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74#
決勝戦レポート
山崎芳仁(福島・88期)
山崎芳仁が直線一気
浅井康太の奇襲にあった山崎芳仁だったが、そこからの判断は冷静だった。「輝也が形を作ってくれれば、あとは相手の来る場所。そこでどう対応するかだったし、(3番手に切り替えてからは)どこで前をとらえるかだけだった」。浅井のカマシを2コーナーから追いかけると、2センターから徐々に車間を詰めて直線一気に前団をとらえた。
「前は遠かったけど、何とか根性で乗り越えられた。今回は初日と今日と後輩がいたので展開が向きましたね。(優勝は)流れがうまくかみ合ってくれたからだと思う。輝也の頑張りに応えられたのが何よりです」
不安視されたギア規制も「今日もすごく伸びたんで」と全く問題なし。今年は全日本選抜、高知記念と立て続けにグレードレースを制覇した。「このままの勢いで。最近は1着も取れてるし、また一走一走頑張りたい」。山崎の進撃はまだまだ止まりそうにない。
佐々木則幸も11年ぶりの地元記念決勝で躍動。村上義弘のまくりに乗ると、あわや優勝という伸びを見せた。
「しゃあないですね。村上さんを信じてたし、頑張ってくれました。他にコースがあったのかもしれないけど、バック入れたくなかったんで外を行った。伸びましたね。もう少しで山崎をとらえられる感じだった。まだまだ戦えると分かったんでよかった」
直線で内にコースを選んだ神山雄一郎が3着に突っ込んだ。
「併走がキツくて、もう一杯だった。最後はコースを探す余裕がなかったね。それでも3着まで来れたんで納得です」
ホームからカマシ先行に打って出た浅井康太だが最後は末を欠き8着に敗れた。
「逃げてもいい勝負ができると思ってたし、今日は仕掛けると決めてたんで。タイミングはバッチリだったけどね。また頑張ります」
浅井に乗った伊藤正樹にもチャンスのある展開だった。
「浅井の出足がよかったんで、あれで一杯になった。最後もちょっとずつタレて来てたし、後ろ見たら山崎だったけど、もう力は残ってなかったです。2車だし追っかけやすいですよね」
惜しくも確定板を逃した牛山貴広は「今日はあそこ(山崎の後ろ)の位置。併走もキツかったけど、力不足ですね。脚があれば山崎さんに差し込んで2着はあったんで」とレースを振り返った。
和田真久留は牛山の動きが想定外だった。
「別に山崎さんの後ろと決めてたわけじゃないけど、流れのなかで。でも牛山さんがこだわってきたのは予想外。あれじゃ動けないですね」
レース経過
号砲でゆっくり村上義弘が出て、正攻法に構える。隊列は村上-佐々木則幸が前受け、中団に浅井康太-伊藤正樹、牛山貴広-神山雄一郎、房州輝也-山崎芳仁が後攻め、最後方に単騎の和田真久留の並びで落ち着く。
赤板前の4コーナーから房州が上昇。打鐘前の2コーナーで誘導員を交わして先行態勢に入る。単騎の和田がこれに続くが、牛山が外を追い上げて三番手は併走に。房州がそのままハイピッチで駆ける中、後方で構えていた浅井が最終ホームから一気にスパート。抜群のスピードで前団を抜き去り、最終2コーナーで先頭に立つ。伊藤がしっかり続き、切り替えた山崎、牛山、神山の順でバックを通過。中部コンビとの車間を徐々に詰めていった山崎が2センターから外を鋭く踏み込んで優勝を飾った。地元の佐々木は村上不発の展開から直線で外を強襲して2着。4コーナーで最内を突いた神山が3着に入った。
着 | 車番 | 選手名 | 府県 | 期別 | 級班 | 着差 | 上り | 決まり手 | H/B |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | 山崎 芳仁 | 福島 | 88期 | S1 | 14.2 | 追込み | ||
2 | 8 | 佐々木 則幸 | 高知 | 79期 | S1 | 3/4B | 13.8 | 追込み | |
3 | 3 | 神山 雄一郎 | 栃木 | 61期 | SS | 1W | 14.1 | ||
4 | 9 | 牛山 貴広 | 茨城 | 92期 | S1 | 3/4W | 14.2 | ||
5 | 1 | 村上 義弘 | 京都 | 73期 | SS | 1B | 14.1 | ||
6 | 6 | 伊藤 正樹 | 愛知 | 71期 | S2 | 1/4W | 14.7 | ||
7 | 5 | 和田 真久留 | 神奈川 | 99期 | S1 | 1/4W | 14 | ||
8 | 2 | 浅井 康太 | 三重 | 90期 | SS | 1B | 14.9 | B | |
9 | 4 | 房州 輝也 | 福島 | 91期 | S1 | D | 23.7 | H |