「(吉田)拓矢の頑張りに尽きますね。本当にいい関係かなと思います」
鈴木竜士は、吉田への感謝の言葉を繰り返した。同期同県の後輩として、互いに切磋琢磨して力をつけた。昨年のヤンググランプリではラインを組むことのなかった2人だが、今年の大一番では吉田に前を託した。
「(作戦は)太田(竜馬)君(ライン)の後ろから始めようと。あと拓矢に任せていました」
赤板の2コーナーで前に出た吉田は、中団のもつれを誘ってマイペースで先行。最終ホームからギアをトップに入れる。番手の鈴木は、3番手の外併走からまくってきた太田をブロックするも止められない。
「拓矢は冷静に走ってくれたし、いいレースでした。自分はもっとやれることがあったかなと思う。必死だったし、(太田を)もっていくしかないと」
上をいかれた鈴木だったが、吉田が太田を張ると空いた内コースに吸い込まれる。「拓矢、ごめんと思って踏みました」。インから先頭に躍り出ると、太田、さらに、その間を割ってきた山岸佳太を阻んで激戦を制した。
「1着とはわかったけど、ゴール前で接触したので車体故障とかで審議にあがったらヤバいなと思っていました。でも、ゴール後に拓矢が(審議にはなっていないと)声をかけてくれました」
エリート集団と言われる107期。その中でも新山響平、吉田と並び、早々とS級で活躍した。順風満帆に思われたが、今年一年は結果の出ない苦しい日々。それでも信じた道を突き進み、年末に大輪の花を咲かせた。
「本当に今年1年は苦しかったというか、成績もともなわないし、やってきたトレーニングとかもすぐに結果が出なくて。もどかしかったんですけど、拓矢のおかげで、最後にこうやって締めくくれてよかったです」
次の連係は、さらなる高みで。この優勝を追い風に、今後の邁進を誓う。
「次は(吉田の)前で頑張れるように。そのためにはGIに出ないことには。(今後は)しっかり先行でGIを獲れるように頑張りたいですね。もちろん、GIは獲りたいって気持ちはありますし、その前に記念なりGIIなりも、しっかり決勝にコンスタントにあがって、優勝狙える位置まではいたいです」
吉田を力でねじ伏せた太田竜馬(写真)だったが、鈴木に屈して準V。狙い通りのポジションから仕掛けるも、あと一歩届かなかった。
「あの位置(3番手)を取れたら勝ちだと思っていました。(まくり切って)いったと思ったんですけどね。内から鈴木さんが来て。寄ってこられて、あれでフラフラになってしまった。止まった感じはなかったけど、車輪は負けているなと。途中まではよかったけど、しゃあないですね。力は出し切れたし、来年(のヤンググランプリ)は、運が向いてくれれば優勝できるかな」
堀内俊介は、直線で最内のコースを踏むも3着まで。
「先輩たちのアドバイスで内に行こうと。でも、普段は内に行く競走をしていないから、いけるか不安はありました。(2センターで内)コースが空いて、チャンスと思ったら鈴木君が降りてきて。そこで、バックを踏んでしまいました。鈴木君が外を行ってくれれば…。今回はああいうレースでしたけど、もっと大きいレースで戦えるように力をつけたいです」
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