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87#
決勝戦レポート
武田豊樹(茨城・88期)
武田豊樹が好展開を生かす
まさに3度目の正直だ。今シリーズは初日、2日目と平原康多と連係した武田豊樹だったが結果はともに2着。しかし迎えた決勝戦はしっかりと1着でファンの一番人気に応えた。「今日の1着は平原君に尽きる」。競輪界最強といっていいだろうコンビで最後もしっかりとワンツーで締めた。
「ああいう形になったらワンツーという気持ちで走りました。平原君もゴールまで加速してたし、踏み切ってる感じで強いですね。彼はグランプリへ向けて一戦一戦勝負なのに、ああいう形を作る。すごいですよね」
函館サマーナイト、松戸オールスターと落車が続き、決して万全の状態とはいえない。それでも「走ってる以上はそこを言いたくない」とキッパリ。そして結果を残すのも武田の強さだ。このあとは函館記念を走って、今年最後のG1競輪祭を迎える。「今回は3回番手。準優で自力が鈍ってたし、そこが競輪祭までのテーマですね」。しっかりと課題をクリアして、再び平原と熱い走りを見せてくれるだろう。
武田の優勝は平原康多の走りがあってこそ。「だいぶいい」と状態を口にするように、シリーズを通して力強い走りを見せた。
「山賀さんの動きで行くタイミングが狂ったけど、どっちにしろ行くつもりだった。一本棒にしたほうがいいと思ったし、浅井に粘られないように思い切り行きました。あれで押し切ったら無敵です(笑)。ラインで決まってよかったです」
齋藤登志信はきっちりと関東コンビに食い下がった。
「2人(浅井、山賀)に脚を使わせて迷わせながら行く。あの作戦しかなかったし、作戦どおりに走ってくれました。僕も付いて行けたし、2コーナーで小波を作って仕事したでしょ。前の2人が強かったですね」
浅井康太は腹を決めて踏み上げたが、山おろしで来た平原に飲み込まれてしまった。
「もう逃げようと思ったんですけどね。アカンな、合わせれんかった」
浅井ライン3番手から内を伸びた林巨人だったが4着まで。
「坂口のコースに先に入ってしまった。伸びたけど、欲を言えば3着までに入りたかったですね。でもシリーズをとおしていい状態をキープできてたと思います」
浅井後位から外を踏んだ坂口晃輔。初めての記念決勝は6着に終わった。
「相手が平原さんやし(浅井は)飛びつくかもと言ってたけど、平原さんのスピードがよかったですね。外が伸びるイメージだったので外を踏んだけど伸びなかったです」
レース経過
号砲と同時に内よりの3車が出るが、最内の武田豊樹がスタートを制して平原康多を迎え入れる。平原―武田に齋藤登志信が続いて前団。以下の隊列は山賀雅仁―渡邉晴智、浅井康太―坂口晃輔―林巨人で単騎の池田良が最後方に構える。
青板の2センターから6番手の浅井が上昇を開始。赤板で平原に併せ込むと、2コーナー手前で押えて出てペースを落とす。浅井に坂口―林、池田まで続いて、山賀がその上を上昇するが坂口の横までで打鐘を通過する。先行態勢を取った浅井と中団の山賀は、スローペースで7番手にいる平原の動向をうかがう。そこを4コーナーから平原が、カマシ気味に仕掛けて最終回へ。
浅井も合わせて踏むが、平原がスピードの違いで主導権を奪取。武田―齋藤まで出切り浅井は4番手。すかさず巻き返した山賀だったが、6番手の外に浮いて不発、バックを通過する。番手の武田は逃げる平原との車間を切って、4コーナー手前から踏み込む浅井に合わせて車間を詰める。押し切り図る平原に鋭く詰め寄った武田が、ゴール前で平原をきっちり交わして優勝。2着に平原が残り、齋藤が3着に流れ込む。
着 | 車番 | 選手名 | 府県 | 期別 | 級班 | 着差 | 上り | 決まり手 | H/B |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 武田 豊樹 | 茨城 | 88期 | SS | 14.2 | 追込み | ||
2 | 7 | 平原 康多 | 埼玉 | 87期 | SS | 1B | 14.5 | 逃切り | B |
3 | 9 | 斎藤 登志信 | 宮城 | 80期 | S1 | 1W | 14.2 | ||
4 | 5 | 林 巨人 | 愛知 | 91期 | S1 | 1/2B | 13.9 | ||
5 | 2 | 浅井 康太 | 三重 | 90期 | SS | 1/2B | 14.1 | H | |
6 | 8 | 坂口 晃輔 | 三重 | 95期 | S1 | 3/4B | 14.1 | ||
7 | 3 | 渡辺 晴智 | 静岡 | 73期 | S1 | 3B | 14.3 | ||
8 | 4 | 池田 良 | 広島 | 91期 | S1 | 1/4W | 14.3 | ||
9 | 6 | 山賀 雅仁 | 千葉 | 87期 | S1 | D | 15.6 |