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ひらつか競輪

HIRATSUKA KEIRIN

35#

検車場レポート

  • 9/29 Wed.  (前検日)
  • 9/30 Thu.  (1日目)
  • 10/2 Sat.  (2日目)
  • 10/3 Sun.  (3日目)

1R

 近藤龍徳は前回の和歌山FI最終日に久々に勝ち星を挙げたものの、近況の感触からは強気にはなれない。
 「感触は良くないですね。セッティングをいじったりしているわけではなく、自分の感覚の問題ですね。(中5日で)欲を言えば日数が欲しかった。できることはやってきたけど、あんまり上積みはないです」
 前回の和歌山FIの初日に区切りの200勝を遂げた北村信明は、決勝にもコマを進めてリズムも悪くない。
 「(200勝は)なかなか足踏み状態だったんで良かったです。(前回は)良くも悪くもない感じでした。そこから普通に練習をしてきました」

2R

 共同通信社杯の初日に失格を喫した渡部哲男だが、直前の練習で上々の手応えを得ているようで、格上のさばきと差し脚に期待したい。
 「(前回から)そこまで空いてたわけではないけど、しっかりと練習ができたと思います。(3連対の前々回の小田原記念は)数字ほど感じが良かったわけではない。流れが良かっただけです。ただ、直前の(練習での)感触は良かった。最近の流れで調子が良かったと言っても、説得力がないんであとは数字を見て判断してもらいたいですね」
 前回の伊東FIの325着も含めて近況も安定した成績を残している柴田洋輔は、落ち着いた口調でこう言う。
 「混戦になったらいいですね。(機動タイプに)すんなり逃げられちゃうと困っちゃうけど、混戦なら突っ込めるかなっていうのがある。中5日なんでそこまで練習はしないで、調整をしてきました」

3R

 菅田壱道は前回の伊東FIで4月の四日市FI以来の優出。力があるだけにキッカケをつかむとV争いにも加われる存在だ。
 「底は脱したかなっていうのはある。徐々に上向きで手応えも感じてます。良くない状態が半年以上続いて、メンタルがやられたところもあるけど、なんとか耐えている。怪我も完治してバランスも整えて、あとはいい状態でトレーニングを積めればっていうのがあります」
 前回の共同通信社杯を8523着。大槻寛徳はシリーズ後半にようやく本来の動きを取り戻しつつあった。
 「(前回は)初日はちょっと悪かったけど、日に日に良くなってきました。それから練習もしっかりやってきたし、全然戦える感じがします」

4R

選手の写真です。
大石剣士選手
 近況はコンスタントに勝ち星を挙げていた大石剣士(写真)だったが、前回の共同通信社杯は3594着。自身も競走内容に納得がいってないようだ。
 「調子的にはそんなに悪いわけじゃなかったけど、反省点が多かった。終わってからは、少し休んでからいつも通り練習をしてきました。前回より今回の方が(練習の感触が)良かったです」
 前々回の富山124着、前回の西武園116着とFIで成績を残している桐山敬太郎が上昇カーブを描いている。
 「いろいろ悩んで試したけど、結局、昔のセッティングに戻して3場所くらい走ってます。やっぱりそれがベストだなと。(前回からは)体調も崩さずにやってきました。(郡司)浩平もいますし、(ホームバンクでの記念にそこまで)プレッシャーを感じることもなく走れると思います」

5R

 山口敦也は、同県の先輩、荒井崇博とのタッグでラインの先頭を務める。
 「荒井さんは同門の先輩になります。連係は初めてなんで緊張しますね。(高知、久留米と)開催が中止になって残念でしたけど、そのぶんしっかりと練習ができました」
 前々回の松阪記念1226着、前回の宇都宮FIが251着と、木暮安由にいいころの動きが戻ってきた。
 「だんだんとかみ合ってきた。負け戦だけど1着も取れて、(自分の状態と)成績が比例してきた。少しずつですけど、良くなってきている」

6R

選手の写真です。
松坂洋平選手
 1レースの松坂侑亮と兄弟でホーム記念に臨む松坂洋平(写真)は、前回の共同通信社杯を9711着。連勝でシリーズを終えて、弾みをつけた。
 「ここに向けてやってきたし、(前回の感触とかは)問題ない。体調も崩してないし、(初日は)後ろを2人が固めてくれるので、3人で決まるように頑張ります」
 萩原孝之は前々回の岸和田FIで一昨年の7月以来の優勝。前回の伊東FIでも124着と優出を遂げて成績をまとめた。
 「体調も良かったし、伊東は流れも良かった。感触もいい時に近づいてきた。ちょっとその前が悪すぎました。そのあとは普通に練習をしてきました」

7R

選手の写真です。
野田源一選手
 共同通信社杯で一次予選敗退の野田源一(写真)だったが、2日目以降は3連勝。まだまだビッグで戦える手応えを得た。
 「負け戦ですけど、きっちり1着が取れた。久しぶりのビッグでの1着はうれしかったし、そのあとの練習にも気持ちが入りました。(11月に)競輪祭があるんで、そこに向けてやっている。(前回のあとは)体調を整えながら、練習をやってきました」
 大塚健一郎は久々だった前回の松山FIを125着。
 「骨盤を折って1場所走ったら、練習とレースの感じが違った。歪みとかも出てきたり、古傷とかも…。うまく調整できなかった。年齢を重ねているし、思った通りにはいかない部分もある。(初日は)ゲン(野田)に頑張ってもらいます」

8R

選手の写真です。
小林泰正選手
 前回の共同通信社杯の最終日に落車に見舞われた小林泰正(写真)の状態はどうか。
 「擦過傷と打撲だけで済んだので、体の方は問題ない。自転車も大丈夫だったけど、(今回は)違う自転車を持ってきました。去年使っていたフレームなんですけど、その時も調子は悪くなかった。(前回のフレームで)レースの組み立てとかが変わったんで、そこがどうかなっていうのがあります」
 近況勝ち星が遠ざかっている中田健太だが、相変わらずソツなく成績をまとめている。
 「(前回は)ここ最近のなかじゃ一番良かった。そこから中5日だったんで、2日間くらい強めに練習をやってきました。(小林)泰正君は地脚なんで、それを生かした競走をやってくれるし、(初日も)そうやってればいいかなと思ってます」

9R

 このメンバーでは格上の存在の小松崎大地は、前回の共同通信社杯3938着をこう振り返る。
 「得るものもありましたし、車体故障とかもあって不運なところもあった。それで消化不良だった。(初日の展開は)細切れで予想しづらいけど、しっかりと立ち回っていきたい」
 竹内智彦は前回の共同通信社杯5482着を踏まえて淡々としたもの。
 「感触も良かった。あとは展開次第ですかね。調子はいいんで大丈夫。練習もいつも通りやってきたんで、あとは精いっぱい頑張ります」

10R

選手の写真です。
森田優弥選手
 森田優弥(写真)は前回の共同通信社杯から自転車を変更して変わり身がありそうだ。
 「前回のフレームは重くて掛かり切らなかった。それで戻します。前回使っていたのよりも、サイズ的には詰まっています。練習はいつも通りやってきたし、体調も問題ないです」
 芦澤辰弘との兄弟タッグで前回の共同通信社杯の準決の権利をつかみとった芦澤大輔は、気持ちをリセットして今シリーズを迎える。
 「(前回は)すごいいい思いをさせてもらった。共同通信社杯に出る権利も神山拓弥が先行してくれたもの。弟(辰弘)もそうだけど、みなさんに助けられた。準決、最終日は重くて進まなかった。(今回も)しっかりと気合が入っている」

11R

選手の写真です。
園田匠選手
 園田匠(写真)は、前々回の松阪記念準Vとさすがの差し脚を見せている。
 「寬仁親王牌もあるし、(15年にタイトルを獲った)久しぶりの弥彦なんで、そっちを目指している。その前に(ここで)9車立ての競輪を走れるので、レース勘を取り戻したい」
 小川真太郎は、前回の共同通信社杯での動きが一息だった。相性のいい平塚で巻き返しが期待できる。
 「(前回は)人の後ろだったりして、感じもよくわからなかった。今回は前回よりはいいと思います。ここ(平塚)は一番優勝しているバンクだと思う。なにかが合っているのかなと」

12R

選手の写真です。
古性優作選手
 オールスター以来となる古性優作(写真)。そのオールスターでは脇本雄太とのタッグから念願のタイトルを奪取した。
 「(前回から)10日間くらいはしっかりと練習してきました。筋肉の締まりがあんまり良くない。レースでほぐしながら戻していけたらと思ってます。(オールスターは)近畿の先輩、後輩、ファンのみなさんのおかげで優勝できた。これからも(タイトルホルダーに)恥じない走りをしていきたい」
 東京五輪直後にオールスターに参戦した新田祐大は、そこから4場所を消化。さすがのパワーとスピードを見せてはいるが、優勝には結びついていない。
 「(失格もあったりこの4場所は)いろいろ激しいですけど、いろいろ試してみたいなってこともある。(配分が)詰まっていて、(いろいろできる)機会がある。あとは体だけ怪我だけしなければ、レースでチャレンジできるんでそこはいいですね」
 昨年のグランプリ以来、郡司浩平が地元の平塚に登場する。
 「前々回よりも前回の方が良かった。今回もしっかりと(練習が)できたんで上積みがあると思う。自力であればしっかりと自力を出せるように。まずはしっかりと勝ち上がってと思ってます」

1R

選手の写真です。
木村幸希選手
 中部勢に併せ込んでから踏んだ松坂侑亮が、赤板2コーナーで出て先行態勢を取る。単騎の千澤大輔が続いて、木村幸希(写真)は4番手を確保する。6番手の川口聖二は動けず、そのまま松坂がペースを上げて逃げる。最終2コーナーからまくった木村が、藤田大輔のけん制を乗り越えて1着。
 「(初手の位置は)取れたら前でと思ってました。(松坂が川口に)フタをしてくれって思ってたら願い通りになった。前回に続いて運が良かったです。練習もいい感じだったし、(初日の感じも)前回よりいいかもしれないですね」
 6番手に置かれて仕掛けられなかった川口聖二は、直線で外を伸びたものの反省する。
 「(最終1コーナーの)あそこで詰まったんですけど、自転車の引っ掛かりがなくてスカスカした。木村さんが行ったところの上を行けたらと思ったけど。北村(信明)さんがからまれているのを見ちゃいました。近藤(龍徳)さんが1レース1番車っていうなかで、僕が不甲斐ないレースをしてしまった」

2R

選手の写真です。
渡部哲男選手
 打鐘手前で3車で出切った伊藤旭ラインの主導権。三好恵一郎が中団に入り、7番手の荻原尚人は4コーナーから巻き返す。逃げる伊藤もペースを上げて、最終1センターで番手の渡部哲男(写真)が荻原をけん制する。2コーナーから三好がインを進出して、最後は伊藤まですくって抜け出す。が、伊藤マークから外を追い込んだ渡部哲男が三好をとらえて1着。
 「初めて付く選手だったので、戸惑いもありましたね。(伊藤は)出てからは落ち着いて駆けてくれましたけど、荻原君が結構いいスピードで来た。それでカントを使って前に踏みながら、もっていったので内に来るだろうなっていうのはわかっていたから対処できました。最後ちょっと5番(三好)の選手に前に出られて焦りましたけど、しっかりと追い込めました」
 中団で包まれていた三好恵一郎は、内に活路を見出して2着に入った。
 「柴田(洋輔)さんが落車してしまったし素直には喜べないですね。落ち着いてコースは踏めましたけど、正直感じはわからなかった」

3R

 赤板2コーナーから染谷幸喜が踏み込むと3番手の高木隆弘が離れる。中団の菅田壱道が反応良く2車の南関勢を追いかけて襲い掛かる。主導権を奪った染谷を最終2コーナー手前で菅田がとらえる。踏み出しに遅れ気味だった大槻寛徳だったが、最後はきっちりと菅田のロングまくりを差し切った。
 「(菅田は)自分の想像以上のレースをしてくれた。構えると思って、半信半疑で見ちゃいました。あと1周のところまでは空いちゃったんで、そこは反省点ですね。(菅田は)いい時の動きをしてたんで、自分がビックリしてしまった。(差すのは)問題ないけど、追走のところですね。新田(祐大)君に付くには、あそこで離れてしまったら…。そこは意識してやっていかないと」
 染谷のマイペースを許さず俊敏な立ち回りを見せた菅田壱道が、復調の手応えを感じている。
 「松尾(勇吾)君のところを見ながら、(中団が)空いてなかった。それでバックを踏むくらいなら踏んじゃえって思った。底を脱したし、自分でも手応えがある。位置にこだわらず、詰まったところで仕掛けようって。いい時の動きに近い感じです。最近、手応えがあるなかで、この動きができたのは自信になる」

4R

選手の写真です。
吉本卓仁選手
 赤板過ぎに切った北野良栄が流すところを叩いて吉本卓仁(写真)が打鐘から主導権を奪う。6番手に下げた大石剣士が2センターから反撃にいくと、吉本もペースアップ。北野のけん制を乗り越えた大石はいったん、福岡勢の後位に入ってから、最終2コーナーで再度仕掛けるが、吉本も懸命に合わせて出させない。結局、最後まで力強く踏み切った吉本が勝利を収めた。
 「あんなすんなりと叩けるとは思っていなかったので、出てからはある程度、腹はくくっていました。必死でしたけどこれ以上、上がらないくらいって感じのスピードまで上げて、そこからペースで踏めました。最後はうまく大石君が引っかかったので粘れたと思う。前回まで北津留(翼)仕様のセッティングにしていたけど、今回からセッティングを自分流に変えて感じは良かった」
 2着争いは坂本亮馬、大石、桐山敬太郎で横一線となるも、桐山が外を伸びて地元で意地の2着を確保。
 「緊張感はありますけど、いつもより楽に走れている。大石君にすべて任せていましたけど、もうすこしアドバイスをしてあげたほうが良かったかなって。落ち着いて回りを見ながら走れているし余裕はありました。最低限の着は取れたので」

5R

選手の写真です。
木暮安由選手
 押さえて出た山口敦也が流したところを朝倉智仁が出て打鐘の3コーナーで主導権を握る。地元の武田憲祐まで3車が出切り、一本棒で最終ホームを通過する。山口のまくりを止めた木暮安由(写真)が、逃げる朝倉を交わして1着。
 「あの展開は朝倉君の力だと思います。(山口に)1回、はね返されたけど、止まったんで仕事はできたかなと。自分としてはだんだんとかみ合ってきたんじゃないかと思います」
 山口に抵抗されずに主導権を握った朝倉智仁は、ラインを上位独占に導いて2着に粘り込んだ。
 「(山口が)流してたんで、そこをしっかりと叩けたんで良かった。絶好調っていうわけじゃない気がします。正直、(前回の)宇都宮ほどの感じはしないですね」

6R

 堀僚介、古屋琢晶の順で切るが、前受けから引いた松坂洋平はジャンで行きかけてやめ、ライン2車にも古屋が先行していく。最終2コーナーからの堀のまくりは杉本正隆がブロックして止めてしまう。そのまま直線半ばまで古屋を使った杉本が、迫る後続との間合いを図りながら抜け出して先頭でゴール。
 「スタートの位置だけ決めてあとは流れって感じでした。(前回の共同通信社杯が)みんな強かったのでいい勉強になりましたね。最後に差し込んでしまってヤバいって思ったんですけど。ちょっと重たい感じもしますけど、1着を取れたので悪くないと思います」
 最終バック6番手から踏み出した松坂洋平は、まくり不発の堀が膨れて大外を回される不利を受けて2着まで。
 「ちょっと気持ちが入りすぎてしまって…。緊張しすぎていつもなら行くところで見てしまった。後ろに申し訳なかったですね。今日(初日)は前か中団で、前なら踏ませて出させるつもりでしたけど、踏ませることもできず下がってしまった。ダメですね。(最後にあおりもあったが)それ以前の問題ですね。脚は悪くないですけど要所で行けなかったし甘かったです」

7R

 福島コンビを受けた野田源一が、3番手をキープして打鐘を迎える。7番手から巻き返した城戸俊潔に三宅伸は連結を外して、1人の城戸を見送った野田が最終2コーナー過ぎからまくって人気に応えた。
 「自分のまくりをどこで出すかってことだけを考えていた。いい位置が取れたし、なんとか落ち着いてレースをすることができました。僕が外にはずせば(寺沼将彦が)内にもぐってくるのもわかってた。自分も(まくりの)準備をしてたんで問題なかった。フリーの状態からと思ってた」
 野田マークの大塚健一郎は、中田雄喜との踏み合いに勝ち2着をキープした。
 「ゲン(野田)は早めに動いてくれたし、あとはそこから脚を削らないようにまくりの態勢を整えてくれればと思ってた。自分は怪我明けっていうのもあるんで、1つ1つレースを重ねて、レースの脚をつくっていくしかない。やることをやって上積みしていきたい」

8R

 佐藤一伸、小林泰正の順で切った上を一気に叩いて岡崎智哉が打鐘前から先行勝負に出る。中団が小林と追い上げた佐藤で取り合いとなりかけたが、小林−中田健太は機敏に内々をすくって車を上げていくと中川勝貴−舘泰守をさばいて岡崎の後位奪取に成功。冷静に脚を溜めた小林は直線入り口から踏み出して1着でゴールした。
 「もうワンテンポ遅ければ突っ張ろうと思っていましたけど、岡崎さんの巻き返しが早かった。(打鐘)3コーナーくらいで来るかなって思っていたんですけど少し迷ってしまった。あの展開になれば佐藤さんが追い上げてくるかもしれないので、そうなったら(内から)いけるところまで行こうと思っていました。今回から新車に換えたんですけど、(最終)2コーナーからいかないとでしたね。脚は悪くないので自転車を煮詰めるか、戻すかしたい」
 岡崎もしぶとく逃げ粘ったが、中田健太がゴール寸前で交わして関東でワンツー。
 「基本的に先行する感じでしたけど、どうなっても1回ジャンでをハナを切るイメージでいました。岡崎さんの巻き返しが早かったですけど、冷静に組み立ててくれましたね。ナイターから中5日で朝は体が重い感じがしましたけど、この時間になって動いてくれましたね。レース勘も問題ない」

9R

選手の写真です。
小松崎大地選手
 赤板の2コーナー過ぎに宮本隼輔に割り込まれた小松崎大地(写真)は、8番手を強いられる。結果的に5番手に入った宮本が打鐘の4コーナーから仕掛けて、まくりでピンチを脱した小松崎だったが、組み立て面での甘さを反省する。
 「ひと通りの作戦は用意してあったんですけど、結果的に隙を見せてしまった。宮本君が叩いたらすかさず行こうと準備していたら、入られてしまった。そこですね。竹内(智彦)さんにも迷惑を掛けたし、お客さんにも申し訳ない。しっかりと立ち回っての結果なら納得できるけど、反省ですね。感触的には悪くない。でも、自分で苦しい展開にもっていってしまった」
 一度は5番手に入った宮本隼輔は、そこから前団のペースを見極めて叩いて主導権を奪取。微差の2着に逃げ残った。
 「前が踏んでなかったんで、小松崎さんならあそこでっていうのもあった。それで(5番手から)先に行かないと行かれちゃうかなと。(感触は)ここ最近のなかではいいですね。一戦、一戦、しっかりと走れたらいいかなと思います」

10R

 初手で中団に位置した森田優弥に併せ込んだのち、長尾拳太が踏み上げて先頭に立つが、すぐさま巻き返した森田が長尾の抵抗をねじ伏せて最終ホーム入り口で主導権を奪う。山本直が好回転でまくり上げて森田に迫る。3コーナーで山本は森田に並び掛けて両者でモガき合って直線入り口へ。そこで森田が自ら山本を止めに行くと、あおりで室井健一が落車し、後続の2人も乗り上げる。山本は失速して踏み勝った森田が1位入線を果たすも失格。芦澤大輔が繰り上がりで1着を手にした。
 「森田君に全部やらせてしまって申し訳ない。思った以上に長尾君が踏んだので森田君もキツいなってところですかさずバックで山本君がきたので。自分ができないばっかりに…。僕の出番だったんですけど申し訳ない」
 落車を間一髪で内に避けてから直線外に持ち出して伸びた山口富生が、同じく繰り上がりで2着に入る。
 「早めにくれば出させて中団だと思っていたんですけどね。3番手が空いていたので長尾に入ってもらって。団子になったのもありますけど自分で思っていた以上に伸びたと思います。展開次第にはなりますけど調子は悪くないですね」

11R

選手の写真です。
小川真太郎選手
 中野智公が当日欠場になり8車立て。先頭に立ちペースを握った小川真太郎(写真)の内から抜け出した水谷好宏が、打鐘の2センターで主導権を奪って逃げる。3番手で立て直した小川は、鈴木陸来を張りながら合わせるようにまくった。
 「(大阪勢に)内を行かれたのは仕方ない。2車だしいいかなっていうのもありました。そのあとも(鈴木に合わせて)行けたし、脚的には悪くない。前回よりはすごく感じがいい。1着を取れたんで、これでリズムに乗れるかなと思います」
 小川との連結を外した園田匠は、追い込んで3着に入ったものの肩を落としてこう振り返る。
 「情けないですね。申し訳ない…。ジャンのところでも(小川に)差し込んでしまった。あれはダメですね。自分で修正して、立て直していかないと。7車立てと9車立ての感覚が違うので、しっかりと気持ちを切り替えていきたい」

12R

選手の写真です。
和田健太郎選手
 打鐘の3コーナー過ぎに郡司浩平が鈴木庸之を叩くが、単騎の新田祐大も敢然と踏み込む。新田が最終ホームで主導権を奪取して、郡司が飛び付く。後方から反撃に出た清水裕友と新田で壮絶な踏み合い。郡司が清水に離れ気味の小倉竜二を張りながら、コースを確保して追い込む。郡司マークの和田健太郎(写真)は、中のコースを踏んで突き抜けた。
 「自分の調子がいいわけじゃない。前の自力選手の頑張りにつきます。郡司のおかげですね。いまは完ぺきな状態で走れるっていうのは、ほぼないですけど。そうは言っても、また明日(2日目)からレースがあるんでしっかりと」
 単騎の新田の動きにも対応した郡司浩平は、抜群の判断力で和田とワンツー。
 「新田さんも単騎でもしっかりと動いてくるかなと。飛び付いていっぱいだったけど、自転車が流れてくれて不思議な感覚だった。アップの時から自転車を微調整して見つかった部分もあった。(2日目からお客さんが入るので)気負うことなく、あんまり気合が入りすぎないようにやりたい」
 最終ホーム手前で8番手から反撃に出た清水裕友が、新田との踏み合いを制して3着。
 「良かった。今年一番出たかなって感触がありました。岐阜(共同通信社杯)は行くだけ行って、末を欠いてやられるっていう感じだった。だけど、今日(初日)は周回中からいい感じで乗れました。あとここだけにならないように、明日からも」

6R

選手の写真です。
稲川翔選手
 朝倉智仁は赤板で押さえてそのままペースを上げるが、関東勢の動きに続いた岡崎智哉が間髪入れずに一気にカマしていく。朝倉は大阪コンビには出切られたが、西岡正一をさばいて3番手を確保し最終2コーナーからまくる。だが、稲川翔(写真)がこれをブロック。岡崎の余力を見ながら前に踏み込んだ稲川が、内からの中田健太の強襲もこらえて1着でゴールした。
 「岡崎が凄い強い気持ちで走ってくれました。ジャン(打鐘)で杉森(輝大)さんも口が空いている感じだったので3番手(の西岡)はきつかったと思う。もうしっかりと判断しようと。岡崎とゴール前勝負ができるように。最後まで諦めずに踏んでくれたことに尽きますね。(1日が)中止になって試したいことを試せたので。サドルが気になって、新品に換えたら気持ちよく走れましたね」
 朝倉智仁が稲川のブロックで勢いが止まると、最終3コーナーから中田健太は内に進路を取る。最後は稲川と岡崎の中割りを試みたが2着まで。
 「稲川さんがいる時点で激しいレースになるなって思っていました。(初手は)岡崎さん達より後ろからって感じでした。朝倉君も(スピードが)合った所で勝負してくれたので一車分、チャンスが巡ってきた。稲川さんは超一流ですし、朝倉君もさばいてからのまくり。杉森さんも迷っている感じだったので、申し訳ないですけど3コーナーで内へ行かせてもらいました」

7R

選手の写真です。
鈴木庸之選手
 押さえた小川真太郎を叩いて小林泰正が先行態勢。追い上げた小松崎大地は、小川を内に締め込んで中団を確保する。最終4コーナーを好展開で迎えた鈴木庸之(写真)は、外に張って別線をけん制してから踏んで1着。
 「(打鐘過ぎ4コーナーで)内に来たのが小川君かと思ったら小松崎さんだった。番手まで来てたけど、下げてくれたのでよかった。後ろを確認したら小川君が後ろ(6番手)にいたし、小松崎さんは脚を使っているから勢い良くは来ないだろうと思って車間を空けていた。ただ、最後に内に入られたのは下手でした。(小林)泰正が強かったし、気持ち良くいってくれたおかげです。(前日の中止が決まったのが)体が温まって、体がほぐれたぐらいのところだったし、その後は休めた。初日が軽すぎたのか、今日(2日目)は湿気もあって少し重かった」
 小松崎マークの大槻寛徳は最終バック4番手。外を踏む小松崎を鈴木が張ると、空いた内を鋭く2着に突っ込んだ。
 「(順延による車番入れ替えで)車番が悪くなっちゃったので(初手は)前か後ろから。リスクが少ない前を取りました。(小松崎は)小川君を突っ張ると思っていたんですけど、うまく走ってくれました。自分は余裕もあったので、コースだけは間違わないようにと思っていた。体は引き続きいいですね。自信を持って走れている」

8R

選手の写真です。
菅田壱道選手
 後ろ攻めの佐藤一伸は、中団の大石剣士にフタをして注文を付ける。大石が車を下げると、佐藤は赤板目掛けて勢いよく踏んでそのまま先行態勢に。大石もすかさず巻き返すが、菅田壱道がけん制。それでも大石は踏み止めず、菅田は最終ホームから番手まくりに出る。大石を退けた菅田がそのまま押し切るかに思えたが、脚をためていた吉本卓仁が豪快にまくり切った。
 「今日は何も考えていませんでした。仕掛けようとだけ思っていました。欲を言うとまだしっくりきていないですけど、フレームを換えてから3場所目で、セッティングを変えたのが今回からなので。大石君が行くのはわかっていましたけど、菅田君を連れて佐藤君がどんな競走をするかでしたね。初日に先行して、(中止順延で)1日休めたのは良かったですね」
 菅田壱道(写真)は同地区の後輩の頑張りに応えて2着に粘った。
 「佐藤君が強い気持ちで行ってくれて頼もしかったですね。自分は初めから(番手から)出るつもりとかじゃなく、大石君をけん制してそれでもダメならって感じで出させてもらいました。頑張りと気持ちを無駄にしないように。かなりきつかったですけど2着に粘れているので悪くないですね」

9R

選手の写真です。
清水裕友選手
 正攻法に構えた清水裕友(写真)を、中部勢が押さえる。すかさず染谷幸喜が叩いて清水は7番手に置かれる展開。清水は最終1コーナーから仕掛けるが、中団から合わせるように長尾拳太が先まくりに出る。桐山敬太郎もまくりに合わせて番手から出るが、清水がさらに上をまくって力でねじ伏せた。
 「(最終)ホームで1回詰まった所でバックを踏んでしまった。あそこで行けていれば(ラインで)きれいに出切れたと思う。初日はそのバックを踏んだところで行けていたんですけどね。長尾さんに合わされそうだったんですけど、3コーナーでねじ込みながら、さすがに負けられんと思っていた。初日のメンバーがキツかったし、力を出し切った分疲れが残っているのかな。でも、それが分かったし、しっかりケアします」
 長尾の仕掛けに乗った岡本総は、外の園田匠を捌きながら踏んで2着に入った。
 「(初手は)染谷君ラインの後ろから。(染谷が)一番先行意欲があるし、一回動いたらすぐ飛んでくるだろうなと思っていた。あの展開しかなかったですね。(清水に)カマしてこられたら厳しかったけど、溜めてまくりだったし、長尾もいいタイミングでいってくれて(清水を)止められそうだったんですけどね。さすがに脚が違いました。ゴール前が踏み切れなかったのでそこは修正したい」

10R

選手の写真です。
古性優作選手
 前受けの古性優作(写真)は関東勢を受けて3番手の位置に。荻原尚人が巻き返すが、番手の紺野哲也が離れると荻原は一瞬ペースを落とし、すかさず近藤隆司がカマしていく。古性は内から芦澤大輔をドカして南関勢を追うと、最終2コーナーから間髪入れずにまくり発進。南関勢を飲み込み、小倉竜二の追撃を4分の3車身退けて1着でゴールした。
 「初日よりはかなり良くなりましたね。(初日は)筋肉が締まっていなかったので。でもレースが変になってしまって。ちょっとヤバいかなって思ったんですけど。でもバック線が取れているなら良かったです。(1日の休養は)かなりプラスに働きましたね」
 古性のトリッキーな動きにも全く遅れることなく追走した小倉竜二が2着を確保した。
 「軽くはなかったですけど対応はできたと思うのでレース勘は戻ってきているのかなって。でも全く差し込めていないので。脚もまだですし、心肺機能もまだきついですね。最後、全然踏み込めていなかったですし。昨日(1日)休めたのは大きかった。昨日だったらバックで離れていたかも。付いていくことだけに集中していました」

11R

選手の写真です。
野田源一選手
 前受けの新田祐大は、別線の上昇を受けて6番手に下げて態勢を整える。先頭の山本直がペースを上げずにいると、新田は打鐘手前から勢いよく叩いて出る。ライン3車できれいに出切った新田が快調に飛ばして別線は為す術無しかと思いきや、8番手まくりの野田源一(写真)がゴール寸前で強襲。バンクレコードにコンマ1秒差に迫る上がり10秒5の快速まくりで、前場所の共同通信杯からの連勝を5に伸ばした。
 「連勝は意識していなかったですね。新田君が相手でしたし。思ったよりも新田君が早く仕掛けたので動けなくなってしまった。タイミングがなかったですね。古屋(琢晶)君が動いたので、そこに付いていってスピードをもらえた。踏んだ瞬間は軽かったけど、いける所までと思って踏んでいた。体は軽かったし、1日休養を取れたのは大きかった。価値ある1勝ですね。自信になりました」
 強烈な踏み出しをしのいだ竹内智彦が、最後は新田を鋭く交わして2着。
 「(新田は)すごいとしか言えない。出切って回してくれて、ペースに入れてくれたので自分は余裕があった。誰も来れないと思ったんですけど、源さん(野田)が飛んできた。1日休めたのがすごいよかったですね。踏み出しだけが勝負だとおもっていたしホッとしました。初日から調子は良かったんですけど、踏み切れていないところがあった。今日(2日目)は踏み切れました」

12R

選手の写真です。
松坂洋平選手
 郡司浩平は前受けから下げて打鐘で7番手。押さえ先行の川口聖二が徐々にペースを上げようとするが、郡司は打鐘過ぎ3コーナーから早くも巻き返す。松坂洋平(写真)は踏み出しで口が空き、伊藤旭にもからまれるが、なんとか追い上げて最終2コーナーで郡司に付け直す。直線は郡司と松坂の一騎打ちとなり、郡司を1車輪交わした松坂がホームバンクで1着をゲット。
 「(ラインワンツースリーで)最高の形でした。踏み出しは集中していたんですけど、口が空いてしまいました。でもそこから追い掛けて、追い付いてからは余裕を持っていけました。ホームバンク(の緊張)っていうのがあって連日余裕がない。スタート前も応援がすごくて嬉しかった。前日の休みは特に影響はない。緊張で状態はあまりよく分からないけど、気持ちで頑張ります」
 早めのまくりで別線を一蹴した郡司浩平。自身は2着ながらも地元3人での決着をメイクした。
 「メンバー的にも受けて立つ立場だったので前からしっかり組み立てようと思っていた。態勢が整えば早めにいこうと思っていたし準備はできていました。早めに仕掛けられたので次につながると思う。初日よりも緊張感があったんですけど、明日(準決勝)はもっと楽に走れると思う。(お客さんに)ラインで決まって激励してもらえて嬉しかったですね」

9R

選手の写真です。
清水裕友選手
選手の写真です。
小倉竜二選手
 前受けの清水裕友(写真)は九州勢と北日本勢を受けて一旦は車を下げるが、近藤隆司の上昇に合わせて踏んで打鐘過ぎに前団を切って出る。そこを近藤が叩いて清水は4番手を確保。最終2コーナーからまくると、和田健太郎のけん制も乗り越えて1着。
 「小倉(竜二)さんと一緒の時はいつもノープランなので。自分も小倉さんのことを信頼しているので。出たとこ勝負でした。自分の中で8番手(に置かれるの)が濃厚かなって思っていたんですけど、近藤さんがちょっと遅れていたのでスキを逃さず切れた。3番手を取れれば一番良かったんですけど、巻き返せると思って(1車)下げました。体は動いてくれていると思います。初日に自転車の感覚が良かったので自信を持っていけている感じです」
 清水マークの小倉竜二(写真)は、内の和田、外から来た野田源一の強襲もこらえて2着をキープした。
 「ジャンで切るところが清水君らしかった。野田君もあの位置が欲しかったでしょうけど、清水君の方が積極的でしたね。あの位置を取ってちょっと休むのかなって思ったんですけどかなり強かった。自分はちょっとでも遅れたら持ってこられると思ったので差し込み気味にまわって脚が一杯になりましたね。あおりがあったら離れていたかもしれないくらい強かったです」
 打鐘で清水が切った動きで思惑が外れた野田源一は、最終バック8番手。3コーナーから空いた内を進むと、千葉勢を追っていた岡本総をさばいてコースをこじ開け、外を踏んで3着に滑り込んだ。
 「車番的に前より後ろの方がいいかなって。清水君が後ろから仕掛けてきたときにどうするかって考えていたんですけど、(打鐘で)近藤君が来るはずが清水君がきてしまったので。自分の思った所から仕掛けられなかったです。後方になってしまって大塚(健一郎)さんが先に内へ入ればって思っていましたけど、入ってこなかったので自分が入りました。最後まであきらめず1着を目指して踏んだ結果ですね」

10R

選手の写真です。
古性優作選手
選手の写真です。
新田祐大選手
 鈴木庸之が押さえて古性優作(写真)は中団、新田祐大はすんなり下げて7番手で反撃の機をうかがう。新田は打鐘過ぎ3コーナーで中バンクに上がると、山おろしを使って一気に仕掛ける。中団から北日本勢に切り替え、追うようにしてまくった古性が、ゴール寸前で新田を捕らえた。
 「新田さんが(赤板で)引かない方が良かったんですけどね。打鐘の3コーナーで先にカマそうと思って踏んだら新田さんがちょうど来て、鈴木ノブ(庸之)さんも思いっきり踏んだ。新田さんはありえへんスピードだったし、かなり上の方をいかれたのできつかった。先にカマせれば良かったんですけど、展開がかなりヤバくなってしまった。大槻(寛徳)さんに鈴木ノブさんがからんだあおりがかなりきつくて、あれがなければもっと楽にいけたと思う。もうちょっと早めにいければよかったですね。園田(匠)さんに迷惑をかけた。明らかに初日より2日目、2日目よりも3日目の方が筋肉が締まってきて出力が上がっている。レースでしか戻らない部分が戻ってきた」
 古性のまくりには屈したものの、新田祐大(写真)のスピードはファンを大いに沸かせた。
 「いくタイミングはずっとあったんですけど、あそこでいくと決めていた。ジャン前のコーナーで昨日(2日目)と同じようにいけたんですけど、タイミングをずらした。ノブ(鈴木庸之)がいいスピードで飛び付こうとしていたし小松崎(大地)さんも大槻さんもかなりきつかったと思う。顔見せから風が吹いていたので仕掛け所を決めておいた方が良いと思った。連日積極的に仕掛けて攻めることができている。あとは自分の力を出せる様な組み立てを出来れば、明日(最終日)こそは1着を取れると思う」
 小松崎大地は新田の強烈な踏み出しに口が空いてしまうが、懸命に食らい付く。鈴木の飛び付きをしのいだ小松崎が3着で決勝に駒を進めた。
 「一通りの作戦があった中で、あの位置(前受け)からの組み立てになった。そこからは全て(新田に)任せていた。別線が古性君と鈴木ノブ君。トップクラスの自在型が相手の中で(新田は)ラインを気遣ったレースをしてくれて何とか付いて行けた。ただ、追走の甘さで大槻さんに迷惑をかけた。(鈴木の飛び付きは)分かっていたし準備はできていたんですけど。状態は悪くないけど、全く余裕がなかった」

11R

選手の写真です。
郡司浩平選手
選手の写真です。
松坂洋平選手
 スタートを取らされた形の郡司浩平(写真)が前受け。小林泰正が切った所を岡崎智哉が叩いて中近勢が主導権を握る。中団の小林は前と車間を空けて郡司を警戒し、郡司は先頭の岡崎と距離が離れた7番手で最終周回へ。中団から小林が車間を詰めた勢いのままに先まくりに出たが、その上を郡司が力ずくでまくってねじ伏せた。
 「できれば初日、2日目と違った動きで組み立てたかったけど、前を取らされる形になってあの動きになった。(小林が)車間を切ってるのも気になったし、(最終)ホームでは余裕もあったんですけど(小林)泰正が詰めるように仕掛けるのかと思って見てしまった。でもバックでは泰正の上をまくれたのでよかった。地元3車で後ろに先輩が付いてくれた中で、勝つことが優先になってしまった。あれだけ警戒される中でどう立ち回るのか。1着なので問題はないけど、そこは突き詰めていきたい」
 郡司マークの松坂洋平(写真)は、稲川がブロックしたあおりを受けて郡司と口が空いてしまう。それでも執念で外を踏み続け、2着で地元記念優出を決めた。
 「郡司に全て任せて、とりあえず郡司だけは決勝に乗らないと駄目だぞと思っていた。もう自分は(郡司)浩平の後輪しか見ていなくて、(最終)3コーナーのあおりで突っ込みそうになるくらい後輪しか見ていなかった。そこで対処できずに遅れてしまって悪いことをしました。なんとか気持ちで頑張りました」
 岡崎がフカし気味に駆けるなか、稲川翔は車間を空けて別線の反撃に備える。小林のまくりはブロックしたものの、さらに上を地元コンビにいかれてしまい、自身は最終2センターから前に踏んで3着。
 「(岡崎の)頑張りを無駄にするところだった。しっかり判断しないといけないし、相手も考えてレースをしてくる。自分は(岡崎の)気持ちに応えないとって思い過ぎて冷静じゃなかった。自分で力を出し切れない状態にしてしまった。判断とか、精神状態の問題。普段は落ち着いてレースを出来ている方なんですけど、今日(3日目)は空気が入り過ぎた」


【ルーキーシリーズプラス】
 志田龍星は2度の開催中止を乗り越え、9月奈良で本デビューから負けなしの13連勝で特班に成功。戦いの舞台をA級1、2班に移した初戦の9月松山でも完全Vを飾った。在所成績は、9月青森で行われた「競輪ルーキーシリーズ2021プラス」を制した犬伏湧也に次いで2位。そのポテンシャルを爆発させる。
 「(本デビューしてからここまでは)結果だけ見ればいいけど、内容はよくないと思っています。もっと自分の持ち味を出したいんですけど、レースの流れもあって出し切れていない感じはある。長い距離を踏むのが得意なので、もっとそういうレースがしたい。(今回は)みんな強いので、タイミングを見て仕掛けたい。(有観客は)本デビュー戦の岸和田以来。お客さんがいた方が盛り上がるし気持ちも入ります。いける所から自力を出して一発狙っていきたい」
 山根将太も8月小松島で9連勝を飾りチャレンジを卒業した。さらに、特班後も9月奈良、続く名古屋を連続優勝しており、粒ぞろいの今回生の中でも注目の逸材だ。
 「(本格デビューしてから)何回か負けたりしているんですけど、自分なりにはよくやれていると思っています。まだ自分の得意な形は見つけられていないですね。志田君には養成所の訓練で1回も先着した事がないので勝ちたい気持ちが強いです。(有観客は)あまり走る機会がなくて緊張するけど頑張りたいです」
 ナショナルチームに所属する新村穣は競技実績豊富なルーキー。競輪では8月岐阜で今回生一番乗りとなる特班を決めた。ここは金田涼馬との地元コンビで、同期生達に立ち向かう。
 「自分は養成所の順位も51位でしたし、特班に一番乗りできるとは思わなかった。まだ1、2班では活躍できていないけど、師匠や先輩達が待ってるS級に早く上がりたい。地元記念を走れるのは光栄なこと。神奈川を代表して、ここを走れなかった人の分まで頑張りたい」