S級戦は各地区に力のある選手がそろいハイレベルな優勝争いになりそう。なかでもラインとしてバランスが取れているのが吉田敏洋、坂口晃輔の中部コンビだ。吉田は昨年6月高松宮記念杯の落車で鎖骨骨折したが、ここまでは順調に回復。昨年終盤は落車前と変わらない走りを見せていた。坂口晃輔はこのあと松阪記念に地元、四日市での全日本選抜と気の抜けない戦いが続く。そこにつなげるためにも、好メンバーがそろったここでしっかりと結果を残しておきたい。
飯野祐太、山崎芳仁の福島コンビも強力だ。山崎は高いレベルで状態は安定している。番手戦で結果がともなわず成績がまとまらないが、11月競輪祭からまくりで4勝の数字は好調の証。ここも飯野との連係がありそう。そろそろ番手でも結果を残したい。飯野は12月別府記念で調子がいいと話していたとおり、続く平で2勝、最終戦の四日市では逃げ切って優勝を飾った。今シリーズも山崎にとって頼もしい目標となるだろう。
後半戦に落車が続いた山田英明は立て直せないまま昨年最後のG1、競輪祭を終えた。そこからは気持ちを切り替えて2018年からの戦いに目を向けていたが、12月宇都宮では212着と迷いのない仕掛けで好走している。昨年はG1で2度のファイナルを経験した実力者。高い総合力で優勝争いに加わるか。
渡部哲男の存在も忘れてはならない。スジの目標こそ手薄だが、12月宇都宮では山田英明をマークから優勝するなど差し脚は好調。特選はともかく地元のここで位置が悪いレースにはならないだろう。まずは決勝に勝ち上がって、虎視眈々とチャンスをうかがう。
鈴木裕を先頭に武田憲祐、松坂英司と南関勢はなかなかの好メンバー。なかでも武田は生まれ故郷の愛媛で好気合の走りを見せてくれそうだ。
落車続きの佐藤悦夫だが、高い競走得点は軽視できない。阿部大樹に山岸佳太と関東の機動型が豊富な点は強みだ。