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53#

決勝戦レポート

根田空史(千葉・94期)

根田空史が記念初制覇

 南関勢の強い団結力が実を結んだ。地元の三谷竜生にGP王者の村上義弘、山崎芳仁ら強敵を相手に南関カルテットがレースを支配。絶好展開から力の限りペダルを踏み込んだ根田空史が後続の追撃を振り切った。
 「郡司君が本当に強かった。あれだけ行ってくれたので、その気持ちに応えようと思いました。(三谷が)来たのが見えてから踏んだけど、なかなか車が進まなかったですね。けっこうきつかったし、岡村(潤)さんも脚があるので最後は勝ったか分からなかったです。南関の結束、チーム力で優勝することができました。まだ記念初優勝の現実味がないですね」
 昨年の秋頃から成績が急降下。大きく点数を落としてしまったが、前回の松山記念からフレームを換えて気配は一変。今シリーズは初日から強さが際立っていた。
 「松山から練習で使っていたフレームに換えて、自分でもびっくりするぐらい車が進むようになりました。あれ以上、いいフレームはないと思います。この半年間は何だったんでしょうかね」
 スランプを乗り越えた根田の強さは本物だ。これからはビッグ戦線でさらなる活躍が期待される。
 「この流れで全日本(選抜)に出れないのが本当に残念ですね。ウイナーズカップに照準を合わせて、きっちり仕上げていきます。もっと上の舞台で活躍できるように頑張ります」
 
 番手まくりの根田に続いた岡村潤が2着。直線で詰め寄ったが、わずかに届かなかった。
 「あんなにうまく決まるとは思わなかったです。南関から優勝者を出そうっていう気持ちでみんなが走れました。それがよかったですね。それにしても郡司君がすごかった。自分は何もしていない。ただ付いていっただけですね」
 
 郡司浩平は南関勢の先頭で赤板から果敢に風を切った。
 「南関でまとまったので、自分のできることをやろうと思ってました。後ろから攻めたかったので、スタートは我慢しました。村上(義弘)さんは受けて立つ立場なので、出てくれるかなって。しっかり自分の仕事はできたし、南関の結束力は見せられたと思います」
 
 地元の三谷竜生は南関の結束力の前に敗れた。懸命に外をまくり上げたが、3着に入るのが精いっぱいだった。
 「もうちょっと対処の仕方はあったと思います。それでも仕掛けないと(優勝は)ないので、流れのなかで仕掛けました。郡司も根田も強いから厳しかった。また次、頑張ります」
 
 山崎芳仁は後方の8番手で不発に終わった。
 「粘ることは考えてなかったし、やり合ったところをめがけて行こうと。郡司君が行って、すぐ三谷君が行くかなって思ってたけど中団に入られてしまった。一か八かだったので仕方ないですね」
  • 優勝者の写真です
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レース経過

 スタートで北日本コンビは出るが、その後ろがけん制。村上義弘がようやく前を追いかける。山崎芳仁―内藤宣彦で前団。三谷竜生―村上―椎木尾拓哉、郡司浩平―根田空史―岡村潤―大西健士の隊列。
 郡司は早めに動き出して、青板で3番手の三谷に併せ込んでフタをする。三谷がゆっくりと引くと、いったん3番手に収まった郡司が赤板目がけて踏んで主導権を握る。郡司に根田―岡村―大西まで追走。7番手の三谷がすかさず巻き返して打鐘を迎える。三谷は山崎が踏み遅れた中団に入り反撃のタイミングをうかがうが、逃げる郡司の掛かりがいい。番手の根田が車間を空けて、最終ホームを通過する。5番手の三谷が2コーナーからまくって出るが、それと同時に番手の根田も踏み上げる。根田が番手まくりで先頭に立ち、岡村―大西。その上を三谷が迫るも3番手まで。南関両者の勝負は、根田が岡村を振り切ってV。大西は直線でいっぱいで、3着に三谷が入る。
 

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 8 根田 空史 千葉 94期 S1 9.7 まくり B
2 5 岡村  静岡 86期 S1 1/4W 9.6 マーク
3 3 三谷 竜生 奈良 101期 S1 1B 9.6 まくり
4 1 村上 義弘 京都 73期 SS 1B 9.6
5 6 大西 健士 神奈川 88期 S2 1W 9.7
6 7 椎木尾 拓哉 和歌山 93期 S1 1/2B 9.5
7 9 山崎 芳仁 福島 88期 S1 3/4B 9.4
8 4 内藤 宣彦 秋田 67期 S1 1B 9.4
9 2 郡司 浩平 神奈川 99期 S1 D 11.1 H