」
 ライン2車でもひるむことなく迷わず駆けた藤井栄二が師匠の援護を受けて2着に粘り込んだ。
 「やっぱり師匠は特別な方なので、師匠の前を回るということをしっかり考えて自力を出そうと思っていました。車番が良くなかったのでできれば前の方から自力を出そうと思っていました。正直、感触は重くてそこまで良くなかったですけど、師匠が残してくれました」

3R

 号砲と共に磯島康祐が飛び出して北ラインが正攻法に構える。打鐘まで隊列に動きはなく、中団に陣取った片岡迪之が打鐘過ぎに車を持ち出す素振りを見せると、磯島が慌てて踏み込み主導権。再び中団に収まった片岡が車間を空けて間合いを取ると最終2センターから大外を踏み込み直線で突き抜けた。
 「単騎が多くてイメージしづらくて難しくなるかなと思ってたんですけど、北日本勢が前を取ってくれて展開が向きました。単騎で押さえにくれば、それに乗って先行、(鐘過ぎ)4コーナーカマシでもいいかなと思ったんですけど、踏み出しがバッチリ合ってしまったのでやめました。4番手だったし、仕掛ければいけると思っていた。仕掛けが遅くなってラインに迷惑を掛けましたね。感触がつかめてなくて半信半疑だったんですけど、明日以降は大丈夫だと思う。ペダリングを少し修正します」
 過去に何度も好連係を決めている同県の友定祐己が懸命に続いて2着をキープ。
 「(初手で)あの位置を取れたらいいなと思っていた。(片岡は)仕掛けてくれたけど、もう一個早く行ってくれれば室井(健一)さんとワンツースリーまで決まったと思う。(状態は)良くはないよね。セッティングも含めて変な感じがある」

4R

選手の写真です。
上野雅彦選手
 挑戦者の松田大が中団外で中四国ラインにフタをしてから打鐘で叩いて先頭に立つ。すかさず城幸弘が叩き返したが、上野雅彦がスピード良く巻き返して最終主導権。阿部拓真が西岡拓朗を掬い香川勢にスイッチして最終バックからまくり出たが池田憲昭が懸命にブロック。道中で連係を外していた五日市誠であったが最終2センターで阿部に付け直すと直線で鮮やかに前をのみ込んだ。
 「イメージというか理想は上野君ラインの後ろからでしたけど、けん制が入ったので阿部君は前からになったと思います。本当は連係を外さずに行ければ良かったんですけど、内から外から来られて踏めなくて引いてしまいました。あとは追っかけていってチャンスがあればって。阿部君が池田さんを乗り越えたのでいいかなって踏みました。踏んだ感じは良かったですね。前回よりも全然いいし、このリズムでいければ」
 長い直線にも負けず懸命に踏み直した上野雅彦(写真)が2着に粘り込み一次予選を突破した。
 「4分戦だったので切って切ってでそこですぐ叩こうと。あのタイミングじゃないと間に合わなかったと思うので良かったですね。出切ってからも脚を回せたしペースに入れて最後まで踏めました。(今回から使っている石原颯の)フレームの感じはすごくいいですね。。修正するとすればちょっとフタをされたときに引くか迷ってしまったのでそういうところですね」

5R

 高橋陽介が押さえた上を打鐘手前の3コーナーで瓜生崇智が叩いて先頭に踊り出る。ライン3車の吉本哲郎が打鐘から反撃に出ると瓜生はシビアに番手に飛び付く展開に。地元の意地ある今岡徹二が懸命に抵抗してみせたが、最終バックで番手を取り切った瓜生が単騎逃げとなった吉本をまくってゴール線を一番に駆け抜けた。
 「飛び付きは決め打ちではなかったです。最終バックを中団以内では回りたかったし。切ったときに吉本さんが来て、下げたら後手になりそうだったので飛び付いた。合志さんとは名古屋で失敗していたし、地元勢には申し訳ないですけど、その失敗を取り返したくて引けなかった。自力で1着を取れているし、名古屋の時よりは5点分くらい脚は上がっている。4コーナーを回って合志さんとゴール前勝負が目標だったしよかった。少しモコモコしていたし、踏み出しを少し修正したい」
 弟子をリードしてワンツーを狙った合志正臣であったが直線で伸びを欠く。熊本勢の真後ろにいた高橋陽介が直線外を強襲した。
 「スタートで前を取るよりも押さえて位置を取って組み立てたかった。本当は瓜生君のやったことをやりたかったですね。その辺は熊本勢に作戦で上回られた感じです。人の動きを見て対応できた。9車しか走ってこなかったし、やっぱりこっちの方がやりようがありますね。選手紹介の時から軽くて、ゴール前も伸びたし、思ったよりも調子は良いです」

6R

選手の写真です。
堤洋選手
 金澤竜二が後ろ攻めから押さえた上を阿竹智史が打鐘で叩いて主導権取り。最終ホーム手前から巻き返しを狙った菊池竣太朗の仕掛けを阿竹が見事に合わせ切ると、番手を回っていた堤洋(写真)が直線で鋭く交わした。
 「もう阿竹に全て任せていたので。1番車だったし好きに走ってくれればって思っていました。もう阿竹は粘り強いのを知っているので。ちょっと当たりたいところで菊池君に差し込まれてしまってもっていけなかったけど(阿竹が)自分でもっていってくれたので。全部やってくれましたね。なんか知らないけど自分が付くと長い距離を行ってくれるので。セッティングがマッチしてきて前回よりもいいですね」
 後方でまくりに構えることなく攻めの姿勢で若手を完封。ライン決着に導いた阿竹智史がしぶとく粘り込み2着に入線。
 「中団からだったら位置も取れるし、最悪逃げてもって思っていました。でもちょっと長かったので菊池君を見ながらでしたね。金澤(竜二)君も踏んだのでやめても仕方ないのでとりあえず出てからって感じで。あとはどこまで粘れるかって感じでしたけどきつかったですね」

7R

 幸田望夢、久島尚樹の順番で切った上を三好陽一が打鐘過ぎに叩いて先頭に立ったが、正攻法の構えから引いて態勢を整えていた鈴木陸来が後方からダッシュ良くカマシを敢行。踏み出しに離れかけた近藤保であったが冷静に付け直すと、後方からまくり上げてきた幸田を張りながら直線でシャープに抜け出して白星スタート。
 「後ろ攻めよりも前受けの方がいいと思っていた。他が切ってくれる選手でしたし、全引きする必要はなかったですね。ちゃんと自分がその辺をアドバイスしておくべきでした。(まくりを)本当は止め切れればよかったんですけど、技量不足です。2場所前の落車の影響はあるんですけど、脚自体は悪くない」
 近藤のブロックにも耐えて外々を踏み続けていた幸田望夢が欠場空けの不安を払拭して2着で予選を突破した。
 「車番が悪かったので、切ってから考えようと思っていました。後手踏んで焦っちゃったんですけど、鈴木さんの仕掛けが早かったので、まだいけるなと。ワクチン接種の副反応と、宇都宮バンクが使えない影響で不安要素しかなかったけど、バンクは軽かったし調子は良かった。押さえ先行をずっとやっていたんですけど、切ってから一回考えるスタイルに変えてから感じが良い。間違っていないなと思います」

8R

選手の写真です。
黒田淳選手
 初手で6番手に位置した高橋和也が、伊藤颯馬の上昇に合わせて動きインを切って待つ。伊藤が打鐘で叩いて先頭に立つと、藤田大輔が高橋の外まで追い上げて4番手の位置で併走に。伊藤颯が中団のもつれを尻目にペース駆けに持ち込んだが、月森亮輔を捨てて南関勢にスイッチしていた黒田淳(写真)が自らまくってゴール線を先頭で駆け抜けた。
 「ほかのみんなが脚を使っていましたし、僕だけサラ脚だったので。月森君は戦法的に前々に踏んでくれるので信頼していましたけど、ホームで詰まった所で外をいかれてしまったので邪魔をしないようにスイッチさせてもらいました。とりあえず行き切るようなら付いて行ってって感じでしたけど、あんな感じだったので行けそうだったし仕掛けました。余裕はありましたね」
 2着には伊藤颯をリードしていた大坪功一が外を張りながら直線で抜け出した。
 「(初手は)前でも良かったんですけどね。伊藤君は押さえて駆けるのが苦手だと思うんですけど、4番手を取り合う感じになったので。(黒田の)影は見えましたけどあれは止められないですね。藤田君の車輪もかかっていましたし。ちょっとスカスカした感じなのでちょっと修正します」

9R

 巴直也が後ろ攻めから押さえて先頭に立ち、池田勇人が中団へと追い上げて打鐘を迎える。人気を背負った島川将貴は7番手まで車を下げてじっくりと様子を窺う。中団で車間を空けた池田が最終バックからまくりを狙ったが、最終2コーナーですでに車を外に持ち出していた島川将貴が抜群のスピードで前団をまとめてのみ込んだ。
 「スタートは前からと思っていて、(巴が押さえてから)池田さんが切るかどうか様子を見て、切ったら追って行って叩く、切らなかったらカマシと思っていた。まくりの出自体はよかったんですけど、池田さんの蛇行でタイミングが狂った。バックで狂ってしまって、乗り方もバラバラになったんですけど、2センターくらいから自分の踏み方にできた」
 前団の煽りを受けて外に膨らんでしまった筒井敦史であったが、懸命に外を踏み込み2着をキープした。
 「赤板を過ぎてから、しまちゃん(島川)が何回も前と接触しそうになっていて心配して見ていた。巴君は96点の先行じゃなかったね。隙がなかったし、隙があればカマしていた。池田君の巧さもあったけど、それも想定内の作戦だった。久しぶりのしまちゃんとの連係で、珍しく緊張しましたよ」

10R

 正攻法に構えていた根田空史が赤板手前で誘導員との車間を空けると、後ろ攻めから上昇してきた小原周祐が押さえて先頭に立つ。中井俊亮が中団へと追い上げ、根田は冷静に6番手まで下げて打鐘を迎えたが、3コーナーを登りながらダッシュ良くスパート。番手の二藤元太は踏み出しで離れてしまったが、セーフティーリードを保ったまま一人でゴール線を悠々と通過した。
 「車番的に外枠だったので前か後ろしか取れないと思っていたので、だったら前の方が自分的にやりやすいかなって。前の流れ具合で踏んだら見ようと思いましたけど、緩んでいたので自分的にこのチャンスを逃したらきつくなると思っていきました。後ろを見ながら行ったんですけどすぐにいなくなっちゃったので。飛び付かれないように上の方を踏んだんですけどね。瞬間的な踏み出しは硬いフレームの方がいいですけど、後半の伸びは今回の柔らかいフレームの方が良いので4コーナーからの踏み直しはできたと思います」
 脚を使わずに、もつれる前団の状況を冷静に見極めていた中井俊亮が最終2センターから大外を踏み込んで2着に強襲。
 「初手は中団でしたね。(二藤が)離れていたのは見えましたけど、自分は間合いを取りたくてそこで入られてしまいましたね。自分だけ動いていなかったので余裕はありましたけど、前がもつれていたので見てしまいましたね。前回に比べて自転車の進みは良いので戦えると思います」

11R

選手の写真です。
町田太我選手
 断然の人気を背負った地元の町田太我(写真)が堂々と正攻法に構えて周回を重ねる。後ろ攻めから上昇してきた加賀山淳を赤板過ぎに突っ張ると、打鐘過ぎに自ら誘導員を降ろしてペースアップ。別線に手も足も出させることなくレースを支配して力強く押し切った。
 「もがき合う覚悟で、突っ張り先行と決めていました。マイペースで駆けられて、いい感じで先行できた。(赤板過ぎ2コーナーで)ペースを上げたけど、後ろを見て緩めるよりも自分のペースにした方が良いと思って踏んだ。2周先行して(池田)良さんに差されていないので仕上がっていると思います。疲れは問題ないですし、刺激が入っていい感じになると思う」
 地元同士の池田良は町田をリードして直線で逆転を狙ったが、4分の1車輪で届かずの2着まで。
 「4車なので、前を取ったら突っ張りだと思ってました。町田のおかげですね。仕事をすることもなく、しかも抜けずなので…。町田が仕上がっている。自分の調子自体は悪くないと思いますよ」

12R

選手の写真です。
松浦悠士選手
 山田庸平が後ろ攻めから上昇してきて赤板過ぎに誘導員を降ろして先頭に立つと、松浦悠士(写真)が俊敏に反応して切って待つ。別線の動きを見ていた渡邉一成が打鐘で叩いて出たが、正攻法の構えから引いて態勢を整えていた野原雅也がその上をさらに叩いて先行態勢に。6番手に置かれた松浦は最終ホーム手前から一気に巻き返しに出たが守澤太志と接触してスピードが鈍る。守澤と芦澤大輔の2名が落車するアクシデントにも落ち着いて対応して4番手の位置で態勢を整え直した松浦が渡邉と村上博幸の間を鋭く突き抜けてゴール線を駆け抜けた。
 「ちょっと前がいいなっていうのはあったんですけど、前から2番目でも野原君と一成さんが仕掛けるだろうから位置を取ってもいいかなって思いました。一成さんが駆ければ中団ですし、駆けなければ4コーナーから行こうと思っていました。ちょっとスピードが違ったので跳ねる感じになってしまいましたね。感触的に太ももに当たってしまったんだと思います。接触でスピードがダウンしたので休みましたけど、かなり出は良かったですね。そのまま行ければ良かったですけど、事故レースで喜べないですけど脚はバッチリですね」
 松浦にこそ伸び負けた村上博幸ではあったが、野原を巧みにリードしながら渡邉を張って抜け出し2着に強襲。
 「野原君が前からになったので何も言うことなく任せる感じになりましたね。前に付いた時よりもペース配分が変わっていたので成長していますね。追走するのに集中していました。直線でこられてしまったので。苦しくはなかったですけど、ちょっと行き過ぎて内から行かれる可能性があったのでそこは反省点ですね。松浦君か守澤君かは分からなかったけど伸びるコースをいかれてしまったのであそこは仕方ないですね。今日の感触は凄く良かったと思います」
 和田健太郎は松浦の強烈な踏み出しに離れながらも落車を避けて態勢を整えると、松浦との車間を詰めながら追い込み3着に入線した。
 「今回は新車にしたんですけど3.93ギアが合っていないのか、踏んだ感触が良くなかったですね。ちょっとフレームを換えるかギアを換えるか考えます。離れておいてなんですけど、そのあとはそんなに苦しくはなかったので、松浦君もまだ余裕がありそうでしたし付け直してって感じでしたね。2着まで行きたかったですけど、さすが村上さんですね。明日までになにかしら変えて対応したい」

6R

選手の写真です。
友定祐己選手
 赤板過ぎに押さえた藤田大輔を瓜生崇智が叩いて先頭に立って、流しながら後方をうかがう。正攻法の構えから引いて態勢を整えていた野原雅也は打鐘過ぎ2センターからダッシュ良く反撃開始。瓜生の飛び付きを警戒してか上バンクを走りながらラインで出切れるように後ろを確認しながら最終主導権を握ると、番手で絶好展開が訪れた友定祐己(写真)がゴール寸前で野原を交わして久々の白星。  
 「野原君が気を使って行ってくれましたね。千切らないように。点数的にも野原君が上だったので任せていました。飛び付けないように上を走ってくれたし、タイミングも良かったですね。2センターでは差せないと思いましたけど、最後は野原君がタレて来た感じですね」
 ゴール寸前でわずかに末を欠いた野原雅也は冷静にレースを振り返りながら修正ポイントを整理する。
 「今日はもう前を取って下げて行ける所からって思っていました。(瓜生の飛び付きも)あるかなって思っていました。でも自分はしっかり仕掛けるだけだったので。最後は余裕がなかったですね。セッティングを昨日と換えたんですけどちょっと重かったのでもうちょっと修正します」

7R

選手の写真です。
山田庸平選手
 後ろ攻めから上野雅彦、中団から山田庸平が赤板手前から上昇すると、正攻法に構えていた佐々木悠葵が誘導員を降ろして先頭に立つ。外に浮かされる形となった上野が態勢を整え直して打鐘から叩きに出るも、佐々木も合わせて踏み込みもがき合いに。後方で戦況を見極めていた山田庸平(写真)が最終バックからシャープにまくってゴール線を先頭で駆け抜けた。
 「佐々木君が前を取るか取らないかで変わってくるので(初手は)前受けか中団で作戦を考えていた。でも作戦にない展開だったので、内に行くか外に行くか迷って仕掛けが遅れました。踏んだ感じとか、脚の入りは良かったし、進みもまくった後の伸びも良かったですね。厳しい展開になると思っていたし、ホッとしています」
 山田のまくりにピタリと続いた大坪功一が2着に入線。二車単の一番人気に応える九州ワンツー。
 「佐々木君が下げると思ったら踏んで、展開が向きましたね。(最終)ホームくらいから緩んでいて、(山田)庸平も構えていたから、後ろでタイミングを取っていた。今日は差せん。強くなっている。踏み出してから伸びているし強かった。出脚で口が空いたので修正します」

8R

選手の写真です。
山中貴雄選手
 地元の三登誉哲が押さえた上を伊藤颯馬が叩いて先頭に踊り出る。打鐘手前から車を外に持ち出した鈴木陸来の気配を察知すると力いっぱい踏み込み気迫の主導権取り。ひるんだ鈴木は江守昇に迎え入れられて中団に収まったが、最終2コーナーから再び反撃に。伊藤をリードしていた中本匠栄は止め切れず、伊藤と鈴木で力勝負かに思われたが、後方で脚をためていた三登がイエローライン付近を踏み込み、さらにその外を山中貴雄(写真)が鮮やかに突き抜けた。
 「とりあえず後ろから押さえてって感じであとは任せていました。バックで前を見た時は遠いかなって感じでしたけど、踏み出した感じで届くかなって。でも内に強い人がいたので三登君は届いても自分は4、5かもって思ったので4コーナーからしっかり踏みました。調子は悪くなかったので。最近は展開が向かないことが多くて。でも今日は1着を取れたので」
 地元バンクの特性を知る三登誉哲は後方に置かれても焦ることなく、冷静にチャンスをうかがって迷わず外を踏み込んだ。
 「ちょっと組み立てが悪かったですね。4番手から行けていればラインで決まったと思うので。今日は後ろから一回切ってどっちが来る感じで見てからと思っていましたけど。3コーナー手前から一番伸びるコースを踏ませてもらいました。昨日よりもちょっと良くなりましたね。疲れが抜けたというか。決勝に乗りたいので明日も頑張ります」

9R

選手の写真です。
島川将貴選手
 ライン4車の先頭を任された渡邉一成が正攻法に構え、赤板手前から上昇してきた幸田望夢を突っ張りそのまま主導権取りへ。ひるんだ幸田がズルズルと車を下げ始めると、島川将貴(写真)は内をすくって5番手の位置をキープ。空けた車間を詰める勢いで最終バックからまくり上げると、菊地圭尚のブロックを乗り越えて連勝ゴール。
 「(渡邉)一成さんがどれだけ踏んで幸田君を出させるのか分からず、様子を見ていたら幸田君が下げたのが分かったので内を踏んでいた。5番手で立て直して、登りで菊地さんのブロックを受けないように仕掛けを遅らせた。遅らせたんですけど、合っちゃいましたね。落ち着いて走れたんですけど、後ろにはバックを踏ませてしまった迷惑を掛けた。今日の方が車の出は良かったですね。先行できていないので何とも言えないが、展開が向いているんでしょう」
 あおりを受けて島川との車間が空いてしまった阿竹智史であったが、懸命に外を踏み込み2着をキープ。
 「初手は中団から。一成さんのラインが強いのでそこを意識した組み立てをしてくれた。幸田君の押さえ方が甘かったし(突っ張りも)あるかなと思っていた。島川の仕掛けは早いので2ーナーでもいく気配があったし最後まで踏んでいて強かった。自分は物足りなさと、正直疲れがある」

10R

選手の写真です。
和田健太郎選手
 後ろ攻めから上昇の片岡迪之が誘導員を降ろして先頭に立って流す。5番手の位置で不気味に車間を空けて様子をうかがう阿部拓真の動きを見ながら、根田空史は大外を踏み込み一気のスパート。番手の和田健太郎(写真)まではしっかりと出切れたが、3番手の藤原憲征の位置に阿部が飛び付きさばき切る。後方からの巻き返しは一切なく、余裕を持って車間を空けながら根田をリードした和田がちょうど1車輪交わしたところがゴール線。
 「今日は取れた位置からって感じでしたけど、メンバー的にも根田君の先行力が一番あるし、前を取らされることも考えていましたけど、一番いい位置になりましたね。一個(のラインを)見送ってって感じで落ち着いて行ってくれましたし、自分は阿部君の動きを見ながらでしたね。藤原さんはきついだろうなって。ちょっと空きながら(阿部が)追いかけてきているのが見えたので。結局、今日は自転車は換えずにギアだけ3.92に変えただけですね。昨日と今日で展開は違うのでなんとも言えないですけど良かったと思います」
 連日の逃走劇で好調をアピールしている根田空史が懸命に踏み直して2着で準決への切符を手にした。
 「想定通りの流れになったのでタイミングだけみていくだけでした。阿部君が飛び付く作戦なんだろうなって頭にあったので外々を踏みながらいきました。ペースに入れていたんですけど、ちょっと踏み直しが重く感じましたね。2日間とも1周半くらい行って粘れているので、前回の松山で準決勝に上がれなかったのでその分も頑張りたい」

11R

選手の写真です。
飯野祐太選手
 後ろ攻めを選択した中井俊亮が青板周回のバック付近で上昇して中団外まで追い上げると、初手で中団に構えていた町田太我は迷わず車を下げる。赤板手前で中団に収まった中井が叩きに動いたが、正攻法に構えていた飯野祐太が合わせて踏み込み主導権を譲らない。中井は再び打鐘で巻き返しを狙ったが車は思うように進まず外に浮いてしまう。前団の動きを冷静に見ていた町田だが4コーナーの下りを使ってロングスパート。番手の筒井敦史が離れてしまうほどのスピードで後続を5車身も千切ってゴール線を駆け抜けた。
 「フタをされるのが嫌だったので早めに下げました。中井さん達が脚を使ってくれて仕掛けられた。中井さんが浮いたのが見えたけど、自分はバックを取るスタイルの競走でやっているしあそこで仕掛けないとバックは取れないと思って仕掛けた。後ろが離れたのが分かったので目一杯踏みました。感じは良かったですね。初日よりもモガいた距離が短いし、最後まで踏み切れている」
 新鋭の町田を相手にも臆することなく2周駆けに出た飯野祐太(写真)が高橋陽介の援護を受けて2着に踏みとどまった。
 「中井君のことは一回突っ張ろうと決めていました。レースは全体的に見えていましたね。町田君を突っ張るか、突っ張り切れなければ合った所に飛び付こうと思っていた。正直2周踏んで残れるとは思っていなかったので、やった方ですよ。初日よりも2日目の方が断然良かったですね」

12R

選手の写真です。
松浦悠士選手
 地元の絶対的エース松浦悠士(写真)が正攻法に構えて別線の動向に睨みを利かせる。赤板手前で上昇を狙った磯島康祐に脚を使わせるように踏みながら出させると、その上を藤井栄二が叩いて打鐘から先制。7番手まで下げた松浦は前と空けた車間を詰める勢いで2センター付近から反撃開始。最終2コーナーで北野武史のブロックを避けると懸命に逃げて抵抗する藤井を力ずくでねじ伏せてゴール線へ一番乗り。
 「前を取って引いて行ける所からでしたけど、(打鐘過ぎの)3コーナーから4コーナーにかけて仕掛けられればって感じでした。ちょっと昨日は目いっぱいいったんですけど、今日は7、8割で行ったらスピードの乗りが良くなかったですね。藤井君が強かったのもありますけど、自分的には行けるなって手応えはあったんですけどね。後ろまで出切るまでしっかり踏もうと思っていました。バンクコンディションもありますけど、昨日の方が軽かったですね。疲れもあると思うのでしっかりとケアをしたい」
 松浦を番手でリードしていた池田良は追走で一杯となり、3番手で脚をためていた黒田淳が直線で外を鋭く差し込み2着に強襲。
 「松浦君のいつものレースって感じだったので、おそらくあの辺りから行くんだろうなって集中していました。あおりもあったのでたくさん山を登った感じですけど、しっかりと最後も踏めたので悪くないと思います。ちょっと3コーナーはきつかったですけど必死に踏みました」

10R

選手の写真です。
阿部拓真選手
選手の写真です。
三登誉哲選手
 号砲と共に村上博幸が勢い良く飛び出したが、周りを見ながら車を下げるとその後ろにいた島川将貴が誘導員を追いかけ、初手は正攻法に構える。前中団に阿部拓真-高橋陽介の北勢が陣取り、その後ろに野原雅也-村上博幸の近畿勢が続いて、地元の三登誉哲は後ろ攻めを選択。赤板手前から三登が上昇を始めると、野原が中国ラインを追い掛けながら上昇して島川に睨みを利かせる。阿部が内へスルスルっと潜り込んだが、打鐘で車を下げて4番手に構える。腹をくくった三登が打鐘過ぎ4コーナーから一気にペースアップ。6番手の位置で車間を空けていた野原が最終バックからまくり上げたが、気配を察知した阿部拓真(写真)が2センターから合わせて踏み込み直線で突き抜けた。
 「最初、村上さんがスタートで出たので理想の並びになったと思ったけど、変わったので。この並びだと順番通りになると自分が先行になると思ったので切って野原君を出させるか、内から行って野原君を待とうと思ったけど、泳がされるのが嫌だったので。とっさの判断でしたけど紙一重のレースでしたね。自分に展開が向いてくれた。野原君が見えてたので態勢は整っていなかったですけど、なんとか届いて良かったです」
 阿部の強襲にこそ屈した三登誉哲(写真)であったが、友定祐己の援護を背に懸命に踏み直して自身初となるGIII決勝の舞台にたどり着いた。
 「今日はもう後ろからって決めていて、一回切って動きを見ながらって思っていました。後ろを見たら見合っていたのでラッキーって。踏んで一本棒にしようと思ってジャン前くらいから踏みました。自分だけラインも長いし後ろがブロックしてくれているのが見えたので後ろの先輩のおかげですね。デキすぎですね(笑)。このメンバーで残れたので自信になりますね」
 人気を背負っていた野原雅也は阿部に合わされてしまい、前団の煽りもあって直線で外を踏み込むも3着まで。大会連覇を目指して決勝進出を果たしたが、悔しさを噛み締める。
 「阿部さんの動きだけイメージになくてそれ以外は頭にありました。まくり切れなかったのは不甲斐ないですね。ある程度、まくりになることは想定していたのに。脚は悪くないと思うんですけど、よくもないですね。セッティングは定まったと思うので、しっかりと体のケアをして決勝は頑張りたいですね」

11R

選手の写真です。
大坪功一選手
選手の写真です。
阿竹智史選手
 後ろ攻めから上昇してきた伊藤颯馬が、誘導員との車間を空けて待ち構える根田空史を押さえて赤板過ぎに先頭に立つ。阿竹智史が中団に追い上げて打鐘が鳴る。7番手まで下げた根田だったが、打鐘過ぎ4コーナーの下りを使ってカマシを敢行して激しいもがき合いに。後方で戦況を見極めていた阿竹が最終2コーナーからまくり上げたが、根田をリードしていた和田健太郎が内で粘る伊藤を警戒しながら4コーナーから外を踏み込むと、伊藤の番手で脚をためていた大坪功一(写真)が根田と和田の間を鮮やかに突き抜けた。
 「(伊藤)颯馬は慌てずに自分のペースで駆けてくれた。仕事をしたかったけど、気持ちの弱さが出ました。最後は、コースが空いてくれたし、待って待って踏んだので伸びないかなと思ったけど伸びてくれましたね。状態は問題ない。自転車も全くいじらずにいきます」 
 前で懸命に踏み続ける根田を庇い気味に追い込んだ和田健太郎は直線で大坪に伸び負けての2着。
 「前受けが良いってことで取りに行きました。根田君はカマシの方がやりやすいと思っていた。基本的に(伊藤との)二分戦だと思っていたし、伊藤君も出させないつもりで踏むだろうから踏み合うとは思っていた。でも結構、抵抗されてしまいましたね。内も気にしながら、外も視野にいれていました。残し気味に踏んだんですけど、(近藤)保がいないのは分からなくて、内を来られてしまった。昨日(2日目)から特に変えていないけど良くなっている」
 阿竹智史(写真)は煽りを受けながらで、外々を踏まされながらもしぶとく踏み続けて3着で決勝進出。
 「理想の形になって、伊藤君がピッチを上げるのか根田君のカマシを待つのか見て。根田君を追って行ってすかさず行きたかったけど、(三宅)伸さんと接触してスピードが全部死にましたね。あとは外にへばりついて。状態は変わらず良くはない。展開が良かったです」

12R

選手の写真です。
松浦悠士選手
選手の写真です。
池田良選手
 充実ラインを形成した地元3車が正攻法に構える。後ろ攻めとなった山田庸平は町田太我の突っ張り策を警戒し、青板周回から上昇を開始して町田と併走。赤板過ぎギリギリのラインで踏み出して押さえてペースを落とす。中団まで追い上げた飯野祐太が打鐘から山田を叩いて先頭に立ったが、町田が2センターから抜群のスピードで一気のカマシを敢行。最終ホーム付近ではライン3車で出切ってしまうと、余裕を持って車間を空けて町田をリードしていた松浦悠士(写真)がゴール寸前で捕らえて3連勝で決勝へ駒を進めた。
 「ワンツースリーが決まって良かったです。明日はこれ以上の歓声を聞きたいですね。もう今日は前でカマシかなって思っていたので。飯野さんが叩くのも想定内でしたけど、町田君の反応が良くて口が空いてしまいました。昨日(の町田は)はちょっと迷っている感じがあったので、迷わずいけば大丈夫だよって走る前に声をかけました。踏み出しも凄かったですけど、いいサポートができたと思います。今日は初日と同じ感じでいけたので良かったですね。気持ちも日に日に高ぶってきていますね」
 ライン決着に導く積極策を披露した町田太我も確かな手応えをつかんで2年連続2回目の決勝進出を決めた。
 「デビューしてから今までの中で一番緊張しました。今日はもう前からで、緩めに来れば突っ張ろう思っていましたけど早めに来たので出させました。飯野さんが行ったので仕掛けやすくなりましたね。感触はすごく良かったです。押し切れるかなって思ったんですけど、まだまだ甘かったですね。でもラインで決まったのが嬉しいですね」
 ライン3番手を固めた池田良(写真)は前の2人に遅れを取るまいと必死にペダルを踏み込み2年ぶりとなる地元記念の決勝へとこぎつけた。
 「町田とマツ(松浦)に感謝ですね。もう全部任せていたので。昨日の脚じゃ勝負にならないと思ったので、今節はシューズを試していたんですけど、戻したら雰囲気がここまでで一番良かったですね。前2人のおかげですけど、とりあえず良かった。もうなにも変えずこのままいこうと思います」