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いわき平競輪

IWAKI TAIRA KEIRIN

13#

検車場レポート

  • 8/9 Mon.  (前検日)
  • 8/10 Tue.  (1日目)
  • 8/11 Wed.  (2日目)
  • 8/12 Thu.  (3日目)
  • 8/13 Fri.  (4日目)
  • 8/14 Sat.  (5日目)

1R

選手の写真です。
町田太我選手
 前々回のサマーナイトフェスティバル418着が初のビッグだった町田太我(写真)は、GI初出場の今シリーズでオープニングを務める。
 「(GIに)出場できることはうれしいし、しっかりと爪あとを残せるように。1レースの1番車なので、お客さんを引き寄せられるレースがしたい。感触は変わらずいいです。平は初めてですけど、高校2年の時にインターハイで走ったことがあります」
 阿竹智史はデビューからおよそ16年となる前回のサマーナイトフェスティバルで、ビッグ初優出を遂げた。
 「初めて(ビッグの)決勝に乗って自信にもなったし、周りにも助けられたっていうのを感じた。あらためて頑張ろうっていうのもあります。前回よりも(調子を)上げたいなと思って、練習をしてきた。悪くないと思います」

2R

選手の写真です。
稲川翔選手
 落車明けだった前回のサマーナイトフェスティバルは343着の稲川翔(写真)は、思いのほかダメージがあったようだ。
 「(前々回の)久留米記念の落車の影響が思ったより長く残ってしまって、(前回の)函館は思うように走れなかった。まず治療と休養をして、ここに向けてコンデションを上げるようにした。いまできる最大限ことはできた」
 地元シリーズのGIに小松崎大地が気持ちを込める。
 「ここに向けてやれることは、すべてやってこられました。一戦、一戦が勝負だと思っているのでしっかりと。目の前の戦いを確実にクリアしていかないと決勝は見えてこない。セッティングの方向性は前から見えていましたし、そこに体を合わせる感じで調整してきました。無観客は残念ですけど、見てくれているファンにアピールできるように頑張ります」

3R

選手の写真です。
鈴木裕選手
 ナショナルチームに所属している松井宏佑は、チームメイトの脇本雄太、新田祐大、小林優香の日本代表の走りに刺激をもらった。
 「ギリギリまで追い込んで練習してきましたが、戦える状態だと思います。もちろん、オリンピックは見てました。本当に熱いっすね。世界の強い人を相手に立ち向かっていく姿を見てて熱くなりました。結果は残念でしたけど、自分が(24年五輪の)パリで借りを返すじゃないですけど頑張りたい」
 南関ラインは3車。重責の番手回りの鈴木裕(写真)は、好調をキープしているようでデキに自信をもっている。
 「いつも通り地道に練習をしてきました。ずっといい状態が続いているので問題ないと思います。(松井の)番手が初めてだと思うし楽しみです」

4R

選手の写真です。
根田空史選手
 根田空史(写真)は6月の高松宮記念杯のあとは前橋、立川、小田原と3場所連続で7車立てのFIシリーズに身をおいた。
 「7車と9車の違いをしっかりと切り替えられるようになっている。かなり空いていたし、余裕をもってこられた、状態もいいです。(千葉JPFドームに)わりと入れる日もあった。カーボンフレームを使ってるんで一本、一本、出し切れるんで、いい練習ができてます。(コーナーとかの)テクニック的なものも上がってくると思います」
 落車からの復帰場所となったサマーナイトフェスティバルが476着だった鈴木庸之だが、手応えは決して悪くはない。
 「(高松宮記念杯の落車の)鎖骨のくっつき具合をみてやってきました。感じはだいぶいいです。(落車前の)高松宮記念杯が10だったら、7、8くらい戻っている感覚がある。あとはレースでどうかなと」

5R

選手の写真です。
野原雅也選手
 前回の別府FIから中4日とタイトなスケジュールの野原雅也(写真)だが、疲労残りの心配もなさそうだ。
 「しっかり疲れだけ抜いてきた感じですかね。別府の前までしっかり追い込めてたんで、問題はないと思います。ただ、ここは重たいイメージがあったりしますね」
 直近の2場所が高松FIの671着、別府FIを571着の原田研太朗はキッカケは欲しい。GIの舞台に気持ちをスイッチする。
 「ここ最近は自分のなかでもうまく波に乗れていないなって感じはありますけど、脚自体は悪くないので流れを変えたいですね。島川(将貴)とは何度も連係していますし、いつも頑張ってくれる。6月の武雄でも1着を取らせてもらったし、相性はすごくいいと思います」

6R

選手の写真です。
成田和也選手
 高松宮記念杯から1カ月半以上空いた成田和也(写真)は、地元のGIでも例によって平生どおりで舞い上がる様子もない。
 「日にちが空いてたんで練習だけはしていました。練習と休養を取りながらうまくやってきました。いい感じだと思います。(久しぶりの実戦で)緊張感はあるけど、こういうことも何回も経験してるんで」
 眞杉匠は前回の高知記念を6226着。6着に終わった決勝をこう振り返る。
 「(前回の)決勝は出し切れずに終わってしまった。そのぶんも今回は出し切れたらと思います。しっかりと練習をしてきたし、状態は変わらずです」

7R

選手の写真です。
太田竜馬選手
 今期は地元の小松島記念でV奪取した太田竜馬(写真)は、続くサマーナイトフェスティバル254着。
 「(前回は)脚力が上がって感じがありました。そのあとは普通に練習をしてやりたいことができた。練習も休養もできてるんで、強くなれるタイミングですね」
 村上博幸は前回の久留米FIは3日間ともに4着。試行錯誤のなかで活路を見出そうとしている。
 「ここ最近はちょっと展開に左右されすぎかなって思う部分もあるんですけど、目標をもってやっていることもある。練習の感じはいいですし、改良、改良って感じです。ちょっと暑いですね。長丁場なので暑さ対策をしながら戦っていきたい」

8R

選手の写真です。
宿口陽一選手
 高松宮記念杯でタイトルホルダーの仲間入りを果たした宿口陽一(写真)は、その後の静岡FIを114着、岸和田FIを512着。
 「(高松宮記念杯の)岸和田が終わって体調も精神的にも疲れもあって、そのなかで(ここ2場所は)まとめられたところもあるんでいい。自転車の感じもだんだんマッチしてきている。(GI連覇は)そういうところは考えてないし、いつも通り頑張れればと思います」
 黒沢征治は前回の富山記念で2162着の3連対。
 「前回はちょっと良くない部分もあった。練習で自分のフォームだったり、いけない部分を考えながら練習してきました。練習のタイムは良かったので今回の方がいいと思う。楽しみなので頑張りたい」

9R

選手の写真です。
新山響平選手
 前々回の小田原FIを3連勝。波に乗りかけた新山響平(写真)だったが、続く前回の高知記念の3日目に落車に見舞われた。
 「落車の怪我もそれほどたいしたこともなく、しっかり練習ができました。2日間休んでから練習を始めた。感じも悪くなかった。車輪が壊れたけど、自転車は無傷だったんで良かった」
 前回のサマーナイトフェスティバルが789着と初ビッグは一息だった佐々木悠葵だが、FI戦線を中心に力をつけている。鈴木竜士がその佐々木に前を託す。
 「最近は前に任せることも多いので、前次第の部分もあります。でも、悪くはない。あとは前がダメな時でも、自分でリカバリーして3着以内に入れればってところだと思っています。前回は久々のレースでしたけど、レース勘も鈍っていなかったですし1着も取れている。佐々木君は強いしレースも見ているので信頼していきます」

10R

選手の写真です。
平原康多選手
 ファン投票1位に輝いた平原康多(写真)は、前回のサマーナイトフェスティバルで落車に見舞われた。グランプリでタッグを組んだ脇本雄太の番手を選択した平原の状態はどうか。
 「(落車が)続くときは続きますね。本当は富山記念を走りたかったんですけど、擦過傷がひどすぎて1本欠場して、1週間くらいはケアに充てた。その後はしっかりいつも通りやりました。(ファン投票第1位は)自分でも信じられなかったし、ファンの人への感謝の気持ちしかないですね」
 東京五輪のケイリン種目で7位。メダル獲得はならずも、地元開催で奮闘した脇本雄太は、昨日の競技から中ゼロ日でGIに参戦。
 「 昨日(8日)のオリンピックから一夜明けてすぐ前検日を迎えても、精神的に追いついていない状態なので、正直言ってしまうと。疲れ的にも昨日走っているから、肉体的にも損傷はありますという感じです。精神的にも肉体的にも満身創痍ではあるのですけど、出場する以上は、しっかり1着を目指して頑張りたい」
 中国コンビは清水裕友が松浦悠士に委ねて、6日間シリーズのスタートを切る。
 「(直前の感触は)練習は良くなかったんですけど、あんまり気にはしていないです。久々にすごい悪かったんで。でも、そういうときの方がレースは良かったりする。練習はできたんですけど、調子が上がってきた感じは本当になかったですね」

1R

選手の写真です。
池田憲昭選手
 7番手に引いた町田太我は、赤板の2コーナーで大外から反撃を開始。合わせて踏み上げる山田久徳を打鐘の4コーナーで叩いて主導権を奪う。町田に阿竹智史、池田憲昭(写真)と中四国3車で出切り、山田は4番手に収まる。最終ホームから仕掛けた和田真久留は不発。中四国3車の勝負は、3番手の池田が外を追い込んでゴール寸前で阿竹を交わした。
 「前の2人(町田、阿竹)が強かったんで、僕は付いているだけでした。無風で回れたのが大きかった。山田君も脚を使って取った4番手だったんで、そんなに来られないかなと。脚は問題ないです」
 ラインを上位独占に導いた町田太我は、GI初出場でもケレン味のないスタイルを貫いて3着に粘り込んだ。
 「先行したいと思ってた。前を取って突っ張りたかったけど、菅田(壱道)さんに取られてしまったんで慌てました。(7番手に引いてからは)自分のタイミングで行きました。出切るまでに脚を使ったので、そこが反省です。(脚は)キツかったし、暑いんで暑さにやられている感じがある」

2R

選手の写真です。
小松崎大地選手
 赤板の2コーナー過ぎに先頭に立った脇本勇希の先行策。松本貴治が4番手に入り、小松崎大地(写真)は車間が空いた7番手で最終ホームを通過する。バックからまくりを打った松本は、なかなか進まない。番手の稲川翔に絶好の流れだったが、小松崎がまくり追い込みで突き抜けた。
 「バンク特性もあるんで、しっかりと慌てずに。緩んでいたら先行する気持ちもあった。(初日の)2レースだったので、前のレースの情報がないなかで自分の力を信じて届くと思って仕掛けた。(前回からは日にちが)空いていたので、計画的にトレーニングができた。師匠の岡部(芳幸)さんや練習仲間がサポートして盛り上げてくれた」
 目標の脇本がレースをつくり、流れが向いた稲川翔はハンドル投げも小松崎に屈して2着。
 「(脇本)勇希の力を出すレースをと。その通りになったけど、もっと自分がなにかしらできた。勇希は緊張していていつもの力を出せてなかったのかも。もっと強いはず。そこは僕がなんとかしないと。現状のベストで来ているつもり。なにも言い訳できない状態です」

3R

選手の写真です。
長島大介選手
 7番手から巻き返した松井宏佑が、打鐘の4コーナーで主導権を奪って駆ける。3番手の萩原孝之は付いていけず、松井、鈴木裕で出切り、長島大介(写真)が3番手になって最終ホームを迎える。鈴木が逃げる松井と車間を空けて、3番手の長島も態勢を整える。取鳥雄吾のまくりにかぶった長島だったが、直線でコースが開けると突き抜けた。
 「取鳥君が来ていましたけど1車でしたし、鈴木さんも車間を空けていたので大丈夫かなと。全部見えていましたし、余裕はあった。でも、大事にいきました。ラインで決めたかったけど勇気がなかったですね」
 松井の番手で好展開が巡ってきた鈴木裕は、長島の強襲に2着。
 「後ろに長島君に入られたのがわかったので、車間を空けたんですけどね…。松井も掛かっていたし強かった。でも、風が強かったですね。欲を言えば2人で確定板にのりたかったですけど、難しかった」

4R

選手の写真です。
根田空史選手
 近畿勢が主導権を握り、隊列は一本棒。7番手に置かれた根田空史(写真)は、ペースが緩んだ打鐘の3コーナーを見逃さず一気に踏み出す。中村浩士が連結を外して1人になった根田だが、そのまま押し切った。
 「近畿勢は2段駆け、3段駆けっていうのもあるんで、立ち遅れないようにとは思ってました。バックが向かい風だったんで、そこが緩んだんでチャンスを逃さないように。出切ってから(後ろの)気配がなかったんで、もう1人なんだなと。キツくて苦しかったけど、思いのほかタレずに踏めていた。7月は7車立てのFIが3本で、そのあとも結構空いた。(練習は)千葉250でカーボンでずっとやってたんでレース勘の不安もあったけど、不安だったのが損をしたくらいの感じだった」
 最終バックで南潤後位から中井太祐が根田を追いかける。中井を交わして松岡健介が2着に上がった。
 「南君と中井君が頑張ってくれた。ジャンの雰囲気は南君の好きなパターンに入ってたし、そのなかで根田君の掛かりもすごかった。鈴木(庸之)君の動きも確認しながらでした。出足はそんなに苦にならなかった。重かったけど、(中井を)抜けているんで(悪くない)」

5R

選手の写真です。
野原雅也選手
 中団から切ろうとした野原雅也(写真)を前受けの島川将貴が赤板過ぎに突っ張る。前団がもつれたところを森田優弥が反撃に出る。原田研太朗が踏み遅れて、森田が島川の後位に収まる。快調に飛ばす島川との車間を空けた森田が詰める勢いで追い込みにかかるが、5番手を確保していた野原が直線でイエローライン付近を一気に突き抜けた。
 「突っ張られたのも、それはないと思っていた。余裕はなくて、まずい展開だと思った。感覚は悪くないけど、レース内容と要所の動きが良くなかった」
 野原を懸命に追いかけた東口善朋が2着に流れ込み、近畿ワンツー決着となった。
 「(野原には)サマーナイトで離れて迷惑を掛けた。そこだけは外さないように心掛けた。サマーナイトのあとは、首のねん挫で欠場したけど、やれることはできた」

6R

選手の写真です。
中川誠一郎選手
 後ろ攻めから上昇した山本伸一を、前受けの眞杉匠が赤板過ぎに突っ張って逃げる。下げた山本は4番手に入り、7番手となった佐々木豪は打鐘の3コーナーからスパート。成田和也のけん制で佐々木は止まるが、中川誠一郎(写真)が自力に転じてその外を踏み上げる。力強く眞杉を抜き去った中川がそのまま先頭でゴールを駆け抜けた。
 「初手は中団からが理想で切った上をって感じでしたけど、突っ張ったのであの形になりましたね。かなりいいあおりを受けたのでキツかったですけど、なんと行き切れた」
 まくられながらも眞杉匠が2着に踏ん張った。
 「前からは考えていなかったですけど、けん制が入って取らされたので。前になった時点で突っ張ろうと思っていました。かなりキツかったですけど粘れたので。いい感じに仕上がっていると思います」

7R

選手の写真です。
太田竜馬選手
 打鐘で中近ラインを叩いた坂井洋がリズム良く風を切る。7番手の太田竜馬(写真)は、最終バック手前からまくって出る。中団の中西大は不発。あおりもあった太田だが、外を伸びて1着。
 「(7番手になって)遅れてしまったんで、仕掛けどころがなかった。(坂井に)うまく駆けられた。詰まったところもあったけど、自分のタイミングがなかった。(中西、菊地圭尚の接触で)バリバリってなったんでビックリしました。それでも届いたんで、脚は問題ないかと」
 中西が外を踏んで、最終2センターからインを突いた村上博幸は、直線で逃げた坂井と竹内智彦の間を伸びて2着。
 「最近は流れが厳しいんで、今日(初日)も正直、厳しいかなと。厳しかったけど、なんとか突っ込めて良かった。1着を取れるような動きだったけど、いまの若い選手、太田君が強かった。フレームを換えて今回が3場所目でやっとこういう感じかなとつかめたものがありました」

8R

選手の写真です。
宿口陽一選手
 赤板過ぎに切った渡邉雄太を黒沢征治が打鐘前に叩いて主導権を取る。渡邉が5番手に収まり、前受けから下げた河端朋之は8番手で最終ホームを通過。2コーナーからまくった河端は思うように車が進まない。番手絶好となった宿口陽一(写真)が直線で鋭く追い込んだ。
 「黒沢がどこまで行けるか。力強い先行だった。風が強いなか、僕自身は脚の余裕はあった。できる限りはと思っていたけど、渡邉君が強かった。(高松宮記念杯を優勝したあとだが)自信はないけど、僕は僕で頑張るだけ」
 最終3コーナーからまくった渡邉雄太は2着まで。
 「絶対、黒沢さんが行くと思ったので、先に切って中団を取れればと思っていた。河端さんが来ると思ったが、黒沢さんが掛かっていて、これは来ないなと。(仕掛けてから)今までで一番脚が回っていたんじゃないかと思うし、2着だけど、出し切れた」

9R

選手の写真です。
中本匠栄選手
 後ろ攻めから上昇した佐々木悠葵を前受けの新山響平が赤板過ぎから突っ張り、両ラインの連係が乱れる。もつれたところを瓜生崇智がスパート。新山がこれを合わせ切るが、中本匠栄(写真)のアシストで瓜生が後位に収まる。最終1センターで佐々木が落車し、山崎芳仁が巻き込まれる。さらに2コーナーでは鈴木竜士も落車。瓜生マークで3番手となった中本が直線で外を鋭く伸び切った。
 「ジャンで瓜生君が判断良く仕掛けてくれたおかげですね。自分は先に内へ入って迎え入れて、仕掛けてくれたので。渡部(幸訓)君は見えていましたけど、もう少し自分が締め気味に抜きにいければワンツーでしたね」
 落車を避けて九州コンビの後位にスイッチした渡部幸訓が2着に突っ込んだ。
 「前の2人が強いので、自分はもう山崎さんだけ見ていたんですけど。(落車は)想定外でちょっと対処が遅れてしまったんですけど、瓜生君と中本君のところかなって思ったんですが、瓜生君とスピード差があったのでコースを空くのを待ってから踏みました」

10R

選手の写真です。
清水裕友選手
 深谷知広以外は昨年末のグランプリと同じメンバー。脇本雄太、新田祐大の東京五輪組にも注目が集まったドリームを制したのは清水裕友(写真)。3番手確保からまくった松浦悠士が不発も、4度目のドリーム出場の清水が直線で伸びて南関勢をとらえた。
 「正直、(深谷が)相当掛かってた。これは(松浦も仕掛けて)行かないだろう思ってたら、行ったんですごいなって感じでした。なんとか1着が取れたけど、すごい掛かりだった。展開はどうあれ、このメンバーで1着が取れたんでうれしい」
 赤板2コーナー手前で先頭に立った深谷が、抜群の掛かりで逃げる。8番手から反撃に出た脇本は最終3コーナーでいっぱい。新田祐大は大外を回らされ、深谷を利した和田健太郎が2着に入った。
 「(前回の)サマーナイトの最終日もそうですけど、深谷君が気を遣ってくれている。いろんな展開をしのげて、初めて調子がっていうことを言えるんだと思います。深谷君におんぶにだっこの状態なので、調子がどうとかはまだ言えないですね」
 8番手の脇本雄太は最終ホーム手前から仕掛けるも、いつもの伸びが見られない。前団を脅かすまでには至らず、久々の競輪の実戦はシンガリに沈んだ。
 「自分のいまのコンデションと競輪から離れてたのもあって、どういう作戦でっていうのは想像がつかなかった。だから、自分が(仕掛けて)行きたいタイミングでと思ってました。深谷君は同じオリンピックを目指していた仲なので、同じトレーニングをしているから当然仕上がっていると。正直、今日(初日)のレースに迷いもありました。今日走ってみて、疲れがあるのも感じました。(2日目の予選2は)若い2人が相手ですし、せめて気持ちだけは負けないようにしたい」

1R

選手の写真です。
小倉竜二選手
 赤板の1センターで外の岩本俊介を制して、石原颯が踏み上げる。石原が勢い良く飛び出して、小倉竜二(写真)、橋本強は車間が空きながら続く。石原は早めにペースを上げて風を切る。一本棒の隊列は崩れず、4番手の稲毛健太、7番手の岩本は仕掛けられず最終バックを迎える。番手の小倉がゴール前できっちり交わした。
 「(石原は)普通なら内に包まれる感じでしたけど、うまく隙を突いて内抜け先行みたいな感じで器用な一面を見ましたね。どんどん掛かっていく感じで、タレて来る感じもなかった。スピードも落ちる感じじゃなくて、まくりづらい感じだったし強かった。自分の苦手な距離でしたけど、(最終)4コーナー回っても余裕はありました」
 稲毛、岩本をクギ付けにした石原颯は、四国ラインで上位独占を果たし鮮烈なGIデビューを飾った。
 「稲毛さんが突っ張って岩本さんが上に浮いたので、空いている真ん中だと思った。仕掛け的には良かったと思うし、冷静に走れた。シッティングでタレないように走れた。GIっていうだけで緊張はしますけど、お帰りしないことが目標だった」

2R

選手の写真です。
渡邉一成選手
 大石剣士にフタをした山田諒が、赤板1センターから仕掛けて渡邉一成(写真)を押さえて出る。渡邉が中団まで下げ切ると、タイミングを取っていた大石がカマシを敢行。山田も抵抗して坂口晃輔のけん制を乗り切った大石、岡村潤が最終2コーナー過ぎに出切る。が、脚をためていた渡邉がまくりで襲い掛かる。押し切り図る大石を地元の渡邉がとらえた。
 「結果は1着ですけど、今日(2日目)はカマシ風だったんでいいところで(大石に)カマされたんで失敗レースですね。山田君が来るのが遅かったんで、突っ張りたかったけど。平ってことで突っ張るタイミングがズレました。練習でもいつもゴールと思うところから、5メートルくらいあるんですよね。感触を確かめたけど、まだ違和感もあるので、3日目以降もいろいろ考えながらです」
 渡邉の加速力に佐藤友和は付いていけず、カマシ気味のロングまくりで大石剣士が2着に残った。
 「(最終)ホームでしっかりと山田君を叩けているので、感じはいいかなと思います。(練習を直前に)強めにやって来た時は、(初日が)重いんで、今日は初日に比べて全然良かった」

3R

選手の写真です。
井上昌己選手
 九州勢が打鐘手前で主導権を握り、吉田拓矢は4番手をキープする。7番手の竹内雄作が最終2コーナーからまくりを打ち、合わせるように吉田拓も3コーナーから踏み上げる。が、逃げる上田尭弥マークから後続との間合いを取っていた井上昌己(写真)が、余裕をもって抜け出した。
 「(上田は)距離は長かったけど、いいペースでいってくれた。車間を切って、何かできればよかった。VTRを見て反省点を探します」
 ソツなく井上に付けた小川勇介が、外を踏んで流れ込んだ。
 「前にすべて任せていた。(3番手で内を)締めるだけだと思ってました。自分は(前回より)今回の方が感触はいい。いつも通りに変わりなく、練習はしてきました」

4R

選手の写真です。
山口拳矢選手
 菊池岳仁が迷いなく積極策に出て、小川真太郎は抜かりなく中団をキープする。打鐘の4コーナーで仕掛けるかに思われた山口拳矢(写真)だったが、7番手に戻って最終ホームを通過する。2コーナーで踏み込んだ小川が前団をとらえるが、直線で外を伸びた山口が1着に届いた。
 「ちょっとスピードが出ていたので、(最終)2コーナーで行くよりも遅めの方が届くかなって思った。無理やり踏んだので、アタマまではどうかなって感じでしたけど。昨日(初日)がオフでちょっと思っている体の感じと違いましたね。でも、これで刺激が入った」
 4番手からのまくりで逃げる菊池を仕留めた小川真太郎が2着。
 「もう菊池君に先行してもらって、山口君を後方に置かないとレースは始まらないと思っていた。(最終)ホームから駆ける感じでしたけど、今日は先行が残っている感じだったので自分は早めに行かないとなと。自分の行けるタイミングから仕掛けました」

5R

選手の写真です。
和田真久留選手
 新山響平にフタをした佐々木豪が、外併走から打鐘過ぎに仕掛ける。前受けの和田真久留がペースを上げて、鈴木裕が佐々木をけん制する。柏野智典が連結を外して、強引に踏み上げる佐々木の1車を出させて和田が番手に入る。後方からまくった新山は不発で、和田が番手から追い込んだ。
 「後ろは信頼できる先輩2人だし、構えてもしょうがないので先行でいこうと。佐々木君が見えたんで突っ張ろうか考えている余裕もあった。1車っていうのがわかったんで、落ち着いてしまいました。初日は1レースで風もあったし、暑くて本来のパフォーマンスが出なかった。今日(2日目)はパフォーマンスが出ました」
 佐々木と息が合わずに5番手で脚をためる形になった柏野智典は、反省交じりに振り返るが、最後のコース取りがさすがテクニシャン。
 「結果として(佐々木)豪君はいいタイミングで行ったんですけど、合わせられたと思って見切ってしまった。連係を外してマズいことをしたなっていうモヤモヤで、気持ちを切り替えるのに時間が掛かった。そこからは一番力があるのは守澤(太志)君なので、守澤君が入ってくるコースを先に入っていきたいっていうのがありました」

6R

選手の写真です。
松井宏佑選手
 赤板で坂井洋が押さえると中団は清水裕友が確保し、前受けから引いた松井宏佑(写真)は7番手に。まだペースが上がらない中、打鐘で松井は反撃に出る。2センターで松井の主導権に代わると、追って清水も4コーナーから仕掛ける。グイグイ上がっていった清水だったが、最終2コーナーで阿部力也のけん制を受けてスピードが鈍る。外に浮いた清水は阿部をキメにいくも、4コーナーで清水を弾いた阿部が番手を死守。そのまま快調に逃げた松井が押し切って4、1着で二次予選へ。
 「(初手は)前か中団で、清水君が前を取らなかったら、僕が前受け。前を取って引いていけるところからと思っていた。坂井君が駆けていない感じだったので、いい感じで駆けていけた。全開じゃなくて、どこからでも反応できるように、モニターを見て、清水君がきたので合わせるように踏んだ。昨日(10日)は無理やり行って今日(11日)はじゃあ最後まで踏み切れるペースでって結果1着でよかった。北日本勢が付いていてくれて、僕も(出身が)北日本なので、大森(慶一)さんまでは決まらなかったけど、ワンツーできたのはよかった」
 ライン3番手の大森は直線で園田匠に押し込まれて踏み負けて続けなかったが、阿部力也はしっかり食い下がってワンツーを決めた。
 「松井がいいところで行ってくれた。強かった。出切っていいペースだったのに、(清水が)あのタイミングでくるとは思わなかった。さすがSSの自力。松井君のかかりがよかったおかげで(清水に)キメられそうになったのを凌げた。昨日、今日(10、11日)と3着、2着で決められているので悪いってことはない。G1は二次予選止まりなので、地元で決勝を目指して」

7R

選手の写真です。
深谷知広選手
 ドリームレースでも強さが光った深谷知広(写真)の独壇場。正攻法から誘導を残したまま7番手まで下がった打鐘前2コーナーからスパートしていく。中団から合わせて踏み込んだ島川将貴がモガき合いを挑んだが、4コーナーーで叩き切って深谷が主導権を握る。そのまま深谷はハイペースで飛ばし、山本伸一の反撃も3番手の外までがいっぱい。最後も力強く踏み直した深谷が佐藤慎太郎の反撃も振り切って押し切った。
 「前を取らされると思ったのですかさず引いて少しでも早く先行しようと思っていました。島川君との先行争いで消耗したんですけど、出切ってから後ろの慎太郎さんを信頼して自分のペースを守って踏みました。最後も自分の中ではしっか利と踏み直せました。久々にライン3人で決められたので良かった」
 番手無風の佐藤慎太郎だったが、2分の1輪差まで詰め寄るのがやっとだった。
 「ダッシュが鋭すぎるから付け切ってほっとしてしまいましたね。それで最後抜けなかったのかも。今日(11日)は1着取りたかったんですけどね。深谷君が強かった。緩む所もなかったですし、最後も踏み直していたので」

8R

選手の写真です。
新田祐大選手
 近畿ラインを受けた新田祐大(写真)は、後方の根田空史を警戒しながら4番手で前との車間を空ける。脇本勇希もペースを上げて逃げるが、格と力の違いで、新田が車間を詰めた勢いで最終1コーナーで叩いて駆ける。別線に反撃の隙を与えず新田が押し切った。
 「基本的には理想通りでした。初日(ドリームレース)はタイミングがあったのに逃してしまったり、オリンピックでも同じようなミスもしました。だから、一次予選の2走目は自分のタイミングが来たら、必ず仕掛けたいなっていう気持ちがありました。彼ら(脇本勇気、根田空史)の持ち味を出すようなレースにならなければ、自分の持ち味が出せるかと思っていた。(仕掛けは)強引だったけど。(東京五輪直後で)時差ボケじゃないのに、時差ボケのような感じがある。1日ゆっくりして、また3走目をしっかりと走れるように調整したい」
 新田ライン3番手の菊地圭尚は最終バックでいっぱい。佐々木雄一は新田を半車身まで詰めての2着。
 「もう新田の後輪だけを見て、離れないようにと。(新田は)タイミングを取ってたけど、詰まってきたんで無理やりその勢いで行った感じですね。付いていくのに精いっぱい。どこまでいっても抜けない」

9R

選手の写真です。
稲川翔選手
 脇本雄太が打鐘2センターで取鳥雄吾を叩いて先行勝負に出る。稲川翔(写真)、松岡健介までラインで出切って、4番手には切り替えた桑原大志。後方となった森田優弥も最終ホームから渾身のまくりを放ったものの、3番手の外までがいっぱいで3コーナーで後退していく。最後は脇本をギリギリで交わした稲川が勝利。帰ってきた近畿の大エースとのワンツー決着に感無量の面持ちで一戦を振り返った。
 「(脇本との連係は)めちゃくちゃ緊張、集中、感動した。2日前までオリンピックを走っている選手が自分の前を走っているのがうれしかった。オリンピックをはさんだが、何回も連係をしてきている。自分のやるべきことをやってと。抜ける感じはしなかったが抜けた。(一次予選2は)しっかり集中して走ることを第一に。結果抜けているので、それは自信になる。(もっと上での連係?)そのつもり。明日(12日)しっかり休んで、明後日(13日)勝負できるように」
 逃げた脇本雄太は2着。上がりタイムも11秒3なら立て直せたと言って良さそう。
 「前受けは作戦でも出ていた。自分の決まった通りの動きはできた。結果以上に今日(11日)のレースで得たものはある。(疲れは?)それ以上に(競技用との)自転車の違いが出ていた。今日(11日)、自転車を煮詰め直して、ほんの少しだけど、日本の競輪になじめた。体の疲れは残っているので、明日(12日)しっかりとケアしたい」

10R

選手の写真です。
古性優作選手
 オリオン賞は、赤板経過と同時に前団を押さえた寺崎浩平が先手を奪取。諸橋愛が4番手に入り、山崎賢人と皿屋豊は後方でモツれる。これで寺崎のペースとなって流れは近畿勢に。古性優作(写真)はすぐさま車間を切って後続からの反撃に睨みを利かす。最終ホームからまくった山崎は諸橋の外までで、ゴールまで余裕を持って抜け出した古性が勝利を奪った。
 「もう寺崎君に全てを任せていたので。いろんなパターンを想定していましたけど村上(義弘)さんも内を締めてくれていましたし、寺崎君も強かったので。(3人で決められなかったのは)自分の技術不足ですね。バンクは軽いんですけど、周回中は体が重く感じた。でも走りだしたら違和感なく走れたので悪くない」
 寺崎はゴール前で失速してしまったものの、2着にはライン3番手の村上義弘が入って近畿ワンツー決着。
 「前の2人に全て任せていたので。前回に比べたらいいと思います。寺崎君がいいピッチで駆けていったので3コーナーで自分がどこを踏むかでしたけど、諸橋君がいいスピードで来たので一瞬、食われたかと思いました」
 上手く近畿勢を追った諸橋愛だったが、3着まで。
 「今日(11日)は余裕があれば(まくりに)行きたかったんですけどね。古性君に睨まれてしまって動けなかった。普段自分もやっていることなので。蛇に睨まれた蛙になってしまいましたね。3コーナーで行きたかったですけど、山崎君が当たれない場所にいて踏むに踏めない感じでしたね」

11R

選手の写真です。
佐藤水菜選手
 赤板過ぎには6番手にポジションを取った佐藤水菜(写真)は、前団の様子を落ち着いてうかがい、その時を待った。石井貴子の先行で最終ホーム手前から5番手の山原さくらが仕掛ける。山原を追った佐藤は、その上を1センターから踏み上げる。梶田舞、久米詩、山原とのまくり合戦を大外からのみ込んだ佐藤が1着。後続をちぎって力の違いを見せた。
 「前々回のサマーナイトの反省を生かして、1着を取れるところから全開で行こうと思ってました。強い選手の後ろから仕掛けたい。モガき合いのところを仕掛けたいっていうのがあったんで、(最終的に)小林選手のところに入れました。サマーナイトリベンジを果たせた気がします。4車併走っていうのも頭に入れてたんですけど、このレベルだとヤバいっていう焦りもありました。ただ、一番外は有利だっていうようにプラスに考えました。出切ってからは、脚が回っていた。サマーナイトでは後ろの2人に抜かれたんですけど、後ろがいないことがわかったんで勝利を確信しました」
 赤板から佐藤後位にいた小林莉子は、離された2着に肩を落とす。
 「もうメンタルがボロボロです。今日は絶対に(佐藤が)前にはこないと思っていたんですけど…。自分の前に入ったってことは、抜かれない自信があるからですよね。こっちは(3場所前の)サマーナイト、(前々回の)平塚って同じ感じで負けていたので、今度こそって思って走ったんですけど。めちゃめちゃ悔しいですね。自分は前に離れたことは、そんなにないんですよ。でも、終わってから(佐藤の上がり)タイムを見たら11秒7でした。あの登りを行って、そのタイムですからね。悔しいけど強すぎました」
 2番手から合わせてまくった梶田舞は、佐藤、小林の2人にいかれて3着。
 「ジャンから動きがなかったのは、計算違いですね。3着以内に入れたけど悔しい。優勝したかったです。前々、3番手以内にいられればと思っていましたけど」

1R

選手の写真です。
山田庸平選手
 打鐘の3コーナーで同期の菊池岳仁を叩いた寺崎浩平が先行策。河端朋之がその上を襲い掛かるが不発で、河端に遅れ気味だった小川真太郎は中近ライン後位に降りる。逃げる寺崎との車間を空けた浅井が上田尭弥のまくりをけん制すると、小川はインを突くが浅井が対処して追い込む。抜け出した浅井を上田に乗った山田庸平(写真)がシャープに伸びて交わした。
 「一番強い寺崎君が駆けていたので、外は無理だと思った。浅井さんを見ながら、コースを踏みました。2着以内までにはって感じだと思っていたし、今日(一次予選2走目)が一番勝負どころになると思っていました。セッティングを戻したら良くなりました」
 4番手に切り替えた鈴木竜士は、最終2センターで最内を狙うが詰まって万事休す。鈴木後位の河村雅章が直線で中を伸びて3着。
 「形的には良かったですけど、小川君が降ってきたのが想定外でした。苦しい感じになりましたね。(鈴木)竜士が内に行ってコースはふさがっていたので、外しかなかったですね。伸びたというより無理やり踏んだ感じです」

2R

選手の写真です。
小倉竜二選手
 4番手の渡邉一成が関東勢との車間を大きく空けてけん制するが、7番手の太田竜馬が打鐘手前から仕掛けて主導権を奪う。最終ホーム手前で四国ラインの3車が出切る。内を進出した渡邉は詰まり、4番手を長島大介がキープする。が、太田の掛かりが良く、別線は仕掛けられずにバックを通過する。絶好の展開を小倉竜二(写真)がモノにして、一次予選を連勝で終えた。
 「展開に恵まれましたね。(太田は)仕掛けるタイミングが悪かったけど、力でねじ伏せた感じです。少し距離が長かったんでタレてはいた。誰かまくってきたら止めようと思ってた。でも、太田君の粘りで(ラインで)ワンツースリーで決まった。展開がいいけど、(2走ともに)抜けているんで調子はいいと思います」
 別線を完封した太田竜馬は3着に沈んだものの、内容のある積極策でラインを上位独占に導いた。
 「(渡邉の動きが)ちょっと読めなかった。ただ、出足の感じは良かった。自分が仕掛けられさえすれば、小倉さんがいるんでどうにかなるかなと。いつもより余力はあったんですけど、(平は)直線が長いですね」

3R

選手の写真です。
村上義弘選手
 菅田壱道が切った上を野原雅也が押さえて出て先行態勢を取る。後続を一本棒にした野原が、うまくペースを握って駆ける。4番手の菅田は最終2コーナーからまくるも南修二の横まで。番手の村上義弘(写真)が、後続とのスピードを確かめながらきっちり抜け出した。
 「(野原)雅也が気風よく駆けてくれて、(南)修二も後ろを固めてくれた。ライン3人で決めたかったですけど。(野原は最終)バック追い風のスピードに乗っていた。あとは(別線の)来た選手を止めたいなと。体調を崩して不安もあったけど、あと3日間、できることを一戦、一戦やりたい」
 岩本俊介が仕掛けられず、松谷秀幸は最終バックで8番手。3コーナー過ぎから内を進んで、直線では中のコースを鋭く伸びた。
 「ここに来る前に師匠(佐々木龍也)が野球にたとえて、最終バック、2アウト、ツースリー、満塁、内いくか、外いくか、考えておけと。(バック8番手の)最大のピンチでいいところを行けた。今日(12日)は選択を間違っていない。道中は余裕もあった」

4R

選手の写真です。
三谷竜生選手
 スタートけん制により再発走となって、後方から上昇した吉田拓矢が中西大に併せ込んで赤板を迎える。外併走から踏み上げた吉田が先頭に立つが、中西が強引に叩いて主導権。7番手の山田英明は最終2コーナーからインを踏み込む。逃げる中西との車間を空けた三谷竜生(写真)は、詰める勢いで踏んで直線半ばで抜け出した。
 「再発走になってしまったのは申し訳なかったですけど、中団を取れたのは理想的でした。中西も初日に失敗していて、今日(12日)は先行してどこまで残れるかって感じだったのでサポートできればと思っていました。ヒデさん(山田)の動きは見えなかったですけど、(中本匠栄が)外に見えたのでもしかしたらと思った。冷静に走れていますし、調子はいいと思う」
 中団の吉田が前との車間を空けて、7番手に置かれた山田英明は窮地に陥る。山田は最終2コーナーからインを中団まで押し上げて直線で伸びた。
 「本当は吉田君を突っ張りたかったんですけど、ダッシュが良くて出られてしまった。脚を使っていたので、外を行く脚は残っていなかった。でも、自分が1車でも前に行ければ、後ろにもチャンスがあると思って行けるところまではと思って踏みました」

5R

選手の写真です。
宿口陽一選手
 赤板で内から宿口陽一(写真)、石原颯、皿屋豊の3つのラインが踏み込む。真ん中の石原が出て皿屋を突っ張るが、阿竹智史は連結を外す。番手に入った皿屋をインから盛り返した宿口が張って、打鐘過ぎに石原の番手を奪取する。逃げる石原の後ろは、宿口、永澤剛、伏見俊昭で追走。5番手からまくった皿屋は一息で、最終バック手前に番手からまくって出た宿口が1着。
 「踏み遅れないように中団にいられればと思ってたけど、踏み遅れないで石原君の番手に。あそこは踏んでおいて良かった。石原君は早い段階から駆けて掛かってた。最近は後ろのレースが増えているけど、自分が前の時に頑張っていかないと番手も回れない。関東でしっかりと連係するためにも、自分が前の時にはそれ相応のレースをしないとっていうのがあります」
 2着に流れ込んで汗をぬぐう永澤剛は、前を委ねた同期の宿口に感謝しきり。
 「ただ付いているだけで2着に入れました。(宿口は)どこまでいくのかとっていうのがあった。自分はちぎれるかと思ってドキドキしました。絶好の展開で差せてないし、(宿口が)強いですね」

6R

選手の写真です。
柴崎淳選手
 山田諒の上昇に合わせて踏み込んだ南潤が赤板過ぎに先手を奪取。そのまま山田を出させず駆け出していく。山田は中団の外にへばりついてなおも抵抗するが、レースは完全に近畿勢のペース。番手の古性優作が前との車間を切って万全の態勢かと思われたが…。山田との連結を外して最後方まで下がった柴崎淳(写真)の最終バックまくりが炸裂。絶好調時を思い出させる快速で駆け上がっていくと、4コーナーから踏み出した古性をゴール寸前で捕らえて1着を奪った。
 「南もやる気だろうし、あの並びで、今日(12日)みたいな感じになったら、態勢を立て直していけって(山田に)言ってあったんですけど、作戦と違いましたね。あのまま、外でも厳しいので、自分の脚を信じて立て直していこうと。(スピードはよかったが?)自分でもわからないけど途中まではよかった。古性が出た時は合されていましたね。(勝ち上がりの)ポイントとかじゃなくて、久々のGIでどこまでできるか。そのあとに結果ですね。楽しめて走れている」
 ゴール寸前で勝利を逃した古性優作だったが、オリオン賞を勝っているだけに、準決勝フリーパスのシャイニングスター賞へ勝ち上がり。
 「潤が思っているように走ってもらってあとは自分がどう援護するかだった。山田君がちょうど小松崎(大地)さんの外にいる感じで、もっていきすぎずに小松崎さんが仕掛けられないようにしていた。淳さんが打鐘で整えているのはわかったので、ああなったら、飛んでくるのは想定していた。見えてなくて(前に)踏んだが、そこはスキでしたね。潤も頑張ってくれていたので、判断が難しかった。連日、前の選手が頑張ってくれているおかげ。強い後輩がいっぱい出てきてうれしい。自分の先頭の時は先輩に信頼してもらえるように頑張りたい」

7R

選手の写真です。
山崎賢人選手
 オリオン賞は6番手併走からまくるも不発に終わった山崎賢人(写真)だったが、2走目は違った。大石剣士、竹内雄作と切った上を叩き行こうとして竹内に突っ張られ、またも中団で大石と併走になるが、しっかり大石をキメて4番手を確保。落ち着いて最終バックから仕掛けて前団を飲み込んだ。
 「竹内さんが叩いた所をすかさず行きたかったんですけどね。あおりもあっていけなかった。大石君も中団にいて注意力散漫でしたね。ちょっと遅れていたので中団に入って。車の出は良かったと思います。1走目は体が重かったんですけど、今日(12日)は良かったですね」
 成田和也が内をすくって山崎の番手を奪うが、山崎のダッシュに離れ気味。竹内の逃げを利した志智俊夫が2着に入った。
 「今日(12日)はモガき合いを覚悟してました。雄作が結構早くからいいペースで踏んでいったんで。3コーナー前に後ろを確認したら踏んでくる気配がなかったんですけどね。山崎君のスピードが良くてビックリしました。気づいたら前にいました(苦笑)」

8R

選手の写真です。
和田健太郎選手
 山口拳矢が赤板2コーナーで先頭に立つと、黒沢征治は7番手で車間が空いて打鐘を迎える。詰める勢いで黒沢が反撃に出ると、山口もペースを上げて逃げる。吉田敏洋に振られた黒沢だったが、最終2コーナーで山口をとらえる。付けた和田健太郎(写真)が抜け出して、4月西武園記念以来の白星を挙げた。
 「(黒沢には3月の広島で行われた)玉野記念(二次予選)で付いたけど、その時よりも強くなっている。レースも見ていた、でも、レースで一緒に走ってさらに肌で感じた。初日もそうだし、今日(12日)も前の力。あとは固めてくれた(中村)浩士さん。1着もかなり久しぶりなので、うれしいですね」
 巻き返すタイミングが遅れた黒沢征治は、結果的にはロングまくりで2着に粘り、千葉勢と上位独占を果たした。
 「山口君は脚があるんで切った時にスピードが上がって、自分が立ち遅れてしまった。それで中途半端な仕掛けになったけど、踏んだ以上はっていうのもあったんで強引にいきました。まくりにいって焦って踏んでしまうこともある。でも、今日(12日)はきれいに回せた。それ(ラインでの上位独占)が一番うれしい」

9R

選手の写真です。
平原康多選手
 後方から眞杉匠が率いる関東勢が上昇気配を見せると、合わせて渡邉雄太に、前受けの松本貴治も動き出す。中団の渡邉から執拗なけん制を受けた眞杉だったが、赤板2コーナーからの山下ろしを使って一気に踏み込む。打鐘3コーナーで眞杉の主導権と変わり、叩かれた松本が4番手、渡邉は6番手の一本棒となって最終ホーム。眞杉は快調に飛ばしたが、渡邉が2コーナーまくりで襲い掛かる。迫る渡邉を引き付けた平原康多(写真)は2センターで1回外に振ってからタテに踏み込んでしっかり1着を奪った。
 「後ろ攻めになったのである程度、ああなるなと。眞杉が踏まされて厳しくなりましたけど、向こうもそうするしかないのである程度想定はしていた。初日(ドリームレース)は参考外で何もわからなかったが、今日(12日)はいいとかではないが、ある程度やれることはやれるなと。悪ければ、今日(12日)1着を取れていない。付きバテするような眞杉のペースだったので。底ではない」
 前を任せた松本の失格は痛恨だったが、5番手で脚を溜めた池田憲昭が3コーナーから空いた内を突っ込んで2着まで伸びた。
 「前を取って雄太がきたら、突っ張っていこうと。余裕はありましたね。そこそこ戦える。(平は)直線が長いので(自分に)合っている気がする」

10R

選手の写真です。
松浦悠士選手
 まさに松浦悠士(写真)の大名レース。赤板で瓜生崇智が切りに来るが、前受けの町田太我は突っ張る。そのまま前に出た町田は打鐘あたりからペースアップ。4番手確保の鈴木庸之は仕掛けられず、瓜生のまくりも不発となって最後の直線へ。町田との車間を切った松浦は、踏み出してくる鈴木との間合いを図りながら踏んで完勝だった。
 「(町田は)スタートで誰も出なければ前を取って突っ張る感じでしたね。信頼していました。めちゃくちゃかかっていました。誰も来れないだろうなって感じでした。バックくらいからスピードが落ちてくるかなって思ったので、車間を空けて。今日(12日)はもう1着しかないと思っていたので。ドリームで負けた時点で。感触はドリームの時よりも良くなっているので楽しみですね」
 強い内容で2着に逃げ粘った町田太我は改めて破格のパワーをアピール。
 「前を取って突っ張るつもりでした。感触はバッチリでした。でも審議になってセーフで良かったです。感触は良いと思います。(平の直線は)長いですね。弥彦くらい長く感じました。必死でしたけどワンツー決まって嬉しい」

11R

選手の写真です。
児玉碧衣選手
 スタートを制した石井寛子が、石井貴子を突っ張り、最終ホームでは太田りゆ、高木真備が襲い掛かり4車の激しい踏み合い。小林優香も外を踏むが、その小林を制すように児玉碧衣(写真)が俊敏に反応。2コーナーで迷わずまくりを敢行する。児玉に付け直した小林が追いかけて、バックを過ぎて福岡両者、同門の一騎打ち。直線でも児玉のスピードは鈍ることなく、上がり11秒3の好タイムで危なげなく2度目のドリームを制した。
 「(外にいた太田を)このメンバーで1車下げるのは厳しいと思っていたんで、絶対に入れないっていうつもりでした。スピードが上がっていくから、外は自然といなくなるかなっていうのがありました。(レースを)振り返ってもあまり覚えてないんで、流れに身を任せて動いていたんだなって。ゴールした時は、グランプリかって思うくらいウルってきて、めちゃくちゃうれしかった。(これまでは)いつも勝たなきゃっていうのがあって、楽しむことを忘れていた。今回は早く走りたいって、楽しめたと思います。(ドリームでは)去年、一昨年と名古屋ではゴール前で差されて(2年連続で)2着だった。それとサマーナイトからの自分を見ていただいてもいたんで、やっぱり児玉だなって思っていただければ。(前回の)静岡の時はカマしたかったけど、自信がなかった。でも、今回で自信を取り戻せたと思います」
 東京五輪出場もあり、ガールズケイリンとしては今年初のレースだった小林優香が2着。
 「いまやれる全力っていうのは出せたかなと思います。競輪用の自転車にも乗ってなかったし、ギアもセッティングも(東京五輪の時とは)違う。優勝ができなかったところは課題だけど、(いい)リスタートはできた」
 最終ホームでの4車の踏み合いには勝った高木真備だったが、児玉、小林に行かれて、大きく離された3着。
 「(勝負どころでは)来た人を全員突っ張りたいと思ってたんで、突っ張っれたのは良かった。でも、結果的にはまくりごろになってしまった。でも、いつもだったら、あのまま太田さんに出られていたと思う。これで気持ちの部分で吹っ切れたところもあったんで、そこは収穫でした」

5R

選手の写真です。
井上昌己選手
 押さえて出た野原雅也は、赤板2コーナーからペースを上げる。後方から巻き返した黒沢征治は、5番手に降りて打鐘を通過する。そのまま野原が駆けて、3番手を確保した山田英明は車間を空けて態勢を整える。渡邉雄太に踏み勝った黒沢が5番手で最終回。車間を詰める勢いで山田がまくり追い込むが、稲川翔が大きく外に振る。空いたコースを踏んで井上昌己(写真)が抜け出した。
 「野原君がジャンから結構踏んでたんで、展開が良くなったと思ってた。稲川君のブロックがすごくて、普通だったら(山田と)ワンツーのイメージだったけど、競輪だから仕方がないですね。自分はまっすぐ踏んだだけなんで、(感じは)なんとも言えない」
 最終バックからまくった黒沢も、稲川のブロックのあおりを受けて外を回らざるを得ない。冷静に追い込んだ諸橋愛が2着に入った。
 「(最終)ホームでも詰まってたんで、途中、途中2回くらい切り替えるようかと思った。でも、まぁ良かった。4コーナーでもう1回チャンスがあればと。(稲川のブロックでもつれて)あれが意外だったけど、自分には良かった。なによりもいいのは3走して、そんなに疲れてないこと。(準決も)1走目くらいのコンデションで戦えると思う」

6R

選手の写真です。
松岡健介選手
 後ろ攻めの吉田拓矢が赤板過ぎに押さえて先頭に立つ。小松崎大地が中団に収まり、前受けから7番手に下げた寺崎浩平は2コーナーから反撃に出る。抵抗する吉田を寺崎が最終ホームで叩いて逃げる。ライン3車で出切って近畿勢のペース。番手絶好となった松岡健介(写真)がチャンスをモノにした。
 「中団の様子はわかっていた。(ラインの)3人で決められなかったのは技量不足。今日(4日目)は余裕があった。(コンディションは)悪くないですね」
 近畿ライン3番手の村上博幸が、直線で中を割って松岡に鋭く詰め寄った。
 「寺崎がいいところで仕掛けてくれましたね。自分は間合いを見ながら走れた。コースを見極めてラインで決まるようにと。後ろの動きが見えていたので、松岡さんに詰め寄らないと、勝ち上がれないと思って踏んだ」

7R

選手の写真です。
渡部幸訓選手
 後ろ攻めから早めに動いて切ろうとした浅井康太を前受けの長島大介が赤板過ぎに突っ張る。そこを町田太我がすかさず叩いて先行策。4番手に長島が収まり、6番手に浅井、山崎賢人が8番手の態勢で打鐘、最終ホームを通過。別線はなかなか仕掛けられない。2センターから踏み込んだ長島のスピードをもらった渡部幸訓(写真)が、直線でシャープに突き抜けた。
 「長島君は勢いもあって強いので、チャンスはあると思っていました。道中は余裕はなかったですけど、踏んでくれたおかげ。自分でもあそこまで伸びてビックリです。3走した中で今日(4日目)が一番良かったですね」
 4番手確保から懸命に踏み込んだ長島大介は、3着で準決に進出。
 「町田君の先行に乗っかろうと思っていたので。もう町田君以外は出さないつもりでした。早めに来てくれたので脚をためられました。町田君が強くて苦しかったですけど。誰も来なかったのでギリギリまで待ちました。位置を取って最低限のレースはできたと思う」

8R

選手の写真です。
中川誠一郎選手
 根田空史を押さえた山口拳矢がペースを握る。根田が3番手に引くと、清水裕友が追い上げて打鐘の3コーナーで併走になる。隊列が短くなったところを中川誠一郎(写真)がカマして最終回へ。熊本コンビが出切り、山口が3番手に飛び付く。5番手の清水は絶妙な山口の間合いに動けない。車間を詰めながら山口が追い込むが、中川が押し切ってシリーズ2勝目を挙げた。
 「あそこは(山口が)ペースで駆けていても、自分はまくれないと思ったんで仕掛けるしかないかなと。(中本)匠栄の前を回っているので、形をつくらないとっていうのはありました。(脇本雄太、新田祐大の五輪組が競輪に復帰して)ベストメンバーがそろったんで、自分も気持ちが入ったし、だいぶ前向きになりました。(脚の感じも)1着なので悪いってわけにはいかない」
 中川のカマシを受けて3番手に入った山口拳矢は、最終3コーナー過ぎから車間を詰めて踏み込む。中川に逃げ切りを許したものの、2着で二次予選をクリアした。
 「1回、前に出ないと勝負権がないので、そこからはモニターを見てました。駆けた瞬間、脚が痛かったけど、なんなんですかね。アップの最中は問題なかった。(中川が来て)2車だったんで、しっかりと踏んで回せるところまで詰めた。脚も残ってなかったんで、ちょっと届かなかった」

9R

選手の写真です。
守澤太志選手
 赤板過ぎに切った柴崎淳を眞杉匠が押さえて出る。前受けから8番手まで下げた太田竜馬は2コーナーから踏み上げるが、眞杉がしっかりペースを上げる。中団の4番手を和田真久留と追い上げた太田で取り合う形に。快調に飛ばす眞杉の番手で絶好となった守澤太志(写真)が、しっかり勝ち切った。
 「(眞杉は)ホーム、バックは強烈で最後はタレてきたけど、長い距離を行ってくれていますからね。眞杉君が強くてなにもしていない。あれだけ行ってくれて、成田さんのコースもつくってワンツースリーはうれしい。せっかくドリームに選んでもらったのに2走、不甲斐なかった。眞杉君のおかげだけど、1着を取れて良かった」
 ライン3番手の成田和也が、中を鋭く伸びて守澤に詰め寄った。
 「自分は守澤と眞杉君のおかげで恵まれた。すごい掛かっていましたね。眞杉君が掛かっていて守澤も余裕がありそう。あとは自分がどうするか。自力選手がいっぱいで、ゴールまで気を抜けなかった」

10R

選手の写真です。
脇本雄太選手
 7番手まで下げた脇本雄太(写真)が、赤板の2コーナーからスパート。これに合わせて松井宏佑が5番手から踏み上げる。脇本マークの三谷は離れて、松井が最終ホームで脇本の後位にはまる。三谷は懸命のリカバリーで3番手を確保。南修二を弾いて4番手に飛び付いた鈴木庸之だが、前の3人に大きく離されてしまう。最後まで力強く踏み切った脇本が、今年初勝利を飾った。
 「雨で走りにくいし、雨自体、昨年の高松宮記念杯の初日以来だと記憶しています。後輪は滑るし、コンディションが難しいが、車がなじんできて疲れはあっても心の余裕はある」
 脇本との連結を外してしまった三谷竜生だが、3番手から中を割って2着。近畿ワンツーを決めた。
 「ちょっと離れてしまって申し訳なかったです。踏み出しは付け切れたんですけど、併走になってしまったところで技術がなかったですね。キツかったです。離れてからリカバリーして2着なので状態的には悪くないと思います」

11R

選手の写真です。
古性優作選手
 単騎の平原康多が勢い良く切ったところを、南関コンビが出て打鐘手前で主導権を握る。平原が3番手、4番手に古性優作(写真)が続いて、松浦悠士を制した新田祐大が6番手。後続を一本棒にして深谷知広が逃げて、最終ホームを迎える。8番手から松浦悠士がまくりを打ち、古性は4番手から2コーナー手前で踏み上げる。逃げる深谷をとらえた古性が、村上義弘を連れ込んで1着。
 「とにかく自分が一番弱いんで、レースをつくって動かしてと思ってました。雨がキツくてどうなっているのかわからない状況だったけど、落ち着いて走れました。(村上と)なんとか決まって良かった。1、2走目が後輩の選手が(前で)頑張ってくれて、久しぶりの自力で走った。(自分の状態は)雨が強くてわからないっていうのが一番にありますけど、まくり切れたんで良かった」
 直線勝負で古性に迫った村上義弘は、半車輪差の2着。
 「(古性に)全部任せていた。(付いていて)本当に勉強になりました。組み立てに隙がないので、超一流の選手に育ったんだと思いました。自分は(古性)優作の後輪だけを見て、それだけに集中していた。優作もしっかりと踏み直してたんで、抜かせてくれませんでした。長丁場で疲れもあるけど、オールスターっていうことで気持ちは充実しています」
 6番手で新田ともつれた松浦悠士は、8番手に下げて置かれるも最終ホームからのロングまくりで3着に届いた。
 「優作の3番手に新田さんも行くような感じがあったので、僕も踏んだ。内に差していたけど、あれ以上行くとスリップしてコケてしまう。だから、事故になるよりはと思い、引いてすかさず行こうと。新田さんに合わされるかと思ったけど、かぶせられたし、踏み出した感触は良かった」

5R

選手の写真です。
町田太我選手
 渡邉一成が鈴木庸之を突っ張るが、そこを山田英明を押さえて出る。8番手の町田太我(写真)は赤板2コーナーから巻き返して、最終ホーム手前で主導権を握る。阿竹智史が懸命に続いて中四国ライン2車が出切り、3番手に山田。後方の渡邉は前が遠く、3番手の山田も車間を詰めながら追い込むが、ゴール前は町田と阿竹の勝負。タイヤ差で町田が押し切ってGI初勝利を飾った。
 「ちょっと(山田ラインに)乗っかるのが遅かった。しっかりと付いていった方がスムーズに出られた。失敗でした。(山田)英明さんがイン切りみたいに待つような感じだったんでラッキーでした。運が良かった。(初めてのGIで)レースはできていると思います。だけど、(シリーズ4走目で)疲れてます。全部、先行してるんで、キツいけどあと1日で最後ですから。(GI初勝利は)素直にうれしい。ラインでのワンツーが一番ですね」
 ハンドルを投げた阿竹智史だったが、わずか及ばずの2着。
 「ヒデ(山田)が1回叩いたところをワンテンポ遅れて(町田が)行った。自分はヒデの動きも気になった。結果、逃げ切りで(町田が)強かった。(4走)すべてが番手戦で、もっと余裕をもって周りを見られるようにならないと」

7R

選手の写真です。
山崎賢人選手
 渡邉雄太が赤板の2コーナーから一気に踏み込んで主導権を取る。7番手となった山崎賢人(写真)は、打鐘の2センターからロングまくりで襲いかかる。最終2コーナーで渡邉を抜き去った山崎がそのまま後続の追撃を振り切り、シリーズ2勝目を挙げた。
 「ちょっと立ち遅れてしまいましたね。結果的に(最終)ホームからの仕掛けになってしまいました。構えるとダメだと思っていたので。最後は気配も感じましたしいっぱいでしたね。(二次予選で敗退して)このままじゃダメだなって。あとあと良くないと思ったので初心に返って先行しようと」
 まくった山崎のラインを追いかける形になった柴崎淳が、直線で香川雄介を交わして2着に。
 「理想は山崎君(ライン)の後ろからだったんですけど逆になってしまった。渡邉君のダッシュが良くてちょっと口が空いちゃいましたね。ちょっと詰まった時にもう来たので終わったかと思ったんですけどね。反応できましたし、あそこまで迫れた。山崎君のカマシですからね」

8R

選手の写真です。
東口善朋選手
 清水裕友が勢い良く出たところを、寺崎浩平がさかさず叩いて近畿ラインが主導権。4番手に入った清水は打鐘の4コーナーから再度仕掛けるが、野原雅也が清水をブロックして清水は後退。今度は6番手の小川真太郎が、最終2コーナーでまくりを打つ。小川がスピード良く迫ると、逃げる寺崎との車間を詰めながら野原が外にけん制する。中のコースが大きく空いて、東口善朋(写真)がそこを突き抜けた。
 「すべて寺崎君と野原君の力のおかげです。(打鐘の4コーナーで清水が来たが)このメンバーだったら誰が来てもおかしくないと思ってた。そのあとも(小川のまくりを張った野原は)戻ってくると思ったら、もう1回いったのか引っかかったのか、雨だったし自分もこの辺だろうなっていうので踏んだ。(自分の感覚は)もう少しスムーズに欲しいけど、1着が取れたんで」
 インを進出して打鐘で6番手まで押し上げた鈴木裕は、清水が不発になると4番手を確保する。最終2センターで外に持ち出して、直線でシャープに伸びた。
 「(寺崎と清水で)十中八九、やり合うんじゃないかと思って作戦を立てていた。(最終)バックでまくれれば良かったけど、まくったら小川君みたいになっていたかもしれない。小川君もいい勢いで来ていたんですけどね。自分は野原君がもっていって、そこを目がけて吸い込まれるようにいった」

9R

選手の写真です。
成田和也選手
 赤板の2コーナーで切った吉田拓矢を、すかさず深谷知広が叩いて逃げる。追い上げた山口拳矢が4番手をキープ。後方となった松浦悠士が最終ホーム前から踏み上げると、合わせるように山口が2コーナーからまくるが、深谷の掛かりは良く、佐藤慎太郎の外で勢いが止まる。最後はライン3番手の成田和也(写真)が、直線で中を割って突き抜けた。
 「(ラインの先頭は)深谷君なので、持ち味を出して納得いくレースをしてくれれば。それであとは自分がどれだけ付いていけるか。初日に久々の競走で重くてまずいと思ったけど、そこから落ち着いていった」
 番手絶好の展開から追い込んだ佐藤慎太郎は2着。
 「(ライン3人で決まり)良かった。深谷が強くて、ライン3車の後ろを考えたレースをしてくれた。踏み直しもしっかりしていた。2走目に(深谷を)抜けていないので、今日(5日目)は抜きにいったところを深谷に合わされる形で、成田がいいところを伸びましたね」
 逃げた深谷知広は3着。今年3度目のビッグ優出を果たした。
 「どこからでも先行、相手がどうでも、どう出ても、行ける位置から行くと。それができて良かった。(後ろは)地元(の選手)で、よくお世話になっている先輩。しっかり先行して決められて良かった。先行選手として、先行でライン全員が勝ち上がれたのは良かった」

10R

選手の写真です。
守澤太志選手
 赤板の2コーナーで切った松井宏佑を新田祐大が打鐘過ぎに押さえて主導権を握る。前々に踏んだ古性優作は阿部力也をさばいて3番手の位置を奪う。新田が絶妙なペースで駆けて別線は沈黙。番手で絶好となった守澤太志(写真)が、しっかり車間を空けてから追い込んだ。
 「新田君がうまく走ってくれました。やっぱり長い距離を行ってくれたので余裕はありました。新田君が強かった。古性君が3番手に入ったのがわかったので内は空けられないし、車間を切るしかなかった」
 2着の新田祐大は、力強い逃走劇でレースを支配した。
 「地元ですし、なった位置からしっかり仕掛けようと。僕と松井君だけじゃなく、古性君の動きも想定していたので、どこから仕掛けるかでレースが難しくなるか簡単になるかなって、走る前に考えて後手後手になって構えるよりも仕掛けるところで仕掛けようと。そう思ってスタート台に立てたのが、レースの組み立てにつながった」
 古性優作は、強気に攻めたことが結果につながった。
 「自分が一番弱いのでしっかりレースをつくろうと思って走りました。2人ともスピードがあるので難しかったですけど、1回インを切ってそこから勝負しようと。松井君が遅かったですし、新田さんの動きも見えていたので一番後ろに下げられないので粘る形になりました。そこ(3番手の位置)に行くまでに結構脚を使っていたのでいっぱいでした。4コーナーも伸びなかったですし、後ろに迷惑をかけてしまいました」

11R

選手の写真です。
脇本雄太選手
 前受けから脇本雄太(写真)が誘導を残して下げると、眞杉匠が赤板手前で出て関東ラインが先頭に立つ。4番手に地元の渡部幸訓が続く。眞杉は1センター過ぎに誘導を交わして、ハイペースで風を切る。5番手の中川誠一郎は前団との車間が空いて、脇本は大きく離れた7番手で打鐘を迎える。眞杉が全開で駆ける。車間を詰める勢いで中川が、最終バック手前からまくる。平原康多は中川をけん制。脇本は3コーナー過ぎから大外を踏み上げる。平原をとらえた中川をゴール寸前で脇本が交わして、二次予選に続く連勝で決勝に進出した。
 「自分のなかでは眞杉君の先行の仕方のうまさが光っていた。(7番手で)車間が空いて失敗したなと思ってた。ジャンからホームで気持ちを立て直して、自分が(仕掛けて)行けるところでと。体の方は徐々にダメージを受けて重いけど、自転車とは徐々にマッチしてるんで、それを決勝にどう生かせるかですね」
 5番手からのまくりで前団に襲い掛かった中川誠一郎は、関東勢をのみ込んで一昨年10月の寛仁親王牌以来のGI優出。
 「(展開としては)これだけですね。これ以外に(決勝に)乗る可能性がないと思ってた。なんとか耐えました。(4走して)力は出せているので悪くはないです。ただとびきり(調子が)いいってわけでもない。(GIの決勝には)去年乗ってないので、2年ぶりくらいですかね」
 眞杉がハイペースで逃げて番手の平原康多にチャンスかに思われたが、脇本、中川に屈して3着。
 「眞杉はワッキー(脇本)のオーラで2周全開、吹かされた感じですね。でも、日本一の先行選手を相手に自分のやるべきことをやってくれた。自分は中川さんを振りながら出ざるを得ない感じで出たので、フォームもバラバラだった。(6日間の開催で)長いのもそうですけど、(決勝まで)5回集中力を高めるのが、精神的に疲れます」