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あおもり競輪

AOMORI KEIRIN

12#

検車場レポート

  • 9/25 Fri.  (前検日)
  • 9/26 Sat.  (1日目)
  • 9/27 Sun.  (2日目)
  • 9/28 Mon.  (3日目)

1R

選手の写真です。
新山将史選手
 嵯峨昇喜郎は地元記念初参戦。今年は落車続きで満足な成績を残せていないが、9月函館では決勝に勝ち上がるなど復調気配はある。
 「函館は感じ良くなかったけど、決勝に乗れたので。準決勝が今年の初勝利だったので、すごくうれしかった。終わってからも練習をやって、やれることはやれたと思う。少し気持ちの余裕も出てきました。今回も先頭で風を切って、一人でも多く上に上げたい」
 昨年大会では弟の響平と決勝戦で兄弟ワンツーを決めた新山将史(写真)だが、今回は6月伊東の落車から3カ月ぶりの実戦となる。
 「右鎖骨骨折で6月いっぱい入院して手術しました。本格的な練習をしたのは1カ月から3週間ぐらい前からですね。復帰戦なのでまずは初日1走、走ってみて。嵯峨とは初連係ですね」

2R

選手の写真です。
工藤政志選手
 前回の9月函館でS級初優勝を飾った工藤政志(写真)はいい流れで初めての地元記念を迎えた。
 「前回はたまたま恵まれました。それしかないですね。この優勝で気持ち良く地元記念で頑張りたいです。いい目標もありますしね。高橋君はいいレースをするんで、頑張って付いていきます」
 高橋晋也は共同通信社杯で1勝を挙げるなど動きは良かった。
 「伊東は調子良くて、自転車との感じも感覚も戻ってきた。気持ち的にも余裕が出てきました。終わってからはナショナルチームに戻って普通に練習。しっかり疲れてますね(笑)。青森は去年の地区プロで走ってるけど、レースでは初めて。7車はレース運びとかが難しいけど、力を出し切れれば大丈夫でしょう」

3R

選手の写真です。
渡部哲男選手
 8月玉野の前に腰痛が出たこともあり、玉野、オールスターは振るわなかった渡部哲男(写真)だが、前回の9月防府は決勝2着と徐々に立て直してきた。
 「いいときに比べるとまだ戻り切ってない感じがある。7車も追い込みにとっては厳しいかなと思いますね。青森はちょっと重めのバンクかなと思う。初日は風も強そうだし、その辺も頭に入れて走りたい。吉田(智哉)君と一緒のレースになるのは初めてですね」
 共同通信社杯で8978着と大きな数字を並べてしまった松坂洋平はここから挽回したいところ。
 「前回は展開と自分の脚もあるけど、調整して行ったのにかみ合わなかったです。体調は悪くないし、問題ないんですけどね。終わってからは疲れが残らない程度に自転車に乗った。同県の勝瀬(卓也)さんと2人で決められるように前々に攻めたい」

4R

選手の写真です。
坂本周作選手
 8月は川崎、立川で連続優出。坂本周作(写真)はいい状態で地元記念を迎えた。
 「去年の青森記念が終わってから気合いを入れ始めて、1年で脚がしっかり付いてきたのかなと思う。去年のここがきっかけになったし、どれだけ成長できてるかですね。共同通信社杯のあとは1日強めに練習して、あとは休んでました。地元はすごい呼んでもらえているので、いいところを見せたい」
 小林泰正は8月オールスターから1カ月以上、間隔が空いた。
 「普通にあっせんが来なかった。追加は来たけど、8月3本目だったし、さすがにオールスター直後だったので。40日空いたので、練習もしっかり、調整もできた。あとはレース勘が鈍ってないといいですね。練習の感じはかなり良くなってきてると思うし、武藤(龍生)さんと2車でも攻めていきたい」

5R

選手の写真です。
金子貴志選手
 南潤は8月大垣と9月松阪でそれぞれ2着を2回ずつ。ただ準決勝が壁になっているのが残念だ。
 「ちょっとずつ良くなればいいかなと。焦らず行こうと思う。予選や負け戦では2着とかもあるけど、勝ち上がり(準決勝)で勝てないのがまだまだ。そこで勝てればいい感じになったなと言えるけど。前回(松阪)も悪くなかったし、良くはなってると思う。練習でタイムが出てないとかはないので、あとは自信を取り戻していければ」
 金子貴志(写真)は前回の8月四日市から中24日と十分な時間があった。
 「追加が来なくて、これだけ空きました。練習はけっこうできたので、休みと練習と、体調はいい方だと思う。レースを走ってないのでわからないですけど。ここは相性がいいし、走りやすいので好きですね。初日は南君に任せます。連係は何回かある」

6R

 前回の9月大宮準決勝でも連係している千葉コンビ。頼もしい後輩を得た成清貴之は調子が上がってきたことも相まって表情は明るい。
 「状態はいいですね。大宮の最終日に自分でやって、前よりはちょこっと(レースに)対応できるようになってる。練習はできたんですけど、直前は雨でローラー、ローラーになってしまった。染谷君はイメージ通りの行きっぷりのいいレースを見せてくれて、守ってあげたくなるような選手ですね」
 染谷幸喜はこれで7車のGIIIは4度目の参戦。過去3度は予選を突破できていないだけに、今度こそは準決勝へ勝ち上がりたい。
 「いい感じの感覚で走れてる。最近の成績は安定してるけど、記念で一度も準決勝に行けてないので、今回は頑張りたいですね。調子自体も悪くはないと思うので。7車は力勝負できるので嫌いじゃないです」

7R

 昨年12月にS級特進を決めた小原佑太は今回が地元記念初参戦。8月立川ではS級初優勝も飾っており、今回も期待できそうだ。
 「ナショナルチームで昨日の午前中まで練習して、午後から移動。疲れはあるけど、そこまでは。それよりちょっと寒すぎて…。(地元記念って)気持ちはすごい強いので、しっかり青森から優勝者を出せるように。(新山)響平さんには練習でもお世話になってるので、連係できるならしっかり頑張りたい。圭尚さんとは(S級初戦の12月)大垣である。そのときはやらかしたので、今回はしっかり頑張りたい」
 菊地圭尚はここ5場所で6勝とタテ脚が戻ってきている。
 「(8月に)ここで変な先行したから、前回(9月静岡)は自力番組を組まれちゃって(苦笑)。小原は脚は問題なくあるから場慣れすれば。落ち着いて行けば大丈夫だし、自分も落ち着けるように。ずっと天気が悪くてコンスタントに(練習が)できてない部分はある。まずはしっかり付いて行ってゴール前勝負したいです」

8R

選手の写真です。
新山響平選手
 ディフェンディングチャンピオンの新山響平(写真)は予選メインの8Rに登場する。
 「前回の伊東(共同通信社杯)はもうちょっと準決で考えて走れば決勝もあったと思う。脚の調子自体はイマイチなんだけど、踏めてるし底上げできてるんだと思う。ナショナルチームで追い込んで来たので疲れはあるけど、青森(記念)は毎年呼んでもらってるので結果を出したい」
 吉本卓仁は初日から新山が相手になってしまった。
 「9割ぐらいそうなるんじゃないかと思ってました。6月佐世保で落車してからは練習中に肉離れをしたり、ギックリ腰になったりと散々だったけど、前回(9月佐世保)からは腰が入り始めた。今回から久留米の全日本選抜(2016年2月)で使ってたフレームに戻すし、青森では5年前にFIを立て続けに優勝して相性もいいです」

9R

選手の写真です。
新田祐大選手
 「7車立ては初めて」と話す新田祐大(写真)だが、シンプルな力勝負なら負けないはず。共同通信社杯でも3連勝で優出するなど、調子も良さそうだ。
 「前回は思ったところで反応もできてたし、スピードも悪くない気がした。決勝もヒデ(山田英明)さんの動きは想定内だったけど、唯一落車だけですね。最近はモヤモヤしてた部分があったけど、それがスッキリした開催だったと思う。目標にしてたことは全部達成できたので、今後につながるなと思ってます」
 松浦悠士も今シリーズの有力な優勝候補の一人だ。
 「共同通信社杯は内容的にはいいレースできたかなとシリーズを通してはありました。(中3日で)だいぶ疲れはあるかなって感じですけど、走れる状態にはあるので。今回も新田さんがいるし、どうやって倒せるんだろうって感じしかしない。でも青森は走りやすいし、着も取れてる。いいイメージはあります」
 古性優作も近況は乗れている。
 「共同通信社杯で寛仁親王牌につながるような感触は得られた。あとは自分がどうするか。あのクラスで走らないとわからないことも多いですしね。まだ近畿の先輩に信頼して付いてもらえるようなレースができてないので。青森は(2年前の)全プロ以来。特にイメージはないです。体調も問題ないし、トレーニングもできました。一戦、一戦頑張るだけです」

1R

選手の写真です。
新山将史選手
 前受けから下げた嵯峨昇喜郎が打鐘過ぎ2センターから一気のカマシ先行。続いた新山将史(写真)が抜け出して節目の200勝を飾った。
 「ありがとうございます。6月(青森)の国際トラックでミスして、色んな先輩選手や師匠(坂本勉)からも甘さは出すなと言われてたので。昇喜郎を2着に残せなかったのは技量不足。これから勉強していきたい。ホームでビリビリしたけど、そこからは余裕があった。風を切ってないので調子はわからないけど、離れてないし、差せてるので悪くない」
 菅原晃のアシストで新山の後ろに入った嶋田誠也が2着に食い込んだ。
 「ペースで踏もうと思ったけど、自分的には駆けるところが遅かった。九州の大先輩を連れて、あの競走は…。入ったからには追い込もうと思ってた。もうワンテンポ早く行けたけど、弱気でした。入れてくれたおかげで乗っただけなので。今日(初日)は弱気だったですね。歯がゆいです」

2R

選手の写真です。
高橋晋也選手
 前受けの高橋晋也(写真)が木村幸希を出させず赤板から突っ張ると、筒井敦史が打鐘前から木村を捨てて内から高橋の番手に切り込む。後位のモツれもあったが、高橋がしっかりと逃げ切った。
 「突っ張るしか勝負できないと思ってた。3車付いてくれてありがたかったし、心強かった。でもラインで決められなかったので…。木村さんだけ意識しすぎて内を見てなかった。そこは反省かなと。脚見せからすごい軽い感じがあって、風もあまり感じなかった。脚の状態は問題ないので、あとは組み立てを修正したい」
 工藤政志から番手を奪った筒井敦史が2着に流れ込んだ。
 「2割ぐらいは突っ張るかなと思ったけど、出させてくれると思ってた。高橋は出させても楽勝だと思ったけどね。重かった…。抜きにいく余裕がなかった。抜きたかったけどね。バンクコンディションもパワー地脚寄り。ほんとにキツいですよ」

3R

 打鐘手前から踏み込んだ吉田智哉が、笠松将太を叩いて逃げる。松坂洋平は中四国勢に切り替えるように4番手まで追い上げる。笠松のまくりを張りながら、最終3コーナー過ぎからまくり気味に追い込んだ松坂が直線で抜け出した。
 「吉田君はカマシが得意なのはわかっていたので、カマされた時にどう対応するかは考えていた。オールスターの時に上がりタイムがすごくて、セッティングをいじって共同通信社杯を走ったんですけどダメだった。それで今回は戻した。車の出は問題ないですね。レースも見えていたし、悪くないと思います」
 同県の吉田が積極策。番手から追い込んだ渡部哲男が2着。
 「(最終)2センターを越えたので、(吉田を)残せるかなと思ったんですけど、しんどそうでしたね。(松坂)洋平が先に切りに来たので、しんどいところでバックの向かい風で(吉田は)キツかったと思う。バンクは重かったですね」

4R

選手の写真です。
小林泰正選手
 地元の坂本周作を先頭に、打鐘で出た北日本の3車が主導権。6番手の小林泰正(写真)は、2センターから反撃に出る。合わせる坂本をロングまくりで早めにとらえた小林が、押し切って1着。
 「鐘のところで緩んでいたけど、紺野(哲也)さんが遅れていて、すかさず行くつもりが、タイミングが狂ってしまった。あそこで叩けていれば、楽にワンツーができたと思う。出ていくところが2テンポ遅くて、力でねじ伏せられたけど、2日目はそうはいかない。最後まで踏み切れたし、前回より調子は良い」
 関東両者でのゴール勝負は、懸命のハンドル投げも武藤龍生はタイヤ差の2着。
 「(仕掛けた小林は)タイミングが悪かったけど、気合が入っていた。気持ちと脚があるから、踏み切った感じでしたね。タイミングが悪くて、苦しいと思い構えると思ったけど、あれで行けるのは強い。自分は差したと思ったけど、小林君が強かった。(前回の)京王閣と感覚が違った。その感覚だと半車身抜く感じが、タイヤ差で抜けていない。修正しないと」

5R

選手の写真です。
金子貴志選手
 打鐘前から先行態勢に入った望月一成をすかさず南潤が叩きに行って両者でモガき合いに。最終2コーナーで南が望月を叩き切ると、続いた金子貴志(写真)が展開有利に抜け出した。
 「南君が早めに仕掛けてくれて良かったです。最後は抜かれちゃったかなと思ったけど。1回後ろを見たときに(林巨人が)外に浮いてたので(からまれてると思ったが)、ラインで決まればと思ってました。今はレースのスピードが上がって、練習しておかないとレースで溜めが作れない。ここまでは間隔が空いたけど、その分しっかり練習はできたんで」
 目の前でからんでいた林巨人と山田幸司の決着がついた4コーナーから踏み込んだ中島将尊が2着に強襲した。
 「2人がやり合うと思ったので、自分は絶好だと思ったけど。ほとんど理想の展開だったけど、林さんと山田さんが併走になってたので外を見たり内を見たりしてた。外を踏む勇気があれば早めに抜け出せたと思うけど…。他の2つのラインは脚を使ってるし、自分は脚を使ってないので伸びるのは当たり前。自分は一発タイプなので、2日目からもチャンスがあれば逃さないようにだけですね」

6R

 後ろ攻めから押さえた染谷幸喜だったが、打鐘で伊藤成紀に叩かれてしまう。打鐘過ぎから仕掛けた鈴木謙二が踏み合いを制して2コーナーで先頭に立つと、そこをすかさずまくった染谷が成清貴之の追撃を振り切った。
 「初手で後ろは嫌だなと思ったけど、後ろなら後ろで考えはあったので。前から遅ければ突っ張るつもりだったし、どこからでも行こうと思っていた。ただバンクが思った以上に重かったですね。ホームで併走になったらどうしようかなと思ったら(鈴木が)行ってくれたので。まだ記念の準決に勝ち上がっていないので明日(2日目)も頑張りたい」
 染谷のまくりを好追した成清貴之だったが逆転はならず。
 「自分がスタートを取りたかったが鈴木(謙二)に負けてしまって。理想は中団でしたけどね。染谷が勇気を持って仕掛けてくれた。風が強かったが染谷は練習量が違うのでこのくらいは問題ない。最後は染谷のスピードに押し込まれた感じ。あいつに1着を取られたなら仕方ないですね。直前の3日間はローラーだけで地面に乗っていないがマシだと思う」

7R

選手の写真です。
菊地圭尚選手
 後ろ攻めの日野博幸が赤板過ぎに切ると、挟まれて動けなかった小原佑太は5番手になってしまう。中団の長尾拳太が波を作ってけん制するが、小原は打鐘過ぎ2センターから一気にスパート。続いた菊地圭尚(写真)がゴール前で逆転した。
 「(初手は)中団から。後ろから来たときに突っ張って出て、そこからだったけど、勝負どころで小原君がひるんじゃった。そのあとも何回か(仕掛ける)タイミングはあったけど、そこは本人も反省してるみたいだしいいんじゃないですか。バンクが重くて、ホームも向かい風だから小原君も出るのに時間がかかったけど、今日(初日)のコンディションなら強いんじゃないかな。僕の調子は全然(大丈夫)。最後まで踏み込めて、周りも見えてた。2日目以降も頑張りたい」
 カマした小原佑太もしっかりと2着に粘り込んだ。
 「中団、中団に立ち回ろうと思ったけど、赤板のところでビビッて行けなかった。でも出切ってからは自分のペースで踏んで。後ろの圭尚さんを信頼して、しっかりゴール勝負できたので良かった。(初の地元記念で)すごい緊張してるけど、その緊張感のなかで走れてる。2日目も3着以内に入って準決勝に行けるようにですね」

8R

選手の写真です。
新山響平選手
 前受けから下げた新山響平(写真)は1センターまくり。合わせて中団から出てくる吉本卓仁を物ともせず、内藤宣彦と2人で後続をぶっ千切った。
 「前で畝木(努)君が自分とやり合う形を作ってたので、早めに行っても良かったけど置きに行った感じ。あまり予選で緊張することはないけど、今日(初日)は異様に緊張した。オッズもいつもは見ないのに今日は見てしまって余計にガチガチでしたね。でも出は悪くなかったし、余裕を持って振られても避けられる余裕はあった。緊張してたわりには周りが見えてたかな。明日(2日目)は緊張しないと思います。明日も気を抜かずにしっかり踏んで1着取りにいきます」
 2着の内藤宣彦は自虐的なコメントで新山の強さを称えた。
 「前が強い。いや~キツかった。緊張しました。でも、おそらく響平のほうが緊張してたかも。いつもならホームで行ってるけど、堅くいった気がします。体感的には10秒中盤ぐらい。ナショナルだなって感じのまくりでした。ゴール前は踏んでも見苦しいだけなので(苦笑)。あの感じだと突っ張ってもらわないと(差すのは)無理かもしれない」

9R

選手の写真です。
佐藤慎太郎選手
 単騎の松浦悠士が切り替えなかったことで、前受けから下げた新田祐大は4番手。先行態勢に入った山崎賢人を打鐘過ぎ2センターから一気にカマし切ると、続いた佐藤慎太郎(写真)がゴール寸前でとらえた。
 「新田が思い切って行ってくれましたね。いつも行ってくれるけど、そこに僕が付いて行けるかどうかなんで、付いて行けて良かった。新田は(ラインが)3車いるっていうことで、ああいうレースをしてくれたと思う。気持ちに応えるためにも、しっかり付いて行かないといけないなと思った。付いて行けただけでホッとしたけど、(差せて)自信になりました」
 2着の新田祐大だが敗れて強しのレース内容。打鐘過ぎからのカマシでレースを支配した。
 「スタートを取って、あとは道中で流れを読みながら自分の力を出すところで出した感じ。古性(優作)や松浦(悠士)の2人はヨコもできるので、どういう動きをするか見ていた。先頭に出るまでは思った以上に緊張したけど、自分の思っていた反応を体がしてくれた。あとは持久力だけ。2日目も北日本で上位独占できるように」
 5着の松浦悠士はレースを終えると、すぐさまフレーム交換に取り掛かった。
 「新田さんに付いて行ってまくり勝負を考えてたけどダメでした。新車があまりにも重たかった。あんなに空くとは思わなかった。踏んでも進まない感じだし、いつも使ってるフレームに戻します」

1R

 前受けから下げた高橋晋也は最終ホーム手前からカマしてライン3車で出切る。4番手以降は大きく空いた車間を詰められず。番手の新山将史が抜け出して、連勝で準決勝進出を決めた。
 「展開と前に恵まれて連日、助かってます。(後ろが離れているのは)気づいてました。あとはどこで踏もうかと思ったけど、踏み直しがすごくて4コーナーで焦りました。(連勝は)たまたまっすね。最近は後ろに付くことが多いけど、みんな頑張ってくれて、マジで恵まれてるって感じ。明日(準決勝)が勝負なんで、明日こそ甘さを出さずに。体は違和感もなく、大丈夫です」
 高橋晋也は豪快な仕掛けでラインを上位独占に導いた。
 「脚の感覚は良かったので、もうちょっと遅かったら突っ張っても良かったけど引いて。ジャンで前がゴチャゴチャしてたので、落ち着いてから行こうと思った。落ち着いて行けたと思う。出るまでは踏んで出切ってから回して、最後に踏み直す。1着いけるかと思ったけど、差されちゃったっすね。(ラインで決まったのは)すごく良かったと思う。(状態も)だいぶいいかなと自分では思います」

2R

選手の写真です。
内藤宣彦選手
 打鐘から日野博幸と小林泰正で踏み合いに。強引に叩いた小林の番手に日野が収まるが、5番手に下げた嵯峨昇喜郎が2コーナーまくり。続いた内藤宣彦(写真)がゴール前でとらえた。
 「(最終ホームで嵯峨が江連和洋とからんで)何やってんだと思った。早く引けよって。ムダ脚使って行けるのかと思ったけど、行ってくれましたね。思いのほか日野が抵抗したのでジャンのところはビックリしました。逆にいいぞ、いいぞと思いましたけどね。昨日(初日に新山響平の)10秒9に付けてたので、2走目からは脚が楽になるかなと思ってました。踏んでる感じはすごく良かったです」
 まくった嵯峨昇喜郎が2着に粘った。
 「(江連とからんだ最終ホームは)ちょっと失敗でしたね。江連さんがいっぱいなのかわからなくて。ヨコもできないのですぐ下がったけど、脚使っちゃいましたね。前の2人がジャンのところでやり合ってくれてたので、何とかまくれました。脚的には負けてるので、あの展開で良かったです。風が昨日(初日)よりなかったので、その点は走りやすかった」

3R

選手の写真です。
松坂洋平選手
 鈴木謙二を押さえた南潤が先頭に立ちペースを握るが、6番手の松坂洋平(写真)が最終ホームから踏み上げる。松坂がスピードの違いで逃げる南をとらえて、成清貴之の追走。南関両者の直線勝負は、松坂が振り切った。
 「6番(鈴木)を出させるか迷ったんですけどね。遅めだったのでそのまま踏んでくれると思ったんですけど。(自分は)位置は悪かった。でも、位置が悪かった分、仕掛けられた感じ。南君も初日の着で(ペースを上げるのが)遅めだったのかなと思うし、そこを逃さずに仕掛けられた。思った以上に自転車は出たし、今回は動けていると思う」
 半車輪及ばすの成清貴之は、初日に続いての2着でポイントを加算した。
 「疲れましたね。(車間を)空けてるか空いてたのか、わからないですけど。(松坂を)抜けてないので離れていたのかな。(松坂)洋平の動きに対応することを考えていたし、ダッシュが良かった。すごい強くなっていますね。連れていってもらった感じです」

4R

選手の写真です。
坂本周作選手
 3番手の好位をキープした古性優作だったが、畝木努のペースを見極めて打鐘の4コーナーでカマす。古性が主導権を奪取する。中近ラインに続いて3番手で脚を溜めた地元の坂本周作(写真)は、最終4コーナーから踏み込んで突き抜けた。
 「(準決勝に)勝ち上がるには1着しかなかったので、良かったです。初手の位置取りから作戦通りでした。行こうと思ったところで古性さんが仕掛けたので、素早く反応することができた。ゴール後の拍手がうれしかったですね。初日よりも体の感じが良かった。ローラーの感じも良かった。記念の準決は初めてです」
 古性とのタッグから差し脚を伸ばした金子貴志が2着で、逃げた古性は3着。
 「古性君は勝ち上がりで、良い仕掛けでしたね。古性君のペースで落ち着いていた。坂本君は古性君が掛かっていたから、仕掛けづらかったのかも。(最終)3コーナーぐらいで来てくれれば面白かった」

5R

選手の写真です。
山崎賢人選手
 逃げる望月一成に対して、山崎賢人(写真)は最終ホーム、5番手からまくり返す。3コーナーで望月を飲み込むと、続いた筒井敦史とワンツーを決めた。
 「(望月が)強かったですね。でも大丈夫でした。ジャンがけっこう緩んでたので、あそこで行けないのはちょっと課題ですね。あそこで行けたら3人で決まったと思うので申し訳ないです。自分の感じは問題ないんで、準決勝もしっかり戦えると思う」
 マークした筒井敦史は開口一番「疲れました…」とポツリ。山崎のスピードに終始、圧倒されたレースだった。
 「望月が強かった。前半はスピードが出てたし、(山崎は)これを行くんだって思った。やっぱ違うな、脚が。あれだけ出力を出して余裕があるんだから抜ける気が1ミリもせんかった。レース後も賢人はすましてるから、どっちが先行したんだって感じで恥ずかしい」

6R

 前受けの新山響平が5番手まで車を下げると、嶋田誠也は打鐘過ぎからペースアップ。新山はこれを2コーナーからまくり上げると、スピードの違いで一気に前団を飲み込んだ。
 「仕掛けようと思ったときに前が踏んでゴチャついたので、様子を見て落ち着いて仕掛けた。ただバックを踏んだので後ろに迷惑をかけた。脚はしっかり綺麗に回せたと思う。守澤(太志)さんは絶対差しにくるし脚を残して踏み直した。昨日(初日)より緊張しなかったが、今日(2日目)のほうがメンバーはキツかったので集中して。1回バックを踏んだからかまくりの切れはなかった。しっかり勝ち上がれるように準決も頑張ります」
 守澤太志が新山にしっかりと続いて人気に応えた。
 「(新山が)バックを踏んだのがキツかった。新山にハメられました。よく付いていったと思う。集中していたが新山は強かったですね。調子は悪くないし余裕もある。自分は与えられた位置で頑張るだけですね」

7R

選手の写真です。
佐藤慎太郎選手
 正攻法の小原佑太は赤板過ぎから木村幸希を突っ張るが、木村も簡単には下がらず両者で踏み合いに。打鐘過ぎ2センターで小原が踏み勝ったが、そこを大洞翔平にカマされてしまう。バックで中部コンビにスイッチした佐藤慎太郎(写真)は大洞後位から早めに出た吉村和之を直線鋭く差し切った。
 「(小原は)距離が長かったね。木村君はすぐにやめると思ったけどやめなかった。それで思ったより踏み合いが長引いてって感じでしたね。ペースに入れてるところに6番(大洞)のカマシ。あれは行かれちゃいますよね。あそこで(小原を3番手に)迎え入れてやれるぐらいの余裕があればいいけど、お客さんのことを考えると1着取らないといけないので。あんだけ頑張ってくれたら1着に届かないと申し訳ないので良かった。昨日(初日)は緊張感があっていいレースができた。今日(2日目)は勝たなきゃいけないレースで勝てて良かったです」
 佐藤に続いた紺野哲也が2着に流れ込んだ。
 「佐藤君は内に挟まれていたから仕事をしづらかったのかも。ホームで大洞君がいって佐藤君がどこで、スイッチするか、小原君を迎え入れてもう1回なのか考えて走っていた。小原君がいいレースをしてくれて、いい着を取れた」

8R

選手の写真です。
渡部哲男選手
 打鐘過ぎに叩いた染谷幸喜の番手で笠松将太が粘ると、短くなった隊列を逃さずホーム手前から松浦悠士が仕掛ける。ピタリと続いた渡部哲男(写真)がゴール寸前で逆転した。
 「松浦君のおかげです。タイミングを逃すことはないですね。ゴチャゴチャしてたんで、(松浦は)どっからでも行けたと思うけど、自分の射程距離で行ったんだと思う。久しぶりにいい展開に恵まれた。松浦君は踏み直すので抜けなくても差し込みには行きたいなと思ってたら結果抜けたって感じです。レースと体のリズムがかみ合ってなかったので、結果として表れると自信につながりますね。強い人を差せたのは自信になる」
 2着になった松浦悠士だが、構えることなく早めの仕掛けに出た。
 「(染谷を)脚使わせてから出させて、笠松君が引いてくるところを叩こうと思ったけど粘っちゃったんで、緩んでないけど無理やり行った感じですね。バック取るようにっていうのと、なるべく先行したいなと思ってたので。あそこから行って押し切れないようじゃっていうのはある。かかりがイマイチだったので、もう少し前半のスピードを上げとけば良かった。思い切りハンドル投げたけど、押し切れなかったのは申し訳ない。でもワンツーなんで、ひとまず良かったです」

9R

選手の写真です。
新田祐大選手
 前受けから5番手に下げた新田祐大(写真)は最終ホームから一気のカマシ先行。マークした菊地圭尚の逆転を許さず、力強く押し切った。
 「(最終ホームは)自分のタイミングもあるけど、今日(2日目)も積極的に仕掛けたいって気持ちでいたので。他のラインが自分をけん制してたのと、なるべく短い距離でダッシュ勝負したかったんだろうけど、無理くり力勝負と思って行きました。(状態は)問題ない感じではある。連日、レースできてると思います」
 マークした菊地圭尚は新田の強さに舌を巻いた。
 「タイミング的には作戦でもああいう感じで行くと言ってた。(新田は)行くんだろうなって雰囲気で見てました。新田が後ろを見て気をつかってくれたので良かったです。かかり切ってたし、付け切って安心したのもあるけど、ちょっと強すぎますね。最近はダッシュ練習を多めにしてたので決まったのかなと思う。(自分の状態というより)目標が日に日に良くなってるので(笑)。明日(準決勝)も良くなるように願って頑張りたい」

7R

選手の写真です。
松浦悠士選手
選手の写真です。
園田匠選手
 中団から合わせて出た嵯峨昇喜郎は染谷幸喜を出させて3番手に。6番手になった松浦悠士(写真)だったが、打鐘過ぎ4コーナーから巻き返すと坂本周作を締め込みながら1センターから再度踏み込む。成清貴之のブロックをかいくぐると、決勝進出一番乗りを決めた。
 「(染谷が)フタするかなと思ったら(嵯峨が)合わせて出たんでやる気だなと。そしたら引いて来たんでアレ?っと思った。早めでも駆けるだろうと読んでたんですけどね。想定外だったけどホームぐらいからは行こうと思ってたので。粘りはいいけど、あおりも食らって踏み出しは良くない。もっとガツンと入ってくれればって感じはある。自転車の感じはいいけど、体の感じが良くなくて今日(3日目)も昨日(2日目)より良かったって程度で。伊東(共同通信社杯)に比べると7割ですね。重たい原因が気になるところがあるので、修正してどうなるか。レースは冷静に見られたので良かった」
 松浦の早い巻き返しに口が空いた園田匠(写真)だったが、バックで付け直すと2着に流れ込んだ。
 「さすがでしたね。(松浦は)タイミングもなく行ったんで。(口が空いたが)後半は自信がありました。自転車が伸びるんで、あとは付いて行くだけ。悪くはないと思う。松浦が強かったですね。その強さを肌で感じられたんで良かった。GII(共同通信社杯)決勝のあとで記念の決勝は外せないんで。今年初の記念決勝に乗れて良かったです」

8R

選手の写真です。
新山響平選手
選手の写真です。
佐藤慎太郎選手
 古性優作の上昇に合わせて新山響平(写真)が赤板過ぎに誘導員を下ろすと、古性は新山の番手勝負に出る。打鐘過ぎ4コーナーの新山の駆け出しに合わせて古性が佐藤慎太郎をキメに行くが、佐藤が番手を死守。3番手の菊地圭尚まで続くと、新山の押し切りで北日本ワンツースリーが決まった。
 「切らせるつもりで踏んだんですけど、ああいう形になってしまったので落ち着いて駆けようと思った。小林(泰正)君が飛んできても対処して落ち着いて行こうと。今日(3日目)は展開も良かったですし、昨日(2日目)、一昨日(初日)も落ち着いてまくれてる。調子は悪くないんで、(決勝も)狙っていこうと思う。連覇は狙います。2着権利なのに(菊地)圭尚さんや内藤(宣彦)さんに気をつかってもらって、3番手、4番手を回ってもらってありがたいですし、他の試合(レース)で返していきたい。今回は結果で恩返しをして、次からは言うことを聞きます(笑)」
 佐藤慎太郎(写真)は古性との競りをしのいで新山に続いた。
 「何とかしのげました。久々に気合いが入りましたね。古性もヨコ強い選手ですから、どうあれ俺のとこか、圭尚のとこ(に攻め込んでくる)だろうと思ってた。しのげて良かったです。古性は強気。うまいですね。自力選手の動きじゃないですもん。(古性に締め込まれたときに)新山も全開だったから口が空いて追いかけるのに脚をロスしてる。後ろも確認できてなかったので、変に抜きに行って中を割られてもと思ってました」

9R

選手の写真です。
新田祐大選手
選手の写真です。
高橋晋也選手
 前受けの高橋晋也は山崎賢人の上昇を許さず赤板過ぎから先行態勢に入り、打鐘過ぎ2センターから山崎がカマして来るのに合わせてペースを上げる。合わされた山崎は2センターから徐々に後退。逃げた高橋の末も良く、番手の新田祐大(写真)が余裕を持って抜け出し福島ワンツーを決めた。
 「(高橋が)積極的に行くって気持ちを言ってたので、(パターンを)全通り話してチョイスしてもらった感じ。それを当てはめて、あとは実行するだけ。緊張したと思うけど、すごく気持ちを入れやすかったと思う。今日(準決勝)はすごく良かったと思う。僕も(前半2日間は)積極的に行きたい、それを成績につなげたことを後輩が見てていつも以上に気持ちの入ったレースをしてくれたんじゃないかと思う。決勝も(高橋に)任せて。誰か優勝者が出ればと思う。頑張ります」
 2周先行の高橋晋也(写真)だったが、今シリーズの調子の良さを物語る末の粘りを見せた。
 「前を取って遅ければ突っ張って、早めに来たら引いて自分のタイミングでだった。どこも抜かないで、ジャン過ぎぐらいからは全開です。1コーナーで突っ張り切れるなと思ったし、あとは後ろを信じて。落ち着いてしっかり踏めました。脚的にも調子は上がってきてるし、レース内容も修正しながらいい感じで上がってきてる」
 3着の守澤太志は予選のポイントで7Rの成清貴之、8Rの菊地圭尚を上回り、決勝戦最後の切符を手に入れた。
 「基本的に新田しか見てなかったので、どうするかだけ見てました。3着でもいいのは分かってたので、あそこまで行ったらしっかり3人で上がれるようにと思って(踏むのを)ギリギリまで待った。(伸びたように見えるが)僕が3番手で一番楽してるんで。踏んだ感じは3着だけど悪くない。3日間、一人も差せてないけど感じは悪くない」