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いとう競輪

ITO KEIRIN

37#

検車場レポート

  • 12/12 Wed.  (前検日)
  • 12/13 Thu.  (1日目)
  • 12/14 Fri.  (2日目)
  • 12/15 Sat.  (3日目)

1R

選手の写真です。
野口裕史選手

 オープニングレースは、野口裕史(写真)に注目が集まる。9月に3場所連続の完全Vで特昇を果たすと、ここまで記念シリーズも含めて好走。今シリーズの初日も、持ち前のパワーを発揮する。


 「ここまでレース間隔が結構空いたので、いっぱい練習ができました。最近は緊張しなくなって、練習のように走れています。慣れてきたところで、33バンクはどういう感じになるか。(距離が)長めでも踏んで、実力を試したいです」


 対するは山本直。多彩な戦法を駆使して、野口にキャリアの差を見せつける。


 「(状態は)いい感じになってきました。楽しみですね。初日は、みんな積極的なので、こっちも動かないと後方に置かれてしまう。なんでもやって、できることをしっかりやりたいです」

2R

 神田龍は前回の西武園FIで、S級初Vを無傷でゲット。勢いに乗って、今開催も台風の目になるか。


 「(西武園のVは)自分でもビックリしたし、自信になりましたね。(要因は)防府から自転車を戻しました。(中25日の)ここまでは前半に風邪を引いたけど、最後は練習ができました。状態は悪くないので、あとは積極的に行ってどうなるか」


 志佐明は、10月向日町FIでS級初優出。その後は不安定な成績だが、積極的な姿勢は崩していない。


 「(初S級の)今期は、このままいけばS級点も取れそうだし、得るものはありました。今は後ろを引き立てるのが役目だと思っているけど、ただバックを取っているだけと言われないようにしたい。記念も慣れてきたし、33バンクも苦ではないです」

3R

 このレースの得点最上位は伊代野貴照。しかし、落車からの復帰戦だけに、状態が気になる。


 「怪我は右の腰の打撲です。血が溜まって腫れてしまって。いまも完全に腫れが引いたわけではないけど、自転車には乗ってきました。伊東は出身地なんですよ。初日は酒井(拳蔵)君に任せて。相性は良いと思うので、勝てるように走ってくれたら」


 地元の飯田憲司は、前回の川崎FIで今期の初優出。準決は3着も、強気な先行策で勝ち上がった。


 「前回の川崎は、状態が悪くなかったですね。地元の記念は初めて走ります。でも、ここまで中4日なので、変わったことはやらずに来ました。(目標は)ひとつでも勝ち上がれるようにですね。目の前のレースに集中して、そこからなので」

4R

 一息の成績が続いていた小原唯志だったが、11月高松FIを222着。続く岐阜FIは634着と精彩を欠いたが、問題ない様子。


 「岐阜はちょっと重くて。(敗因は)体調面ですね。でも、気にしていないです。今回は(状態が)いいと思いますよ。33バンクは(記念の)準決に乗れているイメージがあるし、頑張りたいですね」


 佐藤龍二は、夏からバック数が徐々に増加。仕掛けるポイントで勝負はできている。


 「(バック数が増えているが)体が動いた結果だし、とくに意味はないです。後手を踏まないのがコンセプトなので、前々になんでもやって。ここまでは、あんまり練習ができた感じではなくて、調整程度ですね。(良い状態を)維持できていればいいくらい」

5R

選手の写真です。
石塚輪太郎選手

 ここ4場所、勝ち星のない石塚輪太郎(写真)は、優出も10月の奈良FIから遠ざかっているが、自分のスタイルを貫く構えに変わりはない。


 「練習もしているし、いまより点数があったころと比べても脚が落ちているとかはない。結果に結びついてないのが悔しい。選手になってから引退するまでずっと調子がいいっていうこともないんで、我慢の時期かなと思ってます。部品とかも換えてダメだったんで、もう元に戻した。あとは自分のレースをしっかり」


 ベテランの紫原政文は、直近の2場所で連続の準決シンガリ負けに苦笑い。


 「いいようで、悪いようで…。なんとも言えんですね。準決で続けて9着っていうのが。2場所前は仕方がないっていうのがあったけど、前回は悔しかった。(目標が)ダメな時は自分でやるくらいの気持ちでいます。そうじゃないとなんのために練習をしているのかわからない」

6R

 近況2着が多い工藤文彦は、積極的な仕掛けでラインへの貢献度が高い。


 「最近、先行をするつもりがそれほどないのに、そういう(先行の)形になってますよね。競走が(間隔が)詰まっていて、練習もそれほどできてない。状態もそこまで良くはないんで、(中4日で)疲れを取る程度ですね」


 ここ3場所で2着が2回ある泉谷元樹だが、それ以外は8、9着の大敗と順調とは言い難い。


 「踏んでいる感じは悪くないんですけど、(成績が)近況は悪い。カラ回りをしている。(来期がA級なので)キッカケというか、つながるようにしないと。(初日は)まずは工藤さんを後方に置いてですね」


 

7R

 8月のオールスター前の練習中の怪我が尾を引いている高橋陽介は、原因がはっきりしているだけに吹っ切れている様子。


 「怪我をしてから明らかに調子が良くない。(9月の)青森記念はまとめたけど、人の後ろだったりしてまとめられた。時間がたてば良くなってくるのもわかっている。だから、焦ってもしょうがないし、現状は悪いなりに頑張ります」


 朝日勇は前回の岐阜FIで初日落車の憂き目をみて、2日目以降を欠場。中6日の今シリーズで状態はどうか。


 「擦過傷はないけど、打撲の方が…。こればっかりは走ってみないとっていういところもあります。ただ、参加している以上は、大丈夫って自分に言い聞かせておきます」


 

8R

選手の写真です。
吉本卓仁選手

 吉本卓仁(写真)は競輪祭を83968着。久しぶりのGIに得るものは多かった。


 「(前回の)競輪祭はその時の体が一番いい状態というか、絶好調だったんで悔しいとかはない。ただ、根本的にパワー不足。それを痛感しました。スピードは戻ってきているんですけど、そのスピードに乗せるまで脚をそこまで使わないでとかそういうところですね。昔の良かったころには戻らないんで、その感覚じゃなくて、(新しい自分をつくりあげられるように)しっかりとやっていきたい」


 吉田裕全は、前回の川崎FIの485着が長期欠場から復帰場所。自己ジャッジはどうか。


 「やれたかなていうのが半分ですね。腰の横突起と肩甲骨を折って、肩の方で長引いた。まだ、(肩甲骨に)ネジは入っている。ちょっと踏み出しが厳しいけど、付き切っちゃえば突っ込めるかなっていうのがある。(前の相川永伍は)高校の1個先輩だし、自分も(番手で)できるかぎりやります」

9R

選手の写真です。
岩本俊介選手

 競輪祭を68999着。シンガリ3連発の岩本俊介(写真)は、続く岐阜FIを661着と近況は失速気味。


 「(来年の1月に鎖骨骨折で入っている)針金を抜くんで、それが終ればもうちょっと楽になるかなっていうのはある。怪我明けが意外と走れたんで、その反動かなっていうところもある。それに戦法を読まれている。それでも行ける時は行けてたんですけど…。あんまり動きが良くないんじゃないかと」


 来年の1月に50歳の大台を迎える島野浩司は、変わることなく静かに口を開く。


 「来月に50歳になります。(競輪選手は)気持ちの続くかぎり、できるかぎりやりたい。(前回の落車で)フレームがダメになった。気に入ってたのだった。慌てて練習用のフレームを出したんで、セッティングとかは走りながらやっていくしかない」

10R

選手の写真です。
鈴木竜士選手

 積極的な組み立てで前期よりも大幅な競走得点アップを果たした鈴木竜士(写真)が、先行選手としてのプライドを見せる。


 「先行選手なんで。普通の自力っていうよりは、先行選手だって言いたい。しっかりバックを取る競走を。今年の1年ですか? まだ振り返るのは早いでしょ(笑)。(ここで優勝して)記念を獲ったって、振り返ることができればいいですね」


 獲得賞金でグランプリ出場権を争った原田研太朗は、惜しくも次点の10番目。来年に気持ちを切り替える。


 「とりあえず終わったことなんで、気にしてない。気持ちは来年にです。毎年(夏、秋ぐらいが)悪いので、その手前から見つめ直さないと。それにしても今年は悪くすぎた。冬と春がいいんで、仕切り直しです」


 和田健太郎は前回の競輪祭で落車に見舞われるも、最終日を白星で締めた。


 「怪我自体は、たいしたことはなかった。だけど、フレームがダメになったのは痛かった。前に使ってたフレームを持ってきたけど、根本的には一緒。セッティングもそれなりに出ていると思います」

11R

選手の写真です。
郡司浩平選手

 郡司浩平(写真)は、ホームバンクの川崎FIを211着でV獲り。中4日で今シリーズに乗り込んできた。


 「前回はとくべつ調子がいいってわけじゃなかった。ただ、その前の競輪祭がパッとしなかったんで悔しかった。(川崎は)自分で思った以上にいいレースができた。ここは結構、呼んでもらっているし、責任ある仕掛けをしたい」


 競輪祭、四日市記念と未勝利に終わっている竹内雄作は、そこから中7日。一戦、一戦を大事に来年に向けて積み重ねる。


 「走っている方が自分に足りないものもわかるんで、(ローテーションは)しんどいけどいいですね。疲労もあったんで、しっかり休んでから練習をしました」


 渡部哲男は、10月の寛仁親王牌の落車による怪我で長期欠場を余儀なくされた。2カ月以上ぶりの実戦は、いきなり単騎を選択した。


 「前橋に2週間(入院して)いたし、(復帰に)2カ月掛かりました。モガけたのは、競輪祭をやってるころですね。まだ6割くらいの感じがするけど、あと3、4割を求めたらすごい時間が掛かるし、実戦じゃなきゃわからないところもある」

12R

選手の写真です。
渡邉晴智選手

 5月の名古屋で記念初制覇を飾った渡邉雄太が、師匠の渡邉晴智とのセットでシリーズのスタートを切る。


 「力を出し切れるように走りたい。(伊東は)たまに走りやすい感じがある。(練習は)計画的にできたし、しっかりやってこられました」


 渡邉晴智(写真)は、前回の競輪祭88849着と一息。伸びを欠いていた印象が強い。


 「競輪祭ですか? あれが実力ですよ。ただ、前回よりは全然いいと思う。やれるだけのことはやってきた」


 吉田敏洋は、前回の四日市記念の初日に落車。しかしながら、最終日まで走り抜き2勝をマークした。


 「擦過傷はそんなにたいしたことはなかったけど、いくらスピードが出てなかったとはいえ、地面に落ちているんで。無理をしないように練習をしてきました。(初日は)いい位置が取れるほど器用じゃないんで、距離が長くなっても後手は踏まないように」


 

1R

選手の写真です。
福田知也選手

 人気の南関ラインが、前団からの組み立てを強いられる。山本直の上昇に野口裕史は迷うことなく、7番手まで下げてからの巻き返し。赤板目がけて踏み込んで、抵抗する山本から主導権を奪う。飯尾主税は付け切れず、野口、福田知也(写真)で出切って3番手以下を離す。最終1センターからのまくりで迫った桜井雄太をけん制した福田が、計ったように交わして1着。


 「(野口が)強いのひと言。(出切ったあとは)俺の後ろが離れてたから、(まくって来た桜井が)吸い込まれ気味になった。でも、(最終)3コーナーで振ったら止まった。ジャン前のところが(野口は)一番踏んでたかな。そのあとはイーブン(ペース)。2周以上行ってたんだから強い。自分の体調もいい。(最後は)絶妙なような、こん身の差しでした(笑)」


 初日5連勝はならなかったものの、力の違いを見せた野口裕史が積極策で危なげなくクリアした。


 「(山本が)もうちょっとフワッとなるかなと思ったら、意外と踏んでいた。それでマジかって感じで踏みました。踏みすぎないで出切れるかなっていうのがあった。(脚の状態は)大丈夫だし、気持ちもリラックスできた。ただ、終わったあとは踏み出しか、そのあとかわからないけど、もうちょっとイケたんじゃないかっていう思いもある」

2R

 赤板過ぎで前に出た志佐明は、巻き返してきた神田龍を打鐘過ぎに受けて3番手を確保。空いた車間を詰める勢いで、最終2コーナーからまくり上げる。ジワジワと前団に迫ると、志佐の仕掛けに乗った須藤誠が直線で差し脚を伸ばした。


 「坂上(樹大)さんのブロックが来ると思ったので、外してもらわないようにしていました。(神田ラインが2車で)1車がデカかった。4番手からだと、ちょうど坂上さんにもってこられる位置だったと思う。でも、付いていっただけですよ。志佐君が頑張ってくれたし、前と後ろのおかげ」


 志佐明は抵抗する神田を直線半ばでとらえて2着。的確な状況判断で南関ワンツーを決めた。


 「(神田の)調子が良さそうだったし、(神田ラインが)2車なら無理せずにと思っていました。でも、(車間が空いて)ちょっと焦りましたね。もうちょっと遅めの仕掛けでも行けるかもしれないけど、3番手も付いてくれているので。ただモコモコ行ってしまって申し訳ないです」

3R

選手の写真です。
和田禎嗣選手

 酒井拳蔵に併せ込んでから、飯田憲司が赤板過ぎに主導権を握って駆ける。7番手に置かれた酒井は、打鐘の3コーナーから反撃。最終2コーナーで飯田をとらえるが、脚を溜めていた和田禎嗣(写真)がその上をまくりでのみ込んだ。


 「展開が向きましたね。自分は脚を使ってなかったんで。なんとかここ4場所くらいで(競走得点を)上げられた。それでなんとか(S級に)残りたい。無我夢中ですけど、少しずつ良くなっているんで、この感覚を大事にしていきます」


 小林圭介が2着に流れ込み、3着には酒井後位に切り替えた地元の土屋裕二が入った。


 「(飯田は)もうちょっと落ち着いて、(酒井が)来たら行かせても良かった。ジャンなら駆けた方が良かったけど、半周くらい早かったですね。(体は)問題ないけど8割くらい。あとは地元なんでプラス1.5割。気持ちも入った」

4R

 赤板前で小原唯志が出ると、前受けの佐藤龍二が番手で粘る。これを見た単騎の小川祐司が、打鐘で叩いて先行策に出る。同じく単騎の平沼由充は小川を追うと、直線で抜け出した。


 「単騎だったし、初手のポジション次第でしたね。小川君は単騎でも駆ける選手だし、駆ける展開になれば付いていこうと。電気治療をしてきて筋肉が緩みすぎたかなって思ったけど、いい感じでしたね。あとは、もう少しセッティングを煮詰めたい」


 打鐘を最後方で通過した青井賢治は、すぐさま踏み上げて最終バックで4番手に追い上げる。直線で伸びて2着に食い込んだ。


 「佐藤君は粘ると思っていたし、小川君は単騎でも叩きに行くかもって思っていました。(4番手の)小原君のところに追い上げた時点で、(勝ち上がりの)権利は取れたかなって。1着まで行きたかったけどね。(状態は)悪くはないと思う」


 逃げた小川祐司が3着。「最終バックを取りたかったし、単騎でも駆けようと思ってました」と、果敢に攻めて二次予選にコマを進めた。

5R

 石塚輪太郎の巻き返しに合わせた利根正明が、打鐘の3コーナーでハナに立つ。九州コンビを追った石塚は、最終ホームで利根を叩いて主導権を奪った。中近3番手の有賀高士まで出切って勝負あり。最後は番手の三谷将太がチャンスをモノにした。


 「石塚君が頑張ってくれた。自分は余裕がありましたよ。(状態は)絶好調だと思います(笑)」


 別線を完封して2着の石塚輪太郎だが、レース内容を反省する。


 「利根さんが出切ってくれたからいいけど。利根さんがダメだったら、僕らのラインも浮いてダメになってしまっていた。結果的に利根さん任せになってしまいました。(前受けから)突っ張ったりとか、(九州コンビを追わずに)あの上を強引に叩きに行かないと。負けグセが付いているし、もっと思い切りを良くしたい」

6R

選手の写真です。
工藤文彦選手

 赤板1センターで泉谷元樹が先頭に立って、そのまま駆ける。後続は一本棒で工藤文彦は7番手。5番手の森田康嗣が最終ホーム手前からロングまくりを打つと、流れは同期の岡山コンビに向く。森田が前団をとらえ切る前に、工藤はまくり上げる。スピードの違いでまくり切った工藤を、黒田淳がゴール寸前で差し切った。


 「想定内のレースでした。工藤さんが行けるところで(仕掛けて)行ってくれればって。(工藤は別線の機動型とは)点数も脚力も違うと思っていた。ただ、(工藤が)まくり切るのが(最終)3コーナーくらいだったし、タレないんで必死でした。去年のここ(記念)で決勝に乗ったんで、また目指していきます」


 「まぁ、最低限ですね」とは、北海道勢の動きを見てからになった工藤文彦(写真)。同期ワンツーにホッと胸をなで下ろす。


 「森田さんが(仕掛けて)行きそうな雰囲気があった。それでも理想は森田さんが持ち出す時に横くらいまで並べてたら…。前回(黒田と連係した時は)失敗してたんで良かったです。(感じは)悪くないと思います」

7R

 後ろ攻めの古川宗行から動いて、才迫開、重倉高史の順で前に出る。6番手になった古川だったが、打鐘から再び踏み込んで主導権を奪取。小林潤二が離れて援護を失うも、後続に5車身差を付けて押し切った。


 「1回動いたけど、みんな積極的タイプなので。でも、チャンスを逃さずに行けて良かった。出るところから全開だったので、後ろの状況はわかりませんでした。腐らずに、(先行を)続けてきて良かったです」


 高橋陽介は打鐘の2センターで三ツ石康洋、最終1コーナーで才迫開を、それぞれ内からさばいて中団に追い上げる。最終バックからまくり上げて2着に入った。


 「打鐘前に一本棒になると思わなくて…。あの位置からだと、外は厳しいと思って内かなって。小林さんも離れてしまって、そこ(古川)にも付いて行けなかったので。無駄脚を使ったぶん、車の出が悪かった」


 第2先行の状態となった重倉の番手から、朝日勇が追い込んで3着。


 「重倉が頑張ってくれた。(赤板で)少し離れてしまって、追い付くのに脚を使ったのでいっぱいでした。フレームを換えて、感じはいいと思います」

8R

 後ろ攻めの坂本周作が中団の相川永伍にフタをしてから赤板で飛び出す。相川は赤板の2コーナーから巻き返すも、前団を叩けず不発に。坂本が果敢に風を切ると、北日本3番手の野木義規が直線で坂本と中村の間を伸びて白星をさらった。


 「道中はタテブレがすごかったです。最後は(中村)敏之輔と同時に踏み込むような感じでいったけど、意外に(中村が)失速して。(記念の初日を1着で勝ち上がるのは)10年ぶりくらいで覚えていない。展開だけど、状態は前回よりいいと思う」


 かぶって外を踏めなかった吉本卓仁が内に差し込むと、大坪功一は自力に転じた吉田裕全にスイッチ。直線で外のコースを追い込んで2着に入った。


 「相川君が中途半端に来て。吉本君は(相川が)前まで行ってから仕掛けるタイミングを探していたと思うけど。(切り替えて)申し訳ない。(吉本が4着で)勝ち上がってくれたのは良かったけど、車券的には…」

9R

選手の写真です。
新田康仁選手

 赤板手前で誘導を切った岩本俊介は、九州ラインを受けて4番手。しかしながら、大石崇晴がすかさず巻き返して、包まれた岩本はなかなか踏み出せない。不発の中近勢が下がってくるが、最終2コーナー過ぎに視界が開けた岩本がまくりで逃げる成松春樹を仕留めた。


 「(前を取って下げて巻き返す)戦法が周りに読まれて、対応されてるんで、だったら普通にやってみようかと。それも出たり、出なかったりですけど。あれで外をう回したら間に合わないし、あそこは空いて良かった。位置を取ってまくれたんで良かった。まだ脚も余ってました」


 外に谷田泰平がいた新田康仁(写真)は、岩本の踏み出しに遅れたが、離れながら岩本を追いかけて2着はキープした。


 「俺が(谷田に)締め込まれて対応できなかった。強引にこじ開けて、なんとか(岩本と)人気に応えられた。その前に岩本が単独になり切れてなかったけど、俺は態勢が整っていた。地元だから外を踏んじゃおうかっていうのもあった。でも、それはまずいからね。最後まで信頼してと」


 

10R

選手の写真です。
鈴木竜士選手

 原田研太朗を堀内俊介が叩くと、今度は8番手の鈴木竜士(写真)の仕掛けを待つことなく野原雅也がアタック。別線が脚力を消耗して、流れは鈴木に大きく傾く。最終ホーム手前から踏みだした鈴木が、野原をまくりでとらえて1着。


 「あんなに切って、切っての展開になるとは思っていなかった。みんな早めに動いて、自分にカマさせるか、(自分のラインの)後ろが離れるかを待つのかだと思った。内容が良くないですね。体の方は悪くないので、(2日目は)主導権を取りたい」


 マークした大槻寛徳は、鈴木と1車身を保ったまま流れ込みのゴール。鈴木に脱帽する。


 「(鈴木が)強かったですね。自分はなにもしていない。トップスピードがすごくて抜ける感じもしなかった。前回の競輪祭でも平原(康多)君に付けさせてもらったし、こういういい目標の時にも油断せずに結果を出していかないと」


 最終1センターで近畿勢に切り替えた和田健太郎は、鈴木、大槻を追うように外を踏んで3着。


 「もう堀内君のおかげですね。まさかあの位置から仕掛けるとは思っていなくて油断したけど、なんとか対応できた。自転車を換えて、まだ違和感はある。でも、調整できる範囲だと思う」


 

11R

選手の写真です。
岡村潤選手

 竹内雄作が赤板で誘導を降ろすと、続いた早坂秀悟はすかさず踏み込んで竹内を叩く。永澤剛が離れて番手にはまった竹内だったが、打鐘で仕掛けて主導権を奪取した。先に動いて中部勢を受けた郡司浩平は、浮いた永澤にポジションを渡さず3番手をキープ。最終1センターからまくり上げて勝利した。


 「(永澤が降りて来ようとしたが)ああいう1車が大事になると思っているので、入られないようにしました。レースも見えていたし、冷静に判断ができたと思います。タツ(近藤龍徳)が苦しそうなのもわかっていたし、ブロックをもらわなければ行き切れるなと。しっかり自分のなかでイメージしていたレースができました」


 地元の岡村潤(写真)は永澤に絡まれたが、郡司の番手を死守。最後は4分の1輪差で2着も、好マークを見せて勝ち上がった。


 「キツかったです。直前にケアができていなくて、練習の重さが残っている。でも、動き的にギリギリ付いて行けているし、ここから段々と良くなっていけば。(郡司)浩平の手助けはできたかな」


 単騎の渡部哲男は、初手から南関勢を追走して3着。


 「付いていっただけ。でも、勘は悪くなかったね。(怪我からの復帰戦で状態は)1走だけなので、わからない。要所で車間も空いているし、まだ課題はある。車間が空かなければ、もう少し楽でしたね」

12R

選手の写真です。
吉田敏洋選手

 地元勢の外で止まった川村晃司の動きを待つことなく、横山尚則が赤板手前で出て主導権を握る。吉田敏洋(写真)は3番手を確保して、外に浮いた川村をけん制する。横山がそのままペースを上げて先行。5番手の渡邉雄太が最終ホーム手前から反撃に出ると、吉田は空けた車間を詰めながら合わせてまくる。番手から出た諸橋愛をねじ伏せて、吉田がまくり合戦を制した。


 「足りない脚をうまさでカバーって言えれば、カッコイイんだけど(笑)。(横山が来た時に)思い切り踏めば、どこかにはまるかなと。なんとなく自分が思ってたように立ち回ることができた。ジャンくらいで渡邉雄太が来るかなと。その時に横山が踏まないとマズいなと思ってたら、行ってくれた。自分の位置を確保できればっていうのもあった。あとはあんまり(仕掛けを)待ちすぎて、ブロックをもらってもっていうのがあった」


 迫り来る吉田のスピードを見極めて、番手から出ざるを得なかった諸橋愛が2着。


 「もうちょっと引きつけたかったけど…。(横山が)仕掛けるのも早かったし、出るのも早かった。全部が早くて、吉田君が(3番手で)完全フリーですからね。あれは止められない。自分は前回の広島と比べると全然いいですよ」


 赤板1コーナーで渡邉晴智と接触した神田紘輔は、川村に離れて後方。川村が不発になると、最終2コーナー手前から内を進出して3着に届いた。


 「(渡邉)晴智さんと接触をして、川村さんと連係を外してしまった。車輪がつぶれると思った。そのあとは(周りが)よく見えてました。自分の状態はいいんですけど、連係を外してしまっているのが…」

6R

選手の写真です。
原田研太朗選手

 赤板で酒井拳蔵を叩いて埼京コンビが主導権。中団の外併走から野口裕史が前団に襲い掛かると土屋裕二は連結を外す。ひとりになった野口が最終ホーム過ぎに出切るが脚力を消耗。脚をじっくり温存していた原田研太朗(写真)が、ラスト1周からのロングまくりであっさりと勝負をつけた。


 「土屋さんが野口さんに離れて、自分のところに降りてきたんでキツかった。それでもライン(の3人)で決まったことがうれしい。いまの自分に大坪(功一)さんも付いてくれたんで。(グランプリの出場権争いは)もう吹っ切れましたね。(グランプリが予備なので)今年は(3日目と最終日の)あと2走。しっかり自分の納得いくレースをしたい。勝っても負けても、それが大事。残りの2走、悔いのないように」


 原田のまくりに堤洋、大坪が危なげなく続いて、2車単、3連単ともに1番人気。汗をぬぐう堤に笑みがこぼれる。


 「もう(原田)研太朗の好きなようにやってくれればと。相性もいいですし、信頼と実績がありますから。ちぎれかけたけど、なんとか付いていけた(笑)」

7R

選手の写真です。
野原雅也選手

 早坂秀悟が志佐明を強引に叩くが、佐藤康紀は付いていけない。番手に志佐が飛び付いて最終回。後方の工藤文彦の反撃に合わせて4番手の野原雅也(写真)がまくると、志佐、福田知也も踏み上げてまくり合戦になる。神奈川コンビをまとめて仕留めた野原が、三谷将太の追撃を振り切った。


 「消極的に走った結果が良かった。早坂さんが自分の前の位置を取ったのでカマしたいだろうと思って、志佐さんと踏み合うように組み立てた。最後は工藤さんに合わせる感じで踏みました。必死だったので感じはよくわからないですね」


 まくり合戦で隊列が凝縮されて、付ける三谷将太にとって楽な展開ではなかったが近畿ワンツーを結実。工藤ライン3番手の青井賢治は、最終2コーナー手前で内に降りて直線での3着争いを制した。


 「(最終)ホームでいっぱいだったけど、なんとかですね。桑原(大志)さんには申し訳ないけど、もうあそこしかなかった。記念の準決なんて、いつ以来か覚えていない。1班の点数がかかっているので頑張りたい」


 

8R

選手の写真です。
石塚輪太郎選手

 赤板で切った岩本俊介を、すかさず石塚輪太郎が押さえて先行策に出る。そのまま隊列に変化がなく、最終ホームを一本棒で通過。絶好の3番手を確保した岩本は、満を持して2コーナーから踏み込む。抜群のスピードを見せて、後続に5車身の差を付ける圧勝劇を演じた。


 「(近畿が)3車だと厳しかったと思うけど、自分で考えて。ああいう(位置を取る)レースはしないんですけど、(中村)浩士さんのところで練習をさせてもらったおかげですね。あれでまくれたのは大きい。時と場合によっては、こういうレースもしていきたい」


 石塚輪太郎(写真)は岩本に屈するも、東口善朋の援護もあって2着に粘った。


 「赤板で岩本さんが押さえて出た時に、いつもなら脚を溜めてしまっているんですけど。今回は、そこで反応できました。思い切り叩きに行けたのが、勝ち上がれた要因ですね。最後もあきらめずに踏んで良かったです。やっと(本来の走りが)戻ってきたかな」

9R

選手の写真です。
竹内雄作選手

 竹内雄作(写真)にフタをした小原唯志は、赤板で再度踏み込んで先頭に立つ。4番手に黒田淳が入り、単騎の西田大志は中部勢を追わずに6番手。小原が後続を一本棒にして駆ける。最終ホーム手前で竹内が7番手から仕掛けて、黒田も合わせて踏み上げる。竹内は前団の様子を確認しながら、2コーナーから再加速。2センターで黒田に並ぶと、あとは後続を引き離してゴールを駆け抜けた。


 「踏み出しは良かったんですけど、そのあとは伸びが足りなかった。黒田さんと合っちゃいました。それでも小原さんがタレてきたのが見えたんで、踏めば伸びるかなと。(来年3月の地元、大垣でのウィナーズカップの出場権の獲得には1着が)1個じゃ全然足りないんで、頑張ります」


 4番手をキープした黒田淳は、竹内にのみ込まれたもののソツない組み立てで二次予選をクリアした。


 「竹内君より前の位置を取って、竹内君より先に仕掛けるしかないと。あれしかないんで、小原さんのヤル気に期待してました。(三宅)伸さんと決められれば一番良かったけど、中村(敏之輔)君のあおりもあったりしてキツかった。しんどいながらも、近況のなかじゃ動けているのかなって思ってます」


 竹内の踏み出しに離れた北野武史だったが、さすがのリカバリー術で3着に入った。


 「(竹内が)行くって思ってたところだったのに、あんなに離れた…。ヤバいどうしようって、0.02秒くらいですごく考えた(笑)。なんとかなって良かった。(二次予選をクリアして)まぁ、ヨシとしましょう」

10R

選手の写真です。
渡邉雄太選手

 二次予選まわりとなった渡邉雄太(写真)が、立て直しに成功した。渡邉は、先に切った高橋陽介を赤板の2コーナーで押さえてレースを支配。桜井雄太がすかさず巻き返すが、高橋のブロックもあって不発に終わる。結局、軽快なペースで駆けた渡邉が力強く押し切った。


 「叩く時のスピードが結構上がっていたので、キツかったですね。出てからはペースだったけど、久々の先行だったのでいっぱいでした。3着には残れても、行かれちゃうかなって感じがあった。でも、寒さ対策をして、初日よりは体も動いてくれたと思う」


 思惑通りの3番手を確保した高橋陽介。車間を詰める勢いで最終4コーナーから追い込んだが、渡邉に4分の1輪差の2着まで。


 「(前回の)川崎は、あの仕掛けで2日間スライスしている。ちょっとずつだけど良くなっていますね。最後は1着までいったかなと思ったけど。でも、位置も取れたし、動けている」

11R

選手の写真です。
渡邉晴智選手

 神田龍が合わせて踏んだ堀内俊介を赤板で押さえる。中部勢を追った荻原尚人が堀内に絡むと、吉本卓仁が堀内の後輪に接触して落車。荒井崇博も巻き込まれてしまう。渡邉晴智(写真)はアクシデントがあって堀内と連結を外すも、内をすくってドッキングに成功。最終ホームから仕掛けた堀内に続くと、直線で追い込む。最後は荻原にゴール前で交わされたが、1位入線の荻原が失格となって繰り上がりの1着。


 「落車があって離れてしまった。堀内君が強かったし、最後も(堀内を)抜けるとは思わなかったですね。堀内君のおかげです。(状態は)前を抜いているからいいと思う」


 構えることなく仕掛けた堀内俊介が、繰り上がって2着。


 「(近況は)焦っている部分があって。二次予選も、焦っていたところがある。でも、あんまり脚が溜まっていなかったけど、しっかりホームで仕掛けられたのは良かったです。(渡邉)晴智さんが付いているし、久しぶりにいい緊張感のなかで走れました。これを今後につなげたい」


 荻原マークの山田敦也は、ラインの仲間を気遣い言葉を選ぶ。


 「荻原はいつも頑張ってくれる。でも、連係するときはどっちかが失格になったりしてしまって。今回はゴール勝負ができたらと思っていたけど…。自分も余裕がなかったです」

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手

 周回中、南関勢が前団に構える。吉田敏洋の上昇を阻んで突っ張った郡司浩平(写真)が、鈴木竜士と吉田の中団併走をしり目に先行態勢。それでも吉田が再び仕掛けると、3車を受けた郡司は落ち着いて中団をキープする。打鐘の4コーナーから反撃に出た鈴木を合わせるように郡司がまくり発進。神田紘輔のブロックもスピードの違いでのみ込んで連勝を飾った。


 「前を取らされたんで、課題の位置取りができればと思っていた。すんなり引いて7番手っていうのは(しないように)。ああいうのが上のレースでもできれば、もっと幅が広がってくる。しっかり中団を取らなきゃいけなかったし苦しかった。脚を使ってたけど、あれでもっと楽に(まくりが)出ればっていうのがありますよね」


 岡村潤は、郡司のまくりを追いながら最終1センターで鈴木をブロック。息の合ったプレーで、南関ラインでの上位独占を遂げた。


 「スタートを取った時点で引いたら7番手になるから。(ラインの)3人の意識としては、突っ張って最低でも中団っていうのがあった。鈴木が来たんで外に振った。後ろに(和田)健太郎がいるんで心強い。自分は余裕はあるんですけど、6番(神田)のけん制で脚が削られた。調子は全然、悪くないです」


 「(郡司)浩平もオカジュン(岡村)もやることをやって、自分もやれることをやった結果がワンツースリー」と、和田健太郎は、納得の顔。


 赤板手前で南関ライン3番手の和田の横まで進出した鈴木竜士は、下げて立て直しを余儀なくされた。7番手不発のポイントをあげる。


 「赤板のところですよね、あそこがすべて。あれがなければ(吉田)敏洋さんのラインに付いていけた。ああいうところのミスが…」

10R

選手の写真です。
東口善朋選手
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鈴木竜士選手

 赤板の2コーナー手前で鈴木竜士が主導権を握って、諸橋愛まで出切る。3番手に岩本俊介、5番手に野原雅也で隊列は落ち着くかに思われた。が、打鐘の3コーナーで野原がアタック、岩本はインを突いてもつれる。鈴木は主導権をキープして逃げる。番手の諸橋が野原を再三にわたりけん制。黒田淳のまくりは不発で、野原と諸橋が接触して車体故障。切り替えた和田健太郎、諸橋のインをすくった東口善朋(写真)が、鈴木をとらえて1着。


 「(内は空いていると)自信をもって踏んだけど、審議になったんでスッキリしない感じですね。野原も(ゴール後に)落車してしまったし、素直には喜べない。でも、頑張ってくれたおかげです。道中は楽だったし、3日間トータルで集中して走れている」


 主導権を明け渡すことなく風を切った鈴木竜士(写真)が、2着に粘り込んだ。


 「やっと先行選手らしいレースができたけど、ラインで決められなかったのが…。もう少し掛かっていれば違った。本当に一瞬だけど、ちょっと(押さえるのが)早いかなって思ってしまった。そこまで掛かっている感じもしなかった。もう少し伸びていけば…。2日間先行できていなかったから、正直、不安もありましたね」


 外の野原を張りながら、和田健太郎は最終ホームで関東コンビの後ろに切り替える。2センターで諸橋と野原が絡むと、内を踏んで伸びた。


 「ガシャンっていったんで、内に避けるしかなかった。岩本君はあの位置でもう少し落ち着ければ良かったけど、鈴木君の誘い水に引っ掛かった。切り替えたあとは、前が諸橋さんだった。だからタテにも踏めるので、最後内か外か考えていました。落ち着いて対処できたんで感じはいいと思う」


 

11R

選手の写真です。
渡邉雄太選手
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岡村潤選手

 中団の渡邉雄太(写真)にフタをした石塚輪太郎が、青板の4コーナーで前に出る。視界が開けた渡邉はすぐさま巻き返すが、岡村潤のアシストで中団に降りる。一本棒の7番手からまくってきた原田研太朗に合わせて、最終2コーナーから再度アタック。神田紘輔のブロックをものともせず、抵抗する石塚を直線入り口でとらえた。


 「(中団に降りてからは)石塚さんも掛かっていたけど、後ろも気になってしまって。1回、原田さんを見たら横にいて。ヤバいと思ったので、全開で踏みました。行けるとは思いましたね。出足も、自分のなかでは良かったと思います」


 岡村潤(写真)は神田のけん制で渡邉と車間が空くが、2車身差の2着。渡邉を迎え入れるなど、的確な仕事ぶりが光った。


 「(渡邉)雄太がすかさず仕掛けて。出られるとは思うけど脚を使って行ってもと思って迎え入れました。(神田のけん制は)競輪祭でああいう感じのレースを走ったし、最近の神田はヨコが厳しいのを知っていたので、なんとか凌げました。ただ、車間が空いてしまっている。ピッタリ付いていれば新田(康仁)さんが3着までに入れたかもしれない。脚と技術ですね」


 神田紘輔が、石塚の番手から追い込んで3着に入った。


 「後ろの状況はわかっていました。車間を空けすぎてしまいましたね。車間を空けようと思ったら、(石塚)輪太郎が前に行ってしまって。ただ、調子が悪かったら前を抜けていない。脚は悪くないと思います」


 

12R

選手の写真です。
郡司浩平選手
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吉田敏洋選手

 ラインを背負った機動型の意地が、ぶつかり合う乱ペース。青板前からレースが動き出し、堀内俊介に合わせて出た竹内雄作が主導権を握る。しかしながら、堀内も懸命の抵抗。郡司浩平(写真)は中団に収まって、じっと我慢した。浮いた堀内が、赤板の2コーナー手前で後退。4番手の郡司は最終ホームからまくりを打って、番手発進の吉田敏洋をとらえ後続をちぎった。


 「(堀内を)赤板で入れてあげたかったけど、モガき合ってたんで申し訳ないですね。もうワンチャンスあるようにできてたら…。そのあとは(堀内)俊介さんの気持ちもあるし、キツかったけど(まくりに行った)。その前に1回見ちゃってたんで、次に詰まったらすぐに行こうと。竹内さんもタレ始めてたし、あとは吉田さんを乗り越えられれば。脚の方は問題ないですね」


 郡司が堀内を気遣ったように、吉田敏洋(写真)は竹内の先行選手としてのプライドを軽んじることなく口を開く。


 「難しいところですよね。(竹内)雄作は力はあるけど、(戦法の)武器が少ないから。(堀内と主導権争いを)やるんなら、自分もとことん付き合おうと。とんでもないところからレースが始まったけど、最近のなかでは(竹内の)スピードは良かった。あとは(準決の)疲労がどれだけ回復するか。自分は雄作の頑張りを無駄にしないように」


 郡司のまくりに、渡邉晴智は付いていけない。吉田マークの三谷将太も最後はいっぱいになったが、流れ込んで3着をキープした。


 「(決勝に乗れて)良かったです。恵まれました、前のおかげですね。決勝は吉田さんと東口(善朋)さんが同期同級生なんで、自分は鈴木(竜士)君に。先行選手として魅力のある選手ですから」


 


 


≪最終日9R「レインボーカップA級ファイナル」≫


 3着までの選手がS級2班に特進できる一発勝負。前期S級でも随所で活躍していた嶋津拓弥は、今期9場所走って確定板(3着以内)を外したのが1度のみ。抜群の安定感を見せた。


 「今期の前半は緊張して気楽に走れなかったです。調子が悪い状態での降級だったので、A級でも勝てなかったらヤバいなと。(8月小倉FII後に1カ月半空いたのは)左ヒザを怪我したまま練習をしていたら、右のふくらはぎが肉離れになってしまったから。でも、もう問題ないです。今回も、あの(前回の西武園FIを完全優勝した)感じでいけたら。みんな積極的なメンバーだから、自分も動かないことには。車番がいいから、流れに応じて走ります」


 吉田茂生は特昇こそならなかったが、9月奈良ミッドナイトから5連覇を含む今期7V。ここも器用に立ち回って激戦を制するか。


 「今期の前半は決め切れなかったけど、後半は良かったと思います。今回は勝負駆けの選手もいないし、普通の決勝戦だと思って。33バンクだし、いいところで前に出られるように。初手で中団が取れれば、先行を含めてなんでもします。3着までのつもりで走れば、いいところまで行けると思う」


 今期は降級となった日当泰之も、積極的なスタイルを崩さずに好走。持ち前のタテ攻撃はA級屈指の破壊力を誇る。


 「(1年半ぶりにA級を走った感想は)やっぱり、走るならS級ですね。今期は最初が良かったけど…。ここまでは雪が降って外で乗れなかったので、パワーマックスをやった。数値も良かったし、状態は悪くないと思います」