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決勝戦レポート

海老根恵太(千葉・86期)

海老根恵太が涙の復活V

 「こういう時期でもあったんでちょっとでも力になれたかな。競輪場を終わらせないように今後も千葉で記念を守っていきたいです」

 千葉競輪場が存続問題でゆれる中での開催に千葉の選手は一致団結してなりふり構わず優勝を獲りにいった。結果的に番手絶好の形になった海老根恵太が、千葉記念制覇を果たした

 「イン粘りも想定内でした。やっぱり粘るのかと思いました。それでもなんとか千葉で優勝できてよかったです。4人が4人仕事をした結果です」

 ここ数年は怪我に泣かされ続けた。記念制覇も111月松戸以来久々だった。

 「また記念を獲れると思ってなかったので本当にうれしいですね。今年に入っても怪我が続いて。今回も仲間がなかったら勝負にならなかったと思います」

 歳月は掛かったもののオールスターでも2勝を含む3連対と本来の力が戻ってきていた中での千葉記念制覇となった。

 「次のG1が競輪祭になるんで。まだグランプリも狙えると思うんでそこを目指して」

 09年のグランプリ王者が高々と復活の狼煙をげた。

 

 準決後には師匠の名を冠した滝澤正光杯の決勝進出に涙があふれていた伊勢崎彰大だが、決勝後は満面の笑みで準Vを喜んだ。

 「イン粘りされることは想定内でした。想定してのああいう作戦になりました。(石井)秀治もああいう形になりましたけど、近藤も行ってくれたし、海老根さんもそこからしっかりと付いていって、僕も3番手の仕事をしっかりして。師匠の冠レースなんで獲りたい気持ちはありましたけど、海老根さんの一踏み、二踏みがすごかったです。結果的に千葉ワンツーですから言うことはないです」

 

 8着に終わった近藤隆司もレース後はすがすがしい笑顔だった。

 「出し惜しみすることなく力を全部出し切れました。海老根さんの優勝に貢献できたのでよかったです。今回は(石井)秀治さんに前を走ってもらえたことがうれしかったんで、今度は後輩と前後で。こうやって順番、順番に続けていきたいです」

 

 直線外を伸びた稲川翔だが、惜しくも3着に終わった。

 「(作戦は)全面的に松岡さんを信頼していました。いいところまではいけたんですけどね。力があれば優勝できてました。レースには対応できてきてるので、うまくは言えないですけど、しっかりレースはできてます。あとはチャンスが来たときにしっかりモノにできるようにするだけです」

 

 初日特選、準決と完全復活の気配を漂わせた深谷知広だが決勝はシンガリ負け。

 「今日は難しかったですね、なかなか。力だけは戻っていると思います。でも良い状態になればなるほど悪いところも目立ってきますね。ここからは競輪祭を獲れるようにやっていきます。まずは地元での記念もあるのでそこで力を出せるように」

  • 優勝者の写真です
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レース経過

 号砲と同時に山内卓也が勢い良く飛び出し、目標の深谷知広を迎え入れる。隊列は深谷-山内の愛知コンビが前受け、3番手に単騎の山崎芳仁、松岡健介-稲川翔の近畿コンビで中団を形成、石井秀治-近藤隆司-海老根恵太-伊勢崎彰大の地元勢が後方待機の並びで落ち着く。
 赤板過ぎの1コーナーから松岡が上昇。その上を仕掛けた石井が打鐘前に誘導員を交わして先頭に立つと松岡はイン粘りを敢行。石井の後位は併走に。石井はペースを上げず、併走を嫌った近藤が2センターで石井を叩いて先行策に出る。石井は4番手で態勢を立て直し、5番手に松岡が収まる。7番手に単騎の山崎で深谷は8番手に置かれる。近藤は後続の出方を確認しながらペースアップ。別線の機動型は仕掛けられず、そのまま一列棒状で最終バックを通過。3コーナーから山崎、2センターから松岡が踏み込むも、海老根が番手絶好態勢から鋭く追い込んで優勝。伊勢崎が2着に流れ込んで地元ワンツー決着。直線で外を伸びた稲川が3着に入った。

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 5 海老根 恵太 千葉 86期 S1 14.6 追込み
2 6 伊勢崎 彰大 千葉 81期 S2 1/2B 14.5 マーク
3 7 稲川  大阪 90期 SS 1/2B 14.2
4 2 山崎 芳仁 福島 88期 S1 3/4B 14.1
5 1 石井 秀治 千葉 86期 S1 1/8W 14.5
6 3 松岡 健介 兵庫 87期 S1 3/4W 14.4
7 4 山内 卓也 愛知 77期 S1 1/2W 13.8
8 8 近藤 隆司 千葉 90期 S2 3/4W 15 H B
9 9 深谷 知広 愛知 96期 SS 2B 14.2