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決勝戦レポート

脇本雄太(福井・94期)

脇本雄太が大会3連覇

 大会3連覇、無傷の完全優勝がかかる決勝戦でも脇本雄太の強さは別格だった。後ろ攻めから打鐘前2コーナーで仕掛けると、抵抗する伊原克彦をホームで叩き切る。別線の反撃、松岡健介の逆転を許さない、完勝のレースだった。
 「自分のなかでは完全優勝は意識してなかった。同じ福井で伊原さんと別で戦うのがつらい。こみ上げてくるものがあった。それと戦いながらの優勝。うれしいと思うけど、これからは一緒に戦えるように頑張らないと」
3日間、打鐘から仕掛けての勝利。「連日、同じレースをしているし、自信をもって同じことをやろう」。決勝戦でも仕掛けに迷いはなかった。
 「伊原さんもダッシュがあるのは知ってる。これ以上タイミングを遅らせるわけにはいかないし、ジャンで力勝負かなと思った。雨が降っていたのでバンクコンディションは重かったけど、踏み切れたと思う」
 東京オリンピックが1年延期となったことでめぐってきた凱旋レース。「こうして地元で観客ありで走れるのはうれしい」。シリーズの主役は安どの笑みを浮かべると、こう続けた。
 「オリンピックが延期になったけど、決まったことはしょうがない。自分で決めた目標を変えるわけにはいかないので、それに向けて頑張るしかない。決勝はライン3車いるなかで、ラインで決められたのは価値がある。オールスターでもしっかり決めたいな」
 近畿勢からグランプリ出場が決まっているのは現時点で脇本ひとり。オールスターでは「どれだけラインで決めるか」を課題に、脇本が近畿の仲間をグランプリの舞台へと押し上げる。

 脇本の番手を主張した松岡健介。強い思いを持って脇本の仕掛けに続いたが、逆転はならなかった。
 「付け切るだけなら、(最近は)みんな付いて行ってる。(差して)タテ脚を見せたかったけど、この結果なら(番手が)僕じゃなくても良かったってなるので。みんなの想像どおりの結果になったけど、僕は抜けると思ってた。それがあのざまです。今回は7車でいい方に出たのがこの結果。これを9車でどう生かすかですね。また頑張ります」

 東口善朋もしっかりと3番手で付け切ってラインでワンツースリーが決まった。
 「付いて行かんことには話にならんし、付くことだけ意識して走りました。あんなにかかってしまったら内もいけないし、外を踏める脚もない。ナンバーワンの選手に付けて、これからどうするって課題も見つかる。そこは自分にプラスですね。今回で課題が見つかったので、これから伸ばしていきたい」

 脇本との力勝負はシンガリ負けという結果に終わった伊原克彦だが、出し切ったレースに表情は明るい。
 「脇本が遅いと思って僕も緩めてしまった。アレっ?て、ワンテンポ緩めた分、下りでスピードの差が付いた。実力不足ですね。今回で課題も見えたし、今日みたいに前を回ったときは後ろの人のためにも力を付けつつ、番手ならしっかり仕事ができるようになりたい」

  • 優勝者の写真です
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レース経過

 伊原克彦がスタートを出て、前団は伊原-村上義弘。高橋和也-坂口晃輔、脇本雄太-松岡健介-東口善朋の隊列。赤板を通過して2コーナーから5番手の脇本が仕掛けると、前の伊原も合わせてペースを上げる。しかしながら、脇本がスピードの違いで最終ホーム手前で主導権を奪い、松岡、東口まで出切る。4番手でいっぱいの伊原の余力を見極めた村上が、高橋をけん制しながら切り替える。逃げる脇本がさすがの掛かりで、村上は前の3車との車間がなかなか詰まらない。直線に入っても脇本のスピードは衰えず、松岡、東口を振り切って地元記念3連覇。

車番 選手名 府県 期別 級班 着差 上り 決まり手 H/B
1 1 脇本 雄太 福井 94期 SS 11 逃切り H B
2 3 松岡 健介 兵庫 87期 S1 1W 10.9 マーク
3 4 東口 善朋 和歌山 85期 S1 3/4B 10.8 マーク
4 7 坂口 晃輔 三重 95期 S1 2B 10.6
5 5 村上 義弘 京都 73期 S1 1/2B 10.8
6 2 高橋 和也 愛知 91期 S1 4B 11.2
7 6 伊原 克彦 福井 91期 S2 6B 11.8