ラインを背負った機動型の意地が、ぶつかり合う乱ペース。青板前からレースが動き出し、堀内俊介に合わせて出た竹内雄作が主導権を握る。しかしながら、堀内も懸命の抵抗。郡司浩平(写真)は中団に収まって、じっと我慢した。浮いた堀内が、赤板の2コーナー手前で後退。4番手の郡司は最終ホームからまくりを打って、番手発進の吉田敏洋をとらえ後続をちぎった。
「(堀内を)赤板で入れてあげたかったけど、モガき合ってたんで申し訳ないですね。もうワンチャンスあるようにできてたら…。そのあとは(堀内)俊介さんの気持ちもあるし、キツかったけど(まくりに行った)。その前に1回見ちゃってたんで、次に詰まったらすぐに行こうと。竹内さんもタレ始めてたし、あとは吉田さんを乗り越えられれば。脚の方は問題ないですね」
郡司が堀内を気遣ったように、吉田敏洋(写真)は竹内の先行選手としてのプライドを軽んじることなく口を開く。
「難しいところですよね。(竹内)雄作は力はあるけど、(戦法の)武器が少ないから。(堀内と主導権争いを)やるんなら、自分もとことん付き合おうと。とんでもないところからレースが始まったけど、最近のなかでは(竹内の)スピードは良かった。あとは(準決の)疲労がどれだけ回復するか。自分は雄作の頑張りを無駄にしないように」
郡司のまくりに、渡邉晴智は付いていけない。吉田マークの三谷将太も最後はいっぱいになったが、流れ込んで3着をキープした。
「(決勝に乗れて)良かったです。恵まれました、前のおかげですね。決勝は吉田さんと東口(善朋)さんが同期同級生なんで、自分は鈴木(竜士)君に。先行選手として魅力のある選手ですから」
≪最終日9R「レインボーカップA級ファイナル」≫
3着までの選手がS級2班に特進できる一発勝負。前期S級でも随所で活躍していた嶋津拓弥は、今期9場所走って確定板(3着以内)を外したのが1度のみ。抜群の安定感を見せた。
「今期の前半は緊張して気楽に走れなかったです。調子が悪い状態での降級だったので、A級でも勝てなかったらヤバいなと。(8月小倉FII後に1カ月半空いたのは)左ヒザを怪我したまま練習をしていたら、右のふくらはぎが肉離れになってしまったから。でも、もう問題ないです。今回も、あの(前回の西武園FIを完全優勝した)感じでいけたら。みんな積極的なメンバーだから、自分も動かないことには。車番がいいから、流れに応じて走ります」
吉田茂生は特昇こそならなかったが、9月奈良ミッドナイトから5連覇を含む今期7V。ここも器用に立ち回って激戦を制するか。
「今期の前半は決め切れなかったけど、後半は良かったと思います。今回は勝負駆けの選手もいないし、普通の決勝戦だと思って。33バンクだし、いいところで前に出られるように。初手で中団が取れれば、先行を含めてなんでもします。3着までのつもりで走れば、いいところまで行けると思う」
今期は降級となった日当泰之も、積極的なスタイルを崩さずに好走。持ち前のタテ攻撃はA級屈指の破壊力を誇る。
「(1年半ぶりにA級を走った感想は)やっぱり、走るならS級ですね。今期は最初が良かったけど…。ここまでは雪が降って外で乗れなかったので、パワーマックスをやった。数値も良かったし、状態は悪くないと思います」
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