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別府競輪

BEPPU KEIRIN

86#

検車場レポート

  • 12/1 Fri.  (前検日)
  • 12/2 Sat.  (1日目)
  • 12/3 Sun.  (2日目)
  • 12/4 Mon.  (3日目)

1R

 前回の平塚FI273着から2週間以上空いてゆとりのローテーションの竹内翼は、オープニングレースには慣れたもの。主導権が濃厚なメンバー構成にも、油断することなく慎重な姿勢を貫く。


 「前回の平塚から空いていたんで、しっかり練習ができた。(先行の)順番が来たら、そこをしっかり仕掛けられるように。調子もいいんで力を出し切れればっていうのはある。自信を持って来られるように、今回はしっかりやってきた。(オープニングの1番車は)記念でもう3回目ですから。期待に応えられるようにですね。しっかり逃げて勝てるように」


 近況、コンスタントに連対を重ねている田中雅史は、松山桂輔とのタッグで一次予選突破を目論む。


 「なにも変わりはない。めちゃくちゃいいわけでもないし、悪いわけでもない。練習もできているんで、それほど崩れることもない。(松山とは)連係が決まっている時もあるんで、悪いイメージはないから信頼している」

2R

選手の写真です。
佐伯辰哉選手

 佐伯辰哉(写真)は前回の平塚記念から1カ月ぶりの実戦。レースが待ち切れない様子でこう言う。


 「やっぱり走っていて楽しいんで、レースはいいですね。(11月はあっ旋が止まって)練習しかなかったんで、いろいろやれたんでよかった。楽しみだし、すべて(初日に)ぶつけます」


 ベテラン川口満宏も、佐伯同様に長期欠場明け。およそ50日ぶりの実戦にも気負うことはない。


 「(5月)松阪の落車で鎖骨を骨折して、それで入ってた針金を抜いてきました。そのあとはちゃんと(練習は)やっていたし、調子はいいです。(針金が)入っている時は痛かったんで、抜いていいと思います」

3R

 10月の地元、千葉記念のあとにフレームを換えた田中晴基は、その後の弥彦FIを171着、松山FIを319着と上々の手応えをつかんでいる。


 「弥彦から8年前の昔のフレームに換えた。千葉記念のあとに違反訓練があって、そこで新車に乗ったんですけど。新車が硬すぎたんで、昔のを乗ってみた。そしたら感じがいいですね。いい自転車だと思います。まずは絶対に後手を踏まないようにですけど。この自転車なら先行もしたいなって。すぐに体が動くかわからないけど、先行もできる感じがこのフレームならあります」


 九州結束で古閑良介は、野口大誠、稲吉悠大の3番手から上位進出を狙う。


 「(前回の)川崎の最終日は疲れもあったけど、初日、2日目は悪くなかった。(8月の)骨折後は思ったより順調にきている。練習方法を変えたのが良かったのか、フレームを新しくしたのが良かったのか、車の出が思ったよりいいんで、それなりの手応えはある」

4R

 津村洸次郎は9月福井から5場所連続で初日を突破するなど調子上向き。九州地区のここも期待がかかる。


 「調子もよくなっているし、レース内容もよくなっている。今回もそれを崩さないようにですね。逃げた感じもいいので、初日も(レースの)ツボどころを逃さないように。別府は久しぶりすぎてよくわからない。前検日に乗って、初日走ってみてですね」


 谷口明正も負けず劣らずの安定感。細切れのここなら大いにチャンスはありそうだ。


 「動けてるのは動けてる。悪くないですね。(8月川崎GIIIで)落車して戻ってないのもあったけど、少しずつ戻ってきて上手いこと動けてる。レースで(走りながら)戻さないとと思ってたので。細切れでチャンスがあると思うし、島野(浩司)さんとも相性がいい。2人で決められるようにですね」

5R

選手の写真です。
小岩大介選手

 3名が参戦する地元勢のトップバッターは小岩大介(写真)だ。寬仁親王牌のあとは45日の欠場があったが、復帰した11月川崎では363着。状態の不安はなさそうだ。


 「新車が届いたので前回から使った。感じ? 練習用のほうがいい気がしてる。それでもこっち(新車)で来たけど。ハンドルを軽合にしたせいかなと思うけど、こっちのほうがいいと言われたので。今回は優勝を目指して頑張るだけ。久米君とは前回の準決勝でも一緒でした」


 地元の小岩に任された久米康平は10月向日町で決勝2着に入るなど近況良好だ。


 「誰がついてもやることは変わらない。ラインで決まるようにですね。競走が続いてるので、直前はケアを多めにしてきた。今回は前に使ってたフレームに換える。こっちのほうがアタリがついてるかな。冬仕様って感じですかね」


 調子が上がってきたかに見えた吉川誠は前回の京王閣で489着と振るわなかった。


 「リミッターが外せるようになって、前々回の平の最終日に1周半逃げたから、それで出し切ってましたね。連戦というのもあって、前回は疲れちゃってた。ここまではのんびりしながらやってきました。今月はここと平塚(グランプリシリーズ)なんで、その2場所を頑張ろうと思ってます」

6R

選手の写真です。
小野俊之選手

 小野俊之(写真)は11月当所、久留米と連続優出。地元記念に向けて急激に調子を上げてきた。


 「ようやくですね。(3場所前の10月)福井のときにパーキンスとかドミトリエフにどんなトレーニングをしてるのか聞いて、それを踏まえて自分なりに取り組んだりとかした。S級に戻ってすぐは自転車を換えたり、セッティングを変えたりしたけど、今は普通に走れてる。今回は空いたんで、さらによくなるようにやってきた。自分のなかではまだまだなところもあるけど、前回の別府よりは上げてきた。やるだけですね。やることはやってきたんで、自信持って勝ちにいくだけです」


 坂本健太郎は今期早くも15勝を挙げるなど、白星を量産している。


 「1着は多いけど、ツボどころで勝ち切れてないですね。今回も何とも言えない。前回(川崎ナイター)から何もできなかったんで。ナイターで後泊した次の日に東京でジムに行ったら筋肉痛がすごくて、昨日の朝まで自転車に乗れなかった。今も痛みはあるけど、まだ動けてます」

7R

 ここは機動型がそろって面白いレースになりそう。筒井裕哉はここ3場所優出こそ逃しているが、9走で6連対と調子はよさそうだ。


 「調子はいいこともないんですけどね。スタイルも車の進みも求めてるところと違う。でも、結果は成績をまとめてるので贅沢言ってもダメなんでしょうね。向日町記念のあとに腰の手術をしてよくなったと思ったら、最近元どおりになった。でも痛いわりには腰が入ってるし、痛いのに車は進むんですよね」


 小原唯志もここ5場所で5勝。今年前半のスランプから完全に脱出した。


 「脚はいいですね。あとはレースをちゃんとできれば。(レースでしっかり仕掛ける)そういう気持ちで積極的に走れてる。別府は去年の記念に呼んでもらったけど落車した。でも、その前のFIで決勝に乗ってるし、いいイメージはありますね」


 日野博幸は補充出走した11月防府記念で特別優秀にまで上がるなど、ここへ来て気配はいい。


 「防府のときは疲れがあったのに感じがよかったので、その後はそのとおりに調整して松山の前もしっかり入ったんですけどね。前回(和歌山FI)は体調を崩してダメでした。でも、またよくなったし、今回は大丈夫。風も大丈夫だし、僕は重いバンクのほうがいいです」

8R

 鈴木竜士は2年連続の別府記念参戦。昨年大会では準決勝に勝ち上がり、昨年10月にはFI戦でも優出と別府との相性はいい。


 「前回(松戸FI)は腰を痛めてしまい、あまりよくなかった。今回はしっかりケアして、痛みはなくなりました。その分、練習は2日しかできてないけど。別府記念は去年も出させてもらったし、悪いイメージはないです」


 伊代野貴照はすっかり追い込みのイメージが定着。競走得点も着実に上げてきている。


 「S級に上がってからはこっち(追い込み)な感じで。A級のときから番手を回ることも多かったし、自力も封印してやってきたんで。今は勉強しながら。勝負しながら、反省の繰り返しです。点数は上がってきたけど、まだ満足するとこではないし、積み重ねて頑張ってくしかない。状態は悪くないと思います」


 小川祐司は前回、豊橋で決勝に進出するなど侮れない存在だ。


 「練習方法を見つめ直して、それからですね。全プロの権利は取ったんで、次の支部プロ(来年5月)までにFI優勝するって目標を立てた。それまでは我慢するつもりだったけど、3週間ちょっとでいい形に持って行けた。豊橋は最終日に弱気になって、そこがもったいなかった。前回も重馬場だったし、今回も(強風などで)荒れてくれればいいですね」

9R

選手の写真です。
飯野祐太選手

 直前の競輪祭にも出場している飯野祐太(写真)だが、まさかの予選スタート。一昨年の当所記念でも予選スタートで初日に失格しているだけに、今回はそのリベンジを狙う。


 「調子が悪いとかそういうのはない。悪くて予選ならともかく、点数がないだけなんで悲観することはないです。調子は変わらず。予選は久しぶりだけど、行けるところから仕掛けたい」


 武藤龍生は飯野の番手を回れるメンバー構成に驚きを隠さなかった。


 「自分もビックリです。関東で(片折)亮太さんと一緒かなと思ってました。こんな強い人が予選とも思ってなかったし。もちろん番手は初めてです。前回、落車したけど、気持ち的には走りたいので来た。こないだ鈴木(竜士)の特集を見て、『上位は怪我をしててもあれだけ走ってる』って言ってたのを見て、自分も頑張んなきゃって思った。それに練習した感じも大丈夫でしたしね」

10R

選手の写真です。
佐藤慎太郎選手

 ここは竹内雄作の先行一車といっていいメンバー構成。競輪祭は2連対こそしたが、初日に勝ち上がりを逃しているだけに、チャンスのあるメンバーでしっかりと持ち味を発揮したい。


 「とりあえず自力で頑張ります。(競輪祭は)あれが現時点での力なのかなと思う。そこから日もないので、そう変わることはないと思うんですけどね。終わってからは少し練習して、ケアをしてというところです。別府は全プロ以来。あまりイメージはないけど、それがいいほうに出れば」


 佐藤慎太郎(写真)は競輪祭で2434着。二次予選で勝ち上がりには失敗したが、動きは軽快だった。


 「追加は入りたかったし、予定どおり。(配分が)詰まってでも走って、ダービーの特選を狙わないと。競輪祭は仕上がりがよかったけど、二次予選は判断ミス。3コーナーで外に切り替えていくべきでした。でも脚自体は仕上がってたし、今回も変わらず来れてます」


 木暮安由は競輪祭で決勝に進出。中4日なら状態も変わらず来ているはずだ。


 「競輪祭は感触よく踏めてましたね。デキはよかった。決勝に関しては新田(祐大)のスピードがよかったとしか言えない。あっぱれでしたね。追加を受けてからは練習量を落として軽く(自転車に)またいだぐらい。初日は天田(裕輝)君に全て任せます」

11R

選手の写真です。
大塚健一郎選手

 大塚健一郎(写真)は地元記念を前に競輪祭で落車してしまった。そこから間隔はわずかに6日しかなく、状態が気がかりだ。


 「(落車も)全てが実力だろうから。落ちたときは無理かなと思ったけど、まずここに来れたことに感謝して。直前は1日、姫島の若大将(小岩大介)と合わせてきた。やるしかないです。前回の失敗もあるし、最近は(九州の開催でファンに)迷惑をかけっぱなしなんで。やるしかないですね」


 8年連続11回目のグランプリ出場はかなわなかった村上義弘だが、そのスタイルは不変。前回の競輪祭で今年のGIはすべて終わったが、全力投球に変わりはない。


 「グランプリは乗れなかったですけど、(グランプリの)チャンピオンユニフォームを着たからって、脚力が変わるわけではない。(チャンピオンユニフォームを)脱いで脚力が落ちるわけでもない。なにも変わらない。ただ、ユニフォームに課せられた責任がなくなる。着てることで、いろいろ(ローテーションとか)動かされた部分はあったと思う」


 山中秀将は競輪祭でビッグ初優出を決めた。ここも中村浩士とタッグを組んで、人気になりそうだ。


 「競輪祭はやれるなと思った部分と差を感じた部分があった。決勝で勝ち切るとなると、新田(祐大)さん、平原(康多)さんや深谷(知広)君とか、ああいうそうそうたる自力がいるなかで戦っていかないとダメだし、脚力を根本から高めていかないとダメだと思いました。決勝には乗れて、ひとつステップアップはできていいところもあったかなとは思いますけどね。(競輪祭から)変わらずの状態ですね」

12R

選手の写真です。
中川誠一郎選手

 中川誠一郎(写真)にとっては9年ぶりの別府記念。今年序盤は苦しんだが、後半にきて調子も上向き。S班として最後の1カ月をしっかりと走り切る。


 「前回(競輪祭)は行ってすぐ体調を崩してしまった。だから中4日は体調を戻して、体重を戻してって感じでしたね。もう体はいいと思うし、(自転車には)普通に乗るには乗れました」


 山田英明は晴れ晴れとした表情で検車場に現れた。


 「油断はできないけど、(今年後半戦はダメだったが)気持ちは切り替わったと思う。競輪祭の二次予選が終わった時点で、もう来年と思ってるので。競輪祭のあとは1日だけ軽くで、あとは普通どおりやった。疲れはあるかもしれないけど、尻上がりに上がってくれれば。あとは走ってみてですね」


 競輪祭は振るわなかった古性優作はここからまた仕切り直し。


 「疲れは大丈夫です。競輪祭は結果も内容も…。もっと長い距離を踏めないといけないなと感じました。しっかり力を付けていきたい。今回はトレーニングで新しい刺激を入れてやってきた。体の張りとかがいつもと違うし、効果とかも続けていかないとわからないですけどね」

1R

選手の写真です。
竹内翼選手

  中団の松山桂輔が上昇する素振りをみせるが前受けの片寄雄己が踏み上げて突っ張る。片寄が別線の動きをみながら徐々に踏み上げていくが、竹内翼(写真)がスピードを乗せてホーム手前で一気に叩いて出る。そのままラインで出切ると、別線を寄せ付けずに末良く押し切った。


 「今日は気持ち的に余裕がありましたね。片寄さんが突っ張ったので飛び付きもあると思ったけど、自分のスピードが違ったので大丈夫だと思いました。出切ってからはペースで踏めていたし、ラインで決まってよかったです。風も気にならなかったです」


 竹内を追走した守安政雄が2着に。


 「片寄さんの飛び付きだけ警戒していたけど、(竹内)翼がうまく飛び付かせないように駆けてくれましたね。(竹内が)バックで小出しに踏んでいたし、最後も踏み直していました。翼が中心にレースをしていました」


 片寄を追走した大塚英伸はからくも4着で二次予選へ。


 「3番(松山)に斬られたら後方になってしまうし、(片寄は)突っ張りも考えていたのでしょう。流れの中で飛び付きもやるとは言っていたけど、飛び付く踏み方ではなくペースに入れていて…。竹内君のスピードが違いました」


 

2R

 佐伯辰哉に併せ込んでフタをした菅谷隆司が、赤板の2コーナーから再度踏み込むが伊藤成紀は突っ張る。それでも菅谷は強引に叩きに出て、伊藤と踏み合う。脚を溜めて仕掛けのタイミングをうかがっていた佐伯が、最終ホーム手前から一気に踏み込むとあっさり前団を飲み込んだ。


 「恵まれたっす。行きやすいタイミングでした。もうちょっと早く(仕掛け)ても良かったかなっていうのもあるけど、落ち着いていけた。車輪を新品に換えた。それまで(の車輪)は長い間使ってたんで、これの方が流れますね。スタンディングでもしっかり伝わってくれるのもある。(実戦が)1カ月ぶりの心配もあったけど、ギアを3.93に換えたり、いろいろやれたんでそれがレースにあっていた」


 佐竹和也、久米良の徳島コンビは、佐伯を離れ気味に追いかける。直線半ばでライン3番手の久米が、佐竹を交わして2着に上がった。


 「(佐伯が仕掛けるのは)わかっていたけど、それでもあの踏み出しでちぎれた。切れてからは流れているけど、あれじゃ(二次予選が)致命傷になる。(佐伯は)めちゃくちゃ強い」


 「自転車やな、スカスカしよった。全然流れないからヤバい」とは、3着で二次予選に進んだ佐竹和也


 

3R

 ライン3車の野口大誠が打鐘から先頭に立って主導権を握る。4番手の中田雄喜がまくるが稲吉悠大の外まで、その外を田中晴基がまくると、続いた山田幸司がゴール前で鋭くとらえた。


 「田中君に任せて。スタートも位置を取ってくれたし、中団も取れて動いたところを行って。彼の感性に任せてやってもらいました。僕もしっかり差せましたね。これで299勝になったんで。今回流れがよければ(300勝)取れると思います」


 山田の逆転は許したが、まくった田中晴基は2着に粘った。


 「展開的に危ないと思ったけど、何とか行き切ったんで。でも、上位じゃ通用しない走りですね。前回からセッティングを変えて、合ってない気がするので、ちょっと微調整します」


 後方に置かれた片折亮太は南関勢のまくりに乗る形で3着に。


 「(石川雅望に)申し訳ないですね。野口が3車で気合入ってたので見ちゃった。でも、どっかで行かないといけなかった。申し訳ないです」

4R

 後ろ攻めの谷口明正が打鐘で押さえて出るが、箱田優樹がすかさず叩き、その上を津村洸次郎が出足鋭くカマす。山口貴嗣と2車で後続を千切ると、力強く押し切った。


 「ちゃんと踏み遅れずに仕掛けられました。あそこ(打鐘)で行かなければ8番(細川洋)に先に出られていたので。あとは持つところまで踏んでいこうと思った。キツかったので持たないかなと思ったけど、脚は軽かったし最後まで回せていましたね」


 津村を追走した山口貴嗣だったが逆転はならず。


 「いいタイミングで仕掛けてくれたけど、あれは抜けないですよ。ずっと追いかけたっぱなしでした。津村が強かったです」


 離れた3着争いは小橋秀幸が制した。


 「いいタイミングで(津村に)行かれちゃいましたね。余裕はあったけど、馬場も来ていたので前には悪いけど内を踏ませてもらいました。外に張ることも考えたけど、内からも来ていたので」


 

5R

 合わせて踏んだ久米康平が、中近ラインを受けて4番手をキープ。後続を警戒しながら徐々にペース上げて逃げる藤井昭吾を射程圏に入れた久米が、落ち着いて最終2コーナーからのまくりで1着。


 「(藤井と)モガき合いをするには早かった。でも、緩み方次第では、中団からカマすつもりでいた。そこは相手次第でしたね。(脚は)軽かったんで、(まくりは)イケるイメージをもっていた。今回から自転車を替えたんですけど、アタリが軽いから後半が楽です。これで出だしがもっと出てくれれば。前(藤井)もすんなり駆けて踏み上げたから、そう感じたのかもしれない。冬になって寒くなって(バンクが)重くなるから、軽いフレームと思って。このまま(このフレームで)イケそうですね」


 地元の小岩大介は、渡邊健のブロックも意に介さず追走。だが、直線では久米との差がなかなか詰まらない。


 「(久米に)付いているのは楽だったけど、4コーナーからが…。楽だから抜きにいったけど。(勝ち上がれて)良かった。初日が一番緊張しますよ」


 

6R

選手の写真です。
小野俊之選手

 佐川翔吾の上昇に合わせて中団から踏んだ橋本智昭が赤板ホームで誘導員を下ろす。佐川は2コーナーから叩きに行くが、これを橋本が突っ張って出させない。4番手に北川紋部が下りて、叩けなかった佐川は後退。そこを坂本健太郎が1センターからまくると、続いた小野俊之(写真)が鋭くとらえた。


 「健太郎は体調を崩したわけじゃなくて、練習の疲れだから問題ないなと思ってた。佐川が浮いてたのもあって仕掛けるタイミングが遅れたけど、よかったですね。健太郎が頑張ってくれてワンツーだし、健太郎が落ち着いてましたね。前回よりはよくなってる。また頑張ります」


 2着の坂本健太郎だが、まだ練習の疲れは残っているようだ。


 「佐川が4番手に入ったらすぐに行ってました。でも下がってきたんで2コーナーになるなと。前がやり合ったのに、モコモコやっとまくって2着。状態がよければスパッと行ってますよ」


 北川と池田浩士がからんで落車すると、九州コンビに切り替える形で飯田辰哉が外を伸びた。


 「(橋本は)行かせて中団みたいなことも言ってたけど、なんだこれ行っちゃうじゃんと思った。覚悟してたんでよかったです。最後はごちゃごちゃして踏み切れた感じではなかったけど、余裕はあったので。とりあえずよかったです」


 

7R

 小原唯志が打鐘前で押さえて出るが、一旦引いた小泉俊也が内々に踏み上げる。前団がもつれた隙を逃さずに日野博幸が打鐘から仕掛けて前に出る。四国勢を追った筒井裕哉が2コーナーから仕掛けると懸命に逃げる四国勢をとらえた。


 「展開が向き過ぎましたね。ラインのようなレースで3番手を固めてるような感じでしたね。ただ、ここのバンクは1センターと2センターでどうしても膨れるのでその分失速しているのかも。必死でしたね」


 神田紘輔が続いて近畿でワンツー。


 「ここに来るまではリハビリ尽くしで。久留米よりかは大分良くなっていますね。付いていく分には問題ないです」


 打鐘から飛び出した日野博幸だったが筒井にまくられ4着に。


 「前がどうするのかなと思い見ていて、仕掛けました。思ったより(自転車が)流れてないですね。筒井さんが3番手では厳しいし、サラ脚だったのもキツかったですね。ただ、諦めずに踏んだのがよかったです」


 

8R

選手の写真です。
鈴木竜士選手

 打鐘過ぎに押さえて出た小川祐司にすかさず鈴木竜士(写真)が襲い掛かり、両者の先行争い。最終ホームで決着はつかずも、1センターで鈴木が叩き切って主導権を奪う。伊原克彦のまくりは中団までで不発。3番手で立て直した小川も伸びない。番手からじりじりと山下渡が差を詰めて半車輪差のゴール。後続を振り切った鈴木が、内容の濃い走りで白星を挙げた。


 「4日間、バックを取るって言ったからには、そういうレースをしないと。取れた位置からしっかり先行の組み立てでと思っていた。キツかったけど出切ってからはペースに入れて、要所、要所で踏み直した。それ(山下とのワンツー)が一番良かった」


 山下渡は、後輩の走りを絶賛して汗をぬぐう。


 「(鈴木)竜士は先行の組み立てで、どこからでも行くって。その気持ちがいいですね。すぐに(仕掛けて)行ってくれたし、出切ったあとも回してる感じで余裕があった。竜士は(最終)2コーナーから踏み直して、4コーナーからも二の足を使っていた。有言実行の先行ですごいですね。自分は交わせればよかったですけど」


 

9R

選手の写真です。
飯野祐太選手

 後ろ攻めの窓場千加頼が先行態勢に入ると、前受けの矢口大樹が7番手まで下げたことで人気の飯野祐太(写真)はあっさりと中団に。引いた矢口がすかさず巻き返すと、口が空いた小菅誠に代わって飯野が矢口後位にスイッチ。バックから外に持ち出すと、そのまま押し切った。


 「ホームは危なかったですね。車間を空けてるところにすかさず矢口君が来てたので。でも俺も詰めてたし、(中団に)下りないかなと思った。あんなスンナリ中団で逆に焦りますよね。感じは悪くないからよかったですね。落ち着いていけました」


 初めてマークした武藤龍生は飯野の強さに舌を巻いた。


 「踏み出しとか全部がいい。中団が取れてビックリしたし、内を気にしてたらホームで踏み遅れたけど何とかついて行けました。すげえ強かったです。最後はイケそうだと思ったけど、踏み直しもすごくて。自分も落車明けで緊張してたけど、これで2日目以降よくなりそうです」


 窓場マークの鷲田佳史が内を盛り返して3着に突っ込んだ。


 「もっと中団が併走してくれたほうが面白かった。自分の感じもよかったし、千加頼もいい感じだったんで。来る前に2週間びっちり練習できた。冬場でタイムが悪くなってきてるし、トルク練習を多めにした。来年に向けての基礎練習だったけど、いい感じで出てますね」

10R

選手の写真です。
竹内雄作選手

 佐藤友和が上昇したうえを、打鐘から竹内雄作(写真)が叩いて主導権を握る。すかさず天田裕輝も仕掛けたが、竹内に合わされると、口が空いた山内卓也をキメて木暮安由が天田を竹内後位に迎え入れる。そこを松岡貴久がドンピシャのタイミングでまくるが、これも合わせた竹内が力強く押し切った。


 「(松岡の)まくりは見えませんでした。天田さんが来ていたのは分かったのでそこは合せようと思って、合わせるので一杯でした。少しペースに入れ過ぎましたね。ひとまず勝ててよかったです。これを明日につなげていきたいです」


 まくりが決まったかに見えた松岡貴久だったが、竹内に合わされてしまった。


 「(最終バックで)前輪が接触してしまって1回止まってしまいましたね。それでも行かなきゃいけないと思ったので踏んでいきました。なかなか1着が取れませんね」


 松岡をマークした岩津裕介が3着。


 「ちょうどスピードが上がっているところで(松岡が)接触して止まってしまいました。それでももう一度スピードを上げていったけど、合わされてしまいましたね。スピードを上げるのに(松岡も)脚を使っていたのでね」


 

11R

選手の写真です。
菊地圭尚選手

 赤板の2コーナーで誘導を降ろして出た菅田壱道は、清水裕友ラインの2車を受けて好ポジションをキープ。清水が後続を一本棒にして飛ばすが、菅田が大塚健一郎のブロックを乗り越えてまくり切る。菅田マークの菊地圭尚(写真)は、余裕をもって直線で抜け出し1着。近況の悪い流れをふまえて振り返る。


 「大塚さんはすごいですね。(大塚のブロックを)自分はいつまでも見てしまった。そしたらちょっと前に出てしまった。(来年の)ダービー(出場)の賞金もかかっているんで、(菅田)壱道が頑張ってくれた。ありがたいですね。本当は(3場所前の)平塚記念くらいからいいはずなんですけど、余計なことをして自分で自分の首を絞めてしまっていた。やっぱりもう少し肩の力を抜いですね」


 最終バックから北日本勢に襲い掛かった村上義弘が、まくりで2着に届いた。


 「うまく流れに乗れなかった。ひとつ、ひとつの判断が良くなかった。なんとか2着まで、なんとかですね。中野(彰人)に迷惑を掛けた。僕がもうちょっとスコーンと行けてれば…」


 6番手で村上と重なった山中秀将が下げて、中村浩士は最終ホームで一本棒の9番手。万事休すかに思われたが、2センターから中のコースを進出して3着に強襲した。中村は前回の競輪祭でGI初優出を果たした後輩の山中を慮りこう言う。


 「(山中にとっては)大事なレースだったと思う。周りはマークしてくるし、本人がそこを忘れて以前のまま走れればいいなって思っていた。(山中)本人もそれは十分にわかっていたと思う。ああいう展開で、あそこで引いてしまったことが…。あそこで強気に攻められる村上さんは強い。超一流は違うなって思い知らされた。自分は9番手でも内の9番手だったんで、もうダメかなと。それでも最後まであきらめなかった」


 

12R

選手の写真です。
古性優作選手

 青板2コーナーから古性優作(写真)が早々と上昇すると鈴木裕が下げて正攻法に。赤板ホームから山田英明が動くと、サッと下げた古性は鈴木をけん制。これで鈴木の仕掛けるタイミングを遅らせると、打鐘で仕掛けた鈴木を山田が突っ張って出させない。きっちりと中団を確保した古性は2コーナーまくり。力強く前団を飲み込むと、坂口晃輔の追撃を振り切った。


 「(初手の位置は)前か後ろかだった。(前なら)動いたところを叩くか、(後ろなら)1回動いてからその展開に持って行くかだった。脚を使ってでも先行態勢になれたらいいなと。でも打鐘のところで整ったんで。3人で決まるのが一番だった。やりたいようなレースではなかった。そこだけですね」


 続いた坂口晃輔だったが逆転はならなかった。


 「強い。強いっす。今回は新しいフレームなんで。何とか付いて行けたけど、打鐘のところで口が空いてた。まだタイミングがつかめてないのかな。でも、あのスピードについていけたんで、追走自体は問題ない」


 中川誠一郎がなかなか鈴木を飛ばせず内につまると、3番手から中近ライン後位に飛び付いた橋本強が松谷に踏み勝って3着に入った。


 「(松谷に)引っかかって危なかったです。中川さんがさばき切るかなと思ったら、鈴木君も粘ってたので。あれで古性の行き頃になった。僕は思ったよりかは余裕があった。競輪祭の落車で初めてってくらいモガキなしで来たので不安だったけど、これでアタリ入ったんで大丈夫です」


 橋本に飛びつかれた松谷秀幸は惜しくも4着に。


 「内をビュッと行かれた。(橋本が)うまかった。こういうことも増えてくると思うので勉強して。入りたかったですね、3着に」


 

6R

選手の写真です。
神山拓弥選手

 後ろ攻めの片折亮太の上昇が遅いと見るや、中団の久米康平が打鐘から踏み上げて主導権。片折もすかさず仕掛けたが、久米も突っ張って出させない。片折が不発と見るや天田裕輝が2コーナーから自力に転じる。粘る久米を飲み込むと、続いた神山拓弥(写真)がゴール前でとらえた。


 「差し込んでばっかりでキツかった。天田さんは内ばっかり見てるし、踏んでくれないと浮いちゃうと思ってました。抜けてるんで悪くはないけど、疲れがあるかな」


 まくった天田裕輝は2着で準決勝進出を決めた。


 「(片折は)あのスピードだし、行き切っちゃうと思ったけど、ここは外が伸びないのかもしれないですね。僕は何とかです。片折が膨らんでるところで行ったんでタイミングも悪かった。3人で決まらなかったもは残念だけど、とりあえず明日(準決勝)につながったんで」


 天田のまくりに続く形で鈴木裕が3着に食い込んだ。


 「パーセーブですね。片折がなかなか来ないし、超キツかった。天田がまくったヨシ(その動きに)乗るぞと思ったけど、打鐘で脚を使ってて一杯でしたね」


 

7R

選手の写真です。
齊藤竜也選手

 藤井昭吾を打鐘で強引に橋本智昭が叩くが菅田壱道は中団に切り替え、橋本は裸逃げに。打鐘の3コーナーから仕掛けていた田中晴基は一気に加速すると、1センターで橋本を飲み込む。これで番手絶好になった齊藤竜也(写真)が直線で鋭く抜け出した。


 「もうワンテンポ遅く踏んだら田中君を2着に残せたと思うけど…。すかさず行ってくれたので申し訳ない。1着は取れているけど、(田中)晴基のおかげだし自分は付いていくだけの脚でした」


 南関コンビに1コーナーでスイッチした菅田壱道がまくって来た佐伯辰哉を張りながら外を踏んで2着に。


 「藤井君も絶対に主導権を取るつもりで来ると思ったし、先行争いになると思いました。それなら、先に切って内で勝負しようという作戦だったけど、(橋本と)うまく意思の疎通がとれていませんでした。自分も後ろに(佐藤)慎太郎さんが付いていたので悪いけど早めに切り替えさせてもらいました。その後は前々に踏むことはできていましたけどね。ホントは出切ってくれれば番手の仕事をしてラインで決めたかったけど…」


 打鐘過ぎから早めの仕掛けを見せた田中晴基は3着に粘った。


 「全然想定の展開と違っていつの間にか先頭になっていて(笑)。ここからじゃ残れないなと思ったけど、あの距離を踏んで残れているし調子は良い」


 

8R

選手の写真です。
山中秀将選手

 小川祐司が上昇すると津村洸次郎は下げて、誘導後位に小川が収まる。中四国コンビを筒井裕哉が追って、津村は5番手。人気の山中秀将(写真)は一本棒の7番手に置かれても冷静さを失うことなく、じっくりと前団の様子をうかがう。誘導をフルに使った小川が、津村に合わせて打鐘の4コーナーからペース上げて逃げる。津村は不発。最終2コーナーからまくった山中が、スピードの違いで前団をのみ込んだ。


 「津村は絶対にホームでは行くと思っていた。行かなかったら、まくりに構えればいいかなと。初日はいろいろ展開的に慌ててしまって、仕掛けるタイミングがなかった。だから(2日目は)どの位置でもタイミングが来たら仕掛けようと。まくれているんで、(脚の感じは)悪くないです」


 「ホームではもう無理だと思った」との松谷秀幸は、山中秀将を笑顔で迎えて、自身は冷や汗をぬぐう。


 「俺じゃ無理だから。あれは山中じゃなかったら、行けてない。脚が違いますよ」


 小川祐司は予想外の展開にも臆することなく積極的に踏んで、準決進出を果たした。


 「2周半で(押さえに)行ったら、(別線が)切って、切ってでカマせるかなと。そしたら筒井さんも山中君も切ってくれないんで。誘導も残っていたし、来たら踏んでと思っていた。守安(政雄)さんが沈んだけど、なんとか残れたんで価値のある先行ができたかなと思います」


 

9R

選手の写真です。
木暮安由選手

 清水裕友の上昇に合わせて踏んだ鈴木竜士はしっかりと中団を確保。打鐘過ぎ4コーナーから仕掛けると、合わせて踏み込む清水を強引に叩いて前に出る。三宅達也のアシストで3番手に入った清水は3コーナーまくり。三宅は内に切り込んで中割りを狙ったが、これを耐えた木暮安由(写真)がゴール前で鈴木をとらえた。


 「初手は中団がいいと言ってたし、竜士君にお任せで。3番手はわからなかったけど、前だけは残そうと思ってました。自分の仕事はできたかな。競輪祭あとで初日は気がたるんでたと思うけど、二次予選でピリッとした。楽しみです」


 逃げた鈴木竜士が2着に粘った。


 「清水君に駆けられたらマズいと思った。車番もいいし中団からカマして行こうと思ってた。見られてたけど、腹くくって行かないとと思いました。(清水に)合ってしまったけど、気持ちで負けないようにと思って踏みました。しっかり先行できて確定板に載れてるので、悪くないですね」


 3着を争ったのは中国コンビ。外を回した清水裕友が3着で準決勝進出を決めたが、「情けない」の言葉を繰り返した。


 「3コーナーで仕掛けたけど、情けない。パッとしないですね。3番手に入っても余裕がなくて、行こうって感じではなかった。情けないってだけです」


 

10R

選手の写真です。
山田英明選手

 日野博幸の上昇に続いて打鐘でインを切った山田英明(写真)は小原唯志の上昇を受けて3番手を確保。危なげなく準決勝へ勝ち上がった。


 「レース前に大塚さんに何も言われずに好きなように走れと言われました、普通地元なら先行しろとか言うけど、そういう風に言われて何が何でも(ラインで決める)という気持ちで走りました。先行するつもりで組み立てて、周りの動きをみてしっかりと動けました。後ろを見ないで攻める気持ちで仕掛けられました」


 山田マークの大塚健一郎が2着に続いた。


 「ヒデ(山田)に関しては全て完璧にやってくれました。余裕があったら小岩(大介)にもコースを作って連れ込みたかったけど、自分にそこまでの余裕がなく…。小岩に申し訳ないことをしました」


 佐藤友和を追走した小橋秀幸はゴール前で内を突いて準決への切符をつかんだ。


 「大塚さんや小岩はさばきがうまいから、急に振って来るかもしれないと思って構えていました。それでも自分のタイミングでは踏めていましたね」


 

11R

選手の写真です。
山内卓也選手

 前からの組み立てを余儀なくされた竹内翼は、谷口明正の上昇にサッと下げて赤板の2コーナーから巻き返す。中団で車間を空けた飯野祐太が詰めながら中川誠一郎を弾いて、谷口を叩いた竹内は援護失う。番手に入った谷口は最終バック過ぎから竹内を交わし、山内卓也(写真)が直線で抜け出した。


 「(谷口は)落ち着いてレースをしてくれた。なるべく先行っていう感じで、最悪(別線に)出られたら番手でと。落車がなければよかったんですけど…」


 ゴール寸前に落車した谷口を気遣いながら、山内は振り返る。


 飯野がまくり気味に追い込むと、大槻寛徳は最終4コーナーで内に進路を取り、最後は狭いコースを突いて2着。


 「最後はイチかバチかでした。自分としては当たらないように冷静に走ったつもりなんですけど。ちょっとヒジが(谷口に)当たってしまった。初日は道中からキツかった。それで自転車をいじったら、(2日目は)楽でした。飯野が頑張ってくれたおかげです」


 打鐘の4コーナーで小野俊之にすくわれた渡邊健は、連結を外していったんは小野の後ろで我慢。最終3コーナー過ぎに小野をすくい返して3着に入った。


 「ちょっといろんな意味でタイミングが取れなくて、結果、小野君の後ろに入っちゃった。そのあとはもう1回に内に行こうと。動きとしては良かったですけど、前が頑張ってくれたことに尽きますね」


 

12R

選手の写真です。
菊地圭尚選手

 「いで湯賞」を制したのは単騎の菊地圭尚(写真)。「後手踏んじゃって最悪だったけど」と最終ホーム最後方に置かれてしまったが、1センターまくりで鮮やかに前団を飲み込んだ。


 「組み立て自体はかなり悪かった。前々に踏んでないとと思ったけど気づいたら…。でも踏み合いをしてくれたんで、詰まったところで目をつぶって行きました。最近は流れが来てるのに、そこで踏まずに自分で自分の首を絞めてたところがあったんで。これはかなり次につながると思う」


 1コーナーで坂口晃輔の内に差し込み、仕掛けるタイミングを逸した松岡貴久だったが、先に仕掛けた菊地を追いかける形で外を踏み2着に食い込んだ。


 「失敗しました。悪い癖が出ましたね。自力と言ってたのに、外行けば何てことなかった。習性ですかね。つい(坂口を)入れたくないなって気持ちになっってしまった。出は悪くないです」


 周回中から村上義弘の後ろを回っていた中村浩士が3着に突っ込んだ。


 「あの位置にまずはいて。(村上の気迫を)感じたかったですね。村上さんが古性を守る走りをして、自分はしゃくられないようにと思って踏んでたけど、菊地が行ったんでうわっと思った。でも、いい走りを味わいましたね」


 竹内雄作を出させず、レースの主導権を握ったのは古性優作だった。


 「難しかった。もうちょっとしっかり逃げられるように頑張ります。初日もああいうレースができればよかった。先行力がないとGIでは厳しいのでしっかり」


 

10R

選手の写真です。
竹内雄作選手
選手の写真です。
木暮安由選手

 青板2コーナーから早々と上昇した松谷秀幸に対して、竹内雄作(写真)は7番手まで車を下げる。竹内は中団に入った鈴木竜士にしきりにけん制されるが、打鐘前2コーナーで鈴木がスピードを緩めた一瞬の隙を逃さず一気にスパート。残り1周半から先頭に立つと、力強く押し切った。


 「久々に決勝に乗れて嬉しいですね。ジャンのところで(鈴木に)合わされたと思ったけど、むこうがやめていたので自分が(仕掛けて)伸びていく形になりましたね。その後は自分でも良い感じに駆けられたと思うけど、余裕がなかったです」


 木暮安由(写真)にとっては目標の鈴木が外に浮く最悪の展開だったが、バックから外に持ち出すと、鈴木、齊藤竜也の間を強引に縫って2着に突っ込んだ。


 「危なかったけど、レースが見えていたし落ち着いていましたね。4コーナーで踏んで伸びているし、調子は良いです。調子が悪かったら外に膨らんでいるので」


 竹内に食い下がった坂口晃輔が3着で決勝進出を決めた。


 「打鐘のところで鈴木の動きを見ながら行くのか行かないのか見ていたら、(鈴木が)引いたので離れそうになりました。ただ、雄作も落ち着いていたので良い感じにドッキングはできました。松谷さんが自分の位置を狙っていたのは分かったので、警戒はしていたけど(竹内が)かかっていたので来れなかったですね。最後は9番(松谷)に行かれたと思ったけど、何とか(決勝に)乗れて良かったです」


 渡邊健を飛ばして竹内ライン3番手を確保した松谷秀幸は直線勝負で決勝進出を狙ったが4着まで。


 「なんで毎回(準決勝は)4着なんでしょうね…。かなり脚を使って位置は取ったけど、あそこまで行くなら(竹内の)番手まで行けばよかった。少し迷ってしまいましたね。位置取りで脚を使っていたし、脚がなかったです」


 

11R

選手の写真です。
古性優作選手
選手の写真です。
橋本強選手

 赤板過ぎにこじ開けるように強引に切って出た古性優作(写真)は、愛媛コンビを受けて3番手をキープする。小川祐司の先行態勢で打鐘を通過。後続を酔わせる絶妙なペースで小川が逃げて、最終ホームでも別線は動けない。1センターからまくった古性は、小川に合わされながらもなんとかとらえる。しかしながら、村上義弘は小川後位から切り替えた橋本強に踏み負けて4着。1着にも古性は厳しい表情で振り返る。


 「(小川の)掛かりが良かった。掛かる前に行けてたら良かったんですけど。ジャンの3コーナーくらいから(仕掛けるタイミングがあったけど)…。自分でもなんで行けないのかわからない。人の後ろに付いている感じだった。そこを行けば良かったんですけど、これじゃまったく喜べない。村上さん、山内(卓也)さんが付いてくれて、そこを叩けばラインで決まる可能性が高かった」


 小川の逃げを利した橋本強(写真)は、古性のまくりを止められずも村上に踏み勝ち決勝進出を果たした。


 「小川さんは仕上がりが良さそうなので、出たら落ち着いていってくれればと思っていた。小川さんはうまかったですね。古性君を止められれば良かったんですけど…。そこからは(村上のところで)へばりついていくしかないと思った。あとは気合ですね」


 9番手に置かれた田中晴基は、目標の鈴木裕が浮いて不発になると内よりのコースを進出。最終3コーナー過ぎに橋本の後ろに取りついて、3着に追い込んだ。


 「鈴木さんすみませんっていう感じでした。鈴木さんが行ったら、みんな外に行って、内がガラ空きだった。あとは(直線で)コースが空いてくれればと。そしたら空いてくれたんでツイてますね。自分が自力でやったら9着ですよ」


 古性にまくられシンガリに沈んだ小川祐司だが、レースを支配して存在感をアピールした。


 「(橋本)強が残った。結果、僕の後ろが残ったんで評価はしてもらえると思うけど。もっと(逃げる)距離を伸ばしていかないと。(最終)3コーナーまで持てばもっとちがっていた」


 

12R

選手の写真です。
中村浩士選手
選手の写真です。
大塚健一郎選手

 青板バックから上昇した山中秀将に対し、前受けの天田裕輝がホームで車を下げると山中の動きに続いた清水裕友が打鐘から主導権を握る。3番手は山中、松岡貴久で併走になったが、ホームで山中が下げて松岡が3番手を確保。松岡が2コーナーからまくり上げると岩津裕介がこれをブロック。その内に大塚健一郎が切り込んで清水後位まで番手を上げる。2センター、5番手から山中が巻き返すが大塚が内に切り込んだ際のあおりを受けて大きく外へ。これでポッカリ空いた中バンクを中村浩士(写真)が突き抜けた。


 「流れがいいですね。(決勝に)乗ってるというより乗らせてもらっている感じです。(下がってきた山中を)迎え入れるのがキツかった。もう間に合わないと思ったけど、うまくスピードをもらえましたね」


 岩津の内に切り込んだ大塚健一郎(写真)が2着。競輪祭の落車で万全とは言えない体調のなかでも決勝戦に勝ち上がった。


 「周りのおかげです。このデキで、まさか乗れるとは思わなかった。貴久もいつもどおりやってくれて、ここまでたどり着けました。最後のフォームもバラバラで情けないです(苦笑)」


 大塚にすくわれた岩津裕介だったが、立て直して3着に食い込んだ。


 「いい展開になって、自分も精一杯やったけど、相手も強いので。(松岡を)止められるかなっていうのも一瞬あったけど、じっとして(清水が)合わせ切ってたら決まってたかも。レースのなかでそこの判断ができなかった。でも、清水は頑張ってくれました」


 逃げた清水裕友は惜しくも4着で決勝進出を逃した。


 「落ち着いて駆けられたけど、これで残れないってことが今の力じゃないですか。先行するなら絶好の展開だった。でも、岩津さんが乗ってくれただけよかった。また頑張ります」


 


 


 


<最終日・9R KEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)>


 


 最終日9RにはKEIRIN EVOLUTION(ケイリン エボリューション)が行われる。石井秀治の欠場で誰にでもチャンスがありそうな一戦となったが、前回、競輪祭にも出場している山本伸一が機動力では上位の存在になる。


 「エボリューションは初めて。ここまでに2日ぐらいカーボンに乗ってきました。普段もたまに乗ってるし、違和感はないですね。(競輪祭は)成績的にあんまりだけど、脚は戻ってるんで。今はなんで結果が出ないのかを考えながらやっている。外枠だけど頑張ります」


 工藤文彦は最内の1番車。エボリューションも昨年12月の広島記念で経験している。


 「前回が終わったあとは競輪学校でアマチュアたちに訓示をした。頑張らないといけないなって気持ちになりました。練習は普通に。カーボンでも練習はしてきました。前回(のエボリューション)よりは絶対チャンスがあるし、あのときよりは速くなっていると思う」


 高間悠平が点数最上位の存在だ。11月大垣で記念初優出するなど競輪では好調だが、エボリューションは果たしてどうか。


 「エボリューションは初めてなんで、何とも言えないですけどね。先輩に聞いてそれを参考に走ります。地区プロが10月頭にあって、そこでカーボンに乗ったぐらい。勝負権のある位置にいたいですね」


 渡辺正光も今年の全プロで4km個人追い抜きを制すなど競技には強い。


 「車番的にもそこそこ真ん中は取れそうですね。あとは行けるところで行ってみようと思ってます。いつも練習でこれ(カーボンフレーム)に乗って大ギアをかけている。外国人がいないだけでもいいですね。とにかく思い切って走ろうと思う。普段やらない戦法をやろうかなと思います」