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別府競輪

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86#

決勝戦レポート

石井貴子(千葉・106期)

石井貴子が会心のまくりで決着

 7番手から動いた長澤彩を前に入れたことで、児玉碧衣は仕掛けるタイミングを逃してしまう。周回中3番手にいた梅川風子が打鐘過ぎ4コーナーから意を決してかけると、2コーナーからは児玉が反撃を開始。梅川の仕掛けに続いた石井貴子は長澤、児玉の巻き返しに合わせて3コーナーから踏み込むと、後続の追撃を振り切った。
 「ほんと必死で、こんな日が来るなんて夢にも思ってなかった。動くなら梅川さん、細田(愛未)さんのどちらか。初手で児玉さんの隣が取れたのが出来すぎでした」
 ゴール後はこん身のガッツポーズ。「初めて自力でのタイトル。まくりでのタイトルに正直ビックリしてる。うれしかったです」と体いっぱい喜びをアピールした。
 「今年のコレクションは弱くて、情けなくて何とかしたいと思ってた。そういう気持ちを大事にしながら、これからも頑張っていきたい」
これで賞金ランキングも2位にジャンプアップ。2年連続のガールズグランプリ出場へ、石井が大きく前進した。

 2コーナーからまくった児玉碧衣だったが、あおりもあって前団を飲み込むことはできなかった。
 「長澤(彩)さんがいいタイミングで来たからどうしようかなと。行きたいタイミングで長澤さんが来た。バックで行けると思って行ったら、貴子さんが上がってきた。ずーとゴールまで、これ(波があった)だったのでキツかった。体調、乗った感じは悪くないから、一瞬の判断をもう少ししっかりしたい」

 決勝戦で主導権を握ったのは梅川風子。ゴールまで懸命にモガいたが、惜しくも3着に敗れてしまった。
 「惜しくはないです。自分的には完敗。決勝は動きがないと思ってた。後ろになると思ったけど、前に入れたので落ち着いて走りたかったんですけどね。(打鐘でも)来てなかったので行かなきゃでした。逃げるのは私しかいないと思ったけど、逃がされてる感じですね」

 児玉の後ろで優勝した6月四日市G3の再現を狙った小林莉子だったが、思いどおりの展開にはならなかった。
 「デキが違う児玉さんの後ろを狙いたいなと思ってたけど…。アグレッシブなレースだった。このクラスだとこうなる。あらためて実感しました。しょうがない。切り替えて、またですね」

レース経過

 号砲で外枠から飛び出した大久保花梨がスタートを取って前受け。以下は、細田愛未、梅川風子、石井貴子、児玉碧衣、小林莉子、長澤彩で隊列は落ち着く。
 赤板1センターから上昇した長澤は児玉の横まで上昇し、5番手に入る。6番手で打鐘を迎えた児玉が、2センターで車を外に持ち出すと、4コーナー手前から先に梅川が仕掛けて最終回へ。合わせて踏み込んだ細田と、梅川に続いた石井で併走になるが、外の石井が踏み勝って番手をキープ。2コーナーから反撃に出た児玉と、同時にまくった長澤が迫ると、石井は合わせて3コーナーからまくり出し、ゴール前で粘る梅川を捕らえ、後続の追撃も振り切った。合わされた児玉が2着。逃げた梅川は3着に粘った。

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 3 石井 貴子 千葉 106期 L1 11.9 まくり
2 2 児玉 碧衣 福岡 108期 L1 3/4B 11.9 まくり
3 7 梅川 風子 東京 112期 L1 T 12 逃残 H B
4 4 長沢  愛知 106期 L1 1/2B 12
5 1 小林 莉子 東京 102期 L1 3/4B 11.8
6 6 大久保 花梨 福岡 112期 L1 1/2W 11.8
7 5 細田 愛未 埼玉 108期 L1 1/2B 12

村上博幸(京都・86期)

横一線のゴール前勝負を制す

 先行態勢に入った吉田拓矢に最終ホーム手前から松浦悠士がカマシで襲いかかり、ラスト1周は両者で意地のぶつかり合い。2コーナーから仕掛けた渡邉雄太が前団を飲み込むと、続いた村上博幸がゴール寸前で渡邉をとらえた。
 「渡邉君が好きなように走ってくれれば良かった。松浦君が巻き返して来たので、(渡邉の)前に入るんだなと思ったら、そのまま行った。他のラインも積極的で吉田君ラインを簡単に駆けさせなかったのが勝因につながった。渡邉君も攻めてくれたしね」
 ゴールは横一線。村上自身も「(ゴール後の)VTRを見ても(1着を)自分で信用できなかった」と振り返るほど、僅差の争いだった。
 「絶好すぎて久しぶりに4コーナーから緊張した。平塚記念(決勝戦)もそうだけど、最近は落ち着き過ぎたり、入れ込み過ぎてたりで差せる展開を自分でずらしてたのを感じてた。4コーナーまでの楽さほど伸び切れてないなと。抜いた感じはあったし、手を挙げたかったけど」
 ビッグレース優勝は2014年2月の全日本選抜以来。今年からS班に返り咲いたが、「チャレンジャー精神」を心掛けて一戦一戦戦っている。優勝してもその気持ちは変わらない。後半戦の好スタートを切った村上が、ここから一気に攻勢に出る。

 こん身の2コーナーまくりで前団を飲み込んだ渡邉雄太。3度目のビッグ決勝で頂点に立ったかに見えたが、わずか8分の1輪差に泣いた。
 「松浦さんが行ってくれて、ちょうどいい展開になった。松浦さんが自分のところに来てたら終わってたけど。松浦さんの動きについて行って、誰かの気配を感じて踏んだ。でも、そこでいっぱい。最後も死ぬ気で踏んだけど。今シリーズは調子のいいほうではなかったけど、走れたと思う」

 中川誠一郎のまくりは不発に終わったが、諦めずに外を回した園田匠が佐藤慎太郎を微差とらえて3着に。
 「 誠一郎さんは(1コーナーで)後輪が飛ばなければ間違いなく行ってた。あれがなければワンツーでしたね。小倉さんもいたし、内がどうかを見すぎた分、届かなかった。でも自信になりました。慎太郎さんに差し負けなかったし、もっといけると思う。楽しみです」

 最終ホームから終始かぶってしまった平原康多は出し切れずに7着に敗れた。
 「直線で通過されると厳しいですね。もう少し遅めなら、コーナーで何とかできたけど。あそこで脚を封じられた。力を出せずに終わって悔しい。全てのタイミングが悪い方向にいってしまったなって感じかな」

 松浦悠士は2段駆けも可能な関東勢にもう然と襲いかかった。
 「雄太が空けたらインガマシだし、番手まくりの上は現実的ではない。叩けるときに叩くつもりだった。見せ場は作れたけど、抵抗を受けた分ね。しっかり動けたのでヨシとします。あとはもう少し持つように練習しますよ」

  • 優勝者の写真です
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レース経過

 初手は、中川誠一郎-園田匠、松浦悠士-小倉竜二、吉田拓矢-平原康多-佐藤慎太郎、渡邉雄太-村上博幸での周回。
 青板2センターから渡邉が上昇を開始。1コーナーで前団を押さえて渡邉が先頭に立つが、後方からカマした吉田が叩いて3コーナーから先制。3車を出させた渡邉と、吉田ラインを追ってきた松浦で中団が併走になるが、松浦は、吉田がペースが上がり切る前に叩きに行く。吉田も踏んで1コーナーからは両者でモガき合に。これに対し、後方から車間を詰めて中川がまくると、合わせて渡邉も2コーナーまくり。前の主導権争いは3コーナーで松浦に軍配も、脚を使っており、直線入り口で渡邉がまくり切った。このまま先頭でゴールを目指した渡邉だったが、ゴール前で村上が逆転。

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 5 村上 博幸 京都 86期 SS 11.6 追込み
2 4 渡辺 雄太 静岡 105期 S1 1/8W 11.6 捲残
3 8 園田  福岡 87期 S1 3/4B 11.5 追込み
4 9 佐藤 慎太郎 福島 78期 S1 S 11.6
5 2 小倉 竜二 徳島 77期 S1 1/8W 11.8
6 7 松浦 悠士 広島 98期 S1 1W 12 B
7 3 平原 康多 埼玉 87期 SS 1/4W 11.8
8 1 中川 誠一郎 熊本 85期 S1 6B 12.4
9 6 吉田 拓矢 茨城 107期 S1 5B 13 H