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まつど競輪

MATSUDO KEIRIN

31#

検車場レポート

  • 4/29 Mon.  (前検日)
  • 4/30 Tue.  (1日目)
  • 5/1 Wed.  (2日目)
  • 5/2 Thu.  (3日目)
  • 5/3 Fri.  (4日目)
  • 5/4 Sat.  (5日目)

1R

選手の写真です。
松本貴治選手

 オープニングレースの1番車を任されたのは松本貴治(写真)だ。初日は3連勝中で今年に入って1度も確定板を外していない。


 「確かに初日はいいですね。1レース1番車に選ばれたのはうれしい。1着を取りたいですね。最近は脚もいいし、ダメなレースも少なくなってきた。ひとつひとつのレースが勉強になってます」


 桐山敬太郎は、4月静岡FIで決勝進出を逃した。


 「ダービーに向けて、自力が落ちていると感じたので、(静岡の)初日はわがままを言って(渡邉雄太と)別線勝負させてもらいました。決勝で連係するつもりだったんですが、準決勝で失敗しました。疲れがありましたね。初日は見すぎないように。積極的な自在でいきます」

2R

選手の写真です。
鈴木竜士選手

 鈴木竜士(写真)はFIシリーズとはいえ、直近3場所で優勝2回。調子、戦歴とも右肩上がりだ。


 「脚力自体はそんなに変わってないと思うので、最近は流れだけですね。練習もいつもと変わらずやってきました。今回は決勝に乗りたいと思ってます。やれることをしっかりやるだけですね」


 松川高大は、4月静岡FIで準決敗退。今年序盤戦の勢いはなくなったが、デキに問題はない。


 「1月、2月は勢いもあったし、流れも良かったですからね。そのころに比べると調子は少し落ちてるかもしれないけど、脚自体は変わっていないと思います。最近は走りすぎて、疲れもあったので、静岡はダメでした。今回は大丈夫だと思います。33バンクも細切れも得意なんで頑張ります」


 

3R

選手の写真です。
岩本俊介選手

 岩本俊介(写真)は4月川崎記念で優出。地元のビッグレースをいい流れで迎えることができた。


 「(準決で)志佐(明)に頑張ってもらって、決勝に乗ることができました。それまでちょっと成績が悪かったんですが、あれで流れは変わったと思います。練習は変わらずにやってきたし、調子はボチボチですね。地元はあんまり意識せずに、いつも通り仕掛けたいと思ってます」


 金子哲大は3月大宮FIで今年初優勝を飾ったが、その後はパッとしない。


 「ずっとレースが詰まっていて、疲れがたまっていたんで、1本欠場させてもらいました。そのぶん練習はしっかりできました。GIはメンバーがすごくて厳しいけど、自力でしっかり力を出し切るレースをします」


 

4R

選手の写真です。
鈴木謙太郎選手

 鈴木謙太郎(写真)はカマシ、まくりを主武器に高いレベルで安定している。


 「セッティングはいい感じになって、状態的にも仕上がっていると思います。33バンクは久しぶりだけど、いまなら長い距離をもがける。初日は近藤(隆司)さんがカマシタイプなんで、そこはしっかり警戒して走りたいですね」


 近藤隆司は、地元のビッグレースで気持ちが入っている。


 「今回はGI前であまり追い込みすぎないように練習してきました。前回の和歌山は新車を試したらまったくダメだったので、今回はいつものフレームに戻します。あとは地元パワーで頑張ります。負けられない気持ちです」

5R

選手の写真です。
石塚輪太郎選手

 石塚輪太郎(写真)は積極策を貫いているが、成績はやや伸び悩んでいる。


 「最近はFIで決勝に乗ったり、乗らなかったりで、ちょっとパッとしないですね。調子自体は悪くないので、どこかで流れを変えられればと思ってます。練習はいつも通りやってきました。GIを走り始めて2年目になるので、気持ち的に余裕は出てきていると思います。稲垣(裕之)さんの前でしっかり頑張ります」


 佐々木豪は4月高知記念で優出こそ逃したが、シリーズ3勝を挙げた。


 「最近はしっかり踏めるようになってきました。でも、決勝に乗らないと意味はないですからね。終わってから体調が良くなくなかったので、1本欠場させてもらって、しっかり休んでから練習しました。調子自体普通ですね。でも、普通が一番ですから。33バンクは(昨年10月)前橋(寛仁親王牌)以来ですけど、嫌いじゃないし、しっかり仕掛けます」


 

6R

選手の写真です。
稲毛健太選手

 稲毛健太(写真)は4月松阪FIで今年2度目の優勝を飾った。続く同月高知記念は二次予選で敗退したが、2勝を挙げた。


 「高知はちょっと体調が悪かったですね。それから2週間空いて、練習はふつうにやってきたので、今回は大丈夫です。力を出し切った時はなんとかなっている。GIでも自分のレースができれば結果は出ると思ってます」


 北津留翼はまくり一辺倒になっているが、はまった時の爆発力は凄まじい。


 「最近は決勝に乗れているけど、着にはバラツキがありますね。感触的にはふつうです。レース間隔は詰まっているんですが、そのほうがいいです。33バンクなんで立ち遅れないように、しっかり展開を見て走りたいと思います」


 

7R

選手の写真です。
山中秀将選手

 山中秀将(写真)は2月全日本選抜の落車で、約2カ月半の長期欠場を余儀なくされた。今回が復帰戦になる。


 「股関節を痛めて、軽いローラー、ウエートトレーニングを始めたのが1カ月前くらい。練習では少しずつ動けるようになってきました。どこかで復帰しないといけないですからね。地元でこういう舞台を走れるのがあと何回あるかわからないし、復帰を決めました。どのくらいやれるかわからないんですが、あとはレースの集中力でなんとかしたいです。ここをキッカケにして、良くなればと思ってます」


 田中晴基は走りっぱなしの状態だが、不安は何もない。


 「実戦で走っていくうちに、良くなっていると思います。前回の平塚も準決で1着が取れてますからね。山中君とはここに来る前の練習で1本だけ一緒にもがきました。僕はただ付いていくだけなんで」

8R

選手の写真です。
松谷秀幸選手

 松谷秀幸(写真)は落車、失格で流れが悪かったが、ようやく上向いてきた。


 「前回(平塚FI)はちょっと反応が良くなかったですね。終わってからは中4日だったので調整程度。上積みはそんなにないけど前回よりはいいと思います。初日は細切れですね。和田(真久留)君に任せて頑張ります」


 不破将登はビッグ初挑戦となった3月ウィナーズカップで準決進出。今大会はGI初出場だ。


 「去年(9月の)岐阜記念からずっといい感じで走れてます。調子も変わらずいいですね。ウィナーズカップは初日は緊張したけど、2日目からはいつも通り走れました。GIは初めてなんですが、まだ実感はないですね。いまはワクワクのほうが大きいです。あまり硬くなりすぎないようにして、楽しんで走りたいです」

9R

選手の写真です。
南潤選手

 3場所の小倉GIIIで優勝を飾った南潤(写真)だが、続く33バンクの防府FIを385着。前回の大垣FIでも優出しているだけに、短走路での不安はぬぐえない。


 「33バンクでいい思いをしたことがない。だから、今回は考えすぎずに、思い切ったレースができればいいなと思ってます。小倉(決勝)は自分が得意なカマシ(まくり)なんで、タイムというより優勝できたことが自信になった。自分のなかではあんまりいい感覚ではないけど、結果が出てるんで意外といいのかなと」


 坂本貴史は前回、地元の青森FIを722着で上々の動きを見せた。決勝は短期登録制度で来日しているドミトリエフ(ロシア)に先着を許すも準V。


 「いつも通りしっかり練習をしてきたし、いいですよ。青森よりも上積みがあると思います。あとは(走りに)メリハリをつけて、気持ちで負けないようにしたい」


 

10R

選手の写真です。
吉田敏洋選手

 ナショナルチームの活動で前回の川崎ナイター記念2141着が、昨年8月以来の競輪だった深谷知広は中7日でGIに臨む。


 「(川崎では)積極的に動けてる。あとは(競技と)ギアとかも違うんで、そこら辺をしっかりと対応できるようにしないと。練習は普通に(ナショナルチームでのトレーニングを)やってきました」


 同県の深谷とのセットになった吉田敏洋(写真)は、前回の落車の影響も少なそうで気を引き締める。


 「体は大丈夫ですよ、感触はむしろ(落車前より)いいんじゃないかと。決して強がりとかじゃなくて。自転車を新車にしたのがいいんじゃないかって。前が深谷だし、まずは付いていくことに集中します」


 

11R

選手の写真です。
脇本雄太選手

 今年初場所となったウィナーズカップを1121着でV。圧巻のパフォーマンスを見せた脇本雄太(写真)が、3度目のタイトルをダービーで狙う。


 「自分のなかでは成長過程を把握できないけど、成長を感じられるようになってればと思います。(1走目は)自分の調子を確かめるためにも、リスクを背負っていつも通りのレースをするしかない。(村上義弘、椎木尾拓哉は)頼りあるラインなんで、ラインで決めたいですね」


 松浦悠士は直近の3場所で7勝と白星ラッシュ。近況の充実ぶりから、初戴冠がいつ訪れても不思議はない。


 「去年からここの特選に乗るのが目標でしたし、(昨年12月に)広島記念も獲れて目標を達成できた。やりたい練習を完全にできたわけじゃないけど、広島のレース自体がいい練習になった。(広島は)かなり収穫になりました」


 前回の前橋FI決勝はゴール後に落車に見舞われた吉澤純平だが、状態的には問題なさそうだ。


 「(落車は)全然大丈夫です。普通に練習もできたし、(怪我を)治しながらやれた。去年の取手記念くらいで使っていたフレームを今回は使います。自分のいいところを出すには、このフレームの方がって思ってます。あとはセッティングでスピード的なものを補っていければ」

1R

選手の写真です。
小倉竜二選手

 スタートけん制から前受けした松本貴治が、山岸佳太の上昇を許さず赤板前から突っ張って逃げる。小倉竜二(写真)が番手好ガードから鋭く追い込んで勝ち星を挙げた。


 「(山岸が)当たれないところにいたし、小林(大介)君も来たけどなんとか4コーナーを3人で回れた。(状態は)なんか重たく感じたね」


 突っ張り先行で長い距離を踏んだ松本貴治は末を欠いたが、3着で二次予選進出を決めた。


 「前を取ったら突っ張りしかなかった。33バンクだし、引いたら巻き返せないですからね。ペースは難しかった。もう半周踏める脚があればいいんですけど、感じは良かったです」


 

2R

選手の写真です。
鈴木竜士選手

 「遅ければ突っ張ってもいいと思ってたし、うまいとこが取れました」とは、3番手キープからのロングまくりでGI初勝利を飾った鈴木竜士(写真)。前受けから中部コンビを受けて3番手に入ると、別線の仕掛けを待つことなく打鐘の4コーナーで踏み込んだ。


 「あそこで行かなかったらキツかった、かぶっちゃうんでね。そこからはうまく(力を)抜いて、ゴール前で踏み直せました。行けるところで行くだけと思ってた。それで行けたんで良かった」


 松川高大のまくりに乗った園田匠が、外を踏んで松戸の短い直線をシャープに伸びた。


 「(松川は最終)2コーナーで行ってれば越えてましたね、ちょっとためすぎた。自分で(まくって)行けるくらい余裕がありました。ただ、直線が短いんで、アタマまでいかなったですけど」


 

3R

選手の写真です。
柴崎淳選手

 赤板前に切った柴崎淳(写真)は、金子哲大を受けて3番手を確保する。7番手となった岩本俊介は打鐘前の2コーナーから反撃に出るが、3番手の外で勢いが止まって後退。最終2コーナーから柴崎が好回転でまくって圧勝した。


 「展開一本。(岩本が)来たのがわかって、一緒に合わせて踏もうと思ったんですけど、あおりがあって、ためらいました。感じは良くないですね。自信がないまま迎えたんですが、こうやって特別競輪で1着を取って、自分のレースができれば自信になっていくと思います」


 柴崎にまくられながらも金子哲大が2着に踏ん張った。


 「岩本さんがジャンを目がけて思いっきり来ると思っていたので、(赤板)2コーナーから全開で踏みました。あとは合わせられるかどうか。(落車の)音もしたんですが、無我夢中でした。柴崎さんが1人で来たのがわかって、最後まで踏むだけでした。負け戦を走るものだと思っていたし、勝ち上がれてよかったです」


 

4R

選手の写真です。
成田和也選手

 赤板の1センターで高橋和也を押さえ込んだ佐藤友和は、腹を固めて近藤隆司を突っ張って駆ける。番手の成田和也(写真)は、けん制した近藤隆を最終2センターで仕留めて追い込んだ。


 「本当に(佐藤)友和が頑張ってくれました。(近藤隆に)行かれちゃうかなって思ったけど、合わせ切ってくれた。重くて友和もキツそうだったけど強かったですね」


 同期、北日本のタイトルホルダーのワンツー。近況、大敗も目立つ佐藤友和だったが、別線を完封する先行策で底力を見せた。


 「成田さんを負けさせるわけにはいかないので、現状の自分のデキを考えてもまくりに構えて一発狙うレースは違うと。いつぶりですかね成田、佐藤で決まったのって(笑)。10年は経ってそうですね」


 

5R

選手の写真です。
石塚輪太郎選手

 佐々木豪が赤板で石塚輪太郎(写真)を叩いて逃げる。打鐘過ぎに後方から踏み込んだ小原唯志は最終ホームで3番手に降りる。押し込まれた石塚は岩津裕介をすくって、まくりを打つと、切り替えて迫った岩津をタイヤ差で振り切った。


 「佐々木君と踏み合ってもいまの脚力ではもたないと思い、そこは冷静に出させました。空いたところでそこしかないと行けた。この展開では脚の感じはわからないけど、余裕があるからこそ内が空いたのが見えていると思います」


 石塚にすくわれた岩津裕介は、レース内容を反省する。


 「油断してしまった。稲垣(裕之)さんを背にしている石塚君が巻き返してくると外を警戒していたら、内をいかれてしまった。最後はこうなった以上せめて1着はと思ったけど…。修正します」


 石塚との連係を外してしまった稲垣裕之は、懸命のリカバリーで3着に入った。


 「石塚君が小原君に押し込まれて。付いていったら内抜きになりそうだったので、外をう回したら(石塚が)内からいってましたね。最終ホームからいつ自力を出そうかタイミングを計っていたところだったので対応できなかった。でも、調整はうまくいっていそうです」


 

6R

選手の写真です。
山崎芳仁選手

 赤板で先頭に立った小松崎大地が、絶妙なペースをつくり出して逃げる。4番手の稲毛健太は、最終ホーム手前から踏んだ池田勇人にすくわれて仕掛けられず終了。番手絶好の山崎芳仁(写真)が、ゴール寸前で差し切り1着。


 「(小松崎)大地君の掛かりも良かったし、自分はサラ脚だった。みんな脚を使ってたんで、(まくりが)来たら止められると思った。守澤(太志)君もいるんで、もっていってもしゃくられないんで。(グランドスラムに)一歩前進ですね」


 2周先行でラインを上位独占に導いた小松崎大地は、「(ラインが)ひとりも欠けなかった。合格点をもらえるかな」と、振り返り、こう続ける。


 「ちょっと(別線が)読み切れないところもあったけど、セオリー通りというか流れで動いた。(距離が)少し長くなったけど、しっかり駆けられた。いい形にもっていけたんで、これでラインで決められなかったら僕の責任だと思った」


 

7R

選手の写真です。
田中晴基選手

 赤板で切った松岡貴久を松岡健介が叩いたところを山中秀将が一気に踏み込んで主導権を取る。8番手から好スピードでまくり上げた横山尚則を田中晴基(写真)がけん制しながら追い込んだ。


 「前だと踏み出しで(山中に)付いていくのもキツかったですからね。風もありましたし、山中君は本来の掛かりではなかったと思います。先行してくれる展開だったのでラインのおかげです。最後は(松岡貴が)上から来ちゃいましたからね。それでも残せればよかった」


 8番手から大外を踏み込んだ松岡貴久は2着まで。


 「なにも考えずに、取れた位置からと思ってました。山中は本調子じゃないみたいだし、そんなに掛かってる感じはしなかった。でも、いっぱいいっぱいでした。田中(誠)さんと決められなかったのは申し訳ないです。結果よりも感触がイマイチですね」


 

8R

選手の写真です。
松谷秀幸選手

 赤板で先頭に立った早坂秀悟が流したところに、佐藤幸治が襲い掛かり主導権を奪う。一度は6番手まで追い上げた和田真久留は、すかさずスパート。最終2コーナーで前団をとらえると、続いた松谷秀幸(写真)が不破将登のまくりを阻み抜け出した。


 「(和田)真久留が強い。無理やりですよ、あれは。タイミングとか取れてなかったと思う。(スピードが)合っちゃうなって思った。そのあとも荒井(崇博)さんにもってこられないように後ろで休んでまた踏み込んでた。本当に強かった」


 素早い反応が光った和田真久留は、前回の途中欠場の影響を感じさせない動きを見せたが、コメントは慎重だ。


 「まだ全開で踏むのはちゅうちょしますね。かばいながらというか、セーブしながらだったから地脚みたいな感じでしたね。休めるのは大きいし、ケアをして(二次予選に)備えたい」


 

9R

選手の写真です。
南潤選手

 別線が切り合う動きに乗って、南潤(写真)が赤板から主導権を握る。打鐘過ぎで隊列は一本棒となり、最終ホーム8番手から長島大介がまくり上げる。これを山田久徳がブロックすると、援護を受けた南がそのまま押し切った。


 「思ったよりも掛かっていた。直前の練習での感じが良くなかったので、頭の中では重い感じがしていた。けどレースのVTRを見たら合わせる時にダッシュできているし、体の方は良さそう。いい意味で感覚のズレがある。疲れを取って調整すれば大丈夫だと思います」


 近畿ラインの3番手を固めていた神田紘輔が、山田が外へ振った内を伸びて2着。


 「落車明けだけど調子はいい。ただ最後は(山田が仕事をしているのに)内に吸い込まれるような形で入っていってしまった。番手の気持ちもわかるだけに申し訳ない」


 

10R

選手の写真です。
深谷知広選手

 赤板目がけて踏んだ久米康平が、中団を併走にして主導権を握る。4番手の外で杉森輝大と併走になった深谷知広(写真)は、打鐘の3コーナーから踏み込んで巻き返す。最終ホーム過ぎに久米をとらえ、そのまま後続をちぎって押し切った。


 「余裕がある分、中途半端になりました。一思いに行けば良かった。どこでも行けるなって感じだったんで、待ちすぎました。セッティングを変えたけど、合わないですね。ちょっと良くないんで戻します。それで(レースのない2日目に)乗って確かめます」


 四国ラインのけん制もあって深谷に遅れた吉田敏洋だったが、4車身離されながらも2着に踏ん張った。


 「橋本(強)君にそのまま来られてたら、自分は飛んでましたね。ああいうレースが一番苦しい。(深谷が)パッと引いて、グッと踏んで、ドンと行けば良かったですけど」


 

11R

選手の写真です。
脇本雄太選手

 脇本雄太(写真)が異次元のパワーで他を圧倒。断然の人気に応えた。赤板の2コーナーから一気にスパートした脇本に、別線は手も足も出ない。マークした村上義弘も徐々に離れ、一人旅の圧勝だった。


 「まだ自分自身としては納得してない。タイミング的にはもう少し早めに行っても良かったと終わってから思いました。ラインを引き連れるようなレースができたんじゃないかと。自分が登り口で行けば、バックではライン丸ごと出切れるかなって。風よりも湿気があって重い感じがしました。いまの自分でどれくらいもつか感触はつかめました。日本で走る競輪を楽しみたい。リスクを恐れずに、やれることを全部やりたいと思ってます」


 打鐘の4コーナーで武田豊樹の内をすくって4番手を取った菅田壱道が、直線で外を伸びて2着。


 「最後にしっかり前の2人を抜いているんで悪くないです。松浦(悠士)がもうちょっと動くと思っていたけど、想定外にいい展開になりました。しゃくって前々にいけたし、判断は良かったと思います。しっかり勝ち上がって準決キップを取れたのは大きいです。このチャンスを生かして決勝までいきたいですね」


 離れた3番手で懸命に前を追いかけた吉澤純平が3着に入った。


 「ちょっとペースに入れすぎて、武田(豊樹)さんに迷惑を掛けました。あんまり早く行っても引き出してしまうと思って。踏んではいたんですけど、(脇本が)来て焦ってしまいました。前を必死に追いかけただけですね。相手が強かったです」


 


 


≪2日目≫


5R


 簗田一輝は待望のGI初出場だ。直前の川崎ナイター記念は準決で失格したが、気持ちは切り替えている。


 「前回はちょっと気合が入りすぎて、失敗しました。調子は悪くないです。GIは初めて。2日目が1走目も初めてだけど、いつもだんだん良くなるので、そっちの方がいいと思います。あんまり気負わずに、いつも通り走りたいですね」


 山田庸平は今年に入って3Vと好調。勝負強さが光っている。


 「このダービーに向けて、半年以上前から計画的にやってきた。その成果が思った以上に早く出てますね。今年に入って、ずっと感触はいいです。(坂本亮馬に)任せてもらったんで、自力自在に頑張ります」


 


 


6R


 根田空史は直前の西武園FIでオール連対の準V。地元GIに向けて、きっちり仕上がった。


 「西武園の感触は良かったし、体の感じもいいと思います。新車が(4月)28日に届きました。脇本(雄太)君のフレームとメーカーは違うけど、寸法はまったく同じ。それを持って来たんですが、練習で乗れてないし、まだ馴染んでないので、やっぱりいつものフレームを使います。ラインで決まるように頑張りたいですね」


 山賀雅仁は3月ウィナーズカップの初日に落車したが、その後は4月大宮、静岡とFIで連続準Vと結果を出している。


 「落車の怪我はふくらはぎの肉離れでした。医者からは1カ月かかるって言われたけど、驚異的に早く回復しました。前回(静岡FIの準決)は久しぶりに逃げ切れたし、タイムも良かった。いつも通り練習はやってきて、状態は悪くないと思います。根田君に任せて頑張ります」


 


 


7R


 吉田拓矢は、相変わらず破壊力抜群の攻めを見せている。得意の松戸バンクで好スタートを切る。


 「ここに向けて、計画的にやってこれました。前回(川崎ナイター記念)も決勝に乗れたんですが、それからコンディションも上がっています。走るのは初日の方が良かったですね。松戸はすごく相性がいい。しっかり力を出し切るレースをします」


 中井俊亮は、4月高知記念で3連対を果たした。


 「高知記念は内容が良かったり、悪かったりだったんですが、目標にしていた準決に乗れたし、収穫も多かったです。終わってから和歌山に合宿に行って、南(潤)君や新人たちといい練習ができました。みんなものすごく強いけど、自分も出し切れるように」


 


 


8R


 前回の広島FIでは優出を逃した新山響平だが、成績以上の手応えをつかんでいる。


 「広島もそんなに感じが悪くなかった。あとはもうちょっと疲れが抜けてくればと思ってます。直前の練習でも感じは良かったし、先行で(勝ち上がりを)決められればいいですね」


 49歳の小嶋敬二を先頭に、ベテラン3車で結束の中部勢。番手の志智俊夫は、至ってマイペース。


 「ここまでは自分のあっ旋を見ながら、いろいろ考えながらやってきました。バランスが悪かったり、痛いところがなくて(配分をこなして)いければ大丈夫。ほぼ好調です(笑)」


 


 


9R


 太田竜馬は、ここまで中2週間とゆとりのローテーション。


 「最近、(配分が)詰まってたんで、それはいいと思います。(仕上がりは)普通ですね、ダービーに向けてっていうのもない。ここが(最終目標ではないので)終わりではない、中間点なんで。(初日)1日休むのも問題ない」


 およそ1カ月半ぶりだった前回の青森FIを239着とまずまずの戦績で終えた堀内俊介は、太田の名前を見つけて表情を引き締める。


 「今年初めの方で(太田と)対戦する機会が多くて、負けてしまっている。だから、ここはしっかり勝負どころで仕掛けたい。3月はあっ旋が止まってたし、練習は結構できました」


 


 


10R


 郡司浩平は、前々回の小倉FIに続いて、地元の川崎ナイター記念でも優勝。連続Vで勢いに乗って「ゴールデンレーサー賞」進出を和田健太郎とともに目論む。


 「(川崎記念は)優勝を狙いにいったし、期待されていたところもあった。だから、それに応えられて良かった。ただ、そのあとはさすがに疲れも出ました。普段は1日で取れるのに、2日間、疲れが取れない状態だった。1週間なんで、すごい追い込むとかじゃなく、調子を維持してきた」


 昨年11月の取手記念以来の優勝を前回の前橋FIで遂げた山崎賢人が、再び勢いを取り戻しつつある。


 「前橋が感じが良かったんで、そのままきている。久しぶりの優勝でちょっと(気持ちが)楽になった。前橋の前からセッティングをいじってない。変えるところがないわけじゃないけど、だいぶ見直して不安はなくなった」


 ナショナルチームの活動に多くの時間を割いている新田祐大は、19年の初戦をダービーの特選で迎える。


 「なにかキッカケがあれば、(競技でのメダルが)次々と獲得できるのではないかと思ってた。だから、(3月の世界選の銀メダル獲得は)そのいい流れが向いたのかなと。(世界の強豪を相手に競技で)力負けしないっていう感じは得られた。(2日目の特選は)とにかく全力で」


 


 


11R


 ダービー3連覇の偉業がかかる三谷竜生の今シリーズ。グランプリのチャンピオンジャージをまとい古性優作とのタッグで始動する。


 「(怪我から復帰した3月のウィナーズカップから)良くなってるとは思います。あとは一戦、一戦しっかりと。前回(昨年)のダービーは(競輪場に)入る前に扁桃腺が腫れたりっていうのもあったんで、それよりは今回の方が調子がいいんじゃないですか」


 中村浩士は、前回の西武園FIを121着。昨年11月以来の優勝を弟子の根田空史とのワンツーで決め、好リズムで地元の大一番を迎える。


 「(西武園は)根田とでうれしかったですね。その(西武園)前から準備はしているし、脚をつけるというよりはレースのなかでのタイミング、その反応が大事だと思っています」


 今年まだ優勝のない平原康多は、記念の決勝で準Vが1回、3着3回ともどかしい状態が続いている。


 「(前回の)川崎の前の武雄ぐらいから、感覚が良くなってきている。新しく発見した部分もあったし、それがうまく結びついてますね。ここに向けてやることも、やってこられた」


 

5R

選手の写真です。
金子貴志選手

 2日目の一次予選はここから。赤板で飯野祐太が切って出ると、すかさず後方から竹内雄作が仕掛けて打鐘過ぎから先頭に立つ。番手の金子貴志(写真)は車間を空けて、山田庸平のまくりをけん制すると、その外をまくって来た簗田一輝に合わせるように直線抜け出した。


 「(竹内)雄作君のおかげ、落ち着いて仕掛けてくれた。すんなりだったのも大きいですね。バンクが重い感じがしたので、相手を引き付けつつでした。ただ、簗田君が外を来ているのは見えていた。(竹内が)残ってくれてよかった。ワンツーがベストでしたが。(自分の)状態はいいと思います」


 最終ホームで8番手に置かれた簗田一輝だったが、2コーナーから外に持ち出すと2着に食い込んだ。


 「一次予選からスタートけん制はしたくないと前に出ました。本当ならホームでは何がなんでも前々に行かないといけないのに申し訳ない。あおりさえなければ行けたが、あおりがあるのが競輪なので」


 

6R

選手の写真です。
工藤文彦選手

 打鐘前から仕掛けた中井太祐は金子幸央を締め込みながら内に切り込むと、逃げる工藤文彦の番手を奪う。最終2コーナーからまくって1位入線したが、打鐘で金子を落車させたことで失格に。逃げた工藤文彦(写真)が繰り上がりで1着となった。


 「決まり手は繰り上がりですね。作戦は(池田)良君に任せてたし、2人で勝ち上がれるレースをしようと話してた。(中井は)同期なんで優しいですね。残してくれました。(勝ち上がれて)信じられないです。前回(川崎記念)落車したけど(フレームビルダーの)本城さんが新しいフレームを間に合わせて作ってくれたので良かった。当たりフレームですね」


 中井との連結が外れながらも直線中を割った西岡正一が、2着に食い込んだ。


 「(落車を)避けるのに脚が張った。でも中井君が前々に行ってくれたのは良かったですね。後ろから見てたら相互(接触で中井はセーフ)かなと思ったけど、残念です。工藤の内は空いてないし、外も行けない。あそこしかないなと思ったけどコースも見えてますね。初日をクリアしたかったんで良かった」


 

7R

選手の写真です。
伊勢崎彰大選手

 赤板手前で誘導を降ろして先行態勢を取った中井俊亮は、吉田拓矢を7番手に置いて徐々にペースを上げる。単騎の伊勢崎彰大(写真)は、近畿勢の後ろでワンチャンスをうかがい、打鐘の4コーナーから思い切って仕掛ける。伊勢崎が最終1コーナー過ぎに中井をとらえる。番手に入った中井だが車間はなかなか詰まらず、そのまま伊勢崎が押し切って地元で勝ち星を挙げた。


 「S級300勝ですよ、地元ダービーの勝ち上がりで最高じゃないですか。年齢的にも、最後の機会と思ってね。どこかの3番手とかじゃなくて、勝っても負けても自分で思い切り踏んでと思ってた。ヤルって決めてたんで、あとはその気配を消してと。僕の場合は地元は10割増し。オッズ的には人気がなかったけど、声援はすごくありました。新車ともマッチしてるし、周回中からストレスがない」


 最終3コーナーで吉田をけん制した村田雅一が失格。吉田、柏野智典が落車。2着も中井俊亮は、手放しでは喜べない。


 「村田さんがやってくれて、番手に入れましたけど。いい展開過ぎて…。吉田君に先手を取られたら厳しいんで、先行基本にはと思っていた。伊勢崎さんもすごい掛かってた。調子自体は引き続き(悪くない)」


 

8R

選手の写真です。
志智俊夫選手

 前受けの小嶋敬二は徐々に誘導との車間を切ると、上がって来た取鳥雄吾を赤板ホームから突っ張る。7番手の新山響平も1センターから仕掛けるが、これも出させず主導権を握ると、番手絶好になった志智俊夫(写真)がゴール前で抜け出した。


 「(小嶋が)突っ張るなって感じがしました。僕が動いているように見えたかもしれないけど全部、小嶋さんが合わせてくれた。(最後は)重なってみんな来たように見えたので踏みました」


 出切れなかった新山が外に浮くと、最終3コーナー、4番手からまくり気味に踏んだ大槻寛徳が2着に食い込んだ。


 「たぶん(新山は)全開で踏んでいなかったと思うけど、力負けですよね。自分は入れてくれた和田(圭)のおかげ。脚の感じはいいし、2コーナーでまくれれば行けたと思うけど、タイミング的に悪かったですね」


 

9R

選手の写真です。
小原太樹選手

 前受けから7番手に下げた太田竜馬は赤板ホームからすかさず巻き返す。番手の渡部哲男が離れ、番手にはまった堀内俊介は3コーナーからまくりに行くが太田の踏み直しに出はイマイチ。堀内マークから外を回した小原太樹(写真)が直線鮮やかに突き抜けた。


 「堀内君が前々に踏んでくれた。あの形しかないと思ったけど、堀内君が頑張ってくれた。太田君が踏み直しているところをもう1回いってくれて、難しい判断だったけど外を踏んで1着を取れたので良かったです」


 裸逃げになってしまった太田竜馬だったが、しっかりと踏み直して2着に踏みとどまった。


 「後ろが離れてヤバいってなった。後ろがいなくなってからは一定のペースで踏んで、そうしないと詰まったら踏まれると思ったので。そして最後は力を振り絞って(堀内を)合わせてからはだ性でした」


 

10R

選手の写真です。
中川誠一郎選手

 九州ラインを追った新田祐大が、その上を踏み込んで赤板の2コーナーで先頭に立ち、そのまま駆ける。3番手に入った山崎賢人は、打鐘の4コーナーから反撃に出たが新田に合わされる。山崎を再び3番手に迎え入れた中川誠一郎(写真)は、4番手から自らまくり追い込んで突き抜けた。


 「(新田は)さすがだなって思いました。意表を突かれたんで、(山崎)賢人も構えてなかった。そのあとは、よく遅れずに3番手を取ってくれた。(新田が)掛かってたんで、賢人はキツそうだった。自分は3(着以内)に入れるようにしっかり踏んだ。ここに向けて調整をしたし、疲れは抜けてます。あとは(1日休んで4日目の「ゴールデンレーサー賞」から)3連戦ですね」


 今年初戦のブランクを感じさせない反応で積極策に出た新田祐大が、逃げて2着と上々の滑り出しを見せた。


 「(最終)ホームで流し過ぎたかなと。(山崎が来て)あれを目がけて誰かが飛んで来たらヤバいなって思った。もう行けるだけ行こうと。苦しかった」


 逃げた新田を利した佐藤慎太郎は、半車輪まで詰めたところがゴール。3着で4日目の「ゴールデンレーサー賞」に進んだ。


 「いつもの新田だったら、あそこで見てしまったと思うけど。そこから(出て)徐々に踏み上げていった。セイちゃん(中川)は余裕があるから、もう1回迎え入れてたし、あれが(自分たちのラインに)良かった」


 

11R

選手の写真です。
平原康多選手

 後ろ攻めから動いた平原康多(写真)は、赤板ホームで渡邉雄太を受ける。合わせて踏んできた古性優作には割り込まれたが、遅れた三谷竜生をさばいて4番手を確保。内をすくって来た山田英明に最終2コーナーでからまれながらもバックまくりで特選最後のレースを制した。


 「脚は何回か使ったけど、ここまでそれなりにやって来た自信はあったんで。(山田が内から来て)タイミングが狂ったので正直厳しかったけど、最終的に行き切れたんでね。スピード対策の成果が出てると思うし、(感じは)いい方だと思う」


 番手の諸橋愛は、外をまくって来た清水裕友をけん制しながら平原に続いた。


 「俺は付いてただけですよ。(平原)康多に離れないようにと思ってただけ。康多が外に膨れたときに内に切り込むかどうか考えたけど、付いてって良かった。(清水を)ドカしとかないと(4コーナーから)下られて3、4着になると思ったのでブロックして。あとはどれだけ追い込めるかだと思ってました」


 平原ラインを追う形でバックから外に持ち出した清水裕友は、諸橋のけん制を耐えて3着に入った。


 「判断が難しいレースだった。でも車が出たんで良かったですね。一番は(優勝した)立川(記念)だけど、鎖骨を折ってからは一番出た。先行してないのにめっちゃキツいです」


 


 


≪3日目12R「ガールズケイリンコレクション2019松戸ステージ」≫


 昨年のガールズグランプリを制した児玉碧衣は、今年ここまで26勝2着2回。2人にしか先着を許しておらず、12連勝で松戸のコレクションを迎える。


 「自分のなかでは、成績も安定している。前回の平塚では3日間、上がりタイム11秒台だったんで自信になりました。コレクションは一発レースで修正がきかないですからね。先行屋が(佐藤)水菜ちゃんだけみたいな感じなんで、(展開は)予想しやすい。緩んだところで思い切っていけるように。出し切るレースをしたいです。疲れは大丈夫ですし、(小林)優香さんが伊東で外国人選手を相手に優勝したんで刺激をもらいました。打倒、優香さんなんで、自分も頑張らないと」


 石井寛子は「1月からここに向けてやってきました」と、照準をこのコレクションに絞って仕上げてきた。


 「普段はベースを上げるようなトレーニングをしてますけど、ここには体を絞って調子を上げてきた。久しぶりにいい気がします。(結果がどうとかではなくて)調子がいいからワクワクします。心にも余裕があります」


 佐藤水菜は、前回の地元、平塚をオール2着で終えた。競走得点上位選手(選考期間)による一発勝負に気持ちを集中させる。


 「(前々回、高知の)フレッシュクイーンで思ったのが、いつも(の3日間開催)と展開が違った。今回はたぶんそれよりもっと(展開が)違う。どういう流れになるか走ってみないとわからない。ただ、今回は外併走でも頑張れるようなトレーニングをしてきたし、もともと小回りは好きな方です」


 

7R

選手の写真です。
柴崎淳選手

 打鐘の4コーナーで松本貴治を根田空史が叩くが、香川雄介(落車、失格)に大きくもってこられた和田健太郎は付け切れない。アクシデントの中で好位をキープした柴崎淳(写真)が、山崎芳仁に合わせてまくって抜け出した。


 「危ない感じがしたんで、そこは対処できました。風の向きとかも計算してうまく走れた。このクラスになると、どの位置にいるかだと思う。まだ右手に違和感があるし、僕の求めているスピードではないけどなんとかですね。(落車から)復帰2場所目で開き直って走れているのが、いいのかもしれない」


 後方に陥った山崎芳仁は、最終1コーナーからまくるも柴崎に合わせられる。が、そこから冷静に柴崎マークに転じて流れ込んだ。


 「落車もあって、ちょっとタイミングがズレた。柴崎君だけサラ脚だったので、気づかれないように行きたかったけど踏まれた。でも、落ち着いて対処できたと思う」

8R

選手の写真です。
郡司浩平選手

 埼京コンビが主導権。山田久徳と3番手争いになった郡司浩平(写真)は、絡まれる苦しい流れから打鐘の4コーナーで仕掛ける。逃げる金子哲大を最終1センター過ぎにとらえるロングまくりで力をアピールした。


 「じっと後方にいるよりも、前々に踏んでいこうと。併走になって苦しかったけど、山田さんがもってくる前に仕掛けようと思って無理やり行った。レースのなかで判断ができているし、余裕はありますね。1走目の特選が不発だった分、無理やり仕掛けて出切ろうと思った。ここまでいいリズムでこられている。1着で1日休めるのは気分がいい」


 遅れ気味の中村浩士が朝倉佳弘のけん制でいっぱい。郡司との空いた車間は詰まらなかったものの金子哲大が逃げて2着に残った。


 「郡司君がひとりで来て良かった。前に出てからは無我夢中で踏んでいて、余裕はなかった。展開が早くなると思っていたので、とりあえず先行することだけを意識した。展開がいい方に向いたけど、ペースが早くてキツかった。準決に乗れてラッキーですね」

9R

選手の写真です。
村上義弘選手

 赤板の手前で飛び出した石塚輪太郎は、そのまま別線に反撃の隙を与えずペースを上げる。中近ライン3車が出切って、外に浮いた太田竜馬にとっては苦しい流れ。車間を空けた村上義弘(写真)は、最終2コーナーから番手まくりで勝ち切った。


 「このレースはトップスピードが高い選手が多い。だから、一瞬でもちゅうちょすると、(石塚)輪太郎の頑張りを無駄にする。太田君も渡邉(一成)君も警戒してました。こうやってファンのみなさんに頑張れって言われるんで気を引き締めて。申し訳ないレースが多いなか、声援がすごく励みになる」


 太田と4番手で重なった渡邉雄太は、最終ホームで押し込められるとそのまま前に踏みこむ。近藤龍徳の内に差し込んで、村上に続くように2着に入った。


 「太田君が行くか引くかしてくれたら、自分でやりたかったんですけど。押し込まれちゃった時に前が空いたんで。あれで村上さんが行ってくれなきゃ、自分はバックを踏んで終わってました。脚はわからないけど、動けてはいますね」

10R

選手の写真です。
松浦悠士選手

 赤板で先頭に立った中井俊亮を山崎賢人がすかさず叩いて打鐘前から逃げる。3番手の岩津裕介は中井に絡まれ、離れ気味に追いかける形に。番手で絶好展開が訪れた松浦悠士(写真)が、車間を空けてから追い込んだ。


 「最後はちょっと(山崎が)タレてきてヤバイかなって思いました。でも、後ろとはだいぶ空いていたので、岩津さんも追いつかないかなって思いながら。(山崎が)タイミング良く行ってくれたし、しっかり駆けてくれた。(スピードの)ピークが早めに来るように踏んだから最後はタレたけど、もうちょっと回せればゴールまで踏み切れたと思いますよ」


 後方の6番手から好スピードでまくり上げた和田真久留が2着に強襲した。


 「ジャン過ぎにあおりもあったし、(打鐘過ぎ2センターで三谷将太の)内に差し込んでしまった。山崎君のラインに切り替える感じで踏めれば良かったけど…。中井君も追いかける感じで踏んでいたのでキツかったですね。怪我明けで不安のあるなかですけど最低限、気持ちは前に攻めれていると思う」


 ゴール前で失速した山崎賢人は3着に。


 「ジャンで出切れると思って、思いっきり踏まなかった。そのせいでスピードの乗りが悪くて踏み上げるのに変に脚を使って最後もタレてしまった」

11R

選手の写真です。
浅井康太選手

 赤板の1コーナーで工藤文彦を押さえて先行態勢を取った小松崎大地を深谷知広が打鐘で強引に叩いて主導権を握る。小松崎に絡まれながらも浅井康太(写真)はしっかり番手を守る。快調に飛ばす深谷に対し、4番手を確保していた山田英明が最終バックからまくり上げる。これを2センターで外に振った浅井が深谷をゴール前できっちりとらえた。


 「展開もあるけど、深谷はペースで駆けてペースで粘った感じ。欲を言うなら俺をちぎってひとりで行くぐらいじゃないと。俺も絡まれていたし。もっとできるやろって感じ。前を信頼して付いていけば結果はついてくる。前としっかり決まるテクニックをもっと付けていかないと。ダウンも含めてしっかりと乗れば乗るほど、状態が戻ってくると思う」


 深谷知広は、別線を封じる先行策で2着に粘った。


 「初日に変なレースをしたいので。もうツーテンポ早ければ、きれいに出切れたと思う。セッティングはいい感じだけど、まだ伸び代がある」


 4番手からまくった山田英明は3着まで。


 「ちょっと展開づくりは情けないけど、そのあとは前々に踏んでいけた。園田(匠)さんも付いていたので直線だけで勝負せず、まくり追い込みでいけると思ったけど3着でしたね。浅井もヨコがあるから行きづらかった。初日は特別に挑む気持ちがつくれていなかったので、今回は整理しながら走った。平原(康多)と比べて自分はそういうところがダメ」

12R

選手の写真です。
田中まい選手

 昨年の8月コレクション「ガールズドリーム」、12月の「ガールズグランプリ」。賞金女王を決定づけた2度の優勝はともにまくり。それだけに「逃げをつけて勝ちたいですね」と、児玉碧衣が積極策を意識して臨んだ33バンクでの大一番だった。


 「なにがあってもカマす予定だった。(佐藤)水菜ちゃんの動きを見て、スピードをもらった勢いでカマせた。自信はあったので、自分を信じて走りました」


 打鐘手前から踏み込んだ高木真備を、前受けの田中まいが突っ張る。そこに佐藤水菜も襲い掛かるが、児玉が有言実行の積極策。打鐘の4コーナーから持ち前のダッシュを利かせて、先行バトルにあっさりカタをつけた。


 「(出てからは)ちょっと安定しなかった。フラフラしましたね。(尾崎)睦さんが付いて来ているのがわかったんで、ゴールまで踏むイメージで頑張りました。睦さんの前輪が見えたんで、そこは意地でした」


 同期の後位に照準を絞った尾崎が、踏み出しは離れながらも児玉との車間を詰めて忍び寄る。半車身まで詰められたが、力の違いを見せての逃げ切りは完勝といってもいいだろう。


 「(お客さんが)碧衣、碧衣って呼んでくれたのは、すごい力になりました。1番人気だったので、責任をもって走ろうと。次の目標は打倒、(小林)優香さんなので、まずはここで優勝と思ってました」


 3月大垣のコレクションでは、姉弟子の小林優香とのまくり合戦に敗れ、2車身ちぎられた。


 「たぶん優香さんと走るのはサマーナイト(ガールズケイリンフェスティバル)だと思うので、そこで勝てるように。練習でもしっかり意味をもってやって強くなりたい。(ナショナルチームで)最先端のトレーニングしている優香さんなので、久留米の練習でも勝てるんだっていうところを見せて頑張りたい。グランプリに出ることは最低条件。そこでしっかり優勝したい」


 連覇のかかる年末のガールズグランプリ出場に向けて、児玉が大きく賞金を加算。「令和」元年も女王の座は譲れない。小林との再戦が予想される7月の「ガールズケイリンフェスティバル」を早くも見据えるのだ。


 周回中、5番手にポジショニングした児玉を終始、追走する形になった尾崎睦は、前団のあおりで車間が空いたが最後は児玉を追い詰めた。


 「児玉さんの後ろが空いてたんで、そこで勝負しようと。(児玉の)番手なら付いていければっていうのもあるし、抜ければと思った。外々を踏まされた。踏み出しで差し込めれば良かったんですけど。あれで(児玉を)抜くとなるともっと力が必要になる」


 大外枠からスタートで飛び出した田中まい(写真)は、打鐘で高木を突っ張る。そこから児玉、尾崎には出られたものの、3着に踏ん張って地元で見せ場をつくった。


 「あんなにすんなりスタートが取れるとは思わなかった。あとは動いてくる人はいっぱいいるけど、最初に来る人は絶対に突っ張ろうと。強い人の後ろを取ってチャンスを狙うか、前々に積極的に動いて、後ろがゴチャついてくれればと思ってました。力の差が明らかだったんで、まだまだです」


 

4R

選手の写真です。
岩本俊介選手

 二次予選、「ゴールデンレーサー賞」の勝ち上がりのほかには、注目のレースを取り上げる。4日目で唯一、地元で勝ち星を挙げたのが岩本俊介(写真)。7番手の岩本は、赤板の2コーナーから巻き返す。先行の腹を決めた藤木裕を最終1センターでとらえて、15年のオールスター以来、地元のGIで勝ち星を飾った。


 「藤木君もかなり踏んでいたので、出切るのがキツかったですね。本当はラインで決めたかったけど、展開もあるんで仕方ない。連日、なにもできずに終わっていたのに、自分が人気になっていた。これでファンに貢献できたんでよかった」


 渡邉晴智が岩本を追い切れず、逃げた藤木裕が離されながらも2着に入った。


 「後ろ攻めの人が切ったところをすぐに叩こうと思っていた。あとは誰かが仕掛けてきたら、合わせて踏むだけでしたね。岩本君のダッシュが良くて口が空いたけど、ガムシャラに踏んだ結果です」

5R

選手の写真です。
佐々木豪選手

 3車の関東勢の先頭を務めた小原唯志が逃げる。佐々木豪はいったん4番手の外で小休止してから、打鐘の4コーナーで再度踏み込む。佐々木が前団をのみ込み、離れながらも山中貴雄が続く。最終1センターで黒田淳に割り込まれた和田圭は、高橋陽介との連結を外して最後方。黒田のまくりに乗った和田は、直線でコースを縫って鮮やかに突き抜けた。


 「余裕はありました。最後、伸びたから良かったです。サドルとハンドルをいじって、感じが良くなった。33バンクだからセッティングを変えないとダメですね」


 通算3度目のGI出場。ダービーの舞台は初経験の佐々木豪(写真)は、一次予選の敗戦を糧に、3日目に続く2着で連対を果たした。


 「(吉本)哲郎さんのところが空いてたけど、入るつもりはなかった。ナメるようにいった方が加速するんで、ああやってスピードをもらいにいっただけ。3車だし(関東勢が)メイチ駆けだと思ってたんで意識はしました。みんな前々に踏んでたんで、そこを見極めてと。さすがに初戦は緊張したけど、(2日目から)こんだけ負け戦を走れば慣れました(笑)。(2日目は)初日の負けを引きずってしまったけど、3日目と今日(4日目)は。こういう舞台で誰よりも負けて悔しい思いをしている。だから頑張って太田(竜馬)君、松本(貴治)さんとかに負けないように」

8R

選手の写真です。
井上昌己選手

 近藤隆司が押さえて出ると、前受けの坂本貴史が番手で粘り南関ラインの分断を図る。近藤後位が併走になり赤板を迎える。先行態勢の近藤がペースを落としたところを、単騎の小嶋敬二が1センター過ぎにカマす。小嶋に井上昌己(写真)ラインが続いて、山中秀将が4番手に切り替える。腹を固めて駆ける小嶋を絶好の展開が巡った井上が、番手からまくる。池田憲昭が流れ込んでラインでワンツーを決めた。


 「自分が小嶋さんの位置でも(仕掛けて)行くんで、小嶋さんは行くって思った。あとは付いていって番手まくりですからね。冷静にできた」


 池田憲昭は、井上を1輪差まで詰めたところがゴール。


 「小嶋さんが行かなくても、(井上)昌己さんが行ってたと思う。昌己さんは同じタイミングで踏み込んでましたから。自分はいっぱいです。むちゃくちゃ、昌己さんが強い。余裕があったみたいで、踏み直された」


 「本当は後ろから押さえて行きたかった。それで突っ張れるならと…」との、坂本貴史。前受けからの南関分断策も、山中の切り替えで後方に置かれた。


 「前を取って引いても近藤さんのペースだし。それで井上さんと(中団)併走に勝ったとしても、(南関勢が)番手まくりになると思った。ただ、あんだけ(近藤が)流したら、絶対にカマすだろうとは思った」

9R

選手の写真です。
古性優作選手

 後ろ攻めから一気に仕掛けた簗田一輝が赤板過ぎに主導権を取る。中団から合わせて踏み込んだ鈴木竜士は伊勢崎彰大をさばいて3番手を奪取。簗田は緩めずに、ハイピッチで駆ける。松谷秀幸が最終2コーナーから番手まくりを打つが、4番手の外に追い上げていた古性優作(写真)が、その上を力強くまくり切った。


 「スタートの位置はとくに考えていなかったですね。簗田君の動きが読めなくて、先に切ろうかなって思ったら(鈴木)竜士が先に踏んだので。1回切ればよかったですね。(簗田が)いつもと違う戦法でくると難しいですね。レースは動かせていないので課題は残ります。百歩譲って(稲垣裕之と)ワンツーを決められれば良かったけど、ただただ危ないレースをしてしまった。脚はいっぱいだったけど意外と出ましたね。33バンクはもってこられると、(誰かが)内に来ると思ってそこも見られたので、なんとか乗り越えられた」


 目標にした松岡貴久が不発も、湊聖二が2着に突っ込んだ。


 「よく覚えてないですね。武田(豊樹)さんが引っ掛かったので、自分もと思ったけど耐えられた。それに空いたね。(松岡)貴久もなかなかいくタイミングがなかった。(GIの準決は)初も初。(デビュー)18年目にして初のGI準決。大フィーバーですね」


 古性マークの稲垣裕之はあおりを受けて3着に。


 「激しいレースでしたけど、古性君はさすがでしたね。集中して追走できたけど、最後の最後で詰めが甘かった」

10R

選手の写真です。
原田研太朗選手

 後ろ攻めから動いた竹内雄作が青板周回で先頭に立つ。前受けから3番手まで下げた南潤は赤板で竹内を叩いて出るが、三谷竜生は踏み遅れる。打鐘で三谷は追い上げて付け直すが、木暮安由が内にもぐって南の番手を狙う。車を下げていた原田研太朗(写真)は、前団のもつれを見逃さずにスパート。最終ホームで先頭に立つと、そのまま別線を寄せ付けずに押し切った。


 「木暮さんが(南君の)番手に行ってくれて、たまたま展開が向いた。初戦よりキツかったですね。2日間、脚に刺激が入っていなかった分、踏み出しがしんどかった。出切ってからペースで踏んだ。最後も抜かれたくないので、踏み直した。長い距離を踏めるようになって自信がついてきている」


 小倉竜二は原田と呼吸を合わせて付け切り、徳島ワンツーを決めた。


 「前のレース(9レース)で湊(聖二)君が勝ち上がって気持ちが入った。(レース展開は)モガき合いにはなるかなと。どっち(南と竹内)を出しても厳しい。原田君のスピードが良かったですね。ジャンでも行けたと思うけど、落ち着いて仕掛けてくれた。(原田は)4コーナーまで回していて、踏み直す脚をためていたね。絶好調なら抜けていたと思う」


 木暮安由は三谷をさばいて南の番手を奪取。直線で南を交わして3着に入った。


 「前が詰まるような感じだったんで、さばくとかいうよりも1車でも前にとジャンで踏んだ。結果的にいい位置へ入れましたね。南君を追うのも結構キツかったけど、交わさないと準決はないし、最後は頑張って踏みました」

11R

選手の写真です。
平原康多選手

 ラインを背負った別線の仕掛け合いでハイペース。赤板で先頭に立った清水裕友が駆けるが、吉澤純平も襲い掛かる。離れた9番手にいた単騎の脇本雄太は、反撃のタイミングをうかがう。吉澤との連結を外した平原康多は、最終2コーナー手前から自力に転じて発進。関東勢を追った脇本が、大外に持ち出してその上をまくる。平原も好スピードで前団をとらえるが、脇本があっさりと関東勢を置き去りにして1着。


 「消極的でした。もうちょっと立ち回り的に、仕掛けることができたんじゃないかと。後方になるのはいいんですけど、自分のなかでは冷静に立ち回れていない。(準決は)リベンジ、今度こそラインで決めたい。まずは力をしっかり出し切れば。ラインがあってこその強みですし、決勝で近畿ひとりはさびしいんで」


 「俺もよく(まくって)行ったんですけどねぇ」と、自分を納得させるように振り返ったのは平原康多(写真)。脇本の次元の違うスピードにのみ込まれた。


 「(脇本と)一緒に走ってれば、自分たちもレベルアップできる。(吉澤は)タイミングなしで行ったんで、付いていけなかった。気持ちはうれしいけど、あれだと(自分のラインが)全員浮いちゃうと思った。そこからは先に(脇本に)行かれるより、行かなきゃと。でも、その上を行かれちゃった」


 関東3番手の諸橋愛が、平原のまくりに流れ込んで3着。


 「忙しかったですね。(平原)康多はいつ行くのかなって、俺もずっと構えてたんでキツかった。(自分のデキとしては)80点から90点くらいですかね。ただ、流れがいいんで、そこを考えると5点くらいはプラスかと」

3R

選手の写真です。
山賀雅仁選手

 決勝をかけた準決のほかにも、33バンクで多くのファンを魅了した超一流選手の戦いが33バンクで展開された。吉本哲郎が主導権を握って出ると、赤板の2コーナー過ぎから狭いコースを踏んだ山賀雅仁(写真)がインを押し上げる。山賀は逃げる吉本の番手をあっさりと奪取。最終2コーナーから番手まくりを打って、地元GIの舞台のゴールを先頭で駆け抜けた。


 「地元じゃなくても、地元でもGIでの1着はうれしいですね。それにやっぱり(地元は)応援をしてもらえるし、その期待に応えられたっていうのもある。あそこを行かないと、8番手になっちゃうんで。あとは(内が)空いてたんで、行けるところまでと。せっかくいい位置(番手)を取ったんで、かぶる前にと思って(まくって)行きました。(最終)3コーナー過ぎじゃなくて、2コーナーから行けたのも、脚が仕上がってないと行けないですから」


 内をすくった山賀にうまくスイッチした田中誠が、4日目の落車にもかかわらず“らしい”立ち回りを見せた。


 「トレーニングの賜物ですね(笑)。鍛えていて良かった。ただ、もう少し厳しくいくようなら、山賀さんにあそこに入られないようにしないと」


 

6R

選手の写真です。
渡部哲男選手

 上昇した佐藤友和を阻んで、前団に構えた太田竜馬が青板のバック過ぎに突っ張る。佐藤は元の8番手に下げて、赤板の1センターで今度は中井俊亮がアタック。太田がペースを上げて中井を合わせる。後ろの渡部哲男(写真)、橋本強も連結を外すことなく、外の中井ラインをさばく。単騎の伊勢崎彰大のまくりをけん制した渡部が、直線で追い込んで1着。一次予選敗退もその後、3連勝を遂げた。


 「(太田の突っ張りは)一次予選で自分が離れてるんで、ラインで決まるようにって考えてのことだと理解してます。だから、どんな展開でも追い込みとして付いていかないといけない。伊勢崎さんはすごいスピードだったし、もっていける感じじゃなかった。(一次予選のあとの)3日間は、前が頑張ってくれたから。ただ、自分の脚が悪くないだけに、初日が悔やまれます」


 四国ライン3車での上位独占が決まったかに思われたが、風を切った太田竜馬はゴール前で失速して4着。内容の濃い積極策が目を引いた。


 「めちゃくちゃキツかった。(別線が来るのが)2周半ぐらいだったら、突っ張ろうっていうのは考えていた。悪くないんですけど、自分の距離じゃないんでタレますね。踏み直しができなかった」


 

7R

選手の写真です。
吉田敏洋選手

 後ろ攻めから上昇して誘導の後ろに収まった南潤が赤板手前に吉田敏洋(写真)を突っ張って逃げる。4番手は内に渡邉一成、外に吉田の形で併走になり、南はいったん緩めてからペースを上げる。単騎の鈴木竜士が打鐘の4コーナーから巻き返しを狙ったが、渡邉との位置取り争いに勝った吉田が合わせるように最終2コーナーからまくる。村上博幸のけん制を乗り越えた吉田が、後続を突き放してシリーズ初勝利を飾った。


 「セッティングは2走目の方が良かった。初日は新車の感じをつかめていなかったけど、今日(5日目)は欲張り過ぎた感じで少しバタバタした。(鈴木)竜士なら来る位置なので。でも、外ばかり気にしていると渡邉君が復活する場合もあるから気配だけ感じながら。南君をまくったって大きく書いておいてください(笑)」


 近畿勢を終始、追走していた単騎の小原太樹が、外を張った村上の内を突いて2着に食い込んだ。


 「とりあえずそこ(近畿の後ろ)かなって。このクラスだとタテ脚勝負は厳しいので、内々を狙ってました。少しでも空けば突っ込もうと。(GIの最終日)優秀戦は初めてなので楽しみ」


 南を懸命に援護した村上博幸は、小原にすくわれて3着。


 「(ラインが)2車だったので追走の仕方を工夫しながら走れたと思う。(吉田)敏洋のスピードが良かったですね。ちょうど(南が)タレて来た時にきたんで。さすがって感じですね。自分は悪くても2着に入りたかった。車はゴール後まで伸びているんで、感じは悪くない」

9R

選手の写真です。
深谷知広選手

 青板の3コーナー過ぎに単騎の古性優作から動き始めて、赤板過ぎに深谷知広(写真)を押さえて先頭に立つ。しかしながら、誰も古性を追わずに、2番手に深谷が入る。別線を警戒しながら深谷は2コーナーからダッシュを利かせて踏み込む。合わせて踏んだ古性が飛び付いて、浅井康太をさばいて番手を奪取。援護を失った深谷だったが、最後は二の足で後続を振り切った。


 「後ろが粘られてしまったんですけど、先行をして決勝に乗れているので合格点かと思います。古性君の後ろに誰も付いて来なかったんで、自分の位置から(仕掛けていった)。やっと最近、競走に来ても体が楽になった。普段は(ナショナルチームで)それ以上キツいトレーニングをやってるんで」


 番手を奪われた浅井は3番手で立て直す。4番手の渡邉雄太は最終2コーナーからまくって、深谷に迫る2着で初めてGIファイナルをつかみ取った。


 「うれしいですけど、和田(真久留)さんと一緒に乗りたかった。押さえに来るのが遅いかなっていうのもあったし、古性さんひとりだったんで、あのままの隊列(の位置取りで)いいかなと。深谷さんも余裕そうだったんで、(早めに仕掛けるのが)怖かったです」


 自らレースを動かした古性優作は、逃げる深谷の番手を奪取。単騎ながらも見せる立ち回りで優出を果たした。


 「(周回中8番手にいた中川)誠一郎さんが押さえに行くかなと思った。でも(動かなかったんで)僕が単騎でも1回レースをと。深谷さんが踏んだのが見えたんで、合ったところでと思った。あれで引いても(深谷が)めちゃくちゃ掛かると思った。ゴール前だけですね、失敗は。深谷さんと当たりそうになってバックを踏んでしまった」


 

10R

選手の写真です。
清水裕友選手

 郡司浩平が赤板で吉澤純平を押さえて前に出る。5番手に降りた清水裕友(写真)は、打鐘前の2コーナーからスパート。郡司を叩いて主導権を握る。吉澤もすかさず反撃に出るが、3番手に入っていた郡司が、最終2コーナーで強烈にブロック。後方からまくり上げた新田祐大は、このあおりを受けてスピードが鈍る。清水の番手で車間を空けていた松浦悠士は3番手の郡司、迫ってくる新田を警戒しながら追い込んだが、清水が力強く振り切って快勝した。


 「もう行くって決めてました。昨日(4日目)、先行できていなかったら行けてなかったと思う。しっかりとケアをしたので。(同期の渡邉雄太が先に決勝を決めたのを見て)自分も負けられないと思って頑張った。松浦さんを信頼していたのでよかった」


 清水とのワンツーで勝ち上がりを決めた松浦悠士だが、悔しそうに振り返る。


 「清水が新田さんをキメに行ったので、まくり勝負かなって思ったら行ってくれたので。自分は飛び付かれないように集中して、前を信頼して。(最終)2コーナーで郡司君と新田さんが絡んでいたのが見えた。車間を空けて援護した時とゴール前の踏み直しの感じが違って差せなかった」


 前々に攻めた郡司を目標に田中晴基が3着に入り、地元で初のGI優出を果たした。


 「連日、展開とラインに恵まれてますね。本当は自分が仕事をしないといけないけど、余裕がなくて。郡司君が全部やってくれました。自分はしっかりと内だけ締めて。最後も4コーナー勝負できればと思っていたら空いてくれました。ありがたく決勝を走らせてもらいます(笑)」

11R

選手の写真です。
脇本雄太選手

 赤板で山崎賢人が飛び出して山田英明まで出切るが、菅田壱道は単騎の金子哲大までは受けず3番手が併走。想定内の8番手で大きく車間を空けた脇本雄太(写真)が、打鐘手前から加速をつけて襲い掛かる。6番手の原田研太朗が合わせて出るが、脇本には関係ない。あおりもスピードの違いで乗り越える。村上義弘は付け切れず、あとはセーフティーリードを守った脇本が3連勝で決勝に進出。


 「スタートは前を取らされると思ったんで予想と違った。脚はレースを見ての通りですね。自分としては100パーセント満足していないので、(決勝までに)修正したい」


 脇本には離されながらも、九州勢をまくりでのみ込んだ原田研太朗が2着に入った。


 「前を取った方がいいんじゃないかと。それでスタートは前を取った。踏み出しも悪くなかったけど、脇本さんのスピードが違いましたね。一時期よりは良くなっていますね」


 山田が原田マークの小倉竜二を大きくブロック。空いたインを踏んだ菅田壱道が、直線半ばで山崎を交わした。


 「スタートは予想外で、脇本君よりは前にいってと思った。金子君の動きも予想外でしたね。山崎君が内に詰まったので、ヤバいと思ったが運が良かったです。内容自体は0パーセントだし、状態はなんとも言えない」