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ひらつか競輪

HIRATSUKA KEIRIN

35#

検車場レポート

  • 10/27 Fri.  (前検日)
  • 10/28 Sat.  (1日目)
  • 10/29 Sun.  (2日目)
  • 10/30 Mon.  (3日目)

1R

 今回が2回目のGIII参戦となる中西大。初戦となった8月川崎ナイターGIIIでは、2日目に落車の憂き目。今回こそ積極的な走りで存在をアピールする。


 「(優出した10月)広島(FI)はよかったんですけど、(前回の)弥彦(FI、146着)は競走が4場所続いていて、練習ができなくて。でも、ここまではしっかり練習ができました。川崎(GIII)で帰ってしまったし、今回は名前を売りたいですね。ややこしい奴と思われたいです」


 畑段嵐士が中西の番手を回る。共同通信社杯で怪我から復帰を果たすと、9月小倉FIを優出。気になる状態も「平塚はたぶん初めて走ると思います。初日は中西君に任せて。けっこう練習もしているし、よくなっていると思いますよ」と上向いてきた。


 調子を上げていた吉田裕全だったが、前回の奈良FIを959着と叩いてしまった。当所で再度浮上を試みる。


 「前回は4人しか抜いていないですからね(笑)。徐々に点数を上げていたのに、一気に落としてしまいました。ここで頑張らないと。状態は前回よりはいいと思います。(目標の)市川(健太)さんと相性はいいですし、平塚も相性はいいので」


 

2R

選手の写真です。
嶋津拓弥選手

 当所をホームバンクとする嶋津拓弥(写真)。ここに向けて準備してきた成果を一気に爆発させよう。


 「練習はやったので、あとは疲れがどうか。走ってみないことにはわからないけど、疲れが抜けていれば問題はないと思います。状態は良くなってきているのかな。まずは初日をクリアしたい。そして、いいレースをしたいです」


 佐藤一伸は番手飛び付き策で中井俊亮らを撃破して8月千葉FIを制覇。その後も9月弥彦FIを118着など、夏場から成績が向上している。


 「流れはいいですね。でも、ここまで台風とかであまり練習ができなかったです。ずっと雨が降っていて、止んだと思ったら地区プロで。平塚はけっこう久しぶり。でも、相性はいいですし、好きなバンクです。何とか頑張りますよ」


 

3R

 櫻井正孝は10月富山FI、続く前回の川崎FIを優出といい流れ。ここは点数上位の意地を見せよう。


 「もともとハンドルを広くしていたんですけど、狭くしたら成績が上がりました。(川崎の決勝は)吉田(敏洋)さんも早いタイミングできていたし、(3番手が取れたが)いっぱいでしたね。状態は悪くないけど、ここまで地区プロもあって(競輪の)自転車に乗っていないんですよ。廣田(敦士)君は函館記念の初日にやられている。ペースで駆けると強いので、気を付けます」


 対する廣田敦士は、前回の奈良FIを連日の先行策で282着。力強い走りを見せた。


 「やっぱり駆けないとダメですね。(積極的に仕掛ける)気持ちが重要。初日も先行を基本に走ります。平塚は一回走ったくらい。でも、そのころよりも成長していると思うので。櫻井さんとの対戦はあるけど、村上さんとは走ったことがないですね」


 村上直久も、前回の四日市FIで逃げ切り1着など状態を上げている。


 「前回は、久しぶりに逃げられました。たぶん、(怪我から)復帰してから初めて逃げ切れたと思います。だいぶ感じはいいですね。初日はメンバーが難しいので、しっかり考えます」


 

4R

 6月に特別昇級した佐伯辰哉は、今回が初の記念出走。グレードレースでどんな走りを見せるか注目だ。


 「6月からS級なんですけど、やっと記念に呼ばれました。(目標は)決勝に乗れたらいいなと思っています。今回からセッティングをガラッと換えました。この後に広島記念があるので、そこで成績を残すために。平塚は初めて走るんですけど、らしく頑張ります」


 柴崎淳は、9月防府FIの優出を皮切りに調子上向き。前回の10月豊橋FIでは、石塚輪太郎の番手から抜け出して今年初Vを手にした。


 「前回は石塚君が強かったですね。自分の状態も戻ってきました。豊橋が終わってからは、ずっと雨で。止んだ時に乗ってきました。状態は維持できていると思います。でも、レースになると、不思議と何か違う時があるので。乗ってみてどうかですね」


 

5R

 戸田康平は夏場から成績が下降線を辿っている。それでも前回の京王閣FIでは2度の確定板入り。復調気配がうかがえる。


 「いつも使っている街道のコースが工事で使えなくなって、それから調子があんまりよくないんですよ。練習グループのみんなも池田憲昭さん以外はそんな感じなので、それが原因ですね。でも、前回は感じがよかったので、状態は上がっていると思います」


 小原唯志は9月松戸記念で2勝。スランプを乗り越え、力強さを取り戻している。


 「脚は悪くないですね。直前は雨が多くて、そんなに練習できていないんですが、状態は上がってきています。レースをちゃんとやれば大丈夫だと思います。みんな積極的なんですけど負けないように頑張ります」


 

6R

選手の写真です。
松坂洋平選手

 松坂洋平(写真)は9月豊橋FIの決勝で伊藤裕貴の先行を豪快にまくって圧勝。今年2度目の優勝を飾った。前回の千葉記念はパッとしなかったが、地元の今シリーズは初日からパワー全開だ。


 「ここに向けて、練習はしっかりやってきました。千葉記念は追加だったので、その疲れがありました。状態は悪くないので、今回は大丈夫です。油断せずに行けるところからしっかり行きます」


 長尾拳太は8月の落車から立ち直り、スピードが冴えている。


 「落車の影響はまったくないです。状態的には普通ですね。前回の奈良からけっこう空いたんですが、雨も降ってそんなに練習はできなかったので、走ってみないと分からないです。自分のレースをしっかりします」


 

7R

選手の写真です。
島川将貴選手

 島川将貴(写真)は8月の練習中に大怪我を負ったが、復帰後は順調にリズムを回復している。


 「脳挫傷だったんですが、すぐに退院して、今はもう影響ないです。今回からギアを初めて3.93に上げます。今までは86だったんですが、周りもみんなかけてきているので、これぐらいのギアを踏めるようにしていきたいですね。どれだけやれるか楽しみです」


 新山将史は10月奈良FIで準Vと好走。その後も好調を持続している。


 「最近の成績はタマタマです。(6月)川崎で落車したんですが、(8月)西武園からその影響がなくなって、よくなってきています。前回(熊本記念in久留米)は追加で、練習もしていたので、ちょっと疲れがありましたけど、今回は大丈夫だと思います。アタリもついてきたので、しっかり頑張ります」


 

8R

 上野真吾は前回の小松島FIで決勝2着と大健闘。好ムードのなかで地元記念を迎えた。


 「ようやく成績をまとめられるようになりました。小松島の初日はラインの3番手から差せているので、状態はいいですね。ここに向けてセッティングをずっと試していて、それがある程度、しっかり固まりました。長い距離をもがけなくなって、人の後ろを回ることが増えたんですけど、自力も戻ってきたので、戦法はこれからどうするか考え中です。簗田(一輝)君とは初めてなんですが、脚はあるので信頼して付いていきます」


 簗田一輝は直前の熊本記念in久留米でシリーズ3連対。二次予選の落車は大きなダメージはなかった。


 「肘は少し痛いんですが、自転車に乗っているぶんには大丈夫です。久留米の3日目に追加を受けました。前回の(8月)平塚は(初日落車で)いいところがなかったので、今回はいいレースをできるように。ライン3人で決めたいですね」


 

9R

選手の写真です。
元砂勇雪選手

 元砂勇雪(写真)はここに来て急成長を遂げた。今シリーズは約1カ月ぶりの実戦で不安を抱えながらの参戦だ。


 「(9月)防府の2日目に対戦選手のペダルと接触して、左足を痛めました。歩くのも痛くて、ほぼ1週間は何もできなかったです。2週間ぐらい前から練習を始めて、いい頃に比べるとまだ物足りないですね。レース勘も心配です。記念は特進してから初めてなんですよ。前にS級にいた時もほぼ勝ち上がれていないので、ここで悪いイメージを払しょくしたいです」


 伊代野貴照は追い込みに転向して成績の安定感が増している。


 「前期のA級から自力というよりも自在で人の後ろも回ってきました。S級もこういう風にやりたいっていうビジョンを持ってやってきたし、今はもう追い込みですね。元砂君とは初めて。しっかり付いていくだけですね」


 

10R

選手の写真です。
郡司浩平選手

 郡司浩平(写真)は今年の賞金ランキングで11位につけている。獲得賞金額で年末の地元グランプリ出場の可能性もまだ残されている。今シリーズは地元エースとして結果を出すことしか考えていない。


 「(賞金争いは)気にしなくなってきました。結果が出ればいいなって感じで、(最終的に)フタを開けてどうかなって。グランプリに出れなくても悔いなく終われればいいですね。今回は結果が求められると思うし、持ち味を出せば結果はついてくると思います。上向きの状態なので、最終日に向けて上げていければ」


 林雄一は前回の弥彦FIで今期初優出。決勝でも2着に入るなど、鋭い切れ味が戻ってきた。


 「弥彦は優勝できるような感じで突っ込めたし、久しぶりに出せたなって思います。状態は上がってきています。6番車なんで強気なことは言えないんですが、ホームバンクは2、3割増しで走れますから。郡司君の番手でしっかり頑張ります」


 三谷竜生は夏場に落車が続いたが、本来のリズムを取り戻している。


 「ここまで順調にはきているんですけど、調子はボチボチですね。フレームを替えたりはしていたんですけど、今のフレームを替える予定は今のところないです。いいメンバーですが、自力で頑張ります」


 

11R

選手の写真です。
稲垣裕之選手

 近畿コンビが人気の中心だ。稲垣裕之(写真)は10月前橋の寛仁親王牌で準決勝敗退。その悔しさをバネに練習量を増やしてきた。


 「次(競輪祭)を見すえて、ウエイトに重点を置いて、トレーニングはきつめにやってきました。松本(整)さんは昔からウエイトって言ってましたし、それが世界の主流ですから。松本さんがいろいろと調べて教えてくれます。測定値も上がっているので、その力をうまく自転車に伝えられるようにしたいですね。まだ時間はかかりそうですけど、手応えはつかめてきています」


 稲川翔は寛仁親王牌の二次予選Bで敗退。敗者戦で連勝しているが、満足はしていない。


 「親王牌はダメだったし、もっと頑張れっていうことでしょう。もう競輪祭しか残ってないので、1からやるつもりで練習してきました。稲垣さんとしっかり決められるように」


 神山雄一郎は前回の千葉記念の準決勝で鋭く伸びて1着。記念で3場所連続の優出を果たした。


 「今年前半で苦しんだぶん、先を見すえてやった成果が(9月)青森(記念)ぐらいから出ている。(千葉)記念の準決勝で1着が取れたのは先につながりますね。感覚はつかめてきました」


 

12R

選手の写真です。
武田豊樹選手

 武田豊樹(写真)は10月前橋の寛仁親王牌で骨盤骨折の大ケガから復帰。まだ完璧な状態ではないが、徐々に上向いている。


 「体は万全じゃないけど、走りながら戻していくしかないですね。レース勘もあるので、感覚を戻すのが大変です。まだまだなんですが、一戦ごとによくなってます」


 吉田拓矢は寛仁親王牌で一次予選敗退となったが、敗者戦で3連勝を飾った。状態面に不安はない。


 「(寛仁親王牌は)ちゃんとリカバリーはできたので、よかったと思います。練習は普通にしっかりできたので、問題はないですね。いい感じなので、自信を持って走ります。相手は強いですが、しっかり力を出し切ります」


 高橋和也は前回の地元名古屋で決勝進出を逃したが、直前の地区プロのケイリンで優勝を飾った。


 「地元戦で大失敗してしまいました。地区プロのケイリンはたまたま番手にはまって優勝することができました。それから日にちはなかったんですが、状態は悪くないと思います。相手はかなり強力ですけど、細切れなんで、どこかでチャンスはあると思ってます」


 園田匠は後半戦に入って落車続きだ。寛仁親王牌も3日目、最終日と2日連続で落車に見舞われた。


 「落車はいつものことなんで。ケガもそんなに気になりません。落ちないにこしたことはないけど、(5月和歌山の)全プロから流れが悪くなりました。レースの間隔が空いてしまったのが心配なんですが、ここでしっかりアタリを見つけて、自分が納得するレースをしたいと思います」


 

1R

選手の写真です。
畑段嵐士選手

 前受けの中西大は押さえにきた市川健太に対し突っ張る素振りを見せたが、結局車を下げる。態勢を整えると、打鐘の2センターから巻き返して前団をひと飲み。これにしっかり続いた畑段嵐士(写真)は、まくってきた小林則之を冷静にブロック。直線で田中誠も阻んでオープニングレースを制した。


 「もう誰もこないと思ったんですけど、小林さんがいいスピードできていて。早めに張らないと後ろまで引き込まれると思ったので、その辺はしっかり(対処した)。内も見ながら余裕もありました。久々の1着ですね。練習中の落車で膝の靭帯が伸びてしまって休んでいたけど、もう痛みもないし、調子も上がってきました」


 中西大が2着。自慢のパワーを存分に発揮して、別線を粉砕した。


 「前を取った時点で突っ張るか、引いてカマシしかないと思っていました。押さえ方が甘かったから突っ張ってもよかったですね。いつものスタイル(押さえ先行)ではないけど、最後までしっかりと踏み切れたし、調子はいいと思います」


 小林の仕掛けを追った田中誠は、直線で中のコースを踏み上げる。しかし、畑段に阻まれて伸びきれず3着。


 「舘(泰守)さんが離れたのは計算外でしたけど、中西君が絶対に仕掛けると思ったので。初日は(中西の)番手を狙うか、まくりしかなかったですね。でも、まくりは条件付きになるから、赤板で突っ張っていたら(番手に)追い上げていたかも」


 

2R

 後ろ攻めの野田源一が赤板の1センターで前に出る。その上を嶋津拓弥が押さえ打鐘で主導権。中団は南関勢を追った山崎光展と、野田とで併走に。隊列が短くなったところで、前受けから後方に下げた佐藤一伸が4コーナーから反撃。番手で一呼吸いれると、最終2コーナーから再加速して抵抗する嶋津をバックで捕らえた。


 「1センターで入ろうとしてしまいました。でも、いけそうだったので、入るよりは前に踏もうと。1着スタートができてよかったですね。あのレースができれば、体も大丈夫です」


 藤田竜治はゴール前で佐藤に迫るも、交わせず2着。しかしながら、きっちり佐藤の仕掛けに続き北日本ワンツーを決めた。


 「佐藤君がだいぶ外々に踏んでいて。かばいたかったのでギリギリまで待ったら2着でした。自分から買ってくれていたお客さんに申しわけなかったですね。でも、佐藤君が強かったです。川口の一発をもらったけど、また踏み直して。頑張ってくれて、感無量ですね」


 川口直人が嶋津の番手から追い込んで3着。勝ち上がりを逃した嶋津を気遣いながらレースを振り返った。


 「嶋津君が風を切ってくれたので、もう少し何かできればよかったかなと思います。でも、佐藤君も脚があるので。なかなか難しいですね。勉強です。あんな感じですけど、自分の感じも体調も悪くないです」


 

3R

選手の写真です。
山口富生選手

 前受けの櫻井正孝が打鐘で村上直久を突っ張る。川津悠輝のブロックでバランスを崩した村上は後退。植木和広が櫻井の後位に追い上げ、もつれたところを廣田敦士が打鐘の4コーナーから一気に仕掛ける。中近ライン3車で出切って上位独占の態勢。最後は山口富生(写真)が鋭く差し切り、久々の勝ち星を挙げた。


 「櫻井君の点数が抜けているので、どういうふうに7番手に置くかを考えていた。打鐘のアクシデントで村上君がいなくなって、自力が1人減ったのが大きかった。廣田が落ち着いて行ってくれた。この1着はうれしいね。うまく決まってよかったです」


 タイミングよくスパートした廣田敦士が2着。ラインを上位独占に導いた。


 「展開が向きました。村上さんのアクシデントがあって、その間にうまく行けました。運がよかったです。バンクが重かったんですが、いい感じで踏めました。最後のひと踏みは足りないですね。そこが強い人たちとの差です」


 ライン3番手の山本佳嗣がしぶとく3着に流れ込んだ。


 「恵まれました。なんとか付いていけた。点数がなくても展開ひとつですね。1月からA級なんで、(初日)特選に乗れる点数を確保するのが今の目標です」


 

4R

 今シリーズが記念初挑戦の佐伯辰哉が強敵を打ち破り、白星スタートを切った。正攻法に構えた佐伯はいったん、車を下げて残り1周からスパート。中団から踏み込む柴崎淳とタイミングが合ってしまう苦しい展開に。持ち前の器用さを発揮して島野浩司をさばいて番手を奪うと直線で鋭く抜け出した。


 「前になったら引いてカマす作戦でしたけど、ずっと(柴崎に)見られていて。ホームから仕掛けたけどタイミングが合ってしまったので。でもそれ(さばき)が自分のスタイルなので。先行は機会があればします(笑)」


 佐伯追走の吉永好宏が1センターで内に切り込むと、吉岡篤志が追い上げる形となって2着に入った。


 「(吉永が)内にいってごちゃっとなったし、詰まってしまったので追い上げました。自分もS級点がかかっているし余裕がないので。この2着はでかい」


 中団確保からまくった柴崎淳は末の粘りを欠いて3着。


 「風も強かったので、めっちゃ(バンクが)重かったですね。時間帯も早かったし、まだ体も重かった。でも調子は上向いてきているので」


 

5R

 打鐘で誘導を降ろした戸田康平と、すかさず巻き返した小原唯志とで主導権争いが勃発する。これで絶好の展開となったのは南関勢。戦況を見極めていた本多哲也は、最終1センターから踏み上げて前団をバック過ぎにまくり切る。最後は小菅誠が差し切り。地元記念で白星スタートを切った。


 「前を取ったら、別線が踏み合ってくれればと思っていました。あれが一本棒になっていたら危なかったですね。本多君が出切ってくれたのが何より。本多君には初めて付いたんですけど、踏み出しがきつかったですね。でも、最後は抜くだけだったので、練習みたいな感じで抜けました。地元記念で1着が取れて嬉しいです」


 本多哲也はしっかりチャンスをつかんで、二次予選に勝ち上がった。


 「前を取ったらあれしかない。でも、小原さんが先に切ったらアウトだと思いました。展開がよすぎたし、距離も踏んでいないので(状態は)わからないですね。出脚はよかったです」


 

6R

 打鐘前に切った日野博幸を長尾拳太が押さえて主導権を取る。日野が中団に収まり、7番手となった松坂洋平は4コーナーから反撃。最終2コーナーで日野を内に押し込むと、そのままインをすくっていく。小林信晴を外に飛ばした松坂が長尾の後位から鋭く追い込んだ。


 「落車があったので素直に喜べないけど、自分としては反応もよかったし、気持ちで取った1勝です」


 高木隆弘をどかしてバックから踏み上げた牧剛央は松坂の後位に追い上げる形から2着に流れ込んだ。


 「レースは見えてました。松坂君は来ると思っていたし、高木さんは空いていたので、そこしかなかったですね。瞬時に判断して体は動きました。でも、重かったですね。最後も前を抜ける気がしなかった」


 打鐘先行の長尾拳太が3着に粘り込んだ。


 「風が強くてまくりに構えても厳しいので、とりあえず後ろから前に出ようと思ってました。(別線が)構えてくれたので、あとはペースで駆けました。重くて感じはあまりよくなかったですね」


 

7R

選手の写真です。
新山将史選手

 積極タイプの泉谷元樹と島川将貴で打鐘から激しい先手バトルを繰り広げる。冷静に中団を確保した新山将史(写真)が最終バックから好回転でまくって快勝。北日本ラインで確定板を独占した。


 「よかったのは、あの(打鐘前に内をすくった)動きだけですね。結果的に踏み合いになってまくれたけど、(泉谷が)1車受けて番手に入っていたら厳しかったと思う。脚はいいと思うけど、明日(2日目)以降はその辺を考えないといけないですよね」


 前回途中欠場明けの荒澤貴史は口が空きながらも懸命に続いて2着を確保した。


 「室井さんが降りてきそうだったので構えていたので飛ばせました。付け直せたけど(新山が)強かったですね。前回とフレームを換えて少しは良くなったけど、もう少しセッティングを煮詰めたい」


 坂上忠克は4角ハコ展開を生かせずに4着まで。


 「厳しい戦いになると思っていたけど、自分の技術不足でした。どかすこともできず余裕もなくて(車間が)空きっぱなしでした。申しわけない。泉谷君が強かった」


 

8R

 後ろ攻めの吉本哲郎から順に切ると、打鐘で出た城幸弘がそのまま先行態勢に入った。前受けの簗田一輝は7番手まで車を下げたが、打鐘の4コーナーから一気の反撃。あっという間に前団を飲み込んだ。番手の上野真吾は阿久津修のブロックもしのいで簗田に続くと、最後はゴール寸前で交わして1着。


 「スタートを取らされちゃったので、あとは簗田君のタイミングでいってくれと思っていました。いいタイミングでいってくれましたね。強かったですよ。師匠(渡邊秀明)も来ていたし、目の前で1着が取れてよかったです。状態がよくなかったんですけど、それが普通になって出し切れるようになってきました。今回の状態はいいです」


 ワンツーを決めた簗田一輝だが、組み立てを反省する。


 「初手は中団からと思っていたんですけど、誰も出なくて。ジャンのところで巻き返さないといけなかったですね。バックを踏んでいる途中だったので、止めてしまいました。強引にでもいくべきだったと反省しています。組み立てがまだまだ。ワンツーは決まりましたけど、(南関3番手の)眞原(健一)さんには申しわけなかったです」


 吉本哲郎は、8番手からまくって3着に食い込んだ。


 「(初手で)前を取る気はなくて。中団も取れないだろうから後ろからでと。簗田君が(最終)ホームで後ろだったし、仕掛けたら引き出してしまうので。どうしようかなと思ったけど、いかないと(勝負圏が)ないなと思って仕掛けました。落ち着いてはいましたね」


 

9R

選手の写真です。
佐藤和也選手

 赤板から飛び出した木村弘が後続を1本棒にして徐々にペースを上げる。前受けから7番手に下げていた元砂勇雪は最終ホームから反撃。北日本勢を一気に飲み込んだかに見えたが、番手まくりで応戦した佐藤和也(写真)が内から盛り返してゴール前の激戦を制した。


 「あんなに(木村が)フカすとは思わなかったです。ちょっと(元砂の)スピードが違いました。完全に行かれたと思いました。本当は出て行きたくなかったし、もうちょっと仕事をしたかったんですが…。難しいですね。今は戦法チェンジをしているので、タテに踏んだらダメですね」


 ロングまくりの元砂勇雪は僅差の2着。レース後は首を傾げる。


 「外に持ち出して、踏み出してから全然、車が進まなかったです。すごく重かった。3コーナーではいっぱいでした。(怪我の)痛みはないけど、仕上がりは悪いですね」


 元砂マークの伊代野貴照は3着まで。


 「元砂が下げて、どういう仕掛けをするのかタイミングを計りながら見てました。雨と風で視界がちょっと悪かったですね。でも、アップ中から調子がよくて、踏んだ感じも悪くなかった」


 

10R

選手の写真です。
林雄一選手

 地元の郡司浩平が、ファンの期待に応えて勝ち上がりを決めた。レースは打鐘から踏み上げた北津留翼が、三谷竜生を叩いて先行策。三谷は連結が外れた北津留の番手にはまると、最終2コーナーからまくり上げる。郡司は4番手で三宅伸に絡まれるも、何とかしのいで中近コンビを追走。2センターからまくり追い込んで激戦を制した。


 「思った以上に早めにレースが動いて、イメージと違いました。本当は自分が三谷君みたいなレースができれば良かったけど、仕掛けるのも遅くなったし、わがままなレースになってしまった。その辺も優秀は修正したい」


 林雄一(写真)は中近勢の中を割って2着に入線。的確なコース取りを見せた。


 「外では届かないと思って。最善のコースを踏めたし、余裕もありましたね。一番人気になっていたし、ワンツーが決まって良かった。(怪我をして)前より考えるようになったし、前より練習をしているけど、戻ってはいないです。8割くらいですかね。1、2走だけではなくて、この後も(初日の競走を)続けたい」


 笠松信幸が追い込んで3着。レース後は目標の三谷を称賛した。


 「三谷君はさすがですね。郡司君に合わせて仕掛けると思ったけど、すかさず仕掛けましたし、グランプリに乗る選手は違う。自分は3着に入れたけどあそこ(4コーナー)で内を空けたらダメですね」


 

11R

選手の写真です。
稲川翔選手

 南関ラインの先頭を務めた近藤隆司が、赤板の2コーナーから主導権を握る。稲垣裕之は先に切った阿竹智史を押さえると、南関勢を受けて抜かりなく4番手の好ポジションをキープ。1センターから踏み上げて、近藤を2センターでまくり切る。最後は番手の稲川翔(写真)が、ゴール前できっちり差し切った。


 「どんな形になっても、稲垣さんとゴール前勝負をしようと思っていました。ワンツーが最低条件ですし、最後は決まるなと。コメントはなしって言うくらい(稲垣が全てやってくれた)。今後、援護できるレースがあると思うので(援護をしたい)」


 稲垣裕之は4番手を確保するなど、レース巧者ぶりを発揮。見事に近畿ワンツーを決めた。


 「近藤君のペースは微妙なところがあるので、惑わされました。モコモコしているように見えたけど、バックで近藤君がまた加速している中でいき切れているので手応えは悪くないですね。加速する感じだったし、調子も良いです」


 岡村潤は近畿勢を追った阿竹智史をさばくくと、2センターから外を踏んで3着に入った。


 「稲垣さんが直線できたので、あれは止められないですね。佐藤君がすぐ追っかけてくれれば、また違ったとは思いますけど。(佐藤が)張って、前に踏んでくれたらいいなと思っていたら残したので。それで、先に踏んでしまって。早く踏み過ぎてしまいました」


 

12R

選手の写真です。
菊地圭尚選手

 打鐘で高橋和也を押さえて先行態勢を取った早坂秀悟に対し、8番手となった吉田拓矢がすかさず襲いかかる。最終1コーナーで吉田が強引に叩き切るが、武田豊樹は離れて、早坂が番手に収まる。懸命に前を追いかける早坂の後位から菊地圭尚(写真)が直線で鋭く伸び切った。


 「あの展開は(早坂が)きついですよ。3コーナー過ぎで、すごいきつそうだったし、後ろに岡部(芳幸)さんもいるので最後は踏ませてもらいました。あんなにゴール前、伸びるとは思わなかったですね。うれしいです。(早坂との相性は)いいんですけど、自分ばっかりですね。脚は前々回(10月広島FI)ぐらいから上向いてます」


 6番手からまくった高橋は不発となったが、そのスピードをもらった坂口晃輔が2着に突っ込んだ。


 「(高橋)和也が仕掛けてくれたおかげです。余裕はなかったんですが、体は問題ないです。悪ければ千切れてますから。前(岡部)が内に入って、(菊地)圭尚さんをめがけていけました。直前に新しいシューズに替えて、まだ馴染んでないですね。練習では試していたけど、いざ本番になるとやっぱり違います」


 援護を失う形になった吉田拓矢だが、しぶとく3着に粘り込んだ。


 「警戒されたんですけど、緩んだところで行けました。冷静に走れたと思います。最後は苦しくていっぱいでしたけど、状態は悪くないです。最後にけっこう行かれてしまったのは悔しいですね」


 

6R

選手の写真です。
元砂勇雪選手

 ここからが二次予選。打鐘で切った鈴木庸之を元砂勇雪(写真)がすかさず叩いて出る。鈴木は元砂の後位に飛び付いて畑段嵐士と併走。もつれたところを松川高大が仕掛けるが、あおりを受けてスピードが止まってしまう。後位のもつれを後目に元砂が力強く逃げ切った。
 「不安はあったんですが、展開が向きました。前からレースを組み立てて、引いてタイミングよく行けました。思ったよりも踏めました。最後まで持ったのでよかったです。記念の準決勝は初めてなので、うれしいですね」
 鈴木との競り合いが長引いた畑段嵐士だが、なんとか番手を死守して2着に流れ込んだ。
 「松川さんの飛び付きはあると思ったけど、鈴木さんは予想外。競り勝ってから山本(佳嗣)さんのコースも考えながら踏めたので、悪くないですね。初日よりも感じはよかったです」
 松川が不発の展開から田中誠がしぶとく3着に食い込んだ。
 「緩んだので、松川が行くだろうなって思った。結果、合わされてしまったけど、タイミングはあれでよかった。出切れば決まってましたね。そこからの判断は甘かった。外に外して2コーナーからまくれば牧(剛央)さんと(準決勝に)乗れたと思う」

7R

選手の写真です。
早坂秀悟選手

 南関勢の先頭を志願した上野真吾が、赤板の1センターから一気に踏み上げて前受けの早坂秀悟を強引に叩く。丸山啓一が芦澤辰弘にさばかれて、早坂が3番手。番手の松坂洋平は、まくってきた早坂に合わせて2コーナーから番手まくりを敢行する。力強い走りで連勝を果たした。
 「いつもは自分が前だけど、上野君が前で頑張らせて下さいっていってくれたので任せました。頼もしい後輩です。初めから上野君がいくだけの作戦ではなかったし、中四国勢が後ろ攻めにこだわって早めに駆ける展開なら中団って作戦でした。でも、自分達が後ろ攻めになって、中四国勢も動かなかったから上野君が頑張ってくれた。連勝で勝ち上がれたし、申し分ないですね」
 合わされた早坂秀悟(写真)は、松坂の仕掛けを追う形で2着に入線。
 「突っ張るつもりで踏んだけど、雨で(上野が)見えなくて。でも、結果的に突っ張るつもりで踏んだからあの位置に入れたし。芦澤(辰弘)君も援護してくれたおかげですね。阿竹(智史)さんが見えて踏んだけど、松坂さんに前に踏まれたから厳しかったです」
 上野に合わせて踏んだ日野博幸だったが、上をいかれて結局、7番手。阿竹智史は最終ホームから自力に転じる。前団をまくれず苦しい展開になったが、合わせて踏んだ早坂の仕掛けを追いかけて3着に入る。
 「セッティングとギアを戻して初日よりはしっくりきたけど。日野君の動きを見てからのタイミングになったので」

8R

選手の写真です。
北津留翼選手

 後ろ攻めの廣田敦士が、合わせて踏んだ北津留翼(写真)を制し、赤板の1センターで主導権を握る。前受けの新山将史も廣田の動きに合わせて踏んで中団を確保。後方に下げた北津留は態勢を整えると、最終2コーナーからアタックする。豪快なスピードで前団に迫ると、先にまくった新山将史の上をいき前団を飲み込んだ。
 「(作戦は)先行か、最低中団と言っていて。一回、切ってから考えようと思っていたんですけど。(新山に)突っ張られてしまって。作戦通り走れなかったです。西川(親幸)さんには申しわけなかったですね。(まくりの)スピードはいつも通りでした」
 北津留のまくりに口が空いた園田匠だが、2センターで追いつく。直線で大外を踏んだ北津留の内コースを踏むも、交わせず2着。
 「(北津留)翼が切るという作戦でしたけど、(新山に)突っ張られてしまって。もし突っ張られたら構えろとは言っていました。あの距離の翼は抜けない。雨もすごくて、前も見えなかったです。やっぱり、このクラスでは翼の格が違いますね」
 新山将史は、打鐘で切り替えてきた西川親幸にからまれるも、しのいで単独の4番手をキープ。最終2コーナーからまくったが、北津留に屈して3着。
 「(西川の追い上げは)気になったけど、誰でも内、外から来ると思っていたので。勝っても負けても、あの位置を確保しようと。廣田君が強かったですね。タレてきたらいこうとも思ったけど、待って北津留さんと被ってしまってもあれなので。ダメでもいこうと。初日の方が(状態が)よかったですね。少し疲れがある」

9R

選手の写真です。
近藤隆司選手

 打鐘前に飛び出した長尾拳太に対し、佐伯辰哉がすかさず襲いかかる。長尾がこれを突っ張ってハイペースで駆ける。前受けから7番手まで下げた近藤隆司(写真)は最終2コーナーからまくって豪快に前団を飲み込んだ。
 「長尾君がすごいやる気でしたね。踏み合ってくれて展開が向きました。まくるまで自分の間合いでうまく行けました。脚はきつかったけど、1着はうれしいです。雨でも視界はそんなに気にならなかったです。筋肉の張りも戻ってきました」
 地元の佐藤龍二がきっちり食い下がって2着をキープした。
 「長尾が強かったですね。前でやり合ってくれたけど、1本棒になって、ヤバイと思いました。昨日(初日)よりもきつかったし、緊張しました。あれはもう抜けないですね。最低でも2着死守と思って必死でした」
 バック前から踏み上げた単騎の佐藤和也が佐藤龍を追う形で3着に入った。
 「重馬場は苦手なんですけど、今日(2日目)は軽く感じました。自分でまくるつもりだったけど、(近藤に)行かれてしまった。諦めずに踏み続けて最後は近藤君のスピードをもらえた感じです」

10R

選手の写真です。
三谷竜生選手

 三谷竜生(写真)が人気に応えて白星をゲットした。後ろ攻めから早めに動いた中西大が赤板から先行態勢を取る。打鐘の4コーナー、6番手から反撃に佐藤一伸に合わせて三谷が最終2コーナーから番手まくりを放つと後続の追撃を力強く振り切った。
 「中西君にとったら(後ろ攻めは)いつものことだと思うし、任せていました。出切ったあともけっこういいペースで踏んでいて、あとは(別線が)どの位置からくるかなって感じでした。後ろ(伊代野貴照)が落車してしまったのは残念です。もう少しやれたこともあったのかなって思います。番手(回り)でしたし、調子はボチボチですかね」
 後方8番手から懸命にまくり上げた山田義彦が2着で準決勝の切符を手にした。
 「前を取ったけど、もう少し動きがあってもいいってくらい簡単に一本棒になってしまったのでヤバいと思いましたよ。誰か内か外か踏んでくれって思ったけど、それは自分の仕事かって(苦笑)。ごちゃつく展開が好きなのにすんなりになって苦手な力勝負になったからまくり切るっていうよりもいけるところまでって感じで踏みました。内に佐藤君がいたので最後は締めながらでした。自分を褒めてあげたい(笑)」
 三谷に合わされながらも伊代野をさばいた佐藤一伸が3着に入線した。
 「あの展開になったら三谷君が車間を空ける前に仕掛けないとって思っていきました。前々に攻めた結果がよかったと思う。踏めていると思います」

11R

選手の写真です。
柴崎淳選手

 小原唯志にフタをしていた簗田一輝が、突っ張り気味に踏んだ高橋和也を打鐘で叩いて出る。しかし、小原もすぐさま巻き返し、最終ホームで強引に主導権を奪い返した。高橋は小原ライン目がけて踏み上げると、番手から前に踏んだ武田豊樹を2センターでねじ伏せる。最後は柴崎淳(写真)が直線で追い込んだ。
 「(作戦は特になく)好きに走ってもらう方が一番リラックスできると思って。(自分は)先行するならその時の仕事があるし。まくりなら追走が第一ですしね。1センターで江守(昇)さんに切り替えられると思って構えていました。いつでもきてくれと。(高橋が)強かったです。付いているだけでした。でも、最近は自信を持っていける感じがあります」
 山口富生は2センターで江守に絡まれたが、しのぎきって2着に入る。
 「江守にあたられて。バリバリいいながら2着に入れた。俺、強いね(笑)。一生懸命、前に踏んだだけですけど。セッティングも出ている。体も大丈夫です」
 別線を粉砕した高橋和也が3着。力強い走りで、ラインを上位独占に導いた。
 「(初手は)前になると思っていました。簗田君が(小原ラインを)出させる展開になると思ったんですけど、やる気だったので(出させた)。ああなったら、まずは中団をキープして。前がやり合っていたし、それ(小原ライン)を目標に追いかける形で仕掛けました。3人で決まってよかったです」

12R

選手の写真です。
坂口晃輔選手

 後ろ攻めの稲垣裕之が早めに動いて赤板から先行態勢を取る。菊地圭尚との中団外併走を嫌った単騎の吉田拓矢は打鐘からスパート。稲垣を叩いて出るが、これを追った郡司浩平が勢いそのままに吉田を最終ホーム過ぎに抜き去って主導権を握る。今度は単騎の菊地圭尚が2コーナーからまくって南関勢を飲み込んだが、これを追いかけた稲川翔の後位から坂口晃輔(写真)が鋭く伸び切った。
 「稲垣さんも積極的だったし、みんな積極的でしたね。残り1周で吉田君だけかと思ったら郡司君も行って、すごいハイペースのレースでした。前2人、ラインのおかげです」
 稲垣が内に詰まって厳しいと判断した稲川翔は単騎の菊地にスイッチ。早めの追い込み勝負で坂口と際どい勝負を演じた。
 「もう少し余裕を持てればよかった。(菊地)圭尚さんと反対のコースと思っていたら、すごい出がよかったので。(レースは)面白かったですね」
 菊地圭尚は単騎で見せ場を演出。混戦を鋭くまくって3着に入った。
 「冗談で行ってみました(笑)。自力を出したら3(着)までにって思ってました。郡司が駆けるし、あんなに出るとは思わなかった。自力を出し続けてれば、もうちょっと末も出てくると思うんですけどね」
 まくられた郡司浩平だが、持てる力は出し切った。
 「吉田君が行ったんで、合わせられるかもしれないけど付いていって、無理やり行きました。流れに乗って出切って、いっぱいでした。残り半周はきつくて踏めなかったです」

10R

選手の写真です。
三谷竜生選手
選手の写真です。
稲川翔選手

 三谷竜生(写真)が3日目にようやく〝らしさ〟を発揮して別線を一蹴。番手回りで勝った2日目に続き白星をゲットした。打鐘で出た北津留翼を吉田拓矢が叩いて主導権を握る。前受けから7番手まで下げた三谷もすかさず反撃。ジワジワと前団に迫ると、吉田を力でねじ伏せて決勝一番乗りを果たした。
 「前受けはしたくなかったけど、誰も出なかったので。本当は先行したかったけど、そういう展開にならなかったので、とりあえずしっかりと仕掛けようと思って前々に踏みました。1着を取れたし、きつかったけど調子は悪くないと思います。上向いていると思います」
 稲川翔(写真)は追走いっぱいの2着。レース後は三谷の強さを絶賛する。
 「見ての通り抜けていないので。動きがすごいというか地脚がすごい。さすがグランプリレーサーですね。しっかりレースをしてくれたし、自分もやるべきことをやろうと思っていました。畑段(嵐士)君も勝負できる展開になったし、もう少しで近畿で決まったと思う」
 新山将史はいったん脚を使って後方に置かれる苦しい展開となったが、しぶとく3着に突っ込んだ。
 「一回動いて脚を使っていたし、スタートでも脚を使っていたからきつかった。緩むところがあれば仕掛けたかったけど、全然緩まなくて自分だけのレースになってしまいました。後ろに申しわけないですね」
 園田匠は4着で惜しくも決勝進出を逃した。
 「(北津留)翼がいい位置を取ってくれたんですけどね。コースを間違えた。脚はだいぶいいので、あとはセッティングです」

11R

選手の写真です。
稲垣裕之選手
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阿竹智史選手

 稲垣裕之(写真)がファンの一番人気にしっかりと応えた。レースは後ろ攻めの元砂勇雪が、先に動いた高橋和也を赤板で押さえて主導権。徐々にピッチ上げて、最終ホームを一本棒で通過する。稲垣は別線の動きを確認すると、2コーナーから番手まくりを敢行。そのまま力強く押し切った。
 「(元砂は)初めての連係で緊張したと思いますけど、落ち着いて駆けてくれましたね。オッズも見ていたし、負けられないレースでした。毎回、番手まくりは心苦しいんですけど、強い気持ちで踏み込みました。(阿竹智史が後ろに付いてくれて)3車いたのも心強かったですね」
 近畿コンビに付けた阿竹智史(写真)は、まくってきた山田義彦を2センターでブロック。仕事をこなして、2着に続いた。
 「前がいいペースで踏んでいたし、稲垣さんも出ていく感じがしました。7番(山田義彦)が来たのが見えたので、一回振って。内に8番(松坂洋平)が来たのもわかったんですけど、重いところだったし。来たら来たで対処しようと思っていました。3番手で失敗もできないので、(自力とは)違った緊張感がありましたね。いろいろ考えることがあるから、難しかったです」
 笠松信幸は、目標の高橋和也が松坂洋平にすくわれる苦しい展開に。それでも、2センターから前に踏むと、直線で追い込んで3着に入った。
 「仕掛けたところで稲垣さんに合わされるんですけど。(高橋)和也は、詰まったところでいった方がよかったかな。セッティングは初日のに戻しました。(2日目とは)全然違いますね」
 稲垣に任された元砂勇雪は、大役を終えてホッと胸をなでおろす。
 「控え室に入ったら緊張しました。初めての連係だったし、一回目が大事なので。でも、カカらなかったですね。スピードを落としたらあかんと思って踏んでいたんですけど、焦って踏み過ぎていたのかも。これが二次予選じゃなくて、準決勝で経験できたのはでかいです」

12R

選手の写真です。
柴崎淳選手
選手の写真です。
郡司浩平選手

 前受けの近藤隆司は早坂秀悟の上昇を許さずに、赤板からハイピッチで駆ける。中団に柴崎淳(写真)がそのまま収まり、早坂は7番手に逆戻り。一列棒状の態勢で打鐘、最終ホームを通過する。郡司浩平は2コーナーが番手まくりを敢行。南関勢を追っていた柴崎が4コーナーからの追い込み勝負で鮮やかに突き抜けた。
 「すんなり中団は回れたんですが、ハイピッチでした。動けないスピードでしたね。早坂が来たら無理にでも行くしかなかった。(郡司が)番手まくりだろうから、行ってから勝負して、最後は気合でした。なんだかんだで自分に流れが向いてきてますね」
 近藤の気持ちを無駄にせず番手まくりを打った郡司浩平(写真)は2着。南関、そして地元からただ一人、決勝まで勝ち上がった。
 「全部、近藤さんに任せていました。近藤さんの気持ち1本で勝ち上がれました。最低限というか、乗せてもらった感じですね。もう少し引きつけたかったけど、2コーナーでチラッと柴崎さんが見えたので踏んじゃいました。最後はいっぱいでしたけど、感触は悪くないですね。(決勝の)相手は強力ですけど、見せ場を作ってゴール前勝負したいです」
 柴崎を懸命に追った坂口晃輔が3着に入った。
 「エラかったけど千切れなくてよかったです。余裕はまったくなかったです。まさか(決勝に)乗れるとは思わなかった。いいスピードをもらってなんとか付いていったけど、2着までいける脚はなかったです」
 近藤隆司は前受けからの突っ張り先行で見せ場を作った。
 「後ろからやまくりではリスクがあるので、前受けから突っ張ろうと思ってました。打鐘の来そうなところは思いっきり踏みました。相手が早坂(秀悟)君じゃなければ、もうちょっと落ち着いていけたんですけどね。自分のやることはやりました」



<最終日・9R S級ブロックセブン>
 最終日の9レースでS級ブロックセブンが争われる。7車立ての一発勝負は成田和也が点数上位の存在だ。今年の賞金ランキングは10位。グランプリ出場へ賞金を上げる必要がある。
 「地区プロのスプリントで優勝しました。それから中4日あったのでよかったです。状態は問題ないです。堀内(俊介)君とは初めて。先行、まくりのいつも通りのレースをしてくれればいい。(7車立ては)エボ(リューション)もないし、(走ったことは)ないですね。(賞金を上げるのは)もちろんです。一戦一戦、頑張るだけです」
 地元の堀内俊介はハードな練習を積み重ねてきた。ここは成田の前で果敢に攻める。
 「最近は成績を落としているんですが、来年のGIに向けて、底力を上げるために、ガッツリ練習しています。ウエイト、乗り込みも不足していたので。成田さんが後ろは初めてです。中央大学の先輩なんですよ。迷惑をかけないように、自分のやることをしっかりやります。そうすればチャンスはあると思ってます。大竹(歩)さんもいるけど、主導権を取るレースをしたい」
 バック数が一番多いのは大竹歩だ。約1カ月ぶりの実戦でも持ち味をしっかり出し切る。
 「(1カ月は)最初に風邪を引いて、その後に階段でダッシュしていたらギックリみたいになって腰を痛めました。もう治っているんで今は大丈夫です。(7車立ては)チャレンジの時だけなんで久々ですね。位置取りはあんまり気にしなくていいし、レースも動いてくれると思うので、行けるところからしっかり行きます」
 林巨人はここ2場所のFIシリーズで好走。決め脚は冴えている。
 「(直近2場所の)初日はメンバーがよくて、まとめられていない。最近は点数を落としているので、頑張りたいですね。7車は初めてで、一発レースも久しぶり。大竹君が勝てるように走ってくれれば自分にもチャンスはあると思います」