KEIRIN EXPRESS

全国の競輪開催案内のポータルサイト

まえばし競輪

MAEBASHI KEIRIN

22#

検車場レポート

  • 10/13 Wed.  (前検日)
  • 10/14 Thu.  (1日目)
  • 10/15 Fri.  (2日目)
  • 10/16 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
山原さくら選手
 山原さくら(写真)は9月防府FII、10月富山FIIと2場所連続で完全優勝。中3日の日程だが、勢いそのままに参戦する。
「前回の富山から中3日でほぼ移動だったので、1日だけバンクに乗ってここまできました。追加ですけど、ずっと33バンクを走っていたのでいいかなと。33は得意ではないんですけど、前橋は33のなかでも好きなバンクでドームも好きです。後手を踏んだらキツいバンク。でも、駆ければスピードが落ちないので、そこを意識して走りたいですね」
 久米詩は前回の函館FIで初日と2日目は未勝利も、決勝では奥井迪の仕掛けを追いかける形から、最後に鋭く抜け出してV。着実に力をつけ、今シリーズでもV候補の一角を担う。
 「(ここまでは)とくべつ変わった練習はせずに、以前から変わらず同じようなメニューをしてきました。レース前ということも考えずに、負荷をかけて練習してきた。いつもと状態は変わらないのかなと思います。(前橋は)前回走った時に、33バンクでドームですごい高速になるなと感じた。今回はそれをしっかり踏まえて走りたいと思います」

2R

選手の写真です。
鈴木美教選手
 総合力で勝る鈴木美教(写真)が中心。現在賞金ランキング7位だけに、地元の静岡で行われるグランプリ出場に向けて、一瞬たりとも気が抜けない。
 「取手の前検日に追加をもらって、迷わず受けました。前回の取手は優勝できましたけど、その前は取りこぼしたりしていたので、目の前の一走一走を頑張るだけです。中3日から休まず練習してきて、状態は前回から変わらないと思います。前橋は前々にいたほうが有利ですし、走り方は大丈夫です」
 仕掛けがハマった時の破壊力なら点数以上の細田愛未。直近2場所は惜しくも準優勝が続いており、今シリーズでシルバーコレクターを返上するべく、まずは初日からエンジン全開だ。
 「ここまではいつも通り師匠(太田真一)と練習してきました。調子はいい意味で変わらないと思います。セッティングも元に戻ったし、自力で3着以内に入れるようになってきた。このまま自力でやっていけば、力がついてるのかなと。前橋は積極的にいかないと飛んだりするので、積極的な走りをしたいですね」

3R

選手の写真です。
小林優香選手
 東京五輪代表として世界の強豪を相手に戦った小林優香(写真)は、国内の競輪に復帰後、順調に白星を重ねている。優勝候補の最有力として、予選では負けられない。
 「変わらず練習はしてきました。熊本記念(in久留米)が終わってからはバンクに入れたので、2日間バンクで練習をやってきた。(ナショナルチームの活動に関しては)いまは考える期間をもらっているので、考えがまとまったらなんらかの形で発表をしたいと思います。男子とモガいていいタイムが出ていたので、調子自体はいい。仕掛けどころと、バンクの特性を意識して走りたい。トライアルレースが最後の勝負なので、そこに向けてやっていきたいですし、まず目の前の一戦一戦をしっかり戦いたい」
 土屋珠里は前回の奈良FIで最終ホームから一気に仕掛けて逃げ切りV。右肩上がりの状態で、今シリーズに参戦する。
 「(前回から中9日は)ほとんど岸和田のバンクに入って練習をしてきました。(大阪に移籍して)初めは慣れない環境で、レース間隔も詰まったりして疲れもあった。けど、そこから気持ちも切り替えて(状態を)上げていけるようにして、みなさんに暖かく迎え入れてもらってすごくいい練習ができている。レースのなかでは自信もついてきたし、最近は逃げても以前よりは残れることが多くなってきた。長い距離を踏めているのかなと思います」

4R

 ここは山田諒が中心となりそう。地元で行われた共同通信社杯は成績が振るわなかったが、前回の豊橋FIでは連勝で決勝に進出。ここも持ち味の積極策でレースを支配できるか。
 「(前回は)決勝に行けたのでいいかな。共同通信社は普通に走れたけど、地元だったので結果を出したかった。だいぶ(開催が)続いたので、ここまではしっかり休んでから練習をしました。前橋はS級で走るのは初めて。スピードが速くなると思うので、頑張って攻略できれば。33バンクは仕掛けも早くなるので、正直好きではないです」
 山田の番手を務めるのは宮越孝治。鋭い決め脚を武器に、山田を巧みにリードして一次予選突破を目指す。
 「前回は久しぶりに決勝に乗れて感じは良かったです。ここまでは地元で練習してから、長野県の松本にある競技場に合宿にいきました。体調も崩していません。前橋は大好きなバンクです。山田君とは何度も連係がある。流れはきていると思うし、競走得点も上げていきたい」

5R

 前々回の小田原記念で上々の動きを見せて優出した佐々木豪だが、前回の共同通信社杯は7629着と一息に終わった。
 「岐阜(共同通信社杯)はかみ合ってなかったです。8月の小田原はすごくかくみ合っていたんですけど、岐阜はうまくいかなかった。今回は3週間くらい空いていたので、思うように練習してきたし、いい状態できている。33バンク自体が好きなので、いいイメージで走れると思う」
 木村隆弘は、前回の熊本記念in久留米で5636着から中2日のタイトなスケジュール。
 「久留米は追加でした。中2日だったのでここまでは調整程度です。疲労をためないように疲れをとるだけでした。(前橋は)ドームの33バンクなので前にいないと厳しいイメージですね」

6R

 近況勝ち星から遠ざかっている阿部大樹だが、ここでは競走得点上位の存在。得意のまくり展開に持ち込めるかがカギになる。
 「中2日なので、疲れが残っているかは走ってみてですね。前橋は7月に走って、自力で悩んでいる時に連日、自力でやって連勝で勝ち上がれたのでイメージはいいですね。初日は地元が付いてくれるのでやる気は出ますし、ワンツーが決まるように頑張ります」
 地元の稲村成浩は、今期成績をまとめて競走得点を戻している。
 「普段通りに練習をしてきました。調子はとくに変わらないと思います。(阿部は)力強い競走をしてくれるし、しっかり付いていきたいですね」

7R

 前回から2週間近く空いた小林大介は、地元GIIIに上昇カーブを描いて参戦する。
 「取手までは競走が詰まっていたけど、今回は日にちが空いたので状態に関しては前回までよりはいいと思います。練習はしっかりできたと思います。地元を走る機会が最近は少なくなって、1年以上走っていなかったので、頑張りたいですね。小畑(勝広)君と一緒の参加は結構あるけど、連係は初めてです。いいレースしているので、信頼して付いていくだけです」
 一次予選は青柳靖起に託す市橋司優人は、5月の当所記念でも2勝をマークしている。
 「前回(久留米)の感じはそこまで良くはなかったんですけど、初日は展開に恵まれました。久留米が終わってからは、しっかり練習はしてきました。前橋は印象だけで言えば走りにくさはあるんですけど、この前走った時も2勝できているので悪くはないと思います」

8R

選手の写真です。
天田裕輝選手
 前回の宇都宮FIから余裕をもって地元GIIIを迎える天田裕輝(写真)の初日一次予選は、金子哲大とのタッグ。
 「ここまではワクチンを打ったりして、ちょっと熱が出たりもしたので、大事を取って過ごしてきた。直前は練習もできたし、ドームでの練習も含めて、だいぶいいんじゃないかな。金子君は何回も連係しているし、いつも頑張ってくれる。しっかり付いていけるように」
 田中誠は腰痛に向き合いながら、目の前の一戦に集中する。
 「ちょっと最近は腰痛がモロに出て、腰が入っていなくて絶不調ですね。今期の初めの名古屋あたりから良くない。練習は変わらないくらいでやっているつもりだが、あんまり身になっていない。現状でやれることをやるしかないですね。平尾(一晃)はいつも頑張ってくれるので、ラインで決まるように」

9R

選手の写真です。
松本秀之介選手
 前回の地元シリーズ、熊本記念in久留米では5512着。シリーズ後半に盛り返した松本秀之介(写真)が、好リズムで一次予選に臨む。
 「前回は初日、2日目と不完全燃焼だったんですけど、残りの2日間は出し切れた。今回もその感じのままいけたらいいですね。(9月の青森記念から)9車立てが続くんですけど、青森よりも前回の方が走りやすかった。前橋はA級の時に走って優勝している。その時は初日に立ち遅れてしまったので、そうならないように走りたいですね」
 前々回の小松島FIでは完全V、前回の福井FIでも1勝と勝ち星を重ねている久米良の状態はどうか。
 「なんかベクトルが合い始めた感じはあるけど、それと同時に流れも展開もいい。小松島の優勝は西武園(19年2月)以来なので3年ぶりくらいじゃないですかね。運を引き寄せたいですね。前回からは状態も変わらないイメージでいるけど、あとは走ってみてですね」

10R

選手の写真です。
佐々木悠葵選手
 一次予選でいきなり師匠の矢口啓一郎とタッグを組む佐々木悠葵(写真)は、前回の松戸FIの116着よりも好ムード。
 「(感触やセッティングは)結構いいと思う。ここ2週間は順調に練習できました。師匠とやってきました。(オールスターの)落車の影響はまだちょっとあるので、走って見てって感じです。でも、前回の松戸よりは全然いい感じです」
 川口公太朗は今期まだ勝ち星がなく、コンデションに関してもトーンは上がらない。
 「感触はずっと良くないのが続いている。自分の体ですね、良くいく方向で進めてはいるけど。ちょっと腰痛がって感じですね。練習は無理せず、それなりにはやってきたので、それなりには走れるかな」

11R

 神山拓弥は千葉でのピストシックス開幕シリーズに参戦し、競輪は共同通信社杯以来となる。
 「ここまでは計画的に練習をやってこれました。いまは点数がなくて特別競輪(GI)に乗れていないので、(来年2月の全日本選抜競輪の)選考期間内ですし、そこに出るように上げていきたいですね。(武田亮とは)初連係ですけどレースは見ているし、レースに関してはいうことはないですね」
 初日は同地区の先輩、根本哲吏に託す新山将史が侮れない。
 「前回の岐阜が終わってからは、疲れを取って練習してバランス良くできたと思う。初日は根本さんにしっかり付いていくだけですね。何度か連係していて、いつも頑張ってもらっているので自分もやれることをして頑張ります」

12R

選手の写真です。
宿口陽一選手
 6月の高松宮記念杯でタイトルを奪取した宿口陽一(写真)は、年末のグランプリも控えているだけに、責任感をもって一走、一走に気持ちを込める。
 「岐阜(共同通信社杯)が終わってから、強めに練習してきました。西武園が使えなかったので、立川と大宮に入ってやってきた感じです。やり過ぎて疲労感は否めないですね。ドーム自体が好きなので、前橋のイメージも悪くないですね」
 宿口とは別線の吉澤純平は、武田豊樹との連係に静かに闘志を燃やす。
 「7月に復帰してから日に日に良くなっている感じはあります。だいぶいいころの感じには戻ってきている。前回までは結構詰まっていたので、ここまでは時間も空いてしっかり練習はできました」
 前回の和歌山FIを231着の坂本健太郎は、昨年10月以来の優勝をまくりで遂げた。
 「前回の和歌山は行く前から自力が少なかったので、まくりに特化したフレームをもっていって良かった。優勝は1年ぶりくらいだと思います。ここまで2週間以上空いたが、熊本記念(in久留米)でバンクが使えなかったので街道で田中誠に鍛えてもらった」

1R

選手の写真です。
太田瑛美選手
 シリーズ開幕戦からいきなりの波乱。初手で3番手にいた西島叶子だったが、森内愛香に併せ込まれて打鐘を過ぎても内に詰まったまま。誘導が退避すると、2番手に位置した久米詩、さらに先頭に立つ太田瑛美(写真)の内まで3コーナーですくった西島はそのまま先行勝負に出る。これで後方になった山原さくらも最終ホーム入り口から巻き返しにいくが、3番手の外まで上がった2コーナーで太田が2番手まくりにいくと外に浮かされて不発に。ゴール前で久米も懸命に詰め寄ろうとするが、振り切った太田が快勝。
 「7番車だったのでできる限り前々にいようと思ったんですけど、出た時にたまたま前に入れたのが良かったです。後ろが来るのが見えたら踏もうと思っていたんですけど、内から来て焦りました。番手に入ってからは後ろを見ると踏み遅れるので、そうならないように踏みました。ゴールを目指して踏むだけで必死でした。このメンバーで1着は自信になりますね」
 久米詩は西島の動きに反応して2番手に追い上げかけるも、ホーム手前で踏み止めて太田の後位に入り直す。山原との併走をしのぎ、内で逃げ粘る西島を乗り越えて太田に続いたが、差し切るには至らなかった。
 「33ですし自力の選手も多かったので前々にいたかった。本当は太田さんより前にいたかったんですけど、最初の周回で前にいかれて想定外でした。最後は着に入れたし脚の状態は悪くないと思います。新車を3場所前から使っているんですけど、今日(14日)が一番しっくりきました」

2R

選手の写真です。
鈴木美教選手
 人気を集めた主力陣は細田愛未が前受けし、3番手に鈴木美教(写真)、その直後に奈良岡彩子という周回。後方から川嶋百香が上がってくるが、前との車間を切って備えていた鈴木は惑わされることなく2コーナーから一気にカマす。打鐘過ぎに細田を叩いた鈴木の先行で、その後位は飛び付いた細田と奈良岡で併走に。他に仕掛けてくる選手はいなくて、マイペースで駆けた鈴木が1周半を逃げ切った。
 「他の自力選手を見ながらどの位置が良いかなって思っていました。積極的に動けたのは良かったです。しっかり踏むところを踏んで、軽く感じたので調子は良いかな。前回と使っているフレームが違うので、流れる感じがします。1日1日を大事に走りたいです」
 鈴木後位の併走は最後まで続いたが、外の奈良岡彩子が細田に踏み勝って2着に続いた。
 「併走したところは楽に走れています。踏むところと休むところを意識して走れています。最近自転車を換えたけど、状態としては引き続き良いです。33だと細かい所までスピードがあがる。セッティングを変えたいとかはないです」

3R

選手の写真です。
小林優香選手
 土屋珠里が正攻法の位置で構え、圧倒的な人気を集めた小林優香(写真)は3番手に構える。赤板を過ぎて6番手から中村美那が上昇を始め、一旦小林の外で併走してから打鐘とともにさらに踏み込んで前団を叩きに行くが、土屋は突っ張って出させない。モガき合いから土屋が最終1センターあたりで踏み勝つが、そこを小林のまくりが襲う。2コーナーを過ぎて小林が土屋をまくり切り、初手から小林の後位を確保していた荒川ひかりが続く。そのまま荒川を従えた小林が余裕の先頭ゴール。 
 「前々にいこうと思っていました。正直、戦ったことのない選手が半数だったので動きを見ながらでしたね。中村選手がいって、(土屋)珠里が合わせて踏んだのが見えたのでいきました。残り1周の組み立ては悪いものがありましたけど、出切ってからはスピードももらえたので。状態は悪くないと思います」
 狙い通り小林後位を取った荒川ひかりがしっかり続いて2着に。
 「小林選手が一番強いと思ったので、後ろを取れればと思っていた。出脚に千切れないようにだけ集中していました。(小林は)すごいスピードでコーナーで口が空いてしまった。付いていくので一杯一杯でしたね。前橋は風もなくて走りやすい」

4R

 成松春樹が青板3コーナーで前受けの中部勢を押さえると、すぐさま追い上げた梁田一輝が中団位置に。5番手まで下げた山田諒は赤板1コーナーから一気に巻き返す。打鐘過ぎから山田の主導権に変わり、宮越孝司がぴったりと追走。3番手には大庭正紀をさばいた成松が続く。梁田のまくりは4番手の桑原亮の外までで不発に終わって直線へ。快調に飛ばした山田が押し切るかに、宮越がゴール寸前で逆転。
 「予定通り(スタートで)前が取れて良かった。最終ホームは良い感じでスピードに乗ってました。あとは車間を切って対応していた。(お客さんが入って)声援があると気持ち良いですね。正直、疲れが残ったまま今開催にきたけど、走った感じは良い。日に日に良くなっていくと思います」
 3番手から成松も外を伸びるが、これを押さえて山田諒が2着に残る。
 「スタートで前を取って行ける所から仕掛けていこうと思っていた。宮越さんとワンツーが決まって良かったけど、ワンツースリーを決めたかった。ちょっと(成松に)抵抗されたけど、外を踏めば何とか出切れるかなって。ちょっときつかったけど、意外とスッと出られたので、助走をすれば出切れるのが分かった。明日(二次予選)もそれを使えたらなって思います」

5R

 青板3コーナーで前団を切った樋口開土を叩いて赤板1コーナーから佐藤幸治が主導権を握る。佐藤が掛かっていて打鐘で仕掛けた樋口は車が出ないが、6番手から仕掛けた佐々木豪がその外を豪快にまくっていく。激しい踏み合いからバック手前で佐々木が出切るが、マークの木村隆弘は山口貴嗣のブロックを受けて続けない。番手に入る形からゴール前で詰め寄った佐藤を振り切った佐々木が1着。
 「自分が行ける所から仕掛けようと思っていた。樋口君がワンテンポ遅らせて押さえにきて、佐藤さんもズラしてきたので、仕掛け所がキツくなりました。レースのペースが上がっていたので、少しでも早く仕掛けないと後方になるので。レースは見えていたし、悪くはなかったと思います」
 山口の好アシストもあって、まくられた佐々木を追う形になった佐藤幸治が2着に。
 「中団からいこうと思っていた。自分が先頭に立てば何とかなると思っていたし、樋口が見えたので出させないように踏みました。(佐々木は)やっぱり来たかという感じでしたけど、1人で来てくれたので恵まれました。ある程度最後は詰められたし、体の感じはいいですね」

6R

選手の写真です。
阿部大樹選手
 内をすくって前に出た月森亮輔を、赤板で押さえて蒔田英彦が先制。すくわれた阿部大樹(写真)は7番手まで下げて戦況を窺うと、打鐘前2コーナーから巻き返した月森と蒔田で激しくモガき合う前団に最終ホームからまくりで襲い掛う。最終2コーナーでの友定祐己のけん制を乗り越えた阿部は、蒔田をねじ伏せた月森を3コーナーで捕らえて快勝した。
 「できるだけ自力で仕掛けて良いレースをしようと思った。すかさず行きたかったけど、タイミングが遅くなってしまった。本当はもっと長い距離を踏みたかった。ワンツーを決められたのは凄い嬉しい。体と心のケアをして、明日(二次予選)に向けて調整したい」
 阿部の仕掛けに口が空いたときは厳しいかと思われた稲村成浩だったが、自らの脚でリカバー。最終2コーナーで阿部に追い付き、関東ワンツーを決めてみせた。
 「阿部君に任せていたので、しっかり付いていくことだけを考えました。落ち着いていましたね。阿部君のおかげです。脚は特に変わりないと思います。一戦一戦、車券に貢献できるように頑張りたい」

7R

 赤板でカマした青柳靖起が合わせて踏み上げる荻原尚人を叩いて2コーナーで先手を奪う。叩かれた荻原だが3番手を確保し、巻き返しにいきかけて止めた小畑勝広は5番手に構える。最終1センターで小畑が仕掛けると、荻原は2コーナーまくりで応戦。3コーナーでまくり切った荻原は、小酒大勇の献身的なアシストも受けて詰め寄る小畑を退けた。
 「何も考えず流れで、経験値を信じていきました。あとは流れで対応していこうと。中団がけん制し合っていたので、ある程度見越して踏まないと遅れるので。(青柳の)番手が自力のある選手だったので、番手から出ないと分かってから踏んだ。自分からまくる感じでいけばパーフェクトでしたね」
 届かなかったが、外々を付け回って2着の小畑勝広も強さを感じさせた。
 「初手であの位置なら青柳君が来る前に先に出ていこうと思ったが、戻ったので自分も1回戻ってしまった。ためらった部分があったのでそこが課題ですね。外で頑張ってへばりつけたので足は悪くない感じがしました」

8R

 伊藤成紀を突っ張った平尾一晃が青板3コーナーから先行態勢に入る。伊藤は一旦下げかけた後、中団追い上げ策に出るが、内の選手をキメられない。しかし、天田裕輝が4番手の金子哲大との連結を外したのを見逃さず5番手に割り込む。最終ホームで金子がまくりにいくと、田中誠がけん制。モツれる前団へ、自力に転じた天田が2コーナー7番手まくりで襲う。スピードに乗った天田は、3コーナーで平尾を捕らえた金子の外を一気に通過し、2番手以下を突き放してゴールした。 「(金子に)付いていきたかったですね。立て直してからは、いつ仕掛けようかなって。周りは見えていました。ヤベって思ったけど、案外落ち着いていけました。最後は大外を踏んで、金子君を残せたらと思って。自分の感触も分かったし、状態は日に日に良くなるんじゃないかな。良くなって欲しいです」
 後続の2人が連結を外して単騎でまくりにいった金子哲大。自力に転じた天田に屈したが、3着に粘って結果的に東ラインでワンツースリー。
 「突っ張られたら中団は取ろうと思っていた。後ろの様子は分からなかったです。最後は誰も来る自力型はいないって思っていたのに、凄いスピードできたので、誰だって思ったら天田さんだった。それなりには走れているけど、脚にはガツンとした感じがきていないです」

9R

 前団を切った多田晃紀を叩いて坂本周作が赤板から先制。これを青野将大が巻き返しにいって最終ホームで主導権を奪い取るが、南関勢の動きに乗った松本秀之助が2コーナーからまくる。スピードに乗った松本は直線半ばで青野を捕らえて勝利。単騎戦の不利を乗り切った。
 「単騎だったのでしっかり流れに乗っていこうかなと思っていた。初手は前を取って楽に位置を取れて、流れの中で脚を使わず回れたのが大きいですね。青野さんがいった所を追いかけながら、1センターで3番手が離れているのが見えたので。踏んだ感覚は悪くなかったですね」
 松本と、その後位に切り替えた久米良には捕まったが、いいタイミングで出切った青野将大が3着に粘り込む。
 「単騎だったのでしっかり流れに乗っていこうかなと思っていた。初手は前を取って楽に位置を取れて、流れの中で脚を使わず回れたのが大きいですね。青野さんがいった所を追いかけながら、1センターで3番手が離れているのが見えたので。踏んだ感覚は悪くなかったですね」

10R

選手の写真です。
矢口啓一郎選手
 金澤竜二が切った上を叩いて大石崇晴が赤板から先制。前受けから7番手に下げた佐々木悠葵だったが、どっぷりまくりに構えることはなく、追って1センターから巻き返す。川口公太朗のけん制を乗り越えた佐々木悠は最終ホーム手前で大石をねじ伏せる。そのままケレン味なく駆けた佐々木悠を最後は矢口啓一郎(写真)が差し切り。初の師弟連係が決まった。
 「(弟子との連係で)緊張しましたね。その一言に尽きます。展開的には予想通りで、躊躇せずに仕掛けろってことは話しました。彼の距離としては長かったと思うけど、ラインを生かすレースをして欲しかったので。4コーナーからスピードが落ちていたので、そこでもっと踏めるようになればグレードレースでももっと戦えると思う。地元の選手が活躍すれば、お客さんに喜んでもらえるし、気持ちを高ぶらせて頑張ります」
 感無量の師匠を目の前に、大役を果たした佐々木悠葵もホッとした表情を見せた。
 「師匠が付いていたので緊張しました。流れていないところで仕掛けていったので、自分で踏み上げていく感じでした。きつかったです。脚の感じはもっとタレていると思ったけど、ワンツーできて嬉しい。初日(14日)は体が少し重たかったので、しっかり修正して頑張りたい」

11R

選手の写真です。
神山拓弥選手
 青板3コーナーで根本哲吏が切って出るが、追って赤板手前から仕掛けた武田亮が1センターで根本を叩いてあっさり先手を奪う。神山拓弥(写真)、櫻井学と関東3人で出切り、引いた根本が4番手、村上が6番手、8番手に竹澤浩司となって一本棒。レースは完全に武田が支配し、村上の2コーナーまくりも不発に終わる。逃げ切り態勢の武田だったが、神山がゴール前で図ったように差し切った。
 「武田君とは初連係だったんですけど、しっかり行くべき所で仕掛けてくれた。仕事もしやすい感じでいってくれましたね。自分と(櫻井)学さんの要望通りの走りをしてくれました。自分の感じは良かったが初日(14日)で緊張もあって体が少し固かった。ワンツースリーまで決まって良かったです」
 今期が初のS級とは信じられないほどのパワーを各地で発揮している武田亮。ここも持ち味を存分に発揮してラインでの上位独占へと導いた。
 「積極的にいきたいと思っていたし、前に詰めて行ける所から仕掛けられた。前橋は相性も良くて走りやすいし、前回の松戸よりも良かったですね。練習の感じも出せたと思う」

12R

選手の写真です。
宿口陽一選手
 柴崎淳が当日欠場で、初日特選は8人でのレースとなった。吉沢純平が青板2コーナーで上がりかけたのを制して宿口陽一(写真)が先に動いて前団を切る。そこを吉澤が一気に叩いて赤板前から主導権を奪う。4番手に宿口、7番手に坂本健太郎の一本棒になって、徐々に吉澤がペースを上げて駆け出していく。最終2コーナーに入ったところで宿口が反撃を開始。武田豊樹のけん制が届かない大外を加速した宿口は2センターで吉澤をまくり切ると、武藤龍生の追撃も全く許さず押し切った。
 「ちゃんと切るところは切るって感じで組み立てました。僕に展開が向きましたね。それなりに余裕もありました。前の様子も見れたし、後ろの状況も確認できたので脚の状態は良いと思う」
 2着に武藤龍生、目標を失って初手から埼玉コンビに続いていた齋藤登志信が前とやや引き離されながらも3着と、別線は宿口の前に完敗。武藤も宿口との1車身差を詰められなかった。
 「後方にならないように作戦を考えていて、あとは陽一さんに全て任せていた。正直きつかったです。陽一さんが前よりパワーアップしている印象。陽一さんが踏み込んでくれて、自分は気持ちで付いていきました」
 

1R

選手の写真です。
土屋珠里選手
 赤板手前から上昇した宮本杏夏を山原さくらが突っ張り、そのまま先行策に出る。周回中から山原後位にいた土屋珠里(写真)と宮本で2番手が併走となり最終回。しかしながら、1センターで宮本は後退して、土屋に好展開。押し切りを図る山原をわずかに交わした土屋が1着。
 「まさか山原さんがSに来るとは思わなかったですけど、自分は前々にいようと思っていたんで取れたところからいきました。本当に山原さんは強いので、後ろは気にせず前だけを見て付いていきました。最後の直線勝負かなと思っていたし、差しはあまり得意ではない。でも、道中で脚をためられたのが大きかったです」
 初日の予選1では不発の5着だった山原さくらは、先行力を披露して2着。
 「昨日(初日)は申し訳ないレースをしてしまったし、前々にいこうと思っていました。何人かジャンで来ていたんですけど、突っ張るしかないかなと思っていました。最近は交わされることも多いんですけど、出し切れました。自分は最終日に向けて良くなるし、昨日はスカスカしたけど今日は踏んだ感じも良かったです」

2R

選手の写真です。
鈴木美教選手
 前受けの鈴木美教(写真)後位が西島叶子(イン)と中村美那の併走でレースが流れる。鈴木が誘導を降ろして、そのまま主導権。ほかの選手は動けず、鈴木の後ろは、最終1センターで西島が踏み勝つ。3番手の荒川ひかりが2センターから外に持ち出すが、前の2人を脅かすまでには至らず。鈴木が力の違いで逃げ切った。
 「ある程度、スタートを頑張って前から組み立てたいなって思っていた。中村さんが上がってきたので、いつもの私なら1車出させてしまったけど、1車も出させないって気持ちで走っていました。初日よりちょっと疲れていたというか、フレッシュな感じがしなかった。でも、それなりに走れていると思う」
 鈴木の後ろを踏み勝った西島叶子が、流れ込んで2着。鈴木の強さに脱帽する。
 「あの展開なら、自分の出る幕はなしかなと。しっかり鈴木さんを追走して直線勝負でした。鈴木さんのような組み立て方が理想ですね。踏み方とかもすごかったし、勉強になった。(最後は)車間を切って踏んだけど、まったく車が出なかったです」

3R

選手の写真です。
小林優香選手
 小林優香(写真)は、打鐘では5番手の外併走。最終的に細田愛未がカマシ気味に主導権を握る。後方に置かれた小林だったが、2番手に飛び付いてまくった久米詩をロングまくりでねじ伏せて連勝のゴール。
 「自力の選手が多かったので、動きを見ながらいこうと思っていた。(久米)詩ちゃんがあの位置だったので、あそこからいくなとは思っていました。大外を行けたし悪くないと思います」
 細田の仕掛けに反応した久米詩は、最終2コーナーで2番手から仕掛けるも小林のまくりに屈して2着。
 「最初から前々に踏もうと思っていた。もうちょっと要所で素早く反応できれば良かったですね。遅れ気味になったり、コーナーで脚力不足を感じました。ケアレスミスもありましたけど、自分の状態自体は悪くないと思います」

7R

選手の写真です。
福田知也選手
 青野将大が赤板で先頭に立ち主導権。単騎の新山将史が3番手に続いて、関東勢が中団を占める。7番手の佐々木豪は不発。新山に合わせて、逃げる青野の番手の福田知也(写真)が、最終バック過ぎから外に張りながら踏み込む。福田は余裕をもって抜け出した。
 「彼(青野は)は(自転車)競技出身で前橋は走りやすそうに走っていましたね。昨日(初日)も強かったし、信頼していました。地脚タイプで最後までタレなかった。(最終)3コーナーで(別線が)タイミング良く来てくれれば止めようと思っていた。自分は前々にいられれば、チャンスがあるかなという仕上がりです」
 目標の金子哲大が外に浮くと、矢口啓一郎は最終バック過ぎからインをすくい福田後位にとりつく。直線で差し脚を伸ばして2着に入った。
 「(最終)3コーナーを上っていくのはキツいと思って、内をいくしかなかったですね。外から降りられましたけど、なんとか耐えた。地元戦なので気合は入りましたね。昨日(初日)は緊張しすぎたんですけど、今日は冷静に走れました」

8R

選手の写真です。
坂本健太郎選手
 小畑勝広が主導権を握り、隊列は一本棒。坂本健太郎(写真)は7番手で打鐘を通過して、最終ホームではさらに車間が空いて万事休すかに思われた。が、5番手から仕掛けた簗田一輝の外をまくった坂本が前団をのみ込んだ。
 「感触的にはあまり良くなかった。もっとキレを重視して、ギアを1枚下げたけどイマイチでした。誰よりも怖い田中(誠)後輩が後ろにいたので、気合は入りました(笑)。メンバー構成的には展開も不利になると思ったけど、簗田君が先に仕掛けていったので、その動きを少し使わせてもらいました。前回の状態が10なら、今回は8くらい。直前に田中後輩にしごかれた疲れがあるのかも(笑)」
 逃げた小畑の番手で絶好の神山拓弥は、最終2センターで外にけん制してあおりをつくるも、坂本にはハンドル投げで負けて2着。
 「小畑君が頑張ってくれました。(最終)3コーナーから2センターにかけてけん制したかったけど、簗田君の車輪が掛かっているのが見えたので引っ掛けたらヤバイなって。(心残りは)そこだけですね。脚は問題ない、良くなっていくと思う」

9R

選手の写真です。
阿部大樹選手
 打鐘手前で荻原尚人が隅田洋介を叩く。単騎の阿部大樹(写真)は北日本勢に続いて、4番手に隅田が下げると松本秀之介も仕掛ける。松本を阿部がけん制して、隅田はインを突く。阿部が最終2コーナー過ぎからまくりを打ち、逃げる荻原をあっさりととらえた。
 「単騎だったので前々にいようと思っていた。予想外の動きもあったんですけど、反応できているし悪くなかったですね。外で踏めるところをと思っていて、動こうかなという時に荻原さんがいったので乗っていきました。今節は外を踏むと決めているし、連日それができている」
 阿部のまくりに切り替えるように追った武田豊樹が2着に入り、別線の関東勢のワンツー。
 「厳しかったですね。残り1周で隅田君を迎え入れるのでキツかった。(隅田は)まだ勝負権があるかなと思った。隅田君が気持ちをもってレースをしてくれた。自分は脚に余裕はありましたね。1着を取るのは厳しかったけど、体の感じはいいですね」

10R

選手の写真です。
齋藤登志信選手
 大石崇晴がペースを握るが、4番手の根本哲吏が赤板2コーナー手前から踏み込む。小酒大勇はさばかれ、主導権を奪った根本に齋藤登志信(写真)が続いて、2人で3番手以下をちぎる。最終ホーム手前から7番手の佐々木悠葵も反撃に出るが、あおりもあって前団が遠い。齋藤が粘り込む根本を差し切った。
 「根本君がいい走りをしてくれたし、彼も自信になったと思う。正直、抜くのでいっぱいでした。前橋は33バンクだし、思い切り抜きにいかないと。いいイメージがなかったけど、前回(7月)の前橋で優勝してから気持ちも楽になった」
 前団のペースを見極めて抜群のタイミングでカマした根本哲吏が2着に粘り込んだ。
 「佐々木君が絶対的に強いので、前々に踏んで力を出し切ろうって思っていました。自分の強みは長く踏むことなので、緩んだらすかさず行こうと思っていました。ちょっと力が入り過ぎた。キツかったけど2着に残れて良かったです」

11R

選手の写真です。
吉澤純平選手
 赤板で先頭に出た吉澤純平(写真)は、岐阜コンビを受けて打鐘で3番手をキープする。山田諒の先行で最終周回。山田との車間を大きく空けた川口公太朗のけん制でタイミングを狂わされた吉澤だったが、きっちりとまくりで仕留めてみせた。
 「切ったところをすかさずいこうと思っていて、シンプルに考えていました。もうちょっと(山田が)来るのが遅かったら、ジャンから先行しようと思っていた。前とピッタリだったので前と間合いを取っていきました。脚に余裕はあったので、あとはタイミングですね」
 天田裕輝は川口のけん制で吉澤との連結を外す。2着には山田諒が逃げ残った。
 「(吉澤が)出させてくれましたし、あとはすべて(川口)公太朗さんのおかげですね。前から一発狙っていこうと思っていて、出切れたらラインで決められると思っていた。調子は良くはないが、出切れているので。GIIIの決勝はまだ上がったことがないので、こういうメンバーの開催で狙っていきたいです」

12R

選手の写真です。
宿口陽一選手
 武田亮にフタをしてから再度踏んだ成松春樹が主導権。しかしながら、武田も赤板手前から巻き返し、抵抗する成松を叩いで駆ける。番手で好展開が訪れた宿口陽一(写真)は、後続との間合いを計り余裕をもって抜け出した。
 「(武田が)すごく強くてビックリしました。力強いレースをしてくれて、後ろで援護するまでもなかった。武田君の掛かりがすごかったです。初めて付いたけど、ものすごく強くて楽しみな選手。自分の脚の感じも悪くないし、いいと思う」
 ケレン味のない仕掛けで関東ラインをけん引した武田亮は、内容のある走りで準決に進んだ。
 「後ろが宿口さんと稲村(成浩)さんだったので、緊張しました。脚を使っていたのか、出切ってからはキツかった。でも、前橋は松戸の33バンクよりは走りやすい。2日目は感触があまり良くなかったので修正します」

5R

選手の写真です。
鈴木美教選手
選手の写真です。
久米詩選手
 鈴木美教(写真)が3連勝でメモリアルの200勝を達成した。久米詩が正攻法の位置を確保し、その後位に簑田真璃で、鈴木は3番手の位置を確保してレースを進める。荒川ひかり、三森彩桜と続き、初手でいい位置を取れなかった山原さくら、細田愛未は6、7番手でレースを進める。打鐘で山原がカマすが、赤板から車間を切って仕掛けるタイミングを計っていた鈴木は合わせて2センターからスパート。山原も懸命に上がってくるが踏み合いの末、出切れないまま最終2センターで力尽きて後退。山原を追っていた細田も苦しくなる。ペース良く駆けた鈴木が、差し迫る久米も振り切って快勝。
 「スタートはしっかり出ていい位置を取ってからと思っていました。前と後ろを見て、周りの動きを見ながら落ち着いていきました。押さえてこなかったので、自分でタイミングでいって。来るなら(山原)さくらさんかなと思っていたので、出させないように踏みました。最後はタレちゃったので抜かれたかなと思ったんですけどね。しっかり動いた結果で1着を取れたので良かったです。200勝できたことは嬉しいですね。ここまで内容あるレースができているし、決勝も出し惜しみせず積極的にいきたいです」
 初手から鈴木の後位に照準を絞っていた荒川を阻んで、前受から合わせて踏んだ久米詩(写真)が鈴木後位に飛び付く。最後は必死に詰め寄ったが2着まで。
 「前々からと考えていたんですけど、もうちょっと早めに踏めば良かったです。そこは判断ミスですね。自分の競走はできているんですけど、もうちょっと有利な位置を取れれば良かった。今日の展開だとスタートの時にしか脚を使っていないので、差したかったですね。3日間通して気持ちのいい走りができていないので、決勝は出し切れるように頑張ります」
 蓑田真璃は初手から久米の後位に位置したのが奏功した。踏み遅れることなく鈴木、久米を追って3着で決勝進出を決めた。
 「スタートを取りたかったんですけど久米さんが早くて。ただ結果的にいい位置は取れた。久米さんは脚があるので信じて付いていきました。どうにか内が空いてくれたし良かったです。流れ込みですけど、自転車も流れてくれました。決勝もしっかり位置を取って前々にいけるように走りたいです」

6R

選手の写真です。
小林優香選手
選手の写真です。
奈良岡彩子選手
 初手で5番手に位置した小林優香(写真)は赤板最後方から踏み上げた川嶋百香を追って中団外に上がると、打鐘と同時に一気にカマして出る。前受けの土屋珠里を3コーナーで叩いた小林はこの日は先行で勝負。小林のハイスピードの前に隊列はややバラけ気味の一本棒で直線へ。そのまま奈良岡彩子、土屋を従えて小林が貫禄の3連勝。
 「スタートはこだわらずに引いて良かったと思う。打鐘からいくとは決めずに、自然に体が動きました。押し切れたので良いと思います。粘れたかなという感じです。逃げ切れているし、脚は良いと思う。決勝も戦法は決めずに勝てる位置から優勝を目指して頑張ります」
 川嶋との併走になるも、初手から小林の後位にこだわった
奈良岡彩子(写真)がしっかり食い下がって2着。
 「作戦は凄い直前まで悩んだ。迷ったら良いレースができないので、取れるなら優香の後ろって決めていました。併走は問題なかったです。(小林は)オリンピックのスピードでした。ちょっとでも口が空いたらダメだって思っていた。ゴール前は一杯でした。決勝に勝ち上がれてほっとしています。決勝も自分の持ち味を出しながら走れれば良いなって思う」
 小林、奈良岡に行かれた土屋珠里は冷静に3番手に入る。結局、仕掛けられなかったが3着で決勝進に。
 「(スタートで)前を取るか迷ったけど、前からの方がチャンスがあるなって思って組み立てました。ジャンで小林さんが踏んでくるのは予想外だったので、踏み遅れてしまった。だいぶきつかったです。3日間確定板に入れているので、安定して走れているのかな。調子は良いと思います。決勝は前々で何でもしたい。すごくいいメンバーだけど、このメンバーで優勝争いに食い込めたら自信になる」

10R

選手の写真です。
阿部大樹選手
選手の写真です。
田中誠選手
 大石崇晴、隅田洋介の順で切った上を叩いて武田亮がこの日も赤板過ぎから先行勝負に出る。一本棒の態勢で最終ホーム入り口まで来たところで坂本健太郎が8番手まくりを敢行。合わせて隅田も4番手からまくる。迫る隅田を阿部大樹(写真)が再三けん制。2センターでダメ押しのブロックにいくと、隅田はスピードが鈍り、大外をまくり切るような勢いだった坂本もあおりを受けて止まってしまう。内に戻ってきた阿部は武田をかばいながら踏み込んで1着をもぎ取った。3連勝での優参となる。
 「想定していたセオリー通りの展開でした。隅田さんが仕掛けてきたので、一度振ってという形になった。3コーナーでもう少し踏むのを待てれば、武田君を残せたと思う。そこは後悔もあります。GIIIの決勝戦進出は今年の(2月)高松記念以来。自分の体や気持ち以上に状態は良いのかな。決勝戦は自分のやれることをしっかりやるだけ」
 2着にも埼京ライン3番手を固めた武藤龍生が流れ込んで埼玉ワンツー。
 「武田君が先行したいってことだったので、そういう組み立てでした。思ったよりもすんなりの先行だったので、ラインとしては良い感じだなって思っていた。阿部さんも凄い余裕があったので、任せていました。自分は前橋なので内を締めることだけ考えて走っていた。自転車の感覚がちょっとあれなので、そこは修正してもう少し上積みを出せるようにしたい」
 坂本は大外に飛んで不発に終わったが、前の動きを冷静に見極めた田中誠(写真)が中コースを踏んで3着に。
 「(坂本との作戦は)いつも通りの戦法ってことでした。前橋の8番手、9番手は絶対絶命のピンチなんですけど、奇跡的にコースが空いた。ギリギリで準決勝に勝ち上がれて、決勝まで行けるなんでラッキーでした」

11R

選手の写真です。
山田諒選手
選手の写真です。
久米良選手
 前受けした山田諒(写真)を青板バックで押さえて吉澤純平が前に出るが、荻原尚人がすかさず切る。そこを山田が一気に叩いて打鐘前から先行策に出る。ラインの3人で出切って、4番手に追い上げた吉澤、5番手に武田豊樹をさばいた荻原という態勢になって最終ホーム。吉澤は2コーナー入り口からまくるも、3コーナーでの久米の作ったあおりも響いて伸びが悪い。ゴール前で激しく詰め寄った久米も退けて山田が堂々逃げ切った。
「久米さんのブロックにつきますね。地区が違うのに付いてもらってラインのおかげです。とにかく吉澤さんを警戒して、荻原さんは中団を狙ってくると思ったので。すかさずいけたしうまく対抗できたと思う。調子は良くはないんですけど、GIIIの決勝は初めてなので勝ち上がれて良かったです。決勝も狙っていきたいですね」
 久米良(写真)は差し切れずも、納得の表情で振り返る。
 「前受けで最高の形になってくれた。あの通りになってくれればいいなという展開になってくれた。吉澤さんが一番脚があるので、脚を使わせてと思っていた。一振りしなくても止まるくらいのカカリでしたね。今日が一番すんなりの展開で一番感じも良かった。今回は決勝を目標にきて、一つ目標を達成できたので決勝は優勝を狙って頑張ります」
 3着にも終始内を閉めて回った友定祐己が入って、ラインでワンツースリーが決まった。
 「全員がラインの仕事をできたと思う。久米も仕事をして、自分は3番手の仕事をして。3着しか取れないんですけど一時期よりは良くなっていますね」

12R

選手の写真です。
齋藤登志信選手
選手の写真です。
伊藤成紀選手
 最後の最後で高額配当が飛び出した。青板バックで押さえて出た青野将大が、さらに押さえてくる根本哲吏を突っ張る。根本が下がる一方、今度は地元勢を背負った宿口陽一が早めの巻き返しで襲う。青野との踏み合いの末、宿口は最終ホーム手前で出切るも、矢口啓一郎は福田知也に弾かれていない。その福田も空けた内を小林大介、伊藤正紀にすくわれて、3番手以下は口が空いてしまう。逃げる宿口の番手に青野が入り、すぐに追いついた伊藤、矢口、根本、齋藤登志信(写真)…で追う隊形に変わってバック。立て直した矢口、根本が外を踏んでいくもスピードが合ってしまって後退。3コーナーでは内を突いた伊藤が青野をさばき、さらに伊藤の内に齊藤が入ってくる最後まで目まぐるしい展開に。ゴール前では逃げ切りを図る宿口の内を齋藤、外を伊藤が強襲。齊藤が勝利を収めた。
 「根本君が諦めずに踏んでいたから、僕にもチャンスができた。最後は外を踏む場所がないし、3着までに入れればと思って内へ。展開も向きました。決勝に乗れて良かったし、乗った以上は優勝するチャンスもある。考えて走りたい」
 前々へと攻め込んだ伊藤成紀(写真)がレースの行方を大きく左右したといってもいい。最後は外を踏んで2着に突っ込んだ。
 「前を取ってイチかバチかって感じでした。決勝に乗れるように考えていた。GIIIの決勝は初めて。今までは後ろの選手を決勝に乗せることは多かったんですけどね。レースが詰まっていたので、初日と2日目はしんどかった。今日は昨日よりかは良かったです」
 地元勢に前を託された宿口陽一は先行勝負に出た。後続の隊形は乱れ、最後は内、外を行かれたが十分力を示して決勝に進出。
 「しっかりレースを作ろうと思っていました。結果的に地元の2人には迷惑をかけたので残念です。僕はちゃんと仕掛けられているので悪くはないと思う。先行も覚悟していたけど、もうちょっと力を付けないとダメですね。日に日に疲れは溜まっています」