KEIRIN EXPRESS

全国の競輪開催案内のポータルサイト

あおもり競輪

AOMORI KEIRIN

12#

検車場レポート

  • 9/7 Wed.  (前検日)
  • 9/8 Thu.  (1日目)
  • 9/9 Fri.  (2日目)
  • 9/10 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
佐藤和也選手
 オープニングレースの1番車を任されたのは地元の佐藤和也(写真)。地元記念は3年連続での出走となるが、初の決勝進出を目指して初日から奮闘する。
 「(1レース1番者は)緊張感がありますね。プレッシャーもありますし。(地元記念に向けて)特別な練習はせずにいつも通り普通の練習をしてきた感じですね。今回は絶対、決勝に乗りたいと思ってきたので頑張りたいですね。酒井(雄多)君は積極的なタイプなので、自分が仕事をしてワンツースリーを決められるように」
 湊聖二はオールスター後の久留米、別府とFI戦ながら連続で決勝に進出中と、伸びの良さが戻ってきている。
 「久留米から自分の固定概念を崩してセッティングを大幅に変えたら良くなりましたね。もちろん7車立ては特に前の頑張りだったり展開に結果が左右されるのでここ2場所は流れも良かったですね。あと高校野球を引退した息子が競輪選手を目指すって言ってくれたので、最近は一緒に練習もやるようになったので頑張らないとなって気持ちが入っていますね。息子もレースを見ているので変なレースはできないですから」

2R

 阿部拓真は近況の物足りなさを埋めるために課題を持ってトレーニングを積んできた様子。タテヨコ踏み分けられる柔軟性を生かして別線攻略を目指す。 
 「ここ最近はちょっと良くないなって感じがしたので、乗り込みを中心に長い距離を乗るようにしてきました。じっくりとそこをメインに。前回の函館よりは良いと思います。9車立ての方が自分には合っていると思うので頑張りたいですね。自力自在に勝ち上がることを最終戦に頑張りたい」
 齋藤登志信は前回前橋で465着。展開が向かなかったことに言い訳することなく、今回に向けて最善を尽くしてきた。
 「今回は追加ですけど、地元地区の開催なので頑張りたいですね。前回は展開が厳しかったですけど、もうひと踏ん張りできれば良かったのかなっていう反省点もあるので。(中2日での参戦で)疲れはありますけど、走る以上はしっかりと整えて頑張りたい」

3R

 松谷秀幸は前回の小田原記念で決勝進出。6月四日市で落車した影響が残る中で本調子とまではいかないものの地元の意地を見せた。
 「ちょっとずつ良くはなってはいますね。でも前回の決勝でフレームが壊れてしまったので、練習で使った中でも一番良かった昔のやつを持ってきました。試練が続いているけど頑張りたいですね。(いわき平の)ダービーと四日市で同じところを骨折してしまったので。その中でも点数を落とさないようになんとかやれている感じですね。近藤(隆司)君とは久々の連係なので一緒に頑張りたい」
 椎木尾拓哉は6月の松戸GIII以来となるグレードレースを心待ちに。一次予選は連係実績ある同県の南潤と共に別線を迎え撃つ。
 「(一月の地元記念で落車して)かなり調子を落としてしまっていましたけど、練習の感じだけなら良い頃に戻ってきていますね。周りのレベルも上がってきているのでレースになるとなかなか難しい部分もありますけど。でも、9車の方が自分の中では走りやすいっていうのはあるので今回は頑張りたいですね。潤はかなり調子を上げている感じですし、まずは連係を外さないようにしっかりと追走したい」

4R

選手の写真です。
原田研太朗選手
 原田研太朗(写真)は前回岐阜記念の3日目と4日目に積極策でレースを支配。現状打破へ変化を求めている。
 「追加は前回岐阜の2日目に入りました。体調は変わらず来れたと思います。(前回は戦法の)バリエーションを増やす意味でもそういうレースをしようかなと思って。青森はあんまり走ったことがないのでイメージとかはないですね。自力でしっかり頑張れるように」
 岩津裕介は先月のオールスター競輪で準決に進出。前回の別府でも決勝2着と復調の兆しを見せている。
 「だいぶ良くなってきている感じですね。やっぱり落車の影響がなくなってきている感じがするので。ここまでは変わらずに練習してきました。青森を走るのは久々ですね。研太朗に前を任せて頑張ります」

5R

 石塚輪太郎は前回松戸の初日に6着大敗。7月の静岡でも予選敗退など、取りこぼしが否めない現状ながら得意の9車立てで見せ場を作る。
 「前回の初日は6着を取ってしまったんですけど、動いた結果なので。なにもせず大敗したわけじゃないですし、残り2日間は1着を取れているので。久々の記念ですけど、自分的には9車の方が脚質的にも合っていると思うので頑張りたいで」
 近況、自転車の伸びが良くなってきている印象の三谷将太は前回の小田原から上積みを実感して今シリーズに挑む。
 「(前回の小田原記念は)結構良かったと思います。でも今回の方が直前にいい練習ができたのでさらに良くなっていると思います。青森は記念で決勝に乗ったこともありますし相性は良いと思う。輪太郎との相性も悪くないと思うので頑張りたい」

6R

 取鳥雄吾は富山記念の2日目に体調不調で当日欠場。直前のいわき平も感冒で欠場しているが、不安は一切なさそうで表情は明るい。
 「オールスターは全く良くなかったんですけど、富山記念の初日が久々に良い感じで走れたので。欠場明けですけど体調が戻ってから一週間くらいはしっかりと練習できたので、体自体はまったく問題ないと思います。青森は全プロで走ったとき以来ですね。最近は若い子と当たることが多くなってきているので、若い子に負けないように頑張りたい」
 前回向日町FIで準優勝の桑原大志ではあるが、オールスターで感じた上位陣との差を埋めようとひたむきに取り組んでいる。
 「どうしてもミスしたあとのリカバリー能力が足りないなっていうのがあるので、そこを重視してトレーニングをしてきました。取鳥君は出脚が鋭いイメージなので集中して離れないように」

7R

選手の写真です。
内藤宣彦選手
 青森支部のベテラン内藤宣彦(写真)は久々に地元シリーズでいつも以上に気持ちが入っている。連係実績ある櫻井祐太郎を目標に別線を迎え撃つ。
 「久々の地元戦なので楽しみにしてきました。1年以上ぶりですからね。自分自身にも期待を込めて頑張りたい。いつも通り自分なりにやってきたつもりなので。オールスターくらいからの1カ月くらいはいい状態で走れていますね。櫻井君とは前回の初日も連係していますし、とにかく強いので。しっかりとついていってゴール前勝負がしたいですね」
 *柿澤大貴は前回取手で準決敗退ながら2勝をマーク。最終日にも連係した相性良い河合佑弥をリードして一次予選突破を目指す。
 「ここまではケアをしながら練習もしてこれたので疲れは気にならないですね。1着も取れていますし、前回走って調子自体も良かったって。河合君とは前回の最終日も連係してますし、(S級で)初優勝したのも河合君の番手からだったので信頼して」

8R

 佐々木豪は前回の富山記念から中14日空けての実戦で、確かな手ごたえをつかんで今シリーズを迎える。
 「前回の富山までがずっとレースが続いていてまとまった練習ができていなかったですね。オールスターが一日順延したのもあって疲れもありましたね。かなり久々にレース間隔が空いたのでここ最近できていなかったウエイトトレーニングもできましたし、やりたい練習をやってこれたので今回は楽しみですね」
 佐々木豪をリードするのは復調を実感している柏野智典。前回の岐阜記念から中2日での参戦となるが、疲れを見せない。
 「レース間隔は詰まっている方がいいので、前回から中2日ですけど問題はないですね。台風の影響もあったんですけど、乗れるとき乗ってきました。5月ぐらいから悪くてスッキリしないレースが続いていましたけど、前回から良くなってきましたね。体調が良くなってきたのが大きいと思います」

9R

選手の写真です。
武田豊樹選手
 高橋晋也は7月小田原で落車して右のふくらはぎを近断裂。約一カ月調整期間を経て迎えた取手では一息であったが、復調の兆しをつかんだ様子。
 「正直、前回は予想していた結果というか、一カ月空いていたのでレース勘がどうかなって思っていました。でもやりたいレースはできたし課題は見えてきました。今回はしっかりと練習できたので、ほぼ戻っていると思います。武田さんは同じ高校の先輩なので、初めての連係で緊張はしますけど嬉しいですね。自分が選手を目指すきっかけにもなった方なので前でしっかり頑張りたい」
 武田豊樹(写真)は前回の地元シリーズで今年の1月松戸以来となる優勝を勝ち取り今シリーズを迎える。
 「(前回の決勝は)もう一度も後ろを見ることもなくゴール前までこれたので。(吉田有希が)強かったですね。自分は日々感触が変わっているんですけど、良い時には結果を出せていると思います。(高橋が高校の後輩だということは)知っていました。初めての連係になるんですけど、嬉しいですね。いい結果をだせるように緊張感を持って走りたい」

10R

選手の写真です。
神山拓弥選手
 縄文バンクと相性良い長島大介は準決で敗退となった小田原記念以上の結果を求めて初日から自慢のスピードを発揮する。
 「疲れが残ることもなく順調に練習をしてこれたと思います。前回の小田原は状態的に良かったんですけど、なかなか難しくて結果を出せなかったですね。体調自体はいつも通りって感じで、しっかりと力を出し切れるように。青森は好きなバンクですしいいイメージなので頑張りたい」
 長島大介と呼吸を合わせるのは同県の神山拓弥(写真)。前回立川を感冒で欠場しているが、ケアと練習を行って今シリーズに間に合わせた。
 「(前回の立川は)体調を崩してしまったので。でも体調が戻ってからは久々にしっかりと2週間近く練習できたでので。ワットバイクでもやれましたし、直前は長島君達とも一緒にやってこれたので。長島君はかなり仕上がっていましたね。いつものことですけど強かったです。しっかりとワンツーを決められるように頑張ります」

11R

選手の写真です。
中野慎詞選手
 デビューから27連勝で負けなし。直前に行われた全日本自転車競技選手権大会のケイリン種目でも優勝している中野慎詞(写真)が予選メインを張る。
 「初めての地元記念で、初めての9車立てですけど、自信を持って挑むだけだと思っています。今はドキドキよりもワクワクの方が大きいですけど、レースになったら緊張もすると思うので、冷静に走れればって思っています。師匠(佐藤友和)にもアドバイスをもらって、9車立てのレースを見て流れだけは頭に入れてきたつもりです。(直前に全日本自転車競技選手権大会のケイリン種目で優勝できたことは)自信を持っていいことだと思っています。(ここまでは)連勝は意識せず勝ちたいと思って走ってきた結果だと思っているので。チャレンジャーとして挑んでいって決勝に上がれるように」
 番手を回る地元の永澤剛は落車明けのシリーズで、終始控えめな印象。飛ぶ鳥を落とす勢いの中野慎詞との連係に気を引き締める。
 「(前回の最終日に落車した怪我は)左膝の打撲です。そのあとに練習でも落車してしまって、左肩を痛めてしまって…。結構痛かったです。(練習での落車後から)1週間くらいは練習できたんですけど、自分の脚が戻ったところで…。付いていけるように頑張りたい、それだけですね。連係は初めてですけど、レースを見ていても超強いじゃないですか、怖いです。なんとか勝ち上がれるように頑張りたい」

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手
 シリーズリーダーのS班*郡司浩平(写真)は、地元の小田原記念では3連勝で勝ち上がるも決勝はアクシデントもあり準優勝。当所参戦は全プロ記念競輪以来で4年ぶりとなるが、初日から北日本地区のファンを沸かせる。
 「(前回決勝は落車があり)態勢を整えてからレースを始めたかったんですけど、不意を突かれてしまったというか油断が出てしまいましたね。前回は思ったより走れた感じでしたけど、今回は久々に万全の状態で練習もしてこれましたし、いい状態で臨めると思います」
 吉田拓矢はオールスターの4走目に落車のアクシデントに見舞われて途中欠場。万全を期して小田原記念を欠場して今シリーズに備えた。
 「落車の怪我はそこまで重傷ではなかったんですけど、大事を取って休みました。体はもう大丈夫ですね。2週間くらいは練習してこれました。今回から新しいフレームに換えるんですけど、規格とかは一緒なので。最近、よく連係している菊池(岳仁)君の番手で頑張ります」
 69周年記念の大会覇者でもある地元の新山響平も初日から奮闘。オールスターで決勝に駒を進めており、抜群のスピードで強敵に挑む。
 「地元記念なのでGIのつもりで頑張りたい。今は追い込む時期なので正直、疲れはありますけど、徐々に抜けていってくれて決勝を迎えられれば。初日は2車ですけど、しっかりと積極的に動いていって1着を狙いたい」

1R

 後ろ攻めから真っ先に動いた山本勝利が、打鐘前に押さえにきた松岡健介を突っ張って先行態勢に入る。俊敏な立ち回りで近畿両者をすくって3番手を確保した酒井雄太が、後方から巻き返しを狙った三登誉哲の気配を察知して最終ホーム手前から一気のスパート。番手を回っていた地元の佐藤和也がゴール寸前で交わして白星スタートを切った。
 「(1着スタートで)良かったです。良い位置を取れたからまくりでも良いかなと思っていたけど、すかさずいってくれた。後ろにスピードを使われると思って止める準備はしていました。(酒井が仕掛けた所は)体が勝手に反応して付いていけた。ゴール前はぎりぎりまで届かないと思ったけど、地元なので、残すっていうよりも抜き切るって気持ちで踏んだ。明日(2日目)からも毎日が勝負だけど、少しホッとしましたね。1レースから(ファンが)いっぱい応援にきてくれていましたね」
 冷静な判断力と動きの良さが光った酒井雄多が2着で一次予選を突破した。
 「あと0秒2ぐらい早くカマせば荒澤(貴史)さんが絡まれずに3人で決まったと思う。細切れ戦で動きがあると思ったけど、すんなりの展開だったからどこからいくかって感じでした。ヨコに厳しい人もいないから動かして動かしてと考えていた。鐘からカマすことも覚悟していました。佐藤さんが地元で気合入ってて気迫もすごかった。ここ2、3カ月は落ち目だったけど、ここ2場所ぐらいから良くなってきた。色々試していたけど、そこそこ走れていたときのセッティングに戻しました」

2R

選手の写真です。
福永大智選手
 ライン3車の厚みがある福永大智(写真)が阿部拓真にフタをする形から、先に切って待っていた三好恵一郎を叩いて先行態勢に。後方8番手まで下げた森山智徳に動きはなく、福永が徐々にピッチを上げてレースを支配。別線に反撃のチャンスを与えることなく力強く押し切った。
 「嬉しいですね。(スタートで)けん制になるとは思っていなかったので。すんなり切っても整いやすいかなって思ったのでフェイントを入れていった感じですね。ジャンで切って切ってくれば突っ張るか出させるかは判断しようと思っていたんですけど、こなかったので。ホームでぶちカマしてくる人はいないと思ったので。落ち着いてペースで駆けられましたね。ちょっと直線が長いかなって思ったんですけど押し切れたので」
 福永の番手でリードしていた金子貴志は車間を空けながらゴール寸前で鋭く詰め寄ったが、8分の1車輪差の2着。
 「落ち着いて駆けてくれましたね。初手は2番目か3番目が取れればって思っていたので。ホームで誰かがカマして来ると思ったんですけど、いい展開になりましたね。(感触自体は)悪くはないと思います。維持をしている感じだと思います」

3R

 挑戦者の中村隆生が中団に構えていた南潤を内に封じ込める形から打鐘手前で一気に踏み込み主導権取り。正攻法の位置から中団に飛び付いた近藤隆司が、後方まで下げた南を警戒しながら前との車間を空けて間合いを取る。最終2コーナーから車を外に持ち出すと、大外をまくってそのままゴール線を駆け抜けた。 
 「スタートで関東が中団だと勘違いしていて、南君が後ろから押さえにくると思っていた。鐘で4番手にハマれて南君が来ていないのも確認できて一呼吸おけた。2コーナーでまくろうと思っていてその通りにいけました。ホーム向かい風でバック追い風だったから風を浴びせてから2コーナーでまくれれば良いなと。自分がまくった上を南君がまくってくると思っていて3コーナーで踏んだけどこなくて4コーナーから踏み直せた。前回からシューズを戻して感覚が良い。展開が向いたときに勝てそうって気持ちで走れている」
 近藤と約1年ぶりの連係となった松谷秀幸は直線で逆転を狙うも2着まで。
 「近藤君が強かったですね。スタートは前であとは近藤君の気持ちひとつでお任せでした。展開が向きましたね。2コーナーでいってくれた。現状だとこんなもの。抜ければ最高だけど、気持ちで頑張るしかない。抜きにいくときに力が入らない。入れば抜けるかなって思うんですけど」

4R

選手の写真です。
岩津裕介選手
 正攻法に構えていた岸澤賢太が後ろ攻めから上昇してきた松岡孝高を赤板過ぎに突っ張る。原田研太朗が内へと差し込んでいるタイミングで染谷幸喜が叩いて主導権取り。態勢を立て直してカマシを狙った原田であったが、最終2コーナーで萩原孝之のブロックでスピードが鈍ってしまう。岩津裕介(写真)は俊敏な動きで萩原をすくうと、直線に入っても踏み合っていた染谷と原田の間を鮮やかに突き抜けた。
 「展開は見えていたのでカマシ、まくりなら早めに引いて整えた方が良かったと思うんですけどね。でも仕掛けたタイミングは良かったので、(原田は)2コーナーの下りを使って行けるかな思っていたんですけど、いいブロックを貰ってしまって思ったより伸びなかったので。2人で勝ち上がれればって思っていたので待ってから直線勝負かなって思っていたんですけどね。脚自体は悪くない感じですね」
 岩津にすくわれながらも態勢を立て直した萩原孝之が直線で外を伸びて2着に強襲。
 「自分のブロックが大きかったみたいで、岩津君にこられて入られてしまったのでびっくりしました。いつもの染谷君より強かったですね。仕上がっていると思います。自分は3コーナーであんな感じになったのに抜けているので悪くないですね。だいぶ戻ってきていると思います」

5R

 地元の磯島成介が会心の走りを披露した。村上竜馬が切った上を打鐘手前から叩いて主導権を奪うと、後方7番手から巻き返しを狙った石塚輪太郎との壮絶なもがき合いに。最終バックでは頭一つ出られてしまう形となったが、最終3コーナーで内からしぶとく復活。番手から詰め寄る山田敦也をも振り切って力強くゴール線を駆け抜けた。
 「前回のここのGIIIで予選突破できなかったから今回は突破したいと思ったら1着でしたね。予備だったので仕上げるっていうよりも前回のいわき平で仕上げてそのまま入ったって感じです。スタートで中団取れるとは思わなかったので。先行しようとは思っていた。脚は残っていましたね。石塚さんの方が焦っている感じでした。調子がたまたま良かっただけかもしれないですけどね。先輩達の役に立てるように頑張りたい」
 最終バックで三谷将太に絡まれた山田敦也であったが、冷静に対処。磯島を巧追走して2着に流れ込んだ。
 「磯島君が仕上がっている。石塚君にいかれると思って色々と考え過ぎた。非常に頑張ってくれた。最後もタレると思ったけど踏み直していてびっくり。流れだけは良くなってきている。フレームを少し調整します。坂本家には世話になりっぱなしですね」

6R

選手の写真です。
取鳥雄吾選手
 鈴木浩太が小笠原光を打鐘前に叩いて先頭に立ったが、正攻法の構えから手早く引いて態勢を整えていた取鳥雄吾(写真)が一気のカマシで主導権を奪い返す。最終4コーナーから力いっぱい踏み直して後続を振り切った。
 「もう力勝負をしようと思ったので頑張りました。並びも思っていた通りの感じになったので。小笠原君が中団の方が嬉しかったですけど。今日は前のレースを見ていてもホームカマシが決まっていなかったから早めに仕掛けようと思っていました。櫻井(正孝)さんの横だけは早めに通過したかったので。ホーム過ぎに出切って脚はいっぱいだったんですけど、バンクが軽いので流れてくれましたね。思ったよりも残れました」
 番手を回っていた桑原大志は、最終バックで自力に転じてまくり上げていた櫻井を引き付けながら直線で逆転を狙ったが4分の1車輪届かず2着でゴール。
 「さすがでしたね。基本的に全部任せていたんですけど、若い2人を相手にどうするかしっかり考えてやれば負けることはないだろうなって。ここで負けているようなら取鳥君が目指しているところまではいけないんじゃないって感じで。さすがのダッシュできつかったんですけどホームでは余裕もあって。バックでくるとしたら櫻井君だけだと思って、ちょっとそこに集中しすぎてしまった感じですね。最後も(取鳥が)踏み直してて抜けないなって感じでした」

7R

 正攻法に構えていた河合佑弥が後ろ攻めから上昇してきた大西貴晃を突っ張ると、ペースが落ちた所から櫻井祐太郎がすかさず叩いて先頭に躍り出る。別線に動きはなく、徐々にピッチを上げてレースを支配するとベテラン内藤宣彦が車間を空けて援護しながら直線で交わした。
 「ホッとしました。人気になってて勝てたから嬉しい。櫻井君が主導権を取るけど、どういう形で取るのかでした。スタートは取りにいったけど、関東が前にでたので中団の方が良いやと思って。櫻井君も行く気満々で良い展開でした。悪くなかったけど、緊張した。残り1周で大丈夫だろうと。直線が長いから待ちすぎると後ろからごっそりいかれることがあるから踏むタイミングを考えていた。サッと差せれば良いなと思っていました」
 後続距離の長さを武器に別線を封じてみせた櫻井祐太郎が2着でしっかりと二次予選に進出。
 「スタートは前からでしたけど、関東が前に出て中団からになって。理想だったので良かったです。河合さんが車間を空けているのが見えて突っ張るだろうなと。その上をすかさずいってペースでいけた。体の感じはよくわからず。脚が重い感じがする。バンクが重たかった感じですね。調整します」

8R

選手の写真です。
佐々木豪選手
 赤板過ぎに齋木翔太を叩いた佐々木豪(写真)が小畑勝広ラインを受けて冷静に中団をキープ。後方に下げた齋木を警戒しながら車間を空けて間合いを取る。最終3コーナー付近から車を外に持ち出すと神山雄一郎のけん制を乗り越えてゴール線を駆け抜けた。
 「展開が向いてくれたので。ここ最近は展開が向かないことが多かったので、やっと確率が収束してきたのかなって(笑)どっちのラインもやる気だと思っていたんですけどね。しっかりと踏んで(小畑を)出させて、(齋木が)来たら合わせて踏もうと思っていました。ずっと見ていたんですけどこなかったので、車間も切っていましたし詰めていって踏みました」
 柏野智典は冷静にコースを見極めて神山と佐々木の間を踏んで2着に入線。
 「小畑君の後ろからが良かったのでイメージはできていました。齋木君がホームから来ると思っていたんですけどね。たぶん佐々木君も来たら踏むつもりだったと思うので、来なくてタイミングが取りづらかったと思います。ちょっと(3コーナーで)合われそうというか出が悪かったので大丈夫かなって。8番(櫻井学)も余裕がありそうだったのでとりあえずコースだけは消したいなって。自分があのコースを行けば戸田(洋平)君が外を踏んで決まるかなって。成清(貴之)さんの気配もしていたので」

9R

選手の写真です。
高橋晋也選手
 スタートで別線の出方を窺いながら誘導員を追い掛けた高橋晋也(写真)が正攻法の位置に構える。佐伯亮輔が赤板過ぎに勢いよく押さえて出ると、栗山俊介が中団へと追い上げる。冷静に車を下げた高橋は最終ホーム手前から反撃開始。福島武士のけん制を警戒してイエローライン付近を一気に通過するとそのまま力強く押し切った。
 「寝れなかったです(笑)。ワンツー決まったのは嬉しいけど、積極的にいけなかった。鐘でいくつもりで構えていたけど、前が上に上がってタイミングをずらされて気持ちの弱さも出てしまった。栗山さんに先まくりを打たれる前にいこうと思って、そこでしっかりといけてよかった。次、いつ武田さんと連係できるかわからないから気合でいった。ゴール前はしっかりと1着を狙いにいこうと思ってハンドルを投げた。取手でダメだった分も今回は頑張りたい。決勝で(新山)響平さんと連係したいので」
 高橋と今回が初連係であった武田豊樹はゴール前で詰め寄るも2分の1車輪届かず2着まで。
 「(高橋が)強かったですね。スタートはけん制されるぐらいなら前でした。このメンバーなら自力で上位だし、受けて走ればいいんじゃないのと。高橋君も色々と考えたと思う。併走してもよかったけど、下げて力勝負したいんだなと。ホームからいってくれてすごい強かった。余裕はなかった。千切れかけた感じ。キツかったですね。番手を守りながら追走して抜きにいったけど、キツかった。一人しかいない高校の後輩だからね。北日本は強い選手がいるからしっかりと学んでタイトルを獲ってもらいたい」

10R

 受けて立つ関東勢が正攻法に構える。後ろ攻めを選択した道場晃規が赤板付近で押さえに来たが、長島大介は一歩も出させることなく突っ張って出る。巧く流しながら後ろの状況を見ていた長島が最終ホーム手前の4コーナーから力強く踏み込み主導権。番手を回っていた神山拓弥が車間を空けつつ後ろを何度もけん制しながら、直線で有利に抜け出した。
 「もう7、8割は突っ張るっていう感じだったので。やっぱり長島君も自分に課題を課してやっていると思うんで。ワンツーが決められなかったのは残念ですけど、内容は良かったですよね。結構、カカっていましたし、踏み直しもしていたと思うんですけど直線が長い分こられてしまったのかなって。今日はみんなそこのコースが伸びていたので難しかったですね」
 長島はゴール寸前でわずかに失速してしまい、薦田将伍をリードしていた網谷竜次が直線で鋭く伸びて2着に強襲。
 「最近の長島君は巻き返しが早かったので引いて早めに巻き返しにくるかなって思っていたんですけど、突っ張りまでは…。薦田君も反応が遅れていたと思うんですけど、あそこの位置を取り切ってくれたので。行っても合わされてしまうと思ったので、ゴール前勝負でもいいかなって思ったんですけど3コーナー手前から行ってくれたので。稲村(成浩)さんの内を見ていたんですけど空く感じがしなかったので外を踏んだんですけど。たまたま踏んだ所が下りだったので伸びてくれたと思う」

11R

選手の写真です。
中野慎詞選手
 号砲とともに勢いよく飛び出して誘導員を追い掛けた中野慎詞(写真)が堂々と正攻法からの組み立てに。後ろ攻めから上昇してきた宗崎世連を突っ張る素振りをみせたが、隊列がばらける様子を見ていた隙を逃さず一戸康宏が打鐘から主導権取りへ。結果的に7番手まで下げる形となった中野であったが、打鐘過ぎ2センターから早くも反撃開始。一戸の番手を回っていた池田勇人が再三に渡って煽りを作って抵抗したが、大外をまくってデビューからの連勝記録を28に伸ばした。
 「7車と全然違う。スピード感も。想定外の動きで混乱して無理くりの仕掛けだったけど、1着取れて良かったです。押さえにくるのが遅ければ突っ張り、思い切りきたら下げての作戦でしたけど、ゆっくりきたと思って突っ張った所で宗崎さんが1人に見えて止まって、そこで遅れて児玉(慎一郎)さんが来たから混乱しました。どう動けば良いのかわからず。VTR見て先輩方に教わりたい。スピードが早くて、早く仕掛けないとヤバいと思った。判断が良かったかわからないですけど、しっかりと勉強して次につなげたい。(打鐘過ぎに仕掛けてからは)横をやられたときはサーっと回して対応しようと。その辺も先輩と話してどうだったか聞きたいですね。地元で応援がすごかった。レース後の拍手もすごくて、明日(2日目)もその拍手をもらえるようにしたい。練習の疲労が抜けてくると思うから良い競走ができると思います」
 永澤剛が地元の意地で初連係となった中野の仕掛けにも呼吸を合わせてぴたりと追走。北日本両者で一番人気に応えてワンツーを決めた。
 「ホッとしました。本当に良かったです。差せなかったけど。別線次第で突っ張りか引くかって感じでした。中野君つえー。離れなくて良かった。ドキドキしましたね。スローじゃない展開になって助かった。池田君に捌かれると思ったんですけどなんとか耐えられました。抜けば1着と思ったけど、全然抜ける気がしなかったです」

12R

選手の写真です。
和田真久留選手
 正攻法に構えた菊池岳仁が新山響平の気配を察知して目いっぱい踏み込んだが、新山の踏み出しに和田圭が離れたことを確認すると冷静に番手に収まり打鐘を迎える。先頭に出切った新山が流してペースが緩んだ所から清水裕友が反応良く車を外に持ち出して山田英明が離れるほどの加速で先頭に躍り出る。冷静に戦況を見極めていた郡司浩平が最終1センターから大外をまくり上げると、追走していた同県の和田真久留(写真)がゴール寸前で交わして神奈川ワンツー。
 「怪我の痛みはもう緩和されていい状態で走れているのかなって思います。郡司君のまくりを差せているので悪くはないですよね。ワンツーを決められたのは嬉しいですね。今日は自分が仕事をする場面はなかったんですけど、しっかりと仕掛けに反応して、煽りがある中でついていけて差せているので」
 鮮やかなまくりで別線を一蹴した郡司浩平ではあるが手放しでは喜ばない。2日目以降を見据えて修正ポイントを整理した。
 「菊池君と新山君がどうやって先手を取りに行くかって。突っ張るのか叩き合いになるのかって見ちゃいましたね。本当は巧く新山君の仕掛けについていって3番手を取れたら良かったんですけど。赤板過ぎからいいスピードだったんですけど、残り1周手前の4コーナーで詰まった所で清水君がいったので。行かなければ自分がっていう心構えではいました。ちょっとセッティングがしっくりこなかったので修正します」
 郡司にまくられながらも納得のいく仕掛けに確かな手ごたえをつかんだのは3着に粘った清水裕友
 「新山さんと菊池君がやり合う形にはなるかなって思っていたんですけど、関東勢の前受けは想定外でしたね。新山さんが行きそうな雰囲気を出していて突っ張るか突っ張らないかは菊池君の判断でしたけど、ジャンの2センターで詰まったので仕掛けてみようかなって感じでいきました。久々に自分らしいレースができたと思います。初日に出し惜しみしてしまってシリーズの流れを悪くしてしまうことがあるんで、仕掛けた上を行かれてしまいましたけど、自分ができることはできたと思う」

6R

選手の写真です。
池田勇人選手
 挑戦者の山本勝利が後ろ攻めから押さえて先行態勢に入り、山田英明が中団に追い上げて打鐘を迎える。後方7番手まで下げた高橋晋也は一旦車間を空けてから詰める勢いで最終ホームから反撃開始。中団で車間を空けて待ち構えていた山田も高橋の仕掛けに合わせて最終2コーナーからまくり出たが、気配を察知した池田勇人(写真)が3コーナーから番手発進。そのままゴールまで力強く踏み切って準決一番乗りを決めた。
 「今日はもう全部、山本君が頑張ってくれたおかげですね。番手の仕事をしたいって思っていたんですけど、来てほしくない所できてしまって。車間を空けながら山本君を庇いたかったんですけど、あれ以上は待てないなって感じだったので。外々を回ってくれていれば良かったんですけど、気は抜けないって感じでした。やっぱりヒデさんも車間を空けていましたし難しかったですね。山本君の頑張りは無駄にできないし、どっちかは勝ち上がらないとなって思っていたので。山本君のおかげです」
 池田を追走した稲村成浩が2着で準決勝に進出。今シリーズは函館GIII以来となる約一カ月ぶりの実戦ながらも、しっかりと存在感を示している。
 「前の2人が頑張ってくれたおかげです。欠場明けできついんですけど、初日も2日目もただただ前に離れないようにと思ってついて行きました」

7R

選手の写真です。
神山拓弥選手
 正攻法に構えていた菊池岳仁が後ろ攻めから上昇してきた佐々木豪を赤板過ぎに突っ張りそのまま先行態勢に。再び7番手まで下げる形となった佐々木が最終ホーム手前から力ずくの巻き返しに出たが、菊池のカカリが良く、神山雄一郎の横までで車は止まってしまう。車間を空けて菊池をリードしていた番手の神山拓弥(写真)が巧くけん制しながら直線で抜け出して連勝で二次予選を突破した。
 「菊池君が前からしっかりと頑張りますと言ったから言われた通りにスタートで前を取った。恵まれすぎててびっくり。連日、前が2周いってくれているし。菊池君が頑張ってくれてたからそれに応えられるかでしたね。別線が来たら止める準備はしていた。最後も神山雄さんにチャンスがあるようにコースを空けたんですけど。神山雄さんが3着なら満点のレースでしたね。前が2周いってくれているから感覚云々じゃなく恵まれすぎている」
 初日特選の反省を踏まえようと正攻法の構えから突っ張り先行に出た菊池岳仁。しっかりと課題を持って目の前のレースに臨んでいる。
 「前を取って全突っ張りのつもりでした。どの並びでもいこうと思っていたから作戦通り。気持ち入れてしっかり頑張れた。3人で決まらなかったけど、ワンツーなのは良かった。最後は焦って踏み過ぎてしまった。染谷(幸喜)さんと佐々木さんで併走させるのが理想だったけど焦ってしまった。脚自体は良い。初日よりも上向きです。疲れても取れてきました。突っ張りをやれないとGIでは戦えないので」

8R

選手の写真です。
中野慎詞選手
 圧倒的な人気を背負った中野慎詞(写真)は一次予選と同様に正攻法の構えからレースを組み立てる。赤板手前から誘導員との車間を空けると上昇してきた松岡孝高を突っ張りそのまま先行態勢に。中団の併走を尻目にペース駆けに持ち込み、ゴール前もしっかりと踏み直して圧巻の逃走劇。29連勝目を手に準決に勝ち上がった。
 「もうほぼほぼ突っ張ろうと決めていました。昨日(初日)は中途半端なレースをしてしまって、後ろにも迷惑をかけてしまいましたし、自分自身も納得のいく走りができなかったので。今日はしっかり強い気持ちで走りました。ペース配分も巧くできましたし、落ち着いて自信を持って行けました。カカリも良かったと思いますし、最後まで踏み切れたのかなって。最後は全力を出し切っての勝負なので、差されたらそれが自分の今の力だと思うので。自分は全力で走り切るだけだと思っていました。先輩たちにアドバイスをもらってそれが冷静さにつながっていると思います」
 初めて中野の番手を回った和田圭は車間を空けて援護しながら詰め寄るも4分の1車輪差の2着。今もっとも勢いある若手と呼吸を合わせて一番人気に応えた。
 「基本的に任せていたので。前じゃなくても誰かが出れば、後ろから攻められると思っていたので。菊池(岳仁)君が前のレースでいいレースをしていたので、中野君はそれを見て同じ感じで頑張ってくれましたね。中野君はイメージさえできれば脚は抜群だと思うんで。ジャンでまだ駆けていなかったけど後ろで併走していましたからね。ちょっと気持ちに余裕はありましたけど、カカリも良かったですし、踏み直しも良かったので。しっかりとついていって何かしたいとは思っていました」

9R

選手の写真です。
近藤隆司選手
 近藤隆司(写真)が青板周回から上昇していき櫻井祐太郎の外で並びプレッシャーを掛ける。赤板過ぎに勢いよく前団を切ると、宗崎世連ラインを出させる。手早く引いて態勢を整えた櫻井は打鐘から巻き返すが、叩かれた宗崎が新山響平の内で粘りもつれる展開に。後方で態勢を整え直してチャンスを窺っていた近藤が一気のまくりで前団をのみ込んだ。
 「北日本勢がスタートで前に出たら中団を取りたかったけど、スタートが下手であっさり中団を取られました。北日本勢が突っ張ると思ったから誘導のヨコで外せないようにしようと瞬時に閃いた。櫻井君もわかっていなかったみたいで動揺している感じでした。前回いわき平(の準決)で押さえに行ったけど(酒井雄太に)ばれて突っ張られたから、(その時の反省を踏まえて)さらに1周早く押さえにいった。フタできれば押さえられるのは新たな発見でした。宗崎君が粘ってくれたから展開が向きましたね。ラッキーでした。石毛(克幸)さんと全然決まっていなかったから2人で勝ち上がれて嬉しい。良い時のシューズやパーツに戻して、(良い頃の感覚が)戻って来ている感じがありますね」
 宗崎に粘られてしまった新山響平は前輪を外に差し込みながら逃げている櫻井をリードしながら、慌てて踏むも間に合わず直線で伸び負けて2着。番手回りでの課題を掲げる。
 「スタートはあの並びで良かったけど、押さえにこられたのが青板で…。(櫻井は)突っ張るつもりだったと思うんですけど。その後は櫻井君が落ち着いて先行してくれた。宗崎さんを早めにキメていれば良かったんですけど、僕が弱かったです。近藤さんを見て仕掛けようと思ったけど、スピードが違いました。これから後ろを回ることも増えると思うからちゃんと番手の仕事をしないといけない。反省して次のレースにつなげたい。前にも後ろにもお客さんにも合わせる顔がない。前でも後ろでも評価される選手になりたい。今日は重く感じた。最後も粘れず抜かれた。ケアはしているんですけどね」

10R

選手の写真です。
酒井雄多選手
 S班の吉田拓矢が後ろ攻めから押さえた上を南潤が叩いて先行態勢に。正攻法の構えから手早く引いて態勢を整えていた酒井雄多(写真)が打鐘で巻き返しを狙うと両者で踏み合いに。2センターで三谷将太と接触した阿部拓真が落車して後続3名も乗り上げるアクシデント。南の番手にハマった酒井が最終2コーナーからまくり上げて混戦を突破した。
 「先行するなら前受けからだと思っていたので。(吉田が)圧倒的に強いので脚を使ってもらってからっていました。南君はやる気がありましたね。合わされちゃったのでどこか降りないとなって思っていたら阿部さんが先に降りてくれていたので。先輩が位置を確保してくれたので死ぬ気で1着を取りにいきました。でももっとスピードを付けてあういう展開でも先行態勢に入れるようにしないとですね」
 南の番手を明け渡してしまった三谷将太であったが、酒井の後ろに切り替えて直線で迫るも2着まで。アクシデントもあり複雑な表情を浮かべる。
 「潤は先行してくれたんですけど、自分が離れてしまって…。(酒井がまくっていった時に)潤を迎え入れようかとも思ったんですけど下がっていってしまったので。あとは吉田君だけ見えていたのでそこだけかなって思ったんですけど。(腰の状態が)ちょっと良くないですね」

11R

選手の写真です。
園田匠選手
 中団に構えていた齋木翔太多が4車ラインの中近勢を警戒しながら赤板過ぎに先に切って必死に抵抗するも、福永大智が力ずくで叩いて主導権取り。清水裕友は最終ホームで柴崎俊光にからまれながらも、冷静に車を下げて態勢を整え最終2コーナーからまくり発進。追走した園田匠(写真)が直線で鋭く伸びてゴール線を駆け抜けた。
 「初日(特選)が激しいレースだったので今日は楽でしたね。嶋田(誠也)君は練習仲間でついて来ているのがわかったから3人で乗れるなと。後ろの嶋田君がフンフンと入れ込んでいたから自分は落ち着いて走れた。直線が長いから直線用のセッティングにしていたけど、初日が終わってからコーナーを回しやすいセッティングにして感触が良かった。きれいに流れていますね」
 清水裕友は初日特選で使ったフレームとは別のフレームを投入。さらに良い感触を求めて試行錯誤を続けている。
 「中途半端っていうか要所要所の遅れが命取りになるところでした。二次予選だから何とかって感じですね。新車をぶっつけ本番で使いました。(初日に使ったフレームと)色は一緒だけど、もっと固めのフレーム。乗りこなせれば面白そうだと思うけど、明日(準決)も使うかは考えます。スピードが上がれば面白いと思うんですけどね。共同杯もあるから今開催中に答えは出したい。脚自体の感覚は悪くないので」

12R

選手の写真です。
松谷秀幸選手
 スタートでけん制が入り、受けて立つ郡司浩平が正攻法に構える。後ろ攻めの河合佑弥が動き、さらに取鳥雄吾が切った上を磯島成介が叩いて先行態勢に入ったが、郡司は一瞬の隙を逃さなかった。磯島が出切ってから流した所を目掛けて一気のカマシを敢行。3番手の成清貴之が離れてしまうほどのスピードでレースを支配すると、相性良い同県の松谷秀幸(写真)が4分の3車輪交わして久々の白星を手にした。
 「昨日(初日)よりも余裕はありましたけど、前は郡司君なんでね。しっかりと離れずに追走しようと思って集中していました。ちょっとサドル周りがしっくりこなかったので調整したら感覚は良くなりました。でもあの郡司君ですからね。抜けるとは思っていなかったですし、2着をキープしようって思っていたんですけどね。怪我から復帰して初めての1着なので嬉しいですね」
 S班の郡司浩平は2着ながらもさすがの判断力とレース運びで別線を圧倒。前回小田原記念から使用している新車の特性を含めて現状を説明した。
 「(前受けからの組み立てとなったが)細切れ戦だったのでは早めに回ればチャンスはあるかなって思ったので。予想通り切って切っての展開になったので。磯島君が駆けなければ、早めに行こうと思っていたので。反応はできていますし、出切るまではいい感じなんですけど、フレームの特性もあってちょっと固くて踏み負けている感じですね。体自体は押し切れる感じの状態なのでフレームなのかなって。いつもなら出切ってから回して、最後の踏み直しに脚を残せているけど、いつもみたいに踏み直しができていない感じですね」

10R

選手の写真です。
清水裕友選手
選手の写真です。
新山響平選手
 号砲と共に新山響平が勢いよく飛び出して北日本ラインが正攻法に構える。清水裕友(写真)が後ろ攻めから上昇してきたが、誘導員との車間を空けていた磯島成介が目いっぱい踏み込み突っ張り切る。新山は岩津裕介にからまれそうになりながらも番手を死守。3番手の和田圭が踏み遅れてしまい、岩津に迎え入れられた清水が新山の後ろを確保して打鐘を迎える。近藤隆司が最終ホーム手前から力ずくの巻き返しを狙ったが、車間を空けて待ち構えていた新山が気配を察知して最終2コーナーから番手まくり。真後ろにいた清水が4コーナーから鋭く抜け出して決勝に一番乗り。
 「岩津さんのおかげですね。もう昨日(2日目)、番組が出た時点でそうなる(北勢が前受けから突っ張る)のが見えていたんで。なんとかしたいなって思ってはいました。切れたかなって思ったんですけどね。引っかかっていたみたいで、切り切れていたらもっと面白かったと思うんですけど。あの位置に入れたのは結果オーライですね。突っ張られた時点でそのまま先行争いかハコ勝負しかないと思ったんですけど、新山さんの所は合わなかったですね。なんとか1着取れて良かったです。今日は初日に使ったフレームに戻しました。昨日、使った新車はもうバラしたんで。みんなに聞いても初日の方が動きが良かったって言われましたし、初日も今日も動きは良かったと思うんで」
 目標不在の椎木尾拓哉は後方に立ち遅れる苦しい展開となってしまっていたが、最終2コーナー付近から車を外に持ち出すと徐々に前団との距離を詰めていき直線外を伸びて2着に入線。
 「初手が理想の位置を取れたのでそこから考えていました。和田さんに降りられたのはミスですね。(最終的にまくりを打ったが)もう一か八かやるしかなかったので。どこまで行けるか仕掛けてダメでもっていうのが良かったのかな。感じも体調も良いので」
 番手まくりを放った新山響平(写真)であったが直線で失速してしまい3着。地元記念のプレッシャーと、連日、番手回りという普段と違った責任感で動きに固さが見られるが、薄氷を踏む思いで決勝への切符を手にした。
 「磯島君が強気に頑張るって。気持ちを出してくれたので、思いっきり前を取りに行きました。清水君の勢いが凄くて、昨日(2日目)のことが頭をよぎって。(磯島が)引いて3番手に入れるかなって思ったんですけど、突っ張り切ったので。危ない感じでしたけどついては行けたので。清水君が3番手に入っていましたけど、近藤(隆司)さんの影が見えたので、待ったら踏み負けると思って踏んだんですけど、磯島君も強くて、体が重い感じがしました。自力で戦うのもきついですけど、(番手を回るときは)責任感が増して、そういうことを感じながらですね。今日は一番デキが悪くて重かったんですけど、前と後ろに助けられているので。あとは優勝を狙うだけです」

11R

選手の写真です。
中野慎詞選手
選手の写真です。
内藤宣彦選手
 スーパールーキーの中野慎詞(写真)は3日間とも正攻法からの組み立てを選択。青板周回から早くも上昇して、プレッシャーをかけてきた山田英明の動きに惑わされることなく、赤板過ぎに車を下げて一旦は7番手に構える。中団まで追い上げた吉田拓矢が打鐘手前で内へと潜り込み奇襲の積極策。慌てて巻き返したように思えた中野であったが、打鐘過ぎ4コーナーの下りを使って一気に加速すると、抵抗する吉田を叩き切って主導権。ゴール前でも失速することなく、最後まで踏み切って30連勝を達成した。
 「今日も連勝を意識せず力を出し切れるようにと。先輩方から作戦とアドバイスをもらって冷静に走れた。緊張は凄くしますけど、スタート台に立ったら冷静に走れている。やっぱりまくりは強い人がいるから自分は前に出て勝負しないとと。押さえられるのは想定内。作戦通りに走れた。風もあるけど、自分が感じるってことは9人全員が感じることなので気にせず。出切るまで全力で躊躇せずにいけた。ゴールは最後までわからないから直線で差されることもあるので。ゴール線を切るまで全力で踏んだ。ワンツーは良かった。決勝で味方が多いのはとても良い事なので。S班の吉田さん相手に逃げて勝てて良かった。ただレースはまだ終わっていないし、決勝もあって共同杯もある。今後に繋がるレースができれば。最低限、決勝に乗れた。北日本から優勝者を出せるように頑張る。ゴールするまでわからないから結果は意識せずに全力でいきたい」
 ベテランの内藤宣彦(写真)は初連係となった中野のスピードに遅れを取ることなく、しぶとく追走。ゴール前で先にハンドルを投げた吉田に踏み勝ち2着をキープ。前検日に目標として掲げていた決勝の舞台にたどり着いた。
 「ホッとしました。敵は超イチなので、今まで通りはいかないから考えても仕方がない。中団でフタされてキメられるとそれで終わってしまうからスタートで前に出て突っ張るか下げるかでした。引いた所でバックも向かい風だからすぐにいってキツかった。吉田君が下がった時点で決まったなと。佐藤(愼太郎)君が絡まれていて申し訳なかったけど。最後は吉田君に抜かれたと思ったが、残ってたんですね。非常に嬉しい。地元記念なのでGI並みに嬉しい。前検日はオーバーワーク気味で疲れがあると思ったが、今日のアップは一番軽かったですね」
 S班の吉田拓矢は勢いある中野と真っ向勝負を選択。叩かれてしまい佐藤慎太郎を捌いて3番手を奪ったが、最後の直線は余力が残っておらず3着まで。フレームと体のマッチングに物足りなさを感じている。
 「中野君が前を取ると。中団でどっちでも対応しようと思って。突っ張っても自分が中団なので。それでも前には出ないといけないと思ったから山田さんが上がった所を狙っていった。全力で踏まずにペースで踏んだが相手が強かった。内藤さんも強くて離れず佐藤さんもついてきて出させると厳しいからいった。感じは悪くないが、もの足りない感じで、出し切れていない。フレームがしっくりきていない。フレームがマッチしていない。いつものやつ(フレーム)ならもう少し余裕がある。フレームと踏み方のリズムがあっていない。昨日(2日目)セッティングを変えていい方向にはいっている。疲れもいつもより変な疲れ。中野君はスキがあると思いどうにかできると思ったが落ち着いていましたね」

12R

選手の写真です。
和田真久留選手
選手の写真です。
郡司浩平選手
 後ろ攻めになった酒井雄多が中団に構えていた菊池岳仁にフタをする形から打鐘で叩いて先行態勢に入ったが、番手の佐藤和也は単騎の嶋田誠也に内から飛び付かれてしまう。打鐘前2コーナーから車を外に持ち出していた菊池が酒井を叩いて主導権。冷静に別線の動きを見極めていた郡司浩平は関東勢に巧くスイッチする流れで3番手を奪う。最終2コーナー手前には早くも車を外に持ち出して前団をのみ込むと、初日特選と同様に郡司をリードしていた和田真久留(写真)がゴール寸前で捕らえて神奈川決着。シリーズ2勝目を手に決勝へと勝ち上がった。
 「浩平がここで行ってくれたらっていう所でいってくれたので。ついていて勉強になりますね。単騎勢もいましたし、横にも動ける選手がいたので自分の位置を守ることを考えて。酒井君が自分の所にきそうな雰囲気だったので余裕を持っては挑めなかったですね。コーナーの入り口で内から来られると浩平を一人にさせてしまうことになったので。でも結果的に(ホーム過ぎに酒井を)先に押し込めたので良かった。自分は前(で動いてくれている自力選手)さまさまな感じで、ついて行っていい着を取らせてもらっているので自分の力ではないですね」
 郡司浩平(写真)は初日特選からオール2着での決勝進出ながら、動きの良さは際立っている。状態面には不安は一切なく、確かな手ごたえと現状の課題を持って決勝に駒を進めた。
 「酒井君もそれなりに踏んでたんですけど、菊池君も外を踏んでいったので見送るよりはついて行ってどうするかって感じで考えました。(単騎の嶋田が前にいて)嫌な形になりそうだったんですけど、酒井くんがフタをしてから叩きに行ったのでチャンスはあるかなって。すんなりまくりに行ければ良かったんですけど1コーナーにかかると思ったので3番手を確保してからって感じで。でも2コーナーでは必ず行こうと思っていたので。連日、差されていますけど体というより自転車なので微調整しながら修正点もありつつ、こうしたいなっていうのもレースを走って気づくので。収穫のある3日間だったと思います。しっかりと責任を持ってタイミングで行けているので、自分の中でも評価できると思っています」
 単騎で挑んだ三谷将太は道中で北日本ラインに切り替えるも最終ホームで最後方に立ち遅れてしまい絶体絶命のピンチ。それでも諦めることなく、持ち前の根性でまくり気味に強襲して窮地を脱した。
 「単騎は得意なので。たぎっているのは俺だけなんで。菊池君が先行するかなって思ったんですけど、あえて自分があそこ(北日本ライン)についていったことで、嶋田君も焦って番手に行ったと思うので。ごちゃつく展開は作れたのかなって。郡司君のハコを狙っていたんですけどダメだったんですけど、やっぱり一人だけ根性が違うんで」