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決勝戦レポート
小松崎大地(福島・99期)
小松崎大地が完全復活
絆を再確認した北日本勢が大垣バンクで躍動。その番手を回った小松崎大地が、チャンスをモノにして記念初Vを手にした。
「(新山)響平もすごい気持ちが入っていましたね。(後ろの状況は)全然わからなかったです。響平のことを信じて後輪しか見ていなかったです。こんなに恵まれるとは思っていなかったですね。ありがたいです」
野球選手から輪界へ。デビューから1年でS級に定着するなど順調に階段を上った。しかし、昨年の夏ごろから急ブレーキ。結果がともなわない日々も、前だけを見続けた。
「(レース前に)成田(和也)さんに『(2人とも)北日本を代表する機動型なんだから、主導権だけは譲るな』と気合いを入れてもらいました。評価してもらえているんだなと。悩んだりもあったけど、評価してくれている人がいて、間違っていなかったと思いました。(ここまで)がむしゃらに突っ走ってきたので、(デビューからの6年での記念Vは)短かったり、長かったりですね」
東日本大震災から約6年。小松崎は「いわき平にいました」と地元で被災した。復興こそ進むも、今なお住み慣れた地域に戻れない避難生活者も存在する。様々な想いを巡らせながら、今シリーズに臨んだ。
「軽はずみなことは言えないですけど。走れることに感謝しながら参加した開催でした」
このVをきっかけに反撃を開始する。自信を取り戻した小松崎が、今後のG戦線でも暴れ回る。
「もっと、もっと結果を出さないといけないので。北日本の核の一部として、頑張ります」
成田和也は小松崎に続き稲垣と2着同着。優勝こそ逃したが、北日本勢の精神的支柱を担った。
「前の2人に付いていっただけで、自分は何もしてませんよ。付いていて感じは良かったです。力があればしっかり(ワンツーが)決まっていたと思うけど。同着なんで最低限の結果ですね」
最終バックで竹内との激しい中団争いを制した稲垣裕之は内のコースを最後まで諦めずに踏み込んだ。
「新山君の先行意欲がすごかったです。モガき合っても意味はないと思って(4番手を取りにいった)。敵ながら、震災から6年目で東北勢の意気込みが伝わってきました。僕も負けないように走ったんですけど、何とか2着が精いっぱいでした」
北日本の先頭を任された新山響平は気迫あふれる先行策を披露。小松崎の優勝に貢献した。
「全部、突っ張ろうと思ってました。中団争いになっているのは分かったし、内だけ気をつけてました。もしかしたら行けるかなって思ったけど、長い距離を踏んでホームからは全開だったのできつかったです」
単騎の河端朋之は最後方からまくるも、前が遠かった。
「内に詰まるよりはと思って、ためて一発を狙いました。小松崎さんが早めに番手から出るぐらい前でモガき合って、その上を行くのが理想だったんですけどね。スピードは良かったんですが、前まで遠すぎました」
地元記念Vが期待された竹内雄作だったが、稲垣との位置取り争いに敗れて6着。「力不足です。また練習します」と悔しい気持ちを押し殺した。
レース経過
スタートで一瞬見合ったが、成田和也が追って誘導の後ろを取った。初手は新山響平−小松崎大地−成田、竹内雄作−柴崎淳−山内卓也、稲垣裕之−田中晴基、河端朋之の順で並ぶ。
動いたのは青板周回の2角から。稲垣が早めに上昇していくと、前の新山は車を外にはずして突っ張る素振りを見せる。すると、稲垣は中団まで車を下げ、竹内と4番手を争った。中団がもつれるなか、打鐘前に誘導が退避すると、新山は一気にペースアップして主導権を握る。新山が軽快に逃げる一方で、稲垣と竹内で激しくやり合いホームを通過していく。すると、河端が最後尾からスパートする。河端が勢い良く迫ってくると、車間を空けていた小松崎が、合わせて前に踏み込んだ。小松崎は後続を振り切ってゴールし、記念初優勝を遂げた。外を踏んだ成田と、中団争いを制した稲垣が、直線で小松崎のインに入ってそれぞれ2着同着となる。
着 | 車番 | 選手名 | 府県 | 期別 | 級班 | 着差 | 上り | 決まり手 | H/B |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 5 | 小松崎 大地 | 福島 | 99期 | S1 | 11.7 | まくり | ||
2 | 2 | 稲垣 裕之 | 京都 | 86期 | SS | 3/4B | 11.5 | 追込み | |
2 | 3 | 成田 和也 | 福島 | 88期 | S1 | 3/4B | 11.6 | マーク | |
4 | 8 | 山内 卓也 | 愛知 | 77期 | S1 | 1/4W | 11.3 | ||
5 | 6 | 柴崎 淳 | 三重 | 91期 | S1 | 2B | 11.6 | ||
6 | 1 | 竹内 雄作 | 岐阜 | 99期 | S1 | 1/2W | 11.6 | ||
7 | 4 | 田中 晴基 | 千葉 | 90期 | S1 | 1/2B | 11.5 | ||
8 | 9 | 河端 朋之 | 岡山 | 95期 | S1 | 1/2W | 11.8 | ||
9 | 7 | 新山 響平 | 青森 | 107期 | S1 | 4B | 12.5 | H B |