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あおもり競輪

AOMORI KEIRIN

12#

検車場レポート

  • 9/22 Fri.  (前検日)
  • 9/23 Sat.  (1日目)
  • 9/24 Sun.  (2日目)
  • 9/25 Mon.  (3日目)

1R

選手の写真です。
竹内翼選手

 竹内翼(写真)は前回の防府FIを339着。3月の京王閣FI以来、久しぶりの優出を遂げたが、トーンはなかなか上がらない。


 「(前回は)レース内容が良くないですね。内容が良くて決勝に行けたら、決勝も自信をもっていけるんですけど…。(一次予選はラインが)3車なんで先行を基本に、しっかり前に出て駆けられるようにやらないと力もつかない。中国地区は周りに強い人たちがいるから、負けたくない気持ちもある。今回はカーボンの自転車で初めてトレーニングをしたんで、そこがうまくかみ合ってくれればいい」


 ムラなところがある竹内だが、そのポテンシャルは番手を回る藤田昌宏も認めている。


 「(竹内との)連係は初めてですけど、同じ開催はある。強いのにまだちょっと脆いところがある。能力はあるんで、力を出してくれれば。自分はずっと変わらずですね。落車とかしてないし、それがいいんだと思います」


 

2R

 近況は白星から遠ざかっている矢野昌彦だが、前回の千葉FI289着から変わり身が期待できそうだ。


 「調子がいい時の状態には戻り切ってない。それでも改善点が見つかって、発見できたところがある。ただ、気づいたのが直前だった。シューズのセッティングを直して、体の使い方も直した。そこがうまく改善できていれば、コロッと変わるかもしれない」


 今期102点まで競走得点を上げた須永優太は、例によってマイペースで自転車を組み立てる。


 「(競走得点は)自分ではこんなもんかなっていうのもあるけど、まだ頑張って上げたいっていう気持ちもある。いまは自力でも(人の)後ろでもどっちでも大丈夫ですよ」


 

3R

 7月地元の大宮FIでの落車から成績が安定しない金子哲大は、前々回の向日町記念で2勝をマークしたものの前回の防府FIを955着。


 「(落車の影響は)もうないと思うんですけど…。もうちょっと調子が戻ってくれれば…。なんなんですかね、スピードが上がり切らないというか。一定のペースでも、最後が上がり切らないですね。練習ではそんなことないんですけど、実戦だといまひとつです」


 近況復調ムードの紫原政文は、今期の競走得点が104点台。久々にS級1班を狙えるところまできていて、モチベーションも高い。


 「久しぶりの記念だし、今回は勝負だと思っている。一時期から比べたら余裕が出てきた。いままで気持ちの部分で焦ってしまっていた。来年はもう50歳ですから、それでS1に戻ってこられるようにと。そのモチベーションでやっている」


 

4R

選手の写真です。
日当泰之選手

 初めての地元記念を迎える日当泰之(写真)は、入れ込むことなく平常心を心掛け初日の一次予選に臨む。


 「いつも通りの練習で来ました。あんまり(地元を)深く考えないようにですね。いままでもそうですけど、気負っていいことはない。ラインの3人で決められるように。(積極的なレースをしているが)いつもダメ元で(仕掛けて)行っている。フワフワした感じなんですよ」


 8月から調子を落としていた北村信明は、前回の千葉FIを293着。初日予選のまくりに好感触を得た。


 「前回の初日が良かった。いいころに戻ってきた感じがある。それに今回は前回よりもいい。(8月の)名古屋からずっとおかしかった。今回は練習もみっちりやっているんで」


 

5R

 「暑くなきゃ大丈夫です」と、加賀山淳は青森の涼しい風を感じながら目を細める。


 「前回の平塚も悪かったわけじゃないんですよ。いまはもう千葉でもそんなに暑くないし、ここ(青森)はなおさらいいですね。(前回の平塚から)空いてるし、(体調は)大丈夫です」


 今期S級にカムバックした小野俊之が、A級を振り返り静かに闘志を燃やす。


 「(A級の)中盤からイメージが良くなかった。レインボー(出場)が大丈夫って聞いて、そこからはS級に向けてやっていた。そしたらフレームを換えたりして、(成績が)下がってしまった。それでS級に上がってからもかみ合わないまま。ただ、前回、自分のなかで(いい)感覚があった」


 

6R

選手の写真です。
小橋秀幸選手

 小橋秀幸(写真)は、前回の弥彦FIから中2週間以上空いたゆとりのローテ。地元記念に向けてみっちり練習を積んだ。


 「久々に空いたんで、ほとんど休みなしで練習をやってきた。上積みがあるんじゃないですか。疲れに関してはなんとも言えないけど、(練習を)やってきたんで、自信にはなっている。それがないと選択ミスとかしますからね」


 前回の共同通信社杯はシリーズすべて番手回りだった吉本卓仁は、本来の自力戦で九州3車の先頭を務める。


 「(番手で)いろいろ勉強することもあった。4日間、人の後ろだった。そこからはしっかり練習してきた。それに前回からは中2日だけど、その前にしっかりやってたんで大丈夫だと思います」


 

7R

 近況はFI戦が続いている箱田優樹は、久々の記念が地元戦。一時期の不振から抜け出していて、一次予選は抜かりなく勝ち上がりたい。


 「(記念は)久しぶりですけど、変わらずですよ。(前は)すごい調子が悪かったんですけど、もう練習では感じが悪いことはない。あとは力を出し切れればと思っています」


 岐阜688着、防府446着とここ2場所のFIシリーズで一息の山下一輝の状態はどうか。


 「岐阜は体調不良でした。その次は地元戦だったんで1着が欲しかったけど、しっかり動けたと思います。そこからは結構空いていたんで、ゆっくりやりたいことがやれた」

8R

選手の写真です。
久米康平選手

 近況、順調に勝ち星を積み重ねている久米康平(写真)は、自然体でレースに臨めていることが好結果につながっているようだ。


 「言葉で説明するのが難しいんですけど。いい感じでレースができているというか、いい感じで敢闘門をくぐれている。スッと(気持ちが)入れているような感じですね。発走前はなにも考えずに、集中ができていると思います。考えることなく、詰まったところで仕掛けられている」


 「自分で」とメンバーを見て腹を固めた若松孝之。S級返り咲きの今期最初の記念に気持ちを入れる。


 「目標がいないことも多いんで、今回も初日は先頭かなって思っていた。それに土岐(幹多)さんにも任せてもらった。最低でも位置を取って、そこからは臨機応変に」

9R

 前々回の向日町記念は一息だった川口聖二だが、続く豊橋FIでは未勝利ながら初日、準決を2着で優出した。


 「向日町は体かなと思っています。無理やり仕掛けて行ったのもあったけど、しっかり仕掛けてもずっと踏んでいるような感じがあった。それよりも豊橋は徐々に良くなっているかと。今回で(さらに)調子が戻ってきてくれたらいいんですけど」


 鎖骨、ろっ骨の骨折で長期の戦線離脱を余儀なくされていた川口満宏は、復帰後3場所を消化したがなかなか調子が戻ってこない。


 「全然ダメですね。自分のなかではちゃんと練習をして悪くないはずなんだけど、全然(結果が)ついてこない。最初、立ちこぎする時は違和感があったのも、いまは練習でだいぶなくなっている。怪我して気持ちが萎えていることもないんで、そろそろ結果が出ないと萎えてきちゃいますね」


 

10R

選手の写真です。
新山響平選手

 新山響平(写真)は前回の共同通信社杯8259着を振り返り、中2日の過酷なローテにもリラックスムード。


 「(前回は)脚は悪い感じじゃなかった。レースをつくるのが下手だった。組み立てをしっかりやって、力を出し切れるようにしたい。(武雄から)帰って1日半くらい練習をやりました。順延になってあんまり空いてなかったけど、結構普通に練習しました。自分はあんまり調整をしない方がいいんで」


 初日特選は迷うことなく新山の番手だが、自力での戦いに課題をあげながら山崎芳仁はこう言う。


 「(自力の時は)位置を取ろうと必死にやっています。取り切ってから脚の余裕もある。不慣れなところはあるけど、勉強ですね。それをやっていかないと、(後方から)その上を行ける自信がない。昔だったらそれで(ラインで)ワンツーだったからよかったんですけど」


 園田匠は共同通信社杯の3日目に落車。最終日を待たずに欠場を余儀なくされた。


 「(落車で)フレームがダメになった。でも、それは日韓競輪用に持っていったフレームなんで、全然問題はない。調子がわからないところもあるし、(初日は)ひとりでやった方が迷惑を掛けないでいい」


 

11R

選手の写真です。
坂本貴史選手

 初日から深谷知広とぶつかる坂本貴史(写真)が、地元記念にも“いつも通り”を強調する。


 「敵がすごい強んで、自分は地元記念だからと言ってもいつも通りですよ。(前回は)成績が悪かったけど、レースのなかでは動けていた。あとは結果がついてくるのを待つしかない。僕のレースをして負けたら仕方ないですね」


 坂本とタッグを組む守澤太志は、前回の共同通信社杯を優出も決勝は失格の憂き目。


 「(決勝は)迷惑を掛けてしまったし、反省しかないです。それからは福岡に2日間いたんで、まったくなにもしてない。(坂本)貴史となんで、貴史を信頼してあとは自分のやれることをしっかりやりたい」


 深谷知広はしり上がりの前回をこう振り返る。


 「(共同通信社杯の)前半は良くなかったけど、後半の2日間は良かった。ナショナルチームのトレーニングを取り入れてやっている。間違いなく練習量は増えているし、これで弱くなるということはないと思う」


 椎木尾拓哉は前回の共同通信社杯で初日7着と崩れたが、その後は131着とまとめた。


 「初日はいいレースができなかった。まだまだですね。自分で思っているより(2場所前の)落車の影響があったかなと。そこを修正していきたい」


 

12R

選手の写真です。
成田和也選手

 共同通信社杯1113着の新田祐大は、中2日でもナショナルチームのトレーニングを欠かしていない。それだけに疲労の蓄積が心配される。


 「(トレーニングをして)疲れを溜めてきた感じです。普通にトレーニングをしてきたんで、全然(休めた)感じがない。あとは頑張れるところまで、頑張るしかない」


 成田和也(写真)は、共同通信社杯の二次予選Aで新田の8番手まくりに離れているだけに気合を入れ直す。


 「前回のことがありますからね、そのぶんも頑張らないと。自分の感じもなんかイマイチ良くないんですけど、なんとかするしかない。夏の疲れですかね…。涼しい青森は最高です」


 和田真久留は前回の共同通信社杯で4着が3回。一度も3着以内のない成績には苦笑い。


 「4日間、確定板を外したのはあんまり記憶にない。そこからは体を整える程度ですね。前回は最終日に集中力が切れていた感じもあるんで、しっかり4日間集中力をもって走りたい」


 

1R

選手の写真です。
藤田昌宏選手

 中団の亀井久幸が先に切った上を、竹内翼が押さえて中四国ラインが主導権を握る。7番手の上原龍を警戒しながら赤板の2コーナーで先頭に立った竹内は、冷静にペースで駆けて別線を完封。亀井のまくりを止めた藤田昌宏(写真)が、番手からきっちり追い込んで1着。


 「(竹内は)ペースですよね、(最終)1センターから踏み込んだし、自分も追走しやすかった。ジャン過ぎくらいから上原君が来たらブロックしようと思ってたけど、竹内君がいい気を出してました。先行屋が先行をして、番手が止めて、3番手が締める。競輪としては完ぺき。それで3人で決まったんで、なによりです」


 「展開が向いた」との竹内翼は、力を出し切る先行策でラインを上位独占に導き汗をぬぐう。


 「上原さんが7番手で、それがすべてです。(亀井が)1回切ってくれたのもよかった。あとは上原さんのカマシに気をつけていた。あそこから駆けたんで、本当はもっと粘らないといけない。思いのほか、直線が長かった。カーボンの自転車でスピードを上げる練習をやってきたのも良かったし、練習方法としては間違ってないと思う」

2R

 丹波孝佑が主導権を握って、中団が須永優太と矢野昌彦でもつれる。番手の松尾透は須永のまくりを張りながら、最終3コーナーからまくり気味に踏んで勝ち切った。


 「丹波君がいいところで駆けてくれましたね。バックで2番(須永)が来たのはわかりました。(逃げる丹波が)あのスピードだと矢野さんや2番に行かれてしまうので、踏ませてもらいました。余裕はあったし、タテも出ているので状態はだいぶ良くなっています」


 中団争いを制した須永優太が、松尾に合わされながらもまくりで2着。


 「(位置の取り合いで)外に浮くような展開にだけはしたくなかったけど、組み立てが甘かったですね。前(丹波)も出させる気はなかったんでしょうね。行けるところがなかったです。最後、外を踏めたのはたまたまです」

3R

選手の写真です。
金子哲大選手

 赤板の1コーナーでじわりと押さえて出た金子哲大が、先行態勢を取って後続は一本棒。打鐘の2センターからスイッチを入れて、金子はペースを上げて逃げる。番手で願ってもない展開になった石川裕二が、余裕をもって追い込んで今期初勝利を挙げた。


 「自分はなにもしてない。前と後ろのおかげです。金子がきっちり駆けてくれて、誰も来なかった。(1着は)すげぇ、久々。1着が取れたんで良かったけど、今年はまだ2、3勝しかしてないですよ」


 レースをつくって関東での上位独占をメイクした金子哲大(写真)だが、直線半ばで失速し3着がいっぱい。


 「展開は良かったと思うけど、自分に余裕がなかった。駆けないで、駆けないでってやって(別線に)来られるよりも、2センターくらいからケツを上げてペースに入れた方がと。練習では(500バンクの)大宮でも踏み直せているんですけど、最後はいっぱいでした。やっぱり練習とは違いますね」


 

4R

 赤板前から動いた北村信明が誘導後位に収まると、日当泰之は中団外併走から打鐘を合図にスパートして先頭に立つ。松山桂輔は北村と中団外併走からまくって行ったが、車は進まず。番手絶好の鹿内翔がゴール前で日当をとらえた。


 「日当君は絶対に行くと思っていたので、そこは焦りはなかった。(日当は)中団併走を誘って、うまく駆けてくれましたね。(地元記念の)緊張で頭がいっぱいだったけど、ここは何度も練習で走っているので踏む場所はわかっていた。初の地元記念、初1着。これで少し気楽になるかな」


 2着の日当泰之だが、冷静にレースの流れをつくった。


 「重くて最後はいっぱいでした。ペースで踏んで鹿内さんに残してもらった感じ。久々に長い距離を踏んでキツかったけど、アタリは付きました」


 北村信明は中団の内でかぶる苦しい展開だったが、最後はこん身のハンドル投げで3着に食い込んだ。


 「(打鐘の)2センターで来るならハコ勝負のつもりだったが、早めに来たので出させて中団と思ったら松山(桂輔)さんが来ていて…。(最終)バックでは仕掛けられたけど、松山さんが邪魔だった。脚は余裕があったのに、後ろには迷惑をかけてしまった」


 

5R

 後ろ攻めの野口大誠が打鐘前から押さえて先制するが、すかさず加賀山淳も巻き返して両者で激しい踏み合いに。戦局を冷静に見ていた藤田勝也は最終2コーナーまくり。前団を一気にとらえると、番手の神田紘輔がゴール寸前で差し切りを決めた。


 「展開がある程度向いてくれましたね。最後なかなか(藤田が)タレてこなくて抜くのに時間がかかったけど、感じは悪くないですね。なによりラインで決めることができて良かったです。しっかり差せていたし余裕もありました」


 踏み合いをまくった藤田勝也が2着。落車からの復帰戦を冷静に自己分析する。


 「野口がフタをして加賀山さんを意識していたのでこれは行くなと思ったので出させました。ただ、思った以上に野口が強かったし、内に差して外に持ち出すのが遅かったです。少し判断が遅かったです。落車明けの一戦で重かったし、最後もタレているので落車の影響があるのかも」


 

6R

選手の写真です。
上田隼選手

 吉本卓仁を押さえ込んで橋本智昭が主導権。吉本が中団に下げると、追い上げた上田隼(写真)が最終ホームで新井秀明をキメながらインを進出して3番手を奪取する。逃げる橋本の後ろで車間を切った小橋秀幸が一瞬、空けたインを上田が突いてコースをこじ開け勝ち星をもぎ取った。


 「とにかく強気でと。あとは外から自力含みでと思っていました。やることをやれているし、その時の判断、判断ができている。(小橋が)そのまま踏んでくれれば良かったけど、踏まなかったんでああなりました。記念で(持ち味が)出たのはいいアピールになる」


 最終4コーナーで上田に当たられた小橋秀幸は、態勢を崩しながらも懸命に追い込み2着。


 「吉本君が来ているけど、伸びてないなと思った。もうひと振りしようと思ったら(上田が内から)来ていた。もう4着以内に入らないとって、前に踏んだ。楽だし、踏んだ感じはいいです」


 目標の吉本が上田に弾かれて、新井秀明は上田の後ろに入りしぶとく追い込み3着。


 「(吉本を)迎え入れようとしたら、(上田に)入られてしまった。最後は8番(橋本)の内を行ったらアウトだと思って、バックを踏んでからだった。なんとかっていう感じですね」


 

7R

 中団から先に動いて切った齋藤友幸を山下一輝が打鐘で叩いて主導権を握る。前受けから7番手まで下げた箱田優樹は、最終バックからまくり上げる。徐々に前団との距離を縮めた箱田が直線でイエローライン付近を鋭く伸びて、激戦を制した。


 「常に焦りはあって最終バックで合わされた時はダメかと思った。引くところは引く、突っ張る時は突っ張るというメリハリをつけないとダメですね。脚は1着なので、ただ緊張がすごかった。脚よりも気持ちの問題なので気持ちを強く持って走りたい」


 地元コンビの後位を回った明田春喜が、最終バック最後方の展開から2着に突っ込んだ。


 「たまたまですよ。空いてなくても、どうせ飛ぶくらいなら突っ込もうと。そしたらきれいに空いてくれた。今は体重を絞っている中で、気持ちがまた入ってきている時に結果が出て良かった」


 

8R

選手の写真です。
山崎光展選手

 中島将尊が赤板の2コーナーで久米康平を押さえて主導権。別線を警戒しながら徐々に踏み込む中島に対し、7番手まで下げた久米は打鐘の4コーナーから一気に巻き返す。福島武士は離れて若松孝之が久米を追っていく。3番手から合わせて踏み込んだ山崎光展(写真)が若松を飛ばしてスイッチすると、久米をゴール寸前でとらえて金星。3連単38万円台の大穴配当を演出した。


 「まさか1着を取れるとは思わなかったです。組み立て的には前々に踏んで、久米君が先行なら番手(狙い)も考えていました。体がうまく反応してくれましたね。S級に復帰して初めての勝利でうれしいです」


 ロングまくりの久米康平は、直線で末が甘くなり2着。人気に応えられなかった。


 「若松さんが車間を空けていて出切れると思ったので、ホーム戦目がけて仕掛けていきました。ただ、自分勝手なタイミングで行ったので後ろも付きづらいかなと思いました。中2日であまりモガけていなかったぶん、力を出し切ることができて良かったです。いつも初日が一番重いので、2日目はもっと良くなると思います」


 先行した中島を利した兵藤一也が3着に入った。


 「中島君が頑張ってくれましたね。7番(久米)はいいスピードというよりかは、外を走っていたし、6番(山崎)も来ていたので止めようがなかったです。それでも着にからめたのは全部前のおかげです」


 

9R

 打鐘手前で出た巴直也が緩めると、間髪入れずに川口聖二が巻き返して主導権を握る。岩見潤は付け切れず、2車で中部ラインが出切る。3番手からまくり追い込む巴をけん制した坂上樹大が、番手からきっちりチャンスをモノにした。


 「(川口)聖二の場合は前を取らされちゃうんで、厳しいところもありますよね。聖二は3着だし、岩見さんとも決められなかった。そこがまだまだです。自分の状態はいいと思います」


 3番手からまくり追い込み気味に仕掛けた巴に乗って、加藤圭一が追い込み2着。


 「あのコースもセオリー通りです。道中も余裕があったし、伸びていると思います」


 構えることなく敢然と逃げた川口聖二は、内容の濃い走りも3着に複雑な表情を浮かべる。


 「(巴が)出させてくれる感じだったし、冷静には走れている。そのあと巴さんが車間を切ってまくり追い込みに来るんだろうと思ったら、変な風に踏んじゃった。それでバックからゴールまでの踏み上がりもイマイチだった。雨で重かった。でも、バックからもっと掛かってもいい。引っ掛かりが悪かった。(シューズの)サンの位置なのか、なにか変えてみようと思います」


 

10R

選手の写真です。
松谷秀幸選手

 先行態勢を取った新山響平の後ろで山田久徳が粘りもつれる。踏み込むタイミングうかがっていた松谷秀幸(写真)は、打鐘の3コーナーから仕掛けて新山の番手に追い上げる。新山の番手を奪取した松谷が追い込み抜け出した。


 「(山田が粘るのは)全然考えてなかった。あとはあそこしかないと思って踏みました。想定外の展開ではあったけど、変わりなく判断ができてる感じがします。(渡邉)晴智さんとワンツーが決まってうれしいですね」


 メモリアルの400勝はお預けも、渡邉晴智がきっちり流れ込んだ。


 「組み立ては全部任せていて、(松谷が)先行するとも言っていたので、そういった気持ちがいい結果につがったのかな。自分は踏んだけど抜けませんでした。400勝は持ち越しですね」


 単騎の園田匠は、最終バックから外を踏み、直線に入って鋭い伸びで3着。


 「うまく体が反応してくれましたね。前回はフレームとセッティングがかみ合っていなかったけど、開催前に(北津留)翼のアドバイスでセッティングを変えてみたら感触が良かったし伸びている感じがしました」


 

11R

選手の写真です。
深谷知広選手

 7番手まで下げた深谷知広(写真)は、坂本貴史の仕掛け乗って打鐘の4コーナーで主導権を奪取。坂本のまくりは、稲川翔がブロック。リズム良く駆けた深谷が、逃げ切った。


 「粘られたのは反省ですね。だけど、いいペースで踏めていましたね。少し不安はあったけど、踏んだ感じは悪くなかったです」


 坂本のまくりをブロックして深谷に置いていかれた稲川翔は、2着キープまで。


 「自分の走り方を間違えました。いつもだったらいろいろ(レース中)考えることがあるけど、深谷に関してはべつですね。レースは見えているし余裕があったけど、深谷が強かったです」


 前々に踏んでからまくり上げた坂本貴史が、3着で2日目の優出にコマを進めた。


 「深谷が後方まで引くとは思わなかった。ああなったんで深谷が出ていくタイミングで、自分も出ていこうと思った。あとは守澤(太志)さんが付いているので、ダメでも行かなきゃいけないと思い仕掛けていきました。レースのなかで対応はできていたと思います」


 

12R

選手の写真です。
成田和也選手

 赤板の2コーナーで小嶋敬二がハナに立つと、中部コンビを追った新田祐大がその上をスピードに乗せて出て先行策。新田は後続を引きつけて、一度ペースを落としてから再度踏み上げる。和田真久留の反撃は3番手までで、逃げる新田との車間を空けてから追い込んだ成田和也(写真)が差し切った。


 「新田が強かったです。自分は余裕があって車間を空けたっていうより、(新田と)ワンツーを決めなきゃっていう車間です。抜けないかなと思ったけど、抜けたんで良かった。和田君をうまく(最終)2コーナーで合わせられたかなと思います」


 和田をギリギリまで引きつけてから持ち前のダッシュで合わせた新田祐大は、貫禄のワンツーも疲労困ぱいの様子。


 「疲れはマックスです。キツかったです。それでもあのくらいは長い距離じゃないです。自分のタイムも悪くないと。(開催中は)練習ができないんで、トレーニングの感覚をふまえて走っていかないと。そういう課題を持ちながら、残りの3日間も自分でしっかりと組み立てていきたい。レースを組み立てていくなかで、(初日は)あのタイミングしかなかった。いいタイミングで行けたと思います」


 8番手に置かれた和田真久留が、打鐘の4コーナーから巻き返す。新田に合わせられると、小嶋から3番手を奪って流れ込んだ。


 「踏み込んだ感じは(先頭まで)行けるかと思ったけど…。新田さんもスッと持ち出していたし厳しかった。それで3番手に行くしかなかった。一番強い人(新田)を逃がして最悪にしちゃった。もうワンテンポ早く行かないとダメだけど、自分の感触は悪くない」


 

6R

選手の写真です。
松浦悠士選手

 赤板の2コーナーで竹内翼が押さえて中四国3車が出切る。4番手に志村龍己が入り、小嶋敬二は後方まで下げる。大方の予想通りの展開で竹内が駆ける。竹内の番手で車間を切った松浦悠士(写真)は、志村のまくりをけん制して直線半ばで竹内を交わして抜け出した。


 「福島(武士)さんも待ってくれたんで、(竹内)翼も残りましたね。あれだけ大きく振ったら石川(裕二)さんも入ってくるだろうと思っていた。翼も頑張ってくれたんで、ワンツーを決められればよかったけど。2人で(準決に)乗れたんで。調子自体はすごくいいし、落車の影響はかなり取れている」


 小嶋に合わせて最終3コーナーから踏み上げた志村だったが、松浦のブロックで不発。石川裕二は志村に乗って中のコースを追い込み2着。


 「スタートもそうだし、中団も取ってくれて、すべて前(志村)のおかげですよ。ただ、(志村)龍己も止まったかなと思って、あそこを踏みました。芦澤大輔さんにフレームとかセッティングを全部見てもらってからいいですね。前回と同じ感じで調子はいい」


 抜かりなく風を切って逃げた竹内翼は、松浦の援護にも助けられて3着で準決に進出。


 「小嶋さんはすんなり前に行ってくれたんで、展開が向きました。(最終)2コーナーで(小嶋にまくって)来られるのがイヤで、2コーナーで踏んだ。だから上がりタイムは良くないかもしれないけど、来られない状況をつくりたかった。松浦さんのおかげだし、福島さんもしっかり3番手を。ホッとしていますけど、ここ(記念の準決)で止まっているんで、上に行きたいですね」

7R

選手の写真です。
山内卓也選手

 須永優太が切った上を川口聖二が迷うことなく出て主導権。山内卓也(写真)はすんなり続くが、3番手で須永が粘って山崎光展とからむ。最終2コーナーで須永が3番手を奪取すると、山賀雅仁はまくりで前団に迫る。番手の山内は後続と間合いを計り、内、外の須永、山賀をけん制して追い込んだ。


 「川口君はいいペースで駆けていたから、これならまくり追い込みでしか来ないだろうと思っていた。ただ、山賀君のスピードは把握しづらかった。前のおかげだけど、自分の感触は悪くない」


 一次予選に続きケレン味のない仕掛けを披露した川口聖二が、2着に逃げ粘り中部ワンツー。


 「自分が出てからは、後ろは全部止めたるって(山内が)言ってくれていたので心強かったです。初日よりセッティングをいじって良くなったけど、もう少し踏み返しがほしいのでまた見直してみます」


 7番手まくりになった山賀雅仁は、3着での二次予選クリアがやっと。


 「もうちょっといい走り方があったのかなと先輩にも言われて…、確かにと思った。考えないとダメですね」

8R

選手の写真です。
山田久徳選手

 前受けの山田久徳は、赤板の2コーナーから巻き返した金子哲大を突っ張って逃げる。打鐘からグングンと加速して金子を不発に追いやると、今度は小林大介がまくる。小林を冷静に振った椎木尾拓哉が、番手で勝機をモノにした。


 「強いに人に前を任せているし、後ろもしっかりしていたので自分も番手の仕事をしっかりとしなきゃいけないと思った。突っ張るとは思わなかったけど、山田君が強かったです。初日に落車しているけど、走るぶんには体は大丈夫です」


 前から組み立てる不利な流れも、山田久徳(写真)が突っ張り先行でラインを上位独占に導いた。


 「突っ張るというよりかは、(別線が)来るのが遅かったので踏んでいきました。展開が良かったし、うまく自分の形に持ち込めましたね。ラインで決まって、それがなによりです」


 3番手で内を締めていた神田紘輔が、最後は山田と椎木尾の間を踏んで流れ込んだ。


 「内だけを気にしていましたね。自分は3番手でも、3番手の仕事をしっかりこなすことだけに集中していました」

9R

選手の写真です。
横山尚則選手

 赤板で横山尚則(写真)に併せ込んでフタをした久米康平が、再度踏み込んで小気味よく逃げる。7番手に置かれた横山は、最終ホーム手前から反撃に出る。久米も合わせてペースアップするが、横山がロングまくりで仕留めて勝ち星を挙げた。


 「初日も行けてなかったんで、一番先頭で風を切りたかったんですけどね。(久米と)スピードが合っちゃって、香川(雄介)さんにいいのをもらいそうだった。不安だったんですけど、そこも乗り越えられたしよかった。タイミングが取りづらかった。でも、7番手から巻き返せているんで問題ない。最近はレースになってなかったけど、初日は外に持ち出せているし、(二次予選も)カマせているんで」


 横山の踏み出しに一瞬、立ち遅れた神山雄一郎だったが、冷静に詰めて追いついて2着をキープした。


 「初日(横山は)3車だったのに失敗しているから、早めに行ったのかなと。ただ、そのぶん後ろはキツかった。態勢が整う前に、(横山が)踏み込んでいった。あそこからは行かないかなっていうのもあったんで、自分は若干、口が空いた。そこからはコースを見ながら行ったら追いついた。脚を使ったけど、あとは4コーナーを立ち直れば3着以内にはと。疲れているけど、最近からしたら踏めてますね」


 茨栃コンビを止め切れず、香川雄介は直線で狭いコースを突いて3着がいっぱい。


 「(久米が)掛かっていた。横山君もピュンって来なかったからチャンスかと思ったんですけど。並んでからはスピードに乗ってた。(初日に落車したんで)体はしんどいけど、違和感はない」

10R

選手の写真です。
山下一輝選手

 赤板から飛び出した日当泰之が山崎芳仁、明田春喜を連れてハイペースで飛ばす。小原太樹が3番手に飛び付いて明田と併走も、打鐘の3コーナーで明田が死守。逃げる日当のペースが落ちると、山崎はやむを得ず番手まくり。山崎とほぼ同じタイミングの最終2コーナーで、紫原政文が切り替えて9番手になった山下一輝(写真)がまくる。山崎に迫った山下は、ゴール寸前で山崎を交わして大金星。


 「(日当に)突っ張られた時はパニックになってしまいました。それであの展開で1着だし、自分でもビックリです。仕掛けて行ってよかった。G3の準決はこれが初めてです」


 番手まくりの山崎芳仁だったが、絡まれた明田がいっぱいで後続の目標にされて2着。


 「(相手を)引き付けて形は作れたし、もう仕方がないですね。最後はいっぱいいっぱいで誰が来てるかもわからなかった。明田君かなと思ったら、4番(山下)でビックリした」

11R

選手の写真です。
新山響平選手

 新山響平(写真)を制して藤田勝也が主導権を握る。北村信明が3番手に飛び付いて隊列が短くなったところの打鐘の4コーナーで新山が巻き返す。張りながら番手まくりに出た松岡健介を沈めた新山が、地元で勝ち星を挙げた。


 「出し惜しみせずに行こうと思っていました。(別線の)二段駆けでいつもなら越えられてないところを行き切れているので、良くなっていると思います。ただ、(松岡に)合わされてしまった時に守澤(太志)さんと連結を外してしまいましたね。もっと信頼されるような選手にならないといけない。まくりだったけど、モヤモヤは晴らせたと思います」


 逃げた藤田の意をくんで、松岡健介が番手まくりも2着。


 「みんな強かったですね。藤田君が目いっぱい駆けていた。ホームでのスピードも良かったので、もう少しゆっくり(別線が)来ると思ったけど早かったですね。引き付けて止まるスピードではないと思ったので、波を作って2コーナーから出ていきました」


 最終バックで新山に置いていかれた守澤太志は、3着キープに苦笑い。


 「新山君が合わされていたので、内に降りて迎え入れようと思ったら呼吸が合わずに行ってしまった。少し難しい判断でしたけど、新山君をもっと信頼していればこんな結果にはならなかったと思います」

12R

選手の写真です。
新田祐大選手

 いったん坂本貴史に併せ込んでから、和田真久留が主導権を奪って逃げる。一度は中団に収まった坂本は打鐘から早めに巻き返すが、和田に合わされて出切れない。新田祐大(写真)は、最終ホーム手前から踏み込んだ深谷知広に反応して自力に転じる。外の深谷を張りながら、新田がまくって後続をちぎる完勝劇。


 「ひとつ、ひとつ練習でやってきたことが、結果につながればと思って走っている。疲れているなかでの練習が相乗効果として出てくれればと。(坂本)貴史が行ってくれる気持ちはすごいわかるんで、その気持ちをくんで1着を取らないといけないっていうのがあった。責任感をもって走った。この時期の青森は走りやすくて、自分は一番好きですね」


 成田和也を追いかけて、外を踏んだ単騎の園田匠がシャープな伸びで2着に入った。


 「車券に絡めているんで、それはいいんですけど。もうちょっと突っ込みたかったっていうのはあります」


 逃げた和田の番手から松谷秀幸が発進。その松谷に続いて、直線でインを伸びた渡邉晴智が3着。


 「(成田が)半車遅れてきたのに気づいてなかった。それでもう気づいたらヨコにいたんで…」


 最終1センターで坂本の上をまくった新田を見て、成田和也は瞬時にインを突いて付き直すが新田の加速力に置かれて4着。


 「(新田が)1コーナーですごいのぼった。それで内からドッキングできればと。そのあと新田も遅れて来たんで、(付き直す)タイミングが難しかった。本当は2着じゃないと…。せめて3着で確定板にのらないとダメですね。弱かったです」


 最終2コーナーから番手まくりを放った松谷秀幸は、横一線の2着争いからわずかに遅れて5着。


 「(和田は)すごい掛かっていたし、いい競走をしてくれた。でも、(新田の)スピードが違いすぎた。対応できなかった」

10R

選手の写真です。
稲川翔選手
選手の写真です。
新山響平選手

 新山響平がレースを支配。山田久徳はソツなく中団をキープして、一本棒でレースが流れる。7番手の和田真久留は動けず、新山がペース上げて最終ホームを通過。2コーナー手前から山田がまくり上げると、成田和也がブロックして山田を阻む。俊敏な動きで成田のインに切り込んだ稲川翔(写真)が、直線の入り口で石川裕二とからみながらも余裕をもって抜け出した。


 「普段自力を出している松岡(健介)さんが後ろにいるので、松岡さんにチャンスのある走りをしようと思っていた。それで(最終バックで)内を踏んだ。(山田)久徳が落車しているので、あまりいいレースと言えないですね…」


 果敢に逃げた新山響平(写真)は、成田の援護もあって2着で地元でのファイナルチケットをつかんだ。


 「作戦は後ろを取って、出切ってからは成田さんに仕事をしてもらおうと。ラインのおかげで勝ち上がれた。ペースは落とさないようにじわじわ踏んで、ジャンの4コーナーから踏み上げていった。最後はタレたけど、そこは決勝では気合でカバーしたいです」


 最終2センターで成田が稲川にさばかれると、石川裕二は冷静にインを突いて3着。


 「初めて記念の決勝に乗れてうれしいですね。切り込まれたところでバック踏んでしまって、(稲川に)割り込まれたのは反省です。ただ、決勝に乗れたので、自分の調子はいいと思います」


 大仕事をこなしてすくわれた成田和也は、立て直して追い込むも4着。


 「力不足ですね。もうちょっと脚があれば、早めに対処できて稲川君を止められたはず。新山君に頑張ってもらったのに申し訳ない。内に来るのはわかっていたんだけど」


 

11R

選手の写真です。
深谷知広選手
選手の写真です。
椎木尾拓哉選手

 後方から竹内翼がじわりと押さえに来ると、前受けの深谷知広(写真)が赤板の1センターから突っ張り主導権。突っ張られた竹内が後方に下げて、あとは深谷のワンマンショー。マイペースで逃げて、別線に反撃の隙を与えず押し切った。


 「久し振りに先行できましたね。(最近は)引くことが多かったし、引くだろうって思われていたんだと。ペースで踏めていたし、逃げ切れているので練習の成果が出ていると思います」


 危なげなく追走した椎木尾拓哉(写真)は、4分の1車輪まで深谷を追い詰めたところがゴール。


 「緊張する位置だったし、しっかり追走できてよかったです。(深谷が)強かったので、恵まれただけです。自分に余裕はなかったし、前の掛かり良くて、(別線が)来る気配がなかったです」


 4番手から追い込む坂本貴史を張り気味に外を踏んだ神田紘輔が、記念初決勝をもぎ取った。


 「前を取って(別線に)切らせての作戦だったけど、(竹内の)押さえ方が甘かったので(深谷は突っ張って)行ったのかな。(最終)3コーナーあたりから坂本が踏んでいるのが見えたので、自分も前に踏めば3着はあると思いました。目標にしていた記念決勝に乗れてよかったです」


 

12R

選手の写真です。
園田匠選手
選手の写真です。
松浦悠士選手

 押さえて出た山下一輝が、腹を固めて先行策に出る。単騎の園田匠(写真)は、中国勢に続いて3番手。一度はその上を叩きに出た川口聖二だったが、打鐘過ぎに4番手に入って、人気の新田祐大は一本棒の8番手に置かれた。最終ホーム手前から新田が巻き返すが、まくった川口に続いて松浦悠士が2コーナーから番手まくり。川口を乗り越えた新田だったが、松浦に並べずいっぱい。松浦を追った園田が追い込んで1着。


 「初日、2日目が雨と晴れで(自転車を)いじろうかと思ったけど。悪くなかったんで、いじりませんでした。(上がりタイムが)11秒前半ならこれで十分に戦えるんで。(9月22日に)36歳になってから、急に流れが来ました。だいぶこのセッティングに慣れてきた。ただ、(準決は)ほとんど踏んでない。(決勝は)単騎でもいいんですけど、少しでも消耗したくない。新田君を合わせられるくらい強い松浦君に任せます」


 山下の逃げを利した松浦悠士(写真)は、車間を詰める勢いで番手発進。新田に番手まくりで応戦して、ラインの力で優出を遂げた。


 「山下さんが強かったです、自分はそのおかげですね。(川口)聖二が来ているのがわかったんで、(新田は)その上を来ているだろうと思った。(番手から)出たら合わせられるかなと。一気に踏み上げないで、ゴールまでもつ感じでいった。山下さんがいたからできることでした」


 最終2コーナーで守澤太志と松谷秀幸がもつれると、神山雄一郎は新田のまくりにスイッチ。直線で新田の外を交わして3着に入った。


 「(守澤と松谷で)2人でからんでいたんで、俺は新田に切り替えた。新田がまくれると思ったんだけど、止まった感じだった。自分は頑張って踏んだら伸びました。もうゴール前はいっぱいだった」


 8番手からでも前団を一気にのみ込むと思われた新田祐大だったが、出切れず直線で力尽きてまさかの6着に敗れた。


 「(松浦に)番手まくりされて、(松浦に)肩を並べられれば良かったけど。半車遅れてたし、あっち(松浦は)余裕があった。しょうがない。あの位置でも戦えると思って勝負したんで…」


 


 


≪最終日9R S級ブロックセブン≫


 吉澤純平は前回の共同通信社杯2738着。最終日は8着も落車に見舞われただけに状態が気になるところだか、いつもの笑顔で検車場にあらわれた。


 「(今年になって)7回も落ちているわりには、1回しか骨は折ってないんで。この前は擦過傷だったし、体は大丈夫です。2日前にしっかりバンクで練習してから、1日休んできた。エボリューションも走ってないし、7車はチャレンジ以来だと思うんですけど。7車だと自力勝負になるから、自分は楽しみです」


 伊藤大志は吉澤の番手を得て、地元の一発勝負に気持ちを込める。


 「吉澤君とは前回の武雄でも一緒に(別線で)走りました。その時は敵だったんで強いなと思って見てました。それを(番手で)体験してきます。7車はやったことないんで楽しみです。(吉澤と)人気になると思うし、地元だから頑張ります」


 清水裕友は前回の防府FIを3連勝の完全V。待望のS級優勝を地元で飾り、勢いに乗って強敵に挑む。


 「なんとかですね、最後は危なかったですけど。(S級初優勝で)よかったし、うれいしい。それからはいつも通り、なにも変わりなくですね。(7車でも)やっぱり自分より強い人が前にいたら厳しい。吉澤さんと伊藤成紀さん、自力型では僕が一番劣っているんで、組み立てはしっかり。頭を使っていきたいです」