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小倉競輪

KOKURA KEIRIN

81#

検車場レポート

  • 11/19 Mon.  (前検日)
  • 11/20 Tue.  (1日目)
  • 11/21 Wed.  (2日目)
  • 11/22 Thu.  (3日目)
  • 11/23 Fri.  (4日目)
  • 11/24 Sat.  (5日目)

1R

選手の写真です。
清水裕友選手

 8月小田原で記念を初優出を果たした清水裕友(写真)は、続く共同通信社杯を準V。寛仁親王牌はGI初の決勝に進出と、グレードレースで大活躍を見せている。前回の防府記念でも地元Vを飾り、賞金ランクを一気に上げている。


 「防府記念は気づいたら1着ってわけではなくて、最初からそれなりの決意を持って走って。そのなかで獲れたのは自信になりましたね。グランプリ出場の可能性もゼロじゃないし、頑張ってみたい。(タイトルは)獲りたいですけど、あんまり気合を入れるといいことがないので。前回(防府記念)くらいの気持ちで走ります。自分の力以上のことはできないけど、いまの自分の力は出したいです」


 オールスター、寛仁親王牌と度重なる落車で苦しい近況の武田豊樹。賞金でのグランプリ(GP)出場もボーダーラインより上だが気は抜けない。


 「最初は気にしていなかったけど、段々賞金も気にしますよね。グランプリは目指すものだと思うので。でも、自分が伴っていないと、どうしようもないですから。ここまでは、室内トレーニングと街道で調整をしてきました。一生懸命にやって、結果を残すだけです」


 

2R

選手の写真です。
古性優作選手

 古性優作(写真)は賞金ランクで12位。初のGP出場が狙える位置にいる。自己分析をして新車を投入する。


 「現状でグランプリは無理ですし、(今回は)新しい自転車で。現状では戦えないし、試すというより、良くなるために。グランプリを意識していまのレース内容になっているわけではないですけど、レース内容は良くないですね。納得してレースができたらいい。前回(11月川崎FIを722着)は、疲れが抜けなくて(状態が)良くなかったですけど。今回は疲れも抜けて、パワー、スピードが戻ってきました」


 賞金ランク14位の佐藤慎太郎は記念のVこそないが、ビッグを含めハイレベルで今シーズンを戦い抜いた。


 「ここまでは計画通りにできたし、いい状態をキープできています。今年のGIは(寛仁親王牌の)1回しか決勝に乗っていないですし、グランプリにいけるとは思っていないです。1レース、1レースを真剣に取り組むだけ。ただ、賞金争いは、ここが最後なので気持ちを入れて走ります」


 

3R

選手の写真です。
脇本雄太選手

 脇本雄太(写真)は8月オールスター、10月寛仁親王牌とGI連覇を達成。10月にフランスで行われたワールドカップ男子ケイリンでは金メダルを獲得するなど、充実した日々を送っている。


 「最近、競技の自転車が替わって、これに合わせて競輪の自転車も替えました。フレームからセッティングまで全部です。競技用のセッティングに近くなったかなって思います。僕自身の体に合ったポジション作りが大事になる。ぶっつけ本番だけど、グランプリで使う予定なので、乗りこなせるようにならないと。競技のほうで練習は十分すぎるくらいやっている。ナイターはあまり好きじゃないけど、体をしっかり合わせていきたい」


 中川誠一郎は10月熊本記念in久留米で今年3度目の記念制覇を果たした。続く11月取手ケイリンエボリューションで連続Vと波に乗っている。


 「ここに向けてやってきたけど、久留米の時の方がピークだったかもしれないですね。久留米が終わってから少し疲れが出ました。エボリューションは調整なしで走って、勝つことができました。それから中5日で、疲れを取って調整してきました。地元地区のGIなので頑張ります」


 

4R

選手の写真です。
山田英明選手

 山田英明(写真)は賞金ランク11位と初のグランプリ出場へ好位置につけている。ここで結果を出すしかない。


 「去年は(グランプリの)裏開催で雰囲気を味わえて、すごかった。もちろんグランプリに出たい。勝ち上がらないとチャンスがないので、全力でやるだけ。(前回の)取手記念は賞金が掛かっていたので、追加で出ました。疲れはゼロじゃないけど、ケアを中心にやってきました。ポイント制は初なので、難しいですね。初日は佐藤(幸治)君が頑張ると言ってくれたんで信じて付いていくだけです。とにかく一生懸命、走ってグランプリに出られるように」


 稲垣裕之は直前の取手記念で準決敗退したが、手応えはつかんだ。


 「徐々に体調は戻っています。取手記念は新車でセッティングを試しました。ちょっと大きい着も叩きましたけど、自分のなかでは納得しています。今回は2場所目で自転車とセッティングは今後の可能性を感じてます。もっと体に合わせていきたいですね」


 

5R

選手の写真です。
郡司浩平選手

 郡司浩平(写真)は11月防府記念で3連勝の勝ち上がり。決勝は2着に敗れたとはいえ、シリーズを通して抜群の動きだった。


 「防府はトータルして、自分の力を出せたと思います。手応えはありました。自分のなかではどっちかというと、こっちに向けてやってきました。でも、みんなここに向けてやってますからね。細切れ戦なんでしっかり判断して、自力で仕掛けたいと思います」


 太田竜馬は怪我明けの11月防府記念で2勝。決勝進出は逃したが、復調の気配を感じさせた。


 「(体は)気になるところはないです。ここに向けて練習もできたし、感じも良かったです。小倉は去年の競輪祭で走って以来です。ドームは天候が関係ないし、好きなバンクです。全部、ドームでもいいくらい。山崎(賢人)さんに追いつけるように」


 

6R

選手の写真です。
山中秀将選手

 浅井康太は10月豊橋記念で今年3度目の記念制覇。戦歴は非常に高いレベルで安定している。


 「(今年は)成長した1年だったと思います。体のことがわかった。それができてるからこその結果です。トレーニングに関しても、なにをしたらいいか、明確に判断できたのが大きいですね。今回は新車です。レースはその時の判断で走ります」


 山中秀将(写真)は取手記念で3場所ぶりの優出。今年ラストの大一番を前に流れが好転した。


 「調子の波とか、トレーニング不足とか、いろんなことが重なって悪かったんですが、(2場所前の10月)別府くらいから良くなりました。ここに向けて特別なことはしてないけど、変わらず状態はいいと思います。自力でしっかり頑張ります」


 

7R

選手の写真です。
渡邉一成選手

 渡邉一成(写真)は、現在の賞金ランク10位。ナショナルチームでの競技活動で出走が限られるなか、7月のサマーナイトフェスティバルを制し、8月の地元オールスター決勝を3着。3年連続でのGP出場を視界に入るところまでランクを上げてきた。


 「先々週ですかね、そこら辺の2週間はとにかく追い込んでトレーニングをやってました。そこからの1週間は負荷を落したというか、やることはやっていた。ワールドカップ(ドイツで11月30日から)に行くんでコンディションを落しても仕方がないんで。あとは目の前の一戦、一戦に集中していくだけです。(ナショナルチームの短距離ヘッドコーチ)ブノアには来年1年間もS級S班で走った方が、競技でも競輪でも優位だから、(競輪祭で)S級S班を決めてこいと言われました」


 前回の地元、取手記念を1414着の吉澤純平は、ようやくかみ合ってきた近況に白い歯を見せる。


 「体の調子が良くなってきましたね。レースでは(成績が)悪かったけど、積極的に動いてはいた。それがかみ合ってきた。だから、そのセッティングのままです。(取手記念のあとは)1日しっかり練習して、あとは疲れを抜くようにやった。だいぶいいと思います。(ポイント制なので)初日はまずはひとつでも上の(着順)方ですね」


 

8R

選手の写真です。
平原康多選手

 南潤は、前々回の京王閣141着、前回の福井445着。FIシリーズの2場所で決勝進出を逃してはいるものの、今シリーズに変わり身がありそうだ。完全燃焼で2走目につなげたい。


 「福井はダメだったし、それよりか状態はいいと思う。自分の思った通りに走れてない。いままでの感覚と体がズレている。(今回から)自転車とシューズを全部、前のヤツに戻した。気持ち的にはいままでの感覚にとらわれすぎないようにと。ひとりで焦っている部分もあるし、焦っても成績は良くない。自分のレースをして、勝っても負けても次につながるように」


 平原康多(写真)は、前回の熊本記念in久留米を3312着の準V。そこからおよそ1カ月ぶりの実戦で3度制覇と相性抜群の競輪祭を迎える。


 「(取手の欠場は家事都合で)欠場っていう欠場じゃないから、全然大丈夫ですよ。問題ないです。あとはとにかく、自分が出し切れるかどうかっていうところだと思います」


 

9R

選手の写真です。
石井貴子選手

 ガールズケイリンコレクション2018平塚ステージを制するなど、3年ぶりのガールズグランプリ出場に当確ランプを点灯させている石井貴子(千葉・写真)。年末に控える大一番に向けて、より集中力を高めていく。


 「今年は大きく崩れずにこられたし、いい1年でした。ここから(グランプリに向けて)煮詰まっていくと思う。今回のいいメンバーと戦って、自分のなにが弱くて、なにができるか。それをやって、このあとの1カ月間になにをしたらいいか。賞金のボーダー上にいたら着手できないですけど、今回は出場枠が大丈夫なので。一歩踏み込んで走りたいです」


 長澤彩はオールスター開催で行われた一発勝負のアルテミス賞を制覇。持ち前の勝負強い走りで、ガールズグランプリトライアルの優勝も狙う。


 「みんな力があると思うし、そのなかでやりたいことができたら。準備はしてきました。(ガールズグランプリ出場は今回の)優勝が一番早いですね。賞金は意識しすぎても良くないし、最後までどうなるかわからないので。動いてくる人は決まってきたので、出遅れないようにします」


 

10R

選手の写真です。
石井寛子選手

 石井寛子(写真)は、ここまでに今年17Vで57勝と女王の名に相応しい成績を残した。当所も制し、出場を確実なものにしているガールズグランプリに弾みをつける。


 「すごい楽しい1年でした。前より強くなったと実感しているし、自転車が楽しい。(グランプリに向けて)このあとは、みっちり基礎練習の時期にします。今回はちょっとオーバーワークで来ちゃいました。すごく調子が良くて、張り切って練習をやったら、直前に体がそんなに動かなくて。でも、ナイターなので休めるし、気負わず冷静に走ります」


 山原さくらは、準地元で開催されるビッグレースに気持ちを高ぶらせる。


 「小倉で練習をしているし、楽しみでしかたないです。(前回の広島FIから中3日で疲れが)ないと言ったら嘘になりますけど、ここまでは整体に行ったり準備をしてきました。(ガールズグランプリ出場の)賞金も気にしていないし、楽しんで走りたい」


 

11R

選手の写真です。
高木真備選手

 高木真備(写真)は直前の川崎FIで今年10度目の優勝を飾った。ガールズグランプリ出場の可能性は高いが、気持ちは入っている。


 「川崎は久々に優勝できて良かったです。ずっと配分が続いていて、完全に仕上がっているっていう感じではないけど、上がってきていると思います。相手が強くて、どうなるかわからないんですが、まずは自力で自分の走りをしっかりしたいと思います」


 佐藤水菜は11月平塚で完全優勝を達成。114回生からただひとり今シリーズの参戦だ。


 「ひとりなんで、すごい緊張しています。なにをしたらいいかわからなくて、ボーっとしてます。ここに向けて、しっかり練習はしてきました。(10月)伊東(ガールズドリームトーナメント)の時はうまく走れなかったので、今回はしっかりレースに参加できるように。レースを作れるといいんですけどね」


 

12R

選手の写真です。
児玉碧衣選手

 児玉碧衣(写真)は8月平のガールズドリームレースで念願のビッグレース初制覇。その後も順調そのもの。地元の大一番を前に不安はなにもない。


 「(大きいレースを)やっと獲れて、自信がつきました。それから気持ち的にもすごい上がっています。グランプリもほぼ確定しているので、他の人より気持ちは楽に走れると思います。特にメニューは変えてないんですが、小倉でも練習させてもらいました。寒い時期にしてはタイムも出ているし、調子もいいと思います。地元で走りたかったのでワクワクしてます。楽しみですね。積極的に力を出し切って、グランプリにつながるレースをしたいです」


 奥井迪は賞金ランク7位で勝負駆けだ。前回の11月豊橋では完全Vと臨戦態勢は整っている。


 「調子を落として、夏くらいからなにかを変えないといけないと思って、トレーニングとか試行錯誤しています。やっていることが少しずつ形になってきました。このメンバーでも力勝負して勝ちたいですね。もちろんグランプリには出たいし、最後まで諦めないで頑張ります」


 

1R

選手の写真です。
鈴木庸之選手

 打鐘手前で近畿コンビを受けた鈴木庸之(写真)が、3番手を確保する。清水裕友が6番手で様子をうかがい、一本棒の8番手に置かれた小松崎大地は4コーナーから反撃に出る。インを突いて差し込んだ鈴木だったが3番手で立て直して、すかさず反応。小松崎マークの海老根恵太を弾いて追いかける。逃げる川村晃司を小松崎が好スピードでまくり切るが、小松崎に追いついた鈴木があっさり交わして1着。


 「ジャンでカマしたかったんですけど、自分のラインの後ろに清水君がいたんで引き出しちゃうかなと。川村さんが外を走ってたし、内からと思ったら降りてこられてダメだった。失敗したけど、抜いた瞬間に行こうって。それほどバックを踏まないで引けたし、そういうのもできるフレームなんで良かったです」


 組み立てを反省する小松崎大地だが、前団を8番手からのみ込んだスピードが光った。


 「相手が相手なんで、なにもせず脚を使わずの8、9番手はと。脚を使っても8、9番手はダメなんですけどね。ただ、そうなったらみんなが行く前には仕掛けようと。結果オーライですね。GIの空気感というかいい意味で緊張した。硬くなって動けなかったわけじゃないんですから」

2R

選手の写真です。
古性優作選手

 渡邉雄太が赤板で中団の山田庸平に併せ込んでフタをする。渡邉は2コーナーから再度踏み込むと、誘導との車間を切っていた古性優作もペース上げて渡邉の番手に飛び付く。主導権を握った渡邉の番手は佐藤慎太郎を一発で仕留めた古性が奪取する。九州勢は打鐘の4コーナーから山田が巻き返して、井上昌己、坂本亮馬の追走。山田は古性の横でいっぱい。古性が逃げる渡邉の番手から出るが、それを目標に井上が追い込んで抜け出した。


 「(山田)庸平の気持ちが伝わってきましたね。庸平は止まっちゃったけど、まだ余裕がありそうだったんでちょっとまった。庸平が(椎木尾拓哉のところに)降りてくれたけど。古性が踏みそうだったんで、1回待ってからになった。(1着スタートで)2走目は凡走しないようにですね(笑)」


 古性優作(写真)は逃げた渡邉の番手奪取からのまくり断行と、“らしい”強気な競走で2着。9ポイントを稼いで、上々のスタートを切った。


 「(番手を取って)いっぱいだったけど、あそこは自分が出て行かないと。無理やりだったんでいっぱいだった。行かなくても(別線は)来ないだろうけど、(仕掛けて)行った方が次につながるかなと。(新車は)しんどすぎてわからない、でも悪くはないと思います」


 「前の2人の頑張りですね。自分はあれなら2着を取らないといけない。ただ、外々の3番手はキツかった」とは、井上マークの坂本亮馬


 

3R

選手の写真です。
中川誠一郎選手

 脇本雄太が異次元のスピードでまくって圧倒的な人気に応えた。レースは後ろ攻めの脇本をしきりに警戒していた中団の根田空史が赤板の2コーナーから一気に踏み込んで先行策を取る。杉森輝大が中団に収まり、7番手の脇本は打鐘の4コーナーから反撃。豪快に前団をのみ込んで、ラインで上位独占を決めた。


 「荒井(崇博)さんが3番手で付いてきているかが心配でした。3人で決まって良かったです。(新車は)まだですね。慣れていないので、改良する余地があると思います」


 番手好マークの中川誠一郎(写真)は直線で詰め寄ったが、交わせなかった。


 「(脇本は)余裕を持って、持ってこられないように、ずっと外を走ってましたね。あんなの誰も飛び付けないでしょう。いつもの感じならあれで1車身くらいスコーンって抜けるんですけどね。やっぱり強いです」


 

4R

選手の写真です。
山田英明選手

 金子幸央が前受けの稲垣裕之に並びかける。その上を佐藤幸治が打鐘の手前で押さえて先行策に出た。山田英明(写真)は単騎で仕掛けてきた竹内雄作、さらに、竹内の外を踏んだ稲垣を確認すると、最終2コーナーから番手まくりを敢行。稲垣を合わせ切って、白星発進を決めた。


 「前を走ってくれた(佐藤)幸治と、3番手を固めてくれた柏野(智典)さんのおかげで1着が取れたと思います。稲垣さんも来ていたし、かぶる前にと思って踏みました。すごく緊張したけど、しっかり走ろうと。自転車は、いろいろ試したけど、いいパフォーマンスを出せていなくて。それだったらと思って、元のベースに戻しました。この1着は大きいですね」


 柏野智典がきっちりと続き、ラインでワンツー決着。


 「(山田)英明が冷静に走ってくれました。もっと早く出て行くかなって思ったけど、いい感じに引っ張ってから仕掛けましたね。稲垣さんのスピードが良くて、行かれたと思ったけど合わせてくれた。自分の状態も悪くないと思います」


 

5R

選手の写真です。
郡司浩平選手

 正攻法から後方8番手まで下げた早坂秀悟が赤板の2コーナーから一気にカマす。打鐘の4コーナーで早坂に叩かれた郡司浩平(写真)は口が空き、すかさず反応した柴崎淳が3番手に追い上げる。8番手に置かれた太田竜馬が2コーナーからまくり上げると、桑原大志は離れてしまう。太田が2センターで柴崎に合わされていっぱいになると、コースを縫った郡司が鮮やかに突き抜けた。


 「(最終)ホームで柴崎さんに入られたのが反省です。気持ちは焦っていたけど、脚に余裕があったし、コースを見ながら踏めた。感覚的にも日に日に良くなると思います。1着なのでポイントは大きいけど、だからといって小さいレースにならないようにしたい。南関で一緒に勝ち上がっていければ、ワッキー(脇本)とかにも立ち向かうことができるので」


 中部コンビはそろって確定板入り。終始、反応の良さを見せた柴崎淳が3着に入った。


 「あのレースは僕しかできないでしょう。普通だったら見てしまうところで、追い上げていけた。この動きを見ていたら大丈夫でしょう。一番脚を使って動いたし、そこは評価できる。ポイントは気にせず2走目もしっかり頑張ります」


 

6R

選手の写真です。
浅井康太選手

 山中秀将が切った上を小川真太郎が押さえて誘導後位に入る。一本棒の7番手から吉田拓矢が打鐘で仕掛けると、小川が腹を固めて逃げる。最終ホームで木暮安由は中団に降りて、吉田との連結を外す。木暮、志村太賀のあおりで浅井康太(写真)はバランスを崩して後方。外併走で苦しい吉田だが、それでもじわじわと小川に迫る。木暮が付き直すように吉田を追って、さらに踏み込む。最終3コーナーで中のコースに入って木暮の後ろに取りついた浅井が、直線でシャープに伸びて突き抜けた。


 「(最終ホームでは)コケるかと思った。(そこから立て直して)コースを探して我慢して、我慢して、バックを踏みながらでした。ローラーに乗っている感じはいいんですけど、サドルの位置ですね。脚はいいんですけど、一番大事なサドルの部分。そこが出れば(もっと良くなる)」


 「(吉田)拓矢を入れたくて」と、木暮安由は、中団に降りて吉田との連結を外した訳を打ち明ける。


 「(最終)ホームで内が空いてたのはわかっていたし、レースは見えていた。デキも悪くないけど、もうちょっと煮詰めたいところがある。だから伸びシロもあると思いますよ」


 先行策で吉田を不発に追いやった小川真太郎が、3着に踏ん張った。


 「いまの調子だと(別線が)ほっといてくれるんでいいですね。ただ、あれで3着に残ったのはデカい。拓矢が来たところを結構、踏んでるし悪くはないと思います」


 

7R

選手の写真です。
松岡健介選手

 後ろ攻めから先に動いた山本伸一は3番手の取鳥雄吾をフタをしてから打鐘前に出る。その上を強引に叩いた吉澤純平が主導権奪取。神山雄一郎は離れて、山本が吉澤の後位にはまる。ホーム前から反撃に出た渡邉一成は外に浮いて不発。山本マークの松岡健介(写真)が最終2コーナー、3番手から自力に転じて先頭でゴールを駆け抜けた。


 「(山本)伸一どうこうより、自分がもっと技術を磨かないと。(山本は)吉澤を出す必要はないと思った。たまたまはまったのか、はまりにいったのかわからない状況で、かぶってしまったら終わってしまう。僕が行かないといけないという判断でした」


 松岡マークの三谷将太が2着に流れ込み、近畿ワンツー決着となった。


 「前のおかげ。恵まれた。付いていけてるから悪くない。練習の成果が出た。まぁ良かったです」


 

8R

選手の写真です。
平原康多選手

 後ろ攻めの近藤隆司が、突っ張り気味に踏んだ南潤を赤板前で押さえる。平原康多(写真)が南関勢に続き、南は後方に下げる。スローペースで打鐘を迎えると、近藤が南の巻き返しに合わせてギアをトップに。かぶった平原だったが、自力に転じた金子貴志にスイッチ。最終3コーナーから大外をまくり上げて勝利した。


 「南君に合わせて踏んだけど、間に合う感じではなかったのでバックを踏んで。そこから、もう1度踏み上げたからキツかったです。金子さんが松谷に止められたので、この山を越えないと自分も飛んじゃうと思って必死でした。判断はうまくいったと思います」


 平原に続いた成田和也は、直線の入り口で白戸淳太郎に絡まれる。それでも、2車身差の2着をキープした。


 「平原君は、こじ開けてでも行くと思っていたし、そこだけ注意していました。でも、平原君は、あの外を行くんですね。最後は直線で絡まれてしまったけど、とりあえず最低限。(前回の防府を欠場して)不安な面があったけど、戦えると思います」


 

9R

選手の写真です。
石井貴子選手

 石井貴子(東京)が打鐘から一気に仕掛けて、前受けした梶田舞を叩いて出る。2番手に梶田、石井貴子(千葉・写真)は3番手で最終ホームを通過。2コーナーから先に仕掛けた梶田だったが、さらに外を踏み上げた石井貴子(千葉)が力でねじ伏せ、後続の追撃を振り切った。


 「1着を取れるとは思わなかった。位置を取らないと厳しいと思っていました。腰の状態は問題ないし、落ち着いて走れた。2日目以降にもつながると思います」


 2着には道中、外併走から石井貴子(千葉)を懸命に追いかけた長澤彩が食い込んだ。


 「脚には余裕がありました。ゴール前はもう少し踏みたかったけど、踏み場がなくてコースを探しながらでした。外併走で余裕があったし、脚の感じはいいですね」


 大外をまくり上げた梅川風子が3着。


 「いい位置を取らないと厳しいですね。難しかったです。大外で乗り越えられなかった。まくりだと出にくそうなので、2日目以降は考えて走ります」


 

10R

選手の写真です。
山原さくら選手

 土屋珠里の上昇に2番手から合わせて踏み込んだ石井寛子が飛び付いて、後続の様子をうかがう。打鐘で巻き返した山原さくら(写真)が前団に迫ると、石井は車間を空けて対応する。山原が最終ホーム過ぎに主導権を奪って、後ろは石井と荒牧聖未で併走。3、4番手も併走になり、隊列がグッと縮まる。後ろの渋滞をしり目に山原が絶妙なペースで駆ける。2、3、4番手の2列併走は直線まで決着がつかず、山原が二の足で逃げ切った。


 「後ろがもつれてたみたいですね、自分は全然わからなかった。出し切れたし(感触は)バッチリです。緊張しました。(練習バンクの)小倉だからっていうのもあったと思います。だけど、みんなよりバンクの特性も熟知している。(お客さんが)地元くらい声をかけてもらえたんで、うれしかったです」


 3番手外併走から直線で外を踏んだ鈴木美教が、ゴール寸前で2着に上がった。


 「落車だけは怖いと思って、そこだけはしっかり見てました。あとは(前にいた)荒牧さんは脚があるので下がってはこないだろうと。それで最後4コーナー勝負だと。もういっぱいだったけど、気持ちの部分が大きかったです」


 2番手の内で包まれた石井寛子は、直線半ばでようやく前が開けるも3着。


 「レースとしては思い通りにいったんですけど、みんな脚があるのでああなりますよね。自分のテクニック不足です。どうしたら良かったのか…。最後もギリギリで空いたんで、しょうがないですね」


 

11R

選手の写真です。
佐藤水菜選手

 佐藤水菜(写真)が会心の逃げ切り勝ちを収めた。赤板の2コーナーから一気に踏み込んで、大久保花梨を叩き切る。そこから後位の併走を誘って絶妙のペース配分で押し切った。


 「まずはしっかり前に出ようと思っていたので、それを実行できたのは良かったです。後ろの併走はビジョンを見てわかったんですけど、もう見ちゃだめだと思って、しっかり駆けました。このメンバーで勝てたのはすごいうれしいです。今回は114期のみんなの想いも背負って頑張りたいと思ってます」


 佐藤の仕掛けに合わせて踏み込んだ高木真備は最終ホームから大久保と併走が続く。丸1周外で我慢してから追い込んだが、佐藤を交わせなかった。


 「ヘタくそでした。前を叩き切らないとダメですね。併走で耐えるしかなかったです。脚は悪くなかったし、一走して体もほぐれると思います。2走目はしっかり頑張ります」


 

12R

選手の写真です。
尾崎睦選手

 後方から動いた児玉碧衣は初手から併走していた大谷杏奈、小坂知子の後位に収まるも、奥井迪の巻き返しに合わせて仕掛け打鐘で主導権を握る。2番手は3車で併走になったが、最終的に大外から踏んだ奥井がはまる。尾崎睦(写真)は仕掛けられず、後方に置かれる大ピンチ。それでも、最終バックからインコースを進出すると、直線で児玉と奥井の間を伸びて、白星をさらった。


 「後ろでビラビラするより、1車でも前にと思って。ああいうこともできるんですよ(笑)。内が空いたのも見えていました。終わったと思ったけど、グランプリにつながるレースだし、あきらめなくて良かったです。体の状態は問題ないので、ケアをして。あとはレース運びをうまくできれば」


 奥井迪が追い込んで2着。引き揚げて来ると、「いいレースじゃなかった」と、反省した。


 「一瞬、(児玉の上を)行けないと思ってしまって。後ろもみんな強いから、決勝に乗ることを考えてしまって勝負できなかったです。最後も抜くことでいっぱいいっぱい。差しの決まり手は、2回目だと思います。運よく番手にはまっただけで、児玉さんとの力の差を感じました」


 

1R

選手の写真です。
山崎賢人選手

 山田久徳が押さえた上を和田真久留が赤板で出て、別線を警戒しながらペースを握る。4番手の山田が車間を空けて、7番手の山崎賢人(写真)にプレッシャーをかける。打鐘の手前で山田が叩きに出るが、和田も突っ張り主導権を渡さない。山崎は前団の隊列が詰まったところで反撃、4コーナーから踏み込んでスピードの違いであっさりと先頭に立つ。園田匠は付け切れず、後続をちぎった山崎がセーフティーリードを保ったままゴールを駆け抜けた。


 「結果的に展開が向いた感じですね。(仕掛けて)行くタイミングはあった気がするけど、行けなかった。ラインで決まるようにしたかったんですけど、やっぱり内容が…。(脚の方は)全然、問題ない」


 打鐘で先行の腹を固めた和田真久留は、山崎には出られたものの内容の濃い走りで3着に入った。


 「赤板で出てるんで、もう脚がいっぱいでした。先行のつもりだったんで、前に出てからは全部突っ張ろうと思った。ジャンで山田さんが来ないで欲しかった。そうすれば自分のペースでいけたと思う。叩き合いになって山崎君が行きやすい展開になってしまいました」


 

2R

選手の写真です。
中村浩士選手

 新山響平が、合わせて踏んだ松浦悠士を赤板の1センターで押さえて主導権。すぐさま巻き返してきた中井太祐を突っ張ると、ホームから仕掛けてきた松浦も出させず風を切る。番手の中村浩士(写真)は松浦をけん制するなど、的確な仕事ぶりで新山をサポート。最後は直線で追い込んだ。


 「新山君が頑張ってくれたし、後ろの(岡村)潤も締めてくれているのを信じていました。あんまり(ヨコに)動くと潤が絡まれてしまうと思って、できるだけ動かずに。新山君は6番(中井)だけじゃなくて、3番(松浦)まで合わせるあたりは、近況の強さだと思う。最後は、できるだけ待って。上手に(ラインで上位独占が)決まるようにしました」


 東日本ライン3番手の岡村が2着。3着の新山響平は、持ち味を存分に発揮して別線を完封して見せた。


 「(中井が巻き返してきて)踏みたくない位置でしたけど、突っ張ろうと。そこからペースに入れて、松浦さんが2コーナーで来ると思っていたら、ホームで来たので。早めに踏んだから、最後は末を欠きましたね。(中村)浩士さんたちのおかげです。体もほぐれていて、力も入ります。でも、次のレースは踏む距離が短くなってくれたら」


 

3R

選手の写真です。
原田研太朗選手

 青板からレースが動き始め、菅田壱道、原田研太朗(写真)の順で誘導後位が入れ替わる。打鐘前に切った天田裕輝を吉本卓仁がすかさず叩いて逃げる。5番手となった原田が最終2コーナーからまくると、これに合わせて天田も3番手から踏み上げる。外を力強く踏み切った原田が白星スタートを切った。


 「必死でした。もう少しいいレースができれば良かったんですけど。なんとか1着が取れたのは良かったです。新車は乗り心地を含めて、まだまだですね。いまのギアに合っていないというか、スカスカする感じがあった。もう少し良くなると思います」


 絶好のポジションを取った天田裕輝は2着。得意のドームバンクでスピードを発揮した。


 「想定どおりの展開でしたけど、吉本さんもすんなり先行ですからね。まくり切るのはキツかったです。本当はハラケン(原田)より先に仕掛けたかったけど、来たのが見えて無理やり行きました。あれで2着ならラッキーですよ」


 

4R

選手の写真です。
坂口晃輔選手

 先に出た山崎芳仁を、長島大介が打鐘で押さえる。前受けの岩本俊介は中団のポジショニングも、最終ホームの手前で反撃を開始。後方に置かれた三谷竜生だったが、南関勢を追いかけるように仕掛けて、単騎で出切った岩本を力でねじ伏せた。最後は、続いた坂口晃輔(写真)が差し切り。


 「前団がやり合ったし、三谷君は馬力があるので乗り越えていくと思った。気持ち早めに踏み込みました。抜けてしまったっていう感じです。走るまで(調子が)わからなかったけど、いいですね。初日に走らなかったので、体が回復したのかも。1着スタートは大きいですね」


 力強くまくった三谷竜生が2着。


 「打鐘のところで見てしまいました。(最終)ホームからは仕掛けることができたので、悪くはないと思います。僕が仕掛けるタイミングと岩本さんが行くタイミングがかぶったけど、(まくり切れたので)調子は悪くない」


 山口富生も「三谷の3番手で付いていけたし、自信になった。調子はいいですね」と3着に続き、中近ラインで確定板を独占した。


 

5R

選手の写真です。
村田雅一選手

 ここから一次予選の2走目。赤板の1センターで杉森輝大が出ると、山本伸一が打鐘で押さえて主導権。近畿コンビを受けた杉森は、最終ホームからまくってきた山田英明を張りながら仕掛ける。さらに、山中秀将も杉森の外を踏み上げて、最終2センターは3車で併走に。村田雅一(写真)は山本の内から抜け出すと、そのまま伸びてアタマ。3連単は90万オーバーの高配当となった。


 「近畿の先輩(山本)のおかげです。我慢したけど気配があったし、共倒れになるよりはと思って。シビアに踏ませてもらいました。気持ちの良い勝ち方ではないですね。ゴール後は、お客さんにも声をかけてもらいました。マニアックな人もいるんですね。次は仕事をして、気持ち良く勝てるように」


 佐賀コンビに付けた小川勇介は山田が不発になると切り替える。最終2センターから村田と同じコースを踏んで2着に入った。


 「諦めずに踏んで良かったです。転んでもいいってくらいの気持ちでいました。ただ、村田の動きが予想外。外を踏んでくれたら、4番(小林)が付いて行って、(自分だけ内コースを踏んで)アタマまでいけた。村田が内に行って、待ってしまいましたね」


 

6R

選手の写真です。
吉田敏洋選手

 吉澤純平を警戒しながら太田竜馬が、中団の外併走から赤板の2コーナーで踏み込んで主導権を握る。太田がスピードに乗せてラインの3車で出切り、前受けの浅井康太に4番手が転がり込む。後方の吉澤が最終ホーム手前から反撃に出ると、浅井は冷静に合わせてまくり上げる。浅井マークの吉田敏洋(写真)が、ゴール前できっちり交わして白星。一次予選の2走を2、1着で終えた。


 「もう全部お任せなんで。彼(浅井)がいま自分の調子がいいのもあると思うけど、(後ろの選手に)わかりやすいタイミングで仕掛けてくれる。だから100パーセント信頼して付いていける。自分は夏場ちょっと、落車のあと持病のヘルニアが出て苦しんだ。ここ数年いろんな経験ができているんで、なんとかその場、その場で対応ができている。だから、自分が思ったより早く戻ってきた」


 最終1センター過ぎにまくった浅井康太は、三谷将太まで引き込んでのライン3車での上位独占に納得の顔。


 「(逃げた太田が)掛かってたんで、無理やり行ったんでキツかった。行けたと思って緩めたら、まだ(内に太田が)残ってたんで踏み直した。(4番手に)飛び付いた時も結構、キツかったですよ」


 

7R

選手の写真です。
鈴木庸之選手

 赤板の2コーナーで切った鈴木庸之(写真)は近畿コンビを受けて3番手を取る。6番手となった小川真太郎が打鐘の3コーナーから反撃に出ると、南潤は一気にペースを上げる。合わされた小川、後方に置かれた人気の渡邉一成はともに不発。絶好の3番手から車間を詰める勢いでまくり追い込んだ鈴木が連勝を飾った。


 「だいたい考えていた通りの展開でした。南君のダッシュがすごかったです。ジャンの4コーナーのダッシュでかなり脚を削られました。小川君は僕のところくらいで止まりそうな感じでした。村上(博幸)さんの仕事がすごいので、ちょっとビビって行けなかったです。とりあえず1着で良かったです。恵まれました。レースは見えているし、すごいいい感触です」


 南の先行をフルに利した村上博幸が2着に入った。


 「(南)潤が最高のレースをしてくれました。いい掛かりでした。走りながら、いい緊張感を持って走れました。3番手にノブ(鈴木)が入ったのはわかりました。バックで来てくれれば持っていって、あおりも作れたんですけどね」


 

8R

選手の写真です。
平原康多選手

 平原康多(写真)が、危なげない走りで勝利した。先に動いた平原は、取鳥雄吾を受けて絶好の3番手を確保。冷静に最終2コーナーからまくって連勝を決めた。検車場に引き揚げて来ると、納得の表情でレースを振り返る。


 「いろいろやってきて、ようやく思うようにスピードが出ました。かみ合ってきたと、今回(2走目)で感じられましたね。納得する走りができてきたと思う。今回からシューズを換えたのも、かなりプラスになっています」


 平原に食い下がった大槻寛徳が2着を確保した。


 「2走目は、自分が(離れて)恥をかくかどうかのレースでしたよ(笑)。やっぱり、平原は強いですね。付いていて、キツかったです。でも、平原は仕掛けるだろうなってタイミングで仕掛けてくれるので(付け切れた)。北日本にはいないタイプですね」


 

9R

選手の写真です。
梶田舞選手

 打鐘で誘導が退避すると、4番手の石井貴子(東京)が一気に仕掛けて打鐘の2センターで先行策。しかし、梅川風子も追うように仕掛け、最終バックで先頭に躍り出た。石井(東京)の先行に乗った梶田舞(写真)は、梅川の後位にスイッチ。石井貴子(千葉)と併走になるが、2センターから梅川の内を踏んで白星をつかんだ。


 「絶対に1着を取ろうと思っていました。空いたから踏んだというより、自然に内に行った感じですね。メンバーも含めて、たまたま展開が向いただけ。でも、決勝に乗れてうれしいです」


 最終ホームで中団にいた石井貴子(千葉)は、巻き返した梅川の後位に切り替える。2センターで梶田との併走から、外を回して2着に入った。


 「後ろの併走が死角になって。梅川さんにカマされた時に、反応良く後ろにいけなかったです。(2センターで梶田と併走になって)とりあえず、苦しまぎれに出て行ったけど、あそこで内を空けて行かれちゃうと…。(決勝は)みんな動くし、自分も自力のつもりで」


 

10R

選手の写真です。
長澤彩選手

 周回中、6番手にいた長澤彩が、動き出して打鐘で押さえて出る。長澤に土屋珠里が続き、そこに山原さくらが襲い掛かる。長澤は抵抗することなく山原を受けて、最終ホームで2番手に飛び付く。主導権を握った山原の後ろは、内から長澤、石井寛子、高橋朋恵で3車が併走。大外の高橋が遅れ出して、今度は2コーナー過ぎで石井がまくりを打つが、逃げる山原も全開で合わせて3コーナーに入る。石井を合わせた山原は、直線に入ってもスピードが衰えずそのまま押し切った。


 「(先行は)もうちょっと遅めが良かったけど、順番が来たらもう行こうって自然体でした。長澤さんに合わされたら苦しかったけど、引いてくれた。(主導権を取るのに)脚を使ってなかったし、自分としては走りやすいレースだった。最後までしっかり踏めました。初日は重かったけど(2走目は)すごく軽かった」


 山原後位に飛び付いた長澤彩(写真)は、内でじっと我慢して2着に流れ込んだ。


 「(周回中は)位置が結構、後ろだったんで、とりあえず切ってからと。それで(山原)さくらちゃんが来るのもわかってた。あれで一気に行かれたら厳しかったけど、そういう感じではなかった。自分としては動けているのかなと思います」


 長澤との併走からまくりを放った石井寛子は、3着もファイナルに向けて感触もまずまずの様子だ。


 「外併走があるのかなっていうのもあった。そこから行けるところでと思っていた。もうちょっと休みたかったですけどね。(調子の方は)全然、問題ないです」


 

11R

選手の写真です。
細田愛未選手

 打鐘で大久保花梨を叩いて先行態勢を取った佐藤水菜に奥井迪が襲いかかる。最終ホームから両者で激しくモガき合っているところを細田愛未(写真)が豪快にまくり切った。


 「初日に失敗しているので、行けるところからしっかり行こうと思ってました。1着を取らないと(決勝に)乗れないと思ってました。行けるかどうかはわからなかったけど、落ち着いて行けました。キツかったけど本当に良かったです。安心しました」


 2着の佐藤水菜は連日、先行で見せ場を作っている。奥井に出られそうになったが、内から盛り返して突っ張り切った。


 「主導権は譲らないという気持ちでした。(奥井が)来るのはわかっていたので、ペースに入れずに走りました。そのぶん、最後の粘りが足りなかったです。ハイペースでも粘れるようにしたいですね。少し重いかなっていう気もしたけど、2走した感覚はいいです」


 

12R

選手の写真です。
児玉碧衣選手

 打鐘で誘導が退避して高木真備が先頭に立つもペースは上がらない。打鐘の3コーナーから児玉碧衣(写真)が猛然とカマシを放つと、男子顔負けのスピードで後続をぶっ千切った。ラスト半周の上がりタイムこそ12秒2だが、前半の半周は11秒6という驚異的なタイムだった。


 「(高木)真備さん、(尾崎)睦さんと動く人が周回中に前にいたんで、得意のカマシでいこうかなって思ってました。自信を持って仕掛けることができました。踏んだ感触は良かったし、力を出し切れていると思います。後半がちょっとタレているので、決勝は最後までしっかり踏み続けられるように」


 2着には初日に続いて後方から尾崎睦が突っ込んだ。


 「脚はいいと思うけど、もう少し前々へいないとダメですね。車間を空け過ぎてしまいました。でも、師匠(渡邊秀明・68期)から小倉バンクの伸びるコースを聞いていたので、後方になっても焦らず踏めていますね」


 

1R

選手の写真です。
近藤隆司選手

 赤板の1コーナー過ぎに出た近藤隆司(写真)は、北日本コンビを受けて絶好の3番手を確保する。一本棒の8番手に置かれた三谷竜生が打鐘の4コーナーから巻き返すと、3番手で車間を空けた近藤が最終2コーナーからまくって出る。三谷をけん制した神山雄一郎は遅れて、前団をあっさりのみ込んだ近藤がちぎって1着。


 「自分が切る時は、まだ三谷君が引き切ってなかった。だから、三谷君も来ないと思ったし、そこら辺がうまくスピードがかみ合った。(3番手に)はまってからは、早坂君も流してたんでジャンでカマされたらヤバかったと思う。1着のポイントもそうだけど、GIで1着っていうのも気持ち的には大きいですね。細切れのなかでの3車のラインは大きいし、神山さんと志村(太賀)君には感謝です」


 神山のけん制で志村と絡んだ三谷竜生は、内に志村を押し込めてから再度まくり上げたが離された2着。


 「近藤さんが早坂さんを出させたのが意外でしたね。近藤さんは突っ張ると思った。ああなるならもっとペースを上げておけばよかった。そこからは後ろになってしまったんで、(仕掛けたのは)無理やりでした。スピードが(近藤と)合ってしまったんで我慢してっていう形になった。調子自体は悪くないと思います」

2R

選手の写真です。
稲垣裕之選手

 打鐘の手前で出た山田庸平が、ハイピッチで風を切る。九州勢を受けた古性優作は最終1センターから踏み込むが、吉本卓仁に番手まくりで応戦されて後位に付ける。この動きに続いた稲垣裕之(写真)が、直線で突き抜けた。


 「古性君の組み立ては、安心して付いていけますね。番手まくりにも冷静に付け直してくれたし、(2人で)決められるなと思いました。余裕もあって、自転車も体に合ってきました。いろいろ部品も換えて、1走目より良くなってきましたね」


 古性優作が追い込んで2着。近畿ワンツー決着となった。


 「(最終)1センターで思い切り踏んだけど、車が出なかったです。結果、整えてから踏んだ2センターも、いっぱいで出なかった。でも、感じは2走目が一番いいですね。(要因は)ペダリング的なところが大きいと思います」

3R

選手の写真です。
清水裕友選手

 赤板の2コーナーで切った木暮安由を村上義弘が打鐘過ぎに叩いて先行策を取る。番手の川村晃司は車間を空けて別線の反撃に備えたが、5番手で態勢を整えた清水裕友(写真)が最終2コーナーから豪快にまくり切った。


 「初日の気持ちで走りました。2走とも思い切って仕掛けられていない。消極的ですね。自分でもやってしまったと思いました。ダメもとで行ったんですけど、なんとか乗り越えられたのは良かったです。頭で考えながら走っていて、かみ合ってない。情けないレースで申しわけないです」


 打鐘の4コーナーで清水に内をすくわれて6番手となった菊地圭尚は最終2コーナーからインコースを進出すると、4コーナーで逃げる村上を内から抜いて2着に入った。


 「マグレです。まだ行けるかなっていう感じで踏んでいたら、あんなに内が空くとは。真面目にやっていればいいこともありますね」

4R

選手の写真です。
中川誠一郎選手

 赤板の2コーナー過ぎに渡邉雄太が押さえて出るが、南関勢を追った中川誠一郎(写真)はそのまま叩いて主導権を奪う。中川の仕掛けに反応した渡邉がペースを上げて、遅れ気味の桑原大志が外に浮いて後退。先行策の中川後位は渡邉。援護を失った中川だったが、ハイラップで別線をシャットアウトした。


 「桑原さんはS班だし、(自分の後ろに)2人付いていたので先行しようかなと。ワッキー(脇本雄太)に見本を見せないといけないですからね(笑)。出切ってからはどれくらいもつかなって思っていたけど、ドームなので意外ともちましたね。これでダイヤモンドレースに乗れるのはデカいですね」


 主導権を明け渡し、番手に入った渡邉雄太は、中川の驚異の逃走劇に2着。


 「中川さんが強かったです。松谷(秀幸)さんにうまく操縦してもらって番手に入れたんですけど。(最終)バックで車間を空けたりすれば良かった。でも、焦りすぎました。1走目はあまり良くなかったけど、(2走目で)脚の感じは戻ったかな」


 

5R

選手の写真です。
山田久徳選手

 後ろ攻めの佐藤幸治から順番に動く。前受けから引いた新山響平が、打鐘の3コーナーで押さえて先行策。そのまま絶妙なペースで駆けると、後続の追撃も振り切った。


 「前を取りたくなかったけど、取らされたので考えて。結果的には、仕掛ける順番が回ってきました。1走目は自分でスピードを作ってキツかったけど、2走目はスピードがもらえたので楽でした。(状態も)久しぶりにいい感じ。ここに来る前も休んだし、来てからも休めたので」


 新山ラインを受けた山田久徳(写真)は3番手を確保。直線で伸びたが、新山を8分の1輪交わせず2着。


 「1走目は叩きどころが悪かったので、今回は早めにいきました。できれば2コーナーで仕掛けたかったけど、(新山が)掛かってましたね。もうちょっとで1着かなと思ったら、踏み直されました。状態も悪くないと思います。ただ、2走目は坂口(晃輔)が初手でいい位置を取ってくれたおかげです」


 

6R

選手の写真です。
金子貴志選手

 天田裕輝が切った上を竹内雄作が打鐘目がけて踏んで主導権を握る。後続は一本棒。リズム良くラップを刻む竹内に、7番手の郡司浩平がまくりで襲い掛かる。しかしながら、竹内の掛かりもよく、金子貴志(写真)がブロックで阻む。金子は、逃げる竹内の余力を計りながら楽に追い込んだ。


 「(竹内)雄作は(最終)ホームからかなり踏んでたんで、付いていてもキツかったです。それでも雄作は4コーナーでしっかり踏み直していた。強かったです。郡司も止まったのかと思ったら、まだ伸びて来てましたね。あれだと桐山(敬太郎)も切り込んでくるんで、澤田(義和)さんが(3番手に)いてくれて良かった」


 澤田も3着に入って、竹内雄作はラインを上位独占に導く先行策に納得の顔をする。


 「展開が良かった。それでも最近は残れてなかった。踏み方とかペースがつかめてなかった。浅井(康太)さんから体の使い方とか、(吉田)敏洋さんからペダリングとか、先輩方からアドバイスをもらった。初日からシューズを戻したのもあって、いい方向に向いていると思います。3人のラインで(上位を独占して)理想の形になった」


 

7R

選手の写真です。
吉田拓矢選手

 赤板で誘導を下ろして前に出た吉田拓矢(写真)を中井太祐が押さえると、山崎賢人がすかさず叩いて逃げる。打鐘の4コーナーから踏み込んだ吉田は最終ホームで空いていた3番手に降りて態勢を立て直す。軽快に飛ばす山崎を吉田が4コーナーからの追い込み勝負でとらえた。


 「結構、ヤバい展開でした。(山崎が)流していると思って行ったら、踏まれてしまった。3番手が空いてたんで、1回そこで落ち着いて、もう1回行こうと。山崎さんは掛かっていたけど、僕も脚は溜まっていたので、行けると思いました」


 2着の山崎賢人は先行で長い距離を踏んだ。


 「ペースに入れながら先行しました。もうちょっと粘れると良かったんですけどね。3番手(に吉田が入ったこと)はわからなかったです。状態はいつも通りで問題ないです」

8R

選手の写真です。
脇本雄太選手

 前受けから誘導を使った長島大介は、ペースを上げきれない。赤板の2コーナーで踏み込んだ脇本雄太(写真)に園田匠、新井秀明まで続いて、脇本ライン3車が出切って主導権。先頭に立ってからもグングンと加速する脇本に、別線はなす術がない。脇本が連勝のゴールを駆け抜けた。


 「とりあえず良かった。ジャンで外々を踏んで、(後ろが)付いてきやすいように踏みました。ラインで決まったので良かったです。セッティングがまだ(いい感じに)出ていないので、それは4日目以降ですね」


 脇本ライン3番手の新井秀明は、直線で2人の間を踏んで最後のハンドル投げで園田を交わした。


 「園田がコースを空けてくれました。まずはしっかり付いていくことだけ考えていた。自分は脚は溜まっていなかったけど、(ラインの3番手で)内だけは締めて走りました」

9R

選手の写真です。
東口純選手

 内村舞織が打鐘から踏み込んで主導権を握る。前受けからこの2番手にすんなり収まった増茂るるこが最終2コーナーからまくると、続いた東口純(写真)が直線で鋭く差し切った。


 「積極的に動く選手の後ろから、うまく走れればいいなって思ってました。展開が向きました。1着はすごいうれしいです。本当に良かったです」


 初手から東口の後ろにいた荒牧聖未が2着。番手まくりの増茂るるこは末を欠いて3着に敗れた。


 「展開が向きました。車間を切って(石井)貴子さんに合わせてと思ったけど、待っているよりも自分から行きました。力を出し切っての結果なんで。今回は反省しかないですね。初日、2日目は力のなさを感じたので、練習し直します」


 

10R

選手の写真です。
林真奈美選手

 周回中6番手にいた戸田みよ子が動き出して、打鐘過ぎに出てそのまま駆ける。スタートで前を取った小林莉子が2番手に飛び付いて、大谷杏奈、小坂知子。5番手で車間を空けてタイミングを取っていた坂口楓華は、4コーナーから仕掛ける。坂口がスピードの違いで出切ると、続いた林真奈美(写真)がその上をまくる。最終バックで坂口をとらえた林が、地元で勝ち星を挙げた。


 「戸田さんが(仕掛けて)行くのが想定できなくて、動きが遅れた。そのぶん、いったん落ち着こうと思いました。坂口さんが車間を空けていたので、行くつもりか、私に合わせて行くつもりかなと。いろいろ考えなきゃいけなくて、ペダリングに安定感がなかった。それで(まくりの)出も良くなかった。決勝のメンバーを見るといつも自力を使っていて強いんで、私もひと皮、ふた皮むけなきゃいけないですね」


 7番車の高橋梨香は、周回中最後方。戸田を追わずに坂口、林の後ろでじっと我慢。冷静な立ち回りで林のまくりを追って、2着に流れ込んだ。


 「スタートで前に行きたかったんですけどねぇ…。でも、坂口さん、林さんって強い人が後ろの方にいたんで、自分が先に仕掛けるよりも冷静にいこうと思った。ギアを(3.64に)落としたのも良かった。それで踏んだりやめたりっていうのができました」


 

11R

選手の写真です。
鈴木美教選手

 「ガールズグランプリトライアル2018」Bグループの決勝は梅川風子が勝利。賞金ランク圏外からの逆転優勝で、初となる「ガールズグランプリ2018」の出場を決めた。レースは長澤彩が打鐘で出ると、その上を山原さくらが押さえる。2番手は山原に続いた石井貴子と長澤で併走。その後ろにいた石井寛子が最終ホームの手前から仕掛けて先頭に躍り出ると、続いた梅川は内に切り込んで石井寛をインからまくる。そのまま力強くゴールを目指し、2車身のセーフティーリードを保って押し切った。


 「みんなが一斉に動いて、読み切れなかったです。でも、(最終)ホームでは、そんなに踏まないかなって思っていました。(内からまくったのは)コースがそこしかなかったので。(優勝は)ゴール線までわからなかったです。差されると思いながら走っていた。勝因は冷静でいられたことですね。グランプリへのこだわりは、他の人より薄いというか、まだ成長しないといけない過程ですし。(グランプリ出場は)意識せずに臨んでいました。(優勝は)信じられないですね。この優勝は自分だけではなくて、(自分と)練習して下さる人たちのおかげです」


 鈴木美教(写真)は、前団の隊列が詰まってはいるものの最後方で最終ホームを通過。併走からまくった石井貴子を追いかけると、直線で鋭く伸びて準V。獲得賞金を上乗せし、地元の静岡で開催されるガールズグランプリ出場を果たした。


 「展開が激しかったですけど、後ろで冷静に見られました。脚も使っていなかったし、伸びも良かったですね。でも、緊張しました。(グランプリ出場を決められて)本当に良かったです。(最後まで賞金争いで気が抜けなかったが)ギリギリのラインでグランプリに乗れたことは、来年につながると思います。このあとは練習で追い込んで、優勝できる脚を作ります」


 石井寛子は梅川を追いかけたが、開いた差が縮まらずゴール前で鈴木に交わされ3着。


 「仕掛けると決めていました。グランプリを見据えて、どれくらいいけるかと。でも、踏む距離が短くなってしまったし、抜かれているので。このあとに基礎トレーニングをしっかりして、グランプリを頑張りたいです」


 

12R

選手の写真です。
佐藤水菜選手

 Aグループの決勝は児玉碧衣が、圧巻のまくりで人気に応えた。レースは打鐘の2センターで細田愛未の内をすくって前に出た尾崎睦を高木真備がホームで叩いて逃げる。高木を追っていた奥井迪がバック前からまくり上げるが、車は思うように進まない。児玉が前団の混戦をまとめて飲み込んだ。


 「声援がすごい力になりました。地元の特別なんで、すごいうれしいです。ジャンからみんな動いて団子状態になると思っていたので、それを見極めて行けるところでしっかり行こうと思ってました。(最終)3コーナーで止まるバンクなんですけど、そこを乗り越えて出切った時点で決まったと思いました。最大の目標はグランプリの優勝なので、今回はグランプリに向けて、いいシミュレーションになりました。このあとは武雄もあるので、一戦一戦、またグランプリに向けて頑張りたいと思います」


 外併走を耐えながらまくり上げた佐藤水菜(写真)が2着。今大会は114期からただひとりの参戦だったが、シリーズを通して抜群の存在感を放った。


 「ちょっとひるんでしまって、仕掛けるべきところで行けなかったです。自分らしい走りができなかった。最後は伸びたので、道中での位置取りを見直したいですね。また練習して見せられるようにしたい」


 最終4コーナーで最内を突いた細田愛未が3着に入った。


 「2着には入りたかったです。ジャン前から誰かしら来るかなって思っていたけど、内から(尾崎に)来られてしまって…。もっとダッシュがあれば良かったと思うんですけど、力が足りませんでした」


 

1R

選手の写真です。
吉澤純平選手

 中井太祐が赤板の2コーナーで踏み込んで主導権を握ると、松浦悠士は近畿2車を出させて単騎で遅れ気味に来た山田庸平と3番手で絡む。もつれたところを吉澤純平(写真)が打鐘の4コーナーから一気に巻き返す。白戸淳太郎は付け切れず、吉澤、芦澤大輔であっさり逃げる中井をとらえて、後続をちぎる。茨城両者の勝負は、吉澤の押し切り。


 「展開的にも行きやすかったです。前を取ったら最初からあのタイミングで行こうっていうのはあった。シンプルに外を仕掛けようって。キツかったけど、(1着に)残れて良かったです」


 直線で差を詰めた芦澤大輔は、半車輪差の2着。


 「(吉澤)純平もらしいレースをしたし、(差せなかったのは)力ですね。純平は責任をもってライン3車の競走をしてくれた。自分は前検日は今年一番のデキだなっていう感じもあったんで、予選は悔しかった。ただ、自信じゃないけど、仕上がっている感じはある」


 

2R

選手の写真です。
芦澤辰弘選手

 赤板の1コーナーで出た杉森輝大は、近畿コンビを打鐘で受けて3番手。しかし、ペースが緩んだ隙を見逃さず、2センターから踏み込んで主導権を奪った。そのままラインで出切ると、芦澤辰弘(写真)が好展開を生かしてアタマ。


 「杉森さんが積極的なレースをしてくれました。なんとかラインで決めたかったんですけど、ちょっと早めに踏んでしまって。杉森さんは残してくれると思って、行ってくれたんだと思うんですけど…。久しぶりに(最終)4コーナーを番手で回って、余裕がなかったです」


 杉森輝大は直線で失速して4着。しかしながら、積極的な組み立てでラインの2人をワンツーに導いた。


 「緩んだところを行こうと思っていました。3番手に入ったけど、迷うことなく行けました」


 後方に置かれた岩本俊介は最終ホームから仕掛けたが、山崎芳仁に合わされてシンガリ負けに終わった。


 「杉森さんが出た時に、自分も(車間を)詰めていて。でも、まさか山本(伸一)さんが出られちゃうとは思わなかったです。杉森さんがいいレースでした。脚の感じは悪くないけど、ここまで自分の形のレースができていない。残り2走で出せるように」

3R

選手の写真です。
山中秀将選手

 後ろ攻めの山中秀将(写真)が早めに動いて赤板で誘導の後位に収まる。続いて上昇した長島大介を取鳥雄吾が打鐘過ぎに押さえて先頭態勢を取る。これで7番手に逆戻りした山中はホーム前から一気のカマシ。マークの渡邉晴智がちぎれるほどのスピードで取鳥を瞬く間に抜き去った。


 「前が詰まったので、あそこしかないと思って行きました。ちょっと距離は長かったですね。本当はラインで決まるようなレースをしないといけないんですけど、今回は2走ともダメだったので、その余裕がなかったです。調子自体はいいと思います」


 最終バックで山中に出られた取鳥雄吾だったが、懸命に追いかけて2着に踏ん張った。


 「なんとかですね。今回の感じではちょっと厳しいかなって。(山中に)行かれるとは思っていたけど、ひとりで来てくれたんで。でも、前まで遠かったです」


 

4R

選手の写真です。
桐山敬太郎選手

 周回中は北日本トリオが前団。金子幸央が上昇すると、早坂秀悟は栃茨、南関勢を出して5番手を川村晃司と併走する。打鐘で早坂は外を張りながら強引に仕掛けるが、先行態勢の金子もペース上げて早坂は結局5番手に入り直す。すんなり3番手を手に入れた桐山敬太郎(写真)は、最終1センター過ぎからまくって久々の白星は飾った。


 「ずっと脚の感じは悪くなかった。展開が向いたし緩んだら叩いて先行もするつもりでした。練習とか前検日から感じは良かったので、準決とかまで行けたら面白いかなっていうのはあった。2走してやっぱりダメかなって思ったけど、(3走目は)自分でやってみてやっぱり良かった」


 切り替えた牛山貴広に絡まれた山賀雅仁だったが、わずかに前に出て締め込みながら2着をキープした。


 「練習はしてきたけど、あんなにレースがキツいとは思わなかった。締め込みながら走っていたら、気持ち悪くなりました。危なかったレースだし、本当にキツかった」


 

5R

選手の写真です。
橋本強選手

 後ろ攻めの南潤が、突っ張り気味に踏んだ根田空史を赤板で押さえて先行策に出る。一本棒のまま最終ホームを通過すると、7番手の佐藤幸治が1コーナーから反撃。ジワジワと前団に迫るが、村上義弘に番手まくりで合わされて不発。しかし、橋本強(写真)はバックから内に切り込むと、そのまま南と村上の間をまくって白星を手にした。


 「(山内)卓也さんをどかそうと思ったら、村上さんが上がっていたので、そのまま内だなと。あそこを行けなかったら、自分は終わりなので。脚の調子はいいですよ。でも、佐藤君が思い切って行ってくれたおかげです」


 村上義弘は、橋本に屈して2着。


 「激しいレースでした。橋本君が入ってくるのは見えていました。(南)潤が内にいて、締められなかったです。(橋本が)いいスピードでした」

6R

選手の写真です。
荒井崇博選手

 後ろ攻めから早めに上昇した菅田壱道が赤板で誘導の後位に入る。後方に下げた渡邉雄太を警戒しながら一気に踏み込んだ吉本卓仁が打鐘から逃げる。それでも強引に巻き返した渡邉が最終2コーナーで吉本をとらえる。この後位に俊敏にスイッチした荒井崇博(写真)が3コーナーからまくって激戦を制した。


 「良かったです。作戦はカマシだった。この歳になって調子良く特別に入れることはないので、シビアに行かせてもらった。(菅田が)見えたら行こうと思っていたけど、来なかったんで3コーナーまで待ってから行った」


 九州コンビの後位を取った菅田壱道が2コーナーで小川真太郎に内をすくわれながらも外併走を耐えて2着に食い込んだ。


 「首の皮一枚つながりました。展開は見えているし、位置もしっかり取れた。2コーナーで仕掛けられなかったのは反省です。小川真太郎にしゃくられたけど、しっかり踏み勝てたんで。焦って前に踏まないで、ツケマイで行けました。気持ちで乗り切れました。泥臭くても勝ち上がることだけ考えてました」

7R

選手の写真です。
太田竜馬選手

 山田久徳が小原太樹に並びかけると、その上を天田裕輝が押さえる。この動きを追った単騎の小松崎大地は、3番手で止まることなく先行策に出た。8番手に置かれた太田竜馬(写真)だったが、最終ホームから反撃を開始。前団を一気にまくって圧勝した。


 「後方になっても、スピードが出ると思っていました。合わされるかどうかわからないけど、一撃で行こうと。出切ってからは、スカスカする感じでしたね。でも、スピードが出て1着だし、らしい走りができたと思います。怪我の影響もないです」


 単騎で先行策に出た小松崎大地。太田にまくられはしたものの、持ち前のパワーで2着に粘った。


 「単騎で逃げる形になったけど、自分は自力選手なので。常に風を切って走ることを意識している。寛仁親王牌で決勝に乗れたのはマグレだけど、それでも経験できたことで得るものはある。自力選手は仕掛けることを恐れていたら戦えない。脚の状態は悪くないと思います」

8R

選手の写真です。
山田英明選手

 細切れの4分戦も、大方の予想通り竹内雄作が先行策。赤板の2コーナーから竹内が踏み込むと、切って待っていた山田英明(写真)が番手に飛び付く。最終ホーム手前で竹内後位を奪った山田は、原田研太朗のまくりに合わせて番手発進。園田匠とのゴール勝負をタイヤ差凌いで、シリーズ2勝目を挙げた。


 「自分を見失ってたところもあったんで、自分らしく“山田英明”でいこうって。腹をくくってこういうレースをして負けたら仕方がないっていう感じでした。泥臭くいかないと僕は勝てない。(番手を取り切ってから原田がまくって来てて)勢いも良かった。かぶってしまったら僕は2着があっても、園田さんと(坂本)亮馬に(勝負権が)ない。ただ、(番手から)出て行くのはキツかったです」


 山田マークから迫った園田匠が2着。ホームバンクでの準決進出に笑みがこぼれる。


 「ラインとしてしっかり戦った。亮馬が内をしっかり締めてくれているのもわかったし、最後小倉(竜二)さんに入られないようにと。(一次予選の2走で目標の強い選手に)鍛えられて、脚は完ぺきに仕上がりました」

9R

選手の写真です。
村田雅一選手

 金子貴志が後ろから動き、誘導後位が入れ替わる。木暮安由は南関勢をすくって中団を確保し、スローペース。別線の様子をうかがっていた金子は、7番手から巻き返してきた郡司浩平の仕掛けに反応してピッチを全開に。番手の村田雅一(写真)は絶妙なブロックで郡司を阻むと、直線で抜け出した。


 「木暮さんもいるから、すんなりにはならないと思っていたけど、いい展開になりましたね。3走とも前の選手が先行してくれて、いい位置を回れています。ブロックも、いいタイミングで入れましたね。GIは2回目ですけど、勝ち上がったことはなかった。準決も求められることがあるから、しっかり頑張りたいです」


 逃げた金子貴志が2着に粘る。強気に攻めて準決にコマを進めた。


 「もともと先行を基本に組み立てを考えていました。木暮君が先に切ってくれたら、もっと楽でしたけど、誘導が残っていたので助かりました。村田君もいいブロックをしてくれましたね。(状態は)もちろんいいと思います。前回(取手記念)は地区プロの疲れがあったけど、今回は疲れも抜けて、いい方向に向いてくれています」

10R

選手の写真です。
諸橋愛選手

 打鐘で切った古性優作を柴崎淳が叩いて出る。吉田拓矢がすかさず巻き返して最終ホームで主導権を奪う。軽快に飛ばず吉田に対して別線は沈黙。4コーナーを絶好の番手で迎えた諸橋愛(写真)が最後はきっちり差し切り、3カ月ぶりの勝ち星を挙げた。


 「吉田が出切ってくれたので、そこからあとは僕の仕事でしょう。古性の思惑通りにいかないようにだけしようと思っていた。わりと僕も冷静だったし、吉田もいい掛かりだったと思う。あれだけスタートで脚を使っているのに、末も良かったですね。ラインでワンツーが決まったのが一番いいですね」


 タイミングを逃さずにスパートした吉田拓矢が2着に残り、満足そうにレースを振り返る。


 「スタートのけん制がキツかったですね。あそこ(最終ホーム)では出切らないといけなかったし、けっこう踏みました。脚のアタリは微妙だったけど、2着に残れて収穫はありました。バックを取れたのは良かったです。諸橋さんとは相性が良いし、ワンツーが決まって最高です」

11R

選手の写真です。
清水裕友選手

 赤板で先頭に立った清水裕友(写真)を近藤隆司が2コーナーで叩いて出る。近藤はピッチを緩め、後続は一列棒状のまま打鐘を通過。別線の動向を確認しながら近藤がペースを上げて駆ける。3番手の絶好ポジションを確保していた清水が2コーナーが豪快にまくって快勝した。


 「展開に応じて走れました。後ろから誰か飛んで来たら、その時はしっかり対処しようと思ってました。やりたいことはしっかりできました。(近藤が)1センターで波を作っていたので、ワンテンポ仕掛けがズレましたね。日に日に状態は上がっている。こんなのは珍しいですね。自転車と体がはまっている感じがします」


 絶妙のペースで駆けた近藤隆司が、しぶとく2着に粘り込んだ。


 「上がりタイムが出るように、落ち着いて駆けました。稲垣(裕之)さん、清水君が来たら思いっきり合わせて踏もうと思ってました。途中で頭がパニックになったんですけど、(残り)1周まで休めたのが大きかったです。成田(和也)さんのおかげです。最後は初日と同じくらいキツかったです」

12R

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平原康多選手

 関東コンビに次いで吉田敏洋が誘導後位に収まり、5番手まで下げた脇本雄太に山崎賢人が併せ込んでフタをする。打鐘を通過しても外併走の山崎は動かず、3番手で車間を空けた鈴木庸之が叩きに出る。吉田も合わせて踏み込んで内から盛り返し、最終1センターでは吉田と鈴木の両者が重なる。2人の余力を見極めた平原康多は、自力に転じて2コーナーから一気にまくる。浅井康太が平原を追いかけて、大外を脇本が襲い掛かる。別線3車の直線の攻防は、平原を交わした浅井が1着。


 「吉田さんが頑張ってくれたんで、展開が向きました。いいタイミングで平原さんが仕掛けてくれたし、自分はとくになにもしてない。平原さんは強かった。久しぶりに強い人の後ろに付いた感じがします。(最終)2コーナーはキツかったけど、そのなかで抜けたのはマグレですね」


 最終ホームでようやく視界が開けた脇本雄太は、1センターから仕掛けるも浅井をとらえ切れず2着。


 「(山崎とは)真っ向勝負を望んでたんですけど、しょうがないですね。何回もバックを踏まされました…」


 「脇本を合わせたと思ったら、浅井が後ろにいた」とは、鈴木とのタッグからまくりを打った平原康多(写真)。浅井、脇本に交わされての3着も、判断力とソツのない立ち回りはさすがのひと言。


 「(鈴木は)一番苦しいところで(仕掛けて)行ってるから、ああなっちゃいますよね。そこはノブ(鈴木)も勉強じゃないですか。ノブが合わされてたんで、自分が行くしかなかった。出し切ったし、いいレースだったんじゃないかと」

1R

選手の写真です。
東口善朋選手

 長島大介が切った上を中近3車に単騎の筒井敦史まで出て、大方の予想通り南潤が逃げる。打鐘を通過して3コーナー過ぎに7番手の岩本俊介が仕掛けるが、南がペースを上げて岩本はあっさり不発。長島のまくりも一息で、番手絶好の東口善朋(写真)が追い込んで1着。


 「(直線で中を)入られないようにしてたんですけど、詰めの甘さが出ました。岩本君が仕掛けて来たけど、(南)潤の掛かりも良かったんで、けん制しなくてもいいかなっていう感じだった。(南と和歌山)ワンツーがベストなんですけどね。北野(武史)さんが入って来たところだけです」


 先行策からラインで上位独占を遂げた南潤は、納得の走りに汗をぬぐう。


 「ローラーに乗ってもしんどかったんで、疲れがあるかなっていうのはあった。それでもここに来てからは(5日目が)一番良かったです。脚見せからいい感じだった。あと後半がもうちょっと欲しい。でも、ラインで決まったんで」

2R

選手の写真です。
根田空史選手

 早坂秀悟が赤板の2コーナーで出る。3番手は先に出た金子幸央と、早坂に合わせる様に踏んだ山本伸一とで併走に。隊列が短くなり、前受けから引いた根田空史(写真)が打鐘の2センターから巻き返して主導権を奪取。そのまま力強く押し切った。


 「併走になっていたし、早坂さんが踏んでいなかったので勢いを付けて行きました。岩津(裕介)さんが浮いていなければ、もっと楽に行けたと思います。最後の粘りを出すためにセッティングを変えました。ただ、短所もあって踏み出しが重い。シューズも元に戻しました。どっちの効果かわからないですけど、この1着は大きい」


 前の岩津裕介が神山雄一郎にさばかれると、高原仁志は山本の番手に付ける。さらに、自力に転じた神山にスイッチし、直線で鋭く伸びて2着に食い込んだ。


 「岩津さんには申し訳なかったです。バックを踏んで付け直しても、このバンクだと消えていくだけなので。そこからもレースは見えていました。らしさは出せたと思います」

3R

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山崎芳仁選手

 前受けから後方まで下げた渡邉一成が踏み込んで打鐘前から先行態勢を取る。すかさず反撃に出た山田庸平を渡邊はきっちり合わせる。ホームで山崎芳仁が山田を弾いて、北日本勢のペース。番手絶好となった山崎芳仁(写真)がゴール寸前で粘る渡邉をとらえて、車単、3連単の1番人気に応えた。


 「(渡邉)一成が頑張ってくれました。まくりだと差せないと思ってましたけど、1番人気でしたね。逃げる展開になったんで、しっかりガードして、誰かまくって来たら止めようと。山田が見えてたんで、1回逃げてからアタリました。今回はかみ合ってなかったですね。連日、人気になってたんで、申しわけなかったです」


 久しぶりに先行で長い距離を踏んだ渡邉一成は2着。ラインを上位独占に導いた。


 「長い距離とは思ってないですけどね。前3走は自信を持って仕掛けることができなかった。これ以上、悪くなることはないと思って、思い切って仕掛けられた。ライン3車というのが大きかったです」

4R

選手の写真です。
牛山貴広選手

 竹内雄作の主導権。後位の競りは赤板の2コーナーで山内卓也を押し込んだ芦澤大輔が取り切る。山内は落車に見舞われ、芦澤は失格(3位入線)。竹内に芦澤、牛山貴広(写真)。松浦悠士の追い上げを芦澤が凌いで、竹内が逃げる。松浦が4番手に入ると、渡邉雄太が反撃に出るが竹内の掛かりがいい。竹内、芦澤、牛山の前団3車の勝負は、3番手から中を突いた牛山がわずかに出て1着。


 「芦澤君の頑張りに尽きます。自分はなにもしていないので、ゴール前はサラ脚でした。芦澤君を外から抜けないし、僕は内しかないと。思った以上に伸びました」


 先行策で別線を不発にした竹内雄作が2着に残った。


 「ちょっともったいなかったですね。もう山内さんに逃げ切ることだけ考えろって言われていて、自分が残るように必死に走りました。後ろはどうなっていたかわからなかったです」

5R

選手の写真です。
芦澤辰弘選手

 後位が競りの取鳥雄吾が、合わせて踏んだ村上義弘を赤板の1センターで押さえて先行策に出る。芦澤辰弘(写真)は打鐘の4コーナーで橋本強に競り勝って番手を奪取。最終2センターから山中秀将のまくりに合わせるように前へ踏む。守澤太志に内から絡まれながらも、直線で伸びて勝利した。


 「橋本さんがきれいな競りをしてくれて。普通なら、アンコにして引かせるんですけどね。あの形なら踏み出し勝負か、決着がつかなければ1コーナーでもう一度(競る)か。そのあとは取鳥君が主導権を取ってくれたので、すくわれても仕事をしようと思っていました。まだ勉強しないといけないし、脚もつけないといけない。慢心せずに頑張ります」


 取鳥雄吾は、打鐘の2センターから巻き返してきた村上を出させない。さらに、まくってきた山中も合わせ切って2着に粘った。


 「(後位が競りで)とりあえず、主導権は握ろうと。村上さんはホームで緩めたら来るから、そこを目いっぱい踏もうと。山中さんに(対戦成績が)全敗だったので、(先着できて)良かったです。状態も戻ってきている」

6R

選手の写真です。
吉澤純平選手

 後ろ攻めの桐山敬太郎が早めに動いて赤板で誘導の後位に入る。打鐘からピッチを上げる桐山を3番手外併走の態勢から原田研太朗が叩いて逃げる。4コーナーからスパートした吉澤純平(写真)は懸命に抵抗する原田を最終2コーナーでねじ伏せる。最後まで踏み切った吉澤が連勝を飾った。


 「なんとかですね。(原田が)行ったところを仕掛けようと思ってました。ラインで決まったのは良かったです。ハラケン(原田)が内にいたんで、すごいキツかったです。日に日に感じは良くなってます。勝ち上がれなかったんですけど、開き直って走れています」


 最終2コーナーで湊聖二に強烈なブロックをもらった武田豊樹は懸命に立て直して吉澤を追いかける。茨栃ライン3番手の神山拓弥が直線で武田を交わして2着に入った。


 「恵まれました。武田さんが凌いでくれたし、あの形で抜いても武田さんは3着で(特選)に上がれる。着はどうあれ、ラインで決まっているし、自分の中では収穫がありました」


 

7R

選手の写真です。
中村浩士選手

 山田久徳にフタをした和田真久留が、打鐘で飛び出して先行策に出る。4番手は追い上げた山田と、南関勢を受けた井上昌己とで併走に。中村浩士(写真)は外併走からまくってきた山田をブロックすると、直線で抜け出した。


 「(和田が)押さえ先行をしてくれたし、最終ホームでは山田君の仕掛けもしっかりと合わせてくれた。1走目に新山(響平)君と連係したような感じで、ライン全体が機能したと思う」


 2着には、南関3番手を固めた海老根恵太が入った。


 「(和田)真久留のおかげ。ホームでしっかり踏んでくれた。僕は3番手ですくわれないように、内をしっかり締めて。3番手は案外とやることが多くて勉強になる」


 逃げた和田真久留が3着。積極的な走りで、ラインを上位独占に導いた。


 「他の作戦もあったけど、後ろ攻めだったので先行に。こういう走りで勝ち上がりを突破できれば、戦法の幅が広がる。駆けてしまえば中村さんが仕事をしてくれるから。でも、普段より踏む距離が長かったですね」


 

8R

選手の写真です。
小倉竜二選手

 南関3車の先頭を務める小原太樹が赤板で押さえて出ると、小川真太郎を警戒しながら先行の腹を固める。外併走から2コーナーでスパートする小川に合わせて、小原が駆ける。内から6番手まで押し上げた古性優作は最終ホーム過ぎにまくるが、澤田義和は付け切れない。松谷秀幸が番手まくりで応戦するも、古性がねじ伏せる。古性に切り替えた成田和也が追い込む。が、小川からスイッチしてコースを縫った小倉竜二(写真)が、シャープに伸びて1着。


 「自分としてはあんなんが好きなんですけどね。もっと(小川)真太郎がやると思った。なにもしないで(最終)ホームで下がってきたんで、入れられなかった。中団なりに降りて、自分で入りにいかないと。真太郎には自在選手として期待してるんで。古性とかにもビビらないでやっていかないと」


 4番手確保の菊地圭尚がインに詰まり、成田和也は最終2コーナーで古性に切り替えて追い込んだ。


 「(菊地)圭尚も内に詰まっていたし、流れでした。古性も見えていて、どうするのかなと。自分はきっちり切り替えていけたんでよかった」

9R

選手の写真です。
稲垣裕之選手

 郡司浩平が稲垣裕之(写真)にフタをしていると、3番手の天田裕輝が前に出る。その上を郡司が叩きに行くが、天田も出させず踏み合いに発展。稲垣はバックを後方で通過するが、2センターから大外を一気。直線で鋭く伸びて白星をさらった。


 「郡司君の先行かなと思っていたけど、天田君が積極的でしたね。ゴチャついた展開になったけど、バックを踏むことなく走れました。ただ、三谷(将太)君には追走しづらいレースになってしまいました。まだまだセッティングの見直しもあったけど、日に日に良くなっています。大きくは、来年に向けて取り組んでいきたい」


 中団を確保した坂本亮馬は、最終2コーナーからまくり上げる。直線半ばで先頭に立つも、稲垣に交わされて2着。


 「みんなが位置取りをできるので、逆に位置が取れたらなと。郡司君も強かったけど、自分は(シリーズを通して)1日も脚を使っていなかったので。そのぶんもあって、最後まで踏み切れました。これで、S級1班の点数をもぎ取りましたね」


 

10R

選手の写真です。
太田竜馬選手

 前受けの山崎賢人が、押さえに来た三谷竜生を突っ張って主導権を譲らない。これを見た三谷は踏み合わずに、番手勝負に出た。山田英明が最終ホームで競り勝つと、後方で脚を溜めていた太田竜馬(写真)は最終1コーナーから反撃を開始。抜群のスピードで前団に迫り、2センターで抵抗する山崎をまくり切った。


 「前でごちゃごちゃやっていて展開が向きました。単騎もいるので、見すぎずに緩んだところでいこうと。踏み出したときは力まないで行けたし、今開催で一番進みが良かったです。GIのタイトルは、夢のまた夢だと思っている。グランプリはさらに上。優勝は想像できないので、とにかく(決勝は)力を出し切るだけです」


 香川雄介は太田と車間が開くが、懸命に追走して2車身で2着をキープ。決勝の結果次第では、賞金でグランプリ出場の可能性が浮上した。


 「年に2回も決勝に乗れるとは。グランプリは、1ミリも考えていないですよ。踏み出しはキツかったですね。前が強かった」


 最終ホームを中団で通過した単騎の菅田壱道は、太田に上を行かれてしまう。それでも、四国コンビを追うように仕掛けての3着で決勝進出を決めた。


 「山崎の突っ張りはあるかもって思っていたし、読み通りでしたね。仕掛けようと思ったら太田が来て。1着が取れなくても、3着までに入ろうと。気持ちで3着まで入れましたね。6月の高松宮記念杯で決勝に乗れて。そこから成績も安定した。GIを取りたいという気持ちで、1年間を通してやれました。最後のチャンスだし、(決勝は)悔いの残らないように走りたい」

11R

選手の写真です。
清水裕友選手

 赤板の2コーナーで切った平原康多を新山響平がすかさず叩いてハイピッチで駆ける。後続は一列棒状の態勢で最終ホームを通過。絶好の3番手を取った平原は2コーナーからまくる。小松崎大地の厳しいブロックを乗り越えたが、5番手からまくり追い込んだ清水裕友(写真)が外を一気。3場所連続のビッグ優出を果たした。


 「展開が良かったです。前が掛かっていて、リアルにちぎれました。2コーナーでやっと前に追いついたけど、いっぱいでそのまま仕掛けようという気にならなかった。ギアが足りなかった。本当にヤバかったです。今回は初日がダメだったんですが、気持ち的によく持ち直せたと思います。この制度に救われました」


 3番手からまくった平原康多は僅差の2着。連日、隙のない見事な立ち回りで決勝の舞台にたどり着いた。


 「かなりのハイピッチだったし、新山君が強かったです。(3番手を)確保という感じじゃなかったですね。小松崎君を越えるのがキツかったけど、しっかり力勝負にいけたのは良かったです。久しぶりに諸橋(愛)さんと決められたのはうれしいです」


 最終2センターで小松崎の内を突いた諸橋愛がしぶとく3着に食い込んだ。


 「いい緊張感で走れています。新山が踏み上げた時に(平原)康多もすぐに反応してくれた。康多が飲み込むという感じじゃなくて、一瞬、止まっている感じだったので、1秒くらい考えてから内にいきました。タラレバですけど、付いていって外のほうが清水も来れなかったかもしれないですね」


 

12R

選手の写真です。
脇本雄太選手

 主導権を握った関東コンビに単騎の近藤隆司が続いて、中川誠一郎が中団。4車のラインができあがった脇本雄太(写真)が6番手に構えて打鐘を迎える。先行態勢の吉田もギリギリまで引きつけて、脇本と腹の探り合い。吉田は4コーナーからペースを上げて逃げるが、脇本も仕掛ける。3番手で車間を空けた近藤は、脇本に合わせてまくる。両者が重なって最終3コーナーに入るが、脇本がねじ伏せて浅井を振り切った。


 「自分のなかでは自信のあるところから(仕掛けようと)と思ってた。でも、納得はしてないです。ビビってたところもあるんで反省したい。(今回使用している自転車は)レースで走るたびに、修正したいところがどんどん見つかる。準決も修正したいところが見つかった。(GI3連覇は)意識すると緊張してしまうんで、強い意識をもたずに、いつも通りのレースをするだけですね」


 「強すぎる」と、2着の浅井康太は脇本に脱帽も、弟デシの柴崎淳との優出には目を細める。


 「(脇本は近藤に)合わされたかと思ったけど良かった。そのあとは(もって)来られたら嫌なんで締めながらでした。(柴崎)淳は素質があって、もともと(GIの決勝に)乗って当たり前の存在だから。自分は努力して淳に追いついた。寛仁親王牌の時は、次は一緒に(決勝に)乗ろうって話していた。(準決は)淳も自分を信じて3番手を回ってくれたんで」


 3番手で脇本の加速力に対応した柴崎淳が、うれしいGI初のファイナルのキップをつかんだ。


 「自分のなかではゾーンに入って吸い込まれた。(今シリーズは)流れも良かった。初日と2日目に走って、(1日休んで)二次予選に乗れた。そういうところもある。(52回目のGI出場で初の決勝は)長かったですね、やっとです」