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ひらつか競輪

HIRATSUKA KEIRIN

35#

検車場レポート

  • 5/10 Fri.  (前検日)
  • 5/11 Sat.  (1日目)
  • 5/12 Sun.  (2日目)
  • 5/13 Mon.  (3日目)

1R

 松岡健介は、前回のダービーで8611着。シリーズ後半に番手回りで2勝を挙げた。


 「ラインでしっかり決めるっていうことが前提なんですけど、決まらない時にどうするか。(ライン3車の)最低2人が入れるようにっていうのは稲垣(裕之)さんにも言われたことがある。前を残してっていうスキルがあればいいんですけどね…。(ダービーは)前半の2走は疲れが抜けてない感じがあった。それが3走目の前に違う感じあった。前回は強めに(練習を)やって抜けてくれればっていうのがあったけど、今回はいつも通りです」


 「恵まれました」と、ダービーで挙げた2走目の1勝を例によって控えめに振り返るのは永澤剛。


 「ダービーのあとは地元に帰って練習をしてきました。(前々回の)川崎(ナイター記念)も展開が良くなかったけど、脚は悪くなかった。展開が向けばっていう感じですね」


 

2R

 前回のダービーでは3度のシンガリも、2走目を逃げ切った山岸佳太の動きは悪くない。


 「一次予選は組み立てを失敗。(逃げ切った)2走目は力を出し切れた。3走目は(主導権を握って)僕の責任は果たせたかなと。堀内(俊介)君を合わせられたのは、自信になりました。いい時の感覚で走れているんで、そんなに悲観的になってはない。あとはそこからですね、1回体調を崩したところもあるんで、走ってみないと」


 前回の久留米FIを123着の加倉正義は、ホームバンクで決勝にコマを進めていい流れで今シリーズを迎える。


 「(ホームバンクの久留米は)何年かぶりに決勝に乗ったし、やった方でしょう(笑)。最近は調子がいいんで、(賞金を積み重ねて来年の)ダービーも出たくなりますよね。(坂本健太郎とは)相性抜群だし、やってくれるでしょう」

3R

選手の写真です。
小嶋敬二選手

 ダービー一次予選は突っ張り先行でスタンドを沸かせた小嶋敬二(写真)は、最終日に勝ち星を挙げてS級通算700勝のメモリアルを飾った。


 「(ダービーは)もうちょっと頑張りたかった。(4着の)一次予選が3着だったら、もっといいところまでいけてますからね。僕らは(昔の)GIだったりグランプリを走っているけど、若い子はそういうの(多くのお客さんが来場して、その前で走るの)を知らないですからね。ダービーはせっかく盛り上がったんで、そういう灯を消したくない」


 山下渡は、前回の大垣FIを798着。らしくない大敗を重ねたものの、フレームを戻して変わり身がありそうだ。


 「脚は悪くなかったんですけど、展開もありましたね。前回は自転車を換えて新車にしたんですけど、それが重くて(今回は)戻しました。ギアも3.85にしたのを92に戻します」


 

4R

 ダービーで8827着の藤木裕は、現状の力を受け止めてここから再スタートを切る。


 「自分の走っているレベルが下位過ぎて、レースで全然上位に食い込めなかったです。とりあえず今は、自分の持ち場をしっかりと、何かが見えるようになるまで頑張ろうっていうのに切り替えました。(ダービーのあとは)自転車には乗ってきました。疲れがないことはないですけど、いい成績を残したいです」


 澤田義和が、藤木を目標にして勝機をつかむ。


 「(前回の)ダービーのあとは、自転車を平塚に送ってしまっていたので、練習用の自転車で練習してきました。ダービーから新車を使っていて、感じは良かったけど成績はダメだったので、今回はしっかり走りたいですね。藤木とはダービーの最終日(シリーズ4日目)に連係しました。その時は、藤木が逃げてくれたのに、自分は内に詰まって何もできなかったので、今回は2人で決めたいですね」

5R

選手の写真です。
河村雅章選手

 ダービーの最終日に落車した松岡貴久の状態面はどうか。


 「怪我は擦過傷だけ。でも、走ってみないとわからないですね。(前々回の)川崎でおろしたフレームがダメになったので、今回は昔使っていたフレームを持ってきました。(平塚は)軽いイメージはないですね。松戸に似た400バンクっていう感じがします」


 近況、随所に白星がある河村雅章(写真)は、4月伊東の国際自転車トラック競技支援GIIIで3勝をマークした。


 「伊東は連日、脚は重かったんですけど、着は良かったですね。(京王閣のバンクが使えず)田谷グループが立川で練習しているので、自分も若手に刺激をもらっています。(初日は)チャンスがあれば先行も含めて。なければ一発を狙って走りたいです」


 

6R

 2月大垣で311着でのV奪取後も、FI戦ではコンスタントにV争いを演じている高橋和也。しかし、近況はいまひとつが続いている。


 「(ダービーは)悪くはなかったんですけど、あと一息って感じでしたね。手応えとかはなかったですけど、もっといろんなことをやっていかないとって思いました。名古屋でオールスターがあるのに、ここ何場所かで失速してしまっているので、少しでも点数を上げて行きたいです」


 2月西武園FIで白星を挙げて、通算400勝にリーチをかけた山口富生。今シリーズで達成できるか。


 「(400勝は)みんなからずっと言われているので、そろそろ決めたいですね。(高橋と)相性はいいと思う。ダッシュがいいから、そこだけ気をつけないと」


 

7R

選手の写真です。
小川真太郎選手

 4月伊東の国際自転車トラック競技支援競輪GIIIは、外国勢を相手に2924着の成績を残した小川真太郎(写真)。前回の玉野FIは準決で敗れたが、調子自体に問題はなさそうだ。


 「玉野の時の調子は悪くなかったので、仕掛けられなかっただけですね。FI戦はレースの流れがないので、逆に難しい。記念は勝ち上がっていくと、どんどんレースが動くからいいんですけど、その分予選でしっかり走らないと」


 ウィナーズカップは落車で途中欠場となった藤田勝也だが、その後は4月松阪FIや続く高知記念で白星を挙げている。


 「(落車して)3、4日したら腫れも引いたんで、打撲だったみたいですね。(ウィナーズカップ後の3場所は)自力戦が多いけど、成績は残しているし、悪くないと思います」


 

8R

選手の写真です。
小松崎大地選手

 ダービーの一次予選は先行策で2着に粘った小松崎大地(写真)だが、二次予選からは496着。悔いの残る開催となった。


 「333バンクで、しかも松戸のGIだったので、難しい部分はありました。でも、それなりに戦える状態ではあったので、悔しいですね。もうちょっと攻め切れれば良かったんですけど、おとなしく行き過ぎました。(ダービーのあとは)休養と練習を計画通りにやってきました」


 ダービー4日目で帰郷となった伏見俊昭は、気持ちを切り替えて今シリーズに挑む。


 「うまくかみ合わなかったですね。初日から波に乗れずって感じでした。でも、調子は悪くないし、戦えない状態ではないので気持ちを入れ直して。悔しい思いはしたくないので、フラストレーションが溜まった分、今回頑張りたいですね」


 

9R

選手の写真です。
根田空史選手

 ダービーの最終日は、先行策で白星を挙げた根田空史(写真)。今回も持ち前のパワーを発揮できるか。


 「ダービーの3走目だけ違うフレームにしたんですけど、良くなかったので今回も元のフレームに戻して来ました。(ダービーのあとは)休まず次の日からウエートトレーニングをして、バンクにも乗ってきました。桐山(敬太郎)さんとの連対率は高いですよ」


 地元の桐山敬太郎は、ダービーで7161着。一次予選で敗退も、しっかり立て直して2勝をマークした。


 「前回は初日がすべてですね。悪くはなかったんですけど、そう言ってもしょうがないので切り替えて。今回は、反応がいいフレームでいきます。絶好調の時よりは…って言うのはあるけど、地元なのでしっかり頑張りたいですね」


 

10R

 今年はFI戦で2Vを飾っている鈴木竜士。ダービーでは1571着と、一次予選を突破した。


 「足りない部分が多いなと感じましたね。勝てないメンバーではないのに、そこで勝ち上がれてないので。小さい部分ではあると思うので、そこを埋めていければ。ダービーが終わったあとは、1日だけ休んで3日間は練習してきました。なので、体は馴染んでいると思います」


 4月岸和田FIで122着の杉本正隆は、続く大宮FIと小松島FIでも白星がある。ここは、同県の鈴木を援護してワンツーを決めよう。


 「目標が良すぎますね。(鈴木は)強いっていう印象しかないです。(岸和田は)状態は悪くなかったんですけど、たまたまです。平塚は、最近走ってないんですけど、軽いイメージはありますね」


 

11R

選手の写真です。
松井宏佑選手

 4月小松島FIでS級2V目をゲットした松井宏佑(写真)だが、続く玉野FIは191着。地元戦の今回は、決勝をノルマに掲げる。


 「玉野の前検の2日前に伊豆(ナショナルチーム)で落車して、玉野を走るか迷ったんですけど走りました。擦過傷と体の痛みが少しあったので、ちょっとは影響があったかもしれないですけど、それでも3日間走り切れたんで問題ないと思います。競走が詰め詰めで、体はキツイですけど、アマチュアの時にお世話になったバンクだし、しっかり決勝に乗りたいです」


 4月松山FIで優勝した岡村潤が、松井を援護してさらにキメ脚を発揮する。


 「(松井は)開催は一緒になったことがあるんですけど、連係は初めてです。レースは見ているし、松井がいつも通りの走りをしてくれれば。自分は離れないように、しっかり付いていくだけです。(ダービーのあとは)1日休んで、そのあと練習できたので、体調も問題ないです」


 

12R

選手の写真です。
和田真久留選手

 初日のメインである特選は、南関勢が4車で結束。ホームの和田真久留(写真)が、簗田一輝の番手に付けて好発進を決める。


 「(2265着の)ダービーは見ての通り、あんまり良くなかったです。後半の2走は、番手戦で勉強になったし、番手選手の気持ちもわかりました。ダービーが終わってからは、(4月川崎記念で痛めた太ももの)ケアと調整程度です。あっせんがタイトですけど、ダービー以上に(ホームバンクの)ここは集大成として頑張ります」


 2月の全日本選抜で落車に見舞われた清水裕友だが、ダービーでは連日、力強いレースで3812着。復調を猛アピールした。


 「(ダービーの準優勝は)想像もしてなかったです。でも、このあとも怪我なく、しっかりレースを走っていきたいですね。(状態は)走ってみないと、疲れがどうかっていうのはわからないです。でも、(調子は)徐々に上がって行くとは思います」


 怪我の影響もあってダービー3連覇とはならなかった三谷竜生だが、少しずついい感触を取り戻している。


 「(ダービーが)3走目と4走目を自力で走って、結果はダメでしたけど、つかめたものはあると思います。(初日は)調子を戻していくためにも、長い距離を踏みたいですね。現状でできることを、しっかりやりたいです」


 

1R

選手の写真です。
松岡健介選手
 成松春樹が柿澤大貴を押さえてハナに立ったところを、打鐘の4コーナーで中井太祐が叩いて主導権。最終ホームから近畿ラインを追っていた飯野祐太は1センターから仕掛たが、バックから松岡健介(写真)が番手まくりで応戦する。松岡は飯野を合わせ切って直線へ入ると、そのまま後続を振り切ってオープニングレースを制した。

 「誘導が上がっていたし、成松君もペースで踏んでいたので、(中井は)脚を使っていてキツそうでした。ホームで飯野君が4番手にいるのは分かりました。1回、(番手から出るのを)待ったけど、出られちゃいそうになったから、もう待てないなと思って行きました」

 北日本コンビを追った柿澤大貴が、直線で伸びて2着に入った。

 「落ち着いて走れましたね。(1着は)遠かったですけど、吸い込まれる感じになりました。平塚は相性が良い。(一次予選で)2着はデカいです」

2R

選手の写真です。
山岸佳太選手
 後ろ攻めから動いた飯田憲司を、山岸佳太は打鐘手前から突っ張って先行勝負に出る。逃げる山岸に、6番手で最終回へ入った坂本健太郎は、2コーナーから反撃開始。しかし、山岸佳太(写真)はその後も快調に駆けて力強く押し切った。

 「中途半端をして(飯田に前を)切られちゃったらヤバいなと思ったんですけど、突っ張れたので良かったです。ホームでモニターを見たら後ろはごちゃついていたんで、2コーナーから踏んでいった感じです。風を切って自分の行けるところから踏めば、しっかり戦えるなっていう自信が付いてきました」

 無風で4コーナーを回った志村太賀だったが、山岸を交わせず2着でゴールした。

 「余裕はあったんですけど、(山岸に)踏み直されました。フレームかな?なんか、もたつくと言うか…。山岸は、前回(松戸ダービー)333バンクで失敗しただけで、しっかり駆けちゃえば強いですね」

3R

 打鐘手前から踏み上げた堀内昇を、4コーナーで加賀山淳が叩いて主導権を奪取。加藤圭一は踏み出しで遅れてしまい、堀内が加賀山の番手にはまって最終回へ。加藤が再度、加賀山とのドッキングを図って前団がもつれると、最終1センター手前から小嶋敬二が反撃。豪快に加賀山を飲み込んで白星を挙げた。

 「地元が後ろの加賀山君は、先行だろうと思ったけど、堀内君がどうするのかなって。中団取りなら早めに巻き返さないといけないかなって思ったけど、飛び付いたから落ち着いてから仕掛けた。ダービーの疲れはあるけどラインで決まって良かったですね。オールスターのファン投票は14日までだから、あと3日間、アピールできるように」

 小嶋マークの三宅裕武が2着に続いた。

 「緊張しましたね。でも(小嶋が)早めに行ってくれたので。さすがの強さでした。自分は来期A級なので見据えて追い込んで練習しているから(脚の感じは)良いと思いますよ」

4R

 中団の外で藤木裕を警戒しながら、片折亮太が赤板の2コーナーで仕掛ける。吉川誠も突っ張り気味に踏むが、片折が叩いて主導権を奪う。芦澤大輔、関貴之まで関東の3車が出切り、片折が緩急をつけた先行で後続を翻ろう。二の足で押し切った。

 「(吉川に)突っ張られちゃうかと思った。あれで踏み続けて突っ張られたら仕方ないんで。ああいう時はモガき合いって決めている。動いていかないと(調子が)戻りそうにないですからね」

 関東3番手の関貴之が、直線で前2人の外に進路を取る。ゴール前で番手の芦澤を交わして2着に追い込んだ。

 「(別線には)僕が離れてくるかと思われてるんで、まず芦澤さんに付いてってと。どっち(のコース)を踏むか迷いました。外を踏んで良かった。だいぶ(調子が)戻ってきた」

5R

選手の写真です。
村田雅一選手
 打鐘手前で先頭に立った藤井栄二の上を、橋本智昭が叩いて先制。藤井が3番手を確保して、河村雅章が5番手、松岡貴久は7番手に置かれて最終回へ入る。隊列を一本棒にして逃げる橋本に、藤井は2コーナーから反撃開始。3コーナーで橋本を抜き去ると、最後は村田雅一(写真)が藤井をきっちり交わした。

 「藤井君が巧く立ち回ってくれましたね。橋本さんと力勝負をしていたら松岡君の展開になっていたと思う。3コーナーで河村さんが見えたので先振りをして抜きにいったけど、藤井君の踏み直しがすごくて最後はやっと。まずは2人で勝ち上がれて良かった」

 絶好のポジションを確保して、まくりを決めた藤井栄二が2着。しかし、レース内容に不満が残った様子。

 「先行するつもりでいたし、これから仕掛けようと思っていたタイミングで橋本さんに叩かれてしまった。すんなりの3番手みたいな展開はなかなかないですけど、最終バックは取りたかったのであのタイミングで仕掛けました。勝ち上がれたけど、自分のレースはできなかったし、内容には納得していない」

6R

 後ろ攻めから動いて高橋和也にフタをした山本健也は、打鐘の2センターで荻原尚人を押さえて先頭に立つ。外併走がいなくなった高橋和也はすぐさま巻き返えすと、最終1センターで山本から主導権を奪取。その後も別線に反撃の隙を与えず、力強く後続を振り切った。

 「あの位置(後ろ攻め)だったので、ホームから行こうと思っていました。あそこでしっかり仕掛けられているので、良いですね。最近は、見て失敗することが多かったんで」

 山口富生が2着に続き、中部両者でワンツーを決めた。

 「(高橋)和也が強かった。3コーナーで後ろを見たのが敗因ですね。良いダッシュに付いて、インプットはできました」

7R

選手の写真です。
小川真太郎選手
 赤板2センターから藤田勝也が上昇すると、前受けの引地正人は8番手まで車を下げる。誘導の後位に入った藤田は、巻き返してきた引地に合わせて打鐘の4コーナー手前から加速。番手の神田紘輔が引地を最終2コーナー手前でけん制すると、3番手にいた小川真太郎(写真)は神田の内へ潜ってバック線を通過。2センター手前で逃げる藤田をもすくって、そのまま後続を振り切った。

 「いい位置が取れ過ぎてドキドキしました。被ったし無理に外を踏んだら(後ろが)付いてこれないかなって。内ならギリで付いてくるかなと思って踏みました」

 高原仁志は、小川を追い切れず3着でゴールした。

 「(小川は内にいったが)自分は空いているかどうかが見えず追えなかった。ワンツーを決めないといけないのに申し訳ないですね」

8R

選手の写真です。
伏見俊昭選手
 切った筒井裕哉が流したところを小松崎大地が出て主導権。北日本勢はラインできっちり出切り、筒井は4番手で態勢を整える。7番手の宗崎世連のまくりは中団までで、筒井も一息。逃げる小松崎の番手で車間を空けた伏見俊昭(写真)が、絶好の展開をモノにした。

 「1年に1回あるかないかの展開。今年、あんないい展開は初めて。仕事をする必要もなかった。(小松崎)大地はロングスパートができる選手だし、それが強みですから。気持ち良く掛かってたし、自分の調子もいいみたいです」

 伏見には交わされたものの、小松崎大地はラインを上位独占に導く先行策で力のあるところを見せた。

 「先行っていうのは、しっかり勝負ができるカードではある。だから、それができたのは良かったです。ただ、自分のペースで駆けられたのに、抜かれてるんでまだまだですね」

9R

 赤板の2コーナー手前から仕掛けた久島尚樹が佐藤雅春を叩いてハナに立つが、上吹越俊一が踏み出しで離れて、佐藤が番手にはまる。5番手でタイミングを計っていた吉本哲郎は、最終ホームから反撃。しかし、広島コンビの仕掛けに乗った根田空史が、その上を好スピードでまくって番手の桐山敬太郎を振り切った。

 「行こうと思ったら前(吉本)が、仕掛けてくれたので。前半に脚を使っていなかったし、2コーナーの下りでサーっと踏んで、出切ってからゴールまでは全開で。あんなに良い展開はなかなかないですね。ダービーよりも調子は良いです」

 桐山敬太郎は、根田を交わせず2着。

 「(根田が)ホームで詰まったときに行くかと思ったらいかなくて。自分はバックを踏んでしまった。根田はサラ脚でしたからね。でも、次は必ず(抜く)」

10R

選手の写真です。
三宅伸選手
 打鐘で掛水泰範が重倉高史を押さえて主導権。前受けから下げた鈴木竜士は、2センター過ぎから反撃に出るが、掛水のスピードに車は出ず、3番手にいた重倉とからんでいっぱいに。懸命に逃げた掛水を先頭に4コーナーを回ると、絶好の展開が向いた三宅伸(写真)が鋭く伸びて1着でゴールした。

 「9割9分9厘、掛水君のお陰。走ってみんと分からんけど、今日(一次予選)は軽かったですよ。最近の記念の初日は、全部1着か2着。どんな成績でも開き直って走って、今年の頭頃から少しずつ上がってきた。同い年の山口富生には、負けられませんからね(笑)」

 打鐘の2センターで古城英之をすくい、三宅伸の後ろを確保した重倉高史が2着に入った。

 「(別線が)ジャンか3コーナー過ぎで来るなら、飛び付いてやろうっていう気持ちがありました。前々に踏んで、どこで合うかっていう気持ちがあったのが良かったですね。ゴール前は転んでも良いっていうくらいの気持ちで踏んだら、コースが開いてくれました」

11R

 前受けの松井宏佑を、赤板1コーナーで廣田敦士が押さえる。7番手まで下げた松井は2コーナーから反撃に出るが、番手の岡村潤が岡田征陽とからんで連係を外す。援軍を失った松井は強引に先頭に立つも、番手にはまった廣田敦士が空いた車間を詰める勢いで鋭く抜け出した。

 「(松井が)来てから踏むのでは遅いと思って徐々に踏み上げてました。番手にはまる展開になったけど、前がタレてきているのか、自分が踏んだら合わせるつもりでペースなのかが分からなくて、余裕はなかったですね。でも、しっかりと抜け出して1着なので上向いてきているのかなって思います」

 最終2センターで小玉拓真にすくわれた吉村和之だったが、廣田に続いて2着に入った。

 「もうあれしかないというか、とりあえず形を作って松井君が後ろを引き離してくるレースにするしかなったですね。廣田君が脚を使っていい形を作ってくれました。最後も抜け出して1着ですからね。強いですね」

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手
 4車で結束した南関勢の先頭を務めた簗田一輝が、赤板の2コーナーで清水裕友を押さえて逃げる。打鐘過ぎに三谷竜生が反撃に出て、好スピードで前団に迫る。しかしながら、外に持ち出した和田真久留は、三谷をギリギリまで引きつけて最終1センターで自力に転じる。三谷を合わせた和田に郡司浩平(写真)、中村浩士が続く。今度は清水が襲い掛かるが、郡司がけん制して、ゴール前で和田を交わした。

 「(簗田)一輝も落ち着いて駆けてくれた。もう判断は(和田)真久留に任せてたんで、真久留が出切ったところでしっかりブロックする役割はできた。(清水がまくりで)来ているのもわかってたんで、自分が何もしないで踏むより一振りしてからと。(調子は人の)後ろなんで、ちょっとわからないところもある。ただ、二次予選は前でしっかり仕掛けて、出し惜しみをしないように」

 三谷に並ばれながらも、さすがのダッシュで合わせ切った和田真久留が汗をぬぐう。

 「(三谷が)あんなに早く来てしまったんで…。自分が逆でもそうですけど、(三谷は)あれしかないですもんね。(番手から)出て行く前に叩くのが。あの距離を行ったんで、押し切れなかった。自分にもうちょっと技量があればいいんですけど、難しかった」

 「ここしかないと思った」と、振り返ったのは、打鐘過ぎに叩きに出た三谷竜生。結果的に出切れずも、勝負どころを逃さない仕掛けはさすがだった。

 「あれ以上待ってしまったら、前も掛かってしまう。(感触は)悪くないですし、もう少しですね」

6R

選手の写真です。
澤田義和選手
 打鐘の2センターでハナに立った加賀山淳を、最終ホームで藤田勝也が叩いて先制。飯野祐太は、藤田ラインを追うようにすぐさま反撃に出るが、澤田義和(写真)のけん制で失速する。澤田は、けん制した勢いのまま3コーナー過ぎから番手まくりを放ち、後続を振り切った。

 「(飯野を)けん制して、バックを踏んで番手に戻ったところで一緒だと思って、踏ませてもらいました。(3月)小田原で500勝してからなかなか1着がなくて、(499勝から500勝までより)この501勝までの方が長かったです(笑)」

 最終2センターから踏み込んだ松岡貴久が2着でゴール。

 「道中もずっとキツかったです。(1着に)届くと思ったけど、自転車が全然進まなかったですね。いつもなら頭までいける感じですけど、ギリギリ2着に届きました。(今シリーズで使っているフレームは)堅いのでセッティングで、もう少し良くなれば良いんですけど…」

7R

選手の写真です。
鈴木竜士選手
 打鐘手前で鈴木竜士を押さえた藤木裕を、最終ホームで吉本哲郎が一気にカマして先制。踏み遅れた藤木は前と大きく車間が空いていたが、6番手から鈴木竜士(写真)が一気にまくる。グングンと中四国コンビに迫り、直線で鋭く抜け出した。

 「良くないですね。一次予選が良くなかったから自信がないのか、普段ならジャンで藤木さんを突っ張っていたと思うけど、出させて4番手からって考えてしまいました。結局、自分だけになってしまった。ラインで決まっていれば良かったんですけど…」

 2着には藤木をリードしながら芦澤大輔を張った筒井裕哉が入った。

 「人の後ろだったし余裕はありましたね。鈴木君を止められれば良かったけど、そこが反省点ですね」

8R

選手の写真です。
松井宏佑選手
 8番手から上昇した河村雅章が、赤板1センター手前で誘導員を降ろして先頭に立つ。3番手に永澤剛、5番手に掛水泰範、前受けの松井宏佑は7番手まで車を下げて打鐘。腹をくくってペースを上げた河村に、最終ホームから掛水が仕掛ける。しかし、1センターから車を外に持ち出した松井宏佑(写真)が、掛水より先まくりに出た永澤の上を抜群のスピードで飲み込んで快勝した。

 「先行したかったんですけど、一次予選のこともあったので見てしまいました。まだ、体は重いし、ダルい感じもする。ケアが大事ですね。まくりで少しは休めたので、準決勝は先行できるように」

 松井の踏み出しで離れた岡村潤は、接触のアクシデントもあったが、懸命に松井を追いかけて2着に入った。

 「人気になっていたから緊張しました。一次予選のことがあるから、離れたくなくて早め、早めに踏んでいたらタイミングが合わなくて…。4月の開催が3本で、ダービーが終わって中4日なので、単純に脚が落ちてますね」

9R

選手の写真です。
根田空史選手
 和田真久留が8番手から動いて誘導の後位に入ったところを、打鐘手前で藤井栄二が叩いて主導権を握る。近畿コンビを追った荻原尚人が3番手に続き、和田は5番手で最終回へ。逃げる藤井に、荻原はバックから仕掛けるが、タテに踏んだ村上博幸に合わされて力尽きる。和田はようやく2センターから踏み出して、直線で村上をとらえると、最後は根田空史(写真)が鋭く伸びて連勝を決めた。

 「自分はいつでも行ける状態だったんで、(和田が)いつから行くんだろうって感じでした。(和田)真久留も緊張していたんでしょうね。自分はずっと余裕がありましたけど、先行用のフレームなので踏み出しだけはキツいですね」

 和田真久留が2着で、南関ワンツーが決まった。

 「初手(の8番手)が予想外で、ドキドキしていました。もっと(展開が)回るだろうと思っていたけど、自分でレースを動かさないといけなくなったので。根田さんが1着だったので、とりあえず良かったです」

10R

選手の写真です。
小川真太郎選手
 後ろ攻めから動いて誘導員の後ろに入った小川真太郎は、打鐘で中部コンビを受けて3番手を確保する。6番手外併走でタイミングを計った三谷竜生は、最終ホームから反撃に出るが、西岡拓朗のけん制もあって苦しい展開に。
小川真太郎(写真)は、1センター過ぎから仕掛けると、一気に高橋を抜き去って白星を挙げた。

 「三谷さんにやっと勝てました。なかなか勝たせてもらえなかったけど、やっとです。いい位置は取れたけど正直、三谷さんが見えなくて、来るぞ来るぞって思いながらバック前には仕掛けようと思って早めにいきました。平塚は相性が良いし、平塚だけ走っていればS級S班になれる気がする(笑)」

 小川マークの三宅伸が2着に続いた。

 「もうドキドキして後ろは見れなかったですよ。自分は本当に付いて行っただけ。小川君は巧いし、(踏み出しも)ちょうど良い。風呂でいったら40度か41度(笑)。ええ感じだったわ」

11R

選手の写真です。
小嶋敬二選手
 打鐘手前で重倉高史が簗田一輝を叩いて先行勝負に出る。隊列を一本棒にしてハイペースで逃げる重倉に、最終1センターから7番手の清水裕友が反撃。しかし、小嶋敬二(写真)が2コーナー手前から番手まくりを放ち、清水を合わせ切ってゴールした。

 「重倉君とは練習も一緒にしているから、余裕がありました。カカリも良かったから、もう少し使いたかったけど、後ろからも来ていたので。4コーナーの山おろしで伸びるかなって思っていたけど、何とかですね」

 小嶋に合わされた清水裕友が2着。初日特選と同様に、番手まくりに屈する形に。

 「スピードは出たんですけどね。2日連チャンでハコまくりですから。脚の感じは初日よりも良いと思います」

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手
 赤板1コーナーでハナに立った松岡健介を、8番手から小松崎大地が一気に叩いて主導権を握る。小松崎に合わせて踏んだ郡司浩平(写真)が、絶好の3番手を確保して最終回へ入ると、2コーナー手前から反撃開始。大槻寛徳のけん制を乗り越えて、力強く押し切った。

 「前々に踏んでっていうレースで、流れの中で動けました。桐山(敬太郎)さんに前を任された以上は、桐山さんも自力ですし、それ以上のことをしないとって思っていました。プレッシャーはありましたけど、南関勢が順当に勝ち上がっていましたし、最終レースを任された以上は、人気に応えようと思って走りました」

 桐山敬太郎が2着に続き、南関両者でワンツーが決まった。

 「(郡司が仕掛けた時に)大槻さんがけん制して来るのは分かっていたので、避けながらだったんですけど、(郡司との車間が)ちょっと開いてしまいましたね。(郡司を抜けなかったが)自分の体は悪くないので、(郡司)浩平が強かったです」

10R

選手の写真です。
松井宏佑選手
選手の写真です。
和田真久留選手

 後ろ攻めから早めに動いた小川真太郎は中団の外で止まって本線の南関勢にフタをする。内にしばらく閉じ込められた松井宏佑(写真)は結局、後方まで下げる。前受けの筒井裕哉がそのまま逃がされるが、単独の4番手になった小川も最終ホームからスパート。筒井の激しい抵抗で前団がもつれたところを松井がバックから痛烈なスピードで飲み込んだ。


 「本当にヒヤッとしました。他のラインに早く行ってくれって、祈ってました。小川さんが早めに行ってくれたし、今までの小川さんとの対戦がこのレースに生きた。あとは早めに態勢を整えて、ゴチャついたところで行こうと。こういうレースの中ではタイミング的には一番、良かったと思います。体調が悪い中でも目標にしていた決勝に乗れて、とりあえず良かったです。あと1日、気合で頑張ります」


 好マークの和田真久留(写真)が2着に入り、地元ワンツー決着。3日間、オール2着で勝ち上がった。


 「スリリングなレースでしたね。どうなるんだろうって思ってました。行けるのかなって思いながら後ろで応援してたんですけど、強かったです。最後は抜けなかった。とりあえず(中村)浩士さんまでライン3人で決まったのは良かったです」


 地元コンビを懸命に追った中村浩士が3着に流れ込み、南関勢で上位独占を果たした。


 「(松井は)あそこで引いたら今後がないですから。前も有利な位置からしか踏まないけど、最後に行ってしまうあたり力が違いますね。前がかかってくれたし、そこから加速するのは得意ですから。ラインで決まって良かったです」

11R

選手の写真です。
松岡貴久選手
選手の写真です。
清水裕友選手

 小嶋敬二が打鐘手前で簗田一輝を押さえると、前受けから引いた清水裕友が一気に仕掛ける。合わせて踏み上げた小嶋を、最終ホームで叩いて先頭に。清水にピタリと続いた松岡貴久(写真)は、まくってきた簗田を強烈なブロックで止めて、直線で鋭く追い込んだ。


 「清水君が強かった。小嶋さんが謎に突っ張ったから、(清水は)出切れないかと思いました。2コーナーで踏み上げていたし、そう簡単には来れないだろうと思ってました。余裕はなかったです」


 別線を完封した清水裕友(写真)が2着。ラインでワンツーが決まった。


 「とりあえず(決勝に)乗れたので。欲を言えば、ジャンで見ないで小嶋さんラインに付いて行って叩ければもっと楽だったんですけど。ちょっと見てしまった。100%で踏んだら残れないし、2コーナーで踏み直せるように考えて。感覚は二次予選の方が良かったですね」


 簗田の仕掛けに乗った岡村潤が、コースを縫って3着に入った。


 「簗田はあのまま行っちゃうかなって思ったけど、松岡君は脚があるし細かい動きが巧い。間に入れればと思ったけどクイックで戻ったので。気持ちを切り替えて走ったのが良かったかな」

12R

選手の写真です。
村上博幸選手
選手の写真です。
松岡健介選手

 7番手から動いた根田空史は鈴木竜士を警戒すると、赤板1センター過ぎから一気に仕掛けて先行態勢に入る。しかし、南関ライン3番手の桐山敬太郎が村上博幸にさばかれて、前受けから根田に合わせて踏んだ松岡健介が3番手を確保する。グングンとスピードを上げる根田に、後方に置かれた鈴木は仕掛けるタイミングを失って最終バックを通過。番手の郡司が2センターから踏んだ松岡をけん制しながら直線へ入ると、4コーナーから内のコースを踏んだ村上博幸(写真)が、根田と郡司の間を鋭く伸びて突き抜けた。


 「(松岡と)2人とも40歳オーバーですけど、連係も豊富ですし、意思疎通が上手くいきました。(ライン3番手の)三宅(裕武)は残念でしたけど、準決勝に関しては(松岡と)2人で力を出し切りました。二次予選みたいな自力はキツいですけど、勢いをもらってなら伸びている」


 内から来た村上に先着を許した郡司浩平だったが、2着で地元記念の決勝へコマを進めた。


 「バックで松岡さんが見えて、僕が(松岡を)振ったら、(村上)博幸さんが内から来るっていうのは分かっていたんですけど…。何もしないで根田さんを抜きに行くのはって思ったし、ひと振りすれば根田さんも(3着までに)残れるかなと思って。難しいですね。最低限2着に入ったんで、決勝はしっかり走りたいです」


 郡司に張られながらも、松岡健介(写真)が3着に入った。


 「見ての通り僕1人の力ではどうにもならないですからね。こうなったらこうしようって考えていたのが、はまりました。最近は結果が出てなかったんで、まだ準決勝ですけど、こうやってレースを作れたのは良かったですね」


 


 


6R S級ブロックセブン


 昨年の12月佐世保記念で優勝して以降、FI戦でも優出がない五十嵐力だが、地元戦の今回は、なんとか結果を残して流れを取り戻したい。


 「ダービーは3走で終わってしまったし、感触はそこまで良くないですね。原因は不明です。年齢的なものもあるかもしれないですね。ここまでは普通に練習してきました。もうちょっと上積みがほしいですね。一発レースはエボリューションは経験があるけど、ブロックセブンは初めてです。矢野(昌彦)君の番手にいきます。初連係ですが、強い先行選手というイメージがあります。地元なんで頑張ります」


 4月川崎で、記念初優出を果たした吉田茂生。近況は、成績が右肩上がりだ。


 「(川崎の)決勝は単騎だっだんですけど、もうちょっと上手く走りたかったですね。でも、あれで気持ちは入りました。川崎のあとは結構時間があったので、しっかり練習できました。シューズを変えたり、セッティングを変えたりして、メーターのスピードは出ていたので、あとは競走でどうかですね」


 今年からS級の舞台に立った金ヶ江勇気は、随所に好走を見せている。


 「まだ成績にムラがめちゃくちゃあるんで、もうちょっと良いように走りたいです。(前々回の)武雄記念が終わってから減量を始めて、5キロくらい痩せました。体が軽くなりましたね。今回は一発勝負なので、しっかり狙って良いレースをしたいです」